ばり取り装置付き摩擦圧接機と該ばり取り装置付き摩擦圧接機のばり取り方法
【課題】サイクルタイムを容易に短縮できる摩擦圧接機を提供する。
【解決手段】第一と第二の保持装置2b,3に保持される第一と第二のワークW1,W2を相対回転させつつ、第一の保持装置2bと第二の保持装置3を相対移動させて第一と第二のワークW1,W2を押し当てて摩擦圧接し、該摩擦圧接した際に生じたばりW3を摩擦圧接後のワークWから取除く、摩擦圧接機1であって、第二のワークW2が取付けられ得る複数の取付部1aを有し、複数の取付部1aのうちの一つの取付部1aが第一の保持装置2bに対向する摩擦圧接位置からばり取りを行うばり取り位置へ向かって移動するのに合わせて、他の一つの取付部1aが摩擦圧接位置に移動してくるように取付部1aを移動させる移動装置4と、ばり取り位置にある取付部1aに対向する位置に設けられ、取付部1aに取付けられたワークWに形成されたばりW3を取除くばり取り装置5とを有している。
【解決手段】第一と第二の保持装置2b,3に保持される第一と第二のワークW1,W2を相対回転させつつ、第一の保持装置2bと第二の保持装置3を相対移動させて第一と第二のワークW1,W2を押し当てて摩擦圧接し、該摩擦圧接した際に生じたばりW3を摩擦圧接後のワークWから取除く、摩擦圧接機1であって、第二のワークW2が取付けられ得る複数の取付部1aを有し、複数の取付部1aのうちの一つの取付部1aが第一の保持装置2bに対向する摩擦圧接位置からばり取りを行うばり取り位置へ向かって移動するのに合わせて、他の一つの取付部1aが摩擦圧接位置に移動してくるように取付部1aを移動させる移動装置4と、ばり取り位置にある取付部1aに対向する位置に設けられ、取付部1aに取付けられたワークWに形成されたばりW3を取除くばり取り装置5とを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のワークを相対回転させつつ押し当てて摩擦圧接し、該摩擦圧接した際に生じたばりをワークから取除く、ばり取り装置付き摩擦圧接機に関する。
【背景技術】
【0002】
摩擦圧接機は、例えば、第一のワークを保持する第一のチャックと、第二のワークを保持する第二のチャックと、第一のワークを回転させる回転装置と、第一のチャックを移動させる推力装置と、ワークからばりを取除くばり取り装置を有している(特許文献1参照)。第一と第二のワークは、相対回転されつつ押し当てられることで摩擦圧接され、摩擦圧接の際にワークの外周面にはリング状のばりが発生する。ばり取り装置は、第二のチャックに設けられたカッタと、ワークを引っ張る引っ張り手段を有しており、摩擦圧接後にワークを引っ張ることで、カッタにばりが押し当てられて、ばりがワークから取除かれる。
【0003】
他の摩擦圧接機は、例えば、第一と第二のチャックと、第一のワークを回転させる回転装置と、第二のチャックを移動させる推力装置と、ばり取り装置を有している(特許文献2参照)。ばり取り装置は、第二のチャックに回動可能に連結された一対のカッタアームを有している。第二のチャックと推力装置の間には、ワークの移動を規制するストッパが設けられている。したがって第一と第二のワークを摩擦圧接した後に、一対のカッタアームを待機位置からワークを覆う使用位置に回転させ、第二のチャックとともにカッタを第一のチャックから後退させる。途中、ワークがストッパによって移動が規制され、カッタが摩擦圧接時に形成されたワークのばりに当たり、ばりがカッタによってワークから取除かれる。
【特許文献1】特開平4−118188号公報
【特許文献2】特開平11−151583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしこれら摩擦圧接機は、摩擦圧接作業とばり取り作業とを同じ作業領域で行っている。そのため摩擦圧接作業とばり取り作業とを平行に行うことができず、サイクルタイムを短くすることが容易でない。そこで本発明は、サイクルタイムを容易に短縮できるばり取り装置付き摩擦圧接機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備える摩擦圧接機であることを特徴とする。すなわち請求項1に記載の発明によると、第一のワークと第二のワークとを押し当てて摩擦圧接し、該摩擦圧接した際に生じたばりを摩擦圧接後のワークから取除く、ばり取り装置付き摩擦圧接機であって、第二のワークが取付けられ得る複数の取付部を有している。複数の取付部のうちの一つの取付部が第一の保持装置に対向する摩擦圧接位置からばり取りを行うばり取り位置へ向かって移動するのに合わせて、他の一つの取付部が摩擦圧接位置に移動してくるように取付部を移動させる移動装置と、ばり取り位置にある取付部に対向する位置に設けられ、取付部に取付けられたワークに形成されたばりを取除くばり取り装置を有している。
【0006】
したがって摩擦圧接を行う摩擦圧接領域と、ばり取りを行うばり取り領域とが別の位置にある。そのため摩擦圧接作業とばり取り作業とを平行に行うことが可能である。そのためこれら作業のサイクルタイムを短縮することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明によると、ばり取り装置は、摩擦圧接後のワークを移動装置側に押すプレス体と、プレス体と移動装置の間に設けられ、プレス体に押されたワークに形成されたばりを取除くカッタとを有している。また請求項3に記載の発明によると、ばり取り装置は、第二の保持装置に対して第一の保持装置の反対側に位置する。
【0008】
請求項4に記載の発明によると、移動装置は、第二の保持装置が取付けられる基台に回転可能に取付けられる回転基台と、回転基台を基台に対して回転させる回転機構を有している。したがってワークは、回転基台とともに基台に対して回転し、摩擦圧接領域側からばり取り領域側に移動し得る。そのため移動装置は、ワークを基台に対して平行移動等させる装置よりも簡易な構成になる。また回転機構によって回転基台を回転させるため、手作業によって回転させる場合に比べて作業が容易になる。
【0009】
請求項5に記載の発明によると、回転基台の外周面の回転軸を挟む両側部に第二のワークが取付けられ得る構成になっている。したがって一方のワークが摩擦圧接領域において摩擦圧接され、同時に、他方のワークがばり取り領域においてばりが取りされ得る。したがってこれら作業を平行に行うことで作業のサイクルタイムが短縮され得る。
【0010】
請求項6に記載の発明によると、回転基台には、摩擦圧接時に第一のワークと第二のワークとを押し当てる方向に関するワークの移動を規制するためのストッパ装置が設けられている。ストッパ装置は、回転基台に対して移動可能に設けられるストッパ板と、ストッパ板を回転基台に対して移動させる移動機構を有している。ストッパ板は、移動機構によってワークを移動規制し得るストッパ位置と、移動許容する非ストッパ位置との間で移動する。したがってワークは、ストッパ装置によって移動規制されることで、摩擦圧接の際の押圧を確実に受け得る。またワークは、ストッパ装置によって移動許容されることで、回転基台に対して移動でき、移動することでばりがカッタに押し付けられ得る。
【0011】
請求項7に記載の発明によると、第二の保持装置は、ワークを保持するためにワークに対して移動する一対のクランプ爪を有している。移動装置は、一対のクランプ爪の移動方向に対して略垂直な面においてワークを移動させる。したがってワークは、一対のクランプ爪を大きく離すことなく、摩擦領域側からばり取り領域側へ移動され得る。そのためワークを回転させるために必要なスペースが小さくなり、摩擦圧接機を小型化し得る。
【0012】
請求項8に記載の発明によると、プレス体は、第一の保持装置側に連結され、第一の保持装置とともに移動する。したがってばり取り装置は、摩擦圧接をする際に必要な動力を利用してプレス体を移動させて、ばりをワークから取除くことができる。そのため動力源の共通化によって摩擦圧接機が簡易に構成され得る。
【0013】
請求項9に記載の発明によると、カッタは、取付部の入口の全周を囲むように設けられている。請求項10に記載の発明によると、摩擦圧接時に第一の保持装置が第二の保持装置に前進し、摩擦圧接後に第一の保持装置が第二の保持装置に対して後退し、該一回の後退動作の間に、摩擦圧接後のワークを摩擦圧接位置からばり取り位置に移動させる動作と、ワークに形成されたばりを取除く動作とを行う。したがって摩擦圧接作業とばり取り作業を平行に行うことができるため、作業のサイクルタイムが短くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図1〜12にしたがって説明する。摩擦圧接機1は、図1に示すように床面10に立設されるベース体7と、ベース体7の上部に設けられる主軸体2を有している。ベース体7は、図1,5に示すように床面10に立設される四本の柱7aと、四本の柱7aによって支持される基台7bと、基台7bに立設される二本のタイロッド7cと、二本のタイロッド7cによって支持される上側プレート7dを有している。なお図1では、摩擦圧接機1の動きを分かり易くするため、複数ある部材については多くはその内一つを図示し、それ以外は図示を省略している。部材の正確な数については、図2〜図6に記載する。
【0015】
主軸体2は、図1,3,4に示すように主軸箱2aと、主軸箱2aの上部に設けられる回転装置2cと、主軸箱2aの下部に設けられる第一の保持装置2bを有している。第一の保持装置2bは、第一のワークW1を保持するチャックを有している。回転装置2cは、サーボモータ等であって、図示省略の制御装置によって制御される。回転装置2cの出力は、保持装置2bに伝達されて、第一の保持装置2bのチャックとともに第一のワークW1を回転させる。
【0016】
図1に示すように主軸箱2aの上部には、上板2dが取付けられ、主軸箱2aの下部には、下板2fが取付けられる。上板2dと下板2fには、タイロッド7cが摺動可能に挿通される。したがって主軸体2は、タイロッド7cによって上下動可能に案内支持される。主軸体2とベース体7の間には、主軸体2をベース体7に対して移動させる推力装置6が設けられている。推力装置6は、主軸モータ6aとボールねじ(雄ねじ部材6bと雌ねじ部材6c)を有している。ボールねじの雄ねじ部材6bは、上端部が上側プレート7dに軸回転可能に支持される。雄ねじ部材6bの下端部は、上側プレート7dに取付けられて雄ねじ部材6bの下端部に張出す補強部材7eに軸回転可能に支持される。
【0017】
ボールねじの雌ねじ部材6cは、図1,3に示すように主軸体2の上板2dに軸回転不能に取付けられる。雌ねじ部材6cには、雄ねじ部材6bが軸回転可能に螺合される。図1,2に示すように主軸モータ6aは、上側プレート7dに設けられており、ベルト6eによって滑車6dと雄ねじ部材6bの上部に連結される。したがって主軸モータ6aの出力がベルト6eを介して雄ねじ部材6bに伝わり、雄ねじ部材6bが軸回転し、雄ねじ部材6bから雌ねじ部材6cが力を受ける。これにより主軸体2が雄ねじ部材6bとタイロッド7cに沿って上下動する。
【0018】
図1,5に示すように基台7bには、第二の保持装置3と移動装置4が設けられる。第二の保持装置3は、第二のワークW2を保持する一対のクランプ爪3bと、クランプ爪3bを第二のワークW2に対して進退させるクランプ本体3aを有している。移動装置4は、図1,6に示すようにワークWを上側位置(摩擦圧接位置)から下側位置(ばり取り位置)に移動させる装置であって、回転基台4aと回転機構4bを有している。
【0019】
回転基台4aは、図1,6に示すように例えば円柱状であって、ワークWが取付けられ得る複数(例えば二つ)の取付部1aを有している。回転基台4aは、基台7bから下方に延出する取付部材7fに軸回転可能に取付けられる。回転基台4aの回転軸は、略水平であって、回転基台4aに取付けられたワークWは、上下位置の間で回転して移動する。回転機構4bは、サーボモータ等であって、図示省略の制御装置によって制御されて回転基台4aを回転させる。
【0020】
摩擦圧接機1の下部には、図1,7に示すようにばり取り装置5が設けられている。ばり取り装置5は、摩擦圧接した際に生じたワークWのばりW3を取除く装置であって、一対のカッタ5aとプレス体5bを有している。カッタ5aは、回転基台4aの外周面の回転軸を挟む両側部に設けられている。カッタ5aは、図6に示すように円盤状であって、中央に貫通孔5a1を有している。貫通孔5a1は、ワークWの径とほぼ同じであって、ワークWが貫通孔5a1に挿通されることで、ワークWの外周面に形成されたばりがワークWの本体から取除かれ得る。
【0021】
プレス体5bは、図1,7に示すように筒部材5b1と蓋部材5b2を有している。筒部材5b1は、筒状であって、挿入されたワークWが大きく傾くことを防止する。蓋部材5b2は、筒部材5b1の下部を塞いでおり、ワークWの端部に当接して上方に押す。蓋部材5b2の下部には、下板5cが取付けられる。下板5cと主軸体2の下板2fの間には、二本の連結棒5dが取付けられる。これにより主軸体2とプレス体5bは、一体となってベース体7に対して上下動する。
【0022】
図7,12に示すように回転基台4aには、ワークWを移動規制するためのストッパ装置8が設けられる。ストッパ装置8は、一対のストッパ板8aと、ストッパ板8aを付勢するばね8bと、ストッパ板8aを移動させる移動機構8cを有している。ストッパ板8aは、回転基台4aの内部において移動可能に設けられる。ストッパ板8aの一側面には、貫通孔8a1と溝8a2が設けられている。
【0023】
溝8a2は、図7,12に示すようにストッパ板8aの表面を水平方向に延出し、溝8a2には、ワークWの一端部が設置される。貫通孔8a1は、溝8a2の底面一部から延出してストッパ板8aを貫通する。ストッパ板8aは、ばね8bによって常時付勢されている。ワークWは、通常、ばね8bによって付勢されて、貫通孔8a1が一致しないストッパ位置に位置する。またワークWの端部は、溝8a2の側壁面8a3に押し付けられる。これによりワークWは、ストッパ装置8によって回転基台4aから脱落不能に支持され得る。
【0024】
移動機構8cは、ばり取り工程において、図示省略の制御装置によって制御されて、ストッパ板8aをばね8bに抗して移動させる(図7,12参照)。これにより貫通孔8a1の位置とワークWの位置が一致し(非ストッパ位置)、ワークWがストッパ板8aを貫通し得る状態になる。この状態でワークWが長手方向に移動すると、ワークWの一端部が回転基台4aの中央孔4a1に移動し、ワークWに形成されたばりW3がカッタ5aに押し付けられ得る。
【0025】
図7に示すように摩擦圧接機1には、ワークW1,W2を保持装置2b,3にセットするためのローダ9が設けられている。ローダ9は、筒状の筒本体9aとエア供給機構9bを有している。筒本体9aにワークW1,W2が挿入され、エア供給機構9bによって筒本体9aにエアが供給され、ワークW1,W2が保持装置2b,3に向けて発射される。そしてローダ9から発射されたワークW1,W2が保持装置2b,3によって保持される。第二のワークW2の一端部は、回転基台4aの上面部に設けられたカッタ5aを貫通し、ストッパ板8aに当接する。ワークW2は、第二の保持装置3によって保持される。
【0026】
摩擦圧接する場合は、図1の2点鎖線,図8の実線に示すように制御装置によって回転装置2cと推力装置6を制御して、第一のワークW1を回転させつつ主軸体2を下方に移動させる。これにより第一のワークW1が第二のワークW2に押し付けられ、これらの間に摩擦熱が発生する。そして摩擦熱とプレス圧によってワークW1,W2が摩擦圧接されて接着する(摩擦圧接工程)。図9に示すように摩擦圧接の際にワークWの外周面には、フランジ形状のばりW3が生じる。
【0027】
ばりW3を取除くために、図10に示すように制御装置によって保持装置2b,3と推力装置6を制御し、第一の保持装置2bが先ずワークWを解放する。次に、第一の保持装置2bがワークWよりも上方に移動する。第二の保持装置3は、ワークWから一対のクランプ爪3bが離間し、ワークWを解放する。
【0028】
次に、制御装置によって移動装置4を制御して、図10に示すように回転基台4aを回転機構4bによって略180°回転させる。この時、ワークWは、一対のクランプ爪3bの移動方向に対して略垂直な面上(図10の紙面に垂直な面上)を移動する。そしてワークWは、摩擦圧接の際の位置と同軸上にセットされる。次に、制御装置によってストッパ装置8を制御して、下側のストッパ板8aを非ストッパ位置に移動させる。これによりワークWが上方に移動可能になる。
【0029】
次に、制御装置によって推力装置6を制御して、主軸体2をさらに上方に移動させる。これにより図11に示すように主軸体2とともにプレス体5bが上方に移動し、プレス体5bの蓋部材5b2がワークWの下端部を上方に押す。これによりワークWがカッタ5aの貫通孔5a1を通り、ばりW3がカッタ5aの表面(下面)に当たる。さらにワークWが上方に移動すると、ばりW3がカッタ5aを通過できずにワークWから切断され得る(ばり取り工程)。
【0030】
ばり取り領域(下側)のワークWを摩擦圧接機1から取出す前に、図7に示すように摩擦圧接領域(上側)において新たなワークW1,W2をローダ9から発射して、ワークW1,W2を保持装置2b,3にセットする。この状態で制御装置によって推力装置6を制御して、図8に示すように保持装置2bとプレス体5bを下方に移動させる。これにより摩擦圧接領域では、ワークW1,W2が当接して摩擦圧接が開始する。ばり取り領域では、プレス体5bがワークWよりも下方に移動して、ワークWが重力あるいは図示省略のアンローダによって回転基台4aから取外される。
【0031】
次に、図8に示すように回転基台4aから取出されたワークWからリング形状のばりW3を取外す。これによりばり取り工程が終了する。一方、摩擦圧接領域側では、主軸体2がさらに下方に移動してワークW1,W2が摩擦圧接される。したがって一つの摩擦圧接機1において、摩擦圧接作業とばり取り作業がオーバーラップしてなされ得る。その結果、これらサイクルタイムが短縮され得る。
【0032】
以上のように摩擦圧接機1は、図7に示すように第二のワークW2が取付けられ得る複数の取付部1aを有している。移動装置4は、複数の取付部1aのうちの一つの取付部1aが第一の保持装置2bに対向する摩擦圧接位置からばり取りを行うばり取り位置へ向かって移動するのに合わせて、他の一つの取付部1aが摩擦圧接位置に移動してくるように取付部1aを移動させる。ばり取り装置5は、ばり取り位置にある取付部1aに対向する位置に設けられ、取付部1aに取付けられたワークWに形成されたばりW3を取除く。
【0033】
したがって摩擦圧接を行う摩擦圧接位置(領域)と、ばり取りを行うばり取り位置(領域)とが別の位置にある。そのため摩擦圧接作業とばり取り作業とを平行に行うことが可能である。そのためこれら作業のサイクルタイムを短縮することができる。
【0034】
またばり取り装置5は、図7に示すように摩擦圧接後のワークWを移動装置4側に押すプレス体5bと、プレス体5bと移動装置4の間に設けられ、プレス体5bに押されたワークWに形成されたばりW3を取除くカッタ5aとを有している。またばり取り装置5は、図1に示すように第二の保持装置3に対して第一の保持装置2bの反対側に位置する。
【0035】
移動装置4は、図7に示すように回転基台4aと回転機構4bを有している。したがってワークWは、回転基台4aとともに基台7bに対して回転し、摩擦圧接領域側からばり取り領域側に移動し得る。そのため移動装置4は、ワークWを基台7bに対して平行移動等させる装置よりも簡易な構成になる。また回転機構によって回転基台を回転させるため、手作業によって回転させる場合に比べて作業が容易になる。
【0036】
図7に示すように回転基台4aの外周面の回転軸を挟む両側部にワークWが取付けられ得る構成になっている。したがって一方のワークWが摩擦圧接領域側において摩擦圧接され、同時に、他方のワークWがばり取り領域側においてばりが取りされ得る。したがってこれら作業を平行に行うことで、作業のサイクルタイムが短縮され得る。
【0037】
回転基台4aには、図7に示すようにワークWの移動を規制するためのストッパ装置8が設けられている。ストッパ装置8は、ストッパ板8aと移動機構8cを有している。ストッパ板8aは、移動機構8cによってワークWを移動規制し得るストッパ位置と、移動許容する非ストッパ位置との間で移動する。したがってワークWは、ストッパ装置8によって移動規制されることで、摩擦圧接の際の押圧を確実に受け得る。またワークWは、ストッパ装置8によって移動許容されることで、回転基台4aに対して移動でき、移動することでばりW3がカッタ5aによって押し付けられ得る。
【0038】
図10に示すように第二の保持装置3は、一対のクランプ爪3bを有している。移動装置4は、一対のクランプ爪3bの移動方向に対して略垂直な面においてワークWを回転させる。したがってワークWは、一対のクランプ爪3bを大きく離すことなく、摩擦領域側からばり取り領域側へ移動され得る。そのためワークWを回転させるために必要なスペースが小さくなり、摩擦圧接機1を小型化し得る。
【0039】
またプレス体5bは、図1に示すように第一の保持装置2b側に連結され、第一の保持装置2bとともに移動する。したがってばり取り装置5は、摩擦圧接をする際に必要な動力を利用してプレス体を移動させて、ばりをワークから取除くことができる。そのため動力源の共通化によって摩擦圧接機1が簡易に構成され得る。またカッタ5aは、取付部1aの入口の全周を囲むように設けられている。
【0040】
また第一の保持装置2bが摩擦圧接時に第二の保持装置3に前進し、摩擦圧接後に第一の保持装置2bが第二の保持装置3に対して後退し、該一回の後退動作の間に、摩擦圧接後のワークWを摩擦圧接位置からばり取り位置に移動させる動作と、ワークWに形成されたばりW3を取除く動作とを行う。したがって摩擦圧接作業とばり取り作業を平行に行うことができるため、作業のサイクルタイムが短くなる。
【0041】
(他の実施の形態)
本発明は、上記実施の形態に限定されず、以下の形態等であっても良い。
(1)上記実施の形態のワークW1,2は、円柱状もしくは円筒状であり、該ワークW1,W2が挿通され得る貫通孔5a1がカッタ5aに形成されている。しかし図13,14に示すように第二のワークW4の端部にフランジ部W5が形成されており、分割可能な一対の分割カッタ5e1を備えるカッタ5eを有し、一対の分割カッタ5e1間にワークWが挿通され得る貫通孔が形成される形態であっても良い。したがって一対の分割カッタ5e1を離間させることで、フランジ部W5を有するワークWを回転基台側から取外すことができる。
(2)上記実施の形態は、第一のワークW1を回転させる回転装置2cを有している。しかし第二のワークW2を回転させる回転装置を有する形態等であっても良い。
(3)上記実施の形態は、主軸体2がベース体7に対して上下動可能に設けられる竪型であって、一対のワークが上下方向に押し付けられる。しかし床面に設置されるベッドを有し、主軸体がベッドに対して水平方向に移動可能に設けられる横型であって、一対のワークが水平方向に押し付けられる形態であっても良い。
(4)上記実施の形態の移動装置4は、基台7bに対して回転可能に設けられる回転基台4aを有し、ワークWが回転基台4aとともに回転する。しかしワークWを基台7bに対して平行移動させる移動装置を有する形態であっても良い。
(5)上記実施の形態のカッタ5aは、回転基台4aに設けられている。しかしカッタがプレス体5bに設けられ、プレス体とともにカッタがワークに移動して、カッタがワークに形成されたばりに押し付けられる形態であっても良い。
(6)上記実施の形態は、回転基台4aに一対のカッタ5aと一対のストッパ装置8が設けられている。しかし回転基台4aに一つまたは三つ以上のカッタとストッパ装置が設けられる形態であっても良い。
(7)上記実施の形態は、第一の保持装置を第二の保持装置に対して移動させる推力装置を有している。しかし第二の保持装置を第一の保持装置に対して移動させる推力装置を有する形態等であっても良い。
(8)上記実施の形態のカッタ5aは、移動装置4に固定されている。しかしカッタは基台7bに固定されていても良い。
(9)上記実施の形態のプレス体5bは、第一の保持装置2b側に連結されている。しかしプレス体が第一の保持装置側に連結されずに、推力装置6aとは別の動力装置によって移動装置側に移動する形態であっても良い。
(10)上記実施の形態の第二の保持装置は、基台に設けられている。しかし第二の保持装置を移動装置の取付部毎に移動装置に設ける形態であっても良い。
(11)上記実施の形態は、プレス体5bでワークWをカッタ5aに押し当てることでばりW3を取除いている。しかしカッタを動かしてカッタをばりに押し当てることでばりを取除く形態であっても良い。
(12)上記実施の形態の移動装置4は、取付部1aを上位置(摩擦圧接位置)と、下位置(ばり取り位置)の間で移動させる。しかし移動装置が複数の取付部を有し、取付部を左右方向に隣接する摩擦圧接位置とばり取り位置との間で移動させ、該ばり取り位置に対応する位置にばり取り装置が設けられている形態であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】摩擦圧接機の正面図である。
【図2】図1の矢印II−II線方向における摩擦圧接機の上面図である。
【図3】図1の矢印III−III線方向における摩擦圧接機の断面図である。
【図4】図1の矢印IV−IV線方向における摩擦圧接機の断面図である。
【図5】図1の矢印V−V線方向における摩擦圧接機の断面図である。
【図6】図1の矢印VI−VI線方向における摩擦圧接機の断面図である。
【図7】作業工程途中における摩擦圧接機の一部概略図である。
【図8】作業工程途中における摩擦圧接機の一部概略図である。
【図9】作業工程途中における摩擦圧接機の一部概略図である。
【図10】作業工程途中における摩擦圧接機の一部概略図である。
【図11】作業工程途中における摩擦圧接機の一部概略図である。
【図12】ストッパ装置の斜視図である。
【図13】他の形態のカッタとワークの正面図である。
【図14】他の形態のカッタとワークの上面図である。
【符号の説明】
【0043】
1…摩擦圧接機
2…主軸体
2a…主軸箱
2b…第一の保持装置
2c…回転装置
3…第二の保持装置
3b…クランプ爪
4…移動装置
4a…回転基台
4b…回転機構
5…ばり取り装置
5a,5e…カッタ
5b…プレス体
5d…連結棒
6…推力装置
7…ベース体
7b…基台
8…ストッパ装置
8a…ストッパ板
8a1…貫通孔
8c…移動機構
9…ローダ
10…床面
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のワークを相対回転させつつ押し当てて摩擦圧接し、該摩擦圧接した際に生じたばりをワークから取除く、ばり取り装置付き摩擦圧接機に関する。
【背景技術】
【0002】
摩擦圧接機は、例えば、第一のワークを保持する第一のチャックと、第二のワークを保持する第二のチャックと、第一のワークを回転させる回転装置と、第一のチャックを移動させる推力装置と、ワークからばりを取除くばり取り装置を有している(特許文献1参照)。第一と第二のワークは、相対回転されつつ押し当てられることで摩擦圧接され、摩擦圧接の際にワークの外周面にはリング状のばりが発生する。ばり取り装置は、第二のチャックに設けられたカッタと、ワークを引っ張る引っ張り手段を有しており、摩擦圧接後にワークを引っ張ることで、カッタにばりが押し当てられて、ばりがワークから取除かれる。
【0003】
他の摩擦圧接機は、例えば、第一と第二のチャックと、第一のワークを回転させる回転装置と、第二のチャックを移動させる推力装置と、ばり取り装置を有している(特許文献2参照)。ばり取り装置は、第二のチャックに回動可能に連結された一対のカッタアームを有している。第二のチャックと推力装置の間には、ワークの移動を規制するストッパが設けられている。したがって第一と第二のワークを摩擦圧接した後に、一対のカッタアームを待機位置からワークを覆う使用位置に回転させ、第二のチャックとともにカッタを第一のチャックから後退させる。途中、ワークがストッパによって移動が規制され、カッタが摩擦圧接時に形成されたワークのばりに当たり、ばりがカッタによってワークから取除かれる。
【特許文献1】特開平4−118188号公報
【特許文献2】特開平11−151583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしこれら摩擦圧接機は、摩擦圧接作業とばり取り作業とを同じ作業領域で行っている。そのため摩擦圧接作業とばり取り作業とを平行に行うことができず、サイクルタイムを短くすることが容易でない。そこで本発明は、サイクルタイムを容易に短縮できるばり取り装置付き摩擦圧接機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備える摩擦圧接機であることを特徴とする。すなわち請求項1に記載の発明によると、第一のワークと第二のワークとを押し当てて摩擦圧接し、該摩擦圧接した際に生じたばりを摩擦圧接後のワークから取除く、ばり取り装置付き摩擦圧接機であって、第二のワークが取付けられ得る複数の取付部を有している。複数の取付部のうちの一つの取付部が第一の保持装置に対向する摩擦圧接位置からばり取りを行うばり取り位置へ向かって移動するのに合わせて、他の一つの取付部が摩擦圧接位置に移動してくるように取付部を移動させる移動装置と、ばり取り位置にある取付部に対向する位置に設けられ、取付部に取付けられたワークに形成されたばりを取除くばり取り装置を有している。
【0006】
したがって摩擦圧接を行う摩擦圧接領域と、ばり取りを行うばり取り領域とが別の位置にある。そのため摩擦圧接作業とばり取り作業とを平行に行うことが可能である。そのためこれら作業のサイクルタイムを短縮することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明によると、ばり取り装置は、摩擦圧接後のワークを移動装置側に押すプレス体と、プレス体と移動装置の間に設けられ、プレス体に押されたワークに形成されたばりを取除くカッタとを有している。また請求項3に記載の発明によると、ばり取り装置は、第二の保持装置に対して第一の保持装置の反対側に位置する。
【0008】
請求項4に記載の発明によると、移動装置は、第二の保持装置が取付けられる基台に回転可能に取付けられる回転基台と、回転基台を基台に対して回転させる回転機構を有している。したがってワークは、回転基台とともに基台に対して回転し、摩擦圧接領域側からばり取り領域側に移動し得る。そのため移動装置は、ワークを基台に対して平行移動等させる装置よりも簡易な構成になる。また回転機構によって回転基台を回転させるため、手作業によって回転させる場合に比べて作業が容易になる。
【0009】
請求項5に記載の発明によると、回転基台の外周面の回転軸を挟む両側部に第二のワークが取付けられ得る構成になっている。したがって一方のワークが摩擦圧接領域において摩擦圧接され、同時に、他方のワークがばり取り領域においてばりが取りされ得る。したがってこれら作業を平行に行うことで作業のサイクルタイムが短縮され得る。
【0010】
請求項6に記載の発明によると、回転基台には、摩擦圧接時に第一のワークと第二のワークとを押し当てる方向に関するワークの移動を規制するためのストッパ装置が設けられている。ストッパ装置は、回転基台に対して移動可能に設けられるストッパ板と、ストッパ板を回転基台に対して移動させる移動機構を有している。ストッパ板は、移動機構によってワークを移動規制し得るストッパ位置と、移動許容する非ストッパ位置との間で移動する。したがってワークは、ストッパ装置によって移動規制されることで、摩擦圧接の際の押圧を確実に受け得る。またワークは、ストッパ装置によって移動許容されることで、回転基台に対して移動でき、移動することでばりがカッタに押し付けられ得る。
【0011】
請求項7に記載の発明によると、第二の保持装置は、ワークを保持するためにワークに対して移動する一対のクランプ爪を有している。移動装置は、一対のクランプ爪の移動方向に対して略垂直な面においてワークを移動させる。したがってワークは、一対のクランプ爪を大きく離すことなく、摩擦領域側からばり取り領域側へ移動され得る。そのためワークを回転させるために必要なスペースが小さくなり、摩擦圧接機を小型化し得る。
【0012】
請求項8に記載の発明によると、プレス体は、第一の保持装置側に連結され、第一の保持装置とともに移動する。したがってばり取り装置は、摩擦圧接をする際に必要な動力を利用してプレス体を移動させて、ばりをワークから取除くことができる。そのため動力源の共通化によって摩擦圧接機が簡易に構成され得る。
【0013】
請求項9に記載の発明によると、カッタは、取付部の入口の全周を囲むように設けられている。請求項10に記載の発明によると、摩擦圧接時に第一の保持装置が第二の保持装置に前進し、摩擦圧接後に第一の保持装置が第二の保持装置に対して後退し、該一回の後退動作の間に、摩擦圧接後のワークを摩擦圧接位置からばり取り位置に移動させる動作と、ワークに形成されたばりを取除く動作とを行う。したがって摩擦圧接作業とばり取り作業を平行に行うことができるため、作業のサイクルタイムが短くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図1〜12にしたがって説明する。摩擦圧接機1は、図1に示すように床面10に立設されるベース体7と、ベース体7の上部に設けられる主軸体2を有している。ベース体7は、図1,5に示すように床面10に立設される四本の柱7aと、四本の柱7aによって支持される基台7bと、基台7bに立設される二本のタイロッド7cと、二本のタイロッド7cによって支持される上側プレート7dを有している。なお図1では、摩擦圧接機1の動きを分かり易くするため、複数ある部材については多くはその内一つを図示し、それ以外は図示を省略している。部材の正確な数については、図2〜図6に記載する。
【0015】
主軸体2は、図1,3,4に示すように主軸箱2aと、主軸箱2aの上部に設けられる回転装置2cと、主軸箱2aの下部に設けられる第一の保持装置2bを有している。第一の保持装置2bは、第一のワークW1を保持するチャックを有している。回転装置2cは、サーボモータ等であって、図示省略の制御装置によって制御される。回転装置2cの出力は、保持装置2bに伝達されて、第一の保持装置2bのチャックとともに第一のワークW1を回転させる。
【0016】
図1に示すように主軸箱2aの上部には、上板2dが取付けられ、主軸箱2aの下部には、下板2fが取付けられる。上板2dと下板2fには、タイロッド7cが摺動可能に挿通される。したがって主軸体2は、タイロッド7cによって上下動可能に案内支持される。主軸体2とベース体7の間には、主軸体2をベース体7に対して移動させる推力装置6が設けられている。推力装置6は、主軸モータ6aとボールねじ(雄ねじ部材6bと雌ねじ部材6c)を有している。ボールねじの雄ねじ部材6bは、上端部が上側プレート7dに軸回転可能に支持される。雄ねじ部材6bの下端部は、上側プレート7dに取付けられて雄ねじ部材6bの下端部に張出す補強部材7eに軸回転可能に支持される。
【0017】
ボールねじの雌ねじ部材6cは、図1,3に示すように主軸体2の上板2dに軸回転不能に取付けられる。雌ねじ部材6cには、雄ねじ部材6bが軸回転可能に螺合される。図1,2に示すように主軸モータ6aは、上側プレート7dに設けられており、ベルト6eによって滑車6dと雄ねじ部材6bの上部に連結される。したがって主軸モータ6aの出力がベルト6eを介して雄ねじ部材6bに伝わり、雄ねじ部材6bが軸回転し、雄ねじ部材6bから雌ねじ部材6cが力を受ける。これにより主軸体2が雄ねじ部材6bとタイロッド7cに沿って上下動する。
【0018】
図1,5に示すように基台7bには、第二の保持装置3と移動装置4が設けられる。第二の保持装置3は、第二のワークW2を保持する一対のクランプ爪3bと、クランプ爪3bを第二のワークW2に対して進退させるクランプ本体3aを有している。移動装置4は、図1,6に示すようにワークWを上側位置(摩擦圧接位置)から下側位置(ばり取り位置)に移動させる装置であって、回転基台4aと回転機構4bを有している。
【0019】
回転基台4aは、図1,6に示すように例えば円柱状であって、ワークWが取付けられ得る複数(例えば二つ)の取付部1aを有している。回転基台4aは、基台7bから下方に延出する取付部材7fに軸回転可能に取付けられる。回転基台4aの回転軸は、略水平であって、回転基台4aに取付けられたワークWは、上下位置の間で回転して移動する。回転機構4bは、サーボモータ等であって、図示省略の制御装置によって制御されて回転基台4aを回転させる。
【0020】
摩擦圧接機1の下部には、図1,7に示すようにばり取り装置5が設けられている。ばり取り装置5は、摩擦圧接した際に生じたワークWのばりW3を取除く装置であって、一対のカッタ5aとプレス体5bを有している。カッタ5aは、回転基台4aの外周面の回転軸を挟む両側部に設けられている。カッタ5aは、図6に示すように円盤状であって、中央に貫通孔5a1を有している。貫通孔5a1は、ワークWの径とほぼ同じであって、ワークWが貫通孔5a1に挿通されることで、ワークWの外周面に形成されたばりがワークWの本体から取除かれ得る。
【0021】
プレス体5bは、図1,7に示すように筒部材5b1と蓋部材5b2を有している。筒部材5b1は、筒状であって、挿入されたワークWが大きく傾くことを防止する。蓋部材5b2は、筒部材5b1の下部を塞いでおり、ワークWの端部に当接して上方に押す。蓋部材5b2の下部には、下板5cが取付けられる。下板5cと主軸体2の下板2fの間には、二本の連結棒5dが取付けられる。これにより主軸体2とプレス体5bは、一体となってベース体7に対して上下動する。
【0022】
図7,12に示すように回転基台4aには、ワークWを移動規制するためのストッパ装置8が設けられる。ストッパ装置8は、一対のストッパ板8aと、ストッパ板8aを付勢するばね8bと、ストッパ板8aを移動させる移動機構8cを有している。ストッパ板8aは、回転基台4aの内部において移動可能に設けられる。ストッパ板8aの一側面には、貫通孔8a1と溝8a2が設けられている。
【0023】
溝8a2は、図7,12に示すようにストッパ板8aの表面を水平方向に延出し、溝8a2には、ワークWの一端部が設置される。貫通孔8a1は、溝8a2の底面一部から延出してストッパ板8aを貫通する。ストッパ板8aは、ばね8bによって常時付勢されている。ワークWは、通常、ばね8bによって付勢されて、貫通孔8a1が一致しないストッパ位置に位置する。またワークWの端部は、溝8a2の側壁面8a3に押し付けられる。これによりワークWは、ストッパ装置8によって回転基台4aから脱落不能に支持され得る。
【0024】
移動機構8cは、ばり取り工程において、図示省略の制御装置によって制御されて、ストッパ板8aをばね8bに抗して移動させる(図7,12参照)。これにより貫通孔8a1の位置とワークWの位置が一致し(非ストッパ位置)、ワークWがストッパ板8aを貫通し得る状態になる。この状態でワークWが長手方向に移動すると、ワークWの一端部が回転基台4aの中央孔4a1に移動し、ワークWに形成されたばりW3がカッタ5aに押し付けられ得る。
【0025】
図7に示すように摩擦圧接機1には、ワークW1,W2を保持装置2b,3にセットするためのローダ9が設けられている。ローダ9は、筒状の筒本体9aとエア供給機構9bを有している。筒本体9aにワークW1,W2が挿入され、エア供給機構9bによって筒本体9aにエアが供給され、ワークW1,W2が保持装置2b,3に向けて発射される。そしてローダ9から発射されたワークW1,W2が保持装置2b,3によって保持される。第二のワークW2の一端部は、回転基台4aの上面部に設けられたカッタ5aを貫通し、ストッパ板8aに当接する。ワークW2は、第二の保持装置3によって保持される。
【0026】
摩擦圧接する場合は、図1の2点鎖線,図8の実線に示すように制御装置によって回転装置2cと推力装置6を制御して、第一のワークW1を回転させつつ主軸体2を下方に移動させる。これにより第一のワークW1が第二のワークW2に押し付けられ、これらの間に摩擦熱が発生する。そして摩擦熱とプレス圧によってワークW1,W2が摩擦圧接されて接着する(摩擦圧接工程)。図9に示すように摩擦圧接の際にワークWの外周面には、フランジ形状のばりW3が生じる。
【0027】
ばりW3を取除くために、図10に示すように制御装置によって保持装置2b,3と推力装置6を制御し、第一の保持装置2bが先ずワークWを解放する。次に、第一の保持装置2bがワークWよりも上方に移動する。第二の保持装置3は、ワークWから一対のクランプ爪3bが離間し、ワークWを解放する。
【0028】
次に、制御装置によって移動装置4を制御して、図10に示すように回転基台4aを回転機構4bによって略180°回転させる。この時、ワークWは、一対のクランプ爪3bの移動方向に対して略垂直な面上(図10の紙面に垂直な面上)を移動する。そしてワークWは、摩擦圧接の際の位置と同軸上にセットされる。次に、制御装置によってストッパ装置8を制御して、下側のストッパ板8aを非ストッパ位置に移動させる。これによりワークWが上方に移動可能になる。
【0029】
次に、制御装置によって推力装置6を制御して、主軸体2をさらに上方に移動させる。これにより図11に示すように主軸体2とともにプレス体5bが上方に移動し、プレス体5bの蓋部材5b2がワークWの下端部を上方に押す。これによりワークWがカッタ5aの貫通孔5a1を通り、ばりW3がカッタ5aの表面(下面)に当たる。さらにワークWが上方に移動すると、ばりW3がカッタ5aを通過できずにワークWから切断され得る(ばり取り工程)。
【0030】
ばり取り領域(下側)のワークWを摩擦圧接機1から取出す前に、図7に示すように摩擦圧接領域(上側)において新たなワークW1,W2をローダ9から発射して、ワークW1,W2を保持装置2b,3にセットする。この状態で制御装置によって推力装置6を制御して、図8に示すように保持装置2bとプレス体5bを下方に移動させる。これにより摩擦圧接領域では、ワークW1,W2が当接して摩擦圧接が開始する。ばり取り領域では、プレス体5bがワークWよりも下方に移動して、ワークWが重力あるいは図示省略のアンローダによって回転基台4aから取外される。
【0031】
次に、図8に示すように回転基台4aから取出されたワークWからリング形状のばりW3を取外す。これによりばり取り工程が終了する。一方、摩擦圧接領域側では、主軸体2がさらに下方に移動してワークW1,W2が摩擦圧接される。したがって一つの摩擦圧接機1において、摩擦圧接作業とばり取り作業がオーバーラップしてなされ得る。その結果、これらサイクルタイムが短縮され得る。
【0032】
以上のように摩擦圧接機1は、図7に示すように第二のワークW2が取付けられ得る複数の取付部1aを有している。移動装置4は、複数の取付部1aのうちの一つの取付部1aが第一の保持装置2bに対向する摩擦圧接位置からばり取りを行うばり取り位置へ向かって移動するのに合わせて、他の一つの取付部1aが摩擦圧接位置に移動してくるように取付部1aを移動させる。ばり取り装置5は、ばり取り位置にある取付部1aに対向する位置に設けられ、取付部1aに取付けられたワークWに形成されたばりW3を取除く。
【0033】
したがって摩擦圧接を行う摩擦圧接位置(領域)と、ばり取りを行うばり取り位置(領域)とが別の位置にある。そのため摩擦圧接作業とばり取り作業とを平行に行うことが可能である。そのためこれら作業のサイクルタイムを短縮することができる。
【0034】
またばり取り装置5は、図7に示すように摩擦圧接後のワークWを移動装置4側に押すプレス体5bと、プレス体5bと移動装置4の間に設けられ、プレス体5bに押されたワークWに形成されたばりW3を取除くカッタ5aとを有している。またばり取り装置5は、図1に示すように第二の保持装置3に対して第一の保持装置2bの反対側に位置する。
【0035】
移動装置4は、図7に示すように回転基台4aと回転機構4bを有している。したがってワークWは、回転基台4aとともに基台7bに対して回転し、摩擦圧接領域側からばり取り領域側に移動し得る。そのため移動装置4は、ワークWを基台7bに対して平行移動等させる装置よりも簡易な構成になる。また回転機構によって回転基台を回転させるため、手作業によって回転させる場合に比べて作業が容易になる。
【0036】
図7に示すように回転基台4aの外周面の回転軸を挟む両側部にワークWが取付けられ得る構成になっている。したがって一方のワークWが摩擦圧接領域側において摩擦圧接され、同時に、他方のワークWがばり取り領域側においてばりが取りされ得る。したがってこれら作業を平行に行うことで、作業のサイクルタイムが短縮され得る。
【0037】
回転基台4aには、図7に示すようにワークWの移動を規制するためのストッパ装置8が設けられている。ストッパ装置8は、ストッパ板8aと移動機構8cを有している。ストッパ板8aは、移動機構8cによってワークWを移動規制し得るストッパ位置と、移動許容する非ストッパ位置との間で移動する。したがってワークWは、ストッパ装置8によって移動規制されることで、摩擦圧接の際の押圧を確実に受け得る。またワークWは、ストッパ装置8によって移動許容されることで、回転基台4aに対して移動でき、移動することでばりW3がカッタ5aによって押し付けられ得る。
【0038】
図10に示すように第二の保持装置3は、一対のクランプ爪3bを有している。移動装置4は、一対のクランプ爪3bの移動方向に対して略垂直な面においてワークWを回転させる。したがってワークWは、一対のクランプ爪3bを大きく離すことなく、摩擦領域側からばり取り領域側へ移動され得る。そのためワークWを回転させるために必要なスペースが小さくなり、摩擦圧接機1を小型化し得る。
【0039】
またプレス体5bは、図1に示すように第一の保持装置2b側に連結され、第一の保持装置2bとともに移動する。したがってばり取り装置5は、摩擦圧接をする際に必要な動力を利用してプレス体を移動させて、ばりをワークから取除くことができる。そのため動力源の共通化によって摩擦圧接機1が簡易に構成され得る。またカッタ5aは、取付部1aの入口の全周を囲むように設けられている。
【0040】
また第一の保持装置2bが摩擦圧接時に第二の保持装置3に前進し、摩擦圧接後に第一の保持装置2bが第二の保持装置3に対して後退し、該一回の後退動作の間に、摩擦圧接後のワークWを摩擦圧接位置からばり取り位置に移動させる動作と、ワークWに形成されたばりW3を取除く動作とを行う。したがって摩擦圧接作業とばり取り作業を平行に行うことができるため、作業のサイクルタイムが短くなる。
【0041】
(他の実施の形態)
本発明は、上記実施の形態に限定されず、以下の形態等であっても良い。
(1)上記実施の形態のワークW1,2は、円柱状もしくは円筒状であり、該ワークW1,W2が挿通され得る貫通孔5a1がカッタ5aに形成されている。しかし図13,14に示すように第二のワークW4の端部にフランジ部W5が形成されており、分割可能な一対の分割カッタ5e1を備えるカッタ5eを有し、一対の分割カッタ5e1間にワークWが挿通され得る貫通孔が形成される形態であっても良い。したがって一対の分割カッタ5e1を離間させることで、フランジ部W5を有するワークWを回転基台側から取外すことができる。
(2)上記実施の形態は、第一のワークW1を回転させる回転装置2cを有している。しかし第二のワークW2を回転させる回転装置を有する形態等であっても良い。
(3)上記実施の形態は、主軸体2がベース体7に対して上下動可能に設けられる竪型であって、一対のワークが上下方向に押し付けられる。しかし床面に設置されるベッドを有し、主軸体がベッドに対して水平方向に移動可能に設けられる横型であって、一対のワークが水平方向に押し付けられる形態であっても良い。
(4)上記実施の形態の移動装置4は、基台7bに対して回転可能に設けられる回転基台4aを有し、ワークWが回転基台4aとともに回転する。しかしワークWを基台7bに対して平行移動させる移動装置を有する形態であっても良い。
(5)上記実施の形態のカッタ5aは、回転基台4aに設けられている。しかしカッタがプレス体5bに設けられ、プレス体とともにカッタがワークに移動して、カッタがワークに形成されたばりに押し付けられる形態であっても良い。
(6)上記実施の形態は、回転基台4aに一対のカッタ5aと一対のストッパ装置8が設けられている。しかし回転基台4aに一つまたは三つ以上のカッタとストッパ装置が設けられる形態であっても良い。
(7)上記実施の形態は、第一の保持装置を第二の保持装置に対して移動させる推力装置を有している。しかし第二の保持装置を第一の保持装置に対して移動させる推力装置を有する形態等であっても良い。
(8)上記実施の形態のカッタ5aは、移動装置4に固定されている。しかしカッタは基台7bに固定されていても良い。
(9)上記実施の形態のプレス体5bは、第一の保持装置2b側に連結されている。しかしプレス体が第一の保持装置側に連結されずに、推力装置6aとは別の動力装置によって移動装置側に移動する形態であっても良い。
(10)上記実施の形態の第二の保持装置は、基台に設けられている。しかし第二の保持装置を移動装置の取付部毎に移動装置に設ける形態であっても良い。
(11)上記実施の形態は、プレス体5bでワークWをカッタ5aに押し当てることでばりW3を取除いている。しかしカッタを動かしてカッタをばりに押し当てることでばりを取除く形態であっても良い。
(12)上記実施の形態の移動装置4は、取付部1aを上位置(摩擦圧接位置)と、下位置(ばり取り位置)の間で移動させる。しかし移動装置が複数の取付部を有し、取付部を左右方向に隣接する摩擦圧接位置とばり取り位置との間で移動させ、該ばり取り位置に対応する位置にばり取り装置が設けられている形態であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】摩擦圧接機の正面図である。
【図2】図1の矢印II−II線方向における摩擦圧接機の上面図である。
【図3】図1の矢印III−III線方向における摩擦圧接機の断面図である。
【図4】図1の矢印IV−IV線方向における摩擦圧接機の断面図である。
【図5】図1の矢印V−V線方向における摩擦圧接機の断面図である。
【図6】図1の矢印VI−VI線方向における摩擦圧接機の断面図である。
【図7】作業工程途中における摩擦圧接機の一部概略図である。
【図8】作業工程途中における摩擦圧接機の一部概略図である。
【図9】作業工程途中における摩擦圧接機の一部概略図である。
【図10】作業工程途中における摩擦圧接機の一部概略図である。
【図11】作業工程途中における摩擦圧接機の一部概略図である。
【図12】ストッパ装置の斜視図である。
【図13】他の形態のカッタとワークの正面図である。
【図14】他の形態のカッタとワークの上面図である。
【符号の説明】
【0043】
1…摩擦圧接機
2…主軸体
2a…主軸箱
2b…第一の保持装置
2c…回転装置
3…第二の保持装置
3b…クランプ爪
4…移動装置
4a…回転基台
4b…回転機構
5…ばり取り装置
5a,5e…カッタ
5b…プレス体
5d…連結棒
6…推力装置
7…ベース体
7b…基台
8…ストッパ装置
8a…ストッパ板
8a1…貫通孔
8c…移動機構
9…ローダ
10…床面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の保持装置に保持される第一のワークと第二の保持装置に保持される第二のワークを相対回転させつつ、前記第一の保持装置と前記第二の保持装置とを相対移動させることで前記第一のワークと前記第二のワークとを押し当てて摩擦圧接し、該摩擦圧接した際に生じたばりを摩擦圧接後のワークから取除く、ばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
前記第二のワークが取付けられ得る複数の取付部を有し、前記複数の取付部のうちの一つの取付部が前記第一の保持装置に対向する摩擦圧接位置からばり取りを行うばり取り位置へ向かって移動するのに合わせて、他の一つの取付部が摩擦圧接位置に移動してくるように前記取付部を移動させる移動装置と、前記ばり取り位置にある前記取付部に対向する位置に設けられ、前記取付部に取付けられたワークに形成されたばりを取除くばり取り装置とを有することを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項2】
請求項1に記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
前記ばり取り装置は、摩擦圧接後のワークを前記移動装置側に押すプレス体と、
前記プレス体と前記移動装置の間に設けられ、前記プレス体に押された前記ワークに形成されたばりを取除くカッタとを有していることを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項3】
請求項1または2に記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
前記ばり取り装置は、前記第二の保持装置に対して前記第一の保持装置の反対側に位置することを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
移動装置は、第二の保持装置が取付けられる基台に回転可能に取付けられる回転基台と、前記回転基台を前記基台に対して回転させる回転機構を有することを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項5】
請求項4に記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
回転基台の外周面の回転軸を挟む両側部に第二のワークが取付けられ得る構成になっていることを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項6】
請求項4または5に記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
回転基台には、摩擦圧接時に前記第一のワークと前記第二のワークとを押し当てる方向に関するワークの移動を規制するためのストッパ装置が設けられ、
前記ストッパ装置は、前記回転基台に対して移動可能に設けられるストッパ板と、前記ストッパ板を前記回転基台に対して移動させる移動機構を有し、
前記ストッパ板は、前記移動機構によって前記ワークを移動規制し得るストッパ位置と、移動許容する非ストッパ位置との間で移動することを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
第二の保持装置は、ワークを保持するために前記ワークに対して移動する複数のクランプ爪を有し、
移動装置は、前記一対のクランプ爪の可動範囲の外の領域を通るようにワークを移動させることを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項8】
請求項2に記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
前記プレス体は、前記第一の保持装置側に連結され、前記第一の保持装置とともに移動することを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項9】
請求項2または8に記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
前記カッタは、前記取付部の入口の全周を囲むように設けられていることを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一つに記載のばり取り装置付き摩擦圧接機を使用して摩擦圧接とばり取りとを行う、ばり取り装置付き摩擦圧接機のばり取り方法であって、
摩擦圧接時に第一の保持装置が第二の保持装置に前進し、摩擦圧接後に前記第一の保持装置が前記第二の保持装置に対して後退し、該一回の後退動作の間に、摩擦圧接後のワークを摩擦圧接位置からばり取り位置に移動させる動作と、ワークに形成されたばりを取除く動作とを行うことを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機のばり取り方法。
【請求項1】
第一の保持装置に保持される第一のワークと第二の保持装置に保持される第二のワークを相対回転させつつ、前記第一の保持装置と前記第二の保持装置とを相対移動させることで前記第一のワークと前記第二のワークとを押し当てて摩擦圧接し、該摩擦圧接した際に生じたばりを摩擦圧接後のワークから取除く、ばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
前記第二のワークが取付けられ得る複数の取付部を有し、前記複数の取付部のうちの一つの取付部が前記第一の保持装置に対向する摩擦圧接位置からばり取りを行うばり取り位置へ向かって移動するのに合わせて、他の一つの取付部が摩擦圧接位置に移動してくるように前記取付部を移動させる移動装置と、前記ばり取り位置にある前記取付部に対向する位置に設けられ、前記取付部に取付けられたワークに形成されたばりを取除くばり取り装置とを有することを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項2】
請求項1に記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
前記ばり取り装置は、摩擦圧接後のワークを前記移動装置側に押すプレス体と、
前記プレス体と前記移動装置の間に設けられ、前記プレス体に押された前記ワークに形成されたばりを取除くカッタとを有していることを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項3】
請求項1または2に記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
前記ばり取り装置は、前記第二の保持装置に対して前記第一の保持装置の反対側に位置することを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
移動装置は、第二の保持装置が取付けられる基台に回転可能に取付けられる回転基台と、前記回転基台を前記基台に対して回転させる回転機構を有することを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項5】
請求項4に記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
回転基台の外周面の回転軸を挟む両側部に第二のワークが取付けられ得る構成になっていることを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項6】
請求項4または5に記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
回転基台には、摩擦圧接時に前記第一のワークと前記第二のワークとを押し当てる方向に関するワークの移動を規制するためのストッパ装置が設けられ、
前記ストッパ装置は、前記回転基台に対して移動可能に設けられるストッパ板と、前記ストッパ板を前記回転基台に対して移動させる移動機構を有し、
前記ストッパ板は、前記移動機構によって前記ワークを移動規制し得るストッパ位置と、移動許容する非ストッパ位置との間で移動することを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
第二の保持装置は、ワークを保持するために前記ワークに対して移動する複数のクランプ爪を有し、
移動装置は、前記一対のクランプ爪の可動範囲の外の領域を通るようにワークを移動させることを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項8】
請求項2に記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
前記プレス体は、前記第一の保持装置側に連結され、前記第一の保持装置とともに移動することを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項9】
請求項2または8に記載のばり取り装置付き摩擦圧接機であって、
前記カッタは、前記取付部の入口の全周を囲むように設けられていることを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一つに記載のばり取り装置付き摩擦圧接機を使用して摩擦圧接とばり取りとを行う、ばり取り装置付き摩擦圧接機のばり取り方法であって、
摩擦圧接時に第一の保持装置が第二の保持装置に前進し、摩擦圧接後に前記第一の保持装置が前記第二の保持装置に対して後退し、該一回の後退動作の間に、摩擦圧接後のワークを摩擦圧接位置からばり取り位置に移動させる動作と、ワークに形成されたばりを取除く動作とを行うことを特徴とするばり取り装置付き摩擦圧接機のばり取り方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−125501(P2010−125501A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304528(P2008−304528)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(000101994)イヅミ工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(000101994)イヅミ工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
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