説明

くじ付カートン

【課題】くじを楽しみながら中身の菓子類を食することができるカートンを提供する。
【解決手段】トップオープンタイプカートンの側面板に小フラップ(26a〜26j)を設け、副側面板におけるそれら小フラップに対応する領域にくじ絵柄(27a〜27j)を設け、取り出し用フラップ24の裏面に、くじの意味内容を表示する意味表示部を設ける。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、くじ付カートンに関する。
【0002】
本考案は、くじを楽しみながら菓子を食することができるカートンを提供することを目的とする。
【0003】
本考案に係るカートンは、それぞれ平行な折り目を介して連設されたそれぞれ実質的に矩形の前面板、上面板、後面板、底面板および副前面板を有し、該上面板の左右両端に左側面板、右側面板を連設し、該底面板の左右両端に副左側面板および副右側面板を連設し、カートンの中身を取り出すための取り出し用フラップを該上面板から該前面板にわたり切開線により設け、該前面板、該左側面板および該右側面板により構成されるカートン側面領域に切開線により複数の小フラップを設け、該副前面板、該副右側面板および該副左側面板により構成されるカートン副側面領域の該複数の小フラップにそれぞれ対応する部位にくじを表示するくじ絵柄を設け、該上面板の裏面に該くじの絵柄とカートンの中身との関係を表示する意味表示部を設け、該前面板を該副前面板を覆うように該副前面板と、該左側面板を該副左側面板を覆うように該副左側面板と、該右側面板を該副右側面板を覆うように該副右側面板とそれぞれ貼着したことを特徴とするくじ付カートンである。
【0004】
本考案において、取り出し用フラップを前面板に位置して先端に差込片を規定するように設け、この差込片を受ける切込を該副前面板に設けることが好ましい。
【0005】
本考案において、通常、くじ絵柄は、異なる絵柄である。
【0006】
本考案において、小フラップは、切り離し可能に設けることもできる。
【0007】
本考案において、意味表示部を取り出し用フラップの裏面領域に設けることが好ましい。
【0008】
また、本考案において、小フラップの表面にカートンの中身に対応する中身絵柄を設けることができる。
【0009】
さらに、本考案において、前面板と副前面板、右側面板と副右側面板、および左側面板と副左側面板とが、それぞれ、所定の貼着領域において貼着され、くじ絵柄が、これら貼着領域以外の領域に設けられていることも好ましい。
【0010】
さらにまた、本考案において、通常、前面板と副前面板と後面板とが実質的に同じ大きさを有し、上面板と底面板とが実質的に同じ大きさを有する。
【0011】
さらに、本考案において、上面板裏面において、意味表示部の近傍にくじについての遊び方を表示する遊び方表示部を有することも好ましい。
【0012】
以下、本考案の一実施の形態に係るくじ付カートンを図面を参照して詳しく説明する。
【0013】
図1は、本考案の一実施の形態に係るくじ付カートンの展開図であり、組み立てたときの外面を示している。
【0014】
図1に示すように、展開状態のカートンは、1つの板紙等から打ち抜かれたものであり、それぞれ実質的に矩形の前面板13、上面板11、後面板14、底面板12、副前面板15が平行な折目L1、L2、L3およびL4を介して順次連設されている。
【0015】
上面板11の左右両端には、それぞれ折り目L5、L6を介して左側面板16と右側面板17とが連設されている。同様に、底面板12の左右両端には、それぞれ折り目L7、L8を介して副左側面板18と副右側面板19とが連設されている。
【0016】
本考案のカートンは、全体に直方体の形状を有するので、上面板11と底面板12とは実質的に同じ大きさを有し、後面板14と前面板13および副前面板15とは実質的に同じ大きさを有し、左側面板16、右側面板17、副左側面板18および副右側面板19は、同じ大きさを有し得る。通常、上面板11と底面板12とは、他の面板よりも大きな面積を有する。
【0017】
好ましくは、後面板14の左右両端には、それぞれ折り目L10、L11を介して貼着用片20および21が連設され、同様に、副前面板15の左右両端には、それぞれ折り目L12、L13を介して貼着用片22および23が連設されている。
【0018】
上面板11のほぼ中央には、折り目L2と隣接し、これと平行な弦を有するほぼ半円状のフラップ24が、弦を折り目L14により、弧を切開線OL1、OL2によって設けられている。弧状の切開線OL1およびOL2は、上面板11から前面板13にかけて延びており、好ましくは、前面板13の中央より外側では互いに平行に直線状に延びて前面板13の側端縁に至っており、この部位で差込片25を規定している。
【0019】
この差込片25に対応して、これを受けるための例えば円弧状の切込CL1が設けられている。円弧状切込CL1の中心から副前面板15の側端縁に至る直線状の切込CL2を設けることにより、差込片25の差込操作がより容易となる。
【0020】
さて、前面板13、左側面板16および右側面板17により構成されるカートン側面領域には、複数の小フラップが切開線等により設けられている。図1では、前面板13に4つ、左側面板16に3つ、そして右側面板17に3つの小フラップ26a〜26jが、やや凸状に湾曲した切込CL3と平行な切開線OL3aおよびOL3bと折り目L14により設けられている。なお、各折り目L15は、切開線または切り込みとし、小フラップを切り取り可能とすることもできる。
なお、各小フラップの表面には、カートンの中身、例えばチョコレートスナック菓子の外観をあらわした絵柄を印刷することができる。
【0021】
副前面板15、副左側面板18および副右側面板19により構成されるカートン副側面領域には、小フラップ26a〜26jの形成領域に対応して、すなわち小フラップを切り開いたとき、露出するカートン副側面領域部分に、くじを表示する複数のくじ絵柄が設けられている。図1では、合計7つの小フラップ26a〜26jに対応して、副前面板15に4つ、副左側面板18に3つ、そして副右側面板19に3つのくじ絵柄27a〜27jが例えば、印刷により設けられている。これらくじ絵柄は、少なくとも2つが異なる絵柄であることが好ましい。例えば、図1に示すように、くじ絵柄27aは、×印、くじ絵柄27bと27iは、□印、くじ絵柄27cと27fと27gと27hは△印、くじ絵柄27dは太陽印、くじ絵柄27eは◎印、くじ絵柄27jは○印により構成することができる。
【0022】
なお、副前面板15、副左側面板18および副右側面板19には、所定領域に貼着領域28、29、30が設けられており、各くじ絵柄は、これら貼着領域以外の部位に設けられていることが好ましい。
【0023】
さて、上面板11の裏面には、くじ絵柄27a〜27jとカートンの中身との関係を表示する意味表示部が設けられている。例えば、図2に示すように、取り出しフラップ24の裏面には、くじ絵柄(上記例では、太陽印、×印、△印、□印、○印、◎印)と中身との関係を例えば表にして示した意味表示部31が印刷などにより設けられている。好ましくは、この表示部31の近傍に、くじの遊び方を印刷などにより表示した遊び方表示部32を設ける。
【0024】
以上詳述した構造を有する本考案のくじ付カートンを組み立てるには、まず、後面板14、底面板12、副前面板15、副左側面板18および副右側面板19を用いて函体の下部を形成する。このとき貼着用片20および22は、副左側面板18の内側に折り曲げ、副左側面板18の裏面でヒートシール等により貼着し、他方、貼着用片21および23は、副右側面板19の内側に折り曲げ、副右側面板19の裏面でヒートシールなどにより貼着する。
【0025】
次に、函体下部に菓子類等の中身を収容した後、前面板13、上面板11、左側面板16および右側面板17を折り目L1、L2、L5、L6から折り曲げ、すでに形成された函体の下部と各々対応する面板を貼着部28ないし30においてヒートシール等により貼着する。このとき、前面板13に位置する取り出し用フラップ24の先端部すなわち差込片25は、貼着しないことが好ましい。
【0026】
このようにして、図3に斜視図として示すような本考案のくじ付カートンが組み立てられる。
【0027】
さて、本考案のくじ付カートンは、2人以上、小フラップの数の人数で楽しむことができる。図4を参照すると、まず、取り出し用フラップ24をその先端から切り開き、その裏面に記載されている遊び方表示部32により遊び方を知った後、その遊び方に従って、小フラップを各人が開き、くじ絵柄を認識する(図4では、小フラップ26iを切り開き、□印が現れている)。次いで、取り出し用フラップ24裏面の意味表示部31の表によりそのくじ絵柄の意味により指示された数だけの菓子を各人が食する。
【0028】
カートンを再び蓋をするには、切込CL1に差込片25を差し込んで係止させればよい。
【0029】
以上述べたように、本考案のくじ付カートンによれば、通常のトップオープンカートンに新たなゲーム機能としてのくじを付したので、複数人によりくじを楽しみながら菓子を食することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施の形態のくじ付カートンの平面展開図。
【図2】図1に示すくじ付カートンの上面板および前面板の裏面を部分的に示す平面図。
【図3】本考案のくじ付カートンの斜視図。
【図4】図3に示すくじ付カートンの使用方法を説明するための斜視図。
【符号の説明】
11…上面板
12…底面板
13…前面板
14…後面板
15…副前面板
16…左側面板
17…右側面板
18…副左側面板
19…副右側面板
20〜23…貼着片
24…取り出し用フラップ
25…差込片
26a〜26j…小フラップ
27a〜27j…くじ絵柄
28〜30…貼着領域
31…意味表示部
32…遊び方表示部
L1〜L15…折り目
OL1〜OL3b…切開線
CL1〜CL3…切込線

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 それぞれ平行な折り目を介して連設されたそれぞれ実質的に矩形の前面板、上面板、後面板、底面板および副前面板を有し、該上面板の左右両端に左側面板、右側面板を連設し、該底面板の左右両端に副左側面板および副右側面板を連設し、カートンの中身を取り出すための取り出し用フラップを該上面板から該前面板にわたり切開線により設け、該前面板、該左側面板および該右側面板により構成されるカートン側面領域に切開線により複数の小フラップを設け、該副前面板、該副右側面板および該副左側面板により構成されるカートン副側面領域の該複数の小フラップにそれぞれ対応する部位にくじを表示するくじ絵柄を設け、該上面板の裏面に該くじの絵柄とカートンの中身との関係を表示する意味表示部を設け、該前面板を該副前面板を覆うように該副前面板と、該左側面板を該副左側面板を覆うように該副左側面板と、該右側面板を該副右側面板を覆うように該副右側面板とそれぞれ貼着したことを特徴とするくじ付カートン。
【請求項2】 取り出し用フラップを該前面板に位置して先端に差込片を規定するように設け、該差込片を受ける切込を該副前面板に設けたことを特徴とする請求項1記載のくじ付カートン。
【請求項3】 該くじ絵柄が異なる絵柄であることを特徴とする請求項1または2記載のくじ付カートン。
【請求項4】 該小フラップを切り離し可能に設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載のくじ付カートン。
【請求項5】 意味表示部を取り出し用フラップの裏面領域に設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載のくじ付カートン。
【請求項6】 小フラップの表面にカートンの中身に対応する中身絵柄を設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載のくじ付カートン。
【請求項7】 該前面板と該副前面板、該右側面板と該副右側面板、および該左側面板と該副左側面板とが、それぞれ、所定の貼着領域において貼着され、くじ絵柄が、該貼着領域以外の領域に設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載のくじ付カートン。
【請求項8】 前面板と副前面板と後面板とが実質的に同じ大きさを有し、上面板と底面板とが実質的に同じ大きさを有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項記載のくじ付カートン。
【請求項9】 上面板裏面において、意味表示部の近傍にくじについての遊び方を表示する遊び方表示部を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載のくじ付カートン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】第3057218号
【登録日】平成10年(1998)12月24日
【発行日】平成11年(1999)4月9日
【考案の名称】くじ付カートン
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平10−6784
【出願日】平成10年(1998)9月2日
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【出願人】(000006116)森永製菓株式会社 (130)