説明

高速信号伝送用回路基板の部品搭載用パッド部の構造

【目的】 自動設計可能な形状を有する高速信号伝送用回路基板の部品搭載用パッド部の構造を提供する。
【構成】 伝送ライン31よりも幅の広いパッド34を有する第1の信号伝送用導体層、この下方に形成する第1のグランド/電源プレーン層32a、この下方に形成する第2の信号伝送用導体層、この下方に形成する第2のグランド/電源プレーン層32b、第1の信号伝送用導体層のパッド部のインピーダンス整合を、第1のグランド/電源プレーン層32aと第2のグランド/電源プレーン層32bと誘電体層の関係で行うよう、前記パッド34の直下の第1のグランド/電源プレーン層32aに、パッド34と中心位置が同じで、かつ相似形状で、小さいくり抜き部35と、第2の信号伝送用導体層に、第1のグランド/電源プレーン層32aのくり抜き部35より大きめの配線禁止領域38とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速信号伝送用の回路基板における部品搭載用パッド部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の分野の技術としては、特開平5−29772号公報に開示されるものがあった。図4は第1の従来例を示す高速信号伝送用回路基板のパッド部の構造を示す図であり、図4(a)はその高速信号伝送用回路基板の伝送ラインのパッド部の上面図、図4(b)はその高速信号伝送用回路基板の伝送ラインのパッド部の断面図である。
【0003】これらの図に示すように、第1層(表層)は、高速信号用ライン(以下、伝送ラインという)層であり、伝送ライン11、部品搭載用パッド及び接続用パッド14(以下、総称してパッドという)、及び誘電体層13aからなる。第2層はグランド/電源プレーン層であり、グランド/電源プレーン層12a、誘電体層13bからなる。第3層は中層の伝送ライン層であり、中層の伝送ライン17、誘電体層13cからなる。第4層はグランド/電源プレーン層であり、グランド/電源プレーン層12b、誘電体層13dからなる。
【0004】図5は第2の従来例を示す高速信号伝送用回路基板のパッド部の構造を示す図であり、図5(a)はその高速信号伝送用回路基板の伝送ラインのパッド部の上面図、図5(b)はその高速信号伝送用回路基板の伝送ラインのパッド部の断面図、図6はその高速信号伝送用回路基板の伝送ラインのパッド部の分解斜視図である。
【0005】これらの図に示すように、第1層は、伝送ライン21、パッド24、誘電体層23aからなる。第2層はパッド24の直下に部分的くり抜き部25を設けたグランド/電源プレーン層22a、誘電体層23bからなる。このくり抜き部25は、パッド24から伝送ライン21の引き出し方向を除き、パッド24より若干大きめである。第3層はくり抜き部25より若干広めの配線禁止領域28、中層の伝送ライン27、誘電体層23cからなる。第4層はグランド/電源プレーン層22b、誘電体層23dからなる。なお、26は伝送ラインとパッドの接続部である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の従来例の場合、伝送ラインの幅と異なるパッドに対しては、インピーダンス整合を行っていなかった。また、伝送ラインをインピーダンス整合させているため、誘電体層の厚さが先に決まっており、パッドとグランド間の誘電体層の厚さが一定となっていることから、パッドに対してインピーダンス整合させようとした場合、パッドの幅を伝送ラインと同じにするより方法がないが、実際には部品搭載用パッドであったり、接続用パッドであったり、そのパッド幅はまちまちであり、インピーダンス整合が困難であるという問題点があった。したがって、伝送ラインのパッド部で反射が起こり、高速信号特性を劣化させていた。
【0007】このような問題点を解決するために、第2の従来例のパッドの直下のグランドプレーンに部分的にくり抜き部を設け、グランドプレーンまでの誘電体層の厚さを変えることで、パッド幅を伝送ラインと同じ幅にせずに、インピーダンス整合を図ることができた。しかし、伝送ラインと誘電体層の厚さによるインピーダンス整合の関係より、1層あたりの誘電体層の厚さが決まっていることから、パッドからグランドプレーンまでの厚さは、誘電体層厚の整数倍に制限され、完全なインピーダンス整合は困難であるという問題点があった。したがって、伝送ラインと接続されるパッド部で反射が起こり、高速信号の伝送特性を劣化させていた。
【0008】また、この例の場合、くり抜き部の形状が、パッドからの伝送ラインの引き出し方向に依存しており、この伝送ラインの引き出し方向がまちまちであることから、パターン設計及びチェックが容易でなく、更に自動設計化が困難であった。本発明は、以上述べた高速信号伝送用回路基板のパッド部のインピーダンス整合が困難であるという問題点を除去するため、伝送ラインより幅の広いパッドに対して、パッド直下のグランドのくり抜き部を、パッドからの伝送ラインの引き出し方向に依存しない形状とし、インピーダンス整合を図り、かつ、グランド/電源プレーン層の設計及びチェックが容易となるようにするとともに、自動設計可能な形状を有する高速信号伝送用回路基板の部品搭載用パッド部の構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、信号伝送用導体層と中層に形成したグランド/電源プレーン層との間に誘電体層を形成することにより、インピーダンス整合を図る高速信号伝送用回路基板の部品搭載用パッド部の構造において、(1)表面に形成される伝送ライン(31)よりも幅の広いパッド(34)を有する第1の信号伝送用導体層と、この第1の信号伝送用導体層の下方に第1の誘電体層(33a)を介して形成される第1のグランド/電源プレーン層(32a)と、この第1のグランド/電源プレーン層(32a)の下方に第2の誘電体層(33b)を介して形成される第2の信号伝送用導体層と、この第2の信号伝送用導体層の下方に第3の誘電体層(33c)を介して形成される第2のグランド/電源プレーン層(32b)と、前記第1の信号伝送用導体層のパッド部のインピーダンス整合を、第1のグランド/電源プレーン層(32a)と第1の誘電体層(33a)と、第2のグランド/電源プレーン層(32b)と第2及び第3誘電体層(33b,33c)とに基づいて行うため、前記パッド(34)の直下に介在する第1のグランド/電源プレーン層(32a)に、このパッド(34)と中心位置が同じであり、かつこのパッド(34)と相似の形状をなし、該パッドよりも小さいくり抜き部(35)と、前記第2の信号伝送用導体層に、前記第1のグランド/電源プレーン層(32a)のくり抜き部(35)より若干大きめの配線禁止領域(38)とを設けるようにしたものである。
【0010】(2)表面に形成される伝送ライン(41)よりも幅の広いパッド(44)を有する第1の信号伝送用導体層と、この第1の信号伝送用導体層の下方に第1の誘電体層(43a)を介して形成される第1のグランド/電源プレーン層(42a)と、この第1のグランド/電源プレーン層(42a)の下方に第2の誘電体層(43b)を介して形成される第2の信号伝送用導体層と、この第2の信号伝送用導体層の下方に第3の誘電体層(43c)を介して形成される第2のグランド/電源プレーン層(42b)と、この第2のグランド/電源プレーン層(42b)の下方に第4の誘電体層(43d)を介して形成される第3の信号伝送用導体層と、この第3の信号伝送用導体層の下方に第5の誘電体層(43e)を介して形成される第3のグランド/電源プレーン層(42c)と、前記第1の信号伝送用導体層のパッド部のインピーダンス整合を、第1のグランド/電源プレーン層(32a)と第1の誘電体層(43a)と、第2のグランド/電源プレーン層(42b)と第2及び第3の誘電体層(43b,43c)と、第3のグランド/電源プレーン層(42c)と第4及び第5の誘電体層(43d,43e)とに基づいて行うため、前記パッド(44)の直下に介在する第1のグランド/電源プレーン層(42a)に前記パッド(44)の中心位置が同じであり、かつこのパッド(44)と相似の形状をなし、このパッド(44)よりも小さい第1のくり抜き部(45a)と、第2の信号伝送用導体層に前記第1のくり抜き部(45a)よりも若干大きめの第1の配線禁止領域(47a)と、前記パッド(44)の直下の第2のグランド/電源プレーン層(42b)に前記パッド(44)の中心位置が同じであり、かつこのパッド(44)と相似の形状をなし、このパッドよりも小さい第2のくり抜き部(45b)と、第2の信号伝送用導体層に前記第2のくり抜き部(45b)よりも若干大きめの第2の配線禁止領域(47b)とを設けるようにしたものである。
【0011】
【作用】本発明によれば、上記したように、高速信号伝送用回路基板の伝送ラインのパッド部でパッド直下のグランド/電源プレーン層にくり抜き部を設ける際、パッドから伝送ラインの引き出し方向にパッドとグランド/電源プレーン層のオーバーラップをインピーダンス整合が図れるようにくり抜き部を形成し、パッドからグランド/電源プレーン層までの誘電体層の厚さを部分的に変化させることにより、インピーダンス整合を図り、反射を抑え、高速信号の伝送特性の向上を図ることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す高速信号伝送用回路基板のパッド部の構造を示す図であり、図1(a)はその高速信号伝送用回路基板のパッド部の上面図、図1(b)はその高速信号伝送用回路基板のパッド部の断面図、図2はその高速信号伝送用回路基板のパッド部の分解斜視図である。
【0013】これらの図において、31は表層の伝送ライン(第1の信号伝送用導体層)、32aは第1のグランド/電源プレーン層、33aは第1の誘電体層、32bは第2のグランド/電源プレーン層、33bは第2の誘電体層、37は中層の伝送ライン(第2の信号伝送用導体層)、33cは第3の誘電体層、33dは第4の誘電体層、35は第1のグランド/電源プレーン層32aのくり抜き部、38は中層の伝送ライン(第2の信号伝送用導体層)の配線禁止領域である。
【0014】ここで、表層の伝送ライン31は、その伝送ライン31の幅と第1のグランド/電源プレーン層32aまでの厚さ、すなわち、第1の誘電体層33aの厚さによりインピーダンス整合されている。その表層の伝送ライン31はパッド34に接続されている。このパッド34は、その表層の伝送ライン31よりも幅が広い。この時、インピーダンスZは次式で表せる(理想状態)。
【0015】Z=(L/C)1/2 L:リアクタンス C:キャパシタンスここで、Lはパッドの幅と長さで決まり、Cはパッドの表面積とパッドとグランド間の距離で決まる。したがって、パッド34のサイズを固定すると、変更可能なパラメータは、パッドとグランド間の距離である。このパッドとグランド間の距離が大きいとCが大きくなり、Zは小さくなる。逆にパッドとグランド間の距離が小さいとCが小さくなり、Zは大きくなる。
【0016】このように、LとCを調節することで、インピーダンスをコントロールできる。パッド34はインピーダンス整合されている表層の伝送ライン31よりも幅が広く、この場合はCが大きくなり、Zは小さくなってインピーダンス整合されない。そのパッド34の直下の第1のグランド/電源プレーン層32aにくり抜き部35を設け、パッドとグランド/電源プレーン層間の距離を、パッド34と第2のグランド/電源プレーン層32bの距離となるように大きくし、Cを小さくしてインピーダンス整合を図るものである。このくり抜き部35の形状は、パッド34と相似形状にする。
【0017】また、くり抜き部35の大きさはパッド34よりも大きくならない範囲で、Cの大きさを考慮して、インピーダンス整合可能な値となるような大きさとする。本発明の高速信号伝送用回路基板における特性インピーダンスのシュミレーション結果を図3に示す。図3(b)において、横軸はパッドの面積を1とした場合のくり抜き部の面積比、縦軸は特性インピーダンスZ0 (Ω)を示している。
【0018】この図において、誘電率4.9の多層基板、表層の伝送ラインの幅0.2mm、誘電体層厚0.11mm/層、周波数(f)10GHzの場合において、図3(a)に示すような3種類のパッドサイズ、つまり、パッドAはパッド長さlが2.5mm、パッド幅wが0.3mmであり、パッドBはパッド長さlが2.5mm、パッド幅wが0.4mmであり、パッドCはパッド長さlが2.5mm、パッド幅wが0.5mmである。
【0019】このようなパッドサイズでシュミレーションを行った。上記した条件の下では、特性インピーダンスZ0 (Ω)は50Ωに設定されることが望ましい。この図から明らかなように、パッドに対するくり抜き部の面積比は1.0近傍が望ましいことがわかる。また、くり抜き部の面積のみに着目すると、パッドに対するくり抜き部の面積比は1.0以上でもよいが、パッドに対するくり抜き部の面積比が1.0以上になると、伝送ラインとの関係で、インピーダンス整合を図ることができなくなるので、パッドに対するくり抜き部の面積比は1.0より小さくする必要がある。
【0020】上記からして、上記の条件の下では、パッドAで、くり抜き部の面積比は1.0以下で1.0に近い値が望ましいことがわかる。このように、くり抜き部35を形成することにより、インピーダンス整合を図ることができる。また、形状をパッド34と相似形状としていることから、表層の伝送ライン31の引き出し方向に依存することなく、設計及びチェックを容易に行うことができ、更に設計の自動化が可能である。
【0021】また、上述の方法でインピーダンス整合ができない場合、またはパッドの幅が更に広い場合の実施例を図7に示す。図7において、41は表層の伝送ライン(第1の信号伝送用導体層)、42a〜42cはグランド/電源プレーン層、43a〜43fは誘電体層、44は表層の伝送ライン41のパッド、45aは第1のグランド/電源プレーン層42aのくり抜き部、45bは第2のグランド/電源プレーン層42bのくり抜き部、46aは中層の伝送ライン(第2の信号伝送用導体層)、46bは中層の伝送ライン(第3の信号伝送用導体層)、47aは中層の伝送ライン(第2の信号伝送用導体層)46aに形成される第1の配線禁止領域、47bは中層の伝送ライン(第3の信号伝送用導体層)46bに形成される第2の配線禁止領域である。
【0022】この実施例では、2層のグランド/電源プレーン層であったものを3層に増やし、グランド/電源プレーン層42a及び42bにくり抜き部45a及び45bを設け、このくり抜き部45a及び45bの大きさを調整することでインピーダンス整合を図るものである。その場合、グランド/電源プレーン層42a及び42bに形成されるくり抜き部45a及び45bの形状は、第1実施例と同様に、表層の伝送ライン41のパッド44と相似形状にし、前記くり抜き部45a及び45bの大きさは、表層の伝送ライン41のパッド44よりは大きくならないようにする。
【0023】本発明の高速信号伝送用回路基板における特性インピーダンスのシュミレーション結果を図8に示す。図8(b)において、横軸はパッドの面積を1とした場合の第2のくり抜き部の面積比、縦軸は特性インピーダンスZ0 (Ω)を示している。この図において、誘電率4.9の多層基板、表層の伝送ラインの幅0.2mm、誘電体層厚0.11mm/層、周波数(f)10GHzの場合において、図8(a)に示すようなパッドサイズ、つまり、長さlが2.5mm、幅Wが0.5mmの場合において、曲線aは第1のくり抜き部の面積比が1.0の場合、曲線bは第1のくり抜き部の面積比が0.8の場合を示している。
【0024】上記した条件の下では、特性インピーダンスZ0 (Ω)は50Ωに設定されることが望ましい。この図から明らかなように、第1のくり抜き部の面積比が1.0の場合においては、第2のくり抜き部の面積比が1.0近傍が、第1のくり抜き部の面積比が0.8の場合においては、第2のくり抜き部の面積比が1.0近傍が、それぞれ特性インピーダンスZ0 としては望ましい。くり抜き部の面積のみに着目すると、パッドに対するくり抜き部の面積比は1.0以上でもよいが、パッドに対するくり抜き部の面積比が1.0以上になると、伝送ラインとの関係で、インピーダンス整合を図ることができなくなるので、パッドに対するくり抜き部の面積比は1.0より小さくする必要がある。
【0025】この実施例では、表層の伝送ライン41のパッド44の大きさよりは少し小さいくり抜き部45aを、第1のグランド/電源プレーン層42aに形成し、更に、小さいくり抜き部45bを、第2のグランド/電源プレーン層42bに形成するようにしている。また、第1の配線禁止領域47aよりは下方の第2の配線禁止領域47bは小さくなるように形成している。
【0026】このように構成すると、下方のくり抜き部及び配線禁止領域は小さくすることができ、グランド/電源プレーン層を広くとることができるとともに、配線禁止領域は狭くなるので、配線できる領域を拡大することができる。なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0027】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、高速信号伝送用回路基板の伝送ラインのパッド部の構造において、パッド直下のグランド/電源プレーン層にくり抜き部を設け、この際に形状をパッドと相似形状とし、その大きさをパッドよりも大きくならない範囲で調整することにより、パッドからグランド/電源プレーン層までの誘電体層の厚さを部分的に変化させることで、インピーダンス整合を図り、反射を抑え、高速信号の伝送特性の向上を図ることができる。
【0028】また、高速信号伝送用回路基板の伝送ラインのパッド部と中心が一致し、相似形状のくり抜き部となし、くり抜き部を伝送ラインの引き出し方向に依存しない形状としたことにより、設計及びチェックを容易に行うことができ、更に設計の自動化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す高速信号伝送用回路基板のパッド部の構造を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例を示す高速信号伝送用回路基板のパッド部の分解斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例を示す高速信号伝送用回路基板における特性インピーダンスのシュミレーション結果を示す図である。
【図4】第1の従来例を示す高速信号伝送用回路基板のパッド部の構造を示す図である。
【図5】第2の従来例を示す高速信号伝送用回路基板のパッド部の構造を示す図である。
【図6】第2の従来例を示す高速信号伝送用回路基板のパッド部の分解斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施例を示す高速信号伝送用回路基板のパッド部の構造を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例を示す高速信号伝送用回路基板における特性インピーダンスのシュミレーション結果を示す図である。
【符号の説明】
31,41 表層の伝送ライン(第1の信号伝送用導体層)
32a,42a 第1のグランド/電源プレーン層
32b,42b 第2のグランド/電源プレーン層
33a,43a 第1の誘電体層
33b,43b 第2の誘電体層
33c,43c 第3の誘電体層
33d 43d 第4の誘電体層
34,44 パッド
35 くり抜き部
37,46a 中層の伝送ライン(第2の信号伝送用導体層)
38 配線禁止領域
42c 第3のグランド/電源プレーン層
43e 第5の誘電体層
43f 第6の誘電体層
45a 第1のくり抜き部
45b 第2のくり抜き部
46b 中層の伝送ライン(第3の信号伝送用導体層)
47a 第1の配線禁止領域
47b 第2の配線禁止領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】 信号伝送用導体層と中層に形成したグランド/電源プレーン層との間に誘電体層を形成することにより、インピーダンス整合を図る高速信号伝送用回路基板の部品搭載用パッド部の構造において、(a)表面に形成される伝送ラインよりも幅の広いパッドを有する第1の信号伝送用導体層と、(b)該第1の信号伝送用導体層の下方に第1の誘電体層を介して形成される第1のグランド/電源プレーン層と、(c)該第1のグランド/電源プレーン層の下方に第2の誘電体層を介して形成される第2の信号伝送用導体層と、(d)該第2の信号伝送用導体層の下方に第3の誘電体層を介して形成される第2のグランド/電源プレーン層と、(e)前記パッドの直下に介在する第1のグランド/電源プレーン層に、前記パッドと中心位置が同じであり、かつ前記パッドと相似の形状をなし、前記パッドよりも小さいくり抜き部と、前記第2の信号伝送用導体層に、前記第1のグランド/電源プレーン層のくり抜き部より若干大きめの配線禁止領域とを設けることを特徴とする高速信号伝送用回路基板の部品搭載用パッド部の構造。
【請求項2】 信号伝送用導体層と中層に形成したグランド/電源プレーンとの間に誘電体層を形成することにより、インピーダンス整合を図る高速信号伝送用回路基板の部品搭載用パッド部の構造において、(a)表面に形成される伝送ラインよりも幅の広いパッドを有する第1の信号伝送用導体層と、(b)該第1の信号伝送用導体層の下方に第1の誘電体層を介して形成される第1のグランド/電源プレーン層と、(c)該第1のグランド/電源プレーン層の下方に第2の誘電体層を介して形成される第2の信号伝送用導体層と、(d)該第2の信号伝送用導体層の下方に第3の誘電体層を介して形成される第2のグランド/電源プレーン層と、(e)該第2のグランド/電源プレーン層の下方に第4の誘電体層を介して形成される第3の信号伝送用導体層と、(f)該第3の信号伝送用導体層の下方に第5の誘電体層を介して形成される第3のグランド/電源プレーン層と、(g)前記パッドの直下に介在する第1のグランド/電源プレーン層に、前記パッドの中心位置が同じであり、かつ前記パッドと相似の形状をなし、前記パッドよりも小さい第1のくり抜き部と、第2の信号伝送用導体層に前記第1のくり抜き部よりも若干大きめの第1の配線禁止領域と、前記パッドの直下の第2のグランド/電源プレーン層に前記パッドの中心位置が同じであり、かつ前記パッドと相似の形状をなし、前記パッドよりも小さい第2のくり抜き部と、第2の信号伝送用導体層に前記第2のくり抜き部よりも若干大きめの第2の配線禁止領域とを設けることを特徴とする高速信号伝送用回路基板の部品搭載用パッド部の構造。
【請求項3】 前記くり抜き部及び配線禁止領域を基板表面から下方に向かって徐々に小さく設定していくことを特徴とする請求項1又は2記載の高速信号伝送用回路基板の部品搭載用パッド部の構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開平7−307578
【公開日】平成7年(1995)11月21日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−99591
【出願日】平成6年(1994)5月13日
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)