アンカーナット引抜き工具
【課題】誤って固着したアンカーナットを引き抜くことが可能であり、新たに正規の場所にアンカーナットを固着するやり直しが可能となるアンカーナット引抜き工具の提供。
【解決手段】叩き落し棒の貫挿孔を有する叩き落し棒挿入ガイドピンの外周面に座を螺合し、該螺合量により座の螺進、螺退する構成を有し、更に該叩き落し棒挿入ガイドピンの下端外周面にアンカーナット上端の雌ネジ筒を螺合する雄ネジを有し、該叩き落し棒挿入ガイドピンの該座の下方に台座を外挿した構成としたアンカーナット引抜き工具。
【解決手段】叩き落し棒の貫挿孔を有する叩き落し棒挿入ガイドピンの外周面に座を螺合し、該螺合量により座の螺進、螺退する構成を有し、更に該叩き落し棒挿入ガイドピンの下端外周面にアンカーナット上端の雌ネジ筒を螺合する雄ネジを有し、該叩き落し棒挿入ガイドピンの該座の下方に台座を外挿した構成としたアンカーナット引抜き工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、土木、建設等において荷重支持の使用済みアンカーナットを撤去するときに使用するアンカーナット撤去工具に関する。
【技術背景】
【０００２】
従来のアンカーナットを床に固定する方法として、叩き棒の貫挿孔を有する叩き棒挿入ガイドピンの外周面に座を螺合し、該螺合量により座の上下の位置を調整する構成を有し、更に叩き棒挿入ガイドピンの下端に設けた雄ネジ外周面にアンカーナット上端の雌ネジ筒を螺合締結し、該締結した状態でアンカーナットを下穴内へ挿入し、該挿入により上記座の座面を下穴開口面に座着せしめてアンカーナットの挿入深さを設定し、上記貫挿孔に貫挿した叩き棒を叩くことにより上記アンカーナットに内填せるくさび体を押し込んでアンカーナットの割筒部を拡開し、床の下穴の内壁面に喰いつかせ固定させるアンカーナット固定工具（特許文献１参照）を用いてアンカーナットを床下穴に固定する方法がある。
【特許文献１】特開２００４−２５１０８０
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
従来、１度床に固定したアンカーナットは引抜くことは困難であり、該床を壊さない限り該アンカーナットを撤去するのは不可能であり、従ってやり直しは効かず、又据え付け物が使用目的を終え不要になった場合、該据え付け物を撤去した後の床に残ったアンカーナットはそのまま放置されていた。しかし、その景観は悪く、又該アンカーナットは年月の経過と共に腐食膨張し、床表面（又は、壁表面）に亀裂を生じさせる問題があった。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
本発明は上記の問題点を解決するアンカーナット引抜き工具を提供する。床に埋設固着したくさび体を内填したアンカーナットを引抜く工具であって、叩き落し棒の貫挿孔を有する叩き落し棒挿入ガイドピンの外周面に座を螺合し、該螺合量により座の螺進、螺退する構成を有し、更に該叩き落し棒挿入ガイドピンの下端外周面にアンカーナット上端の雌ネジ筒を螺合する雄ネジを有し、該叩き落し棒挿入ガイドピンの該座の下方に台座を外挿した構成とした。
【発明の効果】
【０００５】
本発明のアンカーナット引き抜き工具によれば、誤って固着したアンカーナットを引き抜くことが可能であり、新たに正規の場所にアンカーナットを固着するやり直しが可能となる。
【０００６】
又、据え付け物が使用目的を終え不要になった場合、該据え付け物を撤去した後の床に残されたアンカーナットも引き抜き撤去した後に、コーキング等で引き抜き後の穴を埋めることで、アンカーナットの雌ネジ筒の露出の悪景観も解消し、又アンカーナットの腐食膨張による床（壁）亀裂を防止することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【発明実施の形態】
【０００７】
本発明の実施の形態を、図１、図２、に基づいて説明する。図２に示す図は従来ある、下穴の深さをアンカーナットｄ４の全長より深く穿設しても該アンカーナットｄ４を該下穴に固着するアンカーナット固定工具ｆ０（特許文献１）を用いて、取り付け物ｇ１を床ｅ１に固定した状態をあらわした断面図である。
【特許文献１】特開２００４−２５１０８０
【０００８】
まず、くさび体ｄ３を内填せるアンカーナットｄ４を床ｅ１に固着させるに、図２に示すように、下穴ｇ２を穿設した取り付け物ｇ１が床ｅ１に既に置かれている場合、ドリル等を該下穴ｇ２に通し、床ｅ１にアンカーナットｄ４の長さｄ５と該アンカーナットｄ４に内填せるくさび体ｄ３の長さｄ６を合わせた総長より十分深く下穴ｅ２を掘り、必要に応じ該床下穴ｅ２の中に残った削り破片を除去する。
【０００９】
次に、図２に示すように、叩き棒ｆ１と該叩き棒ｆ１の貫挿孔を有する叩き棒挿入ガイドピンｆ２の外周面に座ｆ３を螺合し、該螺合量により座ｆ３の上下位置を調整する構成を有し、更に該叩き棒挿入ガイドピンｆ２の下端の外周面にアンカーナットｄ４の雌ネジと螺合する雄ネジｆ４を螺設したアンカーナット固定工具ｆ０（上記、特許文献１参照）の下端雄ネジｆ４に上記アンカーナットｄ４の雌ネジを螺合締結する。
【００１０】
而して、該アンカーナットｄ４の筒部端面と該アンカーナット固定工具ｆ０の座ｆ３の座面との距離を、取り付け物ｇ１の厚さに応じて該座の螺合量で調整設定する。
【００１１】
次に、上記アンカーナットｄ４を取り付け物ｇ１の下穴ｇ２と同芯に連通せる床下穴ｅ２に挿入して、上記アンカーナット固定工具ｆ０の座面を下穴開口表面に座着せしめ、該叩き棒挿入ガイドピンｆ２の貫通孔に貫挿した叩き棒ｆ１を下方に叩く。
【００１２】
それにより、アンカーナットｄ４の中のくさび体ｄ３が叩き棒ｆ１により押し込まれアンカーナットｄ４の割筒部ｄ２を拡開し、床の下穴ｅ２の内壁に割筒部ｄ２が喰いつき固着せしめる。
【００１３】
その後、上記取り付け物ｇ１が不要となり、上記の方法で固着したアンカーナットｄ４を除去するにおいて、本発明のアンカーナット引抜き工具ａ０を用いる。
【００１４】
図１に示す本発明のアンカーナット引抜き工具ａ０は、細長い叩き落し棒挿入ガイドピンａ３を本体とし、該ガイドピンａ３の軸芯上に貫設せる叩き落し棒ａ１の貫挿孔ａ２を有する。
【００１５】
また、上記叩き落し棒挿入ガイドピンａ３の外周面に座ｂ１を螺合し、該螺合量により座ｂ１を上下に螺進、螺退する構成を有し、更に叩き落し棒挿入ガイドピンａ３の下端に設けた雄ネジａ６はアンカーナットｄ４の雌ネジ筒ｄ１の雌ネジと螺合し、また上記貫挿孔ａ２に貫挿する叩き落し棒ａ１を有するものである。
【００１６】
図１、図２に示すアンカーナットｄ４は、該アンカーナットｄ４の一端側筒部の内面に雌ネジ筒ｄ１を形成し、多端側は割筒部ｄ２になっており、該割筒部ｄ２の内周面にはテーパーを形成し、くさび体ｄ３をこの筒部内に装填しており、該くさび体ｄ３が叩かれ進むことにより割筒部ｄ２を拡開せしめ下穴内壁に喰いつかせ固着させるものである。
【００１７】
上記座ｂ１は円形または正多角形またはＩ形、十字形等を呈し、その中心部の軸線上に貫設した雌ネジ穴ｂ２を有し、また回転工具を用いて回転操作がし易いように外形を形成してある。
【００１８】
また、上記叩き落し棒挿入ガイドピンａ３の上端部外周面に回転工具を用いて該ガイドピンが回転及び回転止め操作がし易いように外形を形成し、中間部外周面に雄ネジａ４を形成し、上記座ｂ１の雌ネジ穴ｂ２に該ガイドピンａ３を貫挿しつつ、該雌ネジ穴ｂ２の内周面の雌ネジを上記ガイドピンａ３の外周面の雄ネジａ４に螺合し、螺進または螺退して座ｂ１の位置を上下し、上記アンカーナットｄ４は叩き落し棒挿入ガイドピンａ３の下端に同軸線に垂設する。
【００１９】
また、上記ガイドピンａ３の下端に雄ネジ形成部ａ４より小径にしたアンカーナット螺合軸部ａ７を、同一軸線上に連設しこのアンカーナット螺合軸部ａ７の上端に段部ａ５を形成する。
【００２０】
叩き落し棒貫挿孔ａ２は上記アンカーナット螺合軸部ａ７を貫通している。
【００２１】
また、図１に示すように、上記叩き落し棒挿入ガイドピンａ３に上記座ｂ１の下方に該座ｂ１の外径より小径なる台座ｃ１を外挿しており、該台座ｃ１の長さｃ２はアンカーナットｄ４の全長ｄ５より大である。
【００２２】
また、上記叩き落し棒挿入ガイドピンａ３の座ｂ１に螺合する雄ネジａ４の長さａ８は、上記座ｂ１の全長ｂ３及び、上記台座ｃ１の全長ｃ２を合計した総長より大である。
【００２３】
上述のように上記アンカーナット固定工具ｆ０を用いて、床に固着したアンカーナットｄ４を除去するに、図１に示すように、上記台座ｃ１を外挿した上記アンカーナット引抜き工具ａ０の叩き落し棒挿入ガイドピンａ３の下端の螺合軸部ａ７の雄ネジａ６を上記アンカーナットｄ４の雌ネジに螺合し、該アンカーナットｄ４の雌ネジ筒部ｄ１端面が該螺合軸部ａ７の段部ａ５に当接するまで螺合締結する。
【００２４】
次に、該アンカーナット引抜き工具ａ０の座ｂ１を下方に螺進し、上記台座ｃ１の上端面に座着する。
【００２５】
次に、上記アンカーナット引抜き工具ａ０の叩き落し棒ａ１を下方に叩き、締結したアンカーナットｄ４に内填せるくさび体ｄ３を、床下穴底ｅ３に叩き落す。
【００２６】
而して、上記アンカーナットｄ４の割筒部ｄ２が上記下穴内壁に喰いついていた固着力が微弱となる。
【００２７】
つづいて、上記引抜き工具ａ０の座ｂ１を下方に螺進するように更に回転し続けると、上記台座ｃ１により該座ｂ１は下方に螺進することを阻止され、該座ｂ１が下方に進もうとする力に相対して該座ｂ１に螺合している上記ガイドピンａ３に、上方に上がる力が生じる。
【００２８】
而して、上記ガイドピンａ３の下端雄ネジａ６に螺合締結しているアンカーナットｄ４が引抜かれる。
【００２９】
尚、床下穴に残されたくさび体ｄ３は、磁石等を用いて容易に除去できる。
【００３０】
また、上記台座ｃ１の上端面とアンカーナット引抜き工具の座ｂ１の座面との当接面の間にスラストベアリング等の滑面部材を配設しても良い。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】本発明のアンカーナット引抜き工具の台座を外挿した叩き落し棒挿入ガイドピンの下端雄ネジにアンカーナットを螺合締結し、該台座上端面に座を座着し、叩き落し棒を下方に叩き、アンカーナットに内填せるくさび体を床下穴底に叩き落した状態を表した全体断面図。
【図２】アンカーナット固定工具にアンカーナットを螺合締結し、該アンカーナットを取り付け物の下穴および床下穴に連通し、該固定工具の座の座面を下穴開口面に座着し、叩き棒を下方に叩き該アンカーナットに内填せるくさび体を押し下げ、該アンカーナットの割筒部を拡開し、床下穴の内壁面に喰いつかせ、アンカーナットを床下穴に固着せしめた状態を表した全体断面図。
【符号の説明】
【００３２】
ａ０−アンカーナット引抜き工具
ａ１−叩き落し棒
ａ２−叩き落し棒貫挿孔
ａ３−叩き落し棒挿入ガイドピン
ａ４−雄ネジ
ａ５−段部
ａ６−雄ネジ
ａ７−螺合軸部
ａ８−叩き落し棒挿入ガイドピンの雄ネジ部全長
ｂ１−座
ｂ２−雌ネジ穴
ｂ３−座の全長
ｃ１−台座
ｃ２−台座の全長
ｄ１−雌ネジ筒部
ｄ２−割筒部
ｄ３−くさび体
ｄ４−アンカーナット
ｄ５−アンカーナットの全長
ｄ６−くさび体の全長
ｅ１−床
ｅ２−床下穴
ｅ３−床下穴底
ｆ０−アンカーナット固定工具
ｆ１−叩き棒
ｆ２−叩き棒挿入ガイドピン
ｆ３−座
ｆ４−雄ネジ
ｇ１−取り付け物
ｇ２−下穴
【技術分野】
【０００１】
本発明は、土木、建設等において荷重支持の使用済みアンカーナットを撤去するときに使用するアンカーナット撤去工具に関する。
【技術背景】
【０００２】
従来のアンカーナットを床に固定する方法として、叩き棒の貫挿孔を有する叩き棒挿入ガイドピンの外周面に座を螺合し、該螺合量により座の上下の位置を調整する構成を有し、更に叩き棒挿入ガイドピンの下端に設けた雄ネジ外周面にアンカーナット上端の雌ネジ筒を螺合締結し、該締結した状態でアンカーナットを下穴内へ挿入し、該挿入により上記座の座面を下穴開口面に座着せしめてアンカーナットの挿入深さを設定し、上記貫挿孔に貫挿した叩き棒を叩くことにより上記アンカーナットに内填せるくさび体を押し込んでアンカーナットの割筒部を拡開し、床の下穴の内壁面に喰いつかせ固定させるアンカーナット固定工具（特許文献１参照）を用いてアンカーナットを床下穴に固定する方法がある。
【特許文献１】特開２００４−２５１０８０
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
従来、１度床に固定したアンカーナットは引抜くことは困難であり、該床を壊さない限り該アンカーナットを撤去するのは不可能であり、従ってやり直しは効かず、又据え付け物が使用目的を終え不要になった場合、該据え付け物を撤去した後の床に残ったアンカーナットはそのまま放置されていた。しかし、その景観は悪く、又該アンカーナットは年月の経過と共に腐食膨張し、床表面（又は、壁表面）に亀裂を生じさせる問題があった。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
本発明は上記の問題点を解決するアンカーナット引抜き工具を提供する。床に埋設固着したくさび体を内填したアンカーナットを引抜く工具であって、叩き落し棒の貫挿孔を有する叩き落し棒挿入ガイドピンの外周面に座を螺合し、該螺合量により座の螺進、螺退する構成を有し、更に該叩き落し棒挿入ガイドピンの下端外周面にアンカーナット上端の雌ネジ筒を螺合する雄ネジを有し、該叩き落し棒挿入ガイドピンの該座の下方に台座を外挿した構成とした。
【発明の効果】
【０００５】
本発明のアンカーナット引き抜き工具によれば、誤って固着したアンカーナットを引き抜くことが可能であり、新たに正規の場所にアンカーナットを固着するやり直しが可能となる。
【０００６】
又、据え付け物が使用目的を終え不要になった場合、該据え付け物を撤去した後の床に残されたアンカーナットも引き抜き撤去した後に、コーキング等で引き抜き後の穴を埋めることで、アンカーナットの雌ネジ筒の露出の悪景観も解消し、又アンカーナットの腐食膨張による床（壁）亀裂を防止することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【発明実施の形態】
【０００７】
本発明の実施の形態を、図１、図２、に基づいて説明する。図２に示す図は従来ある、下穴の深さをアンカーナットｄ４の全長より深く穿設しても該アンカーナットｄ４を該下穴に固着するアンカーナット固定工具ｆ０（特許文献１）を用いて、取り付け物ｇ１を床ｅ１に固定した状態をあらわした断面図である。
【特許文献１】特開２００４−２５１０８０
【０００８】
まず、くさび体ｄ３を内填せるアンカーナットｄ４を床ｅ１に固着させるに、図２に示すように、下穴ｇ２を穿設した取り付け物ｇ１が床ｅ１に既に置かれている場合、ドリル等を該下穴ｇ２に通し、床ｅ１にアンカーナットｄ４の長さｄ５と該アンカーナットｄ４に内填せるくさび体ｄ３の長さｄ６を合わせた総長より十分深く下穴ｅ２を掘り、必要に応じ該床下穴ｅ２の中に残った削り破片を除去する。
【０００９】
次に、図２に示すように、叩き棒ｆ１と該叩き棒ｆ１の貫挿孔を有する叩き棒挿入ガイドピンｆ２の外周面に座ｆ３を螺合し、該螺合量により座ｆ３の上下位置を調整する構成を有し、更に該叩き棒挿入ガイドピンｆ２の下端の外周面にアンカーナットｄ４の雌ネジと螺合する雄ネジｆ４を螺設したアンカーナット固定工具ｆ０（上記、特許文献１参照）の下端雄ネジｆ４に上記アンカーナットｄ４の雌ネジを螺合締結する。
【００１０】
而して、該アンカーナットｄ４の筒部端面と該アンカーナット固定工具ｆ０の座ｆ３の座面との距離を、取り付け物ｇ１の厚さに応じて該座の螺合量で調整設定する。
【００１１】
次に、上記アンカーナットｄ４を取り付け物ｇ１の下穴ｇ２と同芯に連通せる床下穴ｅ２に挿入して、上記アンカーナット固定工具ｆ０の座面を下穴開口表面に座着せしめ、該叩き棒挿入ガイドピンｆ２の貫通孔に貫挿した叩き棒ｆ１を下方に叩く。
【００１２】
それにより、アンカーナットｄ４の中のくさび体ｄ３が叩き棒ｆ１により押し込まれアンカーナットｄ４の割筒部ｄ２を拡開し、床の下穴ｅ２の内壁に割筒部ｄ２が喰いつき固着せしめる。
【００１３】
その後、上記取り付け物ｇ１が不要となり、上記の方法で固着したアンカーナットｄ４を除去するにおいて、本発明のアンカーナット引抜き工具ａ０を用いる。
【００１４】
図１に示す本発明のアンカーナット引抜き工具ａ０は、細長い叩き落し棒挿入ガイドピンａ３を本体とし、該ガイドピンａ３の軸芯上に貫設せる叩き落し棒ａ１の貫挿孔ａ２を有する。
【００１５】
また、上記叩き落し棒挿入ガイドピンａ３の外周面に座ｂ１を螺合し、該螺合量により座ｂ１を上下に螺進、螺退する構成を有し、更に叩き落し棒挿入ガイドピンａ３の下端に設けた雄ネジａ６はアンカーナットｄ４の雌ネジ筒ｄ１の雌ネジと螺合し、また上記貫挿孔ａ２に貫挿する叩き落し棒ａ１を有するものである。
【００１６】
図１、図２に示すアンカーナットｄ４は、該アンカーナットｄ４の一端側筒部の内面に雌ネジ筒ｄ１を形成し、多端側は割筒部ｄ２になっており、該割筒部ｄ２の内周面にはテーパーを形成し、くさび体ｄ３をこの筒部内に装填しており、該くさび体ｄ３が叩かれ進むことにより割筒部ｄ２を拡開せしめ下穴内壁に喰いつかせ固着させるものである。
【００１７】
上記座ｂ１は円形または正多角形またはＩ形、十字形等を呈し、その中心部の軸線上に貫設した雌ネジ穴ｂ２を有し、また回転工具を用いて回転操作がし易いように外形を形成してある。
【００１８】
また、上記叩き落し棒挿入ガイドピンａ３の上端部外周面に回転工具を用いて該ガイドピンが回転及び回転止め操作がし易いように外形を形成し、中間部外周面に雄ネジａ４を形成し、上記座ｂ１の雌ネジ穴ｂ２に該ガイドピンａ３を貫挿しつつ、該雌ネジ穴ｂ２の内周面の雌ネジを上記ガイドピンａ３の外周面の雄ネジａ４に螺合し、螺進または螺退して座ｂ１の位置を上下し、上記アンカーナットｄ４は叩き落し棒挿入ガイドピンａ３の下端に同軸線に垂設する。
【００１９】
また、上記ガイドピンａ３の下端に雄ネジ形成部ａ４より小径にしたアンカーナット螺合軸部ａ７を、同一軸線上に連設しこのアンカーナット螺合軸部ａ７の上端に段部ａ５を形成する。
【００２０】
叩き落し棒貫挿孔ａ２は上記アンカーナット螺合軸部ａ７を貫通している。
【００２１】
また、図１に示すように、上記叩き落し棒挿入ガイドピンａ３に上記座ｂ１の下方に該座ｂ１の外径より小径なる台座ｃ１を外挿しており、該台座ｃ１の長さｃ２はアンカーナットｄ４の全長ｄ５より大である。
【００２２】
また、上記叩き落し棒挿入ガイドピンａ３の座ｂ１に螺合する雄ネジａ４の長さａ８は、上記座ｂ１の全長ｂ３及び、上記台座ｃ１の全長ｃ２を合計した総長より大である。
【００２３】
上述のように上記アンカーナット固定工具ｆ０を用いて、床に固着したアンカーナットｄ４を除去するに、図１に示すように、上記台座ｃ１を外挿した上記アンカーナット引抜き工具ａ０の叩き落し棒挿入ガイドピンａ３の下端の螺合軸部ａ７の雄ネジａ６を上記アンカーナットｄ４の雌ネジに螺合し、該アンカーナットｄ４の雌ネジ筒部ｄ１端面が該螺合軸部ａ７の段部ａ５に当接するまで螺合締結する。
【００２４】
次に、該アンカーナット引抜き工具ａ０の座ｂ１を下方に螺進し、上記台座ｃ１の上端面に座着する。
【００２５】
次に、上記アンカーナット引抜き工具ａ０の叩き落し棒ａ１を下方に叩き、締結したアンカーナットｄ４に内填せるくさび体ｄ３を、床下穴底ｅ３に叩き落す。
【００２６】
而して、上記アンカーナットｄ４の割筒部ｄ２が上記下穴内壁に喰いついていた固着力が微弱となる。
【００２７】
つづいて、上記引抜き工具ａ０の座ｂ１を下方に螺進するように更に回転し続けると、上記台座ｃ１により該座ｂ１は下方に螺進することを阻止され、該座ｂ１が下方に進もうとする力に相対して該座ｂ１に螺合している上記ガイドピンａ３に、上方に上がる力が生じる。
【００２８】
而して、上記ガイドピンａ３の下端雄ネジａ６に螺合締結しているアンカーナットｄ４が引抜かれる。
【００２９】
尚、床下穴に残されたくさび体ｄ３は、磁石等を用いて容易に除去できる。
【００３０】
また、上記台座ｃ１の上端面とアンカーナット引抜き工具の座ｂ１の座面との当接面の間にスラストベアリング等の滑面部材を配設しても良い。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】本発明のアンカーナット引抜き工具の台座を外挿した叩き落し棒挿入ガイドピンの下端雄ネジにアンカーナットを螺合締結し、該台座上端面に座を座着し、叩き落し棒を下方に叩き、アンカーナットに内填せるくさび体を床下穴底に叩き落した状態を表した全体断面図。
【図２】アンカーナット固定工具にアンカーナットを螺合締結し、該アンカーナットを取り付け物の下穴および床下穴に連通し、該固定工具の座の座面を下穴開口面に座着し、叩き棒を下方に叩き該アンカーナットに内填せるくさび体を押し下げ、該アンカーナットの割筒部を拡開し、床下穴の内壁面に喰いつかせ、アンカーナットを床下穴に固着せしめた状態を表した全体断面図。
【符号の説明】
【００３２】
ａ０−アンカーナット引抜き工具
ａ１−叩き落し棒
ａ２−叩き落し棒貫挿孔
ａ３−叩き落し棒挿入ガイドピン
ａ４−雄ネジ
ａ５−段部
ａ６−雄ネジ
ａ７−螺合軸部
ａ８−叩き落し棒挿入ガイドピンの雄ネジ部全長
ｂ１−座
ｂ２−雌ネジ穴
ｂ３−座の全長
ｃ１−台座
ｃ２−台座の全長
ｄ１−雌ネジ筒部
ｄ２−割筒部
ｄ３−くさび体
ｄ４−アンカーナット
ｄ５−アンカーナットの全長
ｄ６−くさび体の全長
ｅ１−床
ｅ２−床下穴
ｅ３−床下穴底
ｆ０−アンカーナット固定工具
ｆ１−叩き棒
ｆ２−叩き棒挿入ガイドピン
ｆ３−座
ｆ４−雄ネジ
ｇ１−取り付け物
ｇ２−下穴
【特許請求の範囲】
【請求項１】
床に埋設固着したくさび体を内填したアンカーナットを引抜く工具であって、叩き落し棒の貫挿孔を有する叩き落し棒挿入ガイドピンの外周面に座を螺合し、該螺合量により座の螺進、螺退する構成を有し、更に該叩き落し棒挿入ガイドピンの下端外周面にアンカーナット上端の雌ネジ筒を螺合する雄ネジを有し、該叩き落し棒挿入ガイドピンの該座の下方に台座を外挿した構成としたことを特徴とするアンカーナット引抜き工具。
【請求項１】
床に埋設固着したくさび体を内填したアンカーナットを引抜く工具であって、叩き落し棒の貫挿孔を有する叩き落し棒挿入ガイドピンの外周面に座を螺合し、該螺合量により座の螺進、螺退する構成を有し、更に該叩き落し棒挿入ガイドピンの下端外周面にアンカーナット上端の雌ネジ筒を螺合する雄ネジを有し、該叩き落し棒挿入ガイドピンの該座の下方に台座を外挿した構成としたことを特徴とするアンカーナット引抜き工具。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２００７−７８３６（Ｐ２００７−７８３６Ａ）
【公開日】平成１９年１月１８日（２００７．１．１８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−２１７９７７（Ｐ２００５−２１７９７７）
【出願日】平成１７年６月２９日（２００５．６．２９）
【出願人】（３０２０５４００６）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１月１８日（２００７．１．１８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年６月２９日（２００５．６．２９）
【出願人】（３０２０５４００６）
【Ｆターム（参考）】
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