説明

Webページ表示プログラム、Webページ表示方法、Webページ表示装置、及びWebページ表示システム

【課題】インターネットの新たな利用形態を提供するために表示対象とするWebページの高速な切り替えを可能とすること。
【解決手段】所定のWebページに含まれるWebページ表示プログラムであって、所定のWebページがダウンロードされたコンピュータに、URLの一覧を外部装置より取得し、取得されたURLの一覧に含まれる二以上のURLごとに当該URLに対応するWebページを表示させる表示部品を所定のWebページに対して生成し、表示部品ごとに、対応するURLからのWebページの取得及び取得されたWebページの描画をWebブラウザに実行させ、一部の表示部品を可視化させ、該一部以外の表示部品を不可視化させる初期化手順と、所定のWebページに対する表示対象の切り替え指示の入力に応じ、可視化されていた表示部品のうちの一部又は全部の表示部品を不可視化させ、不可視化されていた表示部品の少なくとも一部の表示部品を可視化させる切替手順とを実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Webページ表示プログラム、Webページ表示方法、Webページ表示装置、及びWebページ表示システムに関し、特にWebページをコンピュータに表示させるWebページ表示プログラム、Webページ表示方法、Webページ表示装置、及びWebページ表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一般的なインターネットの利用の仕方は次のようなものである。目的とするWebサイトが既知の場合、当該WebサイトのURL(Uniform Resource Locator)をWebブラウザに入力したり、又はブックマークの中から当該Webサイトのメニュー項目を選択したりすることで、当該WebサイトのWebページをWebブラウザに表示させる。
【0003】
又は、目的とするWebサイトが未知の場合、検索サイトにキーワードを入力することにより得られた検索結果の中から所望のものを選択することで、所望のWebサイトのWebページをWebブラウザに表示させる(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、Webブラウザに表示されたWebページに貼られたリンクから情報を辿ることもできる。
【0005】
このように、従来、インターネットを使うためには、ユーザの意識の中に目的の存在が必要不可欠であった。すなわち、URLの入力、ブックマークの選択、キーワードの入力、又はリンクの選択等の操作は、全てユーザの目的に基づく意思決定の結果であるといえる。そもそも、Webページは、何らかの入力があって初めて得られるものであることに鑑みれば、インターネットを利用するにあたって、目的の存在が必要とされるのは当然であるようにも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−48684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、視点を変えて見ると、目的の存在によってインターネット上でユーザが出会える情報の範囲は著しく狭めているとも考えられる。すなわち、インターネットの入り口において目的が前提とされると、ユーザがインターネットから得られる情報は、常に目的の範囲内、すなわち、インターネット上の膨大な情報の中のごく一部の範囲内に限定されてしまう。その結果、ユーザは、インターネットの価値を十分享受できていない状態になっている。
【0008】
そこで、本願発明者は、全く新しいインターネットの利用方法を検討している。具体的には、テレビやラジオのように、インターネット上のコンテンツを受動的に閲覧できる環境の実現である。例えば、テレビでは、目的もなく、なんとなくチャンネルを変えることで、面白い番組がないかを探すことができる。インターネットについても、そのような受動的な使い方を提供することができれば、ユーザが予期していない未知の情報との偶発的な出会いを創造することができ、インターネットをより身近なものとすることができる。そのためには、従来にない高速な操作性が重要な要素であると考えられる。具体的には、テレビのチャンネルを切り替えるように、表示対象とするWebページが高速に切り替えられる必要があると考えられる。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、インターネットの新たな利用形態を提供するために表示対象とするWebページの高速な切り替えを可能とすることのできるWebページ表示プログラム、Webページ表示方法、Webページ表示装置、及びWebページ表示システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで上記課題を解決するため、本発明は、所定のWebページに含まれるWebページ表示プログラムであって、前記所定のWebページがダウンロードされたコンピュータに、URLの一覧を外部装置より取得し、取得されたURLの一覧に含まれる二以上のURLごとに当該URLに対応するWebページを表示させる表示部品を前記所定のWebページに対して生成し、前記表示部品ごとに、対応するURLからのWebページの取得及び取得されたWebページの描画を前記Webブラウザに実行させ、一部の前記表示部品を可視化させ、該一部以外の前記表示部品を不可視化させる初期化手順と、前記所定のWebページに対する表示対象の切り替え指示の入力に応じ、可視化されていた前記表示部品のうちの一部又は全部の表示部品を不可視化させ、不可視化されていた前記表示部品の少なくとも一部の表示部品を可視化させる切替手順とを実行させる。
【0011】
このようなWebページ表示プログラムでは、インターネットの新たな利用形態を提供するために表示対象とするWebページの高速な切り替えを可能とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、インターネットの新たな利用形態を提供するために表示対象とするWebページの高速な切り替えを可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態におけるWebページ表示システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるユーザ端末のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるWebページ表示システムの機能構成例を示す図である。
【図4】Webブラウザへのメインページのダウンロード及びメインページの初期表示時の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図5】本実施の形態におけるメインページの構造を概念的に示す図である。
【図6】配信ページ情報DBの構成例を示す図である。
【図7】インラインフレームを不可視化する方法を説明するための図である。
【図8】次へボタンがクリックされた場合のメインページの振る舞いを説明するための図である。
【図9】次へボタンのクリックに応じて実行される処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】前へボタンがクリックされた場合のメインページの振る舞いを説明するための図である。
【図11】前へボタンのクリックに応じて実行される処理手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるWebページ表示システムの構成例を示す図である。同図において、Webページ表示システム1は、ユーザ端末10a、10b、及び10c等(以下、総称する場合「ユーザ端末10」という。)、並びに情報提供サーバ20等を含む。ユーザ端末10と情報提供サーバ20とは、LAN(Local Area Network)又はインターネット等のネットワークを介して接続されている。
【0015】
ユーザ端末10は、Webブラウザ11を備えたPC(Personal Computer)等のコンピュータである。Webブラウザ11を実装可能であれば、PC以外の電子機器をユーザ端末10として利用してもよい。
【0016】
情報提供サーバ20は、ユーザ端末10のユーザに、インターネットに対する新たな操作感を提供するためのWebページをユーザ端末10に提供するコンピュータである。すなわち、ユーザ端末10のWebブラウザ11が、情報提供サーバ20のWebサイトにアクセスすることより得られるWebページによって、ユーザは、新たな操作感によってインターネットを利用することが可能となる。本実施の形態において、新たな操作感とは、受動的であること、及び情報(Webページ)を高速に閲覧できることをいう。
【0017】
なお、本実施の形態において、ユーザ端末10は、Webページ表示装置の一例である。情報提供サーバ20は、外部装置の一例である。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態におけるユーザ端末のハードウェア構成例を示す図である。図2のユーザ端末10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100と、補助記憶装置102と、メモリ装置103と、CPU104と、インタフェース装置105と、表示装置106と、入力装置107とを有する。
【0019】
ユーザ端末10での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0020】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従ってユーザ端末10に係る機能を実現する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置106はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置107はキーボード及びマウス等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
【0021】
なお、情報提供サーバ20についても、図2に示されるハードウェア構成を有していればよい。但し、情報提供サーバ20には、表示装置106及び入力装置107は必ずしも必要ではない。
【0022】
図3は、本発明の実施の形態におけるWebページ表示システムの機能構成例を示す図である。
【0023】
同図において、情報提供サーバ20は、メインページ提供部21、配信ページ一覧提供部22、配信ページ情報DB23、及びメインページ500等を有する。メインページ提供部21、配信ページ一覧提供部22、及び配信ページ情報DB23は、情報提供サーバ20にインストールされたプログラムが情報提供サーバ20のCPUに実行させる処理によって実現される。
【0024】
メインページ提供部21は、ユーザ端末10からの要求に応じ、メインページ500をユーザ端末10に提供する。メインページ500は、インターネットに対する新たな操作感を提供するためのWebページであり、情報提供サーバ20の補助記憶装置に保存されている。
【0025】
配信ページ一覧提供部22は、ユーザ端末10からの要求に応じ、配信ページ情報DB23に登録されている配信ページ情報の一覧をユーザ端末10に提供する。一つの配信ページ情報には、一つの配信ページのURL(Uniform Resource Locator)等が含まれている。配信ページとは、「面白いもの」又は「流行っているもの」等、一般的にユーザの興味を引きそうであるという観点において予め選別されたWebページ(HTML(HyperText Markup Language)データ)である。配信ページ情報DB23は、情報提供サーバ20の補助記憶装置を用いて、配信ページ情報の一覧を記憶するデータベースである。なお、配信ページの選別及び配信ページ情報の配信ページ情報DB23への登録は、人手によって行われてもよいし、非図示の手段によって自動的に行われてもよい。
【0026】
配信ページの選別基準としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
(1)最新の出来事、事件、又は事故等に関連する内容を掲載している。
(2)世の中で注目されているキーワードに関連する内容を掲載している。
(3)多くのインターネットユーザからの支持を得ている。
(4)強い影響力を持つ人物又はWebサイト等が勧めている。
【0027】
(1)〜(4)のようなWebページを収集するためには、例えば、次のような情報を利用すればよい。
(a)ニュースサイトの最新ニュース
(b)所定のWebサイトで提供されている人気サイトのランキング情報
(c)所定の検索サイトにおける注目キーワード(入力件数が急上昇しているキーワード)
(d)共用のブックマークを提供しているWebサイトにおけるブックマーク数
以上(a)〜(d)等の情報を収集し、当該情報によって示されるWebページ、又は当該情報に基づいて検索することにより得られるWebページ等を配信ページとすればよい。
【0028】
但し、本実施の形態において、配信ページの選別基準及び収集方法等については、所定のものに限定されない。少なくとも相当数の配信ページに関する情報が配信ページ情報DB23に登録されている状態が構築されればよい。例えば、上記の選別基準等と無関係に、最近又は当日のニュース記事が記載されたWebページの集合を配信ページとしてもよい。
【0029】
一方、ユーザ端末10は、Webブラウザ11を有する。Webブラウザ11は、一般的に利用されているWebブラウザであり、本実施の形態のために特別な機能が実装されている必要はない。図3では、Webブラウザ11上にメインページ500がダウンロードされた状態が示されている。メインページ500がWebブラウザ11上にダウンロードされることにより、メインページ500に含まれている(メインページ500内に記述された)スクリプトプログラム12(例えば、JavaScript(登録商標))は、ユーザ端末10を、初期化部121及びページ切替部122等として機能させる。
【0030】
初期化部121は、メインページ500がWebブラウザ11にダウンロードされた際に、スクリプトプログラム12に関する初期化処理を実行する。初期化部121は、初期化処理の一環として、所定ページ数分の配信ページ情報を情報提供サーバ20より取得する。初期化部121は、また、取得された配信ページ情報に含まれているURLにアクセスして配信ページを取得し、取得された配信ページの描画(レンダリング)をWebブラウザ11に実行させる。但し、描画された配信ページのうち、可視化されるのは一つである。ページ切替部122は、描画された配信ページの中で、可視化する配信ページ(すなわち、表示対象とする配信ページ)を切り替える。
【0031】
以下、Webページ表示システム1の処理手順について説明する。図4は、Webブラウザへのメインページのダウンロード及びメインページの初期表示時の処理手順を説明するためのシーケンス図である。同図の初期状態において、Webブラウザ11にはメインページ500はダウンロードされていない。
【0032】
ユーザによって、メインページ500に対するURLがWebブラウザ11に入力されると、Webブラウザ11は、メインページ500の取得要求(HTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエスト)を当該URL宛、すなわち、情報提供サーバ20に送信する(S101)。情報提供サーバ20のメインページ提供部21は、メインページ500の取得要求に応じ、メインページ500を含むHTTPレスポンスをWebブラウザ11に返信する(S102)。
【0033】
Webブラウザ11は、メインページ500の受信に応じ、メインページ500を描画し、表示装置106に表示させる(S103)。
【0034】
図5は、本実施の形態におけるメインページの構造を概念的に示す図である。同図において、メインページ500は、操作パネル510、コンテンツエリア520、及び付加情報エリア530等を有する。
【0035】
コンテンツエリア520は、コンテンツ、すなわち、配信ページを表示する表示部品が配置される領域である。当該表示部品は、同時に複数存在し、順序付けられて管理される。本実施の形態では、斯かる表示部品としてインラインフレームを利用した例を説明する。現在のJavaScript(登録商標)、HTML、及びWebブラウザ11の仕様に鑑みて、インラインフレームを利用するのが好適だからである。但し、各技術の仕様の更新等に応じて、インラインフレーム以外の表示部品が利用されてもよい。
【0036】
インラインフレームは、HTMLにおいて<IFRAME>タグによって定義されるフレームであり、或るWebページ上において他のWebページを表示可能であるという特性を有する。本実施の形態において、各インラインフレーム(以下、単に、「フレーム」という。)には、後段の処理によってダウンロードされる配信ページが割り当て、描画される。すなわち、配信ページのダウンロード後のコンテンツエリア520は、それぞれ配信ページが描画された状態のフレームが複数配置された状態となる。但し、複数のフレームのそれぞれに配信ページが描画された状態では、コンテンツエリア520における表示状態に混乱が生じてしまう。そこで、本実施の形態では、斯かる混乱を回避するため、常に一つのフレームが可視化され、他のフレームについては不可視化されるように構成されている。
【0037】
より詳しくは、各フレームは、「現行」、「先読み」、「履歴」の3種類の状態を有する。現行状態は、現在可視化されている状態をいう。現行状態となれるフレームは常に一つである。したがって、複数のフレームのうち、いずれか一つのみが可視化され、コンテンツエリア520の全領域を占有する。メインページ500が最初に表示されるタイミングでは先頭のフレームが現行状態となる。
【0038】
先読み状態は、フレーム間の順序付け(以下、単に「表示順」という。)において現行状態のフレームより後に位置する状態をいう。履歴状態は、表示順において現行状態のフレームより前に位置する状態をいう。先読み状態又は履歴状態のフレームは可視化されない(不可視化される)。なお、現行状態のフレーム、先読み状態のフレーム、履歴状態のフレームを、それぞれ「現行フレーム」、「先読みフレーム」、「履歴フレーム」という。
【0039】
操作パネル510は、前へボタン511、次へボタン512、及びURL表示テキストボックス513等を含む。前へボタン511及び次へボタン512は、現行フレームの切り替えの指示を受け付けるためのボタンである。URL表示テキストボックス513には、現行フレームに割り当てられている配信ページ(すなわち、現在表示されている配信ページ)のURLが表示される。
【0040】
付加情報エリア530は、現行フレームに割り当てられている配信ページの付加情報を表示する領域である。
【0041】
なお、ステップS103の段階においては、フレームは作成されておらず、配信ページのダウンロードも実行されていない。したがって、ステップS103におけるメインページ500は、操作パネル510、空のコンテンツエリア520、及び空の付加情報エリア530が表示された状態である。
【0042】
メインページ500の表示に応じ、初期化部121は、スクリプトプログラム12が利用するパラメータの取得、及び操作パネル510に対する操作に対するイベントハンドラの設定を行う(S104)。パラメータとしては、先読みフレーム最大数及び履歴フレーム最大数等が取得される。先読みフレーム最大数は、先読みフレームとして保持するフレームの最大数である。履歴フレーム最大数は、履歴フレームとして保持するフレームの最大数である。なお、各パラメータは、例えば、メインフレームの不可視の(hiddenの)フォームに設定されている。したがって、初期化部121は、当該フォームより各パラメータを取得する。
【0043】
また、イベントハンドラの設定とは、スクリプトプログラム12に含まれている関数のうち、ユーザ端末10をページ切替部122として機能させるための関数を、前へボタン511及び次へボタン512がクリックされた際のイベントハンドラとして登録することをいう。
【0044】
続いて、初期化部121は、配信ページ情報の一覧の取得要求を情報提供サーバ20に送信する(S105)。当該取得要求にはパラメータとして、取得基準位置及び取得数が指定される。取得基準位置及び取得数によって、配信ページ情報DB23において順序付けられて登録されている配信ページ情報に対する取得範囲が特定される。すなわち、取得基準位置は、取得範囲の起点を示す。取得数は、該起点から順番に取得する配信ページ情報の数を示す。なお、メインページ500の表示時においては、取得基準位置には「1」が指定される。すなわち、配信ページ情報DB23の順序付けにおいて先頭である。また、本実施の形態では、取得数には「20」が指定されることとする。したがって、ステップS105では、先頭から20個分の配信ページ情報の取得が要求される。
【0045】
続いて、情報提供サーバ20の配信ページ一覧提供部22は、配信ページ情報の一覧の取得要求に指定された取得基準位置及び取得数に対応する配信ページ情報を配信ページ情報DB23より取得し、取得された配信ページ情報を初期化部121に返信する(S106)。
【0046】
図6は、配信ページ情報DBの構成例を示す図である。同図において、配信ページ情報DB23は、配信ページごとに、順番、URL、タイトル、及び付加情報等の配信ページ情報を管理している。順番は、配信ページの順番である。当該順番は、ユーザ端末10側においては配信ページの表示順として扱われる。URLは、配信ページのURLである。タイトルは、配信ページのタイトルである。付加情報は、配信ページに関する任意の付加情報である。
【0047】
ここでは、取得基準位置には「1」が指定され、取得数には「20」が指定されている。したがって、順番が1〜20のレコードに記録されている配信ページ情報の一覧が初期化部121に返信される。初期化部121は、受信された配信ページ情報の一覧をメモリ装置103に記録しておく。以下、メモリ装置103に記録された配信ページ情報の一覧を「取得済みリスト」という。
【0048】
続いて、初期化部121は、(先読みフレーム最大数+1)個分のフレームをそれぞれコンテンツエリア520のサイズで生成する(S107)。ここで、+1は、現行フレームの分である。例えば、先読みフレーム最大数が「2」であるとすると、3個のフレームが生成される。初期化部121は、各フレームに対し、それぞれに割り当てられる配信ページの順番を付与する。例えば、3個のフレームが生成された場合、1〜3の順番が各フレームに付与される。各フレームに付与された順番は、フレーム間の表示順として利用される。また、初期化部121は、順番が最も若い(すなわち、先頭の)フレームを可視化し、それ以外のフレームを不可視化しておく。すなわち、先頭のフレームが現行状態とされ、それ以外のフレームは先読み状態とされる。なお、現行状態のフレームの順番を示す値を、以下「現行位置」という。初期状態において、現行位置は「1」である。
【0049】
図7は、フレームを不可視化する方法を説明するための図である。スクリプトプログラム12が、JavaScript(登録商標)である場合、フレームの位置は、ピクセル値又はパーセンテージのいずれかによって指定される。同図では、パーセンテージによって位置が指定される例が示されている。
【0050】
パーセンテージによって位置が指定される場合、Webブラウザ11のウィンドウの幅(実質的にメインページ500の幅)は、100%とされる。同図では、メインページ500の幅はXピクセルである例が示されている。したがって、Xピクセルが100%される。そこで、本実施の形態において、初期化部121は、生成したフレームの左位置の初期値を−150%とする。−150%の位置は、図7に示される通りである。すなわち、メインページ500の左位置から(X+X/2)ピクセル分左にずれた位置である。その結果、フレームの領域は、メインページ500の表示領域と全く重ならない状態となる。したがって、フレームは、表示されない状態、すなわち、不可視化されるのである。
【0051】
なお、図7より明らかなように、左位置の絶対値は、−150%より小さい値であってもよい。例えば、−110%でもよい。また、図7では、便宜上、フレームの上下方向の位置は、コンテンツエリア520の位置に一致しているが、左位置が十分ずれていれば、上下方向の位置はどのようなものであってもよい。更に、本実施の形態では、フレームを左方向にずらす例について説明したが、メインページ500と重ならない限り、右方向又は上下方向のいずれの方向にずらしてもよい。
【0052】
一方、不可視化の対象とされないフレーム、すなわち、先頭のフレームの配置位置は、当該フレームの全領域がコンテンツエリア520と重なる位置とされる。但し、当初は、全てのフレームを不可視化しておき、フレームに配信ページが描画された後、先頭のフレームのみを可視化するようにしてもよい。
【0053】
続いて、初期化部121は、取得済みリストに含まれている配信ページ情報のうち、順番の最も若い(すなわち、先頭の)配信ページ情報に含まれているタイトルをメインページ500のタイトルとし、URLをURL表示テキストボックス513に表示させ、付加情報を、付加情報エリア530に表示させる(S108)。
【0054】
続いて、初期化部121は、各フレームに対して、取得済みリストに含まれている配信ページ情報の中で当該フレームと一致する順番を有する配信ページ情報のURLを設定する(S109)。すなわち、フレームの順番の若いものから順に、配信ページ情報の順番の若い者から順のURLが設定される。なお、スクリプトプログラム12内において、フレームはオブジェクトとして扱われる。したがって、ステップS109においては、各フレームのオブジェクトの所定のプロパティに対してURLが設定される。
【0055】
フレームに対するURLの設定に応じ、Webブラウザ11は、通常のHTTP通信によって、フレームに設定されたURLに係るWebサイトより配信ページを取得(ダウンロード)する(S110、S111)。続いて、Webブラウザ11は、取得された配信ページをフレームに描画する(S112)。ステップS110〜S112は、URLが設定された各フレームについてバックグラウンドで実行される。但し、可視化されているフレームは先頭のフレームだけである。したがって、表示される配信ページは、先頭のフレームに対して描画されたものだけである。なお、バックグラウンドで実行されるとは、初期化部121の処理とは非同期に実行されることをいう。
【0056】
以上で、メインページ500の初期表示に関する処理は完了し、Webブラウザ11はユーザからの入力待ち状態となる。すなわち、メインページ500のコンテンツエリア520には、先頭の配信ページが表示され、付加情報エリア530には、先頭の配信ページに関する付加情報エリア530が表示された状態となっている。
【0057】
この状態において、ユーザによって次へボタン512がクリックされた場合のメインページ500の振る舞いについて説明する。図8は、次へボタンがクリックされた場合のメインページの振る舞いを説明するための図である。
【0058】
同図において、(A)では、n+3番目のフレームが現行フレームである場合が示されている。この場合、現行フレームより前の二つのフレームは履歴フレームに該当し、現行フレームより後の二つのフレームは先読みフレームに該当する。この状態で次へボタン512がクリックされると、各フレームは、(B)に示される状態に移行する。すなわち、現行フレームは、履歴フレームへ移行する。また、現行フレームの直後(n+4番目)の先読みフレームが現行フレームへと移行する。この際、新たな現行フレームには既に配信ページが描画されているため、新たな配信ページが一瞬でコンテンツエリア520に表示されたかのような感覚をユーザに与えることができる。また、先読み状態のフレーム数が先読みフレーム最大数を下回ると、新たに先読みフレームが不可視状態で生成され、当該先読みフレームに対して新たな配信ページが描画される。同図では、n+6番目のフレームが先読みフレームとして生成されている。更に、履歴状態のフレーム数が履歴フレーム最大数を上回ると、先頭の履歴フレームが破棄される。ここで、破棄とは、フレームのオブジェクトが破棄されることをいう。フレームを破棄するのは、メモリの消費量を抑制するためのである。同図では、n+1番目の履歴フレームが破棄されている。なお、図8では、先読みフレーム最大数及び履歴フレーム最大数が「2」である場合の例が示されている。
【0059】
以上のような振る舞いは、ページ切替部122が実行する図9に示される処理手順によって実現される。図9は、次へボタンのクリックに応じて実行される処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0060】
次へボタン512のクリックに応じ、ページ切替部122は、現行フレームを不可視化する(S201)。続いて、ページ切替部122は、現行フレームの次の先読みフレームを可視化する(S202)。以上によって、現行フレームは履歴フレームとなり、現行フレームの次のフレームが新たな現行フレームとなる。その結果、新たな現行フレームが一瞬でコンテンツエリア520に表示される。
【0061】
続いて、ページ切替部122は、取得済みリストにおいて、新たな現行フレームの順番を有する配信ページ情報に含まれているタイトルをメインページ500のタイトルとし、URLをURL表示テキストボックス513に表示させ、付加情報を、付加情報エリア530に表示させる(S203)。メインページ500のタイトル、URL表示テキストボックス513、及び付加情報が現行フレームの配信ページに関するものに更新されることにより、ユーザは、現在表示されている配信ページの属性情報を容易に確認することができる。
【0062】
続いて、ページ切替部122は、取得済みリストにおいて、現行位置に対応する配信ページ情報から末尾の配信ページ情報までの要素数が取得数未満であるか否かを判定する(S204)。取得数とは、図4のステップS105の配信ページ情報の一覧の取得要求の際に指定された取得数であり、本実施の形態では「20」である。
【0063】
ステップS204の判定結果が肯定的な場合(S204でYes)、ページ切替部122は、取得済みリストの末尾に続く配信ページ情報の一覧を、図4のステップS105及びS106と同様の処理手順によって情報提供サーバ20より取得する(S205)。具体的には、取得済みリストの末尾の配信ページ情報の順番に1を加算した値が取得基準位置とされ、取得数として「20」が指定されて配信ページ情報の一覧の取得要求が情報提供サーバ20に送信され、当該取得要求に応じて返信される配信ページ情報の一覧がページ切替部122によって受信される。ページ切替部122は、新たに取得された配信ページ情報の一覧を、取得済みリストの最後尾に続けて追加する。なお、メインページ500の表示時において、配信ページ情報DB23に登録されている全ての配信ページ情報が取得されるようにすることも理論上は可能である。しかし、配信ページ情報のエントリ数が膨大である場合、一度に膨大な配信ページ情報をネットワークを介して取得するのは、処理負荷を高めてしまい、メインページ500が操作可能となる状態を遅延させてしなう可能性が高まる。したがって、本実施の形態のように、配信ページ情報は、徐々に取得されるようにするのが好ましい。
【0064】
ステップS204の判定結果が否定的な場合(S204でNo)、ステップS205は実行されない。
【0065】
続いて、ページ切替部122は、ステップS202実行後の先読みフレーム数はについて、先読みフレーム最大数未満であるか否かを判定する(S206)。ステップS206の判定が肯定的な場合(S206でYes)、ページ切替部122は、新たに一つのフレームを不可視化した状態で生成する(S207)。ページ切替部122は、生成されたフレームに、最後尾の先読みフレームの次の順番(図8におけるn+6)を付与する。これによって、生成されたフレームは、フレーム間の順番において最後尾の先読みフレームとなる。続いて、ページ切替部122は、生成された先読みフレームに対して、取得済みリストに含まれている配信ページ情報の中で当該先読みフレームの順番と一致する順番を有する配信ページ情報のURLを設定する(S208)。当該先読みフレームに対するURLの設定に応じ、Webブラウザ11は、通常のHTTP通信によって、当該先読みフレームに設定されたURLに係るWebサイトより配信ページを取得(ダウンロード)し、取得された配信ページを当該先読みフレームに描画する。但し、当該先読みフレームは不可視化されているため、当該配信ページはコンテンツエリア520には表示されない。
【0066】
ステップS207及びS208は、先読みフレーム数が先読みフレーム最大数に到達されるまで繰り返し実行される(S206)。なお、多数のフレームが一度に(短期間で)生成されるとCPU104等のリソースが不足する可能性がある。したがって、ステップS207及びS208のループは、1秒程度のインターバルを置きながら繰り返すようにするとよい。
【0067】
当初より先読みフレーム数が先読みフレーム最大数以上である場合、又はステップS207及びS208の実行により、先読みフレーム数が先読みフレーム最大数に到達すると(S206でNo)、ページ切替部122は、履歴フレーム数は、履歴フレーム最大数を超えているか否かを判定する(S209)。ステップS209の判定が否定的な場合、ページ切替部122は、図9の処理を終了させる。ステップS209の判定が肯定的な場合(S209でYes)、ページ切替部122は、履歴フレーム数が履歴フレーム最大数となるまで履歴フレームを先頭から順に破棄した後(S210)、図9の処理を終了させる。但し、破棄された履歴フレームに対応する配信ページの配信ページ情報についてはは、取得済みリストから削除されない。後述されるように、前へボタン511がクリックされた際に利用されるからである。
【0068】
なお、人の感覚に対して、図9の処理は極めて高速に実行される。この高速性は、ステップS208が実行され、新たな先読みフレームに対する配信ページのダウンロード及び描画が実行される場合であっても維持される。当該ダウンロード及び描画は、Webブラウザ11によって図9の処理のバックグラウンドで(すなわち、図9の処理とは非同期に)実行されるからである。ステップS207及びS208のループ間のインターバルについてもバックグラウンドで実現することができる。例えば、スクリプトプログラム12としてJavaScript(登録商標)を利用している場合、JavaScript(登録商標)の標準関数であるsetIntervalの第一引数に、ステップS207及びS208を実行する関数を指定しておけば、所定間隔(例えば、1秒程度)でステップS207及びS208をバックグランドで繰り返し実行させることができる。
【0069】
したがって、ユーザは、次へボタン512を連続的にクリックすることができる。そして、次に表示される配信ページは、既に次の先読みフレームに描画されている。その結果、コンテンツエリア520において表示対象となる配信ページが次々と高速に変化する操作感をユーザに与えることができる。
【0070】
続いて、ユーザによって前へボタン511がクリックされた場合のメインページ500の振る舞いについて説明する。図10は、前へボタンがクリックされた場合のメインページの振る舞いを説明するための図である。
【0071】
同図において、(A)では、n+3番目のフレームが現行フレームである場合が示されている。この場合、現行フレームより前の二つのフレームは履歴フレームに該当し、現行フレームより後の二つのフレームは先読みフレームに該当する。この状態で前へボタン511がクリックされると、各フレームは、(B)に示される状態に移行する。すなわち、現行フレームは、先読みフレームへ移行する。また、現行フレームの直前(n+2番目)の履歴フレームが現行フレームへと移行する。この際、新たな現行フレームには既に配信ページが描画されているため、ユーザにとっては前の配信ページが一瞬でコンテンツエリア520に表示されたかのような感覚を与えることができる。
【0072】
以上のような振る舞いは、ページ切替部122が実行する図11に示される処理手順によって実現される。図11は、前へボタンのクリックに応じて実行される処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0073】
前へボタン511のクリックに応じ、ページ切替部122は、現行フレームに付与されている順番が「1」であるか否か、すなわち、現行フレームに描画されている配信ページの順番が「1」であるか否かを判定する(S301)。現行フレームの順番が「1」である場合(S301でYes)、現行フレームの配信ページより前の配信ページは存在しないため、ページ切替部122は、図11の処理を終了させる。なお、順番が「1」であるフレームが現行フレームとなったときに、前へボタン511をグレーアウト(操作不能)とするようにしてもよい。その場合、ステップS301のチェックは不要である。
【0074】
現行フレームの順番が「1」でない場合(S301でNo)、ページ切替部122は、履歴フレームの有無を判定する(S302)。具体的には、現行フレームより若い順番が付与されているフレームの有無が判定される。履歴フレームが存在する場合(S302でYes)、ページ切替部122は、現行フレームを不可視化する(S303)。続いて、ページ切替部122は、現行フレームの直前の履歴フレームを可視化する(S304)。以上によって、現行フレームは先読みフレームとなり、現行フレームの直前の履歴フレームが新たな現行フレームとなる。その結果、新たな現行フレームが一瞬でコンテンツエリア520に表示される。
【0075】
続いて、ページ切替部122は、取得済みリストにおいて、新たな現行フレームの順番を有する配信ページ情報に含まれているタイトルをメインページ500のタイトルとし、URLをURL表示テキストボックス513に表示させ、付加情報を、付加情報エリア530に表示させる(S305)。
【0076】
一方、履歴フレームが無い場合(S302でNo)、ページ切替部122は、新たに一つのフレームを不可視化した状態で生成する(S306)。ページ切替部122は、生成されたフレームに、現行フレームの前の順番を付与する。これによって、生成されたフレームは、フレーム間の順番において先頭の履歴フレームとなる。続いて、ページ切替部122は、生成された履歴フレームに対して、取得済みリストに含まれている配信ページ情報の中で当該履歴フレームの順番と一致する順番を有する配信ページ情報のURLを設定する(S307)。当該先読みフレームに対するURLの設定に応じ、Webブラウザ11は、通常のHTTP通信によって、当該履歴フレームに設定されたURLに係るWebサイトより配信ページを取得(ダウンロード)し、取得された配信ページを当該先読みフレームに描画する。但し、当該先読みフレームは不可視化されているため、当該配信ページはコンテンツエリア520には表示されない。また、当該ダウンロード及び描画は、バックグラウンドで実行される。
【0077】
続いて、ページ切替部122は、先読みフレーム数は、先読みフレーム最大数を超えているか否かを判定する(S308)。ステップS308の判定が肯定的な場合(S308でYes)、ページ切替部122は、先読みフレーム数が先読みフレーム最大数となるまで先読みフレームを最後尾から順に破棄する(S309)。
【0078】
ステップS308の判定が否定的な場合(S308でNo)、又は先読みフレームの破棄の完了に続いて、ページ切替部122は、上述したステップS303〜S305を実行する。その結果、ステップS306において生成された履歴フレームが現行フレームとなり、新たな現行フレームに対して描画されている配信ページがコンテンツエリア520に表示される。
【0079】
なお、図11より明らかなように、本実施の形態において、前へボタン511がクリックされた場合、履歴フレームの生成と、最後尾の先読みフレームの破棄とは毎回実行されるわけではない。すなわち、前へボタン511が連続してクリックされ、これ以上履歴フレームが無くなったタイミングで履歴フレームの再生成等が実行される。その結果、履歴ページが有る場合の処理が単純化されている。これは、メインページ500の利用形態として、前へボタン511が連続してクリックされる可能性は低いことを考慮したものである。
【0080】
なお、図9又は図11では、新たな先読みフレーム又は履歴フレームの必要に応じて、当該フレームが生成され、他のフレームが破棄される例を説明した。但し、既存のフレームを使い回すようにしてもよい。すなわち、本実施の形態において破棄されるべきフレームが、生成されるべきフレームとして再利用されてもよい。このように、新たに必要となるフレームの確保は、新規生成によって行われてもよいし、既存のフレームの再利用によって行われてもよい。
【0081】
また、履歴フレーム数のチェック(図9のS209)又は先読みフレーム数のチェック(図11のS308)は、次へボタン512又は前へボタン511がクリックされるたびではなく、複数回のクリックに対して一回行われるようにしてもよい。
【0082】
また、上記では、1ページずつ順番に表示対象を変更する例について説明したが、特定ページへのジャンプを可能としてもよい。この場合、操作パネル510に所定個数の配信ページに対応したボタンを順番に並べて表示させるとよい。ボタンを表示させる配信ページの範囲は、履歴フレーム、現行フレーム、又は先読みフレームのいずれかにに描画されている配信ページに限定してもよいし、フレームに描画されている範囲に対して配信ページの順番の前後方向に更に拡張させてもよい。各ボタンと配信ページとの対応関係を視認し易くするために、各ボタンには、対応する配信ページのタイトル及びサムネイル画像の少なくともいずれか一方を表示させるとよい。サムネイル画像は、情報提供サーバ20側で事前に生成しておき、配信ページ情報の一部として含めておけばよい。
【0083】
いずれかのボタンがクリックされた場合、当該ボタンが現行フレームに描画されている配信ページ(現行ページ)より後の配信ページに係るものであれば、ページ切替部122は、図9において説明した処理を実行する。但し、ステップS202で可視化されるのは(すなわち、新たに現行フレームとされるとのは)、選択されたボタンに対応する配信ページが描画されているフレームである。
【0084】
一方、クリックされたボタンが現行ページより前の配信ページに係るものであれば、ページ切替部122は、図11において説明した処理を実行する。但し、ステップS304で可視化されるのは、選択されたボタンに対応する配信ページが描画されているフレームである。
【0085】
なお、既に閲覧された配信ページに対応するサムネイル画像をカラー表示し、まだ閲覧されていない配信ページに対応するサムネイル画像をグレー表示(白黒表示)するようにしてもよい。
【0086】
ところで、メインページ500がWebブラウザ11に表示され、最初に現行フレームに配信ページが表示された直後(ステップS112の直後)は、他の先読みフレームへの配信ページへのダウンロード及び描画は完了していない可能性が有る。したがって、この状態で、ユーザが次へボタン512をクリックしても、メインページ500が目的とする高速なページ切り替えを実現することは困難である。そこで、次のような工夫を行ってもよい。
【0087】
通常、Webブラウザ11が同時にオープンできる接続数(ソケット数)には上限が設定されている。そのため、多くの配信ページを同時にダウンロードしようとすると、1ページ当たりのダウンロードに利用できる接続数が少なくなってしまう。これを避けるため、メインページ500の表示直後は、生成するフレーム数を通常時に比べて減らすことで、配信ページのダウンロードがより高速に完了するようにする。具体的には、最終的に生成されるフレームの最大数(先読みフレーム最大数+履歴フレーム最大数+1)より少ない所定数のフレームをステップS107において生成する。その後、例えば、ユーザの操作に応じて徐々にフレーム数を増加させる。そうすることにより、ユーザに与える違和感を軽減させることができる。本実施の形態も、そのような方法が採用されている。すなわち、最初は、(先読みフレーム最大数+1)個分のフレームが生成される。その後、次へボタン512のクリックに応じて先読みフレーム数が先読みフレーム最大数を下回ると(S206でYes)、先読みフレームが追加されるようにされている(S208)。
【0088】
また、メインページ500の表示直後は、相対的に高速に描画される可能性の高い配信ページを優先的にダウンロードするようにしてもよい。これは、情報提供サーバ20が、初回の配信ページ情報の一覧の取得要求に対して、斯かる配信ページに対応する配信ページ情報の一覧を返信することにより実現される。例えば、配信ページ情報DB23の最初から所定数分のレコードは、斯かる配信ページに対応する配信ページ情報を登録しておけばよい。
【0089】
描画に時間のかからない配信ページは、HTMLソースのサイズや、HTMLソースに埋め込まれている画像、CSS(Cascading Style Sheets)、又はJavaScript(登録商標)等の外部オブジェクトの数やサイズ等に基づいて判定すればよい。又は、事前に情報提供サーバ20において、配信ページの描画速度を計測し、その計測時間に基づいて判断してもよい。
【0090】
また、本実施の形態では、フレームの不可視化に関して、フレームの配置位置をずらす例を説明した。但し、フレームの不可視化の方法は、これだけに限定されない。例えば、フレーム(フレームのオブジェクト)のプロパティを次のいずれかのように操作することによって、フレームの不可視化を実現してもよい。
(1)visibilityプロパティに”hidden”を設定する(可視化する場合は”visible”を設定する。)。
(2)displayプロパティに”none”を設定する(可視化する場合は”block”を設定する)。
(3)透明度を指定するためのopacityプロパティに0を設定する(可視化する場合は100を設定する)。
(4)表示サイズを指定するためのwidth、heightプロパティにそれぞれ0を設定する(可視化する場合は本来の値を設定する)。
(5)重なり順序を指定するためのz−indexプロパティを、現行フレームの値が最大になるようにする。
【0091】
なお、本実施の形態において採用した配置位置をずらす方法は、以上(1)〜(5)に示した方法との比較において、切り替え速度、Webブラウザ間の互換性、挙動の安定性等の観点において最もバランスが良いといった優位性が認められる。但し、今後のWebブラウザの実装の変化に応じて、他の方法又は新たな仕様に基づくプロパティの操作によって不可視化が実現されてもよい。
【0092】
また、本実施の形態では、コンテンツエリア520は常に一つのフレームによって占有される例を説明した。しかし、コンテンツエリア520に2以上のフレームを並べて(重畳しないように)配置し、同時に複数の配信ページの閲覧を可能としてもよい。すなわち、コンテンツエリア520が複数のフレームによって分割されるようにしてもよい。この場合、次へボタン512又は前へボタン511のクリックに応じた振る舞いは、可視化対象とするフレームを一つずらしてもよいし、可視化対象とするフレームを全て入れ換えてもよい。
【0093】
上述したように、本実施の形態におけるメインページ500によれば、ユーザにキーワード等の入力を行わせることなく、配信ページ情報DB23に登録されている配信ページを閲覧させることができる。したがって、ユーザの目的等に依存しないWebページをユーザに閲覧させることができ、ユーザに受動的にインターネットを利用させることができる。その結果、ユーザが予期していない未知の情報との偶発的な出会いを創造することができる。
【0094】
但し、配信ページ情報DB23に登録されているWebページが単に順番に表示されるだけでは、実用性に乏しい。ここでいう実用性とは、ユーザに便利なものとして認められ、多数のユーザを獲得すること、多数のユーザの間に普及することをいう。例えば、従来、よく見受けられる検索サイトの検索結果のように、メインページ500に配信ページへのリンクの一覧が表示されるだけでは、ユーザに対して受動的であることを実感させる操作感を提供することはできない。結局、ユーザは、リンクの一覧の中からいずれを閲覧するかについて、意思決定をする必要が有るからである。
【0095】
そこで、本実施の形態のメインページ500は、所定数の配信ページのダウンロード及び描画を予めWebブラウザ11に実行させ、表示対象とされていないものであっても描画された状態で保持しておく。したがって、ユーザの操作(次へボタン512又は前へボタン511に対する操作等)に応じて、極めて高速にページ切り替えを実現することができる。この高速性によって、ユーザは、あたかもテレビのチャンネルを切り替えるような感覚で、配信ページを次々とザッピングすることができ、おもしろそうなもの、又は流行っているもの等を高速に(ユーザの思考速度に適応した速度で)確認することができる。すなわち、高速にページが切り替えられることによって、特に目的は無い状況においてなんとなくぱらぱらと配信ページを閲覧できる環境をユーザに提供することができる。その結果、メインページ500の実用性の確保の可能性を著しく向上させることができる。
【0096】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0097】
1 Webページ表示システム
10 ユーザ端末
11 Webブラウザ
12 スクリプトプログラム
20 情報提供サーバ
21 メインページ提供部
22 配信ページ一覧提供部
23 配信ページ情報DB
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
106 表示装置
107 入力装置
121 初期化部
122 ページ切替部
500 メインページ
B バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のWebページに含まれるWebページ表示プログラムであって、
前記所定のWebページがダウンロードされたコンピュータに、
URLの一覧を外部装置より取得し、取得されたURLの一覧に含まれる二以上のURLごとに当該URLに対応するWebページを表示させる表示部品を前記所定のWebページに対して生成し、前記表示部品ごとに、対応するURLからのWebページの取得及び取得されたWebページの描画を前記Webブラウザに実行させ、一部の前記表示部品を可視化させ、該一部以外の前記表示部品を不可視化させる初期化手順と、
前記所定のWebページに対する表示対象の切り替え指示の入力に応じ、可視化されていた前記表示部品のうちの一部又は全部の表示部品を不可視化させ、不可視化されていた前記表示部品の少なくとも一部の表示部品を可視化させる切替手順とを実行させるWebページ表示プログラム。
【請求項2】
前記表示部品のそれぞれには表示順が付与され、
前記切替手順は、前記切替指示の入力に応じ、前記表示順に基づいて可視化させる前記表示部品を判定する請求項1記載のWebページ表示プログラム。
【請求項3】
前記切替手順は、前記表示部品の可視化又は不可視化に応じ、前記取得されたURLの一覧のうち、Webページが取得されていないURLの少なくとも一つのURLに対応する前記表示部品を確保し、該表示部品に対応するURLからのWebページの取得及び取得されたWebページの描画を前記Webブラウザに実行させる請求項1又は2記載のWebページ表示プログラム。
【請求項4】
前記初期化手順は、前記外部装置が記憶しているURLの一覧のうちの一部を取得し、
前記切替手順は、前記表示部品の可視化又は不可視化に応じ、前記一部以外のURLの一覧を前記外部装置より取得する請求項1乃至3いずれか一項記載のWebページ表示プログラム。
【請求項5】
前記初期化手順は、前記切替手順において取得されるWebページに対して相対的に高速に描画される可能性の高いWebページのURLの一覧を前記外部装置より取得する請求項4記載のWebページ表示プログラム。
【請求項6】
前記表示部品は、当該表示部品の領域が前記メインページの領域外に配置されることにより不可視化され、当該表示部品の領域が前記メインページの領域内に配置されることにより可視化される請求項1乃至5いずれか一項記載のWebページ表示プログラム。
【請求項7】
Webブラウザを有するコンピュータが実行するWebページ表示方法であって、
前記Webブラウザが所定のWebページを取得する取得手順と、
URLの一覧を外部装置より取得し、取得されたURLの一覧に含まれる二以上のURLごとに当該URLに対応するWebページを表示させる表示部品を前記所定のWebページに対して生成し、前記表示部品ごとに、対応するURLからのWebページの取得及び取得されたWebページの描画を前記Webブラウザに実行させ、一部の前記表示部品を可視化させ、該一部以外の前記表示部品を不可視化させる初期化手順と、
前記所定のWebページに対する表示対象の切り替え指示の入力に応じ、可視化されていた前記表示部品のうちの一部又は全部の表示部品を不可視化させ、不可視化されていた前記表示部品の少なくとも一部の表示部品を可視化させる切替手順とを有するWebページ表示方法。
【請求項8】
前記表示部品のそれぞれには表示順が付与され、
前記切替手順は、前記切替指示の入力に応じ、前記表示順に基づいて可視化させる前記表示部品を判定する請求項7記載のWebページ表示方法。
【請求項9】
前記切替手順は、前記表示部品の可視化又は不可視化に応じ、前記取得されたURLの一覧のうち、Webページが取得されていないURLの少なくとも一つのURLに対応する前記表示部品を確保し、該表示部品に対応するURLからのWebページの取得及び取得されたWebページの描画を前記Webブラウザに実行させる請求項7又は8記載のWebページ表示方法。
【請求項10】
前記初期化手順は、前記外部装置が記憶しているURLの一覧のうちの一部を取得し、
前記切替手順は、前記表示部品の可視化又は不可視化に応じ、前記一部以外のURLの一覧を前記外部装置より取得する請求項7乃至9いずれか一項記載のWebページ表示方法。
【請求項11】
前記初期化手順は、前記切替手順において取得されるWebページに対して相対的に高速に描画される可能性の高いWebページのURLの一覧を前記外部装置より取得する請求項10記載のWebページ表示方法。
【請求項12】
前記表示部品は、当該表示部品の領域が前記メインページの領域外に配置されることにより不可視化され、当該表示部品の領域が前記メインページの領域内に配置されることにより可視化される請求項7乃至11いずれか一項記載のWebページ表示方法。
【請求項13】
所定のWebページを取得し、表示させるWebページ表示手段と、
URLの一覧を外部装置より取得し、取得されたURLの一覧に含まれる二以上のURLごとに当該URLに対応するWebページを表示させる表示部品を前記所定のWebページに対して生成し、前記表示部品ごとに、対応するURLからのWebページの取得及び取得されたWebページの描画を前記Webブラウザに実行させ、一部の前記表示部品を可視化させ、該一部以外の前記表示部品を不可視化させる初期化手段と、
前記所定のWebページに対する表示対象の切り替え指示の入力に応じ、可視化されていた前記表示部品のうちの一部又は全部の表示部品を不可視化させ、不可視化されていた前記表示部品の少なくとも一部の表示部品を可視化させる切替手段とを有するWebページ表示装置。
【請求項14】
前記表示部品のそれぞれには表示順が付与され、
前記切替手段は、前記切替指示の入力に応じ、前記表示順に基づいて可視化させる前記表示部品を判定する請求項13記載のWebページ表示装置。
【請求項15】
前記切替手段は、前記表示部品の可視化又は不可視化に応じ、前記取得されたURLの一覧のうち、Webページが取得されていないURLの少なくとも一つのURLに対応する前記表示部品を確保し、該表示部品に対応するURLからのWebページの取得及び取得されたWebページの描画を前記Webブラウザに実行させる請求項13又は14記載のWebページ表示装置。
【請求項16】
前記初期化手段は、前記外部装置が記憶しているURLの一覧のうちの一部を取得し、
前記切替手段は、前記表示部品の可視化又は不可視化に応じ、前記一部以外のURLの一覧を前記外部装置より取得する請求項13乃至15いずれか一項記載のWebページ表示装置。
【請求項17】
前記初期化手段は、前記切替手段において取得されるWebページに対して相対的に高速に描画される可能性の高いWebページのURLの一覧を前記外部装置より取得する請求項16記載のWebページ表示装置。
【請求項18】
前記表示部品は、当該表示部品の領域が前記メインページの領域外に配置されることにより不可視化され、当該表示部品の領域が前記メインページの領域内に配置されることにより可視化される請求項13乃至17いずれか一項記載のWebページ表示装置。
【請求項19】
Webページ表示装置と外部装置とを有するWebページ表示システムであって、
前記Webページ表示装置は、
所定のWebページを取得し、表示させるWebページ表示手段と、
URLの一覧を外部装置より取得し、取得されたURLの一覧に含まれる二以上のURLごとに当該URLに対応するWebページを表示させる表示部品を前記所定のWebページに対して生成し、前記表示部品ごとに、対応するURLからのWebページの取得及び取得されたWebページの描画を前記Webブラウザに実行させ、一部の前記表示部品を可視化させ、該一部以外の前記表示部品を不可視化させる初期化手段と、
前記所定のWebページに対する表示対象の切り替え指示の入力に応じ、可視化されていた前記表示部品のうちの一部又は全部の表示部品を不可視化させ、不可視化されていた前記表示部品の少なくとも一部の表示部品を可視化させる切替手段とを有するWebページ表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−96201(P2011−96201A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252353(P2009−252353)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(000151092)株式会社電通 (57)
【Fターム(参考)】