説明

O脚矯正履物用パッド

【課題】 O脚、リウマチ関節症及び関節炎、外反母趾等の、足先及び各趾球足への大きな痛み及び疲労による、歩行や運動の負担を最大限に減少させる。具体的には、変形した指先及び趾球を出来る限り使用しないような構造とすること、他の部分での歩行や運動機能を補うこと、膝や足の歪みを矯正すること、そして長時間使用しても痛みや負担を伴わないことである。
【解決手段】 (イ)まず、クッション性の高い材質を使用し、パッドの厚さも6~15 mmとする。(ロ)中敷の足先先端の長さを趾球から約20mm短い位置とする。(ハ)そして、土踏まず中心部分を最隆起部とするアーチ状隆起を作る(ニ)その結果、歩行及び運動時の体重による足先及び趾球への圧力を、足先を除く土踏まずから踵の部分へ分散をさせることが可能になる。(ホ)土踏まず部分の足本来が持つアーチを押し上げることで、O脚による脚と足の歪みが矯正される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物用パッドに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、内反膝(以下O脚)、関節リウマチ、関節炎、変形性関節症または外反母趾を有する者への履物用パッドである。具体的には、土踏まず部分を最大限に活用することで足底全体への圧力を分散化し、歩行及び運動時に足先及び足先関節へかかる体重負荷や圧迫を軽減し、さらに足および脚の歪みを矯正し、歩行や運動をよりスムーズに行うことを目指したものである。
【従来の技術】
【0003】
関節リウマチ、変形性関節症、及び関節炎に対する靴の中敷及び中底はこれまで存在しておらず、症状を有する者はクッション性の高い履物や中敷を使用するのが一般であった。
【0004】
また外反母趾に関しては、これまで例えば足裏の矯正箇所である足先に隆起
を施し、外反母趾を矯正するもの(特開2006-00040号公報参照)や、足指
を独立させることで外反母趾の矯正を促すもの(実登3128227号公報参照),

履物の親指を独立させ外反母趾を防止するもの(特開2006-187545)などが知られている。
【0005】
従来の足先の変形に対する中敷や履物に関する発明の多くは、軽度の外反母趾の矯正又は外反母趾の防止に関するものであり、変形部や患部に圧力がかかる構造が多かった。本発明の使用対象者に含まれるリウマチ関節症及び関節炎、重度の外反母趾の症状を有する者には、このような足先及び足先関節への圧力は激痛と大きな負担がかかるという課題があった。
また、O脚では図1のように膝の内側(A)や足の外側(B)に体重による
負荷が過重にかかるという問題もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような問題に注目し、リウマチ関節症及び関節炎、重度の外反
母趾の症状を有する者が長時間歩行や運動することが可能になるような履物用パッド、O脚が矯正できるパッドの発明を課題とした。具体的には、(1)変形した指先及び各趾球への接触負荷を軽減させること、(2)通常は歩行に使用しない土踏まず部分を最大限に活用できる形状にし、体重による負荷をより分散させること、そして(3)O脚を矯正することで、足首や膝へ過度にかかっている体重負荷を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、従来の中敷及び中底のような薄く足底全体と接触するものとは異なり、足底土踏まず部分を最隆起部とするアーチ状が含まれたパットである。具体的には、(イ)約6mmの非常に厚い柔軟素材パットの上にさらに部分的に約5mmと約9mmの同素材パットを規定位置に貼付けることで作成する。(ロ)本体全体の長径は約8~9cmと従来の中敷と比較して短く、中足骨先端から約2cm内側から舟状骨の先端一部までしか足底と接触しない。
【0008】
本発明の装置は、リウマチ関節症、足先又は趾球の関節炎、外反母趾などによる足先及び趾球の変形や痛みを有する人達、またはそれらの症状がなくても単にO脚を修正したいという方に効果を発揮するものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明のパッドでは、(1)足先及び各趾球を極力使用しないようにすることと、(2)従来歩行や運動時にかかる重心移動による足先及び各趾球への圧力を、踵から土踏まず領域へ分散をさせることで、足先及び各趾球への圧力を大きく減少し、歩行及び運動時にかかる痛みと負担を飛躍的に軽減することが可能となる。(3)足本来が持つ土踏まず部分のアーチを押し上げることで、O脚による脚と足の歪みが矯正される。
【0010】
本発明の装置は靴下やストッキングの中に入れて使用するため目立たず、屋内はもとより散歩や旅行先などの屋外でも継続的に使用することが可能となっている。
【0011】
さらに発明を実施するための最良の形態、図5に記載したストッキング及び靴下を併用すれば、リウマチ関節症や外反母趾で変形した足先の矯正もすることができ、歩行及び運動時に足先の変形部に過度な負担がかかることを無くす為、よりスムーズに、また長時間に渡り使用することが可能になる
【0012】
発明者本人はリウマチ症による関節痛を患っており、本発明を使用せずに、特注で製造された履物及び中敷を使用したところ、尚足先や母趾球等の変形部位に痛みや負担が大きくかかり、1時間程度の歩行が限界であった。しかし、本発明のパッドを使用したところ6時間以上の歩行や運動と言った、普段の生活に支障をきたす痛みや疲れが大幅に改善された。
本パッドの使用で、O脚で開いていた両膝の開きが4~5cm減少した。
パッドを外すと、3~5時間でもとのO脚状態へ戻ってしまった。
3ヶ月本パッドを使用したところ、両膝の開きは総計約7cm減少した。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】O脚による脚と足の歪みを示す図面である。
【図2】本発明と足の骨との位置関係を示す図面である。
【図3】本発明を上から見た図を示す図面である。
【図4】市販の靴下やストッキングの不要部分を切って使用する例 を示す図面である。市販の靴下およびストッキングを切らず、そのまま本発明を中にいれて使用することも可能である。
【図5】外反母趾やリウマチ関節症で変形した足の指の矯正を行える 靴下およびストッキングとの併用を示す図面である。
【符号の説明】
【0014】
A, B ・・・O脚によって体重負荷が過度にかかる部分

【実施例1】
【0015】
本発明のパッドは、市販されている靴下及びストッキングの中に入れて使用することが望ましい。また図4のように靴下およびストッキングの不必要な部分を切って使用することも可能である。
【実用例2】
【0016】
さらに図5に記載した形のストッキング及び靴下を併用すれば、変形した足先の矯正もすることができ、歩行及び運動時に足先の変形部に過度な負担がかかることを無くす為、より履物をスムーズに、また長時間に渡り使用することが可能になる。図5は、市販されている靴下及びストッキングの指先部分の一部を縫い合わせて区間を作ってあり、内部でのみ親指と人差し指、中指と薬指に分かれる形状のものとなっている。
【0017】
本パッドのつま先側先端は各趾球より20mm程度短くし、土踏まず接触面にはアーチ状の隆起を作ることで 歩行を行うときに各趾球に圧力がかからないように調整する。
【0018】
本発明の履物用パッドは特殊形状で弾力性のある軟質の合成樹脂(ウレタ ン樹脂)や適度の柔軟性と弾力性を有するゴム等の素材によるクッション性を有するものである。
【0019】
隆起は段階的ではなく、斜面は滑らかなもので、土踏まず面から踵の範囲に、体重による圧力が主にかかる用に調節することで、足先での圧力を最小限に抑え、土踏まず周辺の健全部での歩行及び運動をする事が可能になる。
【0020】
このパッドは個人の足の形状や症状に合わせて隆起や先端の位置の調節を行うこと。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明によって、多くのリウマチ症及び関節炎、重度の外反母趾の症状による足先及び各趾球の関節痛等によって歩行や運動に大きな支障をきたしている者に対して、生活の大きな改善、歩行や運動の促進ができ、より生活においての可能性と自立性が広がる。また上記の症状がなく単にO脚の方であっても、両膝の開きを減少させ、膝および足首、足へかかる負担を減少させることで、日常生活を改善することが可能となる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
足底の土踏まず周辺と接触するだけの面積を持ち、土踏まず部分に最隆起部分をもち、靴下やストッキングの中に入れて使用することでO脚が矯正される履物用パッド
【請求項2】
前記素材は特殊形状で弾力性のある軟質の合成樹脂(ウレタン樹脂)や適度の柔軟性と弾力性を有するゴム等の素材によるクッション性を有する請求項1に記載の履物用パッド

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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