アーク溶接のガス制御方法
【課題】 本発明では、溶接開始時のガス流量が適正であることを判別して、良好なアークスタートを行うアーク溶接のガス制御方法を提供する。
【解決手段】 溶接開始に際して予め定めたプリフロー期間だけシールドガスを放流しながら溶接電流の通電を停止し、前記プリフロー期間終了後に前記シールドガスの放流を継続しながら溶接電流を通電するアーク溶接のガス制御方法において、前記プリフロー期間が終了したときのガス流量の下降率を算出し、前記下降率が予め定めた基準下降率未満のとき前記溶接電流を通電し、前記基準下降率以上のとき前記下降率が前記基準下降率未満になるまで待機して前記溶接電流を通電する、ことを特徴とするアーク溶接のガス制御方法である。
【解決手段】 溶接開始に際して予め定めたプリフロー期間だけシールドガスを放流しながら溶接電流の通電を停止し、前記プリフロー期間終了後に前記シールドガスの放流を継続しながら溶接電流を通電するアーク溶接のガス制御方法において、前記プリフロー期間が終了したときのガス流量の下降率を算出し、前記下降率が予め定めた基準下降率未満のとき前記溶接電流を通電し、前記基準下降率以上のとき前記下降率が前記基準下降率未満になるまで待機して前記溶接電流を通電する、ことを特徴とするアーク溶接のガス制御方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーク溶接におけるシールドガスのプリフロー期間の制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ミグ、マグ溶接等の消耗電極式アーク溶接(以下、単にアーク溶接という)では、溶接中に溶接部をシールドガスによって大気から遮蔽する必要がある。この遮蔽状態が不完全のとき、溶融池酸化されるために、不良な溶接ビードになる。このために、溶接電流を通電するプリフロー期間からシールドガスの放流を開始し、溶接電流の通電停止後もアフターフロー期間だけシールドガスの放流を継続する。
【0003】
図5に示す電源主回路PMは、3相200V等の商用電源を入力として、後述する電源駆動信号Dvに応じてインバータ制御による出力制御を行い溶接電流Iiを出力する。溶接トーチ4に装着された消耗電極1と母材2との間にアーク3が発生し、アーク3中を溶接電流Iiが通電する。そして、アーク3を大気から遮蔽するようにシールドガス5が放流される。このシールドガス5の放流/停止の制御は、ガスボンベ6と溶接トーチ4とをつなぐガス配管7の途中に設けられたガス電磁弁GBの開閉によって行われる。
【0004】
主制御回路SCは、起動回路TSからの起動信号Tsに応じて動作を開始し、主制御信号Sc、電磁弁駆動信号Sg、モータ制御信号Sm及びプリフロー設定信号Stを出力する。
【0005】
本電流設定回路IRは、予め定めた本電流設定信号Irを出力する。プリフロー期間設定回路PTは、プリフロー設定信号Stに応じて予め定めた期間のプリフロー期間信号Ptを出力する。出力電流検出回路IDは、溶接電流Iiを検出して出力電流検出信号Idとして出力する。
【0006】
モータ駆動回路GMは、モータ制御信号Sm及びプリフロー期間信号Ptの反転信号Inに応じてモータ駆動信号Gmを出力する。電源駆動回路DVは、主制御信号Sc及びプリフロー期間信号Ptの反転信号Inに応じて電源駆動信号Dvを出力する。
【0007】
図6は、従来技術の溶接電源の電気接続図の動作を説明するタイミング図である。図6において、同図(A)は起動信号Tsを示し、同図(B)は電磁弁駆動信号Sgを示し、同図(C)はシールドガスのガス流量Gqを示し、同図(D)はプリフロー期間信号Ptを示し、同図(E)はモータ制御信号Smを示し、同図(F)は主制御信号Scを示し、同図(G)は電源駆動信号Dvを示す。
以下、図6を参照して動作について説明する。
【0008】
図6に示す時刻t=t1において、同図(A)に示す起動信号TsがHighレベルになると、主制御回路SCは、同図(B)に示す電磁弁駆動信号Sg、同図(E)に示すモータ制御信号Sm、同図(F)に示す主制御信号Sc及び図示省略のプリフロー設定信号Stを出力する。
【0009】
電磁弁GBは、図6(B)に示す電磁弁駆動信号SgがHighレベルになると開状態になり、ガスボンベ6からガス配管7を介してシールドガス5を溶接トーチ4に供給する。このときガス配管7に充填されたシールドガスが一気に流れて、図6(C)に示すガス流量Gqが電磁弁GBを介して溶接トーチ4に突流ガスとして流れる。
【0010】
時刻t=t1において、図示省略のプリフロー設定信号StのHighレベルに応じてプリフロー期間設定回路PTは、予め定めたプリフロー期間Tpの間、プリフロー期間設定信号PtをHighレベルにする。
【0011】
モータ駆動回路GMは、プリフロー期間信号Ptの反転信号Inとモータ制御信号Smとのアンド論理を行ってモータ駆動信号Gmを出力しモータMを回転させる。
【0012】
電源駆動回路DVは、主制御信号Scとプリフロー期間信号Ptの反転信号Inとのアンド論理を行って、時刻t=t2のとき、図6(G)に示す電源駆動信号DvをHighレベルにし電源主回路PMを駆動させる。このとき、シールドガス5の流量の変化が大きく、このガス流量変化によってアークスタートの不良を招いてしまう。
【0013】
時刻t=t3において、起動信号TsがLowレベルになると、主制御回路SCは、図6(E)に示すモータ制御信号SmをLowレベルにしてモータMの回転を停止させる、と共に同図(F)に示す主制御信号ScをLowレベルにして電源主回路PMの動作を停止させる。
【0014】
続いて、時刻t=t4において、アフターフロー期間が終了すると図6(B)に示す電磁弁駆動信号SgをLowレベルにして電磁弁GBを閉状態にし、溶接トーチ4にシールドガス5の供給を停止する。以後は、上述と同一動作を行うので説明は省略する。
【0015】
上述より、プリフロー期間が充分でないと、プリフロー期間終了時に過大な流量のシールドガス5が放出されているため、アークスタート不良を招いてしまう。
【0016】
特許文献1に記載されたガスシールド溶接のプリフロー制御装置では、トーチスイッチの投入操作により、作業者が任意にプリフロー期間を調整できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平11−216567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
半自動溶接では、ガスボンベからガスレギュレータで所定のガス流量に調整し電磁弁を介して溶接部にシールドガスが供給される。そして、電磁弁を開いた時、すなわち溶接を開始する際のプリフロー処理中に過大な流量のガスが放出される。この現象を以下では突流と表現する。突流は、ガスの配管長、圧力、前回のガスOFFからの経過時間等によって、その最大流量が変化する。
【0019】
図4は、ガスの突流の様子を説明するための図である。同図は、設定流量を15リットル/分とした場合に、前回のガスOFFからの経過時間が何秒だったかによってガス流量が時間の経過とともにどのように変化するかを示している。同図(a)は前回のガスOFFからの経過時間が4秒のときの流量変化を示している。同様に、同図(b)は1秒、同図(c)は0.5秒のときの流量変化をそれぞれ示している。同図に示すように、電磁弁を開いてしばらくの間は、突流によって過剰な流量のガスが噴出され、時間の経過とともに設定流量である15リットル/分に近づく。プリフロー時間が0.5秒に設定されていると仮定すると、例えば同図(a)では、約42リットル/分のガスが出力されている状態でアークスタート処理が行われることになるために、アークスタート不良や溶接アークが変動することでビード変動を起してしまう。この不具合を解消するために従来では、突入時のガスの流量が安定するまでプリフロー期間を長く設定することで対処してきた。しかし、毎回溶接開始時に長いプリフロー期間が必要とするため、作業性が悪くガスの無駄使いになる。
【0020】
そこで、本発明では、溶接開始時のガス流量値に基づいて適正なプリフロー期間が適正でき、シールドガスの消費量を抑制及び良好なアークスタートを行うアーク溶接のガス制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、溶接開始に際して予め定めたプリフロー期間だけシールドガスを放流しながら溶接電流の通電を停止し、前記プリフロー期間終了後に前記シールドガスの放流を継続しながら溶接電流を通電するアーク溶接のガス制御方法において、
前記プリフロー期間が終了したときのガス流量の下降率を算出し、前記下降率が予め定めた基準下降率未満のとき前記溶接電流を通電し、前記基準下降率以上のとき前記下降率が前記基準下降率未満になるまで待機して前記溶接電流を通電する、ことを特徴とするアーク溶接のガス制御方法である。
【0022】
請求項2の発明は、前記プリフロー期間が終了したときの前記ガス流量の最大値が経過しており、且つ、前記下降率が前記基準下降率未満になると前記溶接電流を通電する、ことを特徴とする請求項1記載のアーク溶接のガス制御方法である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の請求項1によれば、シールドガスの予め定めたプリフロー期間が終了した時点でのガス流量を検出し、このガス流量が予め定めた基準下降率未満であるか否かを判定し、ガス流量が基準下降率未満のとき溶接電流を通電し、基準下降率以上のときはガス流量が基準下降率未満になるまで待機して溶接電流を通電する。このことによって、溶接開始時において突流が発生し、ガス流量が過多になることによるアークスタート不良を防止できる、と共にシールドガスの消費量を抑制できる。
【0024】
本発明の請求項2によれば、プリフロー期間が終了したときのガス流量を検出し、このガス流量の最大値がプリフロー期間中に経過したか否かを判定し、経過していないときにはガス流量の最大値から下降率を算出し、基準下降率未満になるまで待機して溶接電流を通電する。このことによって、アークスタート性が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態1に係るアーク溶接のガス制御方法を実施するための溶接 電源の電気接続図である。
【図2】実施形態1の動作を説明するタイミング図である。
【図3】実施形態2の動作を説明するタイミング図である。
【図4】シールドガスのガス流量と時間との相関図である。
【図5】従来技術のアーク溶接のガス制御方法を実施するための溶接電源の電気接続 図である。
【図6】従来技術の動作を説明するタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1、図2及び図3を参照して本発明の実施形態1について説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係るアーク溶接のガス制御方法を実施するための溶接電源の電気接続図である。同図において、図4に示す従来技術の溶接電源の電気接続図と同一符号の構成物は、同一動作を行うので説明は省略し、符号の相違する構成物についてのみ説明する。
【0027】
図1に示す電磁弁GBは、電磁弁駆動信号SgがHighレベルになると開状態になりガスボンベ6からガス配管7を介してシールドガスを溶接トーチ4に供給する、と共にシールドガスのガス流量を測定してガス流量Gqとして出力するガス流量センサー機能も有している。
【0028】
プリフロー期間演算回路PGRは、プリフロー設定信号Stが入力するとプリフロー期間演算信号PgrをHighレベルにする、と共にガス流量Gqに基づいてガス流量の下降率を演算し、ガス流量の下降率が予め定めたガス流量基準値以下になったとき、プリフローが終了したと判別してプリフロー期間演算信号PgrをLowレベルにする。
【0029】
モータ駆動回路GMは、モータ制御信号Sm及びプリフロー期間演算信号Pgrの反転信号Inに応じてモータ駆動信号Gmを出力する。電源駆動回路DVは、主制御信号Sc及びプリフロー期間演算信号Pgrの反転信号Inに応じて電源駆動信号Dvを出力する。
【0030】
図2は、動作を説明するタイミング図である。図2において、同図(A)は起動信号Tsを示し、同図(B)は電磁弁駆動信号Sgを示し、同図(C)はシールドガスのガス流量Gqを示し、同図(D)はプリフロー期間演算信号Pgrを示し、同図(E)はモータ制御信号Smを示し、同図(F)は主制御信号Scを示し、同図(G)は電源駆動信号Dvを示す。
以下、同図を参照して動作について説明する。
【0031】
図2に示す時刻t=t1において、図2(A)に示す起動信号TsがHighレベルになると、主制御回路SCは、同図(B)に示す電磁弁駆動信号Sg、同図(E)に示すモータ制御信号Sm、同図(F)に示す主制御信号Sc及び図示省略のプリフロー設定信号StをHighレベルにして出力する。
【0032】
電磁弁GBは、電磁弁駆動信号SgがHighレベルになると開状態になりガスボンベ6からガス配管7を介してシールドガスを溶接トーチ4に供給する、と共にシールドガスの流量を測定してガス流量Gqとして出力する。
【0033】
時刻t=t1において、プリフロー期間演算回路PGRは、プリフロー設定信号StのHighレベルに応じて動作を開始し、図2(D)に示すプリフロー期間演算信号PgrをHighレベルにする。
【0034】
時刻t=t2において、図5(C)に示すプリフロー期間信号Ptが終了するとガス流量Gqのガス流量の下降率を算出し、この下降率と予め定めた基準下降率とを比較し、下降率が基準下降率より大きいとき、下降率が基準下降率未満になるまで待機し未満になる時刻t=t3のとき、図2(D)はプリフロー期間演算信号PgrをLowレベルにする。
【0035】
モータ駆動回路GMは、モータ制御信号Smとプリフロー期間演算信号Pgrの反転信号Inとのアンド論理を行って時刻t=t3において、図示省略のモータ駆動信号Gmを出力してモータMを回転させる。
【0036】
電源駆動回路DVは、主制御信号Scとプリフロー期間演算信号Pgrの反転信号Inとのアンドを行って時刻t=t3において、電源駆動信号Dvを出力して電源主回路PMを動作し溶接電流を通電する。
【0037】
時刻t=t4において、起動信号TsがLowレベルになると、主制御回路SCは、図2(E)に示すモータ制御信号SmをLowレベルにしてモータMの回転を停止させる。そして、同図(F)に示す主制御信号ScもLowレベルにし電源主回路PMの動作も停止させる。
【0038】
続いて、時刻t=t5において、アフターフロー期間が終了すると図5(B)に示す電磁弁駆動信号SgをLowレベルにして電磁弁GBを閉状態にして溶接トーチ4にシールドガスの供給を停止する。
【0039】
図2に示す時刻t=t6において、再び、図2(A)に示す起動信号TsがHighレベルになると、主制御回路SCは、同図(B)に示す電磁弁駆動信号Sg、同図(E)に示すモータ制御信号Sm、同図(F)に示す主制御信号Sc及び図示省略のプリフロー設定信号StをHighレベルにして出力する。
【0040】
電磁弁GBは、電磁弁駆動信号SgがHighレベルになると開状態になりガスボンベ6からガス配管7を介してシールドガスを溶接トーチ4に供給する、と共にシールドガスの流量を測定してガス流量Gqとして出力する。
【0041】
時刻t=t6において、プリフロー期間演算回路PGRは、プリフロー設定信号StのHighレベルに応じて、再びプリフロー期間演算信号PgrをHighレベルにする。
【0042】
時刻t=t7において、図2(C)に示すプリフロー期間信号Ptが終了するとガス流量Gqのガス流量の下降率を算出し、この下降率と基準下降率とを比較し、下降率が基準下降率以下のとき、時刻t=t7で同図(D)はプリフロー期間演算信号PgrをLowレベルにする。
そして、以後の動作は、上記と同一動作を行うので説明は省略する。
【0043】
上述より、シールドガスのプリフロー期間が終了した時点でのガス流量を検出し、このガス流量が基準下降率未満であるか否かを判定し、基準下降率未満のとき溶接電流を通電し、基準下降率以上のときはガス流量が基準下降率未満になるまで待機して溶接電流を通電することで、溶接開始時の突流発生が抑制でき、ガス流量が過多になることによるアークスタート不良を防止でき、更にシールドガスの消費量も抑制できる。
【0044】
「実施の形態2」
本発明の実施形態2について、図3を用いて実施形態1と相違する動作についてのみ説明する。
実施の形態2のプリフロー期間演算回路PGRは、プリフロー設定信号Stが入力するとプリフロー期間演算信号PgrをHighレベルにする。そして、プリフロー期間Tpが終了したとき、ガス流量の最大値が経過したか否を判定し、経過しているときガス流量Gqのガス流量の下降率を算出し、この下降率と基準下降率とを比較し、下降率が基準下降率未満になるとプリフロー期間演算信号PgrをLowレベルにする。
【0045】
また、プリフロー期間Tpが終了したとき、ガス流量の最大値が経過していないとき、ガス流量の最大値を検出し、この最大値から所定期間が経過した時点からガス流量の下降率を算出し、この下降率と基準下降率とを比較し、下降率が基準下降率未満になるとプリフロー期間演算信号PgrをLowレベルにする。
【0046】
以下、図2を参照して動作について説明する。
図2に示す時刻t=t6において、同図(A)に示す起動信号TsがHighレベルになると、主制御回路SCは、同図(B)に示す電磁弁駆動信号Sg、同図(E)に示すモータ制御信号Sm、同図(F)に示す主制御信号Sc及びプリフロー設定信号StをHighレベルにして出力する。
【0047】
電磁弁GBは、電磁弁駆動信号SgがHighレベルになると開状態になりガスボンベ6からガス配管7を介してシールドガスを溶接トーチ4に供給する、と共にシールドガスの流量を測定してガス流量Gqとして出力する。
【0048】
プリフロー期間演算回路PRは、プリフロー期間Tpが終了した時刻t=t7のとき、ガス流量の最大値が経過したか否を判定し、経過していないとき、ガス流量の最大値を検出し、この最大値から所定期間が経過した時点からガス流量の下降率を算出し、この下降率と基準下降率とを比較し、下降率が基準下降率未満になる時刻t=8のときプリフロー期間演算信号PgrをLowレベルにする。
【0049】
上述において、プリフロー期間が終了したときのガス流量を検出し、このガス流量の最大値がプリフロー期間中に経過したか否かを判定し、経過していないときにはガス流量の最大値を検出し、この最大値から所定期間が経過した時点で下降率を算出し、この下降率が基準下降率未満になるまで待機して溶接電流を通電することで、溶接開始時の突流発生防止が向上し、アークスタート性が更に向上する。
また、ガス流量の最大値がプリフロー期間中に経過していないときにガス流量の最大値を検出し、この最大値からのガス流量の下降率を算出してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 非消耗電極
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 シールドガス
6 ガスボンベ
7 ガス配管
8 レギュレータ
DV 電源駆動回路
Dv 電源駆動信号
GB 電磁弁
GM モータ駆動回路
Gm モータ駆動信号
ID 出力電流検出回路
Id 出力電流検出信号
IR 本電流設定回路
Ir 本電流設定信号
IN 反転回路
In 反転信号
M モータ
PM 源主回路
PT プリフロー期間設定回路
Pt プリフロー期間設定信号
PGR プリフロー期間演算回路
Pgr プリフロー期間演算信号
SC 主制御回路
Sc 主制御信号
Sg 電磁弁駆動信号
Sm モータ制御動信号
St プリフロー設定信号
TS 起動回路
Ts 起動信号
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーク溶接におけるシールドガスのプリフロー期間の制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ミグ、マグ溶接等の消耗電極式アーク溶接(以下、単にアーク溶接という)では、溶接中に溶接部をシールドガスによって大気から遮蔽する必要がある。この遮蔽状態が不完全のとき、溶融池酸化されるために、不良な溶接ビードになる。このために、溶接電流を通電するプリフロー期間からシールドガスの放流を開始し、溶接電流の通電停止後もアフターフロー期間だけシールドガスの放流を継続する。
【0003】
図5に示す電源主回路PMは、3相200V等の商用電源を入力として、後述する電源駆動信号Dvに応じてインバータ制御による出力制御を行い溶接電流Iiを出力する。溶接トーチ4に装着された消耗電極1と母材2との間にアーク3が発生し、アーク3中を溶接電流Iiが通電する。そして、アーク3を大気から遮蔽するようにシールドガス5が放流される。このシールドガス5の放流/停止の制御は、ガスボンベ6と溶接トーチ4とをつなぐガス配管7の途中に設けられたガス電磁弁GBの開閉によって行われる。
【0004】
主制御回路SCは、起動回路TSからの起動信号Tsに応じて動作を開始し、主制御信号Sc、電磁弁駆動信号Sg、モータ制御信号Sm及びプリフロー設定信号Stを出力する。
【0005】
本電流設定回路IRは、予め定めた本電流設定信号Irを出力する。プリフロー期間設定回路PTは、プリフロー設定信号Stに応じて予め定めた期間のプリフロー期間信号Ptを出力する。出力電流検出回路IDは、溶接電流Iiを検出して出力電流検出信号Idとして出力する。
【0006】
モータ駆動回路GMは、モータ制御信号Sm及びプリフロー期間信号Ptの反転信号Inに応じてモータ駆動信号Gmを出力する。電源駆動回路DVは、主制御信号Sc及びプリフロー期間信号Ptの反転信号Inに応じて電源駆動信号Dvを出力する。
【0007】
図6は、従来技術の溶接電源の電気接続図の動作を説明するタイミング図である。図6において、同図(A)は起動信号Tsを示し、同図(B)は電磁弁駆動信号Sgを示し、同図(C)はシールドガスのガス流量Gqを示し、同図(D)はプリフロー期間信号Ptを示し、同図(E)はモータ制御信号Smを示し、同図(F)は主制御信号Scを示し、同図(G)は電源駆動信号Dvを示す。
以下、図6を参照して動作について説明する。
【0008】
図6に示す時刻t=t1において、同図(A)に示す起動信号TsがHighレベルになると、主制御回路SCは、同図(B)に示す電磁弁駆動信号Sg、同図(E)に示すモータ制御信号Sm、同図(F)に示す主制御信号Sc及び図示省略のプリフロー設定信号Stを出力する。
【0009】
電磁弁GBは、図6(B)に示す電磁弁駆動信号SgがHighレベルになると開状態になり、ガスボンベ6からガス配管7を介してシールドガス5を溶接トーチ4に供給する。このときガス配管7に充填されたシールドガスが一気に流れて、図6(C)に示すガス流量Gqが電磁弁GBを介して溶接トーチ4に突流ガスとして流れる。
【0010】
時刻t=t1において、図示省略のプリフロー設定信号StのHighレベルに応じてプリフロー期間設定回路PTは、予め定めたプリフロー期間Tpの間、プリフロー期間設定信号PtをHighレベルにする。
【0011】
モータ駆動回路GMは、プリフロー期間信号Ptの反転信号Inとモータ制御信号Smとのアンド論理を行ってモータ駆動信号Gmを出力しモータMを回転させる。
【0012】
電源駆動回路DVは、主制御信号Scとプリフロー期間信号Ptの反転信号Inとのアンド論理を行って、時刻t=t2のとき、図6(G)に示す電源駆動信号DvをHighレベルにし電源主回路PMを駆動させる。このとき、シールドガス5の流量の変化が大きく、このガス流量変化によってアークスタートの不良を招いてしまう。
【0013】
時刻t=t3において、起動信号TsがLowレベルになると、主制御回路SCは、図6(E)に示すモータ制御信号SmをLowレベルにしてモータMの回転を停止させる、と共に同図(F)に示す主制御信号ScをLowレベルにして電源主回路PMの動作を停止させる。
【0014】
続いて、時刻t=t4において、アフターフロー期間が終了すると図6(B)に示す電磁弁駆動信号SgをLowレベルにして電磁弁GBを閉状態にし、溶接トーチ4にシールドガス5の供給を停止する。以後は、上述と同一動作を行うので説明は省略する。
【0015】
上述より、プリフロー期間が充分でないと、プリフロー期間終了時に過大な流量のシールドガス5が放出されているため、アークスタート不良を招いてしまう。
【0016】
特許文献1に記載されたガスシールド溶接のプリフロー制御装置では、トーチスイッチの投入操作により、作業者が任意にプリフロー期間を調整できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平11−216567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
半自動溶接では、ガスボンベからガスレギュレータで所定のガス流量に調整し電磁弁を介して溶接部にシールドガスが供給される。そして、電磁弁を開いた時、すなわち溶接を開始する際のプリフロー処理中に過大な流量のガスが放出される。この現象を以下では突流と表現する。突流は、ガスの配管長、圧力、前回のガスOFFからの経過時間等によって、その最大流量が変化する。
【0019】
図4は、ガスの突流の様子を説明するための図である。同図は、設定流量を15リットル/分とした場合に、前回のガスOFFからの経過時間が何秒だったかによってガス流量が時間の経過とともにどのように変化するかを示している。同図(a)は前回のガスOFFからの経過時間が4秒のときの流量変化を示している。同様に、同図(b)は1秒、同図(c)は0.5秒のときの流量変化をそれぞれ示している。同図に示すように、電磁弁を開いてしばらくの間は、突流によって過剰な流量のガスが噴出され、時間の経過とともに設定流量である15リットル/分に近づく。プリフロー時間が0.5秒に設定されていると仮定すると、例えば同図(a)では、約42リットル/分のガスが出力されている状態でアークスタート処理が行われることになるために、アークスタート不良や溶接アークが変動することでビード変動を起してしまう。この不具合を解消するために従来では、突入時のガスの流量が安定するまでプリフロー期間を長く設定することで対処してきた。しかし、毎回溶接開始時に長いプリフロー期間が必要とするため、作業性が悪くガスの無駄使いになる。
【0020】
そこで、本発明では、溶接開始時のガス流量値に基づいて適正なプリフロー期間が適正でき、シールドガスの消費量を抑制及び良好なアークスタートを行うアーク溶接のガス制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、溶接開始に際して予め定めたプリフロー期間だけシールドガスを放流しながら溶接電流の通電を停止し、前記プリフロー期間終了後に前記シールドガスの放流を継続しながら溶接電流を通電するアーク溶接のガス制御方法において、
前記プリフロー期間が終了したときのガス流量の下降率を算出し、前記下降率が予め定めた基準下降率未満のとき前記溶接電流を通電し、前記基準下降率以上のとき前記下降率が前記基準下降率未満になるまで待機して前記溶接電流を通電する、ことを特徴とするアーク溶接のガス制御方法である。
【0022】
請求項2の発明は、前記プリフロー期間が終了したときの前記ガス流量の最大値が経過しており、且つ、前記下降率が前記基準下降率未満になると前記溶接電流を通電する、ことを特徴とする請求項1記載のアーク溶接のガス制御方法である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の請求項1によれば、シールドガスの予め定めたプリフロー期間が終了した時点でのガス流量を検出し、このガス流量が予め定めた基準下降率未満であるか否かを判定し、ガス流量が基準下降率未満のとき溶接電流を通電し、基準下降率以上のときはガス流量が基準下降率未満になるまで待機して溶接電流を通電する。このことによって、溶接開始時において突流が発生し、ガス流量が過多になることによるアークスタート不良を防止できる、と共にシールドガスの消費量を抑制できる。
【0024】
本発明の請求項2によれば、プリフロー期間が終了したときのガス流量を検出し、このガス流量の最大値がプリフロー期間中に経過したか否かを判定し、経過していないときにはガス流量の最大値から下降率を算出し、基準下降率未満になるまで待機して溶接電流を通電する。このことによって、アークスタート性が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態1に係るアーク溶接のガス制御方法を実施するための溶接 電源の電気接続図である。
【図2】実施形態1の動作を説明するタイミング図である。
【図3】実施形態2の動作を説明するタイミング図である。
【図4】シールドガスのガス流量と時間との相関図である。
【図5】従来技術のアーク溶接のガス制御方法を実施するための溶接電源の電気接続 図である。
【図6】従来技術の動作を説明するタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1、図2及び図3を参照して本発明の実施形態1について説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係るアーク溶接のガス制御方法を実施するための溶接電源の電気接続図である。同図において、図4に示す従来技術の溶接電源の電気接続図と同一符号の構成物は、同一動作を行うので説明は省略し、符号の相違する構成物についてのみ説明する。
【0027】
図1に示す電磁弁GBは、電磁弁駆動信号SgがHighレベルになると開状態になりガスボンベ6からガス配管7を介してシールドガスを溶接トーチ4に供給する、と共にシールドガスのガス流量を測定してガス流量Gqとして出力するガス流量センサー機能も有している。
【0028】
プリフロー期間演算回路PGRは、プリフロー設定信号Stが入力するとプリフロー期間演算信号PgrをHighレベルにする、と共にガス流量Gqに基づいてガス流量の下降率を演算し、ガス流量の下降率が予め定めたガス流量基準値以下になったとき、プリフローが終了したと判別してプリフロー期間演算信号PgrをLowレベルにする。
【0029】
モータ駆動回路GMは、モータ制御信号Sm及びプリフロー期間演算信号Pgrの反転信号Inに応じてモータ駆動信号Gmを出力する。電源駆動回路DVは、主制御信号Sc及びプリフロー期間演算信号Pgrの反転信号Inに応じて電源駆動信号Dvを出力する。
【0030】
図2は、動作を説明するタイミング図である。図2において、同図(A)は起動信号Tsを示し、同図(B)は電磁弁駆動信号Sgを示し、同図(C)はシールドガスのガス流量Gqを示し、同図(D)はプリフロー期間演算信号Pgrを示し、同図(E)はモータ制御信号Smを示し、同図(F)は主制御信号Scを示し、同図(G)は電源駆動信号Dvを示す。
以下、同図を参照して動作について説明する。
【0031】
図2に示す時刻t=t1において、図2(A)に示す起動信号TsがHighレベルになると、主制御回路SCは、同図(B)に示す電磁弁駆動信号Sg、同図(E)に示すモータ制御信号Sm、同図(F)に示す主制御信号Sc及び図示省略のプリフロー設定信号StをHighレベルにして出力する。
【0032】
電磁弁GBは、電磁弁駆動信号SgがHighレベルになると開状態になりガスボンベ6からガス配管7を介してシールドガスを溶接トーチ4に供給する、と共にシールドガスの流量を測定してガス流量Gqとして出力する。
【0033】
時刻t=t1において、プリフロー期間演算回路PGRは、プリフロー設定信号StのHighレベルに応じて動作を開始し、図2(D)に示すプリフロー期間演算信号PgrをHighレベルにする。
【0034】
時刻t=t2において、図5(C)に示すプリフロー期間信号Ptが終了するとガス流量Gqのガス流量の下降率を算出し、この下降率と予め定めた基準下降率とを比較し、下降率が基準下降率より大きいとき、下降率が基準下降率未満になるまで待機し未満になる時刻t=t3のとき、図2(D)はプリフロー期間演算信号PgrをLowレベルにする。
【0035】
モータ駆動回路GMは、モータ制御信号Smとプリフロー期間演算信号Pgrの反転信号Inとのアンド論理を行って時刻t=t3において、図示省略のモータ駆動信号Gmを出力してモータMを回転させる。
【0036】
電源駆動回路DVは、主制御信号Scとプリフロー期間演算信号Pgrの反転信号Inとのアンドを行って時刻t=t3において、電源駆動信号Dvを出力して電源主回路PMを動作し溶接電流を通電する。
【0037】
時刻t=t4において、起動信号TsがLowレベルになると、主制御回路SCは、図2(E)に示すモータ制御信号SmをLowレベルにしてモータMの回転を停止させる。そして、同図(F)に示す主制御信号ScもLowレベルにし電源主回路PMの動作も停止させる。
【0038】
続いて、時刻t=t5において、アフターフロー期間が終了すると図5(B)に示す電磁弁駆動信号SgをLowレベルにして電磁弁GBを閉状態にして溶接トーチ4にシールドガスの供給を停止する。
【0039】
図2に示す時刻t=t6において、再び、図2(A)に示す起動信号TsがHighレベルになると、主制御回路SCは、同図(B)に示す電磁弁駆動信号Sg、同図(E)に示すモータ制御信号Sm、同図(F)に示す主制御信号Sc及び図示省略のプリフロー設定信号StをHighレベルにして出力する。
【0040】
電磁弁GBは、電磁弁駆動信号SgがHighレベルになると開状態になりガスボンベ6からガス配管7を介してシールドガスを溶接トーチ4に供給する、と共にシールドガスの流量を測定してガス流量Gqとして出力する。
【0041】
時刻t=t6において、プリフロー期間演算回路PGRは、プリフロー設定信号StのHighレベルに応じて、再びプリフロー期間演算信号PgrをHighレベルにする。
【0042】
時刻t=t7において、図2(C)に示すプリフロー期間信号Ptが終了するとガス流量Gqのガス流量の下降率を算出し、この下降率と基準下降率とを比較し、下降率が基準下降率以下のとき、時刻t=t7で同図(D)はプリフロー期間演算信号PgrをLowレベルにする。
そして、以後の動作は、上記と同一動作を行うので説明は省略する。
【0043】
上述より、シールドガスのプリフロー期間が終了した時点でのガス流量を検出し、このガス流量が基準下降率未満であるか否かを判定し、基準下降率未満のとき溶接電流を通電し、基準下降率以上のときはガス流量が基準下降率未満になるまで待機して溶接電流を通電することで、溶接開始時の突流発生が抑制でき、ガス流量が過多になることによるアークスタート不良を防止でき、更にシールドガスの消費量も抑制できる。
【0044】
「実施の形態2」
本発明の実施形態2について、図3を用いて実施形態1と相違する動作についてのみ説明する。
実施の形態2のプリフロー期間演算回路PGRは、プリフロー設定信号Stが入力するとプリフロー期間演算信号PgrをHighレベルにする。そして、プリフロー期間Tpが終了したとき、ガス流量の最大値が経過したか否を判定し、経過しているときガス流量Gqのガス流量の下降率を算出し、この下降率と基準下降率とを比較し、下降率が基準下降率未満になるとプリフロー期間演算信号PgrをLowレベルにする。
【0045】
また、プリフロー期間Tpが終了したとき、ガス流量の最大値が経過していないとき、ガス流量の最大値を検出し、この最大値から所定期間が経過した時点からガス流量の下降率を算出し、この下降率と基準下降率とを比較し、下降率が基準下降率未満になるとプリフロー期間演算信号PgrをLowレベルにする。
【0046】
以下、図2を参照して動作について説明する。
図2に示す時刻t=t6において、同図(A)に示す起動信号TsがHighレベルになると、主制御回路SCは、同図(B)に示す電磁弁駆動信号Sg、同図(E)に示すモータ制御信号Sm、同図(F)に示す主制御信号Sc及びプリフロー設定信号StをHighレベルにして出力する。
【0047】
電磁弁GBは、電磁弁駆動信号SgがHighレベルになると開状態になりガスボンベ6からガス配管7を介してシールドガスを溶接トーチ4に供給する、と共にシールドガスの流量を測定してガス流量Gqとして出力する。
【0048】
プリフロー期間演算回路PRは、プリフロー期間Tpが終了した時刻t=t7のとき、ガス流量の最大値が経過したか否を判定し、経過していないとき、ガス流量の最大値を検出し、この最大値から所定期間が経過した時点からガス流量の下降率を算出し、この下降率と基準下降率とを比較し、下降率が基準下降率未満になる時刻t=8のときプリフロー期間演算信号PgrをLowレベルにする。
【0049】
上述において、プリフロー期間が終了したときのガス流量を検出し、このガス流量の最大値がプリフロー期間中に経過したか否かを判定し、経過していないときにはガス流量の最大値を検出し、この最大値から所定期間が経過した時点で下降率を算出し、この下降率が基準下降率未満になるまで待機して溶接電流を通電することで、溶接開始時の突流発生防止が向上し、アークスタート性が更に向上する。
また、ガス流量の最大値がプリフロー期間中に経過していないときにガス流量の最大値を検出し、この最大値からのガス流量の下降率を算出してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 非消耗電極
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 シールドガス
6 ガスボンベ
7 ガス配管
8 レギュレータ
DV 電源駆動回路
Dv 電源駆動信号
GB 電磁弁
GM モータ駆動回路
Gm モータ駆動信号
ID 出力電流検出回路
Id 出力電流検出信号
IR 本電流設定回路
Ir 本電流設定信号
IN 反転回路
In 反転信号
M モータ
PM 源主回路
PT プリフロー期間設定回路
Pt プリフロー期間設定信号
PGR プリフロー期間演算回路
Pgr プリフロー期間演算信号
SC 主制御回路
Sc 主制御信号
Sg 電磁弁駆動信号
Sm モータ制御動信号
St プリフロー設定信号
TS 起動回路
Ts 起動信号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接開始に際して予め定めたプリフロー期間だけシールドガスを放流しながら溶接電流の通電を停止し、前記プリフロー期間終了後に前記シールドガスの放流を継続しながら溶接電流を通電するアーク溶接のガス制御方法において、
前記プリフロー期間が終了したときのガス流量の下降率を算出し、前記下降率が予め定めた基準下降率未満のとき前記溶接電流を通電し、前記基準下降率以上のとき前記下降率が前記基準下降率未満になるまで待機して前記溶接電流を通電する、ことを特徴とするアーク溶接のガス制御方法。
【請求項2】
前記プリフロー期間が終了したときの前記ガス流量の最大値が経過しており、且つ、前記下降率が前記基準下降率未満になると前記溶接電流を通電する、ことを特徴とする請求項1記載のアーク溶接のガス制御方法。
【請求項1】
溶接開始に際して予め定めたプリフロー期間だけシールドガスを放流しながら溶接電流の通電を停止し、前記プリフロー期間終了後に前記シールドガスの放流を継続しながら溶接電流を通電するアーク溶接のガス制御方法において、
前記プリフロー期間が終了したときのガス流量の下降率を算出し、前記下降率が予め定めた基準下降率未満のとき前記溶接電流を通電し、前記基準下降率以上のとき前記下降率が前記基準下降率未満になるまで待機して前記溶接電流を通電する、ことを特徴とするアーク溶接のガス制御方法。
【請求項2】
前記プリフロー期間が終了したときの前記ガス流量の最大値が経過しており、且つ、前記下降率が前記基準下降率未満になると前記溶接電流を通電する、ことを特徴とする請求項1記載のアーク溶接のガス制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−125771(P2012−125771A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276650(P2010−276650)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]