説明

アンテナ

【課題】ねじ等でアンテナを液晶表示ユニットに固定する構造ではなく、ユニットの寸法や形状が変化する場合であっても、同一の形状及び寸法のものを適用可能にし、アンテナ自体の放射特性、利得特性を良好なものとする。
【解決手段】立上り条(6b)を有する筐体(5)と、側面に導体部を有すると共に、側面が立上り条に隣接するように筐体に固定される液晶表示ユニット(4)と、アンテナ(7)とを具備し、該アンテナは、立上り条を跨ぐようにして筐体に支持される支持部(10)と、支持部よりユニットの側面へ延びてユニットの側面に接触するグランド接触ばね部(14)と、グランド接触ばね部に関して前記支部の反対側へ該支持部から延びているアンテナエレメント部(20)とからなり、支持部、グランド接触ばね部及びアンテナエレメント部が金属板で一体的に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は装置搭載用アンテナ、特に、アンテナの装置への取付構造を改善した装置搭載用アンテナに関する。
【0002】
情報通信装置はその小型化・軽量化が要求されているが、特にアンテナを搭載したモバイル用機器、例えば携帯型パーソナルコンピュータ、PHS(パーソナルハンディフォンシステム)電話機、携帯電話機などの移動対通信機等の通信装置においては、アンテナを装置内の回路基板上の電子回路に接続させる必要がある。
【背景技術】
【0003】
従来、アンテナを内蔵する各種の装置において、そのアンテナ自体の放射特性では、装置の全周囲に対し、良好な利得特性を確保することが困難であるため、装置の電磁界から見て露出した金属にアンテナ電流を流して電磁界を発生することが一般的であった。ただし、アンテナのエレメント部とアンテナエレメント部に近接する導体との位置関係が変化すると特性が変化するため、従来の方法では、アンテナの上記導体接続部(ねじ止め)の構造寸法を変化させるか、アンテナとは別個の接触部を設けることが必要であった。
【0004】
特開2001−44726号公報(特許文献1)では、筐体が上ケースと下ケースに2つに分割され、これらのケースの接合部に、アンテナが取り付けられるアンテナの固定構造において、分割された一方のケースにアンテナ基端部が嵌合し得るアンテナ保持座が設けられ、分割された他方のケースに突き当てリブを設け、分割されたケースを合体することで前記アンテナ保持座と前記突き当てリブとの間にアンテナ基端部を狭持する。これにより、ネジを使わずにアンテナを筐体に固定することができる。
【0005】
特開2000−261220号公報(特許文献2)では、アンテナ接続端子の変形を防止し、アンテナ接続端子の先端部を常に回路基板の所定回路に良好に接触させることができるようにするため、アンテナ部に後端が固定されたバネ性を有するアンテナ接続端子と、このアンテナ接続端子の先端部上に重なり、その先端部が接触する回路基板と、前記アンテナ接続端子下面のケーブル内面に形成され、先端が前記アンテナ接続端子の下面に所定間隙を介して対向する突起とを具備する。これにより、アンテナ接続端子及び回路基板の撓みを少ない状態に抑える。
【0006】
【特許文献1】特開2001−44726号公報
【特許文献2】特開2000−261220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、アンテナを内蔵する装置において、従来は、アンテナ自体の放射特性や利得特性が、装置の導体部とアンテナ自体の位置関係、その他の影響で特性が変化するため、アンテナの導体接続部にねじ止め等により、各種の装置毎に対応する位置に搭載するようにするか、或いは、装置ごとに、特に装置の導体接続部の形状、寸法等に応じて、アンテナ状態の形状や寸法を変化させる等のことが必要であった。
【0008】
したがって、本発明の第1の課題は、装置に搭載するアンテナにおいて、各種の装置、特に導体接続部の形状、寸法等の異なる各種の装置に対して適用可能なアンテナを提案することである。
【0009】
本発明の第2の課題は、導体接続部が箱型、即ち導体接続部がX、Y,Zの方向の部分に近似した位置領域を占めて、可能な限り、アンテナの放射特性及び利得特性を向上させることの可能なアンテナを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を達成するために、本発明によれば、アンテナエンメント部と、支持部と、グランド接触ばね部とが金属板により一体的に形成されているアンテナであって、前記支持部に対して前記アンテナエレメント部は一方の側にあり、前記グランド接触ばね部は他方の側に前記支持部から弾性変形可能に延びていることを特徴とするアンテナが提供される。
【0011】
前記支持部は、長手方向に延びた形状を有し、前記グランド接触ばね部は該支持部の長手方向に対して所定角度外側へ傾斜していることを特徴とする。
【0012】
前記支持部は、長手方向に延びた立上り条を跨ぐようにして該立上り条に取付・固定可能な形状を有し、両端部において、該立上り条の一方の面から他方の面へU字形に湾曲した部分を有し、該アンテナを前記立上り条に搭載した時に、該アンテナ支持部の長手方向の両端のU字形湾曲部が前記立上り条の長手方向の両端部にはめ込まれて固定される構造を有することを特徴とする。
【0013】
前記金属板は、半田の付着性が良好で且つ表面処理のないばね性の板金であることを特徴とする。また、前記金属板の材料は、洋白であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、携帯型パーソナルコンピュータ等の装置に搭載するアンテナにおいて、液晶表示ユニット等の表示部に使用されている導体を利用して、ばね性を有する材料で一体的に形成した接触ばねによってアンテナの電流を流すことができるため、アンテナ自体の放射特性を改善することができ、かつ良好な利得特性を確保することができる。
【0015】
また、本発明のアンテナによると、ねじ等でアンテナを液晶表示ユニットに固定する構造ではなく、装置の筐体の立上り条に跨がせる形状にてアンテナを装置に取付けるため、装置の寸法、特にアンテナに接触する液晶表示ユニットの導体部の寸法や形状が変化する場合であっても、同一の形状及び寸法もったアンテナを適用することができる。
【0016】
また、本発明のアンテナによると、アンテナを構成している金属板の素材がたとえ弾性率の比較的小さなものであっても、弾性変形した状態で機器ユニットの導体部に接触されているので、充分な接触面積を確保することができ、アンテナの放射特性及び利得特性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1及び図2は本発明に係るアンテナを備えた電子装置、例えば一例として、携帯型コンピュータを示す外観図であり、図1は装置を閉じた状態、図2は装置を開いた状態をそれぞれ示す。
【0019】
携帯型コンピュータはキーボード部やポインター等を備える本体1と、液晶表示ユニット4を具備する蓋部2からなり、蓋部2はヒンジ3により本体1に対して回転可能で本体1に対して開閉できるようになっている。
【0020】
即ち、蓋部2はこの携帯型コンピュータの使用時には開かれ、非使用時は閉じることが出来る。蓋部2を閉じた時は、本体1の側に設けたロック部材1aに係合して蓋部2が本体1にロックされ、蓋部2を開く時は、ロック部材1aを解除することにより蓋部2を本体1に対して開くことができる。
【0021】
蓋部2を構成している筐体は、バックカバー5とフロントカバー6とからなり、液晶表示(LCD)ユニット4は、バックカバー5と枠状のフロントカバー6との間に挟まれるように固定されている。
【0022】
液晶表示ユニット4は全体として矩形の平板状で、表面側の大部分の領域を占める液晶表示面4aの周囲が矩形枠状のフロントカバー6で囲まれ、裏面側に配置されるバックカバー6は液晶表示ユニット4の裏面の全域を覆っている。
【0023】
このように、蓋部2は、バックカバー5、液晶表示ユニット4およびフロントカバー6により構成されているが、本明細書では、図1及び図2において、蓋部2が本体1に対して綴じられている場合も、開かれている使用状態においても、ヒンジ3の側を後部、その反対側を前部と称する。また、液晶表示ユニット4はバックカバー5の側を裏面、フロントカバー6の側を表面と称することとする。また、液晶表示ユニット4の平面方向に関して、左右方向をX方向、前後方向をY方向、また液晶表示ユニット4の厚さ方向をZ方向とする。
【0024】
図3(a)は、図1において蓋部2のAで示した部分を示す斜視図であり、本発明の第1のアンテナを取付ける個所が見えるように、カバーの部分を破断して示したものであり、図3(b)は同図の線C−Cにおける断面図である。また、図4(a)も同様に、図1において蓋部2のBで示した部分を示す斜視図であり、本発明の第2のアンテナを取付ける個所が見えるように、カバーの部分を破断して示したものであり、図4(b)は同図の線D−Dにおける断面図である。
【0025】
バックカバー5の中央の大部分の領域を占める矩形板状の本体部分5aは、例えば、マグネシウム合金等の材料を用いてダイキャスト等の成形品として形成される。バックカバー5の周囲部、特にアンテナ取付部を覆っている部分、即ちアンテナカバー5bは、適当な樹脂、例えば、ポリカーボネイト等により成形されたものである。また、矩形枠状のフロントカバー6は適当な樹脂、例えばABS樹脂等の材料により一体成形されたものである。
【0026】
液晶表示ユニット5はバックカバー5とフロントカバー6との間に挟まれて保持される。即ち、バックカバー5の内側の周囲には液晶表示ユニット4の裏面と接触する複数のリブ5cが配置されており、フロントカバー6は液晶表示ユニットの表面周囲部に接触する内側枠部61及び液晶表示ユニット4の前後左右の側壁に隣接する複数の立上り条6bを有する。したがって、液晶表示ユニット4は、当該液晶表示ユニット4を挟んで、フロントカバー6をバックカバー5にはめ込むことにより、固定される。フロントカバー6は液晶表示ユニットの表面周囲部に接触する内側枠部61及び液晶表示ユニット4の前後左右の側壁に隣接する立上り条6bを有する。
【0027】
この携帯型パーソナルコンピュータ1は、本発明の係るアンテナを左右1対有し、図3(a)及び図3(b)に示す右側のアンテナ7は、フロントカバー6の前側に設けられた1対の立上り条6bのうちの右側のものに保持され、同様に、図4(a)及び図4(b)に示す左側のアンテナ7は、フロントカバー6の前部左側の立上り条6bに保持される。このように、フロントカバー6の前部には、それぞれ所定の長さを有する左右1対の立上り条6bが同一直線上に配置されていて、これらの立上り条6bにて、液晶表示ユニット4のY方向の前部位置を規制している共に、アンテナ7を保持する機能を有し、更に、後述のように当該アンテナ7を液晶表示ユニットの導通部からなる周囲の側枠の前部端面に接触させてグランドに導通させる作用をする。
【0028】
左右1対の立上り条6bは、両者とも、同一の長さを有し、所定の高さ(液晶表示ユニット4のZ方向の厚さに概略相当する)、及び所定の厚みを有する。
【0029】
図5(a)は本発明のアンテナ7の斜視図で、前側、即ちアンテナグランド部の側から見たもの、図5(b)は、同図であって、後側、即ち液晶表示ユニット4のあるグランド接触ばねの側から見たものである。
【0030】
アンテナ7は、半田付着性が良好で且つ表面処理のないばね性金属材料の板金で一体的に形成されるのが好適である。最も好適な金属材料としては、洋白等がある。この洋白は、銅(Cu)とニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)の合金であり、ニッケルの多い洋白は、温度変化に対し電気抵抗値が大きく変化しない性質があり、一般に耐熱用電気接触片や電気調節用抵抗材料として用いられているので、本発明のアンテナとして使用するのが好適である。また、洋白は、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)と少量の鉛(Pb)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)が含有されており、光沢が美しく、展延性、耐疲労性、耐蝕性がよい、絞り性に富む材料であり、この点からも本発明のアンテナの材料として使用するのが好適である。
【0031】
図6は本発明のアンテナ7及び液晶表示ユニット4を示すもの(図8の背面図)で、アンテナ7は、液晶表示ユニット4の側から見たものである。アンテナ7を立上り条6bのはめ込み所定位置に設置した時、アンテナ7のグランド接触ばねが液晶表示ユニット4の前部端面に接触する。即ち、液晶表示ユニット4を矢印Eの方向へ平行移動させた時、このような状態となる。図7はアンテナ7を図6の矢印Eからみた図、及びその左右側面図である。図8は図5(a)の矢印Gの方向から見た場合のアンテナ7の正面図、図9はアンテナ7の底面図である。
【0032】
本発明のアンテナ7は、立上り条6bの前壁面の主要部分に接触する中央の保持板部10と、この保持板部1の両端から立上り条6bの上部を跨いで立上り条6bの後壁面に接触する両端保持板部11、12と、これらの両端保持板部11、12の端部にて、立上り条6bの両端をU字形に湾曲して先端部が立上り条6bの前壁に接触する両端U字形固定部11a、11bとを有する。従って、これらの中央保持板部10、両端保持板部11、12、及び両端のU字形湾曲部11a、12a、及び次に説明する、裏面側保持部13でアンテナ7の支持部を構成している。
【0033】
また、本発明のアンテナ7は中央の保持板部10から立上り条6の上部を跨いで裏面側に接触している裏面側保持板部13があり、この裏面側保持板部13からスリット15を隔ててグランド接触ばね14が形成されている(図6)。グランド接触ばね14はその基部から所定角度だけ液晶表示ユニット4の側へ傾斜しており、アンテナ7を立上り条6aに装着した時、前述のように、液晶表示ユニットの前壁に接触され、グランドへの導通が行われる。
【0034】
アンテナ7の中央保持板部10下側から前方に折れ曲がって部分にはアンテナエレメント20が形成されている。このアンテナ7はいわゆるデュアルタイプアンテナであって、水平方向に右側に延びた2本のアンテナエレメント部21、22と、更に90度垂直方向に折れ曲がりかつ水平方向のアンテナエレメント部とは反対の方向に延びた即ち方向アンテナエレメント部23がある。例えば、水平方向のアンテナエレメント部21、22は5.2GHz(4.9〜5.8GHz)、垂直方向のアンテナエレメント部23は2.4GHzである。アンテナ7のエレメント部20はバックカバー5のアンテナカバー5bの内部の領域にあるので、外力等に影響を受けず、安定した放射特性を得ることができる。
【0035】
図7の部位24はアンテナのフィーダ線8(図4(a)及び図4(b))を接続するフィーダポイントを示す。また、フック25はフィーダ線8を案内するためのものである。
【0036】
このように、本発明のアンテナ7は、1枚の洋白等の金属板で一体的に板金加工されて成形されたものである。左右1対のアンテナ7、7は、左右対称の形状を有する。両者を識別するために、例えば図5(b)の符号26で示すように、一方のアンテナ7にL(左)のマーク、他方のアンテナ7にR(右)のマークが付される。2又はそれ以上の形状の異なるアンテナを使用する場合においても、各アンテナを設置する場所が特定できるようなマークであれば、種々の適用に応じたマークを採用することができることは勿論である。
【0037】
なお、この実施形態の左右1対のアンテナ7、7は、アンテナエレメントやグランド接触ばねの延びている方向がそれぞれ対称な関係になっている。
【0038】
上述の形状を有する左右1対のアンテナ7、7は立上り条6bにはめ込んで、液晶表示ユニット4をバックカバー5とフロントカバー6との間で挟み込んで固定する際に、その上下方向、左右方向、ならびに前後方向が位置決めされる。
【0039】
図11は単一のアンテナ7を使用した場合のアンテナの配線を示し、図12は上記の実施形態のように、左右1対のアンテナを使用した場合の配線図である。これらの図において、7はアンテナ、7L,7Rは左右それぞれのアンテナ、25はフック25はフィーダ線用のフック部、30は綿テープ部、32は収縮チューブ、34は装置本体側に接続・固定される接続端部である。
【0040】
左右のアンテナ7、7から延びた1対のフィーダ線は、綿テープ30により一緒にされて、液晶表示ユニット4とバックカバー5との間の隙間等を案内され、端部34にて装置本体側の図示しない回路に接続される。
【0041】
以上添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の精神ないし範囲内において種々の形態、変形、修正等が可能である。
(付記)
(付記1) アンテナエンメント部と、支持部と、グランド接触ばね部とが金属板により一体的に形成されているアンテナであって、前記支持部に対して前記アンテナエレメント部は一方の側にあり、前記グランド接触ばね部は他方の側に前記支持部から弾性変形可能に延びていることを特徴とするアンテナ。(1)
(付記2) 前記支持部は、長手方向に延びた形状を有し、前記グランド接触ばね部は該支持部の長手方向に対して所定角度外側へ傾斜していることを特徴とする付記1に記載のアンテナ。(2)
(付記3) 前記支持部は、長手方向に延びた立上り条を跨ぐようにして該立上り条に取付・固定可能な形状を有し、両端部において、該立上り条の一方の面から他方の面へU字形に湾曲した部分を有し、該アンテナを前記立上り条に搭載した時に、該アンテナ支持部の長手方向の両端のU字形湾曲部が前記立上り条の長手方向の両端部にはめ込まれて固定される構造を有することを特徴とする付記1に記載のアンテナ。(3)
(付記4) 前記金属板は、半田の付着性が良好で且つ表面処理のないばね性の板金であることを特徴とする付記2に記載のアンテナ。(4)
(付記5) 前記金属板の材料は、洋白であることを特徴とする付記4に記載のアンテナ。(5)
(付記6) 立上り条を有する筐体と、周囲に導体部を有すると共に、少なくとも該周囲の一部が前記立上り条に隣接するように前記筐体に固定される機器ユニットと、アンテナとからなり、
該アンテナは、前記立上り条を跨ぐようにして前記筐体に支持される支持部と、該支持部より前記機器ユニットの周囲へ延びて該機器ユニットの周囲の少なくとも一部に接触するグランド接触ばね部と、該グランド接触ばね部から見て前記支持部の反対側へ該支持部から延びているアンテナエレメント部とからなり、前記支持部、グランド接触ばね部及びアンテナエレメント部が金属板で一体的に形成されていることを特徴とする、アンテナを用いた装置。
【0042】
(付記7) 装置本体部と、ヒンジを介して該装置本体部に対して開閉可能な、表示部を有する蓋部と、アンテナとからなり、
前記蓋部は、立上り条を有する筐体と、周囲に導体部を有すると共に、該周囲の少なくとも一部が前記立上り条に隣接するように前記筐体に固定される表示部と、アンテナを具備し、
該アンテナは、前記立上り条を跨ぐようにして前記筐体に支持される支持部と、該支持部より前記機器ユニットの周囲へ延びて該機器ユニットの周囲の少なくとも一部に接触するグランド接触ばね部と、該グランド接触ばね部から見て前記支持部の反対側へ該支持部から延びているアンテナエレメント部とからなり、前記支持部、グランド接触ばね部及びアンテナエレメント部が金属板で一体的に形成されていることを特徴とする、アンテナを用いた装置。
【0043】
(付記8) 前記支持部は、長手方向に所定寸法延びた前記立上り条を跨ぐことができるように、該長手方向に延びており、前記グランド接触ばね部は該支持部の長手方向に対して所定角度、前記表示部の導通側部へ傾斜しており、アンテナを立上り条に装着した時、該グランド接触ばね部は前記表示部の導通側部に弾性的に接触されることを特徴とする付記6又は7に記載のアンテナを用いた装置。
【0044】
(付記9) 前記支持部は、長手方向に延びた前記立上り条の両端部において、該立上り条の前面、後面の一方の面から他方の面の側へU字形に湾曲した部分を有し、該アンテナを前記立上り条に搭載時に、該アンテナ支持部の長手方向の両端のU字形湾曲部が前記立上り条の長手方向の両端部にはめ込まれて固定される構造を有することを特徴とする付記6又は7に記載のアンテナを用いた装置。
【0045】
(付記10) 前記金属板は、半田付着性が良好で且つ表面処理のないばね性の板金であることを特徴とする付記6又は7に記載のアンテナを用いた装置。
【0046】
(付記11) 前記金属板の材料は、洋白であることを特徴とする付記10に記載のアンテナを用いた装置。
【0047】
(付記12) 前記機器ユニット又は表示部は液晶表示ユニットであることを特徴とする付記6又は7に記載のアンテナを用いた装置。
【0048】
(付記13) 前記装置は、携帯型パーソナルコンピュータであることを特徴とする付記7に記載のアンテナを用いた装置。
【0049】
(付記14) 前記アンテナを搭載する蓋部筐体の立上り条は、前記機器ユニットである液晶表示ユニットのヒンジ側とは反対側の装置前面側に設けた立上り条であることを特徴とする付記7に記載のアンテナを用いた装置。
【0050】
(付記15) 前記アンテナを搭載する蓋部筐体の前記立上り条は、表示ユニットの前部側面に沿って同一直線上に間隔をおいて1対設けられ、これらの1対の立上り条に1対のアンテナがそれぞれ搭載されることを特徴とする付記7に記載のアンテナを用いた装置。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明のアンテナを用いた装置の一実施形態である形態型パーソナルコンピュータを閉じた状態で示す外観斜視図である。
【図2】図1の携帯型コンピュータを開いた状態で外観斜視図である。
【図3】(a)は図1で示す装置の蓋部のAで示す部分を一部破断して示す斜視図であり、(b)は(a)の線C−Cにおける断面図である。
【図4】(a)は図1で示す装置の蓋部のBで示す部分を一部破断して示す斜視図であり、(b)は(a)の線D−Dにおける断面図である。
【図5】(a)はアンテナグランド部の側から見た本発明のアンテナの斜視図、(b)はグランド接触ばね(液晶表示ユニット)の側から見た本発明のアンテナの斜視図である。
【図6】本発明のアンテナを背面図で示し、かつ液晶表示ユニットも示す。
【図7】図6の矢印Eから見た本発明のアンテナを平面図、及び左右側面図である。
【図8】本発明のアンテナを正面図で示す。
【図9】本発明のアンテナの底面図である。
【図10】図7の線F−Fにおける拡大断面図である。
【図11】本発明の単一のアンテナを使用した場合の配線図である。
【図12】本発明のアンテナを1対使用した場合の配線図である。
【符号の説明】
【0052】
1 携帯型パーソナルコンピュータ(電子機器)
2 蓋部
3 ヒンジ
4 液晶表示ユニット
5(51、52) バックカバー
6(61、62) フロントカバー
7 アンテナ
8 アンテナフィード線
6a 立上り条
10 中央支持部
11a、12a U字形両端部
14 グランド接触ばね部
20(21、22、23) アンテナエレメント部
25 フック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナエンメント部と、支持部と、グランド接触ばね部とが金属板により一体的に形成されているアンテナであって、前記支持部に対して前記アンテナエレメント部は一方の側にあり、前記グランド接触ばね部は他方の側に前記支持部から弾性変形可能に延びていることを特徴とするアンテナ。
【請求項2】
前記支持部は、長手方向に延びた形状を有し、前記グランド接触ばね部は該支持部の長手方向に対して所定角度外側へ傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記支持部は、長手方向に延びた立上り条を跨ぐようにして該立上り条に取付・固定可能な形状を有し、両端部において、該立上り条の一方の面から他方の面へU字形に湾曲した部分を有し、該アンテナを前記立上り条に搭載した時に、該アンテナ支持部の長手方向の両端のU字形湾曲部が前記立上り条の長手方向の両端部にはめ込まれて固定される構造を有することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記金属板は、半田の付着性が良好で且つ表面処理のないばね性の板金であることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記金属板の材料は、洋白であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−72750(P2008−72750A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280841(P2007−280841)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【分割の表示】特願2003−24642(P2003−24642)の分割
【原出願日】平成15年1月31日(2003.1.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】