説明

高慣性モーメントウッドタイプゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド

(a)ヒール、トウ、クラウン、ソールおよび重み付けされた後部部分を含むクラブヘッドボディ、および(b)可変性の厚さの打球面を含むウッドタイプゴルフクラブヘッド(200)を提供する。クラブヘッドボディパーツおよび重み付けされた部分は、クラブヘッドが、クラブヘッド重心を通過する垂直軸を中心に少なくとも5000g-cm2の慣性モーメントを有するように配設されることができる。そのようなクラブヘッドは、(a)打球面部分(202a)およびリターン部分を含むカップフェイス部材(202)、(b)リターン部分と係合したソールおよびクラウン部分(204、206)、(c)クラウンおよび/またはソール部分と係合したボディ後部部材(208)、(d)クラブヘッド後部における重り部材、ならびに/または(e)カップフェイス部材、クラウン部分および/またはソール部分と係合したホーゼル部材(210)を含むことができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願データ
本出願は、2007年6月21日に出願された米国特許仮出願第61/007,929号に基づく優先権を主張する。この先行仮出願は参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般に、たとえばドライバ、フェアウェイウッドなどのための、「ウッドタイプ」ゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドを含むゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドに関する。本発明のさらなる局面は、そのようなゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド、特に、高い慣性モーメントを含むゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
ゴルフは、多種多様なプレーヤ、すなわち異なる性別ならびに劇的に異なる年齢および/または技術レベルのプレーヤによって楽しまれている。ゴルフは、そのような多様なプレーヤの集まりがゴルフイベントで互いに直接競いながらいっしょにプレーし(たとえば、ハンデ付きのスコア、異なるティーボックスを使用して、チームフォーマットで、など)、なおもゴルフのラウンドまたは競技を楽しむことができるという点で、スポーツの世界ではいくぶんユニークである。これらの要因が、テレビにおけるゴルフ番組(たとえばゴルフトーナメント、ゴルフニュース、ゴルフの歴史および/または他のゴルフ番組)の増加および著名なゴルフスーパースターの出現と相まって、少なくとも部分的に、近年、米国および世界中でのゴルフ人気を高めた。
【0004】
ゴルファーは、すべての技術レベルにおいて、パフォーマンスを改善し、ゴルフスコアを良くし、その次のパフォーマンス「レベル」に到達しようとする。すべてのタイプのゴルフ用具の製造者はこれらの要求に応え、近年、業界は、ゴルフ用具における劇的な変化および改良を目撃した。たとえば、今や、広い範囲の異なるゴルフボールモデルが利用可能であり、ボールは、特定のスイング速度および/または他のプレーヤ特性もしくは好みを補うように設計されている。たとえば、一部のボールは、より遠くおよび/またはよりまっすぐに飛ぶように設計されており、一部のボールは、より高いまたはよりフラットな弾道を提供するように設計されており、一部のボールは、より多くのスピン、コントロールおよび/または感覚を提供する(特にグリーン周りで)ように設計されており、一部のボールは、より速いまたはより遅いスイング速度のために設計されている、などである。また、ゴルフのスコアを減らすのに役立つことを約束する数多くのスイングおよび/または補助教具が市販されている。
【0005】
プレー中にゴルフボールを動かす唯一の道具であることから、ゴルフクラブもまた、近年、多大な技術的研究および進歩の対象であった。たとえば、市場は、近年、パター設計、ゴルフクラブヘッド設計、シャフトおよびグリップにおける劇的な変化および改良を見てきた。さらには、ゴルフクラブの様々な要素および/または特性ならびにゴルフボールの特性を特定のユーザのスイング特徴または特性により良く適合させようとして、他の技術的進歩が達成されてきた(たとえば、クラブフィッティング技術、ボール打ち出し角計測技術、ボールスピン速度など)。
【0006】
近年の技術的進歩にもかかわらず、「ウッドタイプ」ゴルフクラブ、特にドライバは、一部のプレーヤにとって、一貫してうまく打つことが非常に困難であることもある。したがって、ゴルフボールを飛ばすプレーヤの能力を改善する、ボール飛距離、方向および/またはコントロールを増す、および/またはウッドタイプゴルフクラブ、特にドライバの競技性を他のやり方で改善するさらなる技術的進歩がゴルフの世界で歓迎されるであろう。
【発明の概要】
【0007】
概要
以下、本発明およびその様々な特徴の基本的理解を提供するために、本発明の局面の概要を提示する。この概要は、本発明の範囲をいかなるふうにも限定することを意図したものではなく、単に、以下に続くより詳細な説明のための概観および状況を提供するものである。
【0008】
一般に、本発明の局面は、ウッドタイプゴルフクラブおよび/またはゴルフクラブヘッド(たとえばドライバ、フェアウェイウッドなど)に関する。本発明の少なくともいくつかの例のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブは、(a)ヒール、トウ、クラウン、ソールおよび後部部分を含み、後部部分が少なくとも一つの重量増加ゾーンを含むクラブヘッドボディ、および(b)クラブヘッドボディと係合した、またはその一部として一体に形成された可変性の厚さの打球面(一つの重量増加ゾーンから離れた位置にあり、クラブヘッドのトウ部分からヒール部分まで延びる)を有するクラブヘッド構造を含む。本発明の少なくともいくつかの例示的構造におけるクラブヘッドボディパーツおよび重量増加ゾーンは、クラブヘッドが、ボールアドレスポジションにあるとき、クラブヘッド重心を通過する垂直軸を中心に少なくとも5000g-cm2の慣性モーメント(本明細書では「Izz」とも呼ぶ)を有するように配設される。
【0009】
本発明のさらなる例示的ウッドタイプゴルフクラブヘッド構造は、(a)打球面部分(場合によっては可変性のフェイス厚を有する)およびリターン部分を含むカップフェイス部材、(b)リターン部分と係合した第一のボディ部材(たとえばソール部分)、(c)リターン部分と係合した第二のボディ部材(たとえばクラウン部分)、(d)第一のボディ部材および第二のボディ部材の少なくとも一方と係合した第三のボディ部材(たとえば後部部分)(第二のボディ部材が第三のボディ部材の少なくとも一部分とリターン部分との間に位置して、第三のボディ部材の少なくとも一部分をリターン部分から切り離す)、(e)第一のボディ部材および第三のボディ部材の少なくとも一方と係合した、またはそれと一体に形成された一つまたは複数の重り部材(クラブヘッド構造の後区域に位置する)、および/または(f)カップフェイス部材および第二のボディ部材の少なくとも一方と係合したホーゼル部材の一つまたは複数を含むことができる。本発明のいくつかのクラブヘッド構造において、クラブヘッドは本質的に上記パーツからなる。
【0010】
本発明の少なくともいくつかの例のゴルフクラブヘッド構造を製造する方法は、たとえば、(a)可変性の打球面厚を有する打球面部材を提供すること、(b)上記タイプの一つであることができるクラブヘッドボディを打球面部材と係合させることを含むことができる。本発明の少なくともいくつかの例のゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドを製造するさらなる方法は、(a)打球面部分および打球面部分の周囲区域から延びるリターン部分を含むカップフェイス部材を形成すること、(b)ゴルフクラブヘッドのソール部分の少なくとも一部を含む第一のボディ部材をリターン部分と係合させること、(c)ゴルフクラブヘッドのクラウン部分の少なくとも一部を含む第二のボディ部材をリターン部分と係合させること、(d)第三のボディ部材を第一のボディ部材および第二のボディ部材の少なくとも一方と係合させること(第三のボディ部材は、ゴルフクラブヘッドの後区域の一部分を横切ってクラブヘッドのヒール側からトウ側まで延びるように係合し、第二のボディ部材は、第三のボディ部材の少なくとも一部分とリターン部分との間に位置するようにクラブヘッド構造に含まれる)、(e)重り部材を第一のボディ部材および第三のボディ部材の少なくとも一方と係合させること(重り部材はゴルフクラブヘッドの後部部分に近接して係合する)、(f)第一のボディ部材を第二のボディ部材と係合させること、および/または(g)ホーゼル部材を、カップフェイス部材、第一のボディ部材および/または第二のボディ部材の少なくとも一つと係合させることの一つまたは複数を含むことができる。
【0011】
このようなクラブヘッド構造は、当技術分野で公知であり、使用されている従来のやり方を含む任意の所望のやり方で、ゴルフクラブ構造全体に組み込むこともできるし、ゴルフクラブとして使用することもできる。
【0012】
添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、本発明およびその特定の利点のより完全な理解を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の例示的ゴルフクラブの正面図を示す。
【図2】図2A〜2Gは、本発明の一例のゴルフクラブヘッドおよびそのフェイス部材の様々な図を示す。
【図3】図3A〜3Cは、本発明のもう一つの例示的ゴルフクラブヘッド構造の様々な図を示す。
【図4】図4A〜4Gは、本発明のもう一つの例のゴルフクラブヘッドおよびそのフェイス部材の様々な図を示す。
【図5】図5Aおよび5Bは、本発明のもう一つの例のゴルフクラブヘッドおよびそのフェイス部材の様々な図を示す。
【図6】本発明のゴルフクラブ構造の様々なパーツに使用することができる例示的なジョイント構造を示す。
【0014】
読者は、添付図面が必ずしも原寸に比例して描かれてはいないことに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
本発明の様々な例示的構造に関する以下の説明においては、本明細書の一部を形成し、本発明の様々な例示的ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ構造が実例として示されている添付図面を参照する。さらには、発明の範囲を逸脱することなく、パーツおよび構造の他の具体的配設を使用することができ、構造的および機能的変更を加えることができることが理解されよう。また、本明細書において、本発明の様々な例示的特徴および要素を説明するために「上」、「下」、「正面」、「背面」、「後」、「側方」、「下面」、「頭上」などの語が使用されることがあるが、これらの語は、本明細書中、たとえば図に示す例示的向きおよび/または一般的な使用における向きに基づいて便宜上使用される。本明細書におけるいかなる記載も、本発明の範囲に入るために構造の特定の三次元または空間的向きを要するものと解釈されるべきではない。
【0016】
A. 本発明の例のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブの概説
一般に、上記のように、本発明の局面は、ウッドタイプゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブなど(たとえばドライバまたはフェアウェイウッドなど)ならびにそのようなクラブおよびクラブヘッドを製造し、使用する方法に関する。本発明の少なくともいくつかの例のウッドタイプゴルフクラブヘッドは、(a)ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、ソール部分および後部部分を有し、後部部分が第一の重量増加ゾーンを含むクラブヘッドボディ、および(b)クラブヘッドボディと係合し、またはその一部として一体に形成され、第一の重量増加ゾーンから離れたクラブヘッドボディの部分に位置し、トウ部分からヒール部分まで延びる可変性の厚さの打球面(たとえば「カップフェイス」配設)を含む。本発明の少なくともいくつかの例示的構造におけるクラブヘッドボディパーツおよび重量増加ゾーンは、クラブヘッドが、ボールアドレス向きで、クラブヘッド重心を通過する垂直軸を中心に少なくとも5000g-cm2の慣性モーメント(本明細書では「Izz」とも呼ぶ)を有するように配設されることができる。さらには、クラブヘッドは、少なくとも400ccの体積、少なくとも4.5インチの全長寸法(ヒールからトウ方向)および少なくとも0.92の、全幅寸法(前後)に対する全長寸法の比を有することができる。
【0017】
本発明のさらなる例示的なウッドタイプゴルフクラブヘッド構造は、(a)打球面部分および打球面部分の周囲区域から延びるリターン部分を含むカップフェイス部材、(b)リターン部分と係合し、ゴルフクラブヘッドのソール部分の少なくとも一部を含む第一のボディ部材、(c)リターン部分と係合し、ゴルフクラブヘッドのクラウン部分の少なくとも一部を含む第二のボディ部材、(d)第一のボディ部材および第二のボディ部材の少なくとも一方と係合し、ゴルフクラブヘッドの後部部分の少なくとも一部を横切ってクラブヘッドのヒール側からトウ側まで延びる第三のボディ部材(第二のボディ部材が第三のボディ部材の少なくとも一部分とリターン部分との間に位置して、第三のボディ部材の少なくとも一部分をリターン部分から切り離す)、(e)第一のボディ部材および第三のボディ部材の少なくとも一方と係合し、ゴルフクラブヘッドの後部部分に近接して位置する重り部材、および/または(f)カップフェイス部材、第一のボディ部材および/または第二のボディ部材の少なくとも一つと係合したホーゼル部材の一つまたは複数を含むことができる。望むならば、第一のボディ部材が第二のボディ部材と係合してもよい。
【0018】
本発明を逸脱することなく、クラブヘッドボディ部材は、多種多様な材料およびパーツから、従来の方法を含め、当技術分野で公知であり、使用されている従来の材料およびパーツから作ることができる。いくつかのより具体的な例において、クラブヘッドのパーツは、金属材料(たとえばチタン、マグネシウム、アルミニウムなどのような金属)または金属合金、たとえばスチールの合金、チタン、マグネシウムまたはアルミニウムを含有する合金など)、複合材料(たとえば、クラウン部分、スカート部分、ソール部分、アフトボディ部分、打球面部分などのためのカーボンファイバ複合体、玄武岩ファイバ複合体など)、ポリマー材料などの一つまたは複数から作ることができる。
【0019】
本発明を逸脱することなく、クラブヘッドボディは、多様な異なる形態、形状および/またはサイズを有することができる。たとえば、クラブヘッドは、1ピース構造またはマルチピース構造として作ることができる。本発明を逸脱することなく、マルチピース構造もまた、たとえば、打球面部材(場合によっては、フェイス要素(たとえばカップフェイス部材)と係合した、またはそれと一体に形成された打球面プレートを有する)、クラウン部材(たとえば、軽量材料、たとえばカーボンファイバまたは他の複合材料、玄武岩ファイバ強化材料、チタン金属またはチタン系合金材料などでできている)、ソール部材もしくはソールプレート(たとえば、場合によっては耐久性の、より重いおよび/または比較的高密度の材料(クラウン部材と比較して)、たとえば金属または金属合金材料でできている)、アフトボディ部材(たとえば、クラウン部分、ボディリボン部分もしくは他のボディ部分および/またはソール部分の少なくともいくつかの部分を含む)、リボン部材)などの一つまたは複数を含むマルチピース構造を含め、多種多様な形態を有することができる。以下、図面を参照して本発明の様々なマルチピースクラブヘッド構造のより具体的な例をより詳細に説明する。
【0020】
望むならば、クラブヘッドのクラブヘッドボディおよび/または打球面の少なくとも一部または全部がチタン金属および/またはチタン系合金材料でできていることもできる。いくつかのより具体的な例において、クラブヘッドボディおよび/またはクラブヘッド全体の質量、体積および/または表面積の少なくとも50%がチタン金属および/またはチタン系合金材料から作られ、いくつかの例示的構造において、これらの量は、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%であることができる。本発明の少なくともいくつかの例のクラブヘッド構造の慣性モーメント(Izz)(当技術分野で一般的なやり方で計測した場合)は非常に高く、たとえば少なくとも5200g-cm2、少なくとも5500g-cm2、少なくとも5800g-cm2、少なくとも5850g-cm2または少なくとも5900g-cm2であることができる。
【0021】
本発明の例のクラブヘッドの具体的な特徴は広く異なることができる。たとえば、クラブヘッドは、少なくとも4.75インチ又は少なくとも4.8インチ、4.9インチまたはそれを超える全長寸法(ヒールからトウ方向)を有することができる。クラブヘッドはまた、少なくとも420cc、少なくとも450ccまたは460ccまたはそれを超える体積を含め、異なることができる。クラブヘッドの全幅寸法(フェイスから後部方向)に対する全長寸法の比は、少なくとも0.94、少なくとも0.96、少なくとも0.98またはそれを超えることができる。
【0022】
望むならば、本発明の例のゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブ技術分野で公知であり、使用されている特徴を含む、なおさらなる特徴を含むことができる。たとえば、クラブヘッドボディの外部から内部まで延びる(たとえば重りポートを介して)重み付けシステムが、クラブヘッドボディ部材に、たとえばクラブヘッドボディの内部または外部に永久的に取り付けられてもよい。なおさらなる例として、望むならば、重み付けシステムは、たとえば、当技術分野で公知であり、使用されている構造および技術を使用して(たとえばスクリュー、セットスクリューまたは他の機械的コネクタアタッチメント、スライド式取り付けなどによって)クラブヘッドボディ部材に対して移動可能および/または脱着可能に取り付けられた一つまたは複数の重り部材を含むことができる。有利には、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、重み付けシステムは、クラブヘッドボディ部材の後部またはそれに近接して位置する重り部材を、場合によってはクラブヘッドのトウ後部、ヒール後部および/またはソール部分後部の近くに設けられた重り部材とともに含む。望むならば、重み付けシステムの少なくともいくつかの部分は、たとえばカスタマイズ、交換、取り替えおよび/またはクラブフィッティングを可能にするため(たとえば、ドローバイアスのかかったクラブを提供する、フェードバイアスのかかったクラブを提供する、高弾道バイアスクラブを提供する、低弾道バイアスクラブを提供する、望ましくないボールの飛びまたはスイングの欠点を補正するのに役立つクラブを提供するため(たとえばフック、スライスなどを矯正する、ボールを上げやすくする、高く上がるボールの飛びを防ぎやすくするなど)など)、選択的に、クラブヘッドボディ部材から移動可能および/または脱着可能である、および/または様々な異なる位置および/または配設で取り付け可能であることもできる。
【0023】
クラブヘッドボディパーツの様々な特徴が、さらなる重量を減らすまたは「節約」して、クラブヘッド構造中の任意の重量の選択的配置を可能にして、クラブヘッドの慣性モーメントを増すおよび/またはその特性を他のやり方で変化させるのに役立つことができる。たとえば、クラブヘッドのクラウン部分および/またはソール部分は中央区域および周辺区域を含むことができ、中央区域は周辺区域よりも薄く作られている。同様に、打球面は、その周囲を薄くすることもできる(それにより、可変性の厚さの打球面を提供する)。そして、クラウン部分、ソール部分および/または打球面部分の厚さ減少区域によって「節約」された質量をクラブヘッド構造中に「配置し直し」てクラブヘッドの慣性モーメントを増大させて、ボール飛び特性に影響を加える(たとえば、上述したように特定の所望のタイプのボールの飛びのためにクラブにバイアスをかける)および/またはユーザのスイング欠点を補正することに役立てることができる。
【0024】
本発明のさらなる局面は、たとえば上記タイプのゴルフクラブヘッドを含むゴルフクラブ構造(たとえば、ドライバ、フェアウェイウッド、ウッドタイプハイブリッドまたはユーティリティクラブなどを含むウッドタイプゴルフクラブ)に関する。上記タイプのクラブヘッド構造に加えて、本発明の少なくともいくつかの例のゴルフクラブは、(a)クラブヘッドボディと(たとえばフェイス部材、ボディ部材の一つまたは複数または両方と)係合したシャフト部材、(b)シャフトと係合したグリップ部材および/または(c)クラブヘッドおよび/またはシャフトと係合した取っ手部材の一つまたは複数を含むことができる。本発明を逸脱することなく、ゴルフクラブ構造のこれらさらなる要素は、当技術分野で公知であり、使用されている従来のやり方を含む任意の所望のやり方で、クラブ構造全体に含めることができる(たとえば、外部ホーゼル部材、内部ホーゼル部材、クラブヘッドに設けられた開口、接着剤、機械的コネクタ(たとえばねじ、保定要素など)などを介してシャフトを係合させることができる)。さらには、ゴルフクラブ構造のこれらさらなる要素は、たとえば当技術分野で公知であり、使用されているような従来の材料から従来の構成および/またはやり方で作ることができる。望むならば、クラブヘッドフェイス部材および/またはボディ部材の一方または両方がホーゼル要素を含むように形成されてもよく、望むならば、何らかのタイプのホーゼル要素をフェイス部材および/またはボディ部材の一つまたは複数と係合させてもよい(たとえば、クラブヘッド構造全体に対して内部、外部または両方)。
【0025】
B. 本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブを製造および/または使用する例示的方法の概説
本発明のさらなる局面は、本発明のゴルフクラブヘッドおよび/またはゴルフクラブ構造(たとえば、上記様々なタイプのもの)を製造する方法に関する。そのような方法は、たとえば、(a)可変性の打球面厚を有する打球面部材を提供するステップ、(b)クラブヘッドボディを打球面と係合させるステップ(クラブヘッドボディは、ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、ソール部分および後部部分を含み、後部部分は第一の重量増大ゾーンを含み、打球面は、第一の重量増大ゾーンから離れたクラブヘッドボディの部分に位置し、トウ部分からヒール部分の方向に少なくとも部分的に延び、クラブヘッドは、少なくとも5000g-cm2の慣性モーメントIzz、少なくとも400ccの体積、少なくとも4.5インチの全長寸法(ヒールからトウ方向)、および少なくとも0.92の、全幅寸法(フェイスから後部方向)に対する全長寸法の比を有する)、(c)シャフト部材をゴルフクラブヘッドと係合させるステップ、および/または(d)グリップ部材をシャフト部材と係合させるステップの一つまたは複数を含むことができる。このようなゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドは、上記サブセクションで記載した所望の特徴のいずれをも有することもできる。
【0026】
本発明の少なくともいくつかの例のゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドを製造するさらなる方法は、(a)打球面部分および打球面部分の周囲区域から延びるリターン部分を含むカップフェイス部材を形成すること、(b)ゴルフクラブヘッドのソール部分の少なくとも一部を含む第一のボディ部材をリターン部分と係合させること、(c)ゴルフクラブヘッドのクラウン部分の少なくとも一部を含む第二のボディ部材をリターン部分と係合させること、(d)第三のボディ部材を第一のボディ部材および第二のボディ部材の少なくとも一方と係合させること(第三のボディ部材は、ゴルフクラブヘッドの後部部分の少なくとも一部を横切ってクラブヘッドのヒール側からトウ側への方向に延びるように係合し、第二のボディ部材は、第三のボディ部材の少なくとも一部分とリターン部分との間に位置するように係合する)、(e)重り部材を第一のボディ部材および第三のボディ部材の少なくとも一方と係合させること(重り部材は、ゴルフクラブヘッドの後部部分に近接して係合する)、(f)第一のボディ部材を第二のボディ部材と係合させること、(g)ホーゼル部材を、カップフェイス部材、第一のボディ部材および/または第二のボディ部材の少なくとも一つと係合させること、(h)シャフト部材をゴルフクラブヘッドと係合させること、および/または(i)グリップ部材をシャフト部材と係合させることの一つまたは複数を含むことができる。ここでもまた、そのようなゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドは、上記所望の特徴のいずれをも有することができる。
【0027】
上記のように、クラブヘッドボディおよび/または打球面の様々な個々のパーツは、異なる厚さに作ることができる(たとえば、打球面の場合には中央部分が厚めである、クラウンおよび/またはソール部材の場合には周囲部分が厚めである、など)。本発明を逸脱することなく、厚さの変更は、任意の所望のやり方で達成することができる。いくつかのより具体的な例において、ケミカルミリングプロセスを含むミリングまたは機械加工プロセスによってクラブヘッドボディおよび/または打球面の様々な所望の部分を薄くすることができる。
【0028】
ゴルフクラブおよびクラブヘッドの様々なパーツは、任意の所望のやり方で係合させることができる。いくつかのより具体的な例として、上記様々な「係合」ステップは、接着剤またはセメントを使用する接合、溶接、ロウ付け、はんだ付けまたは他の融着技術を使用する係合、機械的コネクタ(たとえばスクリュー、ボルト、ナットなど)を使用する取り付けなどの一つまたは複数を含むことができる。望むならば、本発明のいくつかのより具体的な例示的構造において、クラブヘッド構造の様々なパーツどうしを溶接することもできる。
【0029】
本発明の少なくともいくつかの例のゴルフクラブは、シャフト部材および/または取っ手部材をクラブヘッドボディ(たとえば上記タイプのもの)と係合させることによって製造することができる。これは、当技術分野で周知であり、使用されている従来のやり方を含む任意の所望のやり方(たとえばセメントまたは接着剤、機械的コネクタなどを介する)で達成することができる。さらには、望むならば、たとえば、当技術分野で周知であり、使用されている従来のやり方を含む任意の所望のやり方(たとえばセメントまたは接着剤、機械的コネクタなどを介する)でグリップ要素をシャフトまたは取っ手部材と係合させてもよい。本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブは、同じく当技術分野で公知であるような従来の方法で使用することができる。
【0030】
以下、本発明のいくつかの例をより詳細に説明する。読者は、これらの具体例が、本発明の例を示すためだけに記載されるものであり、本発明を限定するものと解釈されるべきではないということを理解すべきである。
【0031】
C. 本発明の具体例
図1は一般に、本発明の少なくともいくつかの例の例示的ウッドタイプゴルフクラブ100を示す。従来どおり、クラブ100は、クラブヘッド102、クラブヘッドをシャフト106に接続するホーゼル領域104およびシャフト106と係合したグリップ部材108を含む。クラブヘッド構造102の様々な例示的特徴および局面は、残りの図面を参照して以下さらに詳細に説明する。クラブヘッド102は、当技術分野で公知であり、使用されているやり方を含む任意の所望のやり方で(たとえばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、溶接、はんだ付け、ロウ付けまたは他の融着技術などを介する)ホーゼル要素104を介してシャフト106と係合させることができる。当技術分野で公知であり、使用されている従来の材料を含む任意の所望の材料、たとえばスチール、グラファイト、ポリマー、複合材料、これらの材料の組み合わせなどをシャフト部材106に使用することができる。同様に、グリップ部材108もまた、当技術分野で公知であり、使用されているやり方を含む任意の所望のやり方で(たとえばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続などを介する)シャフト106と係合させることができる。当技術分野で公知であり、使用されている従来の材料を含む任意の所望の材料、たとえばゴム、ポリマー材料、コルク、ゴムまたはコードもしくは他の布要素が中に埋め込まれたポリマー材料、クロスもしくは布、テープなどをグリップ部材108に使用することができる。
【0032】
次に、図2A〜6を参照して本発明の例のゴルフクラブヘッドの構成をさらに詳細に説明する。クラブヘッド構造200およびその部分の一例が図2A〜2Gに示されている。図2Aおよび2Bは一般に、この例示的クラブヘッド構造200を、たとえばボールアドレスポジションからクラウンを見下ろした場合に見えるような比較的正方形または長方形のフットプリントを有するものとして示す。このクラブヘッド200(および本明細書に記載される他すべての長方形クラブヘッド)の長方形または「正方形」特性は、当技術分野で公知であるような他のほぼ長方形または正方形のゴルフクラブヘッド構造の特性、たとえば、参照により本明細書に組み入れられる、2006年6月22日にJohn T. Stitesらの名で出願された米国特許出願第11/425,737号(「Golf Clubs and Golf Club Heads」と題する)に記載されている特性に一致することができる。
【0033】
この例示的構造のクラブヘッド200はマルチパーツ構造を有する。具体的には、この例示的クラブヘッド構造200は、打球面部分202aおよび打球面部分202aの周囲から後方に延びるリターン部分202bを有するカップフェイス部材202を含む。リターン部材202bは、打球面部分202aの全周囲から連続して延びるものとして示されているが、不連続的である、段状である、および/または打球面部分202aの周囲の様々な区域から異なる距離だけ延びることもできる。
【0034】
カップフェイス部材202は様々な材料から作ることができ、この具体的な例示的構造200において、カップフェイス部材202は、当技術分野で従来から公知であり、使用されているチタン合金から形成され、鍛造法によって1ピースとして製造される。例示的なカップフェイス部材構造202のさらなる詳細は以下で提供する。本発明を逸脱することなく、他の構造または製造技術、たとえば、たとえば溶接などによって接合される多数のパーツからフェイス部材202を製造する技術が可能である。
【0035】
クラブヘッド200はさらに、カップフェイス部材202のリターン部材202bの下部分と係合したソール部材204を含む。この例示的構造200において、ソール部材204は、クラブヘッド200の下部分の、フェイス部材202からクラブヘッド200の最後部までのすべてまたは実質すべてを形成する単一パーツである。しかし、望むならば、ソール部材204は、たとえばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、溶接、はんだ付け、ロウ付けまたは他の融着技術などによって接合される多数の部片から作ることもできる。この図示される例示的構造200において、ソール部材204は、プレス成形法によって作られた単一チタン合金パーツ(たとえば、当技術分野で公知であり、使用されている従来の合金)である。ソール部材204は、シーム204aに沿って溶接法によってカップフェイス202のリターン部分202bと係合する。望むならば、ソール部材204はさらに、その剛性を高める、所望の美観または情報を提供するなどのための、リブ部材、曲がりまたは隆起区域(内部的または外部的)、テキスト情報などを含むことができる。
【0036】
さらに、この例示的クラブヘッド構造200の一部としてクラウン部材206が提供される。クラウン部材206は、カップフェイス部材202のリターン部材202bの上部分と係合する。この例示的構造200において、クラウン部材206は、フェイス部材202からクラブヘッド200の後部の近くの場所までクラブヘッドトップの実質部分を形成する。望むならば、クラウン部材206は、たとえばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、溶接、はんだ付け、ロウ付けまたは他の融着技術などによって接合される多数の部片から作ることもできる。この図示される例示的構造200において、クラウン部材206は、ソール部材204と同じく、プレス成形法によって作られた単一チタン合金パーツであり、それが溶接法によってシーム206aでカップフェイス202のリターン部分202bと係合している。望むならば、クラウン部材206はさらに、その剛性を高める、所望の美観または情報を提供するなどのための、リブ部材、曲がりまたは隆起区域(内部的または外部的)、テキスト情報などを含むことができる。
【0037】
このクラブヘッド構造200のクラウン部材206およびソール部材204はまた、図2Bおよび2Cに示すように、シーム206bに沿って互いに係合することもできる。これは、本発明を逸脱することなく、任意の所望のやり方、たとえばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、溶接、はんだ付け、ロウ付けまたは他の融着技術などによって達成することができる。この図示される例示的構造200において、クラウン部材206およびソール部材204は、溶接法によってシーム206bで互いに係合している。
【0038】
図2Aおよび2Bは、この例示的クラブヘッド構造200のもう一つの部分、すなわちボディ後部部材208を示す。この構造200のボディ後部部材208は、溶接接続によってソール部材204およびクラウン部材206と係合している(それぞれシーム208aおよび208bで)。望むならば、本発明を逸脱することなく、他の接続タイプ、たとえばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、はんだ付け、ロウ付けまたは他の融着技術などを使用することもできる。チタン金属またはチタン系合金でできていることができるこの構造のボディ後部部材208は、クラブヘッド構造200の後部および/または末端「角」(または他の所望の位置)に重量増大領域を提供するために使用することができる。本発明を逸脱することなく、より高密度または厚い材料をボディ後部部材208の少なくとも一部として使用すること、重り部材をボディ後部部材208と係合させる(たとえば永久的または脱着可能に)ことなどを含む、ボディ後部部材208の重量またはそれと係合した重量を増す任意の所望の方法を使用することができる。追加的または代替的に、望むならば、重量増大領域をソール部材204の後端部および/または角部分に設けてもよい。重み付け構造および/または重み付け場所の様々な例は、図3A〜3Cを参照して以下さらに詳細に説明する。
【0039】
この例示的クラブヘッド構造200のもう一つの個別パーツ、すなわちシャフト部材(図2A〜2Cには示されていないシャフト)を受けるためのホーゼル部材210が図2A〜2Cに示されている。この例示的構造200におけるホーゼル部材210は、カップフェイス部材202またはクラウン部材206の一つまたは複数と係合する別個のパーツである。追加的または代替的に、望むならば、本発明を逸脱することなく、ホーゼル部材210をソール部材204と係合させることもできる。本発明を逸脱することなく、ホーゼル部材210は、任意の所望の形態または構造を有することができる。たとえば、ホーゼル部材210のいくつかまたはすべての部分がクラブヘッド構造200に対して内部に(たとえば、部材202〜208によって少なくとも部分的に画定される中空チャンバ内に)位置することもできる。もう一つの代替態様として、たとえばクラウン部材206および/またはカップフェイス部材202がシャフト部材を固定するための構造を含むならば、ホーゼル部材210を省くこともできる。この図示される例において、ホーゼル部材210は、チタン金属またはチタン合金材料でできており、溶接法によってクラウン部材206およびカップフェイス部材202と係合する(望むならば、他の接続構造、たとえばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、はんだ付け、ロウ付けまたは他の融着技術などを使用することもできる)。
【0040】
所望のユーザ感覚およびスイング特性、たとえば総重量、慣性モーメントなどを有するウッドタイプゴルフクラブヘッドを提供することにとって、重み付け特性が重要になることがある。クラブヘッドパーツの一部または全部をチタン金属および/またはチタン系合金から作ることにより、比較的強く軽量のクラブヘッド構造を提供することができる(本発明を逸脱することなく、他の軽量材料、たとえばアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、ポリマー材料、強化カーボンファイバ材料、強化玄武岩ファイバ材料などを使用することもできる)。軽量材料からクラブヘッドボディパーツを製造することは、クラブ設計者が、過度に重いゴルフクラブ構造を創造することなく、クラブヘッド構造中の所望の場所にさらなる重量を選択的に配置することを可能にし、それが、増大したクラブヘッド慣性モーメント特性、選択的クラブヘッドバイアス特性(クラブヘッドにバイアスをかけて右から左へのボールの飛び、左から右へのボールの飛び、より低い弾道、より高い弾道などを生じさせる)などにつながることができる。そのような特徴はまた、クラブヘッド設計者およびクラブフィッタが、ユーザのスイング欠点を補正するために(たとえば、スライスを生じさせるスイング欠点を補正するためにクラブヘッドに「ドロー」または「フック」バイアスをかける、フックを生じさせるスイング欠点を補正するためにクラブヘッドに「フェード」または「スライス」バイアスをかけるなど)クラブヘッド中に重量を選択的に配置することを可能にする。
【0041】
軽量材料の使用に加えて、本発明のゴルフクラブヘッド構造200は、そのパーツ(たとえば部材202〜206)の重量を減らすのに役立つ他の特徴を含むことができる。たとえば、図2Bは、薄めの中央部分204cを包囲する厚めの周囲部分204pを含むソール部材204を示す。同様に、図2Aおよび2Bは、薄めの中央部分206cを包囲する厚めの周囲部分206pを含むクラウン部材206を示す。このようにして、ソール部材204およびクラウン部材206の総重量を減らしながらも(パーツ全体をその周囲部分と同じ厚さに作る場合に比べて)、クラブヘッド200の様々なパーツを接続するための比較的厚くて強い区域をこれらのパーツの周囲に提供することができる。そして、上記のように、この「重量節約」をクラブヘッド構造中の他の場所に選択的に「配置し直す」ことができる。図2Aおよび2Bは、クラブヘッドボディパーツ204および206それぞれを、単一の連続した(厚めの)周囲領域によって包囲された単一の薄めの中央領域を有するものとして示すが、本発明を逸脱することなく、クラブヘッドボディパーツの様々な厚い領域および薄い領域の数、相対的サイズ、場所、寸法および他の特徴は異なることができる。
【0042】
本発明を逸脱することなく、ソールおよび/またはクラウン部材の中央(または他の部分)の厚さを減らす任意の所望のやり方を使用することができる。たとえば、パーツは、このやり方で、たとえば鍛造、鋳造または成形法によって直接創造することができる。もう一つの例として、パーツを最初に創造したのち、部材の一部分(たとえば中央部分)をその同じ部材の別の部分(たとえば周囲部分)よりも薄くするために「機械加工」することもできる。本発明を逸脱することなく、研削、研磨などを含む、様々な部材を「機械加工」する所望のやり方を使用することができる。いくつかのクラブヘッド製造法においては、薄くする所望の場所で酸物質をパーツに選択的に適用して、それにより、そのような場所におけるパーツの金属または合金(または他の)材料の一部分を除去する「ケミカルミリング」法が使用される。このようなケミカルミリング法は様々な産業で従来から公知であり、使用されている。
【0043】
重量節約はまた、本発明の少なくともいくつかの例示的構造にしたがって、クラブヘッド200の打球面202aに可変性のフェイス厚を使用することによって実現することができる。この図示される例において、図2C〜2Gに示すように、打球面202aは、中央区域202c(通常、打球が起こるところの図中の領域「A」)が厚めに作られ、この中央区域202cの周りおよび周囲(区域202p)(図中の領域「C」)が薄めに作られている。クラブヘッドの内部に位置する移行領域(打球面とは反対側、図中の領域「B」)が、厚めの中央領域202cと薄めの周囲領域202pとの間で徐々に傾斜する、または他のやり方でフェイス厚を移行させる。可変性のフェイス厚は、一般的な打球の場所では厚くて強い面を提供しながらも比較的薄いおよび/または柔軟な周囲を提供する(クラブヘッドの反撥係数または「COR」を高める)という点で有利であることができる。本発明の例のクラブヘッドは、少なくとも0.75、少なくとも0.8、少なくとも0.81、少なくとも0.82、少なくとも0.83またはそれよりも高い値を含む任意の所望のCOR値を有することができる。また、図2C〜2Gは、打球面202a上の一つの厚めの面部分202c(打球面202a上で実質的に中央に位置する(一つの連続した薄めの周囲領域によって包囲されている))を示すが、本発明を逸脱することなく、打球面202aの様々な厚い領域および薄い領域の数、相対的サイズ、場所、寸法および他の特徴は異なることができる。
【0044】
図3A〜3Cは、ゴルフクラブヘッド構造、たとえば図2A〜2Gを参照して上記した構造200中の重量配設の一例を示す。図3A〜3Cは、重り部材302aおよび302bがクラブヘッド構造200の最外後端部/角区域に設けられた図2A〜2Gのクラブヘッド200を示す。本発明を逸脱することなく、重り部材(たとえば302aおよび302b)は、所望のやり方でクラブヘッド構造200の一部として含めることもできる。たとえば、重り部材は、クラブヘッド200のボディパーツ(たとえばソール部材204または後部部材208)の一つの一部として一体に形成されることもできるし、これらのボディパーツの一つまたは複数と係合させることもできる(たとえば、接着剤またはセメント、機械的接続、溶接または他の融着技術などを使用)。図3Aおよび3Bは、クラブヘッド構造200の内部の一部として永久的に含められた重り部材302aおよび302bを示す。他方、図3Cは、クラブヘッド構造200中に設けられた一つまたは複数の外部的にアクセス可能なポートから脱着可能であり、それと別個かつ選択的に係合可能である(たとえば、様々な公知の市販ゴルフクラブ構造に含まれる脱着可能な重りと同様に、ねじ接続を介して)重り部材302aおよび302bを示す。重り302a/302bは、同じまたは異なるサイズ、形状、質量、クラブヘッド係合構造および/または脱着可能なクラブヘッド接続構造を有するものを含め、互いに同じまたは異なるものであることができる。また、本発明を逸脱することなく、任意の所望の数の重りおよび/または重り受けポートをクラブヘッド構造200に設けることができる。
【0045】
以下の表は、図1〜3Cを参照して上記した構造200のようなゴルフクラブヘッド構造に含めることができる様々な特性を提供する。
【0046】
(表1)様々なクラブヘッド特性―一般的範囲

【0047】
本発明の例のいくつかのクラブヘッド構造は、以下の表に記載されるような特性を有する。
【0048】
(表2)様々なクラブヘッド特性―数値範囲

【0049】
本発明の少なくともいくつかの例のクラブヘッド構造の特性のより狭い範囲を以下の表に提供する。
【0050】
(表3)様々なクラブヘッド特性―数値範囲

【0051】
望むならば、本発明の少なくともいくつかの例のクラブヘッドは、米国ゴルフ協会(United States Golf Association)によって定められたゴルフ規則によって現在許可されている最大寸法、最大体積および最大COR特性に近づくことができる。
【0052】
しかし、上述したように、たとえば図2A〜3Cに示す構造200のようなゴルフクラブヘッド構造の他の特徴が、望ましい重み付けおよび/または慣性モーメント特性を提供するのに役立つことができる。以下の表は、高慣性モーメントクラブヘッドを製造するために使用することができるゴルフクラブヘッドおよびその様々なパーツ、たとえば図2A〜3Cに示すパーツの様々なさらなる特徴を記載する。
【0053】
(表4)一つの例示的クラブヘッド構造

必要ならば、クラブヘッドの最終重量および/またはその重心特性を調節するために製造の終了近くにクラブヘッドに注入する(たとえばホーゼル開口を介して)ことができる材料。
【0054】
たとえば図2A〜3Cに示し、上記表に記載したタイプの本発明の例の大型ゴルフクラブヘッドは、少なくとも5700g-cm2の慣性モーメント(Izz)特性を有することができる。特定のクラブヘッド構造は、少なくとも5800g-cm2、少なくとも5850g-cm2および少なくとも5900g-cm2のIzz値を有することができる。このようなクラブヘッドは、USGA最大限界に近い全体寸法サイズ(たとえば、少なくとも4.5インチの全長および全幅ならびに少なくとも450ccの全体積ならびにいくつかの例においては少なくとも4.75インチの長さ寸法および約460ccの体積)を有することができる。このようなクラブヘッドは、たとえば、NIKE, Inc.(Beaverton, Oregon)から市販されているSumo Squared(商標)ゴルフクラブ製品の全体寸法に類似した寸法を有することができる。
【0055】
図2C〜2Gに示すように、打球面202aは、厚めの中央部分202c(領域「A」)および薄めの周囲部分202p(領域「C」)を含む。本発明を逸脱することなく、これらの厚めの部分および薄めの部分は、多種多様な形状、サイズ、場所(クラブヘッドフェイスに対する)および厚さの差を有することができる。たとえば、図2Fおよび2Gにおける厚めの部分A、テーパ状部分(領域「B」)およびクラブヘッド構造全体の具体的な寸法は以下のとおりであることができる。
【0056】
(表5)可変性のフェイス厚の特性

【0057】
表4および図2A〜2Gの具体的な例示的クラブヘッド構造は以下の寸法値を有することができる。
【0058】
(表6)具体的なフェイスサイズ特性

【0059】
表3、4および6ならびに図2A〜2Gを参照して説明し、例示した特性を有するそのようなクラブヘッドは、約5900g-cm2以上の慣性モーメントIzzを有することができる。当然、本発明を逸脱することなく、打球面厚(領域B)のテーパ状変化ではなく、変化は、滑らかな形状、段状、急激または他のやり方の変化であってもよい。
【0060】
図4A〜4Gは、本発明のもう一つの例示的クラブヘッド構造400を示す。この例示的構造400は、いくつかの注目すべき例外を除き、図2A〜2Gの構造に類似している(したがって、類似したパーツに関して類似した参照番号で標識する)。たとえば、この例示的ゴルフクラブヘッド構造400は、クラブヘッド構造400のトウ後部角区域に取り付けられた一つの重り部材412を含む。
【0061】
このゴルフクラブヘッド構造400の具体的な重み付けおよび厚さ特性はまた、図2A〜2Gに示す例示的なゴルフクラブヘッド構造に関して記載したものとはいくらか異なる。以下の表は、高慣性モーメントクラブヘッドを製造するために使用することができる、図4A〜4Gに示すもののようなゴルフクラブヘッドの様々な特徴を記載する。
【0062】
(表7)もう一つの例示的クラブヘッド構造

必要ならば、クラブヘッドの最終重量および/またはその重心特性を調節するために製造の終了近くにクラブヘッドに注入する(たとえばホーゼル開口を介して)ことができる材料。
【0063】
図4A〜4Gのクラブヘッド400はまた、その可変性の打球面厚の性質において図2A〜2Gのクラブヘッド構造200とは異なる。表7および図4A〜4Gの具体的な例示的クラブヘッド構造は以下の寸法値を有することができる。
【0064】
(表8)具体的なフェイスサイズ特性

【0065】
表7および8ならびに図4A〜4Gを参照して説明し、例示した特性を有するそのようなクラブヘッドは、約5900g-cm2以上の慣性モーメントIzzを有することができる。
【0066】
本発明を逸脱することなく、他の可変性の打球面厚構造および配設が可能である。図5Aおよび5Bは、クラブヘッド500のためのもう一つの例示的打球面502を示す。クラブヘッドボディ全体は、図1〜4Gを参照して上記したものと同じ一般的サイズ、構造および構成であることができるが、この例示的クラブヘッド構造500において、打球面502は、より複雑な厚さ変化構造を有する。より具体的には、この特定の例示的打球面は以下の特性を有する。
【0067】
(表9)もう一つの例示的クラブヘッド構造

【0068】
領域C-1、C-2およびC-3の様々な多数のパーツは、同じサイズである必要はなく、本発明の構造のすべての例において同じ厚さである必要はない。また、本発明を逸脱することなく、可変性のフェイス厚における多くの他の変更(たとえばサイズ、場所、厚さ、テーパ、厚さ変化特性など)を使用することができる。望むならば、隆起した中央部分A、テーパ状領域Bおよびクラブヘッド全体が、表6に記載されたものと同様なサイズを有することもできる。
【0069】
上記のように、本発明の例のゴルフクラブヘッド構造の様々なパーツ(たとえばフェイス、ソール、クラウンおよび後部部材)は、様々な方法によって、たとえばセメントまたは接着剤、機械的コネクタ、場合によっては解放可能な機械的接続および/または溶接、はんだ付け、ロウ付けまたは他の融着技術の使用によって接合することができる。図6はこの係合手順の説明に役立つ。より具体的には、図6に示すように、一つのボディパーツ602(たとえばクラウン部材またはソール部材)が、別のボディパーツ604(たとえばカップフェイスのリターン部分)の棚部材604aに隣接して位置するように形成された棚部材602aを含むことができる。この動作が接合区域606を形成する。二つのパーツ602および604は、たとえば接着剤、溶接などによって接合区域で接合されて、それにより、様々なパーツを滑らかな接合部でいっしょに固定する。望むならば、接合部を隠すために仕上げ処理を適用してもよい(たとえば、塗装、クロムまたは他の金属めっき、ポリマーコーティングなど)。
【0070】
たとえば具体的に上記したような本発明の少なくともいくつかの例のゴルフクラブヘッドは、特に重心を通過する垂直軸を中心に高い慣性モーメント(Izz)を有することができる。クラブヘッドパーツのいくつかまたはすべてにおける強くて軽量の材料、たとえばチタンおよびチタン合金(たとえば、カップフェイスコンポーネントにおけるVL-Ti、クラウンおよび/またはソールコンポーネントにおけるKS120チタン合金またはゴルフクラブヘッド構造で従来から使用されている他のチタン合金)の使用ならびに正確に配置された薄肉化区域を製造するための選択的機械加工技術、たとえばケミカルエッチングの使用が実質的な重量節約を生じさせ、クラブヘッド設計者が、クラブヘッド性質および/またはボール飛び特性に影響する(たとえばクラブにフェードまたはドローバイアスをかけるなどのため)ために所望の場所に選択的に重量を配置することを可能にする。ヘッド全体の重量(たとえば、金属パーツの場合、少なくとも約190グラムまたは約200グラム)は、高いスイング速度を促進するための比較的重いヘッド重量を提供する。そのうえ、上記した多様な厚さのカップフェイスは、打球面のより大きな面積にかけて改善されたボール速度を提供する。
【0071】
本発明の特徴は、多種多様なウッドタイプゴルフクラブヘッド構造を製造するために使用することができる。ドライバタイプ構造が上記で詳細に説明され、添付図面に示されているが、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって製造することができるクラブヘッド構造の他のタイプとしては、フェアウェイウッド(たとえば2〜13番ウッド)、ウッドタイプハイブリッドクラブなどがある。
【0072】
本発明を逸脱することなく、クラブヘッド構造全体および/またはゴルフクラブ構造全体に対して多くの変更を加えることができる。たとえば、クラブヘッド構造を構成するパーツ、クラブヘッド構造を作るのに使用される材料、クラブヘッド構造のパーツを接合するやり方などに対して数多くの変更を加えることができる。また、ゴルフクラブ構造全体を構成するパーツの厚さ、重量、形状、サイズおよび/または他の物理的特性などに対しても多くの変更を加えることができる。パーツを作るために使用される具体的な方法、パーツを作るために使用される材料の変更、パーツが作られ、クラブヘッドが組み立てられる順序に対する変更などを含め、クラブヘッドおよびその関連パーツが作られるやり方にもさらなる変更を加えることができる。
【0073】
結論
本発明を実施する好ましい形態を含む具体例に関して本発明を詳細に説明したが、当業者は、上記システムおよび方法の数多くの変形および改変が可能であることを理解するであろう。したがって、本発明の真意および範囲は、請求の範囲に述べられるように広義に解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
打球面部分および該打球面部分の周囲区域から延びるリターン部分を含むカップフェイス部材、
該リターン部分と係合し、ゴルフクラブヘッドのソール部分の少なくとも一部を含む第一のボディ部材、
該リターン部分と係合し、ゴルフクラブヘッドのクラウン部分の少なくとも一部を含む第二のボディ部材、
該第一のボディ部材および該第二のボディ部材の少なくとも一方と係合し、ゴルフクラブヘッドの後部部分を横切ってクラブヘッドのヒール側からトウ側まで延びる第三のボディ部材であって、第二のボディ部材が該第三のボディ部材の少なくとも一部分と該リターン部分との間に位置して、該第三のボディ部材の少なくとも一部分を該リターン部分から切り離す、第三のボディ部材、ならびに
該第一のボディ部材および該第三のボディ部材の少なくとも一方と係合し、ゴルフクラブヘッドの後部部分に近接して位置する重り部材
を含む、ウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
第一のボディ部材が第二のボディ部材と係合している、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
カップフェイス部材および第二のボディ部材の少なくとも一方と係合したホーゼル部材
をさらに含む、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
カップフェイス部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材、第三のボディ部材およびホーゼル部材それぞれが少なくとも部分的にチタン金属またはチタン含有合金材料でできている、請求項3記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
打球面部分が可変性のフェイス厚を有する、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
打球面部分の中央区域が該打球面部分の周囲区域よりも厚い、請求項5記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
打球面部分が、第一の厚さを有する中央区域、第二の厚さを有する周囲区域および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有する、請求項5記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
カップフェイス部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材および第三のボディ部材の露出面がゴルフクラブヘッドの外部表面積の少なくとも75%を画定する、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
カップフェイス部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材および第三のボディ部材の露出面がゴルフクラブヘッドの外部表面積の少なくとも90%を画定する、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
少なくとも5200g-cm2の慣性モーメントIzzを有する、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
少なくとも5800g-cm2の慣性モーメントIzzを有する、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
カップフェイス部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材および第三のボディ部材それぞれが少なくとも部分的にチタン金属またはチタン含有合金材料でできている、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
第二のボディ部材が中央区域および周囲区域を含み、該中央区域が該周囲区域よりも薄い、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
第一のボディ部材が中央区域および周囲区域を含み、該中央区域が該周囲区域よりも薄い、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
少なくとも450ccの体積を有する、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
少なくとも4.5インチの全長寸法を有する、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、請求項16記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
少なくとも4.75インチの全長寸法を有する、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
打球面部分が、第一の厚さを有する中央区域、第二の厚さを有する周囲区域および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有し、カップフェイス部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材および第三のボディ部材が少なくとも部分的に中空のクラブヘッドボディを画定し、該カップフェイス部材、該第一のボディ部材、該第二のボディ部材および該第三のボディ部材の露出面がゴルフクラブヘッドの外部表面積の少なくとも75%を画定し、該クラブヘッドが少なくとも5500g-cm2の慣性モーメントIzzを有し、該カップフェイス部材、該第一のボディ部材、該第二のボディ部材および該第三のボディ部材それぞれが少なくとも部分的にチタン金属またはチタン含有合金材料でできており、該クラブヘッドが少なくとも450ccの体積を有し、該クラブヘッドが少なくとも4.5インチの全長寸法を有し、および該クラブヘッドが少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、請求項1記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項21】
全長寸法が少なくとも4.75インチである、請求項20記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項22】
打球面部分および該打球面部分の周囲区域から延びるリターン部分を含むカップフェイス部材、
該リターン部分と係合し、ゴルフクラブヘッドのソール部分の少なくとも一部を含む第一のボディ部材、
該リターン部分と係合し、ゴルフクラブヘッドのクラウン部分の少なくとも一部を含む第二のボディ部材、
該第一のボディ部材および該第二のボディ部材の少なくとも一方と係合し、ゴルフクラブヘッドの後部部分を横切ってクラブヘッドのヒール側からトウ側まで延びる第三のボディ部材であって、該第二のボディ部材が該第三のボディ部材の少なくとも一部分と該リターン部分との間に位置して、該第三のボディ部材の少なくとも一部分を該リターン部分から切り離す、第三のボディ部材、ならびに
該カップフェイス部材および該第二のボディ部材の少なくとも一方と係合したホーゼル部材
を含む、ウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項23】
第一のボディ部材が第二のボディ部材と係合している、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項24】
ゴルフクラブヘッドの後部周囲部分に近接して位置する少なくとも一つの重り部材をさらに含む、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項25】
打球面部分が可変性のフェイス厚を有する、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項26】
打球面部分の中央区域が該打球面部分の周囲区域よりも厚い、請求項25記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項27】
打球面部分が、第一の厚さを有する中央区域、第二の厚さを有する周囲区域および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有する、請求項25記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項28】
カップフェイス部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材および第三のボディ部材の露出面がゴルフクラブヘッドの外部表面積の少なくとも75%を画定する、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項29】
カップフェイス部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材および第三のボディ部材の露出面がゴルフクラブヘッドの外部表面積の少なくとも90%を画定する、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項30】
少なくとも5200g-cm2の慣性モーメントIzzを有する、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項31】
少なくとも5800g-cm2の慣性モーメントIzzを有する、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項32】
カップフェイス部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材および第三のボディ部材それぞれが少なくとも部分的にチタン金属またはチタン含有合金材料でできている、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項33】
第二のボディ部材が中央区域および周囲区域を含み、該中央区域が該周囲区域よりも薄い、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項34】
第一のボディ部材が中央区域および周囲区域を含み、該中央区域が該周囲区域よりも薄い、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項35】
少なくとも450ccの体積を有する、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項36】
少なくとも4.5インチの全長寸法を有する、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項37】
少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、請求項36記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項38】
少なくとも4.75インチの全長寸法を有する、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項39】
少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項40】
カップフェイス部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材、第三のボディ部材およびホーゼル部材それぞれが少なくとも部分的にチタン金属またはチタン含有合金材料でできている、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項41】
打球面部分が、第一の厚さを有する中央区域、第二の厚さを有する周囲区域および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有し、カップフェイス部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材および第三のボディ部材が少なくとも部分的に中空のクラブヘッドボディを画定し、該カップフェイス部材、該第一のボディ部材、該第二のボディ部材および該第三のボディ部材の露出面がゴルフクラブヘッドの外部表面積の少なくとも75%を画定し、該クラブヘッドが少なくとも5500g-cm2の慣性モーメントIzzを有し、該カップフェイス部材、該第一のボディ部材、該第二のボディ部材および該第三のボディ部材それぞれが少なくとも部分的にチタン金属またはチタン含有合金材料でできており、該クラブヘッドが少なくとも450ccの体積を有し、該クラブヘッドが少なくとも4.5インチの全長寸法を有し、および該クラブヘッドが少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、請求項22記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項42】
全長寸法が少なくとも4.75インチである、請求項41記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項43】
ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、ソール部分および後部部分を含み、該後部部分が第一の重量増加ゾーンを含む、クラブヘッドボディ、ならびに
該クラブヘッドボディと係合し、またはその一部として一体に形成され、該第一の重量増加ゾーンから離れた該クラブヘッドボディの部分に位置し、該トウ部分から該ヒール部分まで延び、可変性の厚さを有する打球面
を含み、
少なくとも5500g-cm2の慣性モーメントIzz、少なくとも450ccの体積、少なくとも4.5インチの全長寸法、および少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、ウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項44】
全長寸法が少なくとも4.75インチである、請求項43記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項45】
クラウン部分が中央区域および周囲区域を含み、該中央区域が該周囲区域よりも薄い、請求項43記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項46】
ソール部分が中央区域および周囲区域を含み、該中央区域が該周囲区域よりも薄い、請求項43記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項47】
打球面の中央区域が該打球面の周囲区域よりも厚い、請求項43記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項48】
打球面が、第一の厚さを有する中央区域、第二の厚さを有する周囲区域および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有する、請求項43記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項49】
打球面が、第一の厚さを有する第一の区域、第二の厚さを有する第二の区域および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有する、請求項43記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項50】
打球面が、クラブヘッドボディと係合したカップフェイス部材の一部を構成する、請求項43記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項51】
クラブヘッドボディがマルチパーツ構造を構成する、請求項43記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項52】
打球面が、マルチパーツクラブヘッドボディ構造の多数のパーツと係合したカップフェイス部材の一部を構成する、請求項51記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項53】
クラブヘッドボディの大部分が、チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つの構成要素から構築されている、請求項43記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項54】
打球面の大部分が、チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つの構成要素から構築されている、請求項53記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項55】
クラブヘッドボディの90%超が、チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つの構成要素から構築されている、請求項43記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項56】
打球面の90%超が、チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つの構成要素から構築されている、請求項55記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
【請求項57】
打球面部分および該打球面部分の周囲区域から延びるリターン部分を含むカップフェイス部材、
該カップフェイス部材と係合したゴルフクラブボディであって、
該リターン部分と係合し、ソール部分の少なくとも一部を含む第一のボディ部材、
該リターン部分と係合し、クラウン部分の少なくとも一部を含む第二のボディ部材、および
該第一のボディ部材および該第二のボディ部材の少なくとも一方と係合し、ゴルフクラブボディの後部部分を横切ってゴルフクラブボディのヒール側からトウ側まで延びる第三のボディ部材であって該第二のボディ部材が該第三のボディ部材の少なくとも一部分と該リターン部分との間に位置して、該第三のボディ部材の少なくとも一部分を該リターン部分から切り離す、第三のボディ部材、および
該第一のボディ部材および該第三のボディ部材の少なくとも一方と係合し、ゴルフクラブボディの後区域に近接して位置する重り部材
を含む、ゴルフクラブボディ、ならびに
該ゴルフクラブボディおよび該カップフェイス部材の少なくとも一つと係合したシャフト部材
を含む、ウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項58】
打球面部分および該打球面部分の周囲区域から延びるリターン部分を含むカップフェイス部材、
該カップフェイス部材と係合したクラブヘッドボディであって、
該リターン部分と係合し、ソール部分の少なくとも一部を含む第一のボディ部材、
該リターン部分と係合し、クラウン部分の少なくとも一部を含む第二のボディ部材、および
該第一のボディ部材および該第二のボディ部材の少なくとも一方と係合し、クラブヘッドボディの後部部分を横切ってクラブヘッドボディのヒール側からトウ側まで延びる第三のボディ部材であって、該第二のボディ部材が該第三のボディ部材の少なくとも一部分と該リターン部分との間に位置して、該第三のボディ部材の少なくとも一部分を該リターン部分から切り離す、第三のボディ部材
を含む、クラブヘッドボディ、
該カップフェイス部材および該クラブヘッドボディの少なくとも一方と係合したホーゼル部材、ならびに
該ホーゼル部材と係合したシャフト部材
を含む、ウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項59】
ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、ソール部分および後部部分を含み、該後部部分が第一の重量増加ゾーンを含む、クラブヘッドボディ、および
該クラブヘッドボディと係合し、またはその一部として一体に形成され、該第一の重量増加ゾーンから離れた該クラブヘッドボディの部分に位置し、該トウ部分から該ヒール部分まで延び、可変性の厚さを有する打球面
を含み、少なくとも5500g-cm2の慣性モーメントIzz、少なくとも450ccの体積、少なくとも4.5インチの全長寸法、および少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有するクラブヘッド、ならびに
該クラブヘッドと係合したシャフト部材
を含む、ウッドタイプゴルフクラブ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−530783(P2010−530783A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513407(P2010−513407)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/067499
【国際公開番号】WO2008/157691
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(505087849)ナイキ インコーポレーティッド (123)
【Fターム(参考)】