説明

2次電池型燃料電池

【課題】2次電池型燃料電池において電池出力を向上し、充電時間を短縮する。
【解決手段】本発明に係る2次電池型燃料電池は、化学反応により水素を含む燃料を発生し、前記化学反応の逆反応により再生可能な燃料発生部材1と、酸素を含む酸化剤と燃料発生部材1から供給される燃料との反応により発電を行う発電機能及び燃料発生部材1に供給する水素を生成するための水蒸気の電気分解を行う電気分解機能を有する発電・電気分解部(例えば、燃料電池部2)と、両者を連通する第1,2のガス流通経路5及び6と、第1のガス流通経路5に設けられ、水素を透過し、水蒸気の透過を妨げ、燃料発生部材1から前記発電・電気分解部に向かう方向とその逆方向の双方向に水素の透過量を制御可能な水素透過部7とを備える。第2のガス流通経路6によって燃料発生部材1と前記発電・電気分解部との間で水蒸気の移動が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電動作だけでなく充電動作も行える2次電池型燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、典型的には、固体ポリマーイオン交換膜を用いた固体高分子電解質膜、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いた固体酸化物電解質膜等を、燃料極(アノード)と酸化剤極(カソード)とで両側から挟み込んだものを1つのセル構成としている。そして、燃料極に燃料ガス(例えば水素ガス)を供給する燃料ガス流路と、酸化剤極に酸化剤ガス(例えば酸素や空気)を供給する酸化剤ガス流路とが設けられ、これらの流路を介して燃料ガス、酸化剤ガスがそれぞれ燃料極、酸化剤極に供給されることにより発電が行われる。
【0003】
この燃料電池は、水素と酸素から水を生成した際に電力を取り出すものであり、原理的に取り出せる電力エネルギーの効率が高いため、省エネルギーになるだけでなく、発電時の排出物が水のみであるため、環境に優れた発電方式であり、地球規模でのエネルギーや環境問題解決の切り札として期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2011/030625号
【特許文献2】特開2009−99491号公報
【特許文献3】特開2011−29149号公報
【特許文献4】特開2011−23226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、燃料電池部と、化学反応により還元性物質である燃料を発生し、前記化学反応の逆反応により再生可能な燃料発生部材とを備える2次電池型燃料電池が開示されている。特許文献1で開示されている2次電池型燃料電池では、燃料電池部の燃料極と燃料発生部材とを封じた空間が閉空間になっており、その閉空間内に燃料ガスが存在する。
【0006】
特許文献1で開示されている2次電池型燃料電池において、例えば、燃料電池部として固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)を用い、燃料発生部材として鉄を用いた場合、発電時の燃料電池部では下記の(1)式の反応が起こる。燃料電池部として用いられているSOFCは、燃料極で水素を消費し、酸化剤極で酸素を消費して発電を行う。そして、燃料極側で生成された水蒸気は燃料発生部材に供給される。
+1/2O→HO …(1)
【0007】
また、発電時の燃料発生部材では下記の(2)式の反応が起こる。燃料発生部材として用いられている鉄は、燃料電池部から供給された水蒸気を消費して水素を生成し、その生成した水素を燃料電池部へと供給する。
3Fe+4HO→Fe+4H …(2)
【0008】
しかしながら、上記の(1)式および(2)式の各反応はいずれも化学反応であるため、化学平衡状態が存在し、生成ガスと反応ガスが混在した混合ガスが燃料電池部の燃料極と燃料発生部材とを封じた閉空間内に残存する。すなわち、例えば上記の(1)式であれば、1molの水素と0.5molの酸素のみを燃料電池部に供給して発電させたとしても、その全てが反応して1molの水蒸気が生成するまで反応は継続しないため、燃料極側には水素と水蒸気が混在した混合ガスが残存する。そして、その混合ガスが燃料発生部材へと供給されて上記の(2)式の反応が起こるが、化学平衡論より、鉄の酸化反応(上記の(2)式の右側に向かう反応)の速度は水蒸気濃度が高いほど速く、酸化鉄の還元反応(上記の(2)式の左側に向かう反応)の速度は水素濃度が高いほど速い。すなわち、燃料発生部材に純粋な水蒸気を供給するほど、上記の(2)式の反応速度は速くなるが、前述した通り、上記の(1)式の化学平衡によって水素と水蒸気の混合ガスが燃料電池部から燃料発生部材へと供給されるため、上記の(2)式の反応速度が低下する。一方、燃料発生部材において鉄の酸化反応が起こっても、上記の(2)式の化学平衡によって、水素と水蒸気の混合ガスが燃料発生部材から燃料電池部へと供給されるため、同様に上記の(1)式の反応速度も低下する。
【0009】
以上、燃料電池部としてSOFCを用い、燃料発生部材として鉄を用いた2次電池型燃料電池の発電時に起こる現象について説明したが、充電時においても、上記の(1)式および(2)式の反応方向が逆転するだけであり、同様に水素と水蒸気が混在した混合ガスが燃料電池部や燃料発生部材に供給される。したがって、充電時には、水蒸気の電気分解反応(上記の(1)式の左側に向かう反応)の速度や酸化鉄の還元反応(上記の(2)式の左側に向かう反応)の速度が低下する。
【0010】
上記のように燃料電池部および燃料発生部材それぞれにおいて起こる各化学反応の反応速度が低下することで、発電時には電池出力の低下、また、充電時には充電時間の長時間化を招いてしまう。
【0011】
なお、高濃度な燃料ガスを燃料電池に供給する方法として、例えば特許文献2及び特許文献3においては、水素分離膜を設けて、混合ガスから水素のみを分離して燃料電池に供給している。しかしながら、特許文献2及び特許文献3に記載の水素分離膜は圧力差などによって受動的に水素を透過するため、燃料電池に供給する水素の流量を制御できず、燃料電池に接続されている負荷の変動等に対応して燃料電池に供給する水素の量を調節することができない。また、特許文献2及び特許文献3に記載のシステム構成では、特許文献1で開示されている2次電池型燃料電池とは異なり、燃料極側に水素しか流せないため、燃料電池部の燃料極側に水蒸気を供給する必要がある充電動作を行うことができない。すなわち、特許文献2及び特許文献3に記載のシステム構成では、2次電池型燃料電池を実現することができない。
【0012】
また、特許文献4においては、燃料電池の燃料極から排出されるガスから水素を電気化学的水素ポンプによって分離して再度燃料電池の燃料極へと供給することで、水素の利用率を向上させている。しかしながら、特許文献4に記載のシステム構成は、特許文献2及び特許文献3に記載のシステム構成と同様に、2次電池としての使用が考慮されていない。
【0013】
本発明は、上記の状況に鑑み、電池出力の向上および充電時間の短縮を図ることができる2次電池型燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明に係る2次電池型燃料電池は、化学反応により水素を含む燃料を発生し、前記化学反応の逆反応により再生可能な燃料発生部材と、酸素を含む酸化剤と前記燃料発生部材から供給される燃料との反応により発電を行う発電機能及び前記燃料発生部材に供給する水素を生成するための水蒸気の電気分解を行う電気分解機能を有する発電・電気分解部と、前記燃料発生部材と前記発電・電気分解部とを連通する第1のガス流通経路及び第2のガス流通経路と、前記第1のガス流通経路に設けられ、水素を透過し、水蒸気の透過を妨げ、前記燃料発生部材から前記発電・電気分解部に向かう方向とその逆方向の双方向に水素の透過量を制御可能な水素透過部とを備え、前記第2のガス流通経路によって前記燃料発生部材と前記発電・電気分解部との間で水蒸気の移動が可能である構成(第1の構成)とする。
【0015】
このような構成によると、発電時は前記水素透過部が前記燃料発生部材から前記水素透過部へと供給される水素と水蒸気の混合ガスから水素を分離して前記発電・電気分解部へと供給することで、前記発電・電気分解部に高濃度の水素が供給されて上記の(1)式の反応速度が速くなるとともに、前記発電・電気分解部から前記第2のガス流通経路を経由して前記燃料発生部材へと供給される水蒸気も高濃度になるため上記の(2)式の反応速度も速くなる。また逆に、充電時は前記水素透過部が前記発電・電気分解部から前記水素透過部へと供給される水素と水蒸気の混合ガスから水素を分離して前記燃料発生部材へと供給することで、前記燃料発生部材に高濃度の水素が供給されて上記の(2)式の逆反応の反応速度が速くなるとともに、前記燃料発生部材から前記第2のガス流通経路を経由して前記発電・電気分解部へと供給される水蒸気も高濃度になるため上記の(1)式の逆反応の反応速度も速くなる。その結果、発電時には電池出力の向上が可能となり、充電時には充電時間の短縮が可能となる。なお、前記第1のガス流通経路は複数に分割して配置してもよく、前記第2のガス流通経路も前記第1のガス流通経路と同様に複数に分割して配置してもよく、前記第1のガス流通経路と前記第2のガス流通経路とが一部の流路を共有していても構わない(図10参照)。また、前記第1のガス流通経路と前記第2のガス流通経路とはパイブ壁等の部材によって区分けされていなくても構わない(図19参照)。
【0016】
また、前記水素透過部には、水素透過部材としてプロトン導電性の電解質を備えた水素透過膜が設けられており、前記電解質を挟持する電極に電圧を印加することで水素の透過量を制御する構成(第2の構成)にしてもよい。
【0017】
また、発電時に電池出力をより一層向上させ、充電時に充電時間をより一層短縮させるために、前記第1のガス流通経路と前記第2のガス流通経路とを繋ぐバイパス経路と、前記バイパス経路に設けられ、前記第2のガス流通経路から前記第1のガス流通経路に向かう方向に水素を透過し、水蒸気の透過を妨げるバイパス経路用水素透過部とを備える構成(第3の構成)にしてもよい。
【0018】
また、前記バイパス経路用水素透過部には、水素透過部材としてプロトン導電性の電解質を備えた水素透過膜が設けられており、前記電解質を挟持する電極に電圧を印加することで水素の透過量を制御する構成(第4の構成)にしてもよい。
【0019】
また、発電の際に燃料極側で水を発生させるために、上記第1〜4のいずれかの構成の2次電池型燃料電池において、前記発電・電気分解部を固体酸化物燃料電池にすることが望ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る2次電池型燃料電池によると、電池出力の向上および充電時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る2次電池型燃料電池の概略構成を示す図である。
【図2】水素透過膜の概略構成を示す図である。
【図3A】本発明の第1実施形態に係る2次電池型燃料電池の発電時における水素透過膜への電圧印加状態を示す図である。
【図3B】本発明の第1実施形態に係る2次電池型燃料電池の充電時における水素透過膜への電圧印加状態を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る2次電池型燃料電池の概略構成を示す図である。
【図5A】本発明の第2実施形態に係る2次電池型燃料電池の発電時における水素透過膜への電圧印加状態を示す図である。
【図5B】本発明の第2実施形態に係る2次電池型燃料電池の充電時における水素透過膜への電圧印加状態を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る2次電池型燃料電池の変形例を示す図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る2次電池型燃料電池の概略構成を示す図である。
【図8A】本発明の第3実施形態に係る2次電池型燃料電池の発電時における水素透過膜への電圧印加状態を示す図である。
【図8B】本発明の第3実施形態に係る2次電池型燃料電池の充電時における水素透過膜への電圧印加状態を示す図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る2次電池型燃料電池の変形例を示す図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る2次電池型燃料電池の他の変形例を示す図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係る2次電池型燃料電池の概略構成を示す図である。
【図12A】本発明の第4実施形態に係る2次電池型燃料電池の発電時におけるガスの状態を示す図である。
【図12B】本発明の第4実施形態に係る2次電池型燃料電池の充電時におけるガスの状態を示す図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係る2次電池型燃料電池の要部分解斜視図である。
【図14】本発明の第5実施形態に係る2次電池型燃料電池の上面図である。
【図15】本発明の第5実施形態に係る2次電池型燃料電池の側面断面図である。
【図16】本発明の第5実施形態に係る2次電池型燃料電池の変形例の上面図である。
【図17】本発明の第5実施形態に係る2次電池型燃料電池の変形例の側面断面図である。
【図18】本発明の第5実施形態に係る2次電池型燃料電池の他の変形例の側面断面図である。
【図19】本発明の第6実施形態に係る2次電池型燃料電池の要部斜視図である。
【図20】本発明の第6実施形態に係る2次電池型燃料電池の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。なお、本発明は、後述する実施形態に限られない。
【0023】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る2次電池型燃料電池の概略構成を図1に示す。本発明の第1実施形態に係る2次電池型燃料電池は、化学反応により水素を含む燃料を発生し、前記化学反応の逆反応により再生可能な燃料発生部材1と、酸素を含む酸化剤と燃料発生部材1から供給される燃料との反応により発電を行う燃料電池部2と、燃料発生部材1を収容する容器3と、燃料電池部2を収容する容器4と、燃料発生部材1と燃料電池部2とを連通する第1のガス流通経路5及び第2のガス流通経路6と、第1のガス流通経路5に設けられ、水素を透過し、水蒸気の透過を妨げ、燃料発生部材1から燃料電池部2に向かう方向とその逆方向の双方向に水素の透過量を制御可能な水素透過部7とを備えている。第2のガス流通経路6は、燃料発生部材1と燃料電池部2との間で水蒸気の移動を可能にしている。
【0024】
なお、容器3の内部空間は、第1のガス流通経路5の一部及び第2のガス流通経路6の一部として機能する。同様に、容器4の容器内壁と燃料電池部2の燃料極9とで囲まれる内部空間も、第1のガス流通経路5の一部及び第2のガス流通経路6の一部として機能する。
【0025】
第1のガス流通経路5や第2のガス流通経路6には必要に応じて、ブロアやポンプ等の循環器を設けてもよい。また、燃料発生部材1の周辺や燃料電池部2の周辺には必要に応じて、温度を調節するヒーター等を設けてもよい。
【0026】
燃料発生部材1としては、例えば、金属を母材として、その表面に金属または金属酸化物が添加されており、化学反応によって燃料を発生するものを用いることができる。母材の金属としては例えば、Ni、Fe、Pd、V、Mgやこれらを基材とする合金が挙げられ、特にFeは安価で、加工も容易なので好ましい。また、添加される金属としては、Al、Rd、Pd、Cr、Ni、Cu、Co、V、Moが挙げられ、添加される金属酸化物としてはSiO、TiOが挙げられる。ただし、母材となる金属と、添加される金属は同一の材料ではない。なお、本実施形態においては、燃料発生部材1として、Feを主体とする水素発生部材を用いる。
【0027】
また、燃料発生部材1においては、その反応性を上げるために単位体積当りの表面積を大きくすることが望ましい。燃料発生部材1の単位体積当りの表面積を増加させる方策としては、例えば、燃料発生部材1の主体を微粒子化し、その微粒子化したものを成型すればよい。微粒子化の方法は例えばボールミル等を用いた粉砕によって粒子を砕く方法が挙げられる。さらに、機械的な手法などにより微粒子にクラックを発生させることで微粒子の表面積をより一層増加させてもよく、酸処理、アルカリ処理、ブラスト加工などによって微粒子の表面を荒らして微粒子の表面積をより一層増加させてもよい。また、燃料発生部材1としては、微粒子をガスが通過する程度の空隙を残して固めたものであってもよいし、ペレット状の粒に形成してこの粒を多数空間内に埋める形態であっても構わない。
【0028】
燃料電池部2は、図1に示す通り、電解質膜8の両面に燃料極9と酸化剤極である空気極10を接合したMEA構造(膜・電極接合体:Membrane Electrode Assembly)である。なお、図1では、MEAを1つだけ設けた構造を図示しているが、MEAを複数設けたり、さらに複数のMEAを積層構造にしたりしてもよい。
【0029】
電解質膜8の材料としては、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いた固体酸化物電解質を用いることができ、また例えば、ナフィオン(デュポン社の商標)、カチオン導電性ポリマー、アニオン導電性ポリマー等の固体高分子電解質を用いることができるが、これらに限定されることなく、水素イオンを通すものや酸素イオンを通すもの、また、水酸化物イオンを通すもの等、燃料電池の電解質としての特性を満たすものであればよい。なお、本実施形態においては、電解質膜8として、酸素イオン又は水酸化物イオンを通す電解質、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いた固体酸化物電解質を用い、発電時に燃料極9側に水を発生させるようにしている。この場合、発電時に燃料極9側に発生した水を用いた化学反応によって燃料発生部材1から水素を発生させることができる。
【0030】
電解質膜8は、固体酸化物電解質の場合であれば、電気化学蒸着法(CVD−EVD法;Chemical Vapor Deposition -Electrochemical Vapor Deposition)等を用いて形成することができ、固体高分子電解質の場合であれば、塗布法等を用いて形成することができる。
【0031】
燃料極9、空気極10はそれぞれ、例えば、電解質膜8に接する触媒層と、その触媒層に積層された拡散電極とからなる構成にすることができる。触媒層としては、例えば白金黒或いは白金合金をカーボンブラックに担持させたもの等を用いることができる。また、燃料極9の拡散電極の材料としては、例えばカーボンペーパ、Ni−Fe系サーメットやNi−YSZ系サーメット等を用いることができる。また、空気極10の拡散電極の材料としては、例えばカーボンペーパ、La−Mn−O系化合物やLa−Co−Ce系化合物等を用いることができる。
【0032】
燃料極9、空気極10はそれぞれ、例えば蒸着法等を用いて形成することができる。
【0033】
水素透過部7としては、例えば、プロトン導電性の電解質を2つの電極で挟み込んだ水素透過膜を用いることができ、図2に示すように、2つの電極71及び73間に電圧を印加することによって、水素分子は陽極である電極73側でプロトンとなって電解質72内を陰極である電極71側へと移動し、陰極である電極71側で再び水素分子となる。プロトン導電性の電解質には、例えばナフィオン(デュポン社の商標)等の固体高分子電解質を用いることもできるが、強度や耐熱性等の観点からSrCeO等のCeやZrを基材としたセラミクス系の固体電解質を用いることが好ましい。
【0034】
上記の水素透過膜は、2つの電極間に印加する電圧の大きさや向きによって水素の透過量や透過方向を制御することが可能である。したがって、水素透過部7として上記の水素透過膜を用いた場合、例えば図3A及び図3Bに示すように本発明の第1実施形態に係る2次電池型燃料電池にスイッチ11及び出力電圧値の調整が可能な電圧源12を設け、スイッチ11の切り替えによって水素の透過方向を制御し、電圧源12の出力電圧値調整によって水素の透過量を制御するとよい。
【0035】
例えば発電時は水素透過膜の2つの電極間に図3Aに示す向きに電圧を印加することによって、水素透過部7が燃料発生部材1から水素透過部7へと供給される水素と水蒸気の混合ガスから水素を分離して燃料電池部2へと供給するので、燃料電池部2に高濃度の水素が供給されて上記の(1)式の反応速度が速くなるとともに、燃料電池部2から第2のガス流通経路6を経由して燃料発生部材1へと供給される水蒸気も高濃度になるため上記の(2)式の反応速度も速くなる。また逆に、例えば充電時は水素透過膜の2つの電極間に図3Bに示す向きに電圧を印加することによって、水素透過部7が燃料電池部2から水素透過部7へと供給される水素と水蒸気の混合ガスから水素を分離して燃料発生部材1へと供給するので、燃料発生部材1に高濃度の水素が供給されて上記の(2)式の逆反応の反応速度が速くなるとともに、燃料発生部材1から第2のガス流通経路6を経由して燃料電池部2へと供給される水蒸気も高濃度になるため上記の(1)式の逆反応の反応速度も速くなる。その結果、発電時には電池出力の向上が可能となり、充電時には充電時間の短縮が可能となる。
【0036】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る2次電池型燃料電池の概略構成を図4に示す。なお、図4において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。本発明の第2実施形態に係る2次電池型燃料電池は、本発明の第1実施形態に係る2次電池型燃料電池に対して、第1のガス流通経路5の形状及び水素透過部7の構成が異なっている。
【0037】
図4に示す通り、本発明の第2実施形態に係る2次電池型燃料電池においては、第1のガス流通経路5内に2つに分かれた分岐流路を設け、一方の分岐流路に第1の水素透過部材7Aを設け、他方の分岐流路に第2の水素透過部材7Bを設け、水素透過部7を第1の水素透過部材7Aと第2の水素透過部材7Bとで構成している。そして、水素透過部材7Aが水素を透過する方向を、燃料発生部材1から燃料電池部2へと向かう方向のみとし、水素透過部材7Bが水素を透過する方向を、燃料電池部2から燃料発生部材1へと向かう方向のみとしている。
【0038】
例えば、第1の水素透過部材7Aと第2の水素透過部材7Bそれぞれに、プロトン導電性の電解質を2つの電極で挟み込んだ水素透過膜を用いた場合、各々の水素透過部材に印加する電圧の方向は1方向だけとなるため、本発明の第2実施形態に係る2次電池型燃料電池に比べて、電圧の制御や電圧印加手段を簡単・簡素化することができる。
【0039】
第1の水素透過部材7Aと第2の水素透過部材7Bそれぞれに上記の水素透過膜を用いた場合、例えば図5A及び図5Bに示すように本発明の第2実施形態に係る2次電池型燃料電池に第1のスイッチ11A、第2のスイッチ11B、出力電圧値の調整が可能な第1の電圧源12A、及び出力電圧値の調整が可能な第2の電圧源12Bを設け、第1のスイッチ11AのON/OFFによって第1の水素透過部材7Aの水素透過動作のON/OFFを切り替え、第1の電圧源12Aの出力電圧値調整によって第1の水素透過部材7Aの水素の透過量を制御し、第2のスイッチ11BのON/OFFによって第2の水素透過部材7Bの水素透過動作のON/OFFを切り替え、第2の電圧源12Bの出力電圧値調整によって第2の水素透過部材7Bの水素の透過量を制御するとよい。
【0040】
例えば発電時は図5Aに示すように第1のスイッチ11AをONにし、第2のスイッチ11BをOFFにすることによって、第1の水素透過部材7Aの水素透過動作がONになり、第2の水素透過部材7Bの水素透過動作がOFFになって、水素透過部7が燃料発生部材1から水素透過部7へと供給される水素と水蒸気の混合ガスから水素を分離して燃料電池部2へと供給するので、燃料電池部2に高濃度の水素が供給されて上記の(1)式の反応速度が速くなるとともに、燃料電池部2から第2のガス流通経路6を経由して燃料発生部材1へと供給される水蒸気も高濃度になるため上記の(2)式の反応速度も速くなる。また逆に、例えば充電時は図5Bに示すように第1のスイッチ11AをOFFにし、第2のスイッチ11BをONにすることによって、第1の水素透過部材7Aの水素透過動作がOFFになり、第2の水素透過部材7Bの水素透過動作がONになって、水素透過部7が燃料電池部2から水素透過部7へと供給される水素と水蒸気の混合ガスから水素を分離して燃料発生部材1へと供給するので、燃料発生部材1に高濃度の水素が供給されて上記の(2)式の逆反応の反応速度が速くなるとともに、燃料発生部材1から第2のガス流通経路6を経由して燃料電池部2へと供給される水蒸気も高濃度になるため上記の(1)式の逆反応の反応速度も速くなる。その結果、発電時には電池出力の向上が可能となり、充電時には充電時間の短縮が可能となる。
【0041】
また、図6に示すように、第1の水素透過部材7Aに隣接して一方の分岐流路に第1のバルブ13Aを設け、第2の水素透過部材7Bに隣接して他方の分岐流路に第2のバルブ13Bを設け、発電時は第1のバルブ13Aを開けて第2のバルブ13Bを閉じ、充電時は第1のバルブ13Aを閉じて第2のバルブ13Bを開けることで、第1のガス流通経路5及び第2のガス流通経路6におけるガスの流れ方向をより確実に規定することができる。
【0042】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る2次電池型燃料電池の概略構成を図7に示す。なお、図7において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。本発明の第3実施形態に係る2次電池型燃料電池は、本発明の第1実施形態に係る2次電池型燃料電池に対して、第1のガス流通経路5の形状及び水素透過部7の構成が異なっており、尚かつ、第3のバルブ14A及び第4のバルブ14Bが追加されている。
【0043】
図7に示す通り、本発明の第3実施形態に係る2次電池型燃料電池においては、第1のガス流通経路5内に2つに分かれた分岐流路を2組設け、1組目の分岐流路において一方の分岐流路に第1の水素透過部材7Aを設け、他方の分岐流路に第3のバルブ14Aを設け、2組目の分岐流路において一方の分岐流路に第4のバルブ14Bを設け、他方の分岐流路に第2の水素透過部材7Bを設け、水素透過部7を第1の水素透過部材7Aと第2の水素透過部材7Bとで構成している。そして、水素透過部材7Aが水素を透過する方向を、燃料発生部材1から燃料電池部2へと向かう方向のみとし、水素透過部材7Bが水素を透過する方向を、燃料電池部2から燃料発生部材1へと向かう方向のみとしている。
【0044】
例えば、第1の水素透過部材7Aと第2の水素透過部材7Bそれぞれに、プロトン導電性の電解質を2つの電極で挟み込んだ水素透過膜を用いた場合、各々の水素透過部材に印加する電圧の方向は1方向だけとなるため、本発明の第2実施形態に係る2次電池型燃料電池に比べて、電圧の制御や電圧印加手段を簡単・簡素化することができる。
【0045】
第1の水素透過部材7Aと第2の水素透過部材7Bそれぞれに上記の水素透過膜を用いた場合、例えば本発明の第2実施形態に係る2次電池型燃料電池と同様に図8A及び図8Bに示すように本発明の第3実施形態に係る2次電池型燃料電池に第1のスイッチ11A、第2のスイッチ11B、出力電圧値の調整が可能な第1の電圧源12A、及び出力電圧値の調整が可能な第2の電圧源12Bを設け、第1のスイッチ11AのON/OFFによって第1の水素透過部材7Aの水素透過動作のON/OFFを切り替え、第1の電圧源12Aの出力電圧値調整によって第1の水素透過部材7Aの水素の透過量を制御し、第2のスイッチ11BのON/OFFによって第2の水素透過部材7Bの水素透過動作のON/OFFを切り替え、第2の電圧源12Bの出力電圧値調整によって第2の水素透過部材7Bの水素の透過量を制御するとよい。
【0046】
例えば発電時は図8Aに示すように第1のスイッチ11AをONにし、第2のスイッチ11BをOFFにすることによって、第1の水素透過部材7Aの水素透過動作がONになり、第2の水素透過部材7Bの水素透過動作がOFFになり、さらに、第3のバルブ14Aを閉じて第4のバルブ14Bを開けることで、水素透過部7が燃料発生部材1から水素透過部7へと供給される水素と水蒸気の混合ガスから水素を分離して燃料電池部2へと供給するので、燃料電池部2に高濃度の水素が供給されて上記の(1)式の反応速度が速くなるとともに、燃料電池部2から第2のガス流通経路6を経由して燃料発生部材1へと供給される水蒸気も高濃度になるため上記の(2)式の反応速度も速くなる。また逆に、例えば充電時は図8Bに示すように第1のスイッチ11AをOFFにし、第2のスイッチ11BをONにすることによって、第1の水素透過部材7Aの水素透過動作がOFFになり、第2の水素透過部材7Bの水素透過動作がONになり、さらに、第3のバルブ14Aを開けて第4のバルブ14Bを閉じることで、水素透過部7が燃料電池部2から水素透過部7へと供給される水素と水蒸気の混合ガスから水素を分離して燃料発生部材1へと供給するので、燃料発生部材1に高濃度の水素が供給されて上記の(2)式の逆反応の反応速度が速くなるとともに、燃料発生部材1から第2のガス流通経路6を経由して燃料電池部2へと供給される水蒸気も高濃度になるため上記の(1)式の逆反応の反応速度も速くなる。その結果、発電時には電池出力の向上が可能となり、充電時には充電時間の短縮が可能となる。
【0047】
また、本発明の第2実施形態に係る2次電池型燃料電池と同様に図9に示すように、1組目の分岐流路において第1の水素透過部材7Aに隣接して一方の分岐流路に第1のバルブ13Aを設け、2組目の分岐流路において第2の水素透過部材7Bに隣接して他方の分岐流路に第2のバルブ13Bを設け、発電時は第1のバルブ13Aを開けて第2のバルブ13Bを閉じ、充電時は第1のバルブ13Aを閉じて第2のバルブ13Bを開けることで、第1のガス流通経路5及び第2のガス流通経路6におけるガスの流れ方向をより確実に規定することができる。
【0048】
また、図7に示す構成では、2つに分かれた分岐流路を2組とも第1のガス流通経路5内に設けたが、例えば、図10に示す構成のように、第1のガス流通経路5内に2つに分かれた分岐流路を1組のみ設け、もう1組の2つに分かれた分岐流路を第2のガス流通経路6内に設ける等、複数組の分岐流路を分散させて配置してもよい。
【0049】
また、図7に示す構成では、2つに分かれた分岐流路を設けたが、双方向への水素透過量の制御が可能であれば3つ以上に分かれた分岐経路をもうけてもよい。
【0050】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係る2次電池型燃料電池の概略構成を図11に示す。なお、図11において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。本発明の第4実施形態に係る2次電池型燃料電池は、本発明の第1実施形態に係る2次電池型燃料電池に対して、第1のガス流通経路5と第2のガス流通経路6とを繋ぐバイパス経路15と、バイパス経路15に設けられるバイパス経路用水素透過部16とが追加されている。バイパス経路用水素透過部16は、前記第2のガス流通経路から前記第1のガス流通経路に向かう方向に水素を透過し、水蒸気の透過を妨げる。なお、バイパス経路用水素透過部16は、水蒸気の透過量が制御可能であることが望ましい。バイパス経路用水素透過部16は、例えば、プロトン導電性の電解質を2つの電極で挟み込んだ水素透過膜を用いることができる。
【0051】
水素透過部7の具体的な制御例は、本発明の第1実施形態に係る2次電池型燃料電池と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0052】
発電時には、図12Aに示すように、水素透過部7が燃料発生部材1から水素透過部7へと供給される水素と水蒸気の混合ガスから水素を分離して燃料電池部2へと供給する。さらに、バイパス経路用水素透過部16が燃料電池部2からバイパス経路15へと供給される水素と水蒸気の混合ガスから水素を分離して燃料電池部2へ戻す。このため、本発明の第1実施形態に係る2次電池型燃料電池に比べて、より高濃度の水素が燃料電池部2に供給される。
【0053】
また逆に、充電時には、図12Bに示すように、水素透過部7が燃料電池部2から水素透過部7へと供給される水素と水蒸気の混合ガスから水素を分離して燃料発生部材1へと供給する。さらに、バイパス経路用水素透過部16が燃料電池部2からバイパス経路15へと供給される水素と水蒸気の混合ガスから水素を分離して水素透過部7へと供給する。このため、本発明の第1実施形態に係る2次電池型燃料電池に比べて、より高濃度の水素が燃料発生部材1に供給される。
【0054】
その結果、本発明の第4実施形態に係る2次電池型燃料電池は、本発明の第1実施形態に係る2次電池型燃料電池に比べて、発電時には電池出力がより一層向上し、充電時には充電時間がより一層短縮する。
【0055】
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態に係る2次電池型燃料電池について図13〜図15を参照して説明する。図13は本発明の第5実施形態に係る2次電池型燃料電池の要部分解斜視図であり、図14は本発明の第5実施形態に係る2次電池型燃料電池の上面図であり、図15は本発明の第5実施形態に係る2次電池型燃料電池の側断面図である。なお、図13〜図15において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0056】
本発明の第5実施形態に係る2次電池型燃料電池は、本発明の第1〜4実施形態に係る2次電池型燃料電池と異なり、燃料発生部材1と燃料電池部2を一つの容器17(図13においては不図示)に収容している。
【0057】
本発明の第5実施形態に係る2次電池型燃料電池では、本発明の第1〜4実施形態に係る2次電池型燃料電池における第1のガス流通経路5に相当する経路及び第2のガス流通経路6に相当する経路を形成するために、燃料電池部2が嵌め込まれた第1の金属枠18や水素透過部7が嵌め込まれた第2の金属枠19で容器17内の空間を仕切っている。なお、必要に応じて燃料電池部2と第1の金属枠18を絶縁するための絶縁部材や水素透過部7と第2の金属枠19を絶縁するための絶縁部材を設けてもよい。
【0058】
本発明の第5実施形態に係る2次電池型燃料電池では、第1の金属枠18、第2の金属枠19、及び燃料発生部材1を固定用支柱20によって固定しており、図15において紙面左、紙面右、紙面手前、紙面奥のいずれにも第2のガス流通経路6に相当する経路が形成されているが、例えば図16及び図17に示すように第1の金属枠18、第2の金属枠19、及び燃料発生部材1を固定板21によって固定して、図17において紙面手前及び紙面奥にのみ第2のガス流通経路6に相当する経路が形成されるようにしてもよい。また、図18に示すようにガスを透過する多孔質体22を設置し、多孔質体22によって第1の金属枠18、第2の金属枠19、及び燃料発生部材1を固定してもよい。
【0059】
<第6実施形態>
本発明の第6実施形態に係る2次電池型燃料電池について図19及び図20を参照して説明する。図19は本発明の第6実施形態に係る2次電池型燃料電池の要部斜視図であり、図20は本発明の第6実施形態に係る2次電池型燃料電池の側面断面図である。なお、図19及び図20において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0060】
本発明の第6実施形態に係る2次電池型燃料電池は、本発明の第1〜4実施形態に係る2次電池型燃料電池と異なり、燃料発生部材1と燃料電池部2を一つの容器13(図19においては不図示)に収容している。また、本発明の第6実施形態に係る2次電池型燃料電池では、燃料発生部材1が円柱状であり、水素透過部7、多孔質体24、及び燃料電池部2がそれぞれ円筒状であり、燃料発生部材1、水素透過部7、多孔質体24、及び燃料電池部2の各中心軸が重なっている。なお、燃料発生部材1を水素透過部7、多孔質体24、及び燃料電池部2と同様に円筒状にしてもよい。
【0061】
本発明の第6実施形態に係る2次電池型燃料電池では、燃料発生部材1、水素透過部7、及び燃料電池部2を多孔質体24によって固定しているが、本発明の第5実施形態に係る2次電池型燃料電池やその変形例と同様に、固定用支柱や固定板等によって固定してもよい。
【0062】
<変形例>
上述した各実施形態においては、燃料電池2の電解質膜8として固体酸化物電解質を用いて、発電の際に燃料極9側で水を発生させるようにする。この構成によれば、燃料発生部材1が設けられた側で水を発生するため、装置の簡素化や小型化に有利である。一方、特開2009−99491号公報に開示された燃料電池のように、燃料電池部2の電解質膜8として水素イオンを通す固体高分子電解質を用いることも可能である。但し、この場合には、発電の際に燃料電池部2の酸化剤極である空気極10側で水が発生されることになるため、この水を燃料発生部に伝搬する流路を設ければよい。
【0063】
また、上述した実施形態では、1つの燃料電池部2が発電も水の電気分解も行っているが、燃料電池(例えば発電専用の固体酸化物燃料電池)と水の電気分解器(例えば水の電気分解専用の固体酸化物燃料電池)が燃料発生部材1に対してガス流路上並列に接続される構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 燃料発生部材
2 燃料電池部
3、4 容器
5 第1のガス流通経路
6 第2のガス流通経路
7 水素透過部
7A 第1の水素透過部材
7B 第2の水素透過部材
8 電解質膜
9 燃料極
10 空気極
11 スイッチ
11A 第1のスイッチ
11B 第2のスイッチ
12 電圧源
12A 第1の電圧源
12B 第2の電圧源
13A 第1のバルブ
13B 第2のバルブ
14A 第3のバルブ
14B 第3のバルブ
15 バイパス経路
16 バイパス経路用水素透過部
17 容器
18 第1の金属枠
19 第2の金属枠
20 固定用支柱
21 固定板
22 多孔質体
23 容器
24 多孔質体
71、73 電極
72 プロトン導電性の電解質

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学反応により水素を含む燃料を発生し、前記化学反応の逆反応により再生可能な燃料発生部材と、
酸素を含む酸化剤と前記燃料発生部材から供給される燃料との反応により発電を行う発電機能及び前記燃料発生部材に供給する水素を生成するための水蒸気の電気分解を行う電気分解機能を有する発電・電気分解部と、
前記燃料発生部材と前記発電・電気分解部とを連通する第1のガス流通経路及び第2のガス流通経路と、
前記第1のガス流通経路に設けられ、水素を透過し、水蒸気の透過を妨げ、前記燃料発生部材から前記発電・電気分解部に向かう方向とその逆方向の双方向に水素の透過量を制御可能な水素透過部とを備え、
前記第2のガス流通経路によって前記燃料発生部材と前記発電・電気分解部との間で水蒸気の移動が可能であることを特徴とする2次電池型燃料電池。
【請求項2】
前記水素透過部には、水素透過部材としてプロトン導電性の電解質を備えた水素透過膜が設けられており、前記電解質を挟持する電極に電圧を印加することで水素の透過量を制御する請求項1に記載の2次電池型燃料電池。
【請求項3】
第1のガス流通経路と第2のガス流通経路とを繋ぐバイパス経路と、
前記バイパス経路に設けられ、前記第2のガス流通経路から前記第1のガス流通経路に向かう方向に水素を透過し、水蒸気の透過を妨げるバイパス経路用水素透過部とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の2次電池型燃料電池。
【請求項4】
前記バイパス経路用水素透過部には、水素透過部材としてプロトン導電性の電解質を備えた水素透過膜が設けられており、前記電解質を挟持する電極に電圧を印加することで水素の透過量を制御する請求項3に記載の2次電池型燃料電池。
【請求項5】
前記発電・電気分解部が固体酸化物燃料電池であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の2次電池型燃料電池。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2013−54868(P2013−54868A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191109(P2011−191109)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】