説明

アスパラの栽培装置及びこの装置を使用したアスパラの栽培方法

【課題】 大物アスパラ、中物アスパラ、細物アスパラなど注文や料理法に応じた多様なアスパラの提供を可能とし、容易な株分けと株の管理利用を可能とし、ホワイトアスパラを簡単にグリーンアスパラにできるアスパラの栽培方法を提供するにある。
【解決手段】 栽培装置1は部屋の温度を通年に渡って25度程度に保つエアコンからなる温度制御手段2、栽培光を照らす電灯3とを備えてなる栽培小屋4と、この栽培小屋4に設けられた、電灯3の栽培光を遮らないオープン栽培棚5と、栽培小屋4に隣接して設けられた、多数の暗室6を有する暗室栽培棚7とからなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスパラの栽培装置及びこの装置を使用したアスパラの栽培方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のアスパラの栽培は次のようになっている。
グリーンアスパラは、種まきをして苗を得る、1年苗を購入し畑に定植して、1年苗植えから1〜2年かけて株を大きく育てる。その株で春から夏にかけてグリーンアスパラを収穫する。ホワイトアスパラは、軟白させる為に株の上に30〜40Cmの盛土をしてその盛土で光を断ち軟白させ収穫をしている。
【0003】
このような栽培の為に従来技術は次ぎに述べるような欠点を有するものであった。
(1)栽培するには広い畑が必要であること。このために畑の手入れや、盛り土などに相当の労力を費やさなければならないという欠点があった。
(2)グリーンアスパラとホワイトアスパラの両方を収穫するには、それぞれ、栽培する畑を決めて栽培しなければならないため、それぞれを途中で自在に調節栽培ができないという欠点があった。
(3)アスパラは、定植後年数が経てば株は大きくなり、根がしっかりと張り掘り起こすことが容易でなくなり、移動や株分けなど取り扱いが大変労力がかかるので頻繁に株分けすることができ難いなど、株分けしての株の管理利用が大変であるという欠点があった。
(4)株の管理利用の困難性から、従来の畑での栽培方法では、春から夏と収穫時期が限定されるという欠点があった。
(5)ホワイトアスパラは盛土による暗闇栽培であるために、収穫時はアスパラの芽が伸びてきて土を少し持ち上げたときに収穫するために、
収穫タイミングが難しい、
発芽数や成長過程が良く分からず収穫予想がつかない、
細物ミニホワイトアスパラや中物アスパラなどの注文長さや料理に合ったアスパラの収穫が出来ない、という欠点があった。
(6)畑で栽培するために害虫の影響や付着が起きるという欠点があった。
【特許文献1】特に無し
【非特許文献1】特に無し
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は以上のような従来技術の持つ問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、
(1)広い栽培畑を必要とせず、且つ盛り土等の栽培労力を軽減する集約農業であって、
(2)グリーンアスパラとホワイトアスパラの栽培量の調節を自在に行える同時栽培を可能とし、
(3)大物アスパラ、中物アスパラ、細物アスパラなど注文や料理法に応じた多様なアスパラの提供を可能とし、
(4)容易な株分けと株の管理利用を可能とし、
(5)ホワイトアスパラを簡単にグリーンアスパラにでき、
(6)上記(2)(3)(5)を通年栽培とすることができ、
(7)害虫の影響や付着を受け難い、
アスパラの栽培装置を提供することにある。
【0005】
本発明の前記ならびのそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は次ぎに述べるようになっている。
<請求項1記載の発明>
農場や温室、ビニールハウスで栽培したアスパラの株を定植したコンテナーやプランターなどの株定植ケースと、この株定植ケースを複数配置して、アスパラを成育させる光を当てる手段と、前記株定植ケースを覆う暗幕シートや囲い体などの暗闇形成手段と、この暗闇形成手段を巻き上げる、外すなどの簡単な操作で成育状況を確認するホワイトアスパラ成育確認手段とからなり、グリーンアスパラ及びホワイトアスパラを育成し収穫し得ることを特徴とするアスパラの栽培装置を構成している。
<請求項2記載の発明>
アスパラの株を定植させたコンテナーやプランターなどの株定植ケースを複数配置して暗闇でホワイトアスパラを成育させるホワイトアスパラ成育装置と、
前記株定植ケースに成育に必要な栽培光を当ててアスパラを成育させるグリーンアスパラ成育装置とからなることを特徴とする、請求項1のアスパラの栽培装置を構成している。
<請求項3記載の発明>
請求項1、2いずれか記載の発明において、前記暗闇形成手段を使用して栽培装置全体をホワイトアスパラ栽培装置とし、あるいは、前記光を当てる手段を使用して栽培装置全体をホワイトアスパラ栽培装置とし得ることを特徴とするアスパラの栽培装置を構成している。
<請求項4記載の発明>
請求項1、2、3いずれか記載の発明において、通年栽培を目的とした温度管理機構と湿度管理機構と栽培光供給機構を備え、複数の株定植ケースを配置して栽培することを特徴とする請求項1、2いずれか記載のアスパラの栽培装置を構成している。
<請求項5記載の発明>
請求項1、2、3、4いずれか記載の発明において、グリーンアスパラの栽培およびホワイトアスパラの栽培中は、狭い閉鎖空間である装置内に、害虫の侵入を防止する管理機構を設置したことを特徴とする請求項1、2、3いずれか記載のアスパラの栽培装置を構成している。
<請求項6記載の発明>
農場や温室、ビニールハウスで、プランターなどのケースにビニール袋や薄シートケース体などのシート部材をケース体に敷き、この中にアスパラの種を栽培し、アスパラ株を型崩れしない程度までに成育させ、このアスパラ株を前記シート部材とともに株定植ケースに定植し、請求項1〜4のいずれかに記載のアスパラの栽培装置に収容し、グリーンアスパラ及びホワイトアスパラを育成し収穫することを特徴とするアスパラの栽培方法を構成している。
<請求項7記載の発明>
請求項6に記載の発明において、アスパラ株を定植した前記株定植ケースを暗室に複数配置して、該株定植ケースごとにホワイトアスパラを育成し収穫するとともに、ホワイトアスパラを成育させた株定植ケースを、必要に応じて栽培光を当ててグリーンアスパラを育成し、収穫することを特徴とするアスパラの栽培方法を構成している。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
<請求項1記載の発明の効果>
アスパラの株を定植させたコンテナーやプランターなどの株定植ケースと、この株定植ケースを複数配置して、アスパラを成育させる光を当てる手段と、前記株定植ケースを覆う暗幕シートや囲い体などの暗闇形成手段と、この暗闇形成手段を巻き上げる、外すなどの簡単な操作で成育状況を確認するホワイトアスパラ成育確認手段とからなり、グリーンアスパラ及びホワイトアスパラを育成し収穫し得ることを特徴とするアスパラの栽培装置を構成しているので次ぎに述べるような効果を奏する。
(1)コンテナーやプランター(一般的には培養土を入れて1人で容易に移動可能な重量のプランターや株を定植させた袋が適している)にアスパラの株を定植させるので、
a:株がケース体の制約内で成長し、ケース体を引っ繰り返すだけで株を取り出し容易に分割でき、
b:株を小さく分割できるので、冷蔵庫での冷蔵保存や栽培計画に応じた必要量の株植えが大変行い易いという株の効率的な管理利用を実現し、
c:これにより広い畑での栽培によらない、且つ、盛り土等の栽培労力を大幅に軽減した集約農業としてのアスパラの栽培方法を実現するという効果を得ることができる。
(2) 株定植ケースを多数配置してアスパラを成育させる栽培光を当てることができるようにし、ホワイトアスパラを成育させるためにアスパラ成育部位を暗闇とするために前記株定植ケースのそれぞれに、株定植ケースを覆う暗幕シートや囲い体などの暗闇形成手段を設け、且つそのシート等を巻き上げる、外すなどの簡単な操作で、ホワイトアスパラの成育状態を確認することができるようにしているので、
a:株定植ケースのそれぞれのホワイトアスパラの成育状態を何時でも見ながら収穫できるので、大物、中物、細物など注文や料理に応じた寸法のホワイトアスパラの収穫を可能とし、
b:ホワイトアスパラとグリーンアスパラを同時に同じ場所で栽培することができ、且つ、ホワイトアスパラが主体となった株定植ケースを、光の当たる場所に移動させる、暗闇形成手段を開ける・取り除くなどにより、株定植ケースごとにホワイトアスパラの芽に光を当てて、その後はグリーンアスパラにすることもできるという効果を得ることができる。
(3)特に多段式立体栽培とすることにより、一坪あたりの栽培効率を上げ、必要に応じた長さや太さでグリーンアスパラとホワイトアスパラをそれぞれ必要に応じて収穫出来るとう効果を得ることができる。
(4)移動、株の定植、発芽からアスパラ主体の収穫、必要ない場合の撤去、株の冷蔵保存を簡単自在に素早く行うことができるので、注文、市場動向などにきめ細かく対応した栽培が容易に実現できるという効果を得ることができる。
(5)ホワイトアスパラを好みの長さのものを何時でも収穫できるので、特に従来は無かった、数ミリの細いミニアスパラを収穫できるという効果を得ることもできる。
<請求項2記載の発明の効果>
アスパラの株を定植させたコンテナーやプランターなどの株定植ケースを複数配置して暗闇でホワイトアスパラを成育させるホワイトアスパラ成育装置と、
前記株定植ケースに成育に必要な栽培光を当ててアスパラを成育させるグリーンアスパラ成育装置を構成しているので、
グリーン度の程度に差の有るグリーンアスパラを栽培できるという効果を得ることができる。
<請求項3記載の発明の効果>
暗闇形成手段を使用して栽培装置全体をホワイトアスパラ栽培装置とし、あるいは、光を当てる手段を使用して栽培装置全体をホワイトアスパラ栽培装置とし得るアスパラの栽培装置を構成しているので、栽培装置を有効に利用して、少ない経費で、効果的、能率的な栽培を可能としている。
<請求項4記載の発明の効果>
通年栽培を目的とした温度管理機構と湿度管理機構と栽培光供給機構を備え、複数の株定植ケースを配置して栽培することを特徴とするアスパラの栽培装置を構成しているので、
通年を通してい多様な寸法のグリーンアスパラとホワイトアスパラを安定的、注文、市場の動向などに対応して提供でき、生産調整が行い易いという効果を得ることができる。なお、温度管理機構と湿度管理機構は、気密性に優れた装置内で、市販されているクーラー、加湿器等を効果的に設置し、栽培光は、採光窓等を設けたり、電球等を設置したりしておこなう。
<請求項5記載の発明の効果>
請求項1、2、3いずれか記載の発明において、グリーンアスパラの栽培およびホワイトアスパラの栽培中は、狭い閉鎖空間である装置内に、害虫の侵入を防止する防止する管理を可能とした構成としているので、
畑での栽培ではなしえなかった、狭い閉鎖された空間内での害虫侵入防止設備を設置して、効果的に管理することにより、害虫の影響や付着の極めて少ないアスパラを栽培できるという効果を得ることができる。
<請求項6記載の発明の効果>
農場、温室、等でプランターなどのケースにビニール袋や薄シートケース体などのシート部材をケース体に敷き、この中にアスパラの種を栽培し、アスパラ株を型崩れしない程度までに成育、定植させて、このアスパラ株を前記シート部材とともに株定植ケースに定植するものであることを特徴とするアスパラの栽培方法を構成しているので、
プランターなどの数量を少なくできるので経費を安価にでき、プランターなどの保管場所を小規模にできるとともに、株を定植した株定植ケースをより軽いものにでき、作業を軽減する。
<請求項7記載の発明の効果>
請求項5に記載の発明において、アスパラ株を定植した前記株定植ケースを暗室に複数配置して、該株定植ケースごとにホワイトアスパラを育成し収穫するとともに、ホワイトアスパラを育成した株定植ケースを、必要に応じて光を当てて、グリーンアスパラを育成し、収穫することを特徴とするアスパラの栽培方法を構成しているので、
ホワイトアスパラを主体に栽培しながら、必要に応じてそれをグリーンアスパラに変化させるので、食感もグリーン度もホワイトアスパラに近いものから畑栽培グリーンアスパラに近い多様なグリーンアスパラを提供できるという効果を得ることができる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面に示す発明を実施するための最良の形態を説明する。但し、これら実施の形態の説明は本発明をこれらのみに限定するものでは無い。
【0009】
<第1の実施の形態>
図1に示す本発明を実施するための最良の第1の実施の形態である栽培装置1とその装置を使用したアスパラの栽培方法は次のようである。
栽培装置1は部屋の温度を通年に渡って25度程度に保つエアコンからなる温度制御手段2、栽培光を照射する電灯3とを備えてなるものであり、この栽培装置1には、電灯3の栽培光を遮らないオープン栽培棚5と、オープン栽培棚5に隣接して設けられた、多数の暗室6を有する暗室栽培棚7とからなっている。
暗室6のそれぞれの前部は着脱自在の遮光板8が設けられている。
オープン栽培棚5にはプランター9(幅60センチ、奥行20センチ、高20センチ)にアスパラ株を定植させた株定植ケース10が多数置かれ、電灯3の光が株表面にはまんべんなく当たるようにされて、グリーンアスパラが成育されている。
暗室栽培棚7の暗室6には株定植ケース10が収納され、暗室状態でホワイトアスパラが成育されている。
ホワイトアスパラの収穫は、遮光板8を外して所定のホワイトアスパラに成育したものを収穫し、収穫完了後は遮光板8を取付け暗室にして、更なるホワイトアスパラの発芽成育を行う。明るさが悪影響を与える場合は、電灯3の光を弱めたり消灯したりして、額に装着した懐中電灯などで照らしながら収穫を行う。
【0010】
栽培について説明する。
直径8ミリ長さ150ミリ程度のアスパラを収穫する場合は、春に市販のプランターに市販の野菜用の培養土をプランターの90%位充填して種まきの準備をする。
(株定植ケース形成段階)
この段階の栽培は、装置内でなく、外の農場、温室、ビニールハウスで行う。
水に付け発芽させ発芽したものだけをまいていく、ひとつのプランターに8個の種を等間隔になるように種まきをする。
芽が伸びて4本程度の株になったところでプランターの底に一部、水が着くようにして底面給水をした。
夏には、10株程度になったので株分けをした。プランターを倒すと簡単に株が取り出せた。
また、5株ずつに分けることも簡単であり株数も倍になり、プランターも倍になった。秋には、20本程度の株になったので必要に応じてブランター単位で成長したアスパラの地上部をすべて刈り取りした。一部のプランターは、3℃の冷藏庫保管をした。
(ホワイトアスパラ成育段階)
刈り取りをしたブランターを栽培装置1内の暗室で3段の梛に載せて栽培を続けた。
室温25℃程度で3日目には真っ白な芽が出てきた。株によって、1本の物や2本、3本の物と様々であった。発芽して3日目には直径8ミリ長さ20cm程度のミニホワイトアスパラが主体で収穫できた。
(グリーンアスパラにするグリーンアスパラ主体形成段階)
発芽したものを光りに当てるとミニのグリーンアスパラになった。プランターに株分けしておくと、20本程度の株を頻繁に株分けをするとミニアスパラが取れやすい特長もある。
刈り取りをしなかったアスパラは、多年草であるため冬には・地上部はみな枯れてしまったので枯れた物を刈り取りした。
(ホワイトアスパラ成育段階)
冬に地上部の枯れた株と冷蔵庫に保管してあった株を暗室3段(それぞれの段を黒色ビニールシート(遮光シート)で完全に覆ったもの。)の棚に載せて栽培をした。室温25℃程度で3日目にはどちらも真っ白な芽が出てきた。
(アスパラ成育段階)
この段階で、光に当てるとグリーンアスパラになった。
2年目の秋になると、市販されているような、グリーンアスパラやホワイトアスパラが収穫できた。
この栽培では、松葉のような形状のアスパラから市販されているような物まで様々なアスパラが収穫できた。特にミニホワイトアスパラは、これまでには栽培できない画期的なものである。
【0011】
<第2の実施の形態>
図2に示す本発明を実施するための最良の第2の実施の形態において、栽培棚に置いて株定植ケース10を内部に収納する暗室ボックス13は次のように作る。
(b)長方体の木枠やプラスチック枠からなる枠体14を、遮光シート12で完全に塞ぐ。
(c)枠体14の表面開口に沿って、カッターや鋏で上部を残して両側部と下部に切れ目を入れ開口カーテン部15を形成する。
(d)枠体14の表面部位より広めの遮光シートからなる補強遮光シート16を、上部を枠体14の天井にガムテープ17で固定して取り付け、暗室ボックス13を形成する。
(e)栽培棚に暗室ボックス13を置き、補強遮光シート16と開口カーテン部15を捲り上げて、株定植ケース10を暗室ボックス13に収納し、補強遮光シート16と開口カーテン部15を下ろして、ホワイトアスパラを成育させる。
【0012】
さらに安価な方法は、プランター形態の株定植ケースの左右あるいは前後に棒状のアーチを立てる、棒状の四角枠を立てて、これを遮光シートで完全に覆うことにより暗室状態を形成して、ホワイトアスパラを育成する方法がある。
遮光シートでの覆い方は、株定植ケース全体を覆う形態、ケースの上部を覆う形態がありこの形態も本発明の技術的範疇に含まれる。
【0013】
<第3の実施の形態>
図3に示す本発明を実施するための最良の第3の実施の形態において前記第1の実施の形態と主に異なる点は、暗室栽培棚7に遮光シート19を掛け、もう一台オープン栽培棚5を設け、一方のオープン栽培棚5を遮光シート19で全部覆い全体を暗室にして、ホワイトアスパラを栽培するようにした点にある。
ホワイトアスパラの収穫は全部消灯して行う。
両栽培棚をシートで覆ってホワイトアスパラ栽培をしたり、両栽培棚をグリーンアスパラ栽培とするなどの柔軟な使用ができる。
【0014】
<第4の実施の形態>
図4に示す本発明を実施するための最良の第4の実施の形態において前記第1の実施の形態と主に異なる点は、栽培装置1を遮光仕切22により、採光栽培室23と暗闇栽培室24とにし、暗闇栽培室24にオープン栽培棚5を配置し、採光栽培室23には株定植ケースを収納する部位に天井のそれぞれに電灯25を設けた栽培棚26を設けた点にある。
採光栽培室23と暗闇栽培室24はそれぞれ独立した温度制御手段2により温度管理されている。
遮光仕切22は遮光カーテン、扉付きの壁、単なる仕切り壁などがある。
【0015】
<第5の実施の形態>
図5に示す本発明を実施するための最良の第5の実施の形態において29は株定植ケースであって、この株定植ケース29は買い物袋などのビニール袋からなるシート部材30をプランターからなるケース体31に敷き、この中にアスパラ株32を型崩れしない程度まで定植させ、このアスパラ株32をシート部材30ごとケース体から取り外してプランター等の株定植ケース29としたものである。
ケース体31は地面や床にオープンに栽培したものである。
シート部材30はビニール袋、単なるシート部材や、シートケースなど多様な形態がある。
【0016】
<第6の実施の形態>
図6に示す本発明を実施するための最良の第6の実施の形態において35は株定植ケースであって、この株定植ケース35は幅60センチ、奥行38センチ、高40センチのコンテナの持ち上げ移動は手で行うが、大型のコンテナーについてはホークリフトにより行う。
株定植ケース35の前部壁と後部壁の上部壁は凹部36、37となっていて、ホワイトアスパラ場合はここから懐中電灯の光を当てて採取する。
グリーンアスパラを栽培する場合は、床に重ねずに配置するか、栽培棚26と同じ形態の栽培棚に収納して行う。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明はアスパラを生産する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の実施の形態の栽培装置の概略図。
【図2】本発明を実施するための最良の第2の実施の形態の暗室ボックスの形成工程図。
【図3】本発明を実施するための最良の第3の実施の形態の栽培装置の概略図。
【図4】本発明を実施するための最良の第4の実施の形態の栽培装置の概略図。
【図5】本発明を実施するための最良の第5の実施の形態の形成工程図。
【図6】本発明を実施するための最良の第6の実施の形態の斜視図。
【符号の説明】
【0019】
1:栽培装置、
2:温度制御手段、
3:電灯、
5:オープン栽培棚、
6:暗室、
7:暗室栽培棚、
8:遮光板、
9:プランター、
10:株定植ケース、
12:遮光シート、
13:暗室ボックス、
14:枠体、
15:開口カーテン部、
16:補強遮光シート、
17:ガムテープ、
19:遮光シート、
23:採光栽培室、
24:暗闇栽培室、
25:電灯、
26:栽培棚、
29:株定植ケース、
30:シート部材、
31:ケース体、
32:アスパラ株。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農場や温室、ビニールハウスで栽培したアスパラの株を定植したコンテナーやプランターなどの株定植ケースと、この株定植ケースを複数配置して、アスパラを成育させる光を当てる手段と、前記株定植ケースを覆う暗幕シートや囲い体などの暗闇形成手段と、この暗闇形成手段を巻き上げる、外すなどの簡単な操作で成育状況を確認するホワイトアスパラ成育確認手段とからなり、グリーンアスパラ及びホワイトアスパラを育成し収穫し得ることを特徴とするアスパラの栽培装置。
【請求項2】
アスパラの株を定植させたコンテナーやプランターなどの株定植ケースを複数配置して暗闇でホワイトアスパラを成育させるホワイトアスパラ成育装置と、
前記株定植ケースに成育に必要な栽培光を当ててアスパラを成育させるグリーンアスパラ成育装置とからなることを特徴とする、請求項1のアスパラの栽培装置。
【請求項3】
前記暗闇形成手段を使用して栽培装置全体をホワイトアスパラ栽培装置とし、あるいは、前記光を当てる手段を使用して栽培装置全体をホワイトアスパラ栽培装置とし得ることを特徴とする請求項1、2のいずれか記載ののアスパラの栽培装置。
【請求項4】
通年栽培を目的とした温度管理機構と湿度管理機構と栽培光供給機構を備え、複数の株定植ケースを配置して栽培することを特徴とする請求項1、2いずれか記載のアスパラの栽培装置。
【請求項5】
グリーンアスパラの栽培およびホワイトアスパラの栽培中は、狭い閉鎖空間である装置内に、害虫の侵入を防止する管理機構を設置したことを特徴とする請求項1、2、3いずれか記載のアスパラの栽培装置。
【請求項6】
農場や温室、ビニールハウスで、プランターなどのケースにビニール袋や薄シートケース体などのシート部材をケース体に敷き、この中にアスパラの種を栽培し、アスパラ株を型崩れしない程度までに成育させ、このアスパラ株を前記シート部材とともに株定植ケースに定植し、請求項1〜4のいずれかに記載のアスパラの栽培装置に収容し、グリーンアスパラ及びホワイトアスパラを育成し収穫することを特徴とするアスパラの栽培方法。
【請求項7】
アスパラ株を定植した前記株定植ケースを暗室に複数配置して、該株定植ケースごとにホワイトアスパラを育成し収穫するとともに、ホワイトアスパラを成育させた株定植ケースを、必要に応じて栽培光を当ててグリーンアスパラを育成し、収穫することを特徴とする請求項5記載のアスパラの栽培方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−246829(P2006−246829A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−70458(P2005−70458)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(593139422)
【Fターム(参考)】