説明

3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体の製造方法

【課題】3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体、特に3’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシグアノシンを工業的に低コストで製造することができる方法を提供する。
【解決手段】3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体をサルファーテトラフルオリド(SF4)と反応させることにより、高い位置選択性で2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体に変換し、引き続いて(1)2'位ハロゲン原子を脱ハロゲン化する工程、(2)5'位水酸基の保護基を脱保護する工程、および、必要に応じて(3)核酸塩基またはその誘導体の保護、脱保護または修飾の内、少なくとも何れか一つを行う工程を順不同に行うことにより、3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体は、その抗腫瘍活性やヒト免疫不全ウイルス(HIV)等に対する強い抗ウイルス活性から注目を浴びている(例えば、3'−フルオロ−2',3'−ジデオキシアデノシンについては特許文献1、3'−フルオロ−2',3'−ジデオキシグアノシンについては特許文献2、3'−フルオロ−2',3'−ジデオキシイノシンについては非特許文献1を参照)。
【0003】
これら一連の3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体の効率的な合成方法として、2'−α位に水酸基または水酸基をシリル化したシリルオキシ基を持ち、3'−β位にフッ素原子以外のハロゲン原子を持つ3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体をジアルキルアミノサルファートリフルオリドと反応させることにより、2'−β位にハロゲン原子が転位し、3'−α位がフッ素化された2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体に変換し、2'位ハロゲン原子を脱ハロゲン化し、5'位水酸基の保護基を脱保護することにより、3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体を合成する方法が報告されている(特許文献3、非特許文献2)。
【特許文献1】東ドイツ国特許第158903号明細書
【特許文献2】東ドイツ国特許第209197号明細書
【特許文献3】特開2001-122891号公報
【非特許文献1】Journal of Medicinal Chemistry(米国), 1989年, 第32巻, 第8号, p.1743-9
【非特許文献2】Nucleosides, Nucleotides & Nucleic Acids(米国), 2003年, 第22巻, 第5-8号, p.711-713
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献3および非特許文献2に開示されている合成方法は、実験室レベルでは効率的な合成方法であるが、工業的な使用において非常に高価なジアルキルアミノサルファートリフルオリドを使用する必要があり、実質的には工業的な製造方法になり得なかった。
【0005】
さらに本反応は、反応の遷移状態として、3'−β位が臭素原子の場合、ブロモニウムイオン(2価の臭素カチオン)を経て進行するため(下図を参照)、目的とする2’−β−ブロモ−3’−α−フルオロ体の位置異性体である2’−α−フルオロ−3’−β−ブロモ体を副生することが問題であった。実際に、本発明で特に対象とする9−(3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニン誘導体をジエチルアミノサルファートリフルオリドと反応させた場合の位置選択性(2’−β−ブロモ−3’−α−フルオロ体:2’−α−フルオロ−3’−β−ブロモ体)は2.9:1と低く(比較例1を参照)、その結果として、所望の3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体を収率良く得ることができなかった。
【0006】
【化7】

本発明の目的は、工業的な使用において非常に高価なジアルキルアミノサルファートリフルオリドの使用を回避し、さらに目的とする2’−β−ハロゲノ−3’−α−フルオロ体が高い位置選択性で得られる脱ヒドロキシフッ素化剤を見出すことである。その結果として、所望の3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体を工業的に低コストで製造できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、2'−α位に水酸基を持ち、3'−β位にフッ素原子以外のハロゲン原子を持つ3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体を、工業的な使用において比較的安価に利用できるサルファーテトラフルオリド(SF4)と反応させることにより、2'−β位にハロゲン原子が転位し、3'−α位がフッ素化された2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体が良好に得られることを見出した。さらに本発明で特に対象とする9−(3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニン誘導体をサルファーテトラフルオリドと反応させた場合の位置選択性は非常に高く(実施例1を参照)、脱ヒドロキシフッ素化剤としてサルファーテトラフルオリドがジアルキルアミノサルファートリフルオリドに比べて有意に優れていることを見出した。
【0008】
また得られた2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体を使用して、(1)2'位ハロゲン原子を脱ハロゲン化する工程、(2)5'位水酸基の保護基を脱保護する工程、および、必要に応じて(3)核酸塩基またはその誘導体の保護、脱保護または修飾の内、少なくとも何れか一つを行う工程を順不同に行うことにより、3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体が工業的に低コストで製造できることを見出した。
【0009】
本発明で特に対象とする3’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシグアノシンの製造においては、各工程の選択性が高く、分離の難しい不純物を殆ど副生しないため、3’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシグアノシンを工業的に製造するための極めて有用な方法である。
【0010】
すなわち、本発明は、一般式[I]
【0011】
【化8】

[式中、Bは核酸塩基またはその誘導体を表し、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、Rは水酸基の保護基を表す]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体をサルファーテトラフルオリド(SF4)と反応させることにより、一般式[II]
【0012】
【化9】

[式中、Bは核酸塩基またはその誘導体を表し、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、Rは水酸基の保護基を表す]で示される2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体を製造する方法を包含する。
【0013】
また、本発明は、一般式[III]
【0014】
【化10】

[式中、Rは水酸基の保護基を表し、R’はアミノ基の保護基を表す]で示される9−(3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニン誘導体をサルファーテトラフルオリド(SF4)と反応させることにより、一般式[IV]
【0015】
【化11】

[式中、Rは水酸基の保護基を表し、R’はアミノ基の保護基を表す]で示される9−(2−ブロモ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)グアニン誘導体を製造する方法を包含する。
【0016】
また、本発明は、上記により製造した2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体を使用して、下記の(1)、(2)および、必要に応じて(3)の工程を順不同に行うことにより、一般式[V]
【0017】
【化12】

[式中、B'は核酸塩基またはその誘導体を表す]で示される3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体を製造する方法を包含する。
(1)2'位ハロゲン原子を脱ハロゲン化する工程、
(2)5'位水酸基の保護基を脱保護する工程、
(3)核酸塩基またはその誘導体の保護、脱保護または修飾の内、少なくとも何れか一つを行う工程。
【0018】
また、本発明は、上記により製造した9−(2−ブロモ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)グアニン誘導体を使用して、下記の(1)、(2)および(3)の工程を順不同に行うことにより、式[VI]
【0019】
【化13】

で示される3’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシグアノシンを製造する方法を包含する。
(1)2'位臭素原子を脱臭素化する工程、
(2)5'位水酸基の保護基を脱保護する工程、
(3)グアニン誘導体の2位アミノ基の保護基を脱保護する工程。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体、特に3’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシグアノシンを工業的に、従来よりも格段に低コストで製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体の製造方法について詳細に説明する。
【0022】
一般式[I]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体のBとしては、ピリミジン塩基やプリン塩基等の核酸塩基またはその誘導体が挙げられる。ピリミジン塩基としては、ウラシル、チミン、シトシン等が挙げられ、プリン塩基としては、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン等が挙げられる。また核酸塩基の誘導体としては、ピリミジン塩基やプリン塩基等の核酸塩基が有する水素原子、水酸基またはアミノ基等が適当な置換基で置換された誘導体が挙げられ、置換基としては、水素原子、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のビニル基、ニトロ基等が挙げられる。なお該核酸塩基またはその誘導体は、核酸関連物質の合成分野で一般的に使用されている保護基で保護されていても良い。水酸基の保護基としては、例えば、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、メトキシメチル基、アリル基等のアルキル基、ベンジル基、トリフェニルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。アミノ基の保護基としては、例えば、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。これらの保護基は、ハロゲン原子、炭素数1から5のアルキル基、炭素数1から5のアルキルオキシ基等の適当な置換基を有していても良い。Bとしては、特にプリン塩基およびプリン塩基が適当な置換基で置換された誘導体が好ましい。
【0023】
一般式[I]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体のXとしては、フッ素原子以外のハロゲン原子である塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。その中でも臭素原子およびヨウ素原子が好ましく、特に臭素原子がより好ましい。臭素原子が特に好ましい理由としては、一般式[I]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体の内、3’位ハロゲン原子が臭素原子であるヌクレオシド誘導体を容易に製造することができ、また一般式[II]で示される2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体の内、2’位ハロゲン原子が臭素原子であるヌクレオシド誘導体の脱ハロゲン化が容易に進行すること等が挙げられる。
【0024】
一般式[I]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体のRとしては、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、メトキシメチル基、アリル基等のアルキル基、ベンジル基、トリフェニルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。これらの保護基は、ハロゲン原子、炭素数1から5のアルキル基、炭素数1から5のアルキルオキシ基等の適当な置換基を有していても良い。
【0025】
一般式[I]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体の内、一般式[III]で示される9−(3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニン誘導体は、サルファーテトラフルオリドと反応させた場合の位置選択性が非常に高いことから、本発明の反応基質の中で特に好ましいものの1つである。一般式[III]で示される9−(3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニン誘導体は、本発明の製造方法により、一般式[IV]で示される9−(2−ブロモ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)グアニン誘導体へと誘導される。一般式[III]及び一般式[IV]中のRは水酸基の保護基を表し、上述した一般式[I]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体のRと同じである。また一般式[III]及び一般式[IV]中のR’はアミノ基の保護基を表し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1から10のアルキル基、ベンジル基、トリチル基、4−モノメトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基等の炭素数7から22のアラルキル基、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等の炭素数1から10のアシル基、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基等のカルバモイル基が挙げられる。これらアミノ基の保護基としてはアシル基が好ましく、特にアセチル基がより好ましい。これらの保護基は、ハロゲン原子、炭素数1から5のアルキル基、炭素数1から5のアルキルオキシ基等の適当な置換基を有していても良い。
【0026】
一般式[I]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体は、Nucleosides & Nucleotides(米国),1996年,第15巻,p31-45に記載されている方法等の公知方法に準じて容易に調製することができる。例えば、一般式[III]で示される9−(3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニン誘導体、特に2−N−アセチル−9−(5−O−アセチル−3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニンは、2'位と5'位が共にアセチル基で保護された2−N−アセチル−9−(2,5−ジ−O−アセチル−3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニンを公知の方法(例えばJ. Chem. Soc., Perkin Trans. I(英国),1980年,第2号, p.563-573を参照)に従い、ヒドロキシルアミン等で2'位のアセチル基を選択的に脱保護することにより容易に製造することができる。また2'位と5'位が共にアセチル基で保護された2−N−アセチル−9−(2,5−ジ−O−アセチル−3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニンは、Nucleosides, Nucleotides & Nucleic Acids(米国), 1996年, 第15巻, 第1-3号, p.31-45に記載されている方法に従い容易に製造することができる。
【0027】
一般式[II]で示される2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体は、一般式[I]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体をサルファーテトラフルオリドと反応させることにより製造することができる。
【0028】
一般式[II]で示される2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体のB、XおよびRは、上記の一般式[I]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体のB、XおよびRとそれぞれ同じである。
【0029】
サルファーテトラフルオリド(SF4)は、Organic Reactions, Vol. 21, W. G. Dauben, Ed., John Wiley & Sons, New York (1974), 1-124に記載されている方法に従い容易に製造することができる。
【0030】
サルファーテトラフルオリド(SF4)の使用量としては、特に制限はないが、一般式[I]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体1モルに対して1モル以上を使用すればよく、通常は1から30モルが好ましく、特に1から20モルがより好ましい。3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体、特に3’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシグアノシンを工業的に低コストで製造するという観点から言及すれば、3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体1モルに対して15モル以下の使用がさらに好ましい。
【0031】
本発明の転位を伴う脱ヒドロキシフッ素化反応は、適当な塩基の存在下に行うことができ、反応の変換率や選択性等を改善することができる。係る塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンまたは2,6−ルチジン等の有機塩基、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。当然、反応の変換率や選択性等が充分に満足できる場合には敢えて塩基を加える必要はない。一般式[I]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体の内、9−(3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニン誘導体の転位を伴う脱ヒドロキシフッ素化反応においては、敢えて塩基を加えなくても該反応が良好に進行する。
【0032】
本発明の転位を伴う脱ヒドロキシフッ素化反応は、適当な反応溶媒を使用して行うことができ、係る反応溶媒としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系等が挙げられる。その中でもn−ヘプタン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフランおよびアセトニトリルが好ましく、特にトルエン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンおよびアセトニトリルがより好ましい。これらの反応溶媒は単独または組み合わせて使用することができる。
【0033】
反応溶媒の使用量としては、特に制限はないが、一般式[1]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体1モルに対して0.1L(リットル)以上を使用すればよく、通常は0.2〜50Lが好ましく、特に0.3〜25Lがより好ましい。
【0034】
温度条件としては、−100から+100℃であり、通常は−80から+80℃が好ましく、特に−60から+60℃がより好ましい。−60から+60℃の温度範囲が特に好ましい理由としては、反応速度が十分に速く、良好な選択性で且つ収率良く、一般式[II]で示される2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体が得られることが挙げられる。サルファーテトラフルオリドの沸点(−38℃)以上の温度条件で反応を行う場合には耐圧反応容器を使用することができる。
【0035】
反応時間としては、0.1〜72時間であるが、基質および反応条件により異なるため、薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段により反応の進行状況を追跡して原料が殆ど消失した時点を終点とすることが好ましい。
【0036】
反応基質および反応条件の最適な組み合わせとしては、一般式[I]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体の内、9−(3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニン誘導体、特に2−N−アセチル−9−(5−O−アセチル−3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニンを、1モルに対して、0.3〜25Lのトルエン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンまたはアセトニトリルに溶解し、15モル以下のサルファーテトラフルオリドと−60から+60℃で0.1〜72時間反応させることが挙げられる。このような条件において、特に円滑に高選択性を以って目的化合物を製造することができる。
【0037】
後処理としては、特に制限はないが、通常は反応終了液を無機塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム等)の水溶液に注ぎ込み、有機溶媒(例えば、トルエン、塩化メチレン、クロロホルムまたは酢酸エチル等)で抽出することにより粗生成物を得ることができる。必要に応じて粗生成物を活性炭処理、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の精製操作に付すことにより、目的とする一般式[II]で示される2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体を高い化学純度で得ることができる。
【0038】
本発明の転位を伴う脱ヒドロキシフッ素化反応で得られた、一般式[II]で示される2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体を使用して、(1)2'位ハロゲン原子を脱ハロゲン化する工程、(2)5'位水酸基の保護基を脱保護する工程、および、必要に応じて(3)核酸塩基またはその誘導体の保護、脱保護または修飾の内、少なくとも何れか一つを行う工程を順不同に行うことにより、一般式[V]で示される3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体を製造することができる。これらの各工程は、例えば特開2001-122891号公報、Nucleosides, Nucleotides & Nucleic Acids(米国), 2003年, 第22巻, 第5-8号, p.711-713に記載された方法等、当業者に公知の方法により行うことができる。
【0039】
すなわち(1)の脱ハロゲン化工程は、トリn−ブチルチンハイドライドや次亜リン酸等を使用するラジカル還元(Tetrahedron Letters(英国),2001年,第42巻,p7605-7608参照)や、パラジウム炭素等を触媒とする接触水素還元等により、脱ハロゲン化することができる。
【0040】
(2)の脱保護工程は、水酸基の保護基が例えば、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基の場合には、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキサイドまたはカリウムメトキサイド等のアルカリで処理することにより、また水酸基の保護基が例えば、ベンジル基、トリフェニルメチル基等のアラルキル基の場合には、塩酸または酢酸等の酸で処理することにより、またはパラジウム炭素等を触媒とする接触水素分解等により、脱保護することができる。
【0041】
(3)の保護、脱保護または修飾の内、脱保護工程は、(2)の脱保護工程と同様にして脱保護することができ、保護および修飾工程は、核酸関連物質の合成分野で一般的に採用されている方法により、所望の任意の3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体を製造することができる。
【0042】
例えば、一般式[II]で示される2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体の内、一般式[IV]で示される9−(2−ブロモ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)グアニン誘導体、特に2−N−アセチル−9−(5−O−アセチル−2−ブロモ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)グアニンは、2’位臭素原子を次亜リン酸のラジカル還元により脱臭素化し、5’位O−アセチル基とグアニンの2位N−アセチル基をアンモニア処理により同時に脱アセチル化することにより、一般式[VI]で示される3’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシグアノシンを製造することができる。
【0043】
一般式[V]で示される3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体のB'としては、ピリミジン塩基やプリン塩基等の核酸塩基またはその誘導体が挙げられる。ピリミジン塩基としては、ウラシル、チミン、シトシン等が挙げられ、プリン塩基としては、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン等が挙げられる。また核酸塩基の誘導体としては、ピリミジン塩基やプリン塩基等の核酸塩基が有する水素原子、水酸基またはアミノ基等が適当な置換基で置換された誘導体が挙げられ、置換基としては、水素原子、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のビニル基、ニトロ基等が挙げられる。なお該核酸塩基またはその誘導体は、核酸関連物質の合成分野で一般的に使用されている保護基で保護されていても良い。水酸基の保護基としては、例えば、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、メトキシメチル基、アリル基等のアルキル基、ベンジル基、トリフェニルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。アミノ基の保護基としては、例えば、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。これらの保護基は、ハロゲン原子、炭素数1から5のアルキル基、炭素数1から5のアルキルオキシ基等の適当な置換基を有していても良い。
【0044】
以下、実施例により本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<参考例1>
2−N−アセチル−9−(5−O−アセチル−3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニンの製造
【0045】
【化14】

2−N−アセチル−9−(2,5−ジ−O−アセチル−3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニン(944mg、2.0mmol)のエタノール(20mL)懸濁液に、塩酸ヒドロキシルアミン(278mg、4.0mmol)とトリエチルアミン(0.558mL、4.0mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。得られた懸濁液から固体をろ取し、減圧下乾燥させることで目的物(618mg、収率72%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 2.06 (s, 3H), d 2.19 (s, 3H), d 4.32―4.40 (m, 2H), d 4.50―4.57 (m, 1H), d 4.63 (d-d, 1H, J=5.2, 3.7 Hz), d 4.83―4.88 (m, 1H), d 5.75 (d, 1H, J=3.8 Hz), d 6.51―6.55 (m, 1H), d 8.18 (s, 1H), d 11.77 (br, 1H), d 12.10 (br, 1H).
ESIMS m/z: 430 (M+H).
【実施例1】
【0046】
サルファーテトラフルオリド(SF4)による2−N−アセチル−9−(5−O−アセチル−2−ブロモ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)グアニンの製造
【0047】
【化15】

ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、1.0グラムの2−N−アセチル−9−(5−O−アセチル−3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニン(純度97%)を加え、23.3ミリリットルの塩化メチレンを加えて溶解し、−78℃に冷却して2.7グラムのサルファーテトラフルオリド(SF4)をボンベから吹き込み、室温で17時間攪拌した。反応終了液を氷水で冷却した80ミリリットルの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ込み、10ミリリットルの塩化メチレンを加えて抽出し、有機層を回収し、再度、水層を20ミリリットルのクロロホルムで抽出した。回収した有機層を合わせて減圧下濃縮し、さらに真空乾燥し、粗生成物1.0グラムを得た。有機物の回収率は定量的であった。粗生成物の液体クロマトグラフィー (Inertsil ODS-2, MeCN : 0.1M Na2HPO4 aq = 1 : 4, isocratic, 0.5 ml/min, 260 nm)により変換率と位置選択性(2’−β−ブロモ−3’−α−フルオロ体:2’−α−フルオロ−3’−β−ブロモ体)を測定したところ、変換率は90%で、位置選択性は7.8:1であった。1H−NMRスペクトルを下に示す。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 2.05 (s, 3H), d 2.22 (s, 3H), d 4.32―4.44 (m, 2H), d 4.45―4.50 (m, 1H), d 5.31 (d-t, 1H, J=18.9, 6.8 Hz), d 6.00 (d-t, 1H, J=55.0, 6.4 Hz), d 6.36 (d, 1H, J=6.8 Hz), d 8.14 (s, 1H), d 11.61 (br, 1H).
ESIMS m/z: 432 (M+H).
<比較例1>
ジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST)による2−N−アセチル−9−(5−O−アセチル−2−ブロモ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)グアニンの製造
【0048】
【化16】

2−N−アセチル−9−(5−O−アセチル−3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニン(860.4mg、2.0mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液を0℃に冷却した後、ジエチルアミノサルファートリフルオリド(0.98mL、10.0mmol)をゆっくり滴下し、滴下後40℃で2時間撹拌した。得られた溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)に滴下し、ジクロロメタン(10mL)を加え分層した。水層にジクロロメタン(20mL)を加え再抽出し、得られた二つの有機層を混合し、飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル20g;溶出液16:1ジクロロメタン−メタノール)により精製し、目的物(588.4mg、収率68%)を白色固体として得た。なおフッ素化の位置選択性は3’F:2’F=2.9:1であった。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 2.05 (s, 3H), d 2.22 (s, 3H), d 4.32―4.44 (m, 2H), d 4.45―4.50 (m, 1H), d 5.31 (d-t, 1H, J=18.9, 6.8 Hz), d 6.00 (d-t, 1H, J=55.0, 6.4 Hz), d 6.36 (d, 1H, J=6.8 Hz), d 8.14 (s, 1H), d 11.61 (br, 1H).
ESIMS m/z: 432 (M+H).
【実施例2】
【0049】
2−N−アセチル−9−(5−O−アセチル−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)グアニンの製造
【0050】
【化17】

2−N−アセチル−9−(5−O−アセチル−2−ブロモ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)グアニン(224.7mg、0.52mmol)のアセトニトリル(2.25mL)溶液に、50%次亜リン酸水溶液(205.0mg、1.56mmol)と水(1.125mL)とトリエチルアミン(0.216mL、1.56mmol)を加えた後、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩を加え、70℃で3時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル20g;溶出液はジクロロメタン−メタノール混合溶媒を使用し、比率を66:1、33:1、20:1と順に変化させた)により精製し、目的物(180mg、収率98%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 2.04 (s, 3H), d 2.19 (s, 3H), d 2.65―2.80 (m, 1H), d 2.90―3.10 (m, 1H), d 4.18―4.25 (m, 2H), d 4.35―4.45 (m, 1H), d 5.45―5.63 (m, 1H), d 6.24―6.29 (m, 1H), d 8.23 (s, 1H), d 11.68 (br, 1H).
ESIMS m/z: 354 (M+H).
【実施例3】
【0051】
3’α−フルオロ−2’,3’−ジデオキシグアノシンの製造
【0052】
【化18】

2−N−アセチル−9−(5−O−アセチル−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)グアニン(10mg、0.028mmol)に2.0mol/Lのアンモニアメタノール溶液(1mL、2mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル5g;溶出液4:1ジクロロメタン−メタノール)により精製し、目的物(6.2mg、収率82%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 2.50―2.67 (m, 1H), d 2.70―2.90 (m, 1H), d 3.50―3.60 (m, 2H), d 4.16 (d-t, 1H, J=27.0, 4.9 Hz), d 5.15 (t, 1H, J=5.4 Hz), d 5.38 (d-d, 1H, J=53.6, 4.3 Hz), d 6.15 (d-d, 1H, J=9.4, 5.6 Hz), d 6.49 (br, 2H), d 10.54 (br, 1H).
ESIMS m/z: 270 (M+H).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式[I]
【化1】

[式中、Bは核酸塩基またはその誘導体を表し、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、Rは水酸基の保護基を表す]で示される3−ハロゲノ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル型ヌクレオシド誘導体をサルファーテトラフルオリド(SF4)と反応させることにより、一般式[II]
【化2】

[式中、Bは核酸塩基またはその誘導体を表し、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、Rは水酸基の保護基を表す]で示される2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体を製造する方法。
【請求項2】
一般式[III]
【化3】

[式中、Rは水酸基の保護基を表し、R’はアミノ基の保護基を表す]で示される9−(3−ブロモ−3−デオキシ−β−D−キシロフラノシル)グアニン誘導体をサルファーテトラフルオリド(SF4)と反応させることにより、一般式[IV]
【化4】

[式中、Rは水酸基の保護基を表し、R’はアミノ基の保護基を表す]で示される9−(2−ブロモ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)グアニン誘導体を製造する方法。
【請求項3】
請求項1により製造した2−ハロゲノ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル型ヌクレオシド誘導体を使用して、下記の(1)、(2)および、必要に応じて(3)の工程を順不同に行うことにより、一般式[V]
【化5】

[式中、B'は核酸塩基またはその誘導体を表す]で示される3−フルオロ−2,3−ジデオキシ−β−D−リボフラノシル型ヌクレオシド誘導体を製造する方法。
(1)2'位ハロゲン原子を脱ハロゲン化する工程、
(2)5'位水酸基の保護基を脱保護する工程、
(3)核酸塩基またはその誘導体の保護、脱保護または修飾の内、少なくとも何れか一つを行う工程。
【請求項4】
請求項2により製造した9−(2−ブロモ−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)グアニン誘導体を使用して、下記の(1)、(2)および(3)の工程を順不同に行うことにより、式[VI]
【化6】

で示される3’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシグアノシンを製造する方法。
(1)2'位臭素原子を脱臭素化する工程、
(2)5'位水酸基の保護基を脱保護する工程、
(3)グアニン誘導体の2位アミノ基の保護基を脱保護する工程。

【公開番号】特開2006−22009(P2006−22009A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198851(P2004−198851)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000002200)セントラル硝子株式会社 (1,198)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】