説明

アミノスルホン酸誘導体とその付加塩及びS1P受容体調節剤

【課題】 優れたスフィンゴシン−1−リン酸(S1P)受容体調節作用を有するアミノスルホン酸誘導体を提供すること。
【解決手段】 S1P受容体調節作用を有し、かつ安全性の高い化合物を創製すべく鋭意研究を重ねた結果、これまでに知られているS1P受容体調節剤とは構造を異にした一般式(1)
【化1】


で表されるアミノスルホン酸誘導体(具体例:3−アミノ−5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチルペンタン−1−スルホン酸)が強力なS1P受容体調節作用を有することを見出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、S1P(スフィンゴシン−1−リン酸)受容体調節剤として有用なアミノスルホン酸誘導体とその付加塩並びにその水和物に関する。
【背景技術】
【0002】
スフィンゴシン−1−リン酸(以下S1Pと略記)は、スフィンゴシン代謝における中間代謝物にすぎないとみなされていたが、細胞増殖促進作用や細胞運動機能の制御作用を有することが報告されるに至り、アポトーシス作用、細胞形態調節作用、血管収縮などの多彩な生理作用を発揮する新しい脂質メディエーターであることが明らかとなってきている(非特許文献1、非特許文献2)。この脂質は細胞内セカンドメッセンジャーとしての作用と、細胞間メディエーターとしての二つの作用を併せ持つが、特に細胞間メディエーターとして作用に関する研究が活発に行なわれており、細胞膜表面上に存在する複数のG蛋白質共役型受容体(Endothelial Differentiation Gene, EDG)を介して情報伝達がなされていることが報告されている(非特許文献1、非特許文献3)。現在S1P受容体にはEdg-1、Edg-3、Edg-5、Edg-6及びEdg-8の5つのサブタイプが知られており、各々S1P1、S1P3、S1P2、S1P4、S1P5とも呼ばれている。
【0003】
これらS1P受容体に対する様々な研究から、この受容体へのアゴニスト活性あるいはアンタゴニスト活性を示す、いわゆるS1P受容体調節剤が多岐にわたる疾患に対し有効性を発揮する報告がなされるようになった。例えばEdg-5に作用する化合物が動脈硬化症、腎線維症、肺線維症、肝線維症に有効であることが(特許文献1)に開示されている。又、Edg-1、Edg-3又はEdg-5へ作用する化合物が、慢性気管支喘息、びまん性過誤腫性肺脈管筋腫症、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、特発性間質性肺炎、肺癌、過敏性肺臓炎などの呼吸器疾患の治療及び予防剤として有効であることが(特許文献2)に開示されている。さらにEdg-1アゴニスト作用を有する化合物が閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎、バージャー病、糖尿病性ニュロパチーの末梢動脈疾患、敗血症、血管炎、腎炎、肺炎、脳梗塞、心筋梗塞症、浮腫性疾患、動脈硬化症、痔核、裂肛、痔ろうなどの静脈瘤、解離性大動脈瘤、狭心症、DIC、胸膜炎、うっ血性心不全、多臓器不全、とこずれ、火傷、潰瘍性大腸炎、クローン病、心移植、腎移植、皮膚移植、肝移植、骨髄移植、骨粗しょう、慢性肝炎、肝硬変、慢性腎不全、腎糸球体硬化症の治療及び予防剤として有効であることが(特許文献3)に開示されている。さらに、S1P受容体アゴニスト活性を有する化合物が白血球の遊走を調節することが(非特許文献4、非特許文献5)に報告され、又前述の非特許文献に紹介された一連の誘導体が各種臓器移植、GVHDに対する有効性以外に関節リウマチ、ループス腎炎、全身性エリテマトーデス、橋本病、多発性硬化症、重症筋無力症、I及びII型糖尿病、クローン病などの自己免疫疾患、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎などのアレルギー性疾患、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患に有効であることが(特許文献4、特許文献5)に開示されている。又、上記(特許文献4)ならびに(特許文献5)に類似したリン酸誘導体がS1P受容体拮抗薬として(特許文献6)にも開示されている。最近では、アミノアルコール誘導体、カルボン酸誘導体など様々な化合物が(特許文献7〜29)といった特許文献にもS1P受容体調節剤が開示されている。
【0004】
本発明者らは様々な疾患に関与するS1P受容体に対して調節作用を有する化合物の開発を目的に鋭意研究を行った結果、従来の化合物とは構造を異にするアミノスルホン酸誘導体に着目し、新しいタイプのS1P受容体調節剤の探索を行った。なお、スルホン酸誘導体がS1P受容体アゴニストとして(特許文献12)、(特許文献14)に開示されているが、本願の化合物とは異なる。
【特許文献1】WO0198301号パンフレット
【特許文献2】WO03020313号パンフレット
【特許文献3】WO02092068号パンフレット
【特許文献4】WO0218395号パンフレット
【特許文献5】WO02076995号パンフレット
【特許文献6】特開平2003−137894号公報
【特許文献7】WO03040097号パンフレット
【特許文献8】WO02064616号パンフレット
【特許文献9】WO02062389号パンフレット
【特許文献10】WO03051876号パンフレット
【特許文献11】WO03061567号パンフレット
【特許文献12】WO03062248号パンフレット
【特許文献13】WO03062252号パンフレット
【特許文献14】WO03073986号パンフレット
【特許文献15】WO03074008号パンフレット
【特許文献16】WO03105771号パンフレット
【特許文献17】WO04010949号パンフレット
【特許文献18】WO04024673号パンフレット
【特許文献19】WO04058149号パンフレット
【特許文献20】WO04071442号パンフレット
【特許文献21】WO04096752号パンフレット
【特許文献22】WO04096757号パンフレット
【特許文献23】WO04103279号パンフレット
【特許文献24】WO04103306号パンフレット
【特許文献25】WO04103309号パンフレット
【特許文献26】WO04110979号パンフレット
【特許文献27】WO04113330号パンフレット
【特許文献28】WO04074297号パンフレット
【特許文献29】WO05014603号パンフレット
【非特許文献1】Y.Takuma et al., Mol. Cell. Endocrinol., 177, 3(2001)
【非特許文献2】Y. Igarashi, Ann, N.Y. Acad. Sci., 845, 19(1998)
【非特許文献3】H. Okazaki et al., Biochem. Biophs. Res. Commun., 190, 1104(1993)
【非特許文献4】S. Mandala et al., Science, 296, 346(2002)
【非特許文献5】V. Brinkmann et al., J. Biol. Chem., 277, 21453(2002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、S1P受容体に対し優れた調節作用を有し、かつ副作用の少ないアミノスルホン酸誘導体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、S1P受容体調節作用を有し、かつ安全性の高い化合物を創製すべく鋭意研究を重ねた結果、これまでに知られているS1P受容体調節剤とは構造を異にした新規なアミノスルホン酸誘導体が強力なS1P受容体調節作用を有することを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は
一般式(1)
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、Rは置換基を有しても良いフェニル基、又は置換基を有しても良い炭素数1〜10のアルキル基を、
は水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基又は炭素数1〜4の低級アルコキシ基を、
は水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜4の低級アルキル基を、
はヒドロキシ基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基又はアミノ基を、
XはO、S、SO、SO、又はCHを、
YはCH=CHまたは(CH2)n(nは1〜2の整数)を、
mは2〜4の整数を示す]
で表されることを特徴とするアミノスルホン酸誘導体、その光学異性体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物、
【0010】
前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(1a)
【0011】
【化2】

【0012】
[式中、X、Y、R、R及びmは前記定義に同じ]
で表される化合物であることを特徴とする1)に記載のアミノスルホン酸誘導体、その光学異性体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物、
【0013】
3)前記一般式(1a)においてRが塩素原子であることを特徴とする2)に記載のアミノスルホン酸誘導体、その光学異性体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物、
前記一般式(1)で示される化合物が、
3−アミノ−5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチルペンタン−1−スルホン酸、
3−アミノ−5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチル−1−ペンテン−1−スルホン酸、
3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチルヘキサン−1−スルホン酸、
3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチル−1−ヘキセン−1−スルホン酸、
3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−プロピルヘキサン−1−スルホン酸、
3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−プロピル−1−ヘキセン−1−スルホン酸である請求項1記載のアミノスルホン酸誘導体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物、
【0014】
一般式(1)
【0015】
【化3】

【0016】
[式中、Rは置換基を有しても良いフェニル基、又は置換基を有しても良い炭素数1〜10のアルキル基を、
は水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基又は炭素数1〜4の低級アルコキシ基を、
は水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜4の低級アルキル基を、
はヒドロキシ基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基又はアミノ基を、
XはO、S、SO、SO、NH又はCHを、
YはCH=CHまたは(CH2)n(nは1〜2の整数)を、
mは2〜4の整数を示す]
で表されることを特徴とするアミノスルホン酸誘導体、その光学異性体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物の少なくとも一種類以上を有効成分とするS1P受容体調節剤、
【0017】
前記一般式(1)で示される化合物が、一般式(1a)
【0018】
【化4】

【0019】
[式中、X、Y、R、R及びmは前記定義に同じ]
で表されるアミノスルホン酸誘導体、その光学異性体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物の少なくとも一種類以上を有効成分とすることを特徴とする請求項5に記載のS1P受容体調節剤、
【0020】
7)上記1)〜6)のいずれか1項に記載されたアミノスルホン酸誘導体、その光学異性体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物の少なくとも一種類以上を有効成分として含有する医薬、
に関するものである。
【発明の効果】
【0021】
上述のように、本発明は、新規なアミノスルホン酸誘導体とその付加塩が優れたS1P受容体調節作用を有することを見出したものである。このようなS1P受容体調節作用を有する化合物は、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎、腎繊維症、肝繊維症、慢性気管支喘息、びまん性過誤腫性肺脈管筋腫症、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、特発性間質性肺炎、肺癌、過敏性肺臓炎、バージャー病、糖尿病性ニューロパチーの末梢動脈疾患、敗血症、血管炎、腎炎、肺炎、脳梗塞、心筋梗塞症、浮腫性疾患、静脈瘤、解離性大動脈瘤、狭心症、DIC、胸膜炎、うっ血性心不全、多臓器不全、とこずれ、火傷、潰瘍性大腸炎、クローン病などの治療及び予防薬として、又、心移植、腎移植、皮膚移植、肝移植、骨髄移植などの拒絶反応の予防又は治療薬、関節リウマチ、ループス腎炎、全身性エリトマトーデス、橋本病、多発性硬化症、重症筋無力症、糖尿病、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎等の予防又は治療薬として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明における上記一般式(1)及び一般式(1a)は新規化合物である。
【0023】
本発明における一般式(1)で表される化合物の薬理学的に許容される塩には、塩酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩のような酸付加塩が挙げられる。
【0024】
又、本発明の一般式(1)において、「ハロゲン原子」とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表し、「トリハロメチル基」とはトリフルオロメチル基、トリクロロメチル基を表し、「炭素数1〜10のアルキル基」とは、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどの直鎖もしくは分岐した炭素数1〜10の炭化水素が挙げられる。「炭素数1〜4の低級アルキル基」、「炭素数1〜4の低級アルコキシ基」、などの「低級アルキル基」とは、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチルなどの直鎖もしくは分岐した炭素数1〜4の炭化水素が挙げられる。「置換基を有しても良いフェニル基」とはベンゼン環の任意の位置にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、アラルキルオキシ基を有するものが挙げられる。又ここでいう「アラルキルオキシ基」の「アラルキル基」とはベンジル基、ジフェニルメチル基、フェネチル基、フェニルプロピル基が挙げられる。又、「置換基を有しても良い炭素数1〜10の低級アルキル基」、「置換基を有しても良い炭素数1〜4の低級アルキル基」とは分岐あるいは直鎖状の炭素鎖上にヒドロキシ基、メトキシメチルオキシ基あるいは炭素数1〜4の低級アルコキシ基を有するものが挙げられる。
【0025】
本発明によれば、上記一般式(1)で表される化合物のうちYがCH2で、R4がヒドロキシ基である化合物、すなわち一般式(1b)
【0026】
【化5】

【0027】
[式中、R、R、R、X及びmは前述の通り]
で表される化合物は、例えば以下に示すような経路により製造することができる。
【0028】
<合成経路1>
【0029】
【化6】

【0030】
合成経路1で一般式(3)
【0031】
【化7】

【0032】
[式中、Bocはt−ブトキシカルボニル基を、Msはメタンスルホニル基を示し、R、R、R、X及びmは前述の通り]
で表される化合物は、一般式(2)
【0033】
【化8】

【0034】
[式中、R、R、R、X、Boc及びmは前述の通り]
で表される化合物を塩基存在下にメタンスルホニルクロリド又はメタンスルホニルブロミドと作用させることによって製造することができる(工程A)。
【0035】
反応は、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N―ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリルなどを反応溶媒として用い、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基を用い、メタンスルホニルクロリドまたはメタンスルホニルブロミドと-0℃〜常温下にて反応させることが好ましい。
【0036】
合成経路1で一般式(1c)
【0037】
【化9】

【0038】
[式中、R、R、R、X及びmは前述の通り]
で表される化合物は、上記一般式(3)で表される化合物を酸分解することによって製造することができる(工程B)。
【0039】
反応は、酢酸、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの無機酸又は有機酸中、あるいはメタノール、エタノール、THF、1,4−ジオキサン、酢酸エチルなどの有機溶媒との混合溶液中に作用させ、反応温度は0℃〜常温下に行うことができる。
【0040】
合成経路1で前述一般式(1b)で表される化合物は、上記一般式(4)で表される化合物と亜硫酸ナトリウムを作用させることによって製造することができる(工程C)。
反応は水を溶媒として用い、場合によってはエタノール、メタノール、THFを加え亜硫酸ナトリウムと常温下で行うことができる。
【0041】
又、合成経路1で一般式(5)
【0042】
【化10】

【0043】
[式中、Acはアセチル基を示し、R、R、R、X、Boc及びmは前述の通り]
で表される化合物は、前記一般式(2)で表される化合物とチオ酢酸を光延反応にふすことによって製造することができる(工程D)。
【0044】
反応は塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、好ましくはTHFを溶媒として用い、トリフェニルホスフィンの存在下、ジエチルアゾジカルボキシレート又はジイソプロピルアゾジカルボキシレートとチオ酢酸を作用させ、反応温度は0℃〜常温下に行うことができる。
【0045】
合成経路1で前述一般式(1b)で表される化合物は前記一般式(5)を酸化することによって製造することができる(工程E)。
【0046】
反応は、酢酸、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、好ましくはトリフルオロ酢酸中、過酸化水素水を加え0℃〜常温下に行うことができる。
【0047】
一般式(1)で表される化合物のうちYがCH=CHでR4が炭素数1〜4の低級アルコキシ基である化合物、すなわち一般式(1c)
【0048】
【化11】

【0049】
[式中、Rは炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、R、R、R、X及びmは前述の通り]
で表される化合物は、下記合成経路によって製造することができる。
【0050】
<合成経路2>
【0051】
【化12】

【0052】
合成経路2で一般式(6)
【0053】
【化13】

【0054】
[式中、R、R、R、Boc、X及びmは前述の通り]
で表される化合物は、前記一般式(2)で表される化合物を酸化することによって製造することができる(工程F)。
【0055】
反応は、一般に用いられるアルコールのアルデヒドへの酸化手法を用いることができ、例えばクロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウムなどの酸化クロム−ピリジン錯体や酸化クロム、炭酸銀、二酸化マンガン等の金属酸化剤や、塩化オキザリル、無水トリフルオロ酢酸、無水酢酸、DCC、三酸化硫黄−ピリジン錯体等の各種DMSO活性化剤を用いたDMSO酸化が挙げられる。
【0056】
合成経路2で一般式(7)
【0057】
【化14】

【0058】
[式中、R、R、R、R、Boc、X及びmは前述の通り]
で表される化合物は上記一般式(6)で表される化合物と一般式(8)
【0059】
【化15】

【0060】
[式中、Rは炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、Rは前述の通り]
で表される化合物を塩基の存在下作用させることによって製造することができる(工程G)。
【0061】
反応はTHF、DMSO、1,4−ジオキサンを溶媒として用い、一般式(8)で表される化合物を水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシドなどの塩基を、0℃〜常温下に作用させた後、一般式(6)で表される化合物と反応させることができる。
【0062】
合成経路2で一般式(1c)で表される化合物は、上記一般式(7)で表される化合物を酸分解することによって製造することができる(工程H)。
【0063】
反応は酢酸、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの無機酸又は有機酸中、あるいはメタノール、エタノール、THF、1,4−ジオキサン、酢酸エチルなどの有機溶媒との混合溶液中に作用させ、反応温度は0℃〜常温下に行うことができる。
【0064】
一般式(1)で表される化合物のうちYがCH=CHでR4がヒドロキシ基である化合物、すなわち一般式(1d)
【0065】
【化16】

【0066】
[式中、R、R、R、X及びmは前述の通り]
で表される化合物は、上記一般式(1c)で表される化合物を加水分解することによって製造することができる。
【0067】
反応は、塩酸または臭化水素酸中、加熱還流下にて行うことができる。
【0068】
一般式(1)で表される化合物のうちYが(CH22でR4が炭素数1〜4の低級アルコキシ基である化合物、すなわち一般式(1e)
【0069】
【化17】

【0070】
[式中、R、R、R、R、X及びmは前述の通り]
で表される化合物は、上記一般式(1c)で表される化合物を還元するか、前記一般式(7)で表される化合物を還元後、酸分解することによって製造することができる。
【0071】
還元反応は、接触還元触媒であるパラジウム炭素、白金炭素、酸化白金、ロジウム炭素、ルテニウム炭素等の存在下、好ましくはエチレンジアミンに被毒させた5%パラジム炭素を用い、エタノール、メタノール、THF、DMF、酢酸エチル等の溶媒中、常圧〜加圧下の水素圧下に常温〜100℃にて行うことができる。また、エタノール中、水素化ホウ素ナトリウムを加え0℃〜常温下にて行うこともできる。さらに酸分解反応は前述したように酢酸、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの無機酸又は有機酸中、あるいはメタノール、エタノール、THF、1,4−ジオキサン、酢酸エチルなどの有機溶媒との混合溶液中に作用させ、反応温度は0℃〜常温下に行うことができる。
【0072】
一般式(1)で表される化合物のうちYが(CH22でR4がヒドロキシ基である化合物、すなわち一般式(1f)
【0073】
【化18】

【0074】
[式中、R、R、R、X及びmは前述の通り]
で表される化合物は上記一般式(1e)で表される化合物を加水分解するか、前記一般式(1d)で表される化合物を還元するか、または前記一般式(7)で表される化合物を還元後、加水分解することによって製造することができる。
【0075】
還元反応は、接触還元触媒であるパラジウム炭素、白金炭素、酸化白金、ロジウム炭素、ルテニウム炭素等の存在下、好ましくはエチレンジアミンに被毒させた5%パラジム炭素を用い、エタノール、メタノール、THF、DMF、酢酸エチル等の溶媒中、常圧〜加圧下の水素圧下に常温〜100℃にて行うことができる。また、エタノール中、水素化ホウ素ナトリウムを加え0℃〜常温下にて行うこともできる。さらに加水反応は前述したように塩酸または臭化水素酸中、加熱還流下にて行うことができる。
【0076】
一般式(1)で表される化合物のうちRがアミノ基である化合物、すなわち一般式(1g)
【0077】
【化19】

【0078】
[式中、R、R、R、X及びmは前述の通り]
で表される化合物は一般式(1h)
【0079】
【化20】

【0080】
[式中、R、R、R、X及びmは前述の通り]
で表される化合物をスルホニルクロリド化した後、アンモニアと反応させることによって製造することができる。
【0081】
反応は、塩化メチレン、クロロホルムを溶媒として用いホスゲン、ホスゲンダイマーまたはトリホスゲンを作用させた後、アンモニア水を-78℃〜常温下に作用させることが好ましい。
なお一般式(2)で表される化合物の合成法については、WO9408943号、WO03029184号、WO03029205号、WO04026817号、WO024673号、WO04110979号の各パンフレットに記載された方法によって製造することができる。
【実施例】
【0082】
次に本発明を具体例によって説明するが、これらの例によって本発明が限定されるものではない。
また一般式(2)で表される中間体等はWO9408943号、WO03029184号、WO03029205号、WO04026817号、WO024673号、WO04110979号のパンフレット中の合成化合物を利用することができる。なお、これらの参考文献を利用し新規に合成した中間体などは以下の参考例に記載する。
【0083】
<参考例1>
4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロベンズアルデヒド
【0084】
【化21】

【0085】
パラヒドロキシベンゼンチオール(5.00g)をDMF(100mL)に溶解し、2-クロロ-4-フルオロベンズアルデヒド (6.28g)および炭酸カリウム(5.56g)を加え、50℃にて5時間攪拌した。氷冷下、反応液に水を加え酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 4 : 1後に2
: 1)にて精製し、4−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−クロロベンズアルデヒド(10.1g)を淡黄色油状物として得た。得られたアルデヒド(10.0g)を氷冷下にて塩化メチレン(100mL)に溶解し、エチルジイソプロピルアミン (7.79mL)および塩化ベンジル(6.36g)を加え、同温にて1時間攪拌した。氷冷下、反応液に水を加え酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 9 : 1)にて精製し、目的物(13.3g)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 5.12(2H, s), 6.98-7.02(2H, m),
7.05-7.08(2H, m), 7.36-7.50(7H, m), 7.74(1H, d, J=8.3Hz), 10.36(1H, s).
【0086】
<参考例2>
4−(4−ベンジルオキシフェノキシ)−2−クロロベンズアルデヒド
【0087】
【化22】

【0088】
パラベンジルオキシフェノールを用い参考例1と同様に2-クロロ-4-フルオロベンズアルデヒドと反応させ目的物を褐色粉末として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 5.08(2H, s), 6.88-6.92(2H, m),
7.02(4H,s), 7.33-7.43(5H, m), 7.88(1H, d, J=8.3Hz), 10.34(1H, s)
【0089】
<参考例3>
2−クロロ−4−[2−(4−メトキシフェニル)エトキシ]ベンズアルデヒド
【0090】
【化23】

【0091】
4−メトキシフェネチルアルコール(7.60g)のDMF(60mL)溶液に2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒド(5.28g)と炭酸カリウム(13.8g)を加え、95℃にて一晩攪拌した。反応液に水を加え酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 9 : 1)にて精製し、目的物(7.86g)を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 291([M+H])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 3.06(2H, t, J=7.3Hz), 3.80(3H, s),
4.20(2H, t, J=7.3Hz), 6.86-6.89(3H, m), 6.92(1H, d, J=1.8Hz), 7.18-7.20(2H, m),
7.87(1H, d, J=8.6Hz), 10.32(1H, s).
【0092】
<参考例4>
4’−[4−(ベンジルオキシ)フェノキシ]−2’−クロロケイヒ酸エチル
【0093】
【化24】

【0094】
アルゴンガス気流下、0℃にてジエチルホスホノ酢酸エチル(1.19mL)のTHF(30mL)溶液に60%水素化ナトリウム(220mg)を加えて15分間撹拌した後、参考例2の化合物(1.43g)のTHF(5mL)溶液を加えた。1時間撹拌後、5%クエン酸を加え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)にて精製し、目的物(1.86g)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.34(3H, t, J=7.3Hz), 4.27(2H, q,
J=7.3Hz), 5.07(2H, s), 6.34(1H, d, J=16.1Hz), 6.85(1H, dd, J=2.4, 8.8Hz),
6.94(1H, d, J=2.4Hz), 7.33-7.46(9H, m), 7.56(1H, d, J=8.8Hz), 8.03(1H, d,
J=16.1Hz)
【0095】
<参考例5>
4’−[4−(ベンジルオキシ)フェニルチオ]−2’−クロロケイヒ酸エチル
【0096】
【化25】

【0097】
参考例1の化合物を用い、上記参考例4と同様に反応させ目的物を淡黄色粉末として得た。1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.33(3H, t, J=7.3Hz), 4.26(2H, q, J=7.3Hz), 5.11(2H, s), 6.35(1H,
d, J=15.9Hz), 6.96(1H, dd, J=1.2, 7.8Hz), 7.01-7.07(3H, m), 7.34-7.49(8H, m),
8.00(1H, d, J=15.9Hz)
【0098】
<参考例6>
4’−(4−ブロモフェニルチオ)−2’−クロロケイヒ酸エチル
【0099】
【化26】

【0100】
パラブロモチオフェノールを用いて参考例1と同様にして反応させた後、得られたアルデヒドを参考例4と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.34(3H, t, J=7.3Hz), 4.27(2H, q, J=7.3Hz),6.39(1H,
d, J=16.1Hz), 7.08(1H, dd, J=2.0, 8.3Hz), 7.23(1H, d, J=2.0Hz), 7.32(2H, d,
J=8.3Hz), 7.50-7.53(3H, m), 8.01(1H, d, J=16.1Hz)
【0101】
<参考例7>
4’−(4−ビフェニルチオ)−2’−クロロケイヒ酸エチル
【0102】
【化27】

【0103】
参考例6の化合物(1.23g)のトルエン(40mL)溶液にテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(179mg)、フェニルホウ酸(452mg)のエタノール(5mL)溶液、2mol/L-Na2CO3水溶液(8.7mL)を加え、8時間加熱還流した。酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)にて精製し、目的物(1.07g)を淡黄色油状物として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.34(3H, t, J=7.3Hz), 4.27(2H, q,
J=7.3Hz), 6.39(1H, d, J=16.1Hz), 7.12(1H, dd, J=2.0, 8.3Hz), 7.36-7.41(1H, m),
7.45-7.55(5H, m), 7.60-7.64(5H, m), 8.02(1H, d, J=16.1Hz).
【0104】
<参考例8>
4’−[4−(3,5−ジクロロフェニル)フェニルチオ]−2’−クロロケイヒ酸エチル
【0105】
【化28】

【0106】
参考例6の化合物と3,5−ジクロロフェニルホウ酸を上記参考例7と同様に反応させ目的物を淡黄色油状物として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.34(3H, t,
J=7.3Hz), 4.27(2H, q, J=7.3Hz), 6.40(1H, d, J=16.1Hz), 7.15(1H, dd, J=2.0,
8.3Hz), 7.29(1H, d, J=2.0Hz), 7.37(1H, t, J=2.0Hz), 7.47(2H, d, J=1.5Hz),
7.50-7.56(5H, m), 8.02(1H, d, J=16.1).
【0107】
<参考例9>
4’−[4−(ベンジルオキシ)フェノキシ]−2’−クロロジヒドロシンナミルアルコール
【0108】
【化29】

【0109】
参考例4の化合物(1.86g)をエタノール(30mL)に溶解し、0℃撹拌下にBiCl3(719mg)、NaBH4(689mg)を加えた。同温にて30分、室温にて5時間撹拌後、水を加え不溶物をセライトにて濾去し、濾液を酢酸エチルにて抽出した。水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をTHF(30mL)に溶解し、0℃にてLiAlH4(173mg)を加え1時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液を加え、不溶物をセライトにて濾去し残渣を酢酸エチルにて抽出後、水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し、目的物(1.50g)を無色粉末として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.31(1H, br s), 1.84-1.91(2H, m),
2,78(2H, t, J=7.8Hz), 3.69(2H, d, J=6.4Hz), 5.06(2H, s), 6.79(1H, dd, J=2.4,
8.3Hz), 6.92-6.96(5H, m), 7.15(1H, d, J=8.3Hz), 7.30-7.45(5H, m).
【0110】
<参考例10>
4’−[4−(ベンジルオキシ)フェノキシ]−2’−クロロジヒドロシンナミルヨージド
【0111】
【化30】

【0112】
参考例9の化合物(1.50g)のTHF(30mL)溶液を0℃にて撹拌下、PPh3(2.14g)、イミダゾール(554mg)、I2(2.07g)を加え30分間撹拌した。5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出後、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)にて精製し、目的物(1.79g)を無色粉末として得た。1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 2.08-2.15(2H, m), 2.79(2H, t, J=7.3Hz), 3.19(2H, t, J=6.8Hz),
5.06(2H, s), 6.79(1H, dd, J=2.4, 8.3Hz), 6.93(1H, d, J=2.4Hz), 6.97(4H, s),
7.16(1H, d, J=8.3Hz), 7.32-7.46(5H, m).
【0113】
<参考例11〜12>
参考例5、7、8の化合物を用いて参考例9、10と同様に反応させ表1に示す化合物を合成した。
【0114】
【表1】

【0115】
<参考例14>
4−[4−(ベンジルオキシ)フェニルチオ]−2−クロロフェネチルアルデヒド
【0116】
【化31】

【0117】
アルゴン下、氷冷下にて(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(8.28g)のTHF (280mL)溶液にt-ブトキシカリウム(6.76g)を加え1時間攪拌し、参考例1の化合物(11.2g)のTHF(20mL)溶液を加えて1時間攪拌した。反応液に水を加え酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 6 : 1後に2
: 1)にて精製し、ビニルエーテル体(4.63g )を淡黄色油状物として得た。得られたビニルエーテル(4.63g)をTHF(66mL)に溶解し、6mol/L塩酸水溶液(60mL)を加え60℃にて3時間攪拌した。酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 6 : 1後に4
: 1)にて精製し、目的物 (3.70g)を無色粉末として得た。
MS(EI+): 382([M]+)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 3.82(2H, d,
J=1.8Hz), 5.02(2H, s), 7.16(2H, d, J= 1.8Hz), 7.25(1H, d, J=8.6Hz), 7.35(1H, d,
J=1.2Hz), 7.50(2H, d, J=8.6Hz), 7.54(2H, d, J=8.0Hz), 7.66(1H, t, J=8.0Hz),
8.20(2H, dd, J=1.2Hz, 8.6Hz), 9.75(1H, t, 1.8Hz).
【0118】
<参考例15>
2−クロロ−4−[2−(4−メトキシフェニル)エトキシ]フェネチルアルデヒド
【0119】
【化32】

【0120】
参考例3の化合物を用い、上記実施例14と同様に反応させ目的物を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 305([M])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 3.03(2H, t, J=6.7Hz), 3.75(2H, d,
J=1.8Hz), 3.80(3H, s), 4.12(2H, t, J=6.7Hz), 6.79(1H, dd, J=3.1, 8.6Hz),
6.86(2H, d, J=8.6Hz), 6.97(1H, d, J=2.5Hz), 7.10(1H, d, J=8.6Hz), 7.18(2H, d,
J=8.6Hz), 9.71(1H, t, J=1.8Hz).
【0121】
<参考例16>
4−[4−(ベンジルオキシ)フェニルチオ]−2−クロロフェネチルヨージド
【0122】
【化33】

【0123】
氷冷下にて参考例14の化合物をNaBH4で還元し得られたアルコールを参考例10と同様に反応させ目的物を淡黄色油状物として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 3.23-3.30(2H, m), 3.31-3.40(2H, m), 5.03(2H,
s), 7.12-7.18(2H, m), 7.23(2H, d, J=8.6Hz), 7.30(1H, d, J=1.2Hz), 7.47(2H, d,
J=8.6Hz), 7.53(2H, d, J=8.0Hz), 7.66(1H, t, J=8.0Hz), 8.20(2H, dd, J=1.2Hz,
8.6Hz).
【0124】
<参考例17>
2−クロロ−4−[2−(4−メトキシフェニル)エトキシ]フェネチルヨージド
【0125】
【化34】

【0126】
参考例15の化合物を用い、上記参考例16と同様に反応させ目的物を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 416([M])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 3.02(2H, t, J=7.3Hz), 3.21(2H, t,
J=7.3Hz), 3.34(2H, t, J=6.7Hz), 3.79(3H, s), 4.10(2H, t, J=6.7Hz), 6.75(1H, dd,
J=2.4, 8.6Hz), 6.85(2H, d, J=8.6Hz), 6.90(1H, d, J=2.4Hz), 7.11(1H, d,
J=8.6Hz), 7.18(2H, d, J=8.6Hz).
【0127】
<参考例18>
4’−ベンジルオキシジヒドロシンナミルヨージド
【0128】
【化35】

【0129】
4−ベンジルオキシジヒドロケイヒ酸エチルを参考例9と同様に還元後、参考例10と同様にヨウ素化し目的物を黄色粉末として得た。
【0130】
<参考例19>
5−[(4−ベンジルオキシ)フェニル]−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニルペンタン酸エチル
【0131】
【化36】

【0132】
2−t−ブトキシカルボニルアミノマロン酸ジエチル(11.7g)のTHF(180mL)、DMF(30mL)溶液に、NaOtBu(4.09g)を加え30分加熱還流した後、参考例18の化合物(10.0g)のTHF(120mL)溶液を加え8時間還流撹拌した。氷水を加え、酢酸エチルで抽出後、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を濃縮し目的物を淡黄色油状物として粗精製物を得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.22(6H, t, J=7.1Hz), 1.42(9H,s),
1.44-1.47(2H, m), 2.31(2H, br s), 2.57(2H, t, J=7.6Hz), 4.11-4.27(4H, m), 5.03(2H,
s), 5.92(1H, br s), 7.06(2H, d, J=8.8Hz), 7.29-7.43(5H, m), 8.88(2H, d,
J=8.8Hz).
【0133】
<参考例20〜24>
参考例10〜13及び16を用い参考例19と同様に反応させ表2に示す化合物を合成した。
【0134】
【表2】

【0135】
<参考例25>
5−[(4−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニルペンタン酸エチル
【0136】
【化37】

【0137】
参考例19で得られた粗精製物をエタノール(300mL)に溶解し、10%Pd/C (2.00g)を加え、水素圧294kPa、50℃にて撹拌した。2時間後、セライトにて触媒を濾去し、残渣を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1後2:1)にて精製し5−(4−ヒドロキシフェニル)−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニルペンタン酸エチル(12.0g)を無色油状物として得た。得られたフェノール体(300mg)、パラトリフルオロメチルフェニルホウ酸(279mg)の塩化メチレン(5mL)溶液に、酢酸銅(133mg)、トリエチルアミン(0.205mL)、MS4A(1.00g)を加えて常温にて1日撹拌した。セライトにて不溶物を濾去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、目的物(235mg)を無色油状物として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.24(6H, t, J=7.3Hz), 1.42(9H, s),
1.46-1.52(2H, m), 2.34(2H, br s), 2.64(2H, t, J=7.8Hz), 4.18-4.25(4H, m),
5.94(1H, br s), 6.95(2H, d, J=8.3Hz), 7.01(2H, d, J=8.3Hz), 7.16(2H, d,
J=8.3Hz), 7.55(2H, d, J=8.3Hz).
【0138】
<参考例26及び27>
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−[4−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]プロピル−1,3−プロパンジオール及び2−t−ブトキシカルボニルアミノ−5−[4−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ペンタン−1−オール
【0139】
【化38】

【0140】
参考例25の化合物(235mg)のTHF(10mL)溶液に0℃にてLiBH4(92.6mg)、EtOH(0.5mL)を加え常温まで昇温しながら1日撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1後3:2)で精製しジオール体(147mg)、モノオール体(24.3mg)を各々無色油状物として得た。
ジオール体;1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.44(9H, s), 1.62-1.64(4H, m), 2.62(2H, br s), 3.36(2H, br s),
3.59(2H, d, J=11.2Hz), 3.83(2H, d, J=11.2Hz), 4.91(1H, br s), 6.97(2H, d,
J=8.8Hz), 7.02(2H, d, J=8.8Hz), 7.18(2H, d, J=8.8Hz), 7.55(2H, d,J=8.8Hz).
モノオール体; 1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.45(9H, s), 1.53-1.77(4H, m), 2.60-2.69(2H, m), 3.54-3.57(1H, m),
3.68(2H, d, J=8.3Hz), 4.62(1H, br s), 6.97(2H, d, J=8.8Hz), 7.02(2H, d,
J=8.8Hz), 7.18(2H, d, J=8.8Hz), 7.55(2H, d, J=8.8Hz).
【0141】
<参考例28〜35>
参考例20〜24の化合物を用い参考例26及び27と同様に反応させ表3に示す化合物を合成した。
【0142】
【表3】

【0143】
<参考例36>
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−[2−クロロ−4−(4−メトキシフェニルエトキシ)フェニル]エチル−1、3−プロパンジオール
【0144】
【化39】

【0145】
参考例17の化合物を用い、参考例19と同様に反応させた後、参考例26と同様に還元し目的物を無色粉末として得た。
MS(FAB+): 480([M+H])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.45(9H, s), 1.79-1.83(2H, m),
2.64-2.68(2H, m), 3.01(2H, t, J=7.3Hz), 3.37-3.47(2H, br), 3.63-3.67(2H, m),
3.80(3H, s), 3.89-3.93(2H, m), 4.08(2H, t, J=7.3Hz), 5.07(1H, br s), 6.73(1H,
dd, J=2.5, 8.6Hz), 6.85-6.87(2H, m), 6.88(1H, d, J=2.5Hz), 7.10(1H, d,
J=7.9Hz), 7.18(1H, d, J=8.6Hz).
【0146】
<参考例37>
2−アリル−4−[(4−ベンシルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]− 2−エトキシカルボニル酪酸エチル
【0147】
【化40】

【0148】
アルゴン下、マロン酸ジエチル(2.61mL)のTHF:DMF(7 : 1)混合溶液(80mL)に60%水素化ナトリウム(661mg)を加え、80℃にて30分間攪拌した。参考例16の化合物(5.67g)のTHF:DMF(7 :1)混合溶液(20mL)を加え80℃にて30分攪拌した。反応容器を氷冷し、反応液に60%水素化ナトリウム(2.28g)を加え30分攪拌した。その後アリルヨージド(5.21mL)を加え30分攪拌し、反応液に氷水を加え酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 20 : 1)にて精製し、目的物(3.56g)を淡黄色油状物として得た。
MS(EI+): 552([M]+)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.26(6H, t,
J=7.3Hz), 2.07-2.11(2H, m), 2.56-2.63(2H, m), 2.74(2H, d, J=7.3Hz), 4.19(4H, q,
J=7.3Hz), 5.08(2H, s), 5.12-5.18(2H, m), 5.64-5.72(1H, m), 6.96-6.99(3H, m),
7.04(1H, d, J=7.9Hz), 7.11(1H, d, J=1.8Hz), 7.32-7.45(7H, m).
【0149】
<参考例38>
2−アリル−4−[(4−ベンシルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]− 2−エトキシカルボニル酪酸
【0150】
【化41】

【0151】
上記参考例37の化合物(3.56g)のエタノール−THF(2:1)混合溶液(90mL)に、1moL/L-水酸化カリウム水溶液(20mL)を加え、2.5時間加熱還流した。反応液に10%塩酸水溶液を加え、pHを1としたのち、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 3 : 1 のち
1 : 1)にて精製し、目的物(2.67g)を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 524([M+H]+)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.31(3H, t,
J=7.3Hz), 2.17-2.20(2H, m), 2.58-2.67(3H, m), 2.76-2.81(1H, m), 4.22-4.28(2H,
m), 5.08(2H, s), 5.11-5.16(2H, m), 5.61-5.71(1H, m), 6.96-6.99(3H, m), 7.03(1H,
d, J=7.9Hz), 7.10(1H, d, J=1.8Hz), 7.32-7.45(7H, m).
【0152】
<参考例39>
2−アリル−4−[(4−ベンシルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2− メトキシカルボニルアミノ酪酸エチル
【0153】
【化42】

【0154】
参考例38の化合物(1.22g)のベンゼン(15.0mL)溶液に、トリエチルアミン(0.42mL)とジフェニルリン酸アジド(550μL)を加え、40分加熱還流した。常温にもどしメタノール(15mL)溶液とナトリウムメトキシド(251mg)を加え、1.5時間加熱還流した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 10 :1)にて精製し、目的物(1.21g)を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 553([M+H]+)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.28(3H, t, J=7.3Hz), 2.06-2.12(1H, m),
2.44-2.51(2H, m), 2.60-2.65(2H, m), 3.05-3.15(1H, m), 3.63(3H, s),
4.14-4.22(2H, m), 5.05-5.07(2H, m), 5.58-5.64(1H, m), 5.80(1H, br s),
6.93-6.99(3H, m), 7.02(1H, d, J=7.9Hz), 7.10(1H, d, J=1.8Hz), 7.32-7.45(7H, m).
【0155】
<参考例40>
2−アリル−4−[(4−ベンシルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]− 2−メトキシカルボニルアミノブタノール
【0156】
【化43】

【0157】
氷冷下、参考例39の化合物(1.43g)のTHF(15mL)溶液に水素化ホウ素リチウム(281mg, 12.90mmoL)を加え、エタノール(0.75mL)を滴下し3時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 3 : 2)にて精製し、目的物(1.10g)を無色油状物として得た。MS(FAB+): 512([M+H]+)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.82-1.94(2H,
m), 2.31-2.36(1H, m), 2.45-2.50(1H, m), 2.64-2.71(2H, m), 3.64(3H, s),
3.71-3.81(3H, m), 4.90(1H, br s), 5.08(2H, s), 5.17-5.21(2H, m), 5.80-5.89(1H, m), 6.96-7.00(3H, m), 7.08-7.12(2H, m), 7.32-7.45(7H, m).
【0158】
<参考例41>
2−アリル−2−アミノ−4−[(4−ベンシルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−ブタノール
【0159】
【化44】

【0160】
参考例40の化合物(1.10g)のDMSO(14mL)溶液に、5moL/L-水酸化カリウム水溶液(14mL)と1moL/L-水酸化リチウム水溶液(7mL)を加え、100℃にて17時間加熱攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アミノ化シリカ, 酢酸エチルのみ、のち酢酸エチル : エタノール = 10 : 1)にて精製し、目的物(1.16g)を無色晶として得た。
MS(FAB+): 454([M+H]+)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.29(2H, br s), 1.38-1.42(2H, m),
2.08(2H, d, J=7.9Hz), 2.57-2.70(2H, m), 3.13-3.17(2H, m), 4.56(1H, t, J=4.9Hz),
5.00-5.07(2H, m), 5.13(2H, s), 5.80-5.90(1H, m), 7.03-7.10(4H, m), 7.22(1H, d,
J=7.9Hz), 7.31-7.46(7H, m).
【0161】
<参考例42>
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシメチルオキシメチル−4−(4−オクチルフェニル)ブタン−1−オール
【0162】
【化45】

【0163】
FTY-720(2.02g)(WO9408943パンフレット記載化合物)を1,4-ジオキサン(60mL)溶液に加え、さらに1moL/L 水酸化カリウム水溶液(5.96mL)を加え溶解させた。二炭酸ジ-t-ブチル(1.66g)を加え常温にて3日間攪拌した。反応液に水を加え酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1)にて精製し、N-Boc体(2.46g)を無色粉末として得た。得られた結晶を塩化メチレン(20mL)溶液に加え、氷冷下にてN-エチルジイソプロピルアミン(1.33mL)とクロロメチルメチルエーテル(579μL)を加え一晩攪拌した。反応液に水を加え酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 3 : 1)にて精製し、目的物(1.33g)を無色油状物として得た。
MS(FAB+): 452([M+H])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.88(3H, t, J=7.3Hz), 1.24-1.29(12H,
m), 1.45(9H, s), 1.85-1.90(1H, m), 2.02-2.10(1H, m), 2.50-2.57(1H, m), 2.55(2H,
t, J=7.3Hz), 2.61-2.69(1H, m), 3.39(3H, s), 3.55(1H, d, J=11.6Hz), 3.76(1H, d,
J=11.6Hz), 3.74-3.80(2H, m), 4.64(2H, s), 5.15(1H, br s), 7.09(4H, s).
【0164】
<実施例1>
1−アセチルチオ−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシメチルオキシメチル−4−(4−オクチルフェニル)−ブタン
【0165】
【化46】

【0166】
参考例42の化合物(1.59g)のTHF(20mL)溶液に、氷冷下にてアゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.36mL),トリフェニルホスフィン(1.85g),チオ酢酸(276μL)を順次加え、一晩攪拌した。溶媒を留去しヘキサンを加え、析出した結晶をろ別したのち、ろ液の溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 10 : 1)にて精製し、目的物(771mg)を茶色油状物として得た。
MS(FAB+): 510([M+H])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.88(3H, t, J=6.8Hz), 1.26-1.29(10H,
m), 1.45(9H, s), 1.53-1.61(2H, m), 2.03-2.17(2H, m), 2.36(3H, s), 2.52-2.63(4H,
m), 3.38(3H, s), 3.39(1H, d, J=14.1Hz), 3.49(1H, d, J=14.1Hz), 3.64(2H, br s),
4.62(2H, s), 4.91(1H, br s), 7.08(4H, s).
【0167】
<実施例2>
2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−4−(4−オクチルフェニル)ブタン−1−スルホン酸
【0168】
【化47】

【0169】
上記実施例1の化合物(500mg)のトリフルオロ酢酸(1.0mL)溶液に、氷冷下にて30%過酸化水素水(0.15mL)を加え、一晩攪拌した。析出する結晶をろ別し、水、ジイソプロピルエーテルにて洗浄したのち、減圧乾燥し目的物(53mg)を淡褐色粉末として得た。
MS(FAB+): 372([M+H])
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 0.84(3H, t, J=7.3Hz), 1.15-1.30(10H, m),
1.46-1.55(2H, m), 1.87(1H, td, J=12.8, 4.9Hz), 2.03(1H, td, J=12.8, 4.9Hz),
2.43-2.61(3H, m), 2.63(1H, td, J=12.8, 4.9Hz), 2.84(1H, d, 14.8Hz), 2.91(1H, d,
14.8Hz), 3.52-3.56(1H, m), 3.60-3.64(1H, m), 5.39(1H, t, J=5.5Hz), 7.06(2H, d,
J=8.6Hz), 7.10(2H, d, J=8.6Hz), 7.81(2H, br).
【0170】
<実施例3>
5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−1−メタンスルホニルオキシ−2−メトキシメチルオキシメチルペンタン
【0171】
【化48】

【0172】
5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシメチルオキシメチルペンタン−1−オール(500mg)のアセトニトリル(8.0mL)溶液に、氷冷下にてトリエチルアミン(231μL)およびメタンスルホニルクロリド(83.5μL)を少しずつ加え、40分攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し目的物を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 679([M+H])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.41(9H, s), 1.63-1.73(4H, m), 2.70(2H,
t, J=7.3Hz), 3.00(3H, s), 3.35(3H, s), 3.55(1H, d, J=9.8Hz), 3.61(1H, d,
J=9.8Hz), 4.38(1H, d, J=9.2Hz), 4.48(1H, J=9.2Hz), 4.60(2H, s), 5.02(2H, s),
6.86-6.88(1H, m), 6.92-6.96(2H, m), 7.11(1H, d, J=7.9Hz), 7.15(1H, dd, J=1.8,
7.9Hz), 7.23(1H, t, J=7.9Hz), 7.31-7.39(6H, m).
【0173】
<実施例4>
2−アミノ−5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−メタンスルホニルオキシペンタン−1−オール塩酸塩
【0174】
【化49】

【0175】
実施例3の化合物(1.30g)を10%塩酸−メタノール(8.0mL)溶液に溶解し、一夜静置した。溶媒を留去し、目的物(415mg)を無色アモルファスとして得た。
MS(EI+): 536([M+H])
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.49-1.68(4H, m), 2.66(2H, t, J=7.3Hz), 3.25(3H,
s), 3.52(2H, s), 4.27(2H, s), 5.09(2H, s), 6.90(1H, d, J=7.9Hz), 6.96-7.01(2H,
m), 7.23(1H, dd, J=1.8, 18.5Hz),7.29-7.41(8H, m), 8.26-8.31(3H, m).
【0176】
<実施例5>
2−アミノ−5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−ヒドロキシメチルペンタン−1−スルホン酸
【0177】
【化50】

【0178】
実施例4の化合物(415mg)を水(1.5mL)に溶かし、亜硫酸ナトリウム(147mg)を加え一晩攪拌した。水層を取り除き、有機層を少量のエタノール、DMFに溶解しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(逆相シリカ, 水 : アセトニトリル = 9 :
1 → 6 : 1 → 3 : 1 → 1 : 1後にアセトニトリルのみ)で精製し、目的物(46mg)を無色粉末として得た。
MS(FAB+): 522([M+H])
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.69-1.82(4H, m), 2.62-2.66(2H, m), 3.42-3.44(2H,
m), 3.55-3.57(2H, m), 5.08(2H, s), 5.28-5.30(1H, m), 6.88-6.90(1H, m),
6.95-6.99(2H, m), 7.20-7.23(1H, m), 7.29-7.41(9H, m), 7.76(2H, br s).
【0179】
<実施例6>
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシメチルオキシメチル−4−(4−オクチルフェニル)ブタナール
【0180】
【化51】

【0181】
−78℃にてオキザリルクロリド(135μL)の塩化メチレン(10mL)溶液にDMSO(148μL)の塩化メチレン(1mL)混液を加え30分攪拌した後、参考例42の化合物(350mg)の塩化メチレン(3mL)溶液を滴下した。1時間攪拌した後、-60℃にてトリエチルアミン(789μL)を加え10分攪拌した。0℃にて反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 5 : 1)にて精製し、目的物(286mg)を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 450([M+H])
【0182】
<実施例7>
4−[4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシメチルオキシメチルブタナール
【0183】
【化52】

【0184】
参考例30の化合物を用い参考例42と同様にしてメトキシメチル化した後、上記実施例6と同様に反応させ目的物を淡黄色油状物として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.46(9H, s), 1.99-2.06(1H, m),
2.25-2.35(1H, m), 2.47(1H, dt, J=13.8, 4.9Hz), 2.61(1H, dt, J=13.8, 4.9Hz),
3.32(3H, s), 3.80(1H, d, J=9.7Hz), 4.02(1H, d, J=9.7Hz), 4.58(2H, s), 5.08(2H,
s), 5.49(1H, br s), 6.95-7.00(4H, m), 7.09-7.12(1H, m), 7.33-7.45(7H, m),
9.46(1H, s).
【0185】
<実施例8>
5−[4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシメチルオキシメチルペンタナール
【0186】
【化53】

【0187】
参考例31の化合物を用い実施例7と同様に反応させ目的物を淡黄色油状物として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.43(9H, s), 1.53-1.64(2H, m),
1.77-1.85(1H, m), 2.04-2.17(1H, m), 2.68(2H, t, J=7.3Hz), 3.30(3H, s), 3.78(1H,
d, J=10.4Hz), 3.95(1H, d, J=10.4Hz), 4.56(2H, s), 5.02(2H, s), 5.39(1H, br s),
6.86-6.96(3H, m), 7.07-7.14(2H, m), 7.22(1H, t, J=7.9Hz), 7.30-7.41(6H, m),
9.40(1H, s).
【0188】
<実施例9>
5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−プロピルペンタナール
【0189】
【化54】

【0190】
2−アミノ−5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−プロピルペンタン−1−オール(2.17g)の1,4−ジオキサン(20mL)溶液に、二炭酸ジ-t-ブチル(1.21g)を加え一晩攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しN-Boc体(2.78g)を淡黄色油状物として得た。得られたN-Boc体を実施例6と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
MS(FAB+): 568([M+H])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.88(3H, t, J=7.3Hz), 0.98-1.10(1H, m),
1.20-1.37(2H, m), 1.42(9H, s), 1.42-1.64(2H, m), 1.70-1.77(1H, m), 2.07-2.29(2H,
m), 2.65-2.70(2H, m), 5.02(2H, s), 5.24-5.30(1H, br), 6.87(1H, dd, J=1.8,
7.9Hz), 6.92-6.94(2H, m), 7.07(1H, d, J=7.9Hz), 7.13(1H, dd, J=1.8, 7.9Hz),
7.23(1H, t, J=7.9Hz), 7.26-7.41(6H, m), 9.23(1H, s).
【0191】
<実施例10>
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−[2−クロロ−4−(4−メトキシフェニルエトキシ)フェニル]ブタン−1−オール
【0192】
【化55】

【0193】
氷冷下、参考例36の化合物(391mg)のDMF(4mL)溶液にトリエチルアミン(284μL)を加え、t-ブチルジメチルシリルクロリド(122g)のDMF(1mL)溶液を10分かけて加え、常温に戻しつつ一晩攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 9 : 1 のち
4 : 1)にて精製し、目的物(293mg)を無色油状物として得た。
MS(FAB+): 594([M+H])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.08(6H, s), 0.91(9H, s), 1.45(9H, s),
1.64-1.73(1H, m), 1.89-1.96(1H, m), 2.58-2.70(2H, m), 3.01(2H, t, J=7.3Hz),
3.57(1H, d, J=9.8Hz), 3.73-3.75(2H, m), 3.80(3H, s), 3.90(1H, d, J=9.8Hz),
4.08(2H, t, J=7.3Hz), 5.15-5.20(1H, br), 6.72(1H, dd, J=2.5, 8.6Hz),
6.85-6.87(3H, m), 7.09(1H, d, J=8.6Hz), 7.18(2H, d, J=8.6Hz).
【0194】
<実施例11>
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−[2−クロロ−4−(4−メトキシフェニルエトキシ)フェニル]ブタナール
【0195】
【化56】

【0196】
上記実施例10の化合物を用い、実施例6と同様に反応させ目的物を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 592([M+H])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.02(6H, s), 0.86(9H, s), 1.46(9H, s),
1.94-2.02(1H, m), 2.24-2.28(1H, m), 2.40-2.48(1H, m), 2.55-2.63(1H, m),
3.01(2H, t, J=7.3Hz), 3.80(3H, s), 3.87(1H, d, J=10.4Hz), 4.06-4.09(3H, m),
5.42(1H, br s), 6.70(1H, dd, J=2.4, 8.6Hz), 6.84-6.87(3H, m), 7.02(1H, d,
J=8.6Hz), 7.18(2H, d, J=8.6Hz), 9.41(1H, s).
【0197】
<実施例12>
3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メトキシメチルオキシメチル−5−(4−オクチルフェニル)−1−ペンタテン−1−スルホン酸エチルエステル
【0198】
【化57】

【0199】
-78℃にてジエトキシホスホリルメタンスルホン酸エチルエステル(190mg)のTHF(3.0mL)溶液に1.58moL/L-n-ブチルリチウム(500μL)をゆっくり滴下し60分攪拌した。実施例6の化合物(286mg)のTHF(1.0mL)溶液を滴下し、常温に昇温しつつ一晩攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 5 : 1)で精製し、目的物(342mg)を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 556([M+H])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.88(3H, t, J=6.8Hz), 1.25-1.30(10H,
m), 1.37(3H, t, J=7.3Hz), 1.45(9H, s), 1.49-1.60(2H, m), 1.98-2.05(1H, m),
2.25-2.33(1H, m), 2.54-2.63(4H, m), 3.38(3H, s), 3.68(1H, d, J=9.8Hz), 3.74(1H,
d, J=9.8Hz), 4.18(2H, q, J=7.3Hz), 4.63(2H, s), 5.04(1H, br s), 6.50(1H, d,
J=15.3Hz), 6.93(1H, d, J=15.3Hz), 7.06(2H, d, J=7.9Hz), 7.10(2H, d, J=7.9Hz).
【0200】
<実施例13>
5−[4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メトキシメチルオキシメチル−1−ペンテン−1−スルホン酸エチルエステル
【0201】
【化58】

【0202】
実施例7の化合物を用い、上記実施例12と同様にして反応させ目的物を無色油状物として得た。
MS(FAB+): 691([M])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.37(3H, t, J=7.3Hz), 1.44(9H, s),
1.90-2.05(1H, m), 2.17-2.30(1H, m), 2.64-2.71(2H, m), 3.37(3H, s), 3.67(1H, d,
J=9.7Hz), 3.75(1H, d, J=9.7Hz), 4.18(2H, q, J=7.3Hz), 4.63(2H, s), 5.08(2H, s),
6.30(1H, d, J=15.3Hz), 6.93(1H, d, J=15.3Hz), 6.96-7.00(3H, m), 7.05(1H, d,
J=7.9Hz), 7.11(1H, d, J=1.8Hz), 7.33-7.45(7H, m).
【0203】
<実施例14>
5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メトキシメチルオキシメチル−1−ペンテン−1−スルホン酸エチルエステル
【0204】
【化59】

【0205】
4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシメチルオキシメチルブタン−1−オールを用い実施例6と同様に酸化した後、得られた化合物を実施例12と同様に反応させ目的物を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 691([M])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.37(3H, t, J=7.3Hz), 1.45(9H, s),
1.98-2.05(1H, m), 2.20-2.28(1H, m), 2.66-2.77(2H, m), 3.38(3H, s), 3.68(1H, d,
J=9.8Hz), 3.76(1H, d, J=9.8Hz), 4.18(2H, q J=7.3Hz), 4.64(2H, s), 5.03(2H, s),
5.10(1H, br s), 6.32(1H, d, J=15.3Hz), 6.88-6.96(4H, m), 7.10-7.15(2H, m),
7.24(1H, t, J=8.0Hz), 7.30-7.41(6H, m).
【0206】
<実施例15>
6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メトキシメチルオキシメチル−1−ヘキセン−1−スルホン酸エチルエステル
【0207】
【化60】

【0208】
実施例8の化合物を用い、実施例12と同様に反応させ目的物を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 705([M])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.36(3H, t, J=7.3Hz), 1.42(9H, s),
1.55-1.66(3H, m), 1.76-1.85(1H, m), 2.70(2H, t, J=7.3Hz), 3.34(3H, s), 3.60(1H,
d, J=9.8Hz), 3.65(1H, d, J=9.8Hz), 4.17(2H, q, J=7.3Hz), 4.59(2H, s), 5.03(2H,
s), 6.25(1H, d, J=15.5Hz), 6.87(1H, d, J=15.5Hz), 6.87-6.97(3H, m),
7.11-7.16(2H, m), 7.23(1H, t, J=7.9Hz), 7.31-7.41(6H, m).
【0209】
<実施例16>
6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−プロピル−1−ヘキセン−1−スルホン酸エチルエステル
【0210】
【化61】

【0211】
実施例9の化合物を用い、実施例12と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
MS(FAB+): 673([M])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.90(3H, t, J=7.3Hz), 1.18-1.24(2H, m),
1.36(3H, t, J=7.3Hz), 1.40(9H, s), 1.54-1.61(4H, m), 1.66-1.75(2H, m),
2.66-2.74(2H, m), 4.17(2H, q, J=7.3Hz), 4.48-4.55(1H, br), 5.02(2H, s),
6.16(1H, d, J=15.3Hz), 6.78(1H, d, J=15.3Hz), 6.88(1H, dd, J=2.4, 7.3Hz),
6.93-6.96(2H, m), 7.09(1H, d, J=7.9Hz), 7.15(1H, dd, J=1.8, 7.9Hz), 7.23(1H, t,
J=7.9Hz), 7.31-7.43(6H, m).
【0212】
<実施例17>
3−アリル−5−[4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−1−ペンテン−1−スルホン酸エチルエステル
【0213】
【化62】

【0214】
参考例41の化合物をBoc化後、実施例6と同様にして酸化し、ついで実施例12と同様に反応させ目的物を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 657([M])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.37(3H, t, J=7.3Hz), 1.43(9H, s),
1.88-1.94(1H, m), 2.09-2.15(1H, m), 2.47-2.52(1H, m), 2.52-2.70(3H, m),
4.18(2H, q, J=7.3Hz), 4.66(1H, br s), 5.08(2H, s), 5.19-5.25(2H, m),
5.66-5.74(1H, m), 6.21(1H, d, J=15.5Hz), 6.85(1H, d, J=15.5Hz), 6.96-7.04(4H,
m), 7.10-7.11(1H, m), 7.33-7.45(7H, m).
【0215】
<実施例18>
6−[4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メトキシメチルオキシメチル−1−ヘキセン−1−スルホン酸エチルエステル
【0216】
【化63】

【0217】
実施例8の化合物を用い実施例12と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
MS(FAB+): 705([M])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.36(3H, t, J=7.3Hz), 1.41(9H, s),
1.54-1.60(3H, m), 1.75-1.84(1H, m), 2.66(2H, t, J=7.3Hz), 3.33(3H, s),
3.60-3.66(2H, m), 4.16(2H, q, J=7.3Hz), 4.59(2H, s), 4.93(1H, br s), 5.08(2H,
s), 6.24(1H, d, J=15.5Hz), 6.86(1H, d, J=15.5Hz), 6.96-7.00(3H, m), 7.03(1H, d,
J=7.9Hz), 7.11(1H, d, J=1.8Hz), 7.34-7.45(7H, m).
【0218】
<実施例19>
3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−t−ブチルジメチルシロキシメチル−5−[2−クロロ−4−(4−メトキシフェニルエトキシ)フェニル]−1−ペンテン−1−スルホン酸エチルエステル
【0219】
【化64】

【0220】
実施例11の化合物を用い、実施例12と同様に反応させ目的物を淡黄色油状物として得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.08(6H, s), 0.91(9H, s), 1.36(3H, t,
J=7.3Hz), 1.44(9H, s), 1.91-1.99(1H, m), 2.08-2.16(1H, m), 2.58-2.71(2H, m),
3.01(2H, t, J=7.3Hz), 3.65-3.79(2H, m), 3.80(3H, s), 4.09(2H, t, J=7.3Hz),
4.18(2H, q, J=7.3Hz), 4.92-4.95(1H, br), 6.27(1H, J=15.3Hz), 6.73(1H, dd,
J=2.5, 8.6Hz), 6.85-6.93(4H, m), 7.05(1H, d, J=8.6Hz), 7.18(2H, d, J=8.6Hz).
【0221】
<実施例20>
3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メトキシメチルオキシメチル−5−(4−オクチルフェニル)ペンタン−1−スルホン酸エチルエステル
【0222】
【化65】

【0223】
実施例12の化合物(262mg)のエタノール(4mL)溶液に、氷冷下にて水素化ホウ素ナトリウム(21.4mg)を加え、一晩攪拌した。反応液に水を加え酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 3 : 1)にて精製し、目的物(169mg)を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 558([M+H])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.88(3H, t, J=7.9Hz), 1.24-1.30(10H,
m), 1.41(3H, t, J=7.3Hz), 1.45(9H, s), 1.50-1.60(2H, m), 1.85-1.89(1H, m),
2.13-2.26(2H, m), 2.42(1H, td, J=14.0, 4.9Hz), 2.53-2.58(4H, m), 3.18-3.28(2H,
m), 3.40(3H, s), 3.59(2H, s), 4.28(2H, q, J=7.3Hz), 4.63(2H, s), 4.78(1H, br
s),7.08(4H, s).
【0224】
<実施例21>
5−[4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メトキシメチルオキシメチルペンタン−1−スルホン酸エチルエステル
【0225】
【化66】

【0226】
実施例13の化合物を用い上記実施例20と同様に反応させ目的物を淡黄色油状物として得た。
MS(FAB+): 693([M])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.40(3H, t, J=7.3Hz), 1.44(9H, s),
1.80-1.86(1H, m), 2.05-2.10(1H, m), 2.18-2.25(1H, m), 2.43(1H, td, J=14.1,
4.9Hz),2.63-2.68(2H, m), 3.18-3.26(2H, m), 3.40(3H, s), 3.58(1H, d, J=9.8Hz),
3.61(1H, d, J=9.8Hz), 4.27(2H, q, J=7.3Hz), 4.64(2H, s), 4.80(1H, br
s),5.08(2H, s), 6.97-7.00(3H, m), 7.05(1H, d, J=7.9Hz), 7.10(1H, d, J=1.8Hz),
7.34-7.45(7H, m).
【0227】
<実施例22>
5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メトキシメチルオキシメチルペンタン−1−スルホン酸エチルエステル
【0228】
【化67】

【0229】
実施例14の化合物を用い実施例20と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
MS(FAB+): 694([M+H])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.37(3H, t, J=7.3Hz), 1.45(9H, s),
1.80-1.90(1H, m), 2.04-2.27(2H, m), 2.41-2.49(1H, m), 2.62-2.80(1H, m),
3.18-3.31(2H, m), 3.38(3H, s), 3.68(1H, d, J=9.8Hz), 3.76(1H, d, J=9.8Hz),
4.18(2H, q, J=7.3Hz), 4.64(2H, s), 5.03(2H, s), 5.10(1H, br s), 6.88-6.96(3H,
m), 7.10-7.15(2H, m), 7.24(1H, t, J=8.0Hz), 7.30-7.41(6H, m).
【0230】
<実施例23>
6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メトキシメチルオキシメチルヘキサン−1−スルホン酸エチルエステル
【0231】
【化68】

【0232】
実施例15の化合物を用い実施例20と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
MS(FAB+): 707([M])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.39(3H, t, J=7.3Hz), 1.42(9H, s),
1.53-1.62(3H, m), 1.88-1.92(1H, m), 2.12-2.21(1H, m), 2.32-2.40(1H, m),2.69(2H,
t, J=7.3Hz), 3.10-3.25(2H, m), 3.35(3H, s), 3.48(1H, d, J=9.8Hz), 3.51(1H, d,
J=9.8Hz), 4.27(2H, q, J=7.3Hz), 4.58(2H, s), 4.71(1H, br s), 5.02(2H, s),
6.86-6.96(3H, m), 7.10-7.16(2H, m), 7.23(1H, t, J=7.9Hz), 7.31-7.41(6H, m).
【0233】
<実施例24>
6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−プロピルヘキサン−1−スルホン酸エチルエステル
【0234】
【化69】

【0235】
実施例16の化合物を用い実施例20と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
MS(FAB+): 695([M])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.90(3H, t, J=7.3Hz), 1.16-1.28(2H, m),
1.30-1.40(4H, m), 1.41(9H, s), 1.47-1.59(3H, m), 1.76-1.84(1H, m),
2.12-2.19(1H, m), 2.25-2.32(1H, m), 2.69(2H, t, J=7.9Hz), 3.03(2H, t, J=7.9Hz),
4.14-4.20(1H, br), 4.26(2H, q, J=7.3Hz), 5.03(2H, s), 6.86-6.90(1H, m),
6.92-6.97(2H, m), 7.11(1H, d, J=7.9Hz), 7.15(1H, dd, J=1.8, 7.9Hz), 7.23(1H, t,
J=7.9Hz), 7.30-7.41(6H, m).
【0236】
<実施例25>
3−アリル−5−[4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−t−ブトキシカルボニルアミノペンタン−1−スルホン酸エチルエステル
【0237】
【化70】

【0238】
実施例17の化合物を用い実施例20と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
MS(FAB+): 659([M])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.40(3H, t, J=7.3Hz), 1.43(9H, s),
1.70-1.78(1H, m), 1.80-2.00(1H, m), 2.23-2.38(3H, m), 2.44-2.49(1H, m),
2.59-2.69(2H, m), 3.14(2H, t, J=7.9Hz), 4.28(2H, q, J=7.3Hz), 4.34(1H, br s),
5.08(2H, s), 5.19-5.23(2H, m), 5.75-5.85(1H, m), 6.94-7.00(3H, m), 7.04(1H, d,
J=7.9Hz), 7.11(1H, d, J=1.8Hz), 7.33-7.45(7H, m).
【0239】
<実施例26>
6−[4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メトキシメチルオキシメチルヘキサン−1−スルホン酸エチルエステル
【0240】
【化71】

【0241】
実施例18の化合物を用い実施例20と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
MS(FAB+): 707([M])
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.40(3H, t, J=7.3Hz), 1.42(9H, s),
1.55-1.65(3H, m), 1.65-1.70(2H, m), 1.87-1.90(1H, m), 2.10-2.20(1H, m), 2.30-2.67(1H,
m), 2.65(2H, t, J=7.3Hz), 3.34(3H, s), 3.46(1H, d, J=10.3Hz), 3.50(1H, d,
J=10.3Hz), 4.26(2H, q, J=7.3Hz), 4.58(2H, s), 4.68(1H, br s), 5.08(2H, s),
6.96-7.00(3H, m), 7.04(1H, d, J=7.9Hz), 7.11(1H, d, J=1.8Hz), 7.34-7.45(7H, m).
【0242】
<実施例27>
3−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−t−ブチルジメチルシロキシメチル−5−[2−クロロ−4−(4−メトキシフェニルエトキシ)フェニル]ペンタン−1−スルホン酸エチルエステル
【0243】
【化72】

【0244】
実施例19の化合物を用い実施例20と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
MS(FAB+): 700([M+H]
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.09(3H, s), 0.10(3H, s), 0.91(9H, s),
1.40(3H, t, J=7.3Hz), 1.44(9H, s), 1,73-1.81(1H, m), 1.91-2.00(1H,
m),2.21-2.32(2H, m),2.57-2.67(2H,m), 3.01(2H, t, J=7.3Hz), 3.20(2H, t,
J=7.3Hz), 3.61-3.67(2H, m), 3.78(3H, s), 4.08(2H, t, J=7.3Hz), 4.27(2H, q,
J=7.3Hz), 4.60-4.63(1H, br), 6.72(1H, dd, J=2.5, 8.6Hz), 6.84-6.89(3H, m),
7.06(1H, d, J=8.6Hz), 7.18(2H, d, J=8.6Hz).
【0245】
<実施例28>
3−アミノ−3−ヒドロキシメチル−5−(4−オクチルフェニル)ペンタン−1−スルホン酸
【0246】
【化73】

【0247】
実施例20の化合物(169mg)に10%塩酸水溶液(5.0mL)を加え4時間加熱還流した。析出した結晶を濾取し、水、ジイソプロピルエーテルにて洗ったのち、減圧乾燥し目的物(90.2mg)を無色粉末として得た。
MS(FAB+): 386([M+H])
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 0.84(3H, t, J=7.4Hz), 1.20-1.28(10H, m),
1.49-1.54(2H, m), 1.68-1.83(2H, m), 1.89-1.99(2H, m), 2.45-2.54(4H, m),
2.59(2H, t, J=7.4), 3.41-3.48(2H, m), 5.49(1H, t, J=4.9Hz), 7.09(4H, s),
7.87(3H, br).
【0248】
<実施例29>
3−アミノ−3−ヒドロキシメチル−5−(4−オクチルフェニル)−1−ペンテン−1−スルホン酸
【0249】
【化74】

【0250】
実施例12の化合物を用い上記実施例28と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
MS(FAB+): 384([M+H])
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 0.84(3H, t, J=6.7Hz), 1.22-1.26(10H, m),
1.50-1.54(2H, m), 1.85-1.90(2H, m), 2.45-2.53(4H, m), 3.49(1H, d, J=11.6Hz),
3.53(1H, d, J=11.6Hz), 5.60-5.70(1H, m), 6.13(1H, d, J=15.9Hz), 6.44(1H, d,
J=15.9Hz), 7.06(2H, d, J=7.9Hz), 7.10(2H, d, J=7.9Hz), 8.10-8.15(3H, m).
【0251】
<実施例30>
3−アミノ−5−[4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチルペンタン−1−スルホン酸
【0252】
【化75】

【0253】
実施例21の化合物を用い実施例28と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 522([M+H])(mmu -0.5)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.67-1.74(2H, m), 1.90-2.00(2H, m), 2.53-2.66(4H,
m), 3.44-3.48(2H, m), 5.13(2H, s), 7.07-7.12(4H, m), 7.26-7.28(1H, m),
7.31-7.47(7H, m), 7.89(3H, br).
【0254】
<実施例31>
3−アミノ−5−[4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチル−1−ペンテン−1−スルホン酸
【0255】
【化76】

【0256】
実施例13の化合物を用い実施例28と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 520([M+H])(mmu +1.8)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.80-1.86(2H, m), 2.58(2H, t, J=8.6Hz), 3.50(1H, d,
J=11.0Hz), 3.57(1H, d, J=11.0Hz), 5.13(2H, s), 5.60-5.71(1H, br), 6.13(1H, d,
J=15.9Hz), 6.47(1H, d, J=15.9Hz), 7.05-7.12(4H, m), 7.22(1H, d, J=8.0Hz),
7.31-7.46(7H, m), 8.12(3H, br s).
【0257】
<実施例32>
3−アミノ−5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチルペンタン−1−スルホン酸
【0258】
【化77】

【0259】
実施例22の化合物を用い実施例28と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 522([M+H])(mmu -1.1)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.70-1.80(2H, m), 1.94-2.02(2H, m), 2.60-2.67(4H,
m), 3.46(1H, d, J=11.0Hz), 3.51(1H, d, J=11.0Hz), 5.09(2H, s), 5.51(1H, br s),
6.90(1H, d, J=6.7), 6.96-7.00(2H, m), 7.24(1H, dd, J=1.8, 7.9Hz), 7.29-7.41(8H,
m), 7.90(3H, br).
【0260】
<実施例33>
3−アミノ−5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチル−1−ペンテン−1−スルホン酸
【0261】
【化78】

【0262】
実施例14の化合物を用い実施例28と同様に反応させ目的物を褐色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 520([M+H])(mmu +1.8)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.82-1.92(2H, m), 2.63(2H, t, J=8.6Hz), 3.52(1H, d,
J=11.0Hz), 3.59(1H, d, J=11.0Hz), 5.09(2H, s), 6.14(1H, d, J=15.3Hz), 6.48(1H,
d, J=15.3Hz), 6.90(1H, d, J=7.3Hz), 6.96-7.00(2H, m), 7.22-7.40(9H, m),
8.14(3H, br s).
【0263】
<実施例34>
3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチル−1−ヘキセン−1−スルホン酸
【0264】
【化79】

【0265】
実施例15の化合物を用い実施例28と同様に反応させ目的物を淡褐色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 534([M+H])(mmu +1.3)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.48-1.61(2H, m), 1.67-1.75(2H, m), 2.60-2.70(2H,
m), 3.56-3.62(2H, m), 5.09(2H, s), 6.03(1H, d, J=15.9Hz), 6.36(1H, d,
J=15.9Hz), 6.89-7.00(3H, m), 7.20-7.21(1H, m), 7.22-7.41(8H, m), 7.79(1H, br
s), 8.10(3H, br s).
【0266】
<実施例35>
3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチルヘキサン−1−スルホン酸
【0267】
【化80】

【0268】
実施例23の化合物を用い実施例28と同様に反応させ目的物を淡緑色アモルファスとして得た。
HRMS(FAB+): 536([M+H])(mmu -0.9)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.48-1.63(4H, m), 1.79-1.89(2H, m), 2.50-2.53(2H,
m), 2.62-2.70(2H, m), 3.37-3.42(2H, m), 5.09(2H, s), 5.41(1H, br s),
6.89-6.99(3H, m), 7.22(1H, dd, J=1.8Hz, 7.9Hz), 7.29-7.41(8H, m), 7.70(3H, br
s).
【0269】
<実施例36>
3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−プロピル−1−ヘキセン−1−スルホン酸
【0270】
【化81】

【0271】
実施例16の化合物を用い実施例28と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 546([M+H])(mmu -2.3)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 0.85(3H, t, J=7.3Hz), 1.14-1.24(2H, m),
1.46-1.70(6H, m), 2.68(2H, t, J=7.3Hz), 5.09(2H, s), 6.05(1H, d, J=15.6Hz),
6.29(1H, d, J=15.6Hz), 6.88-6.92(1H, m), 6.95-7.01(2H, m), 7.22(1H, dd, J=1.8,
7.9Hz), 7.29-7.42(8H, m), 8.00-8.04(3H, br).
【0272】
<実施例37>
3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−プロピルヘキサン−1−スルホン酸
【0273】
【化82】

【0274】
実施例24の化合物を用い実施例28と同様に反応させ目的物を黄色アモルファスとして得た。
HRMS(FAB+): 548([M+H])(mmu +0.9)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 0.84(3H, t, J=7.3Hz), 1.12-1.25(2H, m),
1.43-1.47(2H, m), 1.49-1.59(4H, m), 1.85(2H, t, J=7.3Hz), 2.50-2.55(2H, m),
2.63-2.70(2H, m), 5.08(2H, s), 6.88(1H, d, J=7.9Hz), 6.95-7.00(2H, m), 7.23(1H,
dd, J=1.8, 7.9Hz), 7.29-7.41(8H, m), 7.78-7.89(3H, br).
【0275】
<実施例38>
3−アリル−3−アミノ−5−[4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−1−ペンテン−1−スルホン酸
【0276】
【化83】

【0277】
実施例17の化合物を用い実施例28と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 530([M+H])(mmu +1.4)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.76-1.84(2H, m), 2.44-2.50(2H, m), 2.61(2H, t,
J=8.5Hz), 5.22-5.26(2H, m), 5.70-5.77(1H, m), 6.17(1H, d, J=15.8Hz), 6.43(1H,
d, J=15.8Hz), 7.04-7.11(4H, m), 7.22(1H, d, J=7.9Hz), 7.32-7.46(7H, m),
8.18(3H, br s).
【0278】
<実施例39>
3−アリル−3−アミノ−5−[4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]ペンタン−1−スルホン酸
【0279】
【化84】

【0280】
実施例25の化合物を用い実施例28と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
MS(FAB+): 532([M+H])
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.68-1.72(2H, m), 1.97(2H, t, J=7.3Hz), 2.41(2H, d,
J=7.3Hz), 2.62-2.66(4H, m), 5.13(2H, s), 5.22-5.28(2H, m), 5.78-5.85(1H, m),
7.06-7.13(4H, m), 7.25(1H, d, J=7.9Hz), 7.32-7.46(7H, m), 8.03(3H, br).
元素分析値(%):C27H30ClNO4S2として

C H N
計算値 : 60.94 5.68 2.63
実測値 : 60.89 5.61 2.33
【0281】
<実施例40>
3−アミノ−6−[4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチル−1−ヘキセン−1−スルホン酸
【0282】
【化85】

【0283】
実施例18の化合物を用い実施例28と同様に反応させ目的物を淡褐色粉末として得た。
MS(FAB+): 534([M+H])
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.47-1.52(2H, m), 1.63-1.66(2H, m), 2.62(2H, t,
J=7.9Hz), 3.42-3.50(2H, m), 5.13(2H, s), 5.58(1H, br s), 6.01(1H, d, J=15.9Hz),
6.34(1H, d, J=15.9Hz), 7.04-7.09(4H, m), 7.11(1H, d, J=2.4Hz), 7.24-7.47(7H,
m), 7.96(3H, br s).
元素分析値(%):C26H28ClNO5S2として

C H N
計算値 : 58.47 5.28 2.62
実測値 : 58.18 5.20 2.35
【0284】
<実施例41>
3−アミノ−6−[4−(4−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチルヘキサン−1−スルホン酸
【0285】
【化86】

【0286】
実施例26の化合物を用い実施例28と同様に反応させ目的物を淡褐色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 536([M+H])(mmu +0.3)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.46-1.57(4H, m), 1.75-1.90(2H, m), 2.45-2.52(2H,
m), 2.58-2.66(2H, m), 5.13(2H, s), 5.40(1H, t, J=4.9Hz), 7.04-7.11(4H, m),
7.26(1H, d, J=8.6Hz), 7.31-7.46(7H, m), 7.75(3H, br s).
元素分析値(%):C26H30ClNO5S2として
C H N
計算値 : 58.25 5.64 2.61
実測値 : 58.27 5.56 2.33
【0287】
<実施例42>
3−アミノ−5−[2−クロロ−4−(4−メトキシフェニルエトキシ)フェニル]−3−ヒドロキシメチル−1−ペンテン−1−スルホン酸
【0288】
【化87】

【0289】
実施例19の化合物を用い実施例28と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 456([M+H])(mmu -3.1)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.79-1.87(2H, m), 2.53-2.58(2H, m), 2.93(2H, t,
J=7.3Hz), 3.50(1H, dd, J=4.9, 11.0Hz), 3.57(1H, d, J=4.9, 11.0), 3.71(3H, s),
4.12(2H, t, J=7.3Hz), 5.65(1H, t, J=4.9Hz), 6.13(1H, d, J=15.9Hz), 6.47(1H, d,
J=15.9Hz), 6.83-6.88(3H, m), 6.99(1H, d, J=2.5Hz), 7.16-7.23(3H, m),
8.05-8.18(3H, br).
元素分析値(%):C21H26ClNO6S・3/4H2Oとして
C H N
計算値 : 53.78 5.90 2.98
実測値 : 53.70 5.59 2.94
【0290】
<実施例43>
3−アミノ−5−[2−クロロ−4−(4−メトキシフェニルエトキシ)フェニル]−3−ヒドロキシメチルペンタン−1−スルホン酸
【0291】
【化88】

【0292】
実施例27の化合物を用い実施例28と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 458([M+H])(mmu +0.2)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.66-1.77(2H, m), 1.88-2.02(2H, m), 2.55-2.66(4H,
m), 2.93(2H, t, J=7.3Hz), 3.42-3.51(2H, m), 3.71(3H, s), 4.12(2H, t, J=7.3Hz),
5.48(1H, t, J=4.3Hz), 6.84-6.89(3H, m), 6.98(1H, d, J=2.4Hz), 7.20-7.22(3H, m),
7.77-7.87(3H, br).
元素分析値(%):C21H28ClNO6S・3/4H2Oとして
C H N
計算値 : 53.50 6.31 2.97
実測値 : 53.36 6.01 2.98
【0293】
<実施例44>
3−アミノ−6−[4−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチルヘキサン−1−スルホン酸
【0294】
【化89】

【0295】
氷冷下、実施例35の化合物(50mg)の塩化メチレン(3mL)溶液に1moL/L-BBr3-塩化メチレン溶液(280μL)を加え、4時間攪拌した。溶液を濃縮し、6moL/L塩酸水溶液を加え析出する結晶を濾取し、水、ジイソプロピルエーテルにて洗ったのち、減圧乾燥し目的物 (2.63mg)を淡褐色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 446([M+H])(mmu +2.6)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.50-1.59(4H, m), 1.80-1.87(2H, m),
2.45-2.49(2H, m), 2.63-2.68(2H, m), 3.36-3.43(2H, m), 5.40-5.42(1H, m), 6.71-6.78(3H,
m), 7.17-7.24(2H, m), 7.30-7.36(2H, m), 7.74-7.81(2H, m), 9.69(1H, s).
【0296】
<実施例45>
3−アミノ−6−[4−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチル−1−ヘキセン−1−スルホン酸
【0297】
【化90】

【0298】
実施例34の化合物を用い上記実施例44と同様に反応させ目的物を淡褐色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 444([M+H])(mmu -0.7)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.46-1.52(2H, m), 1.62-1.65(2H, m), 2.59-2.62(2H,
m), 3.40-3.49(2H, m), 5.57(1H, br s), 6.01(1H, d, J=15.8Hz), 6.33(1H, d,
J=15.8Hz), 6.83-6.86(2H, m), 6.98-7.00(2H, m), 7.22(1H, d, J=2.4Hz),
7.33-7.36(2H, m), 7.96(3H, br s), 9.93(1H, s).
元素分析値(%):C26H30ClNO5S2+1/2H2Oとして
C H N
計算値 : 50.38 5.11 3.09
実測値 : 50.43 4.89 2.68
【0299】
<実施例46>
3−アミノ−6−[4−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチルヘキサン−1−スルホン酸
【0300】
【化91】

【0301】
実施例41の化合物を用い実施例44と同様に反応させ目的物を淡褐色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 446([M+H])(mmu -3.3)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.48-1.54(4H, m), 1.75-1.90(2H, m), 2.45-2.50(2H,
m), 2.57-2.66(2H, m), 3.36-3.42(2H, m), 5.40(1H, br s), 6.83-6.86(2H, m),
6.98-7.00(2H, m), 7.24(1H, d, J=9.1Hz), 7.33-7.35(2H, m), 7.75(3H, br s), 9.93(1H,
s).
【0302】
<実施例47>
3−アミノ−6−[4−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチル−1−ペンテン−1−スルホン酸
【0303】
【化92】

【0304】
実施例31の化合物を用い実施例44と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 430([M])(mmu +0.2)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.47-1.60(2H, m), 2.42-2.50(1H, m), 2.58-2.66(1H,
m), 3.20(2H, br s), 4.72(1H, br s), 6.10(1H, d, J=15.5Hz), 6.23(1H, d,
J=15.5Hz), 6.80-6.85(2H, m), 6.96-6.99(2H, m), 7.18(1H, d, J=7.3Hz),
7.31-7.34(2H, m).
【0305】
<実施例48>
3−アミノ−6−[4−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチルペンタン−1−スルホン酸
【0306】
【化93】

【0307】
実施例30の化合物を用い実施例44と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 432([M])(mmu +0.2)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.65-1.75(2H, m), 1.90-1.98(2H, m), 2.53-2.66(4H,
m), 3.40-3.50(2H, m), 5.45-5.49(1H, m), 6.84-6.86(2H, m), 7.01-7.04(2H, m),
7.24(1H, d, J=7.3Hz), 7.33-7.35(2H, m), 7.88(2H, br s), 9.94(1H, s).
【0308】
<実施例49>
3−アミノ−6−[4−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチル−1−ペンテン−1−スルホン酸
【0309】
【化94】

【0310】
実施例33の化合物を用い実施例44と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 430([M])(mmu -3.4)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.80-1.90(2H, m), 2.63(2H, t, J=7.9Hz), 3.51(1H, d,
J=11.0Hz), 3.59(1H, d, J=11.0Hz), 6.14(1H, d, J=15.9Hz), 6.47(1H, d, J=15.9Hz),
6.71-6.78(3H, m), 7.19-7.32(4H, m), 8.14(2H, br s).
【0311】
<実施例50>
3−アミノ−6−[4−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチルペンタン−1−スルホン酸
【0312】
【化95】

【0313】
実施例32の化合物を用い実施例44と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
HRMS(FAB+): 432([M])(mmu -2.0)
1H-NMR(400MHz, DMSO) δ 1.70-1.80(2H, m), 1.80-2.06(2H, m), 2.58-2.70(4H,
m), 3.40-3.55(2H, m), 5.52(1H, br s), 6.71-6.78(3H, m), 7.17-7.37(4H, m),
7.97(2H, br s), 9.71(1H, br s).
<実施例51>
3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−プロピル−1−ヘキセン−1−スルホン酸エチルエステル
【0314】
【化96】

【0315】
実施例16の化合物(174mg)の塩化メチレン(2mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え1時間攪拌した。1mol/L-水酸化カリウム水溶液を用いてpH=7とし酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチルのみ、のち酢酸エチル : メタノール = 10 : 1)で精製し、目的物(140mg)を無色油状物として得た。
HRMS(FAB+): 574([M+H])(mmu -0.6)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.91(3H, t, J=7.3Hz), 1.16-1.29(2H, m),
1.35(3H, t, J=7.3Hz), 1.44-1.67(6H,m), 2.68(2H, t, J=7.3Hz), 4.13(2H, q,
J=7.3Hz), 5.02(2H, s), 6.37(1H, d, J=15.3Hz), 6.83(1H, d, J=15.3Hz),
6.87-6.90(1H, m), 6.93-6.96(2H, m), 7.09(1H, d, J=7.9Hz), 7.14(1H, dd, J=1.8,
7.9Hz), 7.23(1H, t, J=7.9Hz), 7.31-7.41(6H, m).
【0316】
<実施例52>
3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−プロピルヘキサン−1−スルホン酸エチルエステル
【0317】
【化97】

【0318】
実施例24の化合物を用い上記実施例51と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
HRMS(FAB+): 576([M+H])(mmu -0.3)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.91(3H, t, J=7.3Hz), 1.21-1.30(2H, m),
1.30-1.45(4H, m), 1.40(3H, t, J=7.3Hz), 1.52-1.64(2H,m), 1.80-1.84(2H, m), 2.69(2H,
t, J=7.3Hz), 3.12-3.17(2H, m), 4.27(2H, q, J=7.3Hz), 5.02(2H, s), 6.87-6.89(1H,
m), 6.92-6.96(2H, m), 7.12(1H, d, J=7.9Hz), 7.16(1H, dd, J=1.8, 7.9Hz),
7.23(1H, t, J=7.9Hz), 7.31-7.41(6H, m).
【0319】
<実施例53>
3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−プロピルヘキサン−1−スルホン酸アミドトリフルオロ酢酸塩
【0320】
【化98】

【0321】
実施例36の化合物(402mg)の1,4-ジオキサン(10mL)溶液に、1mol/L-水酸化カリウム水溶液(0.8mL)を加え、二炭酸ジ-t-ブチル(186μL)を加え一晩攪拌した。さらに二炭酸ジ-t-ブチル(200μL)を加えN,N-ジメチルアミノピリジン(9mg, 0.074mmol)を加え3日間攪拌したのち、還流攪拌を2時間行った。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチルのち酢酸エチル : メタノール = 10 : 1)で精製し、N-Boc体(525mg)を無色油状物として得た。得られたN-Boc体(60mg)の塩化メチレン(2mL)溶液にトリホスゲン(13.8mg)とDMF(1 滴)を加え、一晩攪拌した。-78度に冷却し、反応液に26%アンモニア水溶液を加え、常温にもどしつつ6時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : 酢酸エチル = 1 : 1)で精製し、無色油状物(35.0mg)を得た。得られた油状物の塩化メチレン(2mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え常温にて1時間攪拌したのち溶媒を留去し、目的物(37.5mg)を淡黄色アモルファスとして得た。
HRMS(FAB+): 545([M+H])(mmu -1.1)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.80(3H, t, J=7.3Hz), 1.12-1.20(2H, m),
1.40-1.74(6H, m), 2.60-2.66(2H, m), 5.03(2H, s), 6.41(1H, d, J=15.3Hz),
6.55(1H, d, J=15.3Hz), 6.83-6.85(1H, m), 6.89-6.95(2H, m), 7.17-7.19(3H, m),
7.23-7.36(8H, m), 8.17-8.26(3H, br).
【0322】
次に本発明化合物について、有用性を裏付ける成績を実験例によって示す。
【0323】
<実験例1> ヒトS1P(スフィンゴシン-1-リン酸)受容体発現細胞に対する被験化合物の細胞内カルシウム動員誘導試験
10%のウシ胎児血清、及び200μg/mLのGeneticinを含むHam’s
F-12培地で継代培養したヒトS1P受容体発現CHO細胞(hS1P1受容体発現CHO細胞、あるいはhS1P3受容体発現CHO細胞)を4×104 cells/wellで96穴黒色クリアボトム培養プレート(コースター)に播種し、37℃、5%CO2条件下で一晩培養した。さらにCa2+結合性蛍光指示薬としてCalcium Screening Kit試薬(同仁化学)を添加し、37℃、5%CO2条件下で60分間培養した。培養後、マイクロプレート蛍光分光光度計(FLEX Station、モレキュラーデバイス)を用いて、励起波長485nm、検出波長525nmにおける蛍光強度を測定した。最終濃度の10倍の濃度になるよう培地で調製したS1P、あるいは被験化合物(最終DMSO濃度0.1%)を蛍光測定開始18秒後に添加し、1.5秒毎で添加後100秒まで蛍光強度を連続測定した。測定データより最大蛍光強度から最小蛍光強度を引いた値(蛍光増加量)を算出し、溶媒を添加したときの蛍光増加量とS1Pを10-6Mで作用させたときの蛍光増加量の差を100%として、被験化合物の蛍光増加率(%)を算出した。これを被験化合物の細胞内カルシウム動員誘導作用として、PRISMソフトウェア(GraphPad)を用いてEC50値を求めた。EC50値≧1μmol/Lについては−、1μmol/L>EC50値≧0.1μmol/Lについては+、0.1μmol/L>EC50値については++と表記し、表4に示した。
【0324】
【表4】

【0325】
以上の結果から本発明化合物はヒトS1P受容体に作用することが認められた。
【産業上の利用可能性】
【0326】
本発明は、新規なアミノスルホン酸誘導体とその付加塩が優れたスフィンゴシン−1−リン酸(S1P)受容体調節作用を有することを見出したものである。このようなS1P受容体調節作用を有する化合物は、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎、腎繊維症、肝繊維症、慢性気管支喘息、びまん性過誤腫性肺脈管筋腫症、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD),間質性肺炎、特発性間質性肺炎、肺癌、過敏性肺臓炎、バージャー病、糖尿病性ニューロパチーの末梢動脈疾患、敗血症、血管炎、腎炎、肺炎、脳梗塞、心筋梗塞症、浮腫性疾患、静脈瘤、解離性大動脈瘤、狭心症、DIC、胸膜炎、うっ血性心不全、多臓器不全、とこずれ、火傷、潰瘍性大腸炎、クローン病などの治療及び予防薬として、又、心移植、腎移植、皮膚移植、肝移植、骨髄移植などの拒絶反応の予防又は治療薬、関節リウマチ、ループス腎炎、全身性エリトマトーデス、橋本病、多発性硬化症、重症筋無力症、糖尿病、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎等の予防又は治療薬として有用である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、Rは置換基を有しても良いフェニル基又は置換基を有しても良い炭素数1〜10のアルキル基を、
は水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基又は炭素数1〜4の低級アルコキシ基を、
は水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜4の低級アルキル基を、
はヒドロキシ基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基又はアミノ基を、
XはO、S、SO、SO、又はCH
YはCH=CHまたは(CH2)n(nは1〜2の整数)を、
mは2〜4の整数を示す]
で表されることを特徴とするアミノスルホン酸誘導体、その光学異性体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物。
【請求項2】
前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(1a)
【化2】

[式中、X、Y、R、R及びmは前記定義に同じ]
で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載のアミノスルホン酸誘導体、その光学異性体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物。
【請求項3】
前記一般式(1a)においてRが塩素原子であることを特徴とする請求項2に記載のアミノスルホン酸誘導体、その光学異性体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物。
【請求項4】
前記一般式(1)で示される化合物が、
1)3−アミノ−5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチルペンタン−1−スルホン酸、
2)3−アミノ−5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチル−1−ペンテン−1−スルホン酸、
3)3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチルヘキサン−1−スルホン酸、
4)3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−ヒドロキシメチル−1−ヘキセン−1−スルホン酸、
5)3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−プロピルヘキサン−1−スルホン酸、
6)3−アミノ−6−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−3−プロピル−1−ヘキセン−1−スルホン酸である請求項1記載のアミノスルホン酸誘導体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物。
【請求項5】
一般式(1)
【化3】

[式中、Rは置換基を有しても良いフェニル基又は置換基を有しても良い炭素数1〜10のアルキル基を、
は水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4の低級アルキル基又は炭素数1〜4の低級アルコキシ基を、
は水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜4の低級アルキル基を、
はヒドロキシ基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基又はアミノ基を、
XはO、S、SO、SO、NH又はCHを、
YはCH=CHまたは(CH2)n(nは1〜2の整数)を、
mは2〜4の整数を示す]
で表されることを特徴とするアミノスルホン酸誘導体、その光学異性体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物の少なくとも一種類以上を有効成分とするS1P受容体調節剤。
【請求項6】
前記一般式(1)で示される化合物が、一般式(1a)
【化4】

[式中、X、Y、R、R及びmは前記定義に同じ]
で表されるアミノスルホン酸誘導体、その光学異性体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物の少なくとも一種類以上を有効成分とすることを特徴とする請求項5に記載のS1P受容体調節剤。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1項に記載されたアミノスルホン酸誘導体、その光学異性体及び薬理学的に許容しうる塩並びにその水和物の少なくとも一種類以上を有効成分として含有する医薬。

【公開番号】特開2007−1921(P2007−1921A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−183448(P2005−183448)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(000001395)杏林製薬株式会社 (120)
【Fターム(参考)】