説明

Webブラウザ選択方法および装置

【課題】
ユーザがWebブラウザを選択するときの判断基準に従い,Webブラウザの候補を抽出することで,ユーザの好みにより近いWebブラウザを選択できるようにする。
【解決手段】
インターネットにアクセスし,ユーザがWebブラウザを起動してWebサイトを表示する環境において,データ中継サーバが,推奨Webブラウザ候補リストを作成し,ユーザが候補リストから選択したWebブラウザをクライアント上に立ち上げることを特徴とする。Webブラウザの候補リストを作成するために,データ中継サーバは,ユーザが入力したURLをキーにして,URLとWebブラウザの組み合わせ情報が登録されているDBを検索してWebブラウザの候補を抽出する。また,接続要求のあったWebサイトにアクセスして,コンテンツに含まれるスクリプトやデータ種別に適したWebブラウザの候補を抽出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,インターネット上のWebサイトの表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年,インターネットのWebサイトに掲載される情報量やデータの種類が増えてきたことに伴い,快適に処理したり,使用目的に応じた機能を追加したりした様々なWebブラウザが開発されている。
【0003】
これらのWebブラウザは,操作性や処理性能の観点から,様々な特徴的な機能を提供している。また,汎用的なWebブラウザではなく,特定のWebサイトの情報や,閲覧目的に対応した専用Webブラウザもある。たとえば,動画共有サイトのYouTube(Google Inc.の商標もしくは登録商標)の専用ブラウザには,TubePlayer,YouTunes,JustTubeなどのフリーソフトのWebブラウザがある。そのほか,2ちゃんねる用,mixi((株)ミクシィの商標もしくは登録商標)用,オークションサイト用のWebブラウザも種々提供されている。このように,ユーザにとっては選択肢が広がり,自分の好みにより合ったWebブラウザを選択できるようになってきている。
【0004】
Webブラウザを選択する際に,ユーザは,実際にWebブラウザを自分の環境にインストールして,使い勝手を試し,Webサイトの表示結果をみて複数の候補から選択する。また,Webブラウザの評判や仕様情報を集めてから判断する場合もある。
【0005】
なお,下記特許文献1は,携帯端末のような限定された接続環境,内部環境に応じて,所望するWebサイトの情報を制限して取得するように,Webブラウザの設定を自動的に選択する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-278020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術では,Webブラウザを選択するために,ユーザが実際にWebブラウザをインストールし,使い勝手を試行するが,最終的に判断するまで時間と手間がかかることが問題であった。また,ユーザがWebブラウザの情報を集めて判断する選択方法も,ユーザの知識の偏りによって,選択肢の過不足が発生し,適切なWebブラウザを選択できない可能性があることが問題であった。また,上記の特許文献1は,パーソナルコンピュータのように接続環境,内部環境は十分であって,所望するWebサイトの情報を制限することなく閲覧できることを前提とした,Webブラウザの自動選択方法ではなかった。
【0008】
本発明は,ユーザがWebブラウザを選択するまでの時間と手間を減らし,ユーザの知識に拠らず客観的な選択肢を提供することを目的とする。本発明の他目的は,Webブラウザの選択基準を,Webサイト閲覧環境とするのではなく,Webブラウザ自体の機能や処理性能として,Webブラウザを自動選択することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では,上記の課題を解決するために,ユーザがWebブラウザを選択するときの判断基準に従い,データ中継サーバがWebブラウザの候補を抽出することで,ユーザの好みにより近いWebブラウザを選択できる方法を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0010】
ユーザの好みにより近いWebブラウザを選択できる可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施方法の全体構成を示した図である。
【図2】図1で示したデータ中継サーバの構成を示した図である。
【図3】図2で示した推奨Webブラウザ選択処理部の構成を示した図である。
【図4】図2で示した推奨Webブラウザ優先順位決定処理部の構成を示した図 である。
【図5】図2で示した推奨Webブラウザ立ち上げ処理部の構成を示した図である。
【図6】図2で示したDB管理処理部の構成図である。
【図7】Webブラウザ候補を決めるための優先順位をユーザが設定する画面例である。
【図8】Webブラウザ候補リストの画面遷移図である。
【図9】ユーザカスタマイズDBのデータテーブル
【図10】Web接続履歴DBのデータテーブル
【図11】特定サイト専用WebブラウザDBのデータテーブル
【図12】HTMLデータ傾向と推奨Webブラウザのデータテーブル
【図13】Webブラウザ自動選択方法のフローチャートである。
【図14】URL分析のフローチャートである。
【図15】HTMLデータ分析(ファイル形式)のフローチャートである。
【図16】HTMLデータ形式(スクリプト)のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は,本実施の形態の全体構成を示す。図1に示すように,本実施の形態のシステムは,クライアント1と,データ中継サーバ2と,インターネット3を備えている。クライアント1上では,ユーザが,表示したいWebサイトのURLやWebブラウザ候補を抽出する条件を入力する画面が表示される。また,最終的にユーザが選択したWebブラウザがこのクライアント1上で起動される。
【0013】
データ中継サーバ2上では,Webブラウザの候補を抽出するための分析が行われる。また,必要なDBやWebブラウザのインストールデータが格納されている。インターネット3には,ユーザが参照するWebサイトが存在する。
【0014】
図2は,データ中継サーバ2の構成図である。データ中継サーバ2は,推奨Webブラウザ選択処理部4,推奨Webブラウザ優先順位決定処理部5,推奨Webブラウザ立ち上げ処理部6,DBアクセス処理部7,DB管理処理部8を備える。また,分析を行うときに使用する4種類のDBを備える。上述した各処理部は、各処理手段と言い換えてもよい。各処理部は、ハードウェア(例えば回路)、コンピュータプログラム、或いはそれらの組み合わせ(例えば、一部をコンピュータプログラムで実行し一部をハードウェア回路で実行すること)によって実現することもできる。各コンピュータプログラムは、コンピュータマシンに備えられる記憶資源(例えばメモリ)から読み込むことができる。その記憶資源には、CD−ROMやDVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体を介してインストールすることもできるし、インターネットやLAN等の通信ネットワークを介してダウンロードすることもできる。
【0015】
推奨Webブラウザ選択処理部4は,URLを入力情報とし,URLやWebサイトのコンテンツを分析し,DBから必要な情報を検索抽出して,推奨Webブラウザの候補リストを出力する処理部である。
【0016】
推奨Webブラウザ優先順位決定処理部は,推奨Webブラウザ選択処理部4が出力した,推奨Webブラウザの候補リストと,ユーザのカスタマイズ情報を入力情報として,候補リストの並び替えを行い,最終的に表示する推奨Webブラウザリストを出力する処理部である。
【0017】
推奨Webブラウザ立ち上げ処理部6は,ユーザが推奨Webブラウザリストから選択したWebブラウザ名を入力情報として,クライアント上でWebブラウザを立ち上げる処理部である。
【0018】
図3は,推奨Webブラウザ選択処理部4をさらに詳細化した構成図である。推奨Webブラウザ選択処理部4は,データ分析処理部41と推奨Webブラウザ候補リスト作成処理部42から成る。
【0019】
データ分析処理部41は,さらに,HTMLソース傾向分析処理部411とURL分析処理部412から成る。HTMLソース傾向分析処理部411とは,Webサイトのコンテンツデータを分析し,そのデータの特徴から,推奨Webブラウザを抽出する処理部である。URL分析処理部412とは,URL自体を分析して,Web接続履歴DB10,または特定サイト専用ブラウザDB11から,そのURLに対応した推奨Webブラウザを抽出する処理部である。
【0020】
推奨Webブラウザ候補リスト作成処理部42とは,データ分析処理部41が出力した推奨Webブラウザと,ユーザが選択時に参考となる情報をリストにして表示する処理部である。
【0021】
図4は,推奨Webブラウザ優先順位決定処理部5をさらに詳細化した構成図である。推奨Webブラウザ優先順位決定処理部5は,ユーザカスタマイズ情報入力処理部51と,候補リスト絞込み・並び替え処理部2と,決定Webブラウザ情報送信処理部53からなる。
【0022】
ユーザカスタマイズ情報入力処理部51とは,推奨Webブラウザ候補リストを作成するための優先順位を登録するための画面を表示して,ユーザが設定した情報をユーザカスタマイズDB9に登録する処理部である。
【0023】
候補リスト絞込み・並び替え処理部52とは,DBに登録されたユーザカスタマイズ情報から,候補リストを絞り込み,優先順位にしたがって並び替えて候補リストを表示する処理部である。
【0024】
決定Webブラウザ情報送信処理部53とは,候補リスト画面でユーザが選択したWebブラウザの情報を推奨Webブラウザ立ち上げ処理部6へ出力する処理部である。
【0025】
図5は,推奨Webブラウザ立ち上げ処理部6をさらに詳細化した構成図である。推奨Webブラウザ立ち上げ処理部6は,インストール済みWebブラウザ検索処理部61と,Webブラウザダウンロード処理部62と,Webブラウザ立ち上げ処理部63から成る。
【0026】
インストール済みWebブラウザ検索処理部61とは,クライアント1にインストールされているWebブラウザを検索する処理部である。
【0027】
Webブラウザダウンロード処理部62とは,ユーザが最終的に選択したWebブラウザがクライアント1にインストールされていない場合は,データ中継サーバ2からそのWebブラウザのインストールデータをクライアント1に送信して,クライアント1にインストールする処理部である。
【0028】
Webブラウザ立ち上げ処理部63とは,ユーザが最終的に選択したWebブラウザをクライアント1上で立ち上げて,最初にユーザが入力したURLのWebサイトを表示する処理部である。
【0029】
図6は,DB管理処理部8をさらに詳細化した構成図である。DB管理処理部8は,DB検索処理部81と,Web接続履歴DB更新処理部82と,ユーザカスタマイズ情報作成処理部83から成る。
【0030】
DB検索処理部81とは,ユーザカスタマイズDB9と,Web接続履歴DB10と,特定サイト専用ブラウザDB11と,HTMLソース傾向と推奨ブラウザDB12へアクセスし,必要な情報を検索して出力する処理部である。
【0031】
Web接続履歴DB更新処理部82とは,ユーザがWebサイトを表示したときに使用したWebブラウザと,そのWebサイトのURLを対応付けてWeb接続履歴DB10に格納する処理部である。URLとWebブラウザの組み合わせが,DBにない場合は,新規に登録される。DBにすでに登録済みの場合は,重み付け情報を更新する。この重み付け情報は,複数の推奨Webブラウザ候補から選択するときに使用する。
【0032】
ユーザカスタマイズ情報作成処理部83とは,優先順位と,デフォルトブラウザと,インストール済みのWebブラウザの情報をユーザカスタマイズDB9に登録する処理部である。
【0033】
次に,DB管理処理部8が管理しているDB9〜12のデータ項目と内容について説明する。
【0034】
図9は,データ中継サーバ2に備えたユーザカスタマイズDB9のデータテーブルである。データ項目として,優先順位91〜93と,デフォルトブラウザ94と,インストール済みブラウザ95を持つ。優先順位91〜93は,ユーザがクライアント1の画面で入力した情報で,候補リストの絞込み・並び替えを行うときの判断基準となる。図7は,優先順位91〜93を登録するためのユーザ情報登録画面例である。優先順位を決める項目として,専用ブラウザ,Web接続履歴,HTMLデータ分析結果の3種類があり,この画面でその順番をユーザが決めることができる。デフォルトブラウザ94は,クライアントの内部情報から取得する情報で,インターネットにアクセスするとデフォルトで立ち上がるブラウザである。インストール済みブラウザ95は,インストール済みWebブラウザ検索処理部を実行することで取得する情報で,クライアント1にインストールされているWebブラウザの情報である。
【0035】
図10は,データ中継サーバ2に備えたWeb接続履歴DB10のデータテーブルである。データ項目として,接続URL101と,Webブラウザ102と,重み付け103を持つ。接続URL101は,これまでユーザが接続したURLである。Webブラウザ102は,そのURLに接続したときに使用していたWebブラウザである。重み付け103は,同じURLとWebブラウザの組み合わせで使われるたびに加算される数値で,推奨Webブラウザを決めるときの判断基準となるものである。
【0036】
図11は,データ中継サーバ2に備えた特定サイト専用WebブラウザDB11のデータテーブルである。データ項目として,URL111と,専用Webブラウザ名112を持つ。URL111は,専用Webブラウザで参照が推奨されるサイトのURLである。専用Webブラウザ名112は,そのURLに対応した専用のWebブラウザ名である。
【0037】
図12は,データ中継サーバ2に備えたHTMLソース傾向と推奨ブラウザDB12のデータテーブルである。データ項目として,データ種別121と,閾値122と,Webブラウザ123を持つ。データ種別121は,動画ファイル形式名・音声ファイル形式名・Script言語名などである。閾値122は,ファイル形式・Script言語に適したWebブラウザを選択するときに,基準値として使うものである。動画・音声ファイルへのリンク数やScript言語のテキスト量が,この閾値122よりも大きい場合は,それらの処理に適したWebブラウザをDBから選択する。Webブラウザ123は,各々のデータ形式・Scriptの表示や処理に適したWebブラウザ名である。
【0038】
図13は,Webブラウザ自動選択方法のフローチャートを示す。
【0039】
推奨Webブラウザ選択処理部4のデータ分析処理部41は,クライアント1上で起動したWebブラウザのツールバーに,Webブラウザ自動選択ボタンを表示する。そのボタンが押下されると,推奨Webブラウザ選択処理部4の起動要求が出る。そして,データ分析処理部41は,クライアント1上にあるWebブラウザから,ユーザが入力したURLの情報を取得し,その内容をデータ中継サーバ2に送信する(15)。そのURLを入力情報として,推奨Webブラウザ選択処理部4のURL分析処理部412は,Web接続履歴DB10と特定サイト専用ブラウザDB11を検索して,推奨Webブラウザを抽出する。そして,抽出したWebブラウザ名と,分析種別を示すIDをURL分析用の候補リストに出力する(16)。
【0040】
推奨Webブラウザ選択処理部4のHTMLソース傾向分析処理部411は,Webサイトにアクセスし,コンテンツデータを取得する。そのコンテンツデータからリンクしている音声・図データのファイル形式からデータ傾向を分析する。そして,そのデータ傾向にあったWebブラウザを,HTMLソース傾向と推奨ブラウザDB12から抽出する。そして,抽出したWebブラウザ名と,分析種別を示すIDをHTMLソース傾向分析(ファイル形式)用の候補リストに出力する(17)。
【0041】
また,コンテンツデータに含まれるスクリプトの種類と量も分析してデータ傾向を分析する。そして,そのデータ傾向にあったWebブラウザを,HTMLソース傾向と推奨ブラウザDB12から抽出する。そして,抽出したWebブラウザ名と,分析種別を示すIDをHTMLソース傾向分析(Script)用の候補リストに出力する(18)。
【0042】
推奨Webブラウザ選択処理部4の推奨Webブラウザ候補リスト作成処理部42は,f2とf3とf4で抽出した推奨Webブラウザをリストにまとめる(19)。推奨Webブラウザ選択処理部4の推奨Webブラウザ候補リスト作成処理部42は,ユーザカスタマイズDB9に格納されている優先順位の情報に基づいて,推奨Webブラウザの並び替えを行い,Webブラウザ候補リストを作成し,クライアント1に表示する(20)。図8は,そのWebブラウザ候補リスト画面の表示例である。Webブラウザ候補リスト画面141には,推奨Webブラウザ名だけでなく,ユーザが選択するための判断材料として,どの優先項目によって選択されたかがわかるお勧めの理由と,すでにインストール済みかどうかもあわせて表示する。お勧め理由は,候補リストに格納されている分析種別を示すIDから,該当する文言を取り込み表示する。インストール済みかどうかの情報は,ユーザカスタマイズDB9から取得して表示する。ひとつの優先項目に対して,複数の推奨Webブラウザが有る場合は,画面141で示すように,お勧めブラウザの欄に,「ブラウザB他」のように複数ブラウザがあることを示す表示をする。
【0043】
そして,OKボタンが押下されたことを認識した後,Webブラウザ候補リストの詳細画面を表示する。画面142は,専用Webブラウザの候補が複数ある場合の詳細画面例である。次に,推奨Webブラウザ立ち上げ処理部6は,Webブラウザ候補リスト画面から,ユーザが最終的に選択したWebブラウザ名を取得する(21)。インストール済みWebブラウザ検索処理部61は,ユーザが選んだブラウザが,すでにインストールされているかどうかを,ユーザカスタマイズDB9の情報に基づき確認する(22)。もし,インストールされていなければ,Webブラウザダウンロード処理部62は,Webブラウザを中継サーバ2からダウンロードする(23)。Webブラウザ立ち上げ処理部63は,ユーザが選んだブラウザを立ち上げ,最初に入力したURLサイトを表示する(24)。このとき,URLと最終的に選択したWebブラウザの組み合わせをWeb接続履歴DB10に登録する。すでに同じ組み合わせが登録されている場合は,重み付けの数値103を更新する(25)。
【0044】
次に,16のURL分析の詳細な流れを図14で説明する。特定サイト専用WebブラウザDB11にアクセスして,ユーザが入力したURLを検索する(161)。そのURLがDBにあった場合は,162でURLに対応した専用WebブラウザをDBから抽出し[URL分析結果用の候補リスト]に追加する。また,特定サイト専用WebブラウザDB11から抽出したことを示す分析種別IDをURL分析結果用の候補リストに追加する。DBになかった場合は,162をスキップする。
【0045】
次に,Web接続履歴DB10にアクセスして,そのURLを検索する(163)。そのURLがDBに有った場合は,対応するWebブラウザをDBから抽出する。URLに対し複数のWebブラウザが存在した場合は,重み付け103の値が一番高いWebブラウザ名を抽出する。そして,抽出したWebブラウザ名と,Web接続履歴DB10から抽出したことを示す分析種別IDを,URL分析結果用の候補リストに追加する(164)。ない場合は,164をスキップする。
たとえば、ユーザが入力したURLが「http:/www.aaa.bbb.com/index.htm」で,これに対応する専用Webブラウザを検索する場合について,図11で説明する。まず,特定サイト専用WebブラウザDBのデータテーブルのURL列111から,ユーザが入力したURLと一致するものを検索する。そして,データテーブルの専用Webブラウザ列112から,それに対応する専用Webブラウザを抽出する。この場合は,「ブラウザB」を抽出する。
【0046】
また,ユーザが入力したURLが「http:/www.aaa.bbb.com/index.htm」で,接続履歴のあるWebブラウザを検索する場合について,図10で説明する。まず,Web接続履歴DBのデータテーブルのURL列101を検索すると,ユーザが入力したURLと一致するものが2件ある。この場合は,候補としてWebブラウザ列102からブラウザBとブラウザCが抽出される。ここから,さらに候補を絞り込むために,重み付け列102から,候補のWebブラウザの重み付けの値を抽出し比較する。この例の場合,ブラウザBの重み付けが「2」,ブラウザCの重み付けが「10」であるため,最終的に候補として抽出されるのは,ブラウザCとなる。
【0047】
次に,17のHTMLデータ分析(ファイル形式)の詳細なフローチャートを図15で説明する。ユーザが入力したURLのWebサイトにアクセスする(171)。最初にアクセスしたHTMLファイルを抽出する(172)。抽出したHTMLファイルから,動画や音声ファイルの拡張子をテキスト検索し,リンク数をカウントする(173)。動画/音声ファイル形式別にカウントしたリンク数と,HTMLデータ傾向と推奨ブラウザDB12の閾値122を比較する(174)。閾値122よりも大きい場合は,そのファイル形式に適したWebブラウザをHTMLソース傾向と推奨WebブラウザDB12から抽出する(175)。DBから抽出したWebブラウザと,抽出時の検索でキーとなったファイル形式を示す分析種別IDをHTMLデータ分析結果用の候補リストに追加する(176)。たとえば,HTMLファイルを分析した結果,動画ファイル形式aのリンク数が10,音声ファイル形式aのリンク数が35であった場合について,図12で説明する。
【0048】
まず,データテーブルのデータ種別列121から動画ファイル形式aを検索し,閾値列122から対応する閾値「20」を抽出し,リンク数「10」と比較する。この場合は,閾値よりも小さいため,動画ファイル形式aに対応するWebブラウザの候補は抽出されない。次に,音声ファイル形式aをデータ種別列121から検索し,閾値列122から対応する閾値「30」を抽出し,リンク数「35」と比較する。この場合は,閾値よりも大きいため,音声ファイル形式aに対応するWebブラウザの候補として,Webブラウザ列123から「ブラウザB」を抽出して候補リストに追加する。
【0049】
次に,18のHTMLデータ分析(スクリプト)の詳細なフローチャートを図15で説明する。172で抽出したHTMLファイルから,Scriptタグを検索する(181)。Scriptタグで囲まれたテキスト中にスクリプトファイルへのリンクがあるかを検索する(182)。リンクがない場合は,Scriptタグ内でかこまれたテキスト量をカウントする(183)。リンクが有る場合は,リンク先のスクリプトファイルにアクセスする(184)。そのスクリプトファイルのテキスト量をカウントする(185)。次に, 183または184でカウントしたScriptソースのテキスト量と,HTMLソース傾向と推奨ブラウザDB12の閾値122を比較する(186)。閾値122よりも大きい場合は,HTMLソース傾向と推奨WebブラウザDB12から,Scriptが多い場合に適したWebブラウザ名を抽出する(187)。抽出したWebブラウザと,抽出時の検索で,スクリプトがキーとなったことを示す分析種別IDをHTMLデータ分析結果用の候補リストに追加する(188)。たとえば,HTMLファイルを分析した結果,Scriptのテキスト量が600であった場合について,図12で説明する。まず,データテーブルのデータ種別列121からScript言語αを検索し,閾値列122から対応する閾値「500」を抽出し,テキスト量「600」と比較する。この場合は,閾値よりも大きいため,Scriptに対応するWebブラウザの候補として,Webブラウザ列123から「ブラウザC」を抽出して候補リストに追加する。
【0050】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は本発明の説明のための例示にすぎず、本発明の範囲をその実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなく、その他の様々な態様でも実施することができる。
【符号の説明】
【0051】
4 推奨Webブラウザ選択処理部
5 推奨Webブラウザ優先順位決定処理部
6 推奨Webブラウザ立ち上げ処理部
7 DBアクセス処理部
8 DB管理処理部
9 ユーザカスタマイズDB
10 Web接続履歴DB
11 特定サイト専用ブラウザDB
12 HTMLソース傾向と推奨ブラウザDB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
DBを格納する記憶装置を備えたWebブラウザ選択装置におけるWebブラウザ選択方法であって,
ユーザからが入力したURLの中からWebサイトに対応した専用Webブラウザを候補として抽出し,
予め記憶された過去にその前記URLに接続したか否かを判定して,接続したことがある場合は、当該接続したWebブラウザを候補として抽出し,
前記ユーザからが入力したURLから,前記入力したWebサイトにアクセスして,そのコンテンツに含まれるスクリプトやデータを抽出して、その処理に適した前記Webブラウザを候補として抽出し,
前記抽出した上記のWebブラウザからWebブラウザ候補リストを生成して一覧表示することを特徴とするWebブラウザ選択方法。
【請求項2】
前記Webブラウザ候補リストにあるからユーザが指示したWebブラウザが,クライアントにインストール済みか否かを判定し、
インストールされていない場合は、Webブラウザ選択装置中継サーバからWebブラウザをダウンロードする要求を送信して、Webブラウザ選択装置から前記送信の返信として送られたWebブラウザのプログラムをしてインストールし、
ユーザの指示の入力に応じて、前記Webブラウザを立ち上げるステップを特徴とした請求項1記載のWebブラウザ選択の方法。
【請求項3】
Webユーザが入力したURLをキーにして,専用WebブラウウザとURLの組み合わせ情報が予め格納されている,第1のDBを検索して,当該キーとしたそのURLに対応する専用Webブラウザを候補として抽出し、
当該ユーザが入力したURLをキーにして,過去に接続したURLとその時に使用していたWebブラウザの組み合わせ情報が予め格納されている第2のDBを検索して,過去の傾向から使用頻度が高い前記Webブラウザを候補として抽出し、
当該ユーザが入力したURLから,当該URLのWebサイトにアクセスして,当該URLのそのコンテンツを読み出して含まれるスクリプトの量を算出して,スクリプトの種類と量に対応したWebブラウザの組み合わせ情報が予め格納されている第3のDBを検索して,Webブラウザの候補を抽出し、
ユーザが入力したURLから,Webサイトにアクセスして,そのコンテンツに含まれる画像や音声データへのリンク数を算出して,画像・音声データの種類とリンク数に対応したWebブラウザの組み合わせ情報が予め格納されている第3のDBを検索して,Webブラウザの候補を抽出することを特徴とした請求項1記載のWebブラウザ選択の方法。
【請求項4】
上記の前記Webブラウザ候補リストの表示内容に,候補となるWebブラウザの名称と,そのWebブラウザを推薦する理由と,そのWebブラウザのインストール状況を含むことを特徴とした請求項1記載のWebブラウザ選択方法。
【請求項5】
DBを格納する記憶装置を備えたWebブラウザ選択装置におけるWebブラウザ選択方法であって,
ユーザからが入力したURLの中からWebサイトに対応した専用Webブラウザを候補として抽出する手段と,
予め記憶された過去にその前記URLに接続したか否かを判定して,接続したことがある場合は、当該接続したWebブラウザを候補として抽出する手段と,
前記ユーザからが入力したURLから,前記入力したWebサイトにアクセスして,そのコンテンツに含まれるスクリプトやデータを抽出して、その処理に適した前記Webブラウザを候補として抽出する手段と,
前記抽出した上記のWebブラウザからWebブラウザ候補リストを生成して一覧表示する手段とを備えたことを特徴とするWebブラウザ自動選択方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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