説明

魚釣装置

【課題】この発明は、簡易な構成で、安定した給電を実現し得、且つ、持ち易く優れた把持操作性を実現し得るようにすることにある。
【解決手段】リール本体10の左側板部101との間に把持空間を持たせて該リール本体10に対して一端部が支持されて配置され、該リール本体10のバッテリ接続部16に電力を供給するバッテリ30を備えて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば魚釣用リールの給電部に電力を供給するバッテリを備える魚釣装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、船釣等の深場あるいは沖合いでの釣りにおいては、釣糸が巻回されるスプールを駆動用モータで駆動するいわゆる電動式の魚釣用リールが多く使用されている。このような電動リールのスプール駆動用モータに給電する手段としては、バッテリ装置を釣り位置から離れた場所に設置し、長い給電コードを用いてスプール駆動用モータの内蔵されるリール本体に設けたバッテリ接続部に対して電力を給電する方式が知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
ところが、このような長い給電コードを介して、魚釣用リールとこれから遠く離れたバッテリ装置とを接続する場合には、長い給電コード自体が邪魔になることに加え、魚の当たりを待ったり、あるいは誘い操作や魚の取込み操作の際に、その長い給電コードで釣竿の動きが制約され、誘い操作や魚の取込み操作等を思い通りに自由に行うことができず、操作性が劣るという不都合を有する。
【0004】
そこで、電動式魚釣用リールのスプール駆動用モータに給電する手段には、短いコードを用いて給電したり、バッテリケースを、リール本体に設け、このバッテリケースに対して電源となるバッテリを収容してスプール駆動用モータへの給電を行うように構成したものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−27676号公報
【特許文献2】特開平10−215737号公報
【特許文献3】実開平5−91332号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記電動式魚釣用リールに給電する手段では、バッテリボックス内にバッテリを収容する構成上、リール本体が大型化されるうえ、リール本体を、釣姿勢に適した持ち易い状態にするのが困難なために、把持操作性が低下されるという問題を有する。
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、安定した給電を実現し得、且つ、持ち易く優れた把持操作性を実現し得るようにした魚釣装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の魚釣装置は、リール本体の側板部との間に把持空間を持たせて該リール本体に取付け配置され、前記リール本体の給電部に電力を供給するバッテリを備え、前記バッテリを、前記リール本体に対して一端部が支持されて配するように構成した。
【0008】
上記構成によれば、リール本体はその側板部とバッテリとの間の把持空間に、釣り人の手をバッテリの自由端である他端部側から侵入させて把持することにより、所望の把持形態を採ることが可能となる。従って、所望の給電を受けながら、釣姿勢に応じた各種の最適な把持形態を容易に採ることができる。
【発明の効果】
【0009】
以上述べたように、この発明によれば、リールに給電を実現し得、且つ、持ち易く優れた把持操作性を実現し得るようにした魚釣装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1及び図2は、この発明の第1の実施の形態に係る魚釣装置を示すもので、図1はバッテリ装着状態を示し、図2はバッテリ分離状態を示す。
【0012】
即ち、バッテリ30を装着する電動式魚釣用リールは、リール本体10に回転可能に支持されたスプール11と当該スプール11を回転駆動させる駆動機構(モータ)を備え、バッテリ30から得た電力によって上記駆動機構(モータ)を駆動させるようになっている。電動式魚釣用リールを構成するリール本体10には、その左及び右側板部101,102間にスプール11(図3及び図4参照)が駆動自在に配置される。このスプール11は、例えばリール本体10の右側板部102側に配されるハンドル12の回転操作、あるいは図示しないスプール駆動用モータの駆動力により駆動されて、釣糸の巻回が行われる。
【0013】
また、リール本体10には、上記スプール駆動用モータ(図示せず)及びマイクロコンピュータで構成される図示しない制御部が内装されると共に、その上面部に表示部13及び操作部14が設けられる。そして、このリール本体10の下面部には、リール本体の前後方向に延びる取付脚15が、釣竿20のリールシート21に対応して設けられ、この取付脚15が釣竿20の前後方向に沿うようにしてリールシート21に装着されて電動式魚釣用リールが釣竿20に取付けられる。
【0014】
そして、リール本体10のハンドル12を配した右側板部102に対しスプール11を介して反対側に配した側板部である左側板部101には、スプール11を回動するハンドルは設けられておらず、延出部103が設けられ、この延出部103は、左側板部101の側面101aからリール本体10の左側方へ突出し、延出部103の下段には給電部を構成するバッテリ接続部16が、その接続開口が、下向き、且つ、竿尻方向に傾斜させて突設して配置される。右側板部102と左側板部101は、フレーム105によって連結されているが、両側板部の一部は、フレーム105によって構成されているため、これを含む、スプール11の左側と右側に立設される壁状の部分をそれぞれ右側板部102,左側板部101とする。
【0015】
バッテリ接続部16には、螺子部171の設けられた防水構造の口金部17が設けられ、この口金部17内には、例えば一対のピン形の凸状接続端子172が後述するバッテリ30の接続コネクタ34に対応して突設される(図2参照)。このバッテリ接続部16の凸状接続端子172は、上記リール本体10に配される制御部(図示せず)を介してスプール駆動用モータ(図示せず)及び表示部13に電気的に接続され、該バッテリ接続部16に対して、上記バッテリ30の接続コネクタ34が装着されると、詳細を後述するように接続コネクタ34の凹状接続端子341に電気的に接続されて、該バッテリ30を介して給電される。
【0016】
ここで、バッテリ接続部16は、その接続開口が上述したように取付脚15の軸に対して交差される方向の下方で、且つ、竿尻方向に傾斜されて突設配置され、その口金部17内において封止構造に設けられることで、これら口金部17及びその周辺部からリール本体10内に水等の流体が浸入するのを防止する、いわゆる液密構造に構成されている。
【0017】
また、上記リール本体10のバッテリ接続部16に装着されるバッテリ30は、ケース本体31が、電池本体32が収容される収容部311と蓋部312で構成される。このケース本体31を構成する収容部311及び蓋部312は、例えば合成樹脂材料で形成され、その内部に、例えばリチウムイオン電池等の電池本体32及び充放電制御用制御部33が収容されて相互間が接着や溶着等で接合され、密閉構造に合体される。
【0018】
即ち、上記ケース本体31の蓋部312には、筒状部313が上記ケース本体31の重心G2の上面(取付け面)の略中央部に設けられる。この筒状部313には、その内部に筒状部313の上方に開口する取付け穴部314が形成され、この取付け穴部314に上記電池本体32及び制御部33に電気的に接続される接続コネクタ34の基端部側が接着剤またはパッキン部材35を介して固定されると共に、接続コネクタ34が、その支持部を構成する筒状部313を介して重心G2から遠ざかる上方へ向けて突設される。これにより、接続コネクタ34は、ケース本体31内に液密状態で位置決めされて固定され、しかも、堅牢に組付けることが可能となる。
【0019】
接続コネクタ34は、例えば可撓性を有する非導電性の樹脂材料で形成され、いわゆるソケット型コンセントを構成する一対の凹状接続端子341(図2参照)が設けられる。この凹状接続端子341は、その基端において、上記制御部33に電気的に接続される。ここで、接続コネクタ34は、ケース本体31の内側面に液密状態で接着により固定されて取付けられた状態で、その先端部側が筒状部313から直接突出され、その凹状接続端子341が上記制御部33に電気的に接続されることで、その配線系統の保護が図れて、上記リール本体10のバッテリ接続部16への繰り返し着脱操作を安定して行うことが可能となる。
【0020】
また、上記蓋部312の筒状部313には、接続コネクタ34とリール本体10のバッテリ接続部16を接続した時の保持手段を構成する、例えばナット部材37が、接続コネクタ34の周囲を囲むように回転自在に設けられる。このナット部材37には、その上端部に鍔状の操作部371が設けられ、その下端部が上記接続コネクタ34の中間部に回転自在に支持される。
【0021】
ナット部材37は、接続コネクタ34と別体に形成され、該接続コネクタ34が上記リール本体10のバッテリ接続部16に装着された状態で、その操作部371が回転操作されて上記リール本体10のバッテリ接続部16の口金部17の螺子部171に螺合されて締付け操作されると、その下端部が接続コネクタ34の中間部に係合されていることで、その側壁が蓋部312の筒状部313に沿ってリール方向に移動案内される。そして、このナット部材37は、さらにリール方向の移動に連動して接続コネクタ34をリール方向に押圧して接続コネクタ34がバッテリ接続部16に差し込まれ確実に電気的に接続した状態で、上記バッテリ接続部16の口金部17の螺子部171への螺合が完了され、リール本体10にバッテリ30が給電コード等を用いずに直接取付けられる。
【0022】
ここで、上記バッテリ30は、その上部側の接続コネクタ34を有するバッテリ30の一端部の給電部側が、保持手段のナット部材37を介してリール本体10のバッテリ接続部16に支持されて他端部のケース本体底部315側が支持されていない状態となって自由端となる、いわゆる片持ち梁構造に取付けられ、この自由端側より把持空間Kに容易に手100を差し込むことができ、左側板部101を容易に把持できる。このバッテリ30がリール本体10のバッテリ接続部16に取付けられた状態においては、把持空間Kを介してその両側にそれぞれリール本体10とバッテリ30が位置する。そして、リール本体10の左側板部101がリール本体10の重心G1とバッテリ30の重心G2の間に位置され、この左側板部101とバッテリ30のケース本体31との間に釣り人の手100が挿入可能な把持空間Kが形成されるため、安定して魚釣装置を把持できる。このバッテリ30の重心G2を通る上下方向の軸芯は、図1のようにリール本体10の取付脚15の軸に対して交差される方向に伸びている。これにより、バッテリ30は、底部315(自由端)側がリール本体10から離れるように傾いて取付けられ、バッテリ30のケース本体31の側面は、給電部側より底部315側がリール本体10の左側板部101から離れるように配される。また、リール本体10の左側板部101の側面101aは、中央側が高く、周縁101b側になるにつれて低くなるように傾斜しているため、把持空間Kにおけるバッテリ30のケース本体31の側面とリール本体10の左側面部101の側面101aとの間隔は、バッテリ30の底部315側(自由端側)になるにつれて大きくなっている。釣り人は、手100をリール本体10のバッテリ接続部16に装着されて片持ち梁構造に支持されたバッテリ30の、例えば自由端側よりバッテリ30と左側板部101の間の把持空間Kに容易に侵入させて、リール本体10の左側板部101を手100で包み込むようにして該リール本体10を容易に把持することができる。この時、把持空間Kのバッテリ30の底部315側(自由端側)は、広くなっているため、底部315と左側板部101の間への手100の差し込みが素早く容易に行える。
【0023】
また、釣りを行う時は、バッテリ30は、接続コネクタ(バッテリの給電部)34が上方側、底部315が下方側で、接続コネクタ34がリール本体10の前方側へ傾くようにリール本体10に装着されているため、釣りにおいてよく行われる釣竿先端をやや上方に向けた姿勢をとった時にバッテリ30の姿勢が略直立した状態に近づいて安定した状態で保持しながら釣りができる。
【0024】
この際、ナット部材37は、内側に接続コネクタ34が挿通されており、その下端部が、接続コネクタ34の中間部に回転自在に係合されていることにより、ケース本体31からの抜けが防止されて、該ケース本体31のリール本体10への確実な取付けを実現して、該リール本体10からの離脱を防止する。同時に、ナット部材37は、接続コネクタ34とバッテリ接続部16が接続された状態で、両者間の接続部となるバッテリ接続部16の接続開口の周囲を覆って口金部17の螺子部171に螺合されることで、ケース本体31の接続コネクタ34との間の液密構造を維持しつつ強固な一体構造に連結されて、このバッテリ接続部16からリール本体10内に水が浸入するのを防止する。
【0025】
上記ケース本体31の接続コネクタ34を介して給電されるリール本体10は、そのバッテリ接続部16に電力が供給されると、上記マイクロコンピュータで構成される制御部(図示せず)が上記スプール駆動用モータ(図示せず)を駆動制御して、上記スプール11の回転速度が制御され、釣糸の巻取り速度が制御される。同時に、上記制御部(図示せず)は、表示部13を作動制御する。
【0026】
上記構成により、ケース本体31は、接続コネクタ34を、釣竿20に取付けられたリール本体10のバッテリ接続部16の口金部17に装着すると、その凹状接続端子341内に口金部17内の凸状接続端子172が挿入されて相互間が電気的に接続される。ここで、ケース本体31は、ナット部材37の操作部371が回転操作されて、該ナット部材37がリール本体10の口金部17の螺子部171に螺合されて締付けられると、ナット部材37の側壁36が蓋部312の筒状部313に沿ってリール方向に移動案内され、その下端部が接続コネクタ34を同方向に付勢した状態で、リール本体10のバッテリ接続部16の口金部17に取付けられる(図3及び図4参照)。
【0027】
このように、バッテリ30は、そのケース本体31の上面の略中央部から上方に向けて突設された接続コネクタ34がリール本体10のバッテリ接続部16に「がた」が規制された状態で装着され、該リール本体10に対してバランス良く、接続コネクタ(バッテリの給電部)34をバッテリ接続部(リールの給電部)16に接続し、電力を供給可能な状態でナット部材37(保持手段)で接続コネクタ34を有する一端部で支持され、他端部の底部315側をリール本体10や釣竿20に支持されない自由端とする片持ち梁構造に組付けられる。
【0028】
そして、このケース本体31のリール本体10への装着状態において、釣り人は、その右手で、リール本体10の取付脚15が取付けられた釣竿20の握り部201を把持しながら、その左手100をリール本体10の左側板部101とバッテリ30のケース本体31との間の把持空間Kに侵入させてリール本体10の左側板部101を把持して、竿操作が行われる。この際、バッテリ30の接続コネクタ34は、ケース本体31を形成する材料よりも柔らかい材料で形成され、ケース本体31よりも大きな可撓性を有することで、その損傷等の破損防止が図れて、厳しい釣環境における使用にも耐えることができる。
【0029】
また、接続コネクタ34は、竿操作時、ケース本体31の取付け面(上面)上に配置され,重心G2の上方にてケース本体31の上方に向けて突出するように設けられることで、その負荷が小さくでき、この点からも接続コネクタ34の破損防止が図られている。
【0030】
ここで、上記釣竿20及びリール本体10における把持空間Kは、その両端にリール本体10とバッテリ30が位置するため、左手100を差し込んで魚釣装置を持ち上げると、両者の重量を手100の両側にそれぞれ分けて支えることで、安定して持つことができる。また、通常の手動式魚釣リールと略同様に制限されることなく、いわゆる手持ち感覚での上下誘い操作や巻取り操作等でリール本体10と一体的に取扱い操作することを許容する。同時に、バッテリ30の接続コネクタ34は、ケース本体31に固定され、ナット部材37によりリール本体10に対し、ケース本体31の「がた」が防止されて取付けられることにより、釣り人は、給電コードを使用しないためこれが邪魔にならないだけでなく、バッテリ30のケース本体31が邪魔になることなく、所望の魚釣操作を快適に行うことができると共に、その破損も防止される。
【0031】
また、釣途中において、ケース本体31内の電池本体32の電気エネルギが消耗した場合には、バッテリ30はリール本体10に着脱自在に装着されているため、上記装着動作と略逆の操作を行ってバッテリ30をリール本体10から離脱させ、その後、予め用意して置いた充電済みの新たなものと、交換使用することにより、長時間にわたるリール使用が容易に可能である。リール本体10と共に、把持空間をバッテリ30の重心G2とリール本体10の重心G1との間に配していることで、交換後においても同様に容易な把持操作を行うことができる。
【0032】
このように、上記魚釣装置は、リール本体10の左側板部101との間に把持空間を持たせて該リール本体10に対して一端部が支持されて配置され、該リール本体10のバッテリ接続部16に電力を供給するバッテリ30を備えて構成した。
【0033】
これによれば、リール本体10の左側板部101とバッテリ30との間の手の差し込みが可能な広さに形成した把持空間Kに、釣り人の手100をバッテリ30のケース本体31における自由端である他端部側から侵入させてリール本体10を把持することにより、把持バランスの採れた所望の把持形態で釣操作を行うことが可能となる。従って、リール本体10に対してバッテリ30を介して給電を受けながら、釣姿勢に応じた最適な把持形態を容易に採ることができ、簡便にして容易な把持操作が実現される。
【0034】
リール本体10に装着したバッテリ30は、左側板部101に把持空間Kを介して併設されており、バッテリ30は、左側板部101の側面101aに沿って位置する。この時、バッテリ30は、図1のように左側板部101の側面101aを正面に見て側面101aとバッテリ30の接続コネクタ34側(上端側)が重なり、側面101aとバッテリ30の側面が向かい合ってバッテリ30が側面101aの上下方向に横切るようにして左側板部101の左側方の領域に位置している。なお、バッテリ接続部16(給電部)を有する延出部103は、左側板部101の一部を構成するフレーム105と一体的に形成してもよい。なお、バッテリ30はハンドル操作を邪魔しにくいようにハンドル12を有しない左側板部101側に設けたが、ハンドル12を有する右側板部102側に設けることもできる。
【0035】
なお、この発明は、上記第1の実施の形態に限ることなく、その他、例えば図5及び図6に示す第2の実施の形態、図7及び図8に示す第3の実施の形態の如く構成することも可能で、いずれの実施の形態においても上記第1の実施の形態と同様の効果を期待することができる。但し、これら図5乃至図8においては、上記図1乃至図4と同一部分について同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0036】
先ず、図5及び図6に示す第2の実施の形態においては、上記第1の実施の形態と略同様に構成されるバッテリ接続部16aを、上記リール本体10の延出部103に左側板部101より所定の間隔離間された位置に、その接続開口が上記取付脚15の軸に略直交状に交差され、且つ、リール本体10の下向き方向に突設させて配置する。そして、このバッテリ接続部16aには、上記バッテリ30の蓋部312に突設配置した接続コネクタ34が装着されると、バッテリ30が、その一端部が支持され、他方端が自由端となる片持ち梁構造に取付け配置され、左側板部101に併設される。なお、延出部103によってバッテリ接続部16aが左側板部101の最も左側へ突出した部分よりもさらに外方(左側方向)に設けられるため、これによって把持空間Kを広く設けることができる。
【0037】
このバッテリ30をリール本体10のバッテリ接続部16aに取付けた状態においては、リール本体10の左側板部101がリール本体10の重心G1とバッテリ30の重心G2の間に位置され、この左側板部101とバッテリ30のケース本体31との間に釣り人の手100が挿入可能な把持空間Kが形成される。このバッテリ30の重心G2を通る上下方向の軸芯は、側面101aを正面に見てリール本体10の取付脚15の軸に対して直交するように交差される。これにより、釣り人は、手100をリール本体10のバッテリ接続部16aに装着されて片持ち梁構造に支持されたバッテリ30の、例えば自由端側より把持空間に侵入させて、リール本体10の左側板部101を手100で包み込むように該リール本体10を把持することができ、上記第1の実施の形態と同様の効果が期待され、また、魚釣装置を竿掛け等で保持するとバッテリ30が略まっすぐ上下方向を向くため接続コネクタ34の折れ曲がりが防止され破損が防止される。
【0038】
また、図7及び図8に示す第3の実施の形態においては、リール本体10の左側板部101の周縁部101bの前方側下面部に下方に突出する延出部104を設け、この延出部104に同様のバッテリ接続部16bを、その接続開口が、例えば図7のように上記取付脚15の軸に対して交差されるように下向きで、且つ、竿尻方向に傾斜させて突設配置される。そして、このバッテリ接続部16bには、上記バッテリ30の蓋部312に突設配置した接続コネクタ34が装着されると、バッテリ30が、その一端部が支持され、その他端部が自由端となる片持ち梁構造に取付け配置される。
【0039】
このバッテリ30をリール本体10のバッテリ接続部16bに取付けた状態においては、把持空間Kを介してその両側にリール本体10とバッテリ30が位置する。左側板部101の周縁部101bの下面側とバッテリ30のケース本体31との間に釣り人の手100が挿入可能な把持空間Kが形成されるため、安定して魚釣装置を把持できる。このバッテリ30の重心G2を通る上下方向の軸芯は、リール本体10の取付脚15の軸に対して交差される。これにより、バッテリ30は、底部315(自由端)側がリール本体10の左側板部101の周縁部101bから離れるように傾いて取付けられ、把持空間Kにおけるバッテリ30のケース本体31の側面とリール本体10の左側板部101の周縁部101bの下面側との間隔は、バッテリ30の底部315側(自由端側)になるにつれて大きくなっており、釣り人は、手100をリール本体10のバッテリ接続部16bに装着されて片持ち梁構造に支持されたバッテリ30の、例えば自由端側より把持空間に侵入させて、リール本体10の左側板部101を手100で包み込むように該リール本体10を把持することができ、上記第1及び第2の実施の形態と同様の効果が期待される。
【0040】
リール本体10に装着したバッテリ30は,左側板部101の周縁部101bの下面側の把持空間Kを介して併設されており、バッテリ30は、周縁部に沿って位置する。この時、バッテリ30は、左側板部101の周縁部101bの下面側の下方にこれと向かい合って位置する、左側板部101の下方の領域に位置している。したがって、周縁部101bの下面側を正面に見て、周縁部101bの下面側とバッテリ30の接続コネクタ34側(上端側)は重なり、周縁部101bの下面側とバッテリ30の側面が把持空間Kを介して併設されることとなる。このように側板部101は側面101aに加え、その面が右側板部102の方向に変移した周縁部101bを含む。
【0041】
また、上記実施の形態では、給電した電力を用いてリール本体10のスプール駆動用モータを駆動する場合について説明したが、これに限ることなく、その他、リール本体10内に配される給電を必要とする給電部品に対して電力を供給するように構成することが可能である。
【0042】
さらに、上記各実施の形態では、左側板部101に延出する延出部103,104を突設したが、これを設けずに,給電部を直接に左側板部101に設けてもよく、また、リール本体10の右側板部102にハンドル12を配し、左側板部101に把持空間を有してバッテリ30を配するように構成した場合で説明したが、左側板部101にハンドル12を配し右側板部102に把持空間を有してバッテリ30を配したり、ハンドル12を有しないリールにおいては握持するいずれか一方の側板にバッテリ30を配するなど、この配置構成に限ることなく、構成可能である。
【0043】
さらに、バッテリ30をハンドル12を有する右側板部102側に設けることも可能である。
【0044】
例えば、図7、図8の第3の実施の形態で示した左側板部101におけるバッテリ30の装着構造をハンドル12を有する右側板部102側に採用することができる。
【0045】
すなわち、右側板部102の周縁部(左側板部101の周縁部101bに対応する部分)の下面側にバッテリ接続部16bを設けてバッテリ30の給電部側を第3の実施の形態と同様に接続して底部315側が下向きになるように竿尻方向に傾斜させて自由端となるように装着し、右側板部102の周縁部の下面側にバッテリ30を併設することができる。
【0046】
この場合、左側板部101を握持した手100がリール本体10及び釣竿20の下側を通って右側板部102の周縁部の下面側に達するが、右側板部102の周縁部の下面側とバッテリ30の間に把持空間Kが形成されるため、この把持空間に手100を差し込んで右側板部102の周縁部の下面側に手100を添えてリール本体10を握持することができる。
【0047】
しかも、バッテリ30は右側板部102の周縁部の下面側の下方の領域に位置するため右側板部102のハンドル12の回動操作の邪魔にならない。
【0048】
また、この発明は、上記各実施の形態で説明したバッテリ30の配置構成に限ることなく、その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の配置構成が可能である。
【0049】
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0050】
例えば実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る魚釣装置を示した断面図である。
【図2】図1のバッテリをリール本体から分離させた状態を示した一部断面図である。
【図3】図1を竿尻側から見た状態を示した平面図である。
【図4】図1を竿尻側から見た状態を示した一部断面図である。
【図5】この発明の第2の実施の形態に係る魚釣装置を示した一部断面図である。
【図6】図5を竿尻側から見た状態を示した一部断面図である。
【図7】この発明の第3の実施の形態に係る魚釣装置を示した一部断面図である。
【図8】図7を竿尻側から見た状態を示した平面図である。
【符号の説明】
【0052】
10…リール本体、100…手、101…左側板部、102…右側板部、103,104…延出部、11…スプール、12…ハンドル、13…表示部、14…操作部、15…取付脚、16,16a,16b…バッテリ接続部、17…口金部、171…螺子部、172…凸状接続端子、20…釣竿、201…握り部、21…リールシート、30…バッテリ、31…ケース本体、311…収容部、312…蓋部、313…筒状部、314…取付け穴部、32…電池本体、33…制御部、34…接続コネクタ、341…凹状接続端子、35…パッキン部材、36…側壁、37…ナット部材、371…操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール本体の側板部との間に把持空間を持たせて該リール本体に取付け配置され、前記リール本体の給電部に電力を供給するバッテリを備え、
前記バッテリは、前記リール本体に対して一端部が支持されることを特徴とする魚釣装置。
【請求項2】
前記リール本体の側板部は、前記リール本体の重心と前記バッテリの重心との間に設けられることを特徴とする請求項1に記載の魚釣装置。
【請求項3】
前記バッテリは、リール本体の側板部に併設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚釣装置。
【請求項4】
前記バッテリは、前記リール本体に対して着脱自在に装着されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の魚釣装置。
【請求項5】
前記バッテリは、リール本体に支持される一端部に給電部を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の魚釣装置。
【請求項6】
把持空間はバッテリの給電部側よりも底部側の方が広くなっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の魚釣装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−280363(P2006−280363A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−233381(P2005−233381)
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(000002495)ダイワ精工株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】