説明

髪ケア装置

【課題】吹出口における風速分布の乱れを抑制できる髪ケア装置の提供を図る。
【解決手段】風洞内に配置されるファン5fおよびヒータ7bとを備えた温風発生ユニット2を有する髪ケア装置としてのヘアドライヤー1において、風洞内に配置され且つ当該風洞内を流れる風を加湿する加湿手段15が、ヒータ7bの下流端よりも上流側に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、髪ケア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の髪ケア装置としては、上流端に吸込口を有し且つ下流端に吹出口を有する風洞と、前記風洞内に配置されたファンと、前記風洞内に配置されたヒータと、を備えるヘアドライヤーが知られている。特許文献1のヘアドライヤーは、風洞の下流端の吹出口の近傍に、温風を加湿するための保水性を有する加湿材が配置されている。そのため、吹出口からの送風を加湿して、髪に潤いを与えることができる。
【特許文献1】実開昭62−199003公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の髪ケア装置では、加湿材が吹出口近傍に配置にされていることから、吹出口近傍の風速分布が乱れやすい欠点がある。
【0004】
そこで、本発明は、風洞の吹出口における風速分布を改善できる加湿性能を有する髪ケア装置の提供を図る。
【0005】
なお、上記従来の髪ケア装置では、加湿材がヒータの下流に設けられているため、ヒータで加熱された高熱の温風に晒されることとなり、加湿材を耐熱性の優れた素材または構造とする必要があり、製造コストが嵩んでしまう問題点もある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、上流端および下流端に吸込口および吹出口がそれぞれ開口する風洞と、前記風洞内に配置されるファンと、前記風洞内のファンよりも下流側に配置されたヒータと、前記風洞内に配置され、当該風洞内を流れる風を加湿する加湿手段と、を備えて構成された温風発生ユニットを有する髪ケア装置であって、前記加湿手段は、前記ヒータの下流端よりも上流側に設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の髪ケア装置であって、前記加湿手段は、前記ヒータよりも上流側に配置されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の髪ケア装置であって、前記ヒータの上流側に前記ファンが配置され、前記加湿手段が前記ファンより上流側に配置されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の髪ケア装置であって、前記ヒータは筒状に形成され、前記加湿手段は、前記ヒータの内周側において当該ヒータの中心線上に配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の髪ケア装置であって、前記風洞内を前記ヒータが配置される温風通路と前記ヒータが配置されない冷風通路とを仕切る仕切部を備え、前記冷風通路に前記加湿手段が配置されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の髪ケア装置であって、前記加湿手段は、水分を保水する保水部材で構成され、前記保水部材としての加湿手段に対して、貯留した水分を供給可能な水タンクを、さらに備えることを特徴とするものである。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の髪ケア装置であって、前記加湿手段は、水分を保水する保水部材で構成され、放熱面および冷却面を有する電子冷却素子としてのペルチェ素子をさらに備え、前記ペルチェ素子の冷却面に結露する水分が前記保水部材に供給されるように設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、温風発生ユニットから吹き出される送風(温風または冷風)が、加湿手段により加湿されるため、髪に潤いを与えることができる。
【0014】
また、加湿手段がヒータの下流端よりも上流側に設けられているため、加湿手段が風洞の下流端の吹出口に設けられている構造に比べて、吹出口における風速分布の乱れを抑制でき、商品価値を高めることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明よれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、加湿手段がヒータよりも上流側に配置されているため、加湿手段がヒータより下流側に配置されている構造に比べて、加湿手段はヒータからの熱影響を受けにくくなり、過剰に熱せられることが回避されるため、加湿手段の耐熱性能をおとして安価に製造できる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、加湿手段はヒータよりも上流側に配置されたファンよりもさらに上流側に配置されているため、ヒータとの距離がさらに離れることでさらにヒータからの熱影響を受けにくくなる。また、ヒータと加湿手段との間にファンが介在するで、ファンが遮熱部として機能するため、加湿手段はさらにヒータからの熱影響を受けにくくなる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、加湿手段がヒータの内周側において当該ヒータの中心線上に配置されているため、加湿手段はヒータ内において最もヒータからの距離が遠い位置に配置されることとなり、ヒータによってまだ加熱されていない冷風を受けやすくなる。そのため、加湿手段がヒータよりも下流に設けられた構造に比べて、ヒータからの熱影響を受けにくくなり、加湿手段が過剰に熱せられることが回避されるため、加湿手段の耐久性能を落として安価に製造することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明の効果に加え、温風通路と冷風通路とに区画された風洞内のうち、当該冷風通路に加湿手段が配置されているため、加湿手段はヒータからの熱影響を受けにくくなり、過剰に熱せられることが回避されるため、加湿手段の耐久性能を落として安価に製造することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の発明の効果に加え、加湿手段を構成する保水部材に対して、液体タンクから水分を供給するとができるため、保水部材に対する水分補給の頻度を低減させることができる。また、液体タンクがない構造に比べ、長時間に亘って加湿性能を発揮することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の発明の効果に加え、前記加湿手段を構成する保水部材に対して、ペルチェ素子から水分を供給することができるため、長時間に亘って加湿性能を発揮することができる。
【0021】
なお、前記加湿手段は、保水部材を利用せずに、冷却面に前記風洞内の風が当たるように配置されたペルチェ素子によって構成されていてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0023】
(第1実施形態)図1〜2は本発明の第1実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアドライヤーを示す。このうち、図1は第1実施形態のヘアドライヤーの断面図、図2は図1中の矢示II方向からみた側面図である。
【0024】
(構成)
本実施形態にかかる髪ケア装置としてのドライヤー1は、温風発生ユニット2と、温風発生ユニット2の吹出口3cに着脱自在に取り付けられた筒状のアタッチメント(フード)11と、当該温風発生ユニット2に固定的または回転自在に取り付けられたグリップ部13と、を備えて構成されている。
【0025】
温風発生ユニット2は、内部に風洞を形成する略円筒状の風洞ケース3内に、ファンユニット5およびヒータユニット7が配置された構造をなしている。このとき、ファンユニット5が上流、ヒータユニット7が下流に配置されている。
【0026】
風洞ケース3は、風洞の上流端に吸込口3bを備え、風洞の下流端に吹出口3cを備えて構成されている。
【0027】
ファンユニット5は、風洞ケース3内に固定された円筒状のファンケース5cと、ファンケース5c内に支持されたファンモータ5mと、ファンケース5c内においてファンモータ5mより上流側に配置されファンモータ5mによって回転駆動するファン5fと、を備えて構成されている。
【0028】
ヒータユニット7は、ファンユニット5から供給される送風を加熱するものであり、例えば雲母等の耐熱板を断面十字状に組み合わせて構成されるヒータ固定部7aと、このヒータ固定部7aの外周に螺旋状に巻回された例えばニクロム線などの電熱線からなるヒータ7bと、を備えて構成されている。
【0029】
ヒータ7bの外周は、断熱部材で形成された筒状のヒータケース9で覆われており、これによりヒータユニット7の熱が風洞ケース3に影響を及ぼすことを回避している。
【0030】
ドライヤー1のグリップ部13には、ファンユニット5およびヒータユニット7のON/OFFを操作する図示せぬスイッチが設けられている。
【0031】
スイッチがONされると、ファンユニット5およびヒータユニット7が作動して、温風が吹き出し口から吹き出されるようになっている。なお、スイッチには、ファンモータ5mの回転数(ファン5fの送風量)を調整する切換え機能や、ヒータ7bへの供給電流値(電熱線の発熱量)を調整する切換え機能を付加してもよい。
【0032】
この実施形態では、風洞内を通る空気を加湿する加湿手段15Aが、図2に示すように、風洞ケース3の吸込口3bに形成された格子状のグリル部17に、はめ込まれている。本実施形態では、加湿手段15Aは、保水部材15Aによって構成されており、保水部材15Aは、例えば水などの液体を保水可能な繊維や多孔質のセラミックなどで構成される。
【0033】
(作用)
次に、本実施形態のヘアドライヤー1の作用を説明する。
【0034】
グリップ部13のスイッチによりファンユニット5およびよびヒータユニット7がONすると、ファンユニット5によって吸込口3bから風洞内に空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、当該吸込口3bに配置された保水部材15Aから水分を奪って加湿された後、ファンユニット5を通過してヒータユニット7で加熱されて熱風となり、風洞ケース3の吹出口3cから吹き出され、毛髪に吹き付けられる。なお、スイッチによりファンユニット5のみをONすると、加湿された冷風が吹き出される。
【0035】
(効果)
このような本実施形態のヘアドライヤー1によれば以下のような効果が得られる。
【0036】
(1)本実施形態によれば、風洞内に配置されるファン5fおよびヒータ7bとを備えた温風発生ユニット2を有する髪ケア装置において、前記風洞内に配置され且つ当該風洞内を流れる風を加湿する加湿手段15Aが、ヒータ7bの下流端よりも上流側に設けられている。そのため、温風発生ユニット2から吹き出される送風(温風または冷風)が、加湿手段15Aにより加湿されるため、髪に潤いを与えることができる。また、加湿手段15Aがヒータ7bの下流端よりも上流側に設けられているため、加湿手段15Aが風洞の下流端の吹出口3cに設けられている構造(例えば特許文献1)に比べて、吹出口3cにおける風速分布の乱れを抑制でき、商品価値を高めることができる。
【0037】
(2)また本実施形態によれば、加湿手段15Aはヒータ7bよりも上流側に配置されている。そのため、加湿手段15Aがヒータ7bよりも上流側に配置されているため、加湿手段15Aがヒータ7bより下流側またはヒータ7b内に配置されている構造に比べて、加湿手段15Aはヒータ7bからの熱影響を受けにくくなり、過剰に熱せられることが回避されるため、高い耐熱性が要求されず、安価に製造することができる。
【0038】
(3)また本実施形態によれば、加湿手段15Aはヒータ7bよりも上流側に配置されたファン5fよりもさらに上流側に配置されている。そのため、ヒータ7bとの距離がさらに離れることでさらにヒータ7bからの熱影響を受けにくくなる。また、ヒータ7bと加湿手段15Aとの間にファン5fが介在することとなり、ファン5fが遮熱部として機能し、この点においても、加湿手段15Aはさらにヒータ7bからの熱影響を受けにくくなると言える。
【0039】
(4)また本実施形態によれば、加湿手段15Aは、液体を保水可能な保水部材15Aであるため、構造が簡素であり、安価に製造することができ、また取り替えなどが容易である。
【0040】
次に、他の実施形態について説明する。なお、以下の説明において既に説明した構成については同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0041】
(第2実施形態)
図3は第2実施形態の髪ケア装置としてのヘアドライヤー1を示すものである。本実施形態のヘアドライヤー1は、第1の保水部材15Aが、風洞の吸込口3bに設けられている点で第1形態と同様であるが、第2の保水部材15Bが、ヒータ7bよりも上流側で且つファン5fより下流側に設けられている点で、第1実施形態と異なっている。
【0042】
より詳しくは、第2の保水部材15Bは、ファンモータ5mの外周に対向する位置に配置されており、ヒータケース9の内周面に取り付けられている。
【0043】
このような第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、第1の保水部材15Aとは異なる位置に第2の保水部材15Bが設けられているため、第1の保水部材15Aおよび第2の保水部材15Bによって、さらに、加湿性能を向上させることができる。
【0044】
また、新たに設けられた第2の保水部材15Bは、第1の保水部材15Aと同様に、ヒータ7bの下流端よりも上流側に設けられているため、風洞の下流端の吹出口3cに設けられている構造(例えば特許文献1)に比べて、吹出口3cにおける風速分布の乱れを抑制でき、商品価値を高めることができる。
【0045】
また、第2の保水部材15Bは、第1の保水部材15Aと同様に、ヒータ7bよりも上流側に配置されているため、ヒータ7bより下流側またはヒータ7b内に配置されている構造に比べて、ヒータ7bからの熱影響を受けにくくなり、過剰に熱せられることが回避され、高い耐熱性が要求されず、安価に製造することができることとなる。
【0046】
(第3実施形態)
図4は、第3実施形態の髪ケア装置としてのヘアドライヤー1を示すものである。
【0047】
本実施形態の髪ケア装置は、第2実施形態の第1の保水部材15Aおよび第2の保水部材15Bに加えて、さらに第3の保水部材15Cが設けられている点で第2実施形態と異なっている。また、上述の第1、2実施形態では、筒状のファンケース5cと筒状のヒータケース9とが略同一径で形成されており、それぞれの接合部が隙間なく形成されていたが、第3実施形態では、ファンケース5cとヒータケース9との間に隙間21が設けられており、当該ファンケース5cから吹き出された空気が、ヒータ7bが配置されるヒータケース9の内周側だけでなくヒータケース9の外周側(ヒータケース9と風洞ケース3との間の円環状の空間23)を流れる点で、異なっている。
【0048】
そして、第3の保水部材15Cは、ヒータケース9の外周側の空間23に配置されている。
【0049】
このような第3実施形態によれば、第1、第2実施形態の効果に加え、それぞれ異なる位置に第1、第2、第3保水部材15A、15B、15Cが配置されているため、加湿性能がさらに向上することとなる。
【0050】
また第3実施形態によれば、風洞内をヒータ7bが配置される温風通路とヒータ7bが配置されない冷風通路23とを仕切る仕切部としてのヒータケース9を備えて構成され、冷風通路23に加湿手段15Cが配置されているため、加湿手段15Cがヒータ7bの熱影響を受けずにすみ、高い耐熱性能が不要となる。
【0051】
(第4実施形態)
図5は第4実施形態の髪ケア装置としてのヘアドライヤー1を示すものである。
【0052】
第4実施形態のヘアドライヤー1は、上述の加湿手段としての第1〜3保水部材を備えずに、これらとは異なる位置に他の加湿手段としての保水部材15Dを備える点で、第1〜3実施形態と異なっている。
【0053】
図5に示すように、保水部材15Dは、筒状のヒータ7bの内周側において当該ヒータ7bの中心線上に配置されており、ヒータ7bの軸方向中間点よりも上流側(ファン5f側)に配置されている。
【0054】
このような第4実施形態によれば、加湿手段15Dがヒータ7bの内周側において当該ヒータ7bの中心線上に配置されているため、ヒータ7b内において最もヒータ7bからの距離が遠い位置に配置されることとなり、ヒータ7bによってまだ加熱されていない冷風を受けやすくなる。そのため、加湿手段15Dがヒータ7bよりも下流に設けられた構造(例えば特許文献1)に比べて、ヒータ7bからの熱影響を受けにくくなり、加湿手段15Dが過剰に加熱されることが回避されるため、加湿手段15Dの高い耐久性能が不要となる。
【0055】
(第5実施形態)
図6は第5実施形態の髪ケア装置としてのヘアドライヤー1を示す図である。
【0056】
第1〜第4実施形態では、スポイト等により保水部材15A〜15Dに水分を補充することができるが、第5実施形態においては、保水部材15Eへの液体供給手段を備える構造である。
【0057】
液体供給手段は、液体タンク25と、液体タンク25と連通するキャピラリーチューブ(毛細管)26と、を備えて構成されている。キャピラリーチューブ26の出口は、保水部材15Eの表面に付設されるか保水部材15E内に埋設され、これにより、保水部材15Eが潤うようになっている。液体タンク25は注水部27を備えており、この注水部27は、風洞ケース3の周壁に設けられた開口を通じて風洞ケース3外に露出しており、この注水部27が栓29で開閉できるようになっている。
【0058】
このような第5実施形態によれば、加湿手段を構成する保水部材15Eに対して、液体タンク25から水分を供給するとができるため、保水部材15Eに対する水分補給作業の頻度を低減させることができる。また、液体タンク25がない構造に比べ、長時間に亘って加湿性能を発揮することができる。
【0059】
(第6実施形態)
図7、8は第6実施形態の髪ケア装置としてのヘアドライヤー1を示す図である。
【0060】
第6実施形態においては、保水部材15Fへの液体供給手段の構成が、第5実施形態と異なる。すなわち本実施形態の液体供給手段は、電子冷却素子としてのペルチェ素子31で構成されている。
【0061】
ペルチェ素子31は、通電することで放熱面31bから熱を放熱するとともに冷却面31aが冷却されるものであり、この冷却面31aに結露する水分を保水部材15Fに供給できるようになっている。放熱面31bは冷却性能を高めるために放熱フィン33を備えて構成され、一方、水分が結露する冷却面31aは、直接または間接的に保水部材15Fに接触し、これにより結露した水分が保水部材15Fに供給される。なお、ペルチェ素子31の放熱面および放熱面31bに一体に設けられた放熱フィン33に対応する位置には、風洞ケース3の周壁に開口が形成されており、ペルチェ素子31の放熱性が確保されている。
【0062】
例えば、ヘアドライヤー1の不使用時に、内部充電池などによりペルチェ素子31に通電することにより、保水部材15Fを潤わせることができる。
【0063】
このような第6実施形態によれば、保水部材15Fへの液体供給手段31をさらに備える構造であるため、保水部材15Fに対して、水分補給作業が不要となる。
【0064】
(変形例)
なお、変形例として、保水部材を備えずに、加湿手段をペルチェ素子31として構成してもよい。つまり、ペルチェ素子31の冷却面31aに対して前記風洞内の風が当たるように当該ペルチェ素子31を配置することで、ペルチェ素子31の冷却面31aに結露する水分によって、送風される空気を加湿すればよい。
【0065】
(第7実施形態)
図9〜図11は第7実施形態の髪ケア装置を示す図である。
【0066】
第7実施形態の髪ケア装置はヘアアイロンである点で、第1〜第6実施形態と異なる。本実施形態のヘアアイロン100は、図9、10に示すように、互いに回転自在に装着されて狭持自在に設けられた一対の胴部101、103と、前記一対の胴部101、103の狭持面において髪を挟み込んで加熱する一対のアイロン板101b、103bと、少なくとも一方のアイロン板101b、103bを加熱する図示せぬヒータと、備えて構成されている。
【0067】
一対の胴部101、103の少なくとも一方(この例では胴部101)には、図11に示すように、内部に第1実施形態の温風発生ユニット2が配置されており、また、当該温風発生ユニット2から吹き出される温風を胴部101の外部に吹き出す吹出口105が設けられている。この胴部101の吹出口105は、アイロン板101bの近傍に設けられている。
【0068】
そのため、このようなヘアアイロン100によれば、一対の胴部101、103に巻き取った髪に対して加湿された風(温風または冷風)を吹き出すことができ、髪にウエーブをかけたり癖毛を直したりしながら、髪に潤いを与えることができる。
【0069】
(第8〜12実施形態)
図12〜図16は、第8〜第12実施形態のヘアアイロン100を示す図である。
【0070】
図12の第8実施形態のヘアアイロン100は第2実施形態の温風発生ユニット2を内蔵し、図13の第9実施形態のヘアアイロン100は第3実施形態の温風発生ユニット2を内蔵し、図14の第10実施形態のヘアアイロン100は第4実施形態の温風発生ユニット2を内蔵し、図15の第11実施形態のヘアアイロン100は第5実施形態の温風発生ユニット2を内蔵し、図16の第12実施形態のヘアアイロン100は第6実施形態の温風発生ユニット2を内蔵している。これによりいずれの実施形態においても上述の実施形態と同様の作用効果を得ることが得られるため、重複する説明を省略する。
【0071】
なお本発明の髪ケア装置は上述の実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限定解釈されるべきではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を採用することができる。例えば、ヘアドライヤー、ヘアアイロンに限ることなく、ヘアーブラシやその他の髪ケア装置にあっても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は本発明の第1実施形態の髪ケア装置としてのヘアドライヤーを示す断面図。
【図2】図2は図1中の矢示II方向からみた側面図。
【図3】図3は第2実施形態の髪ケア装置としてのヘアドライヤーを示す断面図。
【図4】図4は第3実施形態の髪ケア装置としてのヘアドライヤーを示す断面図。
【図5】図5は第4実施形態の髪ケア装置としてのヘアドライヤーを示す断面図。
【図6】図6は第5実施形態の髪ケア装置としてのヘアドライヤーを示す断面図。
【図7】図7は第6実施形態の髪ケア装置としてのヘアドライヤーを示す断面図。
【図8】図8は第6実施形態のヘアドライヤーに用いられるペルチェ素子と保水部材とを拡大して示す断面図。
【図9】図9は第7実施形態の髪ケア装置としてのヘアアイロンを示す断面図。
【図10】図10は同ヘアアイロンを示す側面図。
【図11】図11は図10中のX−X断面図。
【図12】図12は第8実施形態の髪ケア装置としてのヘアアイロンを示す斜視図。
【図13】図13は第9実施形態の髪ケア装置としてのヘアアイロンを示す断面図。
【図14】図14は第10実施形態の髪ケア装置としてのヘアアイロンを示す断面図。
【図15】図15は第11実施形態の髪ケア装置としてのヘアアイロンを示す断面図。
【図16】図16は第12実施形態の髪ケア装置としてのヘアアイロンを示す断面図。
【符号の説明】
【0073】
1…ヘアドライヤー(髪ケア装置)
2…温風発生ユニット
3…風洞ケース
3b…吸込口
3c…吹出口
5…ファンユニット
5c…ファンケース
5f…ファン
5m…ファンモータ
7…ヒータユニット
7a…ヒータ固定部
7b…ヒータ
9…ヒータケース
11…アタッチメント
13…グリップ部
15A…保水部材(加湿手段)
15B…保水部材(加湿手段)
15C…保水部材(加湿手段)
15D…保水部材(加湿手段)
15E…保水部材(加湿手段)
15F…保水部材(加湿手段)
17…グリル部
21…隙間
23…冷風通路
25…液体タンク(液体供給手段)
26…キャピラリーチューブ
27…注水部
29…栓
31…ペルチェ素子(液体供給手段)
31a…冷却面
31b…放熱面
33…放熱フィン
100…ヘアアイロン(髪ケア装置)
101…胴部
101b…アイロン板
105…吹出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流端および下流端に吸込口および吹出口がそれぞれ開口する風洞と、
前記風洞内に配置されるファンおよびヒータと、
前記風洞内に配置され、当該風洞内を流れる風を加湿する加湿手段と、
を備えて構成された温風発生ユニットを有する髪ケア装置であって、
前記加湿手段は、前記ヒータの下流端よりも上流側に設けられていることを特徴とする髪ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の髪ケア装置であって、
前記加湿手段は、前記ヒータよりも上流側に配置されていることを特徴とする髪ケア装置。
【請求項3】
請求項2に記載の髪ケア装置であって、
前記ヒータの上流側に前記ファンが配置され、
前記加湿手段は、前記ファンより上流側に配置されていることを特徴とする髪ケア装置。
【請求項4】
請求項1に記載の髪ケア装置であって、
前記ヒータは筒状に形成され、
前記加湿手段は、前記ヒータの内周側において当該ヒータの中心線上に配置されていることを特徴とする髪ケア装置。
【請求項5】
請求項1に記載の髪ケア装置であって、
前記風洞内を前記ヒータが配置される温風通路と前記ヒータが配置されない冷風通路とを仕切る仕切部を備え、
前記冷風通路に前記加湿手段が配置されていることを特徴とする髪ケア装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の髪ケア装置であって、
前記加湿手段は、水分を保水する保水部材で構成され、
前記保水部材としての加湿手段に対して、貯留した水分を供給可能な水タンクを、さらに備えることを特徴とする髪ケア装置。
【請求項7】
請求項1〜5の何れか1項に記載の髪ケア装置であって、
前記加湿手段は、水分を保水する保水部材で構成され、
放熱面および冷却面を有する電子冷却素子としてのペルチェ素子をさらに備え、
前記ペルチェ素子の冷却面に結露する水分が前記保水部材に供給されるように設けられていることを特徴とする髪ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−106366(P2009−106366A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279297(P2007−279297)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】