説明

LED負荷用チェッカー

【課題】
自身の正常な動作確認を容易に行えて、LED光源ユニットを信頼性よく検査できるLED光源ユニット用チェッカーを提供する。
【解決手段】
LED負荷用チェッカー1は、直流の定電流を出力端10から出力可能に形成された定電流源2と、擬似抵抗3と、LED負荷9または擬似抵抗3を出力端10a,10b間に接続させる接続手段4と、LED負荷9の順電圧または擬似抵抗3の両端間電圧を検出する電圧検出手段5と、電圧検出手段5が検出した電圧値と予め設定された基準値とを比較して評価する評価手段6と、評価手段6の評価結果を表示する表示手段7と、を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光源としてのLED負荷を検査するLED負荷用チェッカーに関する。
【背景技術】
【0002】
光源としてLED負荷を用いた照明装置は、種々の分野で用いられている。その照明装置の1つとして、例えば空港、飛行場等の滑走路や誘導路に設置されるLED式航空標識灯が知られている。このLED式航空標識灯は、LED負荷がLED光源ユニットに形成され、LED負荷を点灯するLED点灯装置がLED点灯ユニットに形成され、LED点灯装置が外部からの調光信号に応じてLED負荷を点灯制御している。
【0003】
航空標識灯は、航空機の離着陸や地上走行に必要な視覚的情報を提供し、航空機の安全運航を支える重要な役目を担っている。このため、LED負荷が長寿命であるLED式航空標識灯においても、例えば数ヶ月に一度の定期検査を行い、LED光源ユニットやLED点灯ユニット等の不具合による不点灯などの不調状態の有無をチェックしている。この定期検査は、LED式航空標識灯を設置場所から持ち帰り、検査場で行われている。そして、検査用の定電流電源からLED光源ユニットやLED点灯ユニットに定格電流を供給し、LED負荷の定格点灯状態で所定の検査が行われている(例えば特許文献1参照。)。
【0004】
本出願人は、先に出願した発明(特願2011−68461)において、LED光源ユニットの検査が行えるLED光源ユニット用チェッカーを出願している。このLED光源ユニット用チェッカーは、LED光源ユニットへ所定の期間だけ所定の定電流を供給するので、LED自体の自己発熱の影響を受けずに、LED光源ユニットの良否を適切に行える。
【0005】
しかし、LED光源ユニット用チェッカーは、それ自体が正常に動作していないと、LED光源ユニットの良否を判断することができなく、または、判断結果が誤ってしまうことになる。また、LED光源ユニット用チェッカーの正常な動作確認がされていないと、判断結果の信頼性に確信を持つことができない。そこで、LED光源ユニット用チェッカーにおいても、定期的にまたは上記検査時などにおいて、出力のチェックなどの動作確認が必要となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−210647号公報(第6頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、LED光源ユニット用チェッカーの動作確認は、それ自体、LED光源ユニットの良否を検査するときと同様の手間や時間を要するという問題がある。
【0008】
本実施形態は、自身の正常な動作確認を容易に行えて、LED負荷を信頼性よく検査できるLED負荷用チェッカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態のLED負荷用チェッカーは、定電流源、擬似抵抗、接続手段、電圧検出手段、評価手段および表示手段を有して構成される。
【0010】
定電流源は、LED負荷が接続される出力端を有し、入力した交流電流を直流に変換し定電流を出力端から出力可能に形成されている。
【0011】
接続手段は、LED負荷の検査時にLED負荷を定電流源の出力端間に接続させ、自己診断時に擬似抵抗を出力端間に接続させる。電圧検出手段は、定電流源の出力端間に接続されていて、LED負荷の順電圧または擬似抵抗の両端間電圧を検出する。
【0012】
評価手段は、電圧検出手段が検出した電圧値と予め設定された基準値とを比較して評価し、表示手段は、評価手段の評価結果を表示する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態によれば、定電流源の出力端間に擬似抵抗を接続し、この擬似抵抗の両端間電圧と予め設定された基準値とを比較して評価し、その評価結果を表示することにより、LED負荷用チェッカーが正常に動作してLED負荷を正常に検査可能であることを確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態を示すLED負荷用チェッカーのブロック図である。
【図2】同じく、LED負荷用チェッカーの概略平面図である。
【図3】同じく、LED負荷用チェッカーの概略側面図である。
【図4】同じく、LED負荷用チェッカーの一部分の回路図である。
【図5】同じく、LED負荷用チェッカーの残余部分の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態のLED負荷用チェッカー1は、図1ないし図5に示すように構成される。図1において、LED負荷用チェッカー1は、定電流源2、擬似抵抗3、接続手段4、電圧検出手段5、評価手段6、表示手段7および制御手段8を有して形成されている。LED負荷用チェッカー1は、外部のLED負荷9を検査するものである。このLED負荷9は、LED光源ユニットに形成されて、例えば、空港、飛行場等の滑走路や誘導路に設置されるLED式航空標識灯に収納されている。LED光源ユニットは、LED負荷9から放射される色光やLED負荷9の数量(灯数)などに応じた複数の種類例えば13種類のものからなっている。
【0017】
定電流源2は、出力端10を有している。定電流源2は、LED負荷9を検査するための電源であり、また、LED負荷用チェッカー1がLED負荷9を正常に検査できるか否かの自己診断をするための電源に用いられるものである。そして、定電流源2は、商用交流電源Vsから入力される交流電流を直流に変換するとともに定電流例えば350mAを出力端10から出力可能に形成されている。
【0018】
定電流源2の出力端10の端子10a,10bには、LED負荷9または擬似抵抗3のいずれかの両端が接続される。擬似抵抗3は、所定の抵抗値を有する固定抵抗からなっている。
【0019】
接続手段4は、擬似抵抗3またはLED負荷9のいずれかを定電流源2の出力端10の端子10a,10b間に接続させるように形成されている。LED負荷9は、接続手段4に電気接続されている接続具11の端子11a,11bに図示しないケーブルにより接続される。擬似抵抗3またはLED負荷9には、定電流源2からの定電流が流れる。
【0020】
電圧検出手段5は、出力端10の端子10a,10b間に接続されていて、当該端子10a,10b間に発生する電圧を検出するように形成されている。すなわち、電圧検出手段5は、擬似抵抗3の両端間電圧またはLED負荷9の順電圧を検出するものである。
【0021】
評価手段6は、電圧検出手段5が検出した電圧値を入力し、当該検出電圧値と予め設定された基準値とを比較して評価するように形成されている。すなわち、LED負荷用チェッカー1の自己診断において、検出電圧値が基準値の範囲内にあると、LED負荷用チェッカー1がLED負荷9(LED光源ユニット)を正常に検査できると判定し、逆に、検出電圧値が基準値の範囲外にあると、LED負荷用チェッカー1が不良であると判定するものである。また、LED負荷9の検査において、検出電圧値が検査用基準値の範囲内にあると、LED負荷9が正常であると判定し、逆に、検出電圧値が検査用基準値の範囲外にあると、LED負荷9が不良であると判定するものである。基準値および検査用基準値は、LED負荷9の種類等に応じて予め設定されている。
【0022】
表示手段7は、評価手段6の評価により得られた評価結果を表示するように形成されている。そして、制御手段8は、接続手段4、電圧検出手段5、評価手段6および表示手段7が順次動作するように、それらを制御するように形成されている。評価手段6および制御手段8は、マイコン12に形成されている。評価手段6の比較、判定の処理は、マイコン12のCPU(中央処理装置)において実行される。また、制御手段8による接続手段4、電圧検出手段5、評価手段6および表示手段7の一連の動作は、マイコン12のROM(リードオンリーメモリー)に記憶されたプログラムに基づいて実行される。プログラムには、検出電圧値と比較される基準値および検査用基準値が書き込まれている。
【0023】
LED負荷用チェッカー1は、図3に示すように、上面側に平面部13a、傾斜部13bおよび平面部13cを有する略箱状に形成された本体部13を備えている。この本体部13は、平坦状の底面部13dに設けられた複数個のゴム脚14により床面に設置されている。そして、本体部13の側面13eに接続具11およびこの接続具11に電気的に並列接続されている他の接続具15が並設されている。接続具11および接続具15は、LED負荷9(LED光源ユニット)の種類に応じて図示しないケーブルによりLED負荷9に接続される。
【0024】
本体部13の平面部13aおよび傾斜部13bは、操作部位および表示部位となっている。図2に示すように、平面部13aには、LED負荷9(LED光源ユニット)の予め設定された番号を表示するユニット番号表示部16、このユニット番号表示部16の右側横にLED負荷9を選択する選択スイッチ17a,17b、ユニット番号表示部16の左側横にLED負荷用チェッカー1自体の検査結果を表示する表示部18a,18bと、マイコン12をリセットするリセットスイッチ19がそれぞれ設けられている。また、傾斜部13bには、LED負荷9(LED光源ユニット)の正常(OK)を表示する表示部20aおよび不良(NG)を表示する表示部20b、電源スイッチ21およびLED負荷9の検査を開始させるスタートスイッチ22が設けられている。
【0025】
選択スイッチ17a,17b、リセットスイッチ19、電源スイッチ21およびスタートスイッチ22は、それぞれ表示ランプ付きとなっている。表示部18a,18bおよび表示部20a,20bは、表示手段を形成し、いずれもLED等の光学的手段を用いて表示されるようになっている。そして、表示部18aおよび表示部20aは、例えば緑色を表示にし、表示部18bおよび20bは、例えば赤色を表示にしている。
【0026】
選択スイッチ17aは、ユニット番号表示部16に表示される番号を上昇させるためのアップスイッチであり、選択スイッチ17bは、ユニット番号表示部16に表示される番号を下降させるためのダウンスイッチである。接続具11または接続具15に接続されるLED負荷9(LED光源ユニット)に応じて選択スイッチ17a,17bが操作され、ユニット番号表示部16に当該LED負荷9の番号が表示される。LED負荷9は、その数量や光色などに応じて異なる種類例えば13種類を有している。LED式航空標識灯は、LED負荷9の種類に応じた異なる種類からなっている。
【0027】
そして、表示部18aは、LED負荷用チェッカー1の検査結果が正常(OK)である時に表示され、表示部18bは、逆に不良(NG)であるときに表示される。
【0028】
また、本体部13の平面部13cには、開閉蓋22が蝶番23およびパチン錠24により取り付けられている。本体部13の平面部13cの内部は、LED負荷9と接続具11,15とを接続するケーブルの収納部となっており、当該ケーブルの取り出しまたは収納のときに開閉蓋22が開閉される。
【0029】
以下、LED負荷用チェッカー1の回路構成について、図4および図5を用いて詳述する。
【0030】
図4において、定電流源2は、AC−DCアダプター25および定電流回路26などを備えて形成されていて、入力側に図示しないコンセントに差し込まれるプラグ27、出力側に出力端10の端子10a,10bを有している。AC−DCアダプター25は、その入力側が電源スイッチ21を介してプラグ27に接続され、商用交流電源(AC100V)Vsを直流電源(DC25V)に変換するように形成されている。AC−DCアダプター25の出力間には、電源スイッチ21の表示ランプ28が接続されている。表示ランプ28は、電源スイッチ21のオンオフ状態を表示する。
【0031】
定電流回路26は、AC−DCアダプター25から出力された直流電源を入力し、定電流例えばDC350mAを出力するように形成されている。また、定電流回路26は、マイコン12からのオンオフ制御信号により、定電流を出力するように形成されている。すなわち、マイコン12からのオン制御信号を入力すると定電流を出力し、オフ制御信号を入力すると電流を出力しない。定電流回路26の出力側は、出力端10の端子10a,10bに接続されている。
【0032】
出力端10の端子10a,10b間には、接続手段としてのリレー29を介して擬似抵抗3が接続され、またはリレー29を介して接続具11の端子11a,11bが接続される。端子11a,11bには、検査されるLED負荷9が接続される。また、端子11a,11b間には、図示しない接続具15が接続されている。接続具15には、接続具15に対応する検査用のLED負荷9(LED光源ユニット)が接続される。出力端10の端子10a,10b間には、リレー29により、擬似抵抗3またはLED負荷9のいずれかが接続される。通常、出力端10は、接続具11および接続具15に接続されている。
【0033】
また、出力端10の端子10a,10b間には、電圧検出手段としての端子電圧検出回路30が接続されている。端子電圧検出回路30は、端子10a,10b間に接続される擬似抵抗3の両端間電圧またはLED負荷9の順電圧を検出する。擬似抵抗3は、自己診断をするために設けられたものであり、所定の抵抗値を有する固定抵抗からなっている。
【0034】
そして、AC−DCアダプター25の出力間には、DC−DCコンバーター31が接続されている。このDC−DCコンバーター31は、AC−DCアダプター25から出力された直流電圧(DC24V)を例えばDC12Vに変換して出力するように形成されている。そして、DC−DCコンバーター31の出力間および入力間にそれぞれフォトカプラ32の一次回路32aおよび二次回路32bが接続されている。端子電圧検出回路30が検出した擬似抵抗3の両端間電圧またはLED負荷9の順電圧は、フォトカプラ32の一次回路32aに入力され、二次回路32bを介して検出電圧回路33に入力され、検出電圧回路33からマイコン12に出力される。
【0035】
図5に示すように、リレー29を切り替えるリレー回路34およびスイッチ回路35は、接続手段4を形成し、定電流源2のAC−DCアダプター25の正極側およびマイコン12の間に接続されている。そして、マイコン12からスイッチ回路35に動作電源(ハイ信号)が供給されると、スイッチ回路35がリレー回路34を付勢(動作)させる。これにより、リレー29が切り替わって、定電流源2の出力端10の端子10a,10b間に擬似抵抗3が接続される。なお、スイッチ回路35は、符号を付さないバッファを介してマイコン12に接続されている(以下のスイッチ等においても同様である。)。
【0036】
マイコン12は、5V電源36から動作電源が供給されて動作する。この5V電源36は、定電流源2のAC−DCアダプター25の出力電圧(DC24V)から形成されている。そして、5V電源36およびマイコン12の間には、動作モニター37およびスイッチ回路38が接続されている。マイコン12は、動作すると、スイッチ回路38に動作電源を供給して動作モニター37を動作させる。動作モニター37の視認により、マイコン12の動作が確認される。また、5V電源36およびマイコン12の間には、選択スイッチ17a,17bおよびスタートスイッチ22が接続されている。そして、AC−DCアダプター25の負極側およびマイコン12の間には、リセットスイッチ19が接続されている。
【0037】
選択スイッチ17a,17bは、それぞれ押下されることによりユニット番号表示部16に表示される番号16aを増減させるものである。ユニット番号表示部16は、7セグメントディスプレイに形成されており、ハーネス39,40によりマイコン12に接続されている。マイコン12は、ユニット番号表示部16に番号16aが設定されると、その番号16aのLED負荷9(LED光源ユニット)が接続具11または接続具15に接続されているとするものである。
【0038】
AC−DCアダプター25の出力間には、選択スイッチ17aの表示ランプ41および選択スイッチ17bの表示ランプ42が接続されている。表示ランプ41および表示ランプ42は、商用交流電源Vsが供給されている状態で、電源スイッチ21のオンとともに点灯し続ける。
【0039】
AC−DCアダプター25の正極側およびマイコン12の間には、スタートスイッチ22の表示ランプ43およびスイッチ回路44が接続されている。スタートスイッチ22は、自己診断またはLED負荷9の検査を開始するときに瞬時オンされる。スタートスイッチ22がオンされると、マイコン12は、スイッチ回路にロウ信号を出力し、スイッチ回路44は、ロウ信号に応じて表示ランプ43を消灯させる。マイコン12は、通常、スイッチ回路44にハイ信号を出力しており、スイッチ回路44は、ハイ信号に応じて表示ランプ43に電流を供給して表示ランプ43を点灯させている。
【0040】
また、マイコン12は、通常、定電流回路26およびマイコン12間に接続されている反転回路45にハイ信号を出力しており、反転回路45は、ハイ信号に応じて定電流回路26にオフ制御信号(ロウ信号)を出力して定電流回路26から定電流を出力させないようにしている。そして、マイコン12は、スタートスイッチ22がオンされると、反転回路45にロウ信号を出力し、反転回路45は、ロウ信号に応じて定電流回路26にオン制御信号(ハイ信号)を出力して定電流回路26から定電流を出力させる。
【0041】
AC−DCアダプター25の正極側およびマイコン12の間には、リセットスイッチ19の表示ランプ46およびスイッチ回路47が接続されている。リセットスイッチ19は、マイコン12の動作をリセットするときに瞬時オンされる。マイコン12は、通常(待機時)、スイッチ回路47にハイ信号を出力しており、スイッチ回路47は、ハイ信号に応じて表示ランプ46を点灯させている。そして、リセットスイッチ19がオンされると、マイコン12は、スイッチ回路47にロウ信号を出力し、スイッチ回路47は、ロウ信号に応じて表示ランプ46を消灯させる。マイコン12は、リセットが完了するまでロウ信号を出力する。
【0042】
そして、AC−DCアダプター25の正極側およびマイコン12の間には、LED負荷9の評価結果の表示部20a,20bがそれぞれに接続されたスイッチ回路48,49を介して、自己診断の評価結果の表示部18a,18bがそれぞれに接続されたスイッチ回路50,51、反転回路52、論理積(AND)回路53、論理積(AND)回路54、上限レベル判定回路55、下限レベル判定回路56および平均値変換回路57を介して、それぞれ接続されている。
【0043】
マイコン12は、LED負荷9の検査において、その評価結果が正常(OK)であると判定すると、スイッチ回路48にハイ信号を出力して表示部20aを点灯させる。また、前記評価結果が不良(NG)であると判定すると、スイッチ回路49にハイ信号を出力して表示部20bを点灯させる。
【0044】
そして、マイコン12は、自己診断において、その評価結果が正常であると判定すると、ハイ信号を論理積回路53に出力する。また、マイコン12は、常時、動作信号例えばDC5Vを平均値変換回路57に出力している。平均値変換回路57で平均化された動作信号は、それぞれ上限レベル判定回路55および下限レベル判定回路56に入力される。そして、上限レベル判定回路55は、動作信号が第1の所定値例えば3V以上であると正常と判断してハイ信号を出力し、下限レベル判定回路56は、動作信号が第2の所定値例えば1V以上であると正常と判断してハイ信号を出力する。論理積回路54は、上限レベル判定回路55および下限レベル判定回路56からハイ信号が出力されると、ハイ信号を論理積回路53に出力する。
【0045】
論理積回路53は、論理積回路54からのハイ信号を入力している状態で、自己診断の評価結果のハイ信号が入力されると、ハイ信号をスイッチ回路50に出力して表示部18aを点灯させる。また、論理積回路53は、論理積回路54からのハイ信号が入力されなく、または、自己診断の評価結果のハイ信号が入力されないと、ハイ信号を出力しない。反転回路52からハイ信号がスイッチ回路51に出力されて表示部18bが点灯される。
【0046】
マイコン12は、CPU(中央処理装置)58、ROM(リードオンリーメモリー)59およびRAM(ランダムアクセスメモリー)60を備え、ROM59に記憶されたプログラムに基づいてCPU58が各種演算し、上記制御をするものである。そして、スイッチ回路35を動作させてリレー回路34およびリレー29により擬似抵抗3またはLED負荷9を定電流源2の出力端10の端子10a,10b間に接続させる。
【0047】
そして、図4において、マイコン12は、5V電源36から動作電源が供給されて正常に動作すると、自己診断を行うものである。まず、定電流源2の定電流回路26の出力間に擬似抵抗3を接続させる。すなわち、マイコン12は、スイッチ回路35に動作電源を供給する。これにより、リレー回路34が動作して、リレー29が切り替わり、出力端10の端子10a,10bに擬似抵抗3が接続される
【0048】
擬似抵抗3には、定電流回路26から出力される定電流(350mA)が流れる。擬似抵抗3の両端間、すなわち出力端10の端子10a,10b間には、定電圧が発生する。この定電圧は、端子電圧検出回路30により検出され、フォトカプラ32の一次回路32aに入力され、一次回路32aからフォトカプラ32の二次回路32bに入力される。そして、検出電圧回路33で再び定電圧にされてマイコン12に入力される。
【0049】
マイコン12のCPU(中央処理装置)58は、予め設定された基準値と比較し、検出電圧値が所定の基準値の範囲内であるか否かを判定する。そして、検出電圧値が所定の基準値の範囲内であると判定すると、論理積回路53にハイ信号を出力する。これにより、論理積回路53からスイッチ回路50にハイ信号が出力されて、自己診断の表示部18aが点灯し、正常(OK)が報知される。また、検出電圧値が所定の基準値の範囲内にないと判定すると、ハイ信号を出力しない。これにより、反転回路52からハイ信号がスイッチ回路51に出力されて、自己診断の表示部18bが点灯し、不良(NG)が報知される。
【0050】
なお、基準値は、プログラムに書き込まれるに限らず、例えばROM59に記憶させてROM59から読み出すようにしてもよい。
【0051】
このように、評価手段6および制御手段8からなるマイコン12は、接続手段4、電圧検出手段5および表示手段7を順次制御し、擬似抵抗3の両端間電圧を予め設定された基準値と比較して評価し、LED負荷用チェッカー1が種類の異なるLED負荷9を正常に検査できるか否かの自己診断を行うように形成されている。なお、制御手段8は、接続手段4、電圧検出手段5、評価手段6および表示手段7にそれぞれ設けられてもよい。
【0052】
次に、本実施形態の作用について述べる。
【0053】
電源スイッチ21がオンされて、商用交流電源Vsから定電流源2に入力電流が入力すると、定電流源2から5V電源36に電源が供給される。そして、5V電源36からマイコン12に動作電源が供給されて、マイコン12が動作する。
【0054】
マイコン12は、動作中、動作信号を平均値変換回路57に出力する。動作信号が正常の範囲内であれば、論理積回路54から論理積回路53にマイコン12が正常に動作していることを示すハイ信号が出力される。
【0055】
そして、マイコン12は、初期に動作すると、またはリセットされると、スイッチ回路35にハイ信号を所定期間例えば5秒に亘って出力し、スイッチ回路45にロウ信号を所定期間に亘って出力する。これにより、定電流源2の定電流回路26の出力間に擬似抵抗3が接続され、定電流回路26から定電流(350mA)が出力される。そして、擬似抵抗3に流れる定電流(350mA)によって発生する擬似抵抗3の両端間電圧が端子電圧検出回路30によって検出され、フォトカプラ32および検出電圧回路33を介してマイコン12に入力される。
【0056】
マイコン12は、検出電圧値を予め設定された基準値と比較する。そして、検出電圧値が基準値の範囲内であれば、論理積回路53にハイ信号を出力し、正常(OK)を示す表示部18aを点灯させ、検出電圧値が基準値の範囲外であれば、論理積回路53にハイ信号を出力せず、不良(NG)を示す表示部18bを点灯させる。この表示部18aおよび表示部18bの点灯をチェックすることにより、LED負荷用チェッカー1がLED負荷9(LED光源ユニット)を正常に検査できるか否かを確認できる。
【0057】
このように、LED負荷用チェッカー1は、容易に自己の正常な動作確認を行うことができて、これにより、種類の異なるLED負荷9(LED光源ユニット)を正常に検査可能となる。
【0058】
LED負荷9の検査時、LED負荷9は、ケーブルにより接続具11または接続具15に接続される。このとき、不動作のリレー29は、LED負荷9を定電流源2の出力端10の端子10a,10bに接続している。そして、選択スイッチ17a,17bを操作して、当該LED負荷9の番号をユニット番号表示部16に表示させる。これにより、マイコン12は、当該LED負荷9を検査可能となる。
【0059】
そして、スタートスイッチ22を瞬時オンすると、マイコン12は、反転回路45にロウ信号を出力し、定電流回路26から定電流を出力させる。LED負荷9に定電流が流れ、LED負荷9の順電圧が定電流源2の出力端10の端子10a,10b間に発生する。LED負荷9の順電圧は、端子電圧検出回路30によって検出され、フォトカプラ32および検出電圧回路33を介してマイコン12に入力される。
【0060】
マイコン12は、LED負荷9の順電圧と、LED負荷9に対応して予め設定された検査用基準値と比較する。ここで、検査用基準値は、プログラムに書き込まれていてもよく、例えばROM59に記憶させていてもよい。
【0061】
そして、マイコン12は、LED負荷9の順電圧が検査用基準値の範囲内であれば、スイッチ回路48にハイ信号を出力し、正常(OK)を示す表示部20aを点灯させ、LED負荷9の順電圧が検査用基準値の範囲外であれば、スイッチ回路49にハイ信号を出力し、不良(NG)を示す表示部20bを点灯させる。表示部20aおよび表示部20bの点灯をチェックすることにより、LED負荷9が正常に動作するか否かを確認することができる。
【0062】
そして、続けて次のLED負荷9を検査する場合には、リセットスイッチ19を瞬時オンする。これにより、マイコン12は、初期化され、表示部20a,20bが消灯し、定電流回路26の出力が遮断される。そして、検査するLED負荷9を接続具11または接続具15に接続し、検査するLED負荷9に割り当てられた番号をユニット番号表示部16に表示させる。以下、上述のようにして検査される。
【0063】
LED負荷用チェッカー1は、ユニット番号表示部16を備えるので、複数種類のLED負荷9を検査できるとともに、検査されるLED負荷9の種類が増減してもプログラムの追加や修正等に対して対応できる。
【0064】
本実施形態によれば、定電流源2の出力間に擬似抵抗3を接続し、この擬似抵抗3の両端間電圧と予め設定された基準値とを比較して評価し、その評価結果が自己診断の表示部18a,18bに表示されるので、LED負荷用チェッカー1が正常に動作してLED負荷9が正常に検査できることを確認することができ、LED負荷9の検査結果に対する信頼性を向上させることができるという効果を有する。
【0065】
また、評価手段6および制御手段8からなるマイコン12は、定電流源2に入力電流が入力された初期の動作時またはリセットスイッチ19がオンされてリセットされたときに、接続手段4により擬似抵抗3を定電流源2の出力間に接続させて、電圧検出手段5および表示手段7による一連の制御動作をさせるので、LED負荷用チェッカー1が正常に動作しているか否かの自己診断を容易にできるという効果を有する。
【0066】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1…LED負荷用チェッカー、2…定電流源、3…擬似抵抗、4…接続手段、5…電圧検出手段、6…評価手段、7…表示手段、10…出力端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED負荷が接続される出力端を有し、入力した交流電流を直流に変換し定電流を前記出力端から出力可能に形成された定電流源と;
擬似抵抗と;
前記LED負荷の検査時に前記LED負荷を前記出力端間に接続させ、自己診断時に前記擬似抵抗を前記出力端間に接続させる接続手段と;
前記出力端間に接続され、前記LED負荷の順電圧または前記擬似抵抗の両端間電圧を検出する電圧検出手段と;
この電圧検出手段が検出した電圧値と予め設定された基準値とを比較して評価する評価手段と;
この評価手段の評価結果を表示する表示手段と;
を具備していることを特徴とするLED負荷用チェッカー。
【請求項2】
入力した交流電流を直流に変換し定電流を外部のLED負荷に出力可能に形成された定電流源と;
擬似抵抗と;
前記LED負荷または前記擬似抵抗を前記定電流源の出力間に接続させる接続手段と;
前記LED負荷の順電圧または前記擬似抵抗の両端間電圧と予め設定された基準値と比較して評価する評価手段と;
この評価手段の評価結果を表示する表示手段と;
を具備し、前記LED負荷の検査時には、前記LED負荷を前記定電流源の出力間に接続させ、自己診断時には、前記擬似抵抗を前記定電流源の出力間に接続させて前記評価手段の評価結果を得るようにしたことを特徴とするLED負荷用チェッカー。
【請求項3】
前記定電流源に入力電流が入力されたときに、前記接続手段により前記擬似抵抗が前記定電流源の出力間に接続され、前記擬似抵抗の両端間電圧と予め設定された基準値とを比較して評価し、その評価結果を表示する一連の動作が自動的に行われることを特徴とする請求項1または2記載のLED負荷用チェッカー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−97964(P2013−97964A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238689(P2011−238689)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】