説明

インプリント装置、インプリント方法、インプリントシステム及びデバイス製造方法

【課題】 モールドの表面に励起光を照射することなく、モールドのパターン欠陥を検知するインプリント装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明のインプリント装置は、型に形成されたパターンと、基板に供給されたインプリント材とを接触させることで、インプリント材にパターンを転写するインプリント装置であって、発光物質を発光させる励起光を照射する照射部と、発光物質から発光する光を検出する検出部と、発光物質を含む型を保持する型保持部と、を備え、インプリント材にパターンが転写された後、照射部はインプリント材に転写されたパターンに励起光を照射し、検出部はインプリント材に残留した発光物質から発光する光を検出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型に形成されたパターンを基板上のインプリント材に転写する際に用いられる型を検査するインプリント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られているフォトリソグラフィを用いたパターン形成方法の代替技術として、インプリント技術を用いたパターン形成が行われるようになってきた。インプリント技術は、パターンが形成された型(モールド)を、インプリント材(樹脂)が供給された基板(ウエハ)に押しつけるなどして、パターンを樹脂に転写する技術である。
【0003】
モールドのパターンに破損などの欠陥がある場合、樹脂に転写されたパターンも欠陥となってしまう。そのため、パターンに破損などの欠陥が無いか、モールドを検査する必要がある。
【0004】
特許文献1には、モールドを検査する方法として蛍光剤を含む物質がモールドの表面に付着しているモールドを用いるものが記載されている。モールドの表面に光を照射し、モールドの表面に含まれた蛍光剤から生じる蛍光を観察する。蛍光を観察することで、モールドの表面を検査する方法である。モールド表面に励起光を照射して蛍光を検出し、インプリント工程前後の蛍光強度の減衰量から、モールドの表面を確認する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−296823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載されているモールドを検査する方法は、モールドの表面に励起光を照射してモールド表面からの蛍光を検出する。しかし、モールド表面に励起光を照射すると、モールド全面が発光する。検出方法として全面が発光している中から発光していない箇所を検出するのは検出しにくく、検出精度が低下する恐れがある。
そこで本発明は、モールドの表面に励起光を照射することなく、モールドのパターン欠陥を検知するインプリント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のインプリント装置は、型に形成されたパターンと、基板に供給されたインプリント材とを接触させることで、インプリント材にパターンを転写するインプリント装置であって、発光物質を発光させる励起光を照射する照射部と、発光物質から発光する光を検出する検出部と、発光物質を含む型を保持する型保持部と、を備え、インプリント材にパターンが転写された後、照射部はインプリント材に転写されたパターンに励起光を照射し、検出部はインプリント材に残留した発光物質から発光する光を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
モールドの表面に励起光を照射することなく、モールドのパターン欠陥を検知するインプリント装置およびインプリント方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態のインプリント装置を示す図である。
【図2】第1実施形態の検出部を示す図である。
【図3】第2実施形態のインプリント装置を示す図である。
【図4】第3実施形態のインプリント装置を示す図である。
【図5】型の破損検査工程を示すフロー図である。
【図6】複数のインプリント装置を接続したインプリントシステムを示す図である。
【図7】インプリントシステムにおける検査工程を示すフロー図である。
【図8】インプリント材に蛍光剤を含む場合の検査工程を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1及び図2を用いて本発明の第1実施形態のインプリント装置について説明する。図1は本発明の第1実施形態のインプリント装置100を示した図である。インプリント装置100の高さ方向をZ方向、基板Wが配置されている面をXY面として、図に示したように各軸を決める。
【0012】
本実施形態のインプリント装置100は、光源110、基板保持部120、型保持部130、アライメントスコープ140、検出部200を備えている。さらに、基板Wの表面にインプリント材としての樹脂を供給する供給部131を備える。供給部131には樹脂を溜めるタンクと、タンクに接続され、基板上に樹脂を滴下するためのノズルを有する。
【0013】
光源110は基板上に供給されたインプリント材を硬化させるための光(硬化光)が照射される。通常、インプリント材は紫外線が照射されることによって硬化する樹脂が用いられるため、光源110からは紫外線が照射される。型Mに形成されたパターンとインプリント材とを接触させた状態で、インプリント材を硬化させることでパターンをインプリント材に転写することができる。
【0014】
基板保持部120は基板W(ウエハ)を保持するチャック機構である。例えば、真空チャックにより基板を保持することができる。基板保持部120はステージ121に保持されている。ステージ121がインプリント装置100のXY平面を移動することによって、基板Wを所望の位置に移動させることができる。
【0015】
型保持部130は凹凸のパターンが形成された型M(モールド)を保持するためのチャック機構を含む。また、型保持部130は、型MをZ軸の方向に沿って移動させるための駆動部を含む。Z軸の下方向に型Mが移動することで型Mに形成されたパターンを樹脂に押印し、Z軸の上方向に型Mが移動することで型Mを樹脂から離型することができる。さらに、型保持部130には型Mに形成されたパターン面と基板Wが密着するように、型Mの姿勢を制御する機能や、回転方向の位置合わせする機能を備えていても良い。
【0016】
アライメントスコープ140は基板Wに形成されたマークと型Mに形成されたマークとを観察する。アライメントスコープ140で観察した結果を用いることで型Mと基板Wの位置合わせを行う。アライメントスコープ140は自動調節スコープ(Automatic Adjustment Scope:AAS)を用いることができる。また、他のアライメント機構としては、型Mを介さずに基板Wに形成されたマークを観察するオフアクシススコープ142(OAS)を備える。オフアクシススコープ142は、ステージ121上に構成された基準マーク143を検出する。アライメントスコープ140とオフアクシススコープ142はフレーム141に設けられている。
【0017】
検出部200は基板Wの表面に付着した発光物質から発光する光を検出する。本実施形態では、蛍光剤(発光物質)が含まれた型Mを利用する。型Mが破損すると、型Mの一部が基板W上に付着する。基板W表面に光を照射することで、蛍光剤が発光するため、この光を検出することで型Mの破損を検査することができる。このように、基板表面の蛍光観察を行い、型が含む蛍光剤の蛍光を検出することで、型の破損を検知する。
【0018】
型に励起光を照射して蛍光を検出することで、型の破損を検知しようとすると、型の全面のほとんどが光を発している中から、発光していない箇所または光量が少ない箇所を特定しなければならない。ある物質が発する光を検出する場合、物質の周囲のものが光を発しない方が、検出に有利である。そのため、型に励起光を照射するよりも、パターンが転写された基板の表面に励起光を照射して蛍光を検出する方が、容易に型のパターン破損を検出することができる。
【0019】
検出部で検出された発光強度などのデータは処理部230に送られて、発光強度を基準値などと比較する。なお、インプリント装置100は制御部500を備え、制御部500によってインプリント装置の動作が制御される。
【0020】
図2は検出部200を示した図である。照射部210は発光素子を有し、型Mに含まれる蛍光剤を励起させる光である励起光212が照射される。励起光212はミラー213及びハーフミラー214によって基板Wの表面に導かれる。基板W上に残留した型Mの破片Aに含まれる蛍光剤から発光する蛍光215を受光部220で受光する。励起光212として特定の波長を得るためにフィルタ211を配置してもよい。また、型Mの破片Aに含まれる発光物質から発光した蛍光215の波長を選択するために、受光部220の前方にフィルタ216を設置してもよい。フィルタにはバンドパスフィルタやハイパスフィルタ、ローパスフィルタなどを用いることができる。また、これらのフィルタの組み合わせでもよい。
【0021】
検出部200にハーフミラー214を用いることで、励起光212と蛍光215を分離することができる。受光部220で受光した蛍光強度のデータは、処理部230に送られる。処理部230では、受光部220で受光した蛍光強度が基準値を超過するかどうか比較することで型Mの破損の有無を判定する。蛍光剤を有する型Mの破損が有ると判定された場合、制御部500にインプリント装置の動作を停止させる信号510を送信する。このようにして、型Mが破損した場合にインプリント装置の動作を停止させることができる。
【0022】
図2では照射部210と検出部200は別のものとして記載しているが、検出部200に照射部210が含まれる構成としてもよい。また、照射部210に有する発光素子は、蛍光剤を発光させる波長の光を含むものであれば特に限定はされない。例えば、水銀キセノンランプやハロゲンランプを使用することができる。さらに、励起光212の励起用光源(発光素子)としての照射部210と基板上の樹脂を硬化させる光源110(樹脂硬化用光源)とは別に配置されているが、照射部210を光源110と兼用することもできる。詳細については後述の実施形態で説明する。
【0023】
本発明における蛍光剤について詳細に説明する。本発明における蛍光剤は、励起光212を照射することで、蛍光215を発する物質であれば問題なく使用することができる。しかし、励起光212及び蛍光215が樹脂を硬化させる紫外光の波長と異なること、蛍光剤が紫外光に対する耐性を有することが好ましい。
【0024】
例えば、アクリジン系蛍光物質、アントラセン系蛍光物質、ローダミン系蛍光物質、ピロメテン系蛍光物質、ペリレン系蛍光物質が挙げられる。好ましくは3,6−ジメチルアミノアクリジン(Acridine Orange)、2,6−ジ−t−ブチル−8−ノニル−1,3,5,7−テトラメチルピロメテン−BF複合体(PYROMETHENE 597−8C9)が挙げられる。さらに、N,N‘−ビス(2,6−ジメチルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシジイミド、ローダミン6G(RHODAMINE 590)が挙げられる。
【0025】
本発明において型Mに含まれる蛍光剤は、インプリントにおけるプロセスで基板側に転写されないものが好ましい。具体的には、型Mの表面に蛍光剤が物理的に吸着したものではなく、化学結合させたものや、型Mを構成する材料に混合したものを使用する。蛍光剤を含有させた樹脂で型Mを作製する場合、蛍光剤は樹脂への分散性を有することが好ましい。また、混合量によっては、蛍光が消光する場合もあるため、混合量は蛍光強度が得られる量を適宜混合する。型を作製する樹脂としては、フッ素樹脂モールド材料であるF−template(旭硝子社製)を使用することができる。前記材料に蛍光剤を混合、分散させて型を作製する。蛍光剤の分散性を向上させるために、適宜分散剤を添加してもよい。
【0026】
型Mを石英で作製する場合、型に蛍光剤を含有させる方法としては、石英表面のヒドロキシル基に蛍光部位を有する物質を化学結合させる方法が好ましい。
【0027】
石英表面のヒドロキシル基に化学結合させる蛍光剤は、蛍光部位とシリル基を有するものが好ましい。例えばN−(トリエトキシシリルプロピル)ダンシルアミドや、o−4−メチルクマリニル−N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]カルバメートなどが挙げられる。前述のヒドロキシル基を有する蛍光剤は、石英表面のヒドロキシル基に化学結合させる離型剤と混合して使用してもよい。前述の離型剤は、例えばフッ化アルキルシリル基を有するものを使用することができる。例えば、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラハイドロデシル−1−トリエトキシシランなどが挙げられる。これら蛍光物質は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
このようにすることで、通常のインプリント時には樹脂に蛍光剤が転写されず、モールドが破損した時に蛍光剤が樹脂に残留する。パターンが転写された基板上の蛍光を検出することで、パターンの欠陥を検出することができる。基板上の蛍光を検出することでパターンの欠陥を検出するため、検査装置とインプリント装置とが異なる場合でも、型保持部から型を取り外すことなく検査を行うことができる。また、引用文献1には、一定回数の転写を行う度にモールド表面の蛍光強度を計測しているため、欠陥の有無に関わらずインプリント操作を止めなければならない。本発明は、検査を行っている間もインプリント装置のインプリント操作を止めることなく検査を行うことができる。
【0029】
(第2実施形態)
図3を用いて本発明の第2実施形態のインプリント装置について説明する。図3は本発明の第2実施形態のインプリント装置300を示した図である。第1実施形態ではモールドの欠陥検査するために専用の検出部を有するインプリント装置100について説明した。本実施形態ではアライメント検出系が欠陥検査の検出部を兼ねるインプリント装置300について説明する。
【0030】
図3(a)はオフアクシススコープ142が、基準マーク143を検出するものを示しており、図3(b)はオフアクシススコープ142が、インプリント材に残留した破片Aに励起光212を照射して蛍光215を検出するものを示している。図1で説明した第1実施形態のインプリント装置100と符号が同じものについては説明を省略する。
【0031】
本実施形態のインプリント装置に用いられるオフアクシススコープ142は、倍率切り替え機能を有してもよい。倍率切り替え機能を使用することで、オフアクシススコープ142が基板Wのマーク検出と欠陥検査するための蛍光検出とを行うようにしてもよい。
【0032】
このように、図2に示す検出部200は、図3のインプリント装置のようにアライメント検出系と兼ねてもよい。その場合、図3(b)に示すように、ステージ121を検査位置まで移動させ、オフアクシススコープ142を用いて蛍光観察を行う。
【0033】
励起光212の光源はオフアクシススコープ142の光源を使用してもよいし、樹脂を硬化させるための光源110を使用してもよい。
【0034】
(第3実施形態)
図4を用いて本発明の第3実施形態のインプリント装置について説明する。図4は本発明の第3実施形態のインプリント装置400を示した図である。第1実施形態では励起光212を照射する照射部210と基板上の樹脂を硬化させる光を照射する光源110とは別に配置されているものを説明した。本実施形態では光源110が照射部210を兼ねるインプリント装置について説明する。
【0035】
インプリント装置400には、型の破損検査を行う検出部200に光源110から光を導く導光部420を備え、光路を切り替えることによってインプリント操作と型の破損検査とに光源110を用いることができる。
【0036】
図4(a)はインプリント操作を行うため光源110を用いる場合について示しており、図4(b)は光源110を用いてインプリント材に残留した破片Aに励起光212を照射するものを示している。導光部420にはミラー421を有しており、図4(a)に示す退避位置にミラー421を配置することで、光源110を基板W上の樹脂を硬化させるために使うことができる。型の破損検査を行うためには、検出部200に励起光212を導く必要がある。具体的には、図4(b)に示す検査位置に導光部420のミラー421を配置することで、検出部200に励起光212を導くことができる。
【0037】
光源110から得られる紫外光のうち、樹脂を硬化させる波長のみを使用するために特定の波長以外をカットするフィルタ410(図4(a))を備えてもよい。また、励起光212の波長のみを使用するためにフィルタ411(図4(b))を備えてもよい。さらに不図示の駆動部を備え、導光部420のミラー421の配置を切り替え、フィルタ410とフィルタ411を切り替えるようにしてもよい。
【0038】
(検査方法)
図5(a)を用いて型Mの破損検査の方法について以下に詳細に説明する。上述の実施形態で説明した、いずれのインプリント装置を用いてもよい。検査方法はステップS100でデータ保存工程、ステップS200でインプリント工程、ステップS300で検査実施判定工程、ステップS400で検査工程、ステップS500で基板交換工程を行う。
【0039】
ステップS100のデータ保存工程では、本発明におけるインプリント装置の処理部230に、予め計測しておいた基準とする基板Wの基準蛍光強度(基準検出結果)を保存しておく。基準とする基板Wは、基板表面に型Wの破片Aを含まないものを用いる。
【0040】
ステップS200のインプリント工程について説明する。型Mに形成されたパターンを、基板Wに供給されたインプリント材にパターンを転写する工程である。
【0041】
パターンの転写が行われる基板Wは、不図示の基板搬送系によって、基板保持部120に載置される。基板保持部120は、真空吸着によって基板Wを保持する。オフアクシススコープ142を用いて基板上に形成されたアライメントマークを検出し、基板Wの位置を計測する。その計測結果から各転写座標(ショット位置)を求める。その結果に基づいて、逐次転写(ステップアンドリピート)を行う。
【0042】
制御部500が光源110、ステージ121、型保持部130及び供給部131の駆動を制御することでパターンの転写を行う。具体的には、供給部131は適量のインプリント材を基板W表面の転写位置に供給する。その後、ステージ121が基板Wを転写位置に移動し、位置決めを行う。位置決め完了後に、型保持部130が型Mを降下させ、型に形成されたパターンと基板上のインプリント材とを接触させる。パターンにインプリント材が充填した後に、硬化光を照明して樹脂を硬化させる。樹脂を硬化させた後に、型を引き上げる(離型)。そして、次の転写位置へ移動する。これを繰り返すことで基板W上にパターンを転写することができる。
【0043】
ステップS300の検査実施判定工程では、パターンを転写したショット数が予め設定したショット数を超えたか否かを判定する。設定ショット数を超えるまでは、ステップS200のインプリント工程でパターンを転写し、設定ショット数を超えた場合に基板Wの検査を行うようすることができる。なお、基板上の全てのショットで基板Wの検査を行う場合には、ステップS300の検査実施判定工程は省略してもよい。また、設定ショット数が基板W一枚のショット数より多い場合は、ステップS200のインプリント工程は、基板Wの交換作業を含む。基板Wの交換作業は、パターンの転写が完了した基板Wが不図示の基板搬送系によって基板保持部120から基板Wを搬出し、新しい基板Wを搬入する。
【0044】
ステップS400の検査工程では、型の破損の有無を検査する。
【0045】
ステップS500の基板交換工程では、パターンの転写が完了した基板Wが不図示の基板搬送系によって基板保持部120から搬出される。
【0046】
(検査方法1)
ステップS400の検査工程について、図5(b)のフロー図を用いて詳細に説明する。ここでは、インプリント工程で基板上の全てのショットにパターンを転写したものとして説明する。ステップS401ではステージ121が移動して、基板を計測位置に合わせる。第1実施形態や第3実施形態のように検出部200で蛍光を検出する場合は、検出部200の下が計測位置となる。第2実施形態のようにオフアクシススコープ142で蛍光を検出する場合は、オフアクシススコープ142の下が計測位置となる。
【0047】
次にステップS402ではステップS100で保存した基準蛍光強度(基準検出結果)を読み出す。続いてステップS403では計測する基板に励起光212を照射し、蛍光215の計測蛍光強度(検出結果)を取得する。このとき、計測したショットの位置座標を同時に取得してもよい。
【0048】
ステップS404では型の破損の有無を判定する。判定は、インプリント装置の処理部230で行われる。判定の方法としては、基準蛍光強度と計測蛍光強度を比較することで、計測蛍光強度が基準蛍光強度よりも大きくなった場合に、型の破損が有りとして判定することができる。型の破片Aが有る場合、基準を超えた強度の蛍光が観察される。基準蛍光強度が0であれば、計測蛍光強度が検出されるだけで型の破損が有るとして判定する。また、計測蛍光強度の数値のみで判定してもよい。計測蛍光強度が基準を超過していない場合は、型の破損は無いと判定する。
【0049】
型の破損が無いと判定した場合には、ステップS405の検査終了判定工程へ進む。検査箇所がショット最終位置であれば基板上の全てのショットに対して検査が終了したものとして、基板交換工程へ進む。全てのショットに対して検査が終了していなければステップS401で次に検査を行うショットを計測位置に合わせる。
【0050】
もし、型の破損が有りと判定した場合には、ステップS405でインプリント装置の制御部500に、インプリント操作を停止する信号510が処理部230から送信される。こうして破損した型を用いたインプリント操作を停止することで、不良品を作り続けることを止めることができる。インプリント操作が停止した後は破損した型を交換するなどして、新たにインプリント操作を開始する。
【0051】
なお、第2実施形態のインプリント装置のようにオフアクシススコープ142を検出部とする場合には、ステップS401で基板を計測位置に合わせる前に、検出部の倍率とフィルタを位置計測用に切り替える。また、ステップS403で励起光212を照射する前に、検出部の倍率とフィルタを検査用に切り替える工程が追加される。
【0052】
なお、第3実施形態のインプリント装置のように光源110を励起光212の光源とする場合には、少なくともステップS403で励起光212を照射する前に、光源のフィルタを切り替え、導光部420のミラー421を検査位置に合わせる工程が追加される。
【0053】
(検査方法2)
ステップS400の検査工程について、図5(c)のフロー図を用いて詳細に説明する。ここでは、各ショットのインプリント工程毎に型の破損の有無を検査する場合について説明する。ステップS411〜S413は上述のステップS401〜S403に対応するので説明を省略する。上記の検査方法1と異なる点を説明する。
【0054】
ステップS414で型の破損が有ると判定された場合、ステップS600のインプリント動作を停止判断する工程が追加される。破損の有無の判定方法は上述のステップS404と同じである。
【0055】
ステップS600では、型の破損を検査した検査箇所が規定ショットより前であるかを判断する。規定ショットより前の場合、ステップS601のインプリント操作停止信号を送信する工程へ進む。規定ショットより前では無い場合、ステップS602の全てのショットにパターンを転写する工程へ進む。インプリントを停止するか継続するかを判断する規定ショットの位置は、歩留まりを考慮して事前に決めておく。また、ステップS601とステップS602の後に、ステップS603で型の破損によりインプリント操作が停止した旨を表示する工程を追加してもよい。
【0056】
もし、インプリント操作を基板上のショットの途中で停止した場合、その基板全てのチップが不良品となる。そのため、型の破損が検出されたショット位置が最終ショット位置に近いような場合、型の破損を検出した後も、インプリント工程を繰り返すことで歩留まりを向上させることができる。型の破損が検出される前にパターンを転写したショットは不良品とならなくなるためである。このインプリント操作を停止判断する工程は歩留まり向上の観点から有効である。
【0057】
ステップS414で型の破損が無いと判定された場合、ステップS415の検査終了判定工程へ進む。検査箇所がショット最終位置であれば基板上の全てのショットに対して検査が終了したものとして、ステップS500の基板交換工程へ進む。全てのショットに対してパターンの転写が終了していなければステップS200のインプリント工程へ進み、次のショットにパターンを転写する。
【0058】
(インプリントシステム)
図6(a)を用いてインプリント装置を複数接続したインプリントシステムについて説明する。インプリント装置を複数接続することで、互いの設備を共有することができる。ここでは、インプリント装置A〜Gのうち一台を型の破損検査装置として共有する例について説明する。
【0059】
インプリント装置A〜Fで型のパターンが転写された基板Wを作成し、検査装置としてのインプリント装置Gで検査を行う。インプリント装置を複数接続した、互いの設備共有を行うインプリントシステムにおいて、全てのインプリント装置に型の破損を検出する検出部200を有する。
【0060】
型の破壊検査を行う装置1台に対して、インプリント操作を行う装置は、型の破壊検査を行う装置の検査処理能力を超えない台数のインプリント操作を行う装置を接続することができる。ここでは、パターン転写を行う装置を6台接続している。
【0061】
図6(a)に示すように、装置Aでパターンが転写された基板Wを装置Gに送り、装置Gで型の破壊検査を行う。装置Gは図7のフロー図に従って検査を行う。装置Gに基板Wを送る前に、予めステップS700のデータ保存工程で、基準とする基板の基準蛍光強度を保存しておく。その後、ステップS701の基板交換・搬入工程で、装置Gに基板Wを搬入する。
【0062】
次に、ステップS702の基板を作成した装置を特定する工程において、基板Wを作成した装置を特定する。基板はシリアル番号を有し、装置Gでそれを読み取ることで、基板を作成したインプリント装置が特定することができる。こうして、装置Gで検査する基板Wは装置Aで作成されたことが特定される。
【0063】
次に、ステップS703の検査工程で型の破損の有無を判定する。計測の方法は上述したステップS400の検査工程を用いることができる。取得した蛍光強度が、基準の蛍光強度を超過していることで、型の破損が有ると判定される。型に破損が有ると判定されると、ステップS704でインプリント操作を停止する信号510が装置Aに送信される。
【0064】
ここでは、装置Gはインプリント装置として説明したが、検査のみを行う検査装置としても良い。この場合、図2で説明したような検出部200を有する検査装置を用いる。
【0065】
装置Aのインプリント操作が停止した後、装置Aでは破損した型を取り外して洗浄及びメンテナンスをする。この間、装置Aは基板を作成することはできないが、検査装置として使用することができる。
【0066】
そこで、図6(b)を用いて、インプリント操作が停止している装置Aで検査を行う場合を説明する。装置B〜Gで型のパターンを転写した基板Wを作成し、装置Aで検査を行う。図6(a)で検査装置として使用されていた装置Gは、パターンを形成する装置として使用される。基板Wは装置Aに搬入され、上述のように図7のフロー図に従って検査が行われる。このように、検出部を有する複数台のインプリント装置が接続され(クラスター化された)、互いの設備共有を行うインプリントシステムでは、装置のメンテナンス中に型の破損検査を行うこともできる。
【0067】
このようにクラスター化する装置は、上述のいずれの実施形態で説明したインプリント装置を用いてもよい。複数のインプリント装置を接続したインプリントシステムとすることで、破損した型を用いた基板作成を回避し、パターン転写を行う装置数を維持することで、メンテナンス中に低減する基板の作成数を最小限に抑えることができる。
【0068】
基板上の蛍光を検出することでパターンの欠陥を検出するため、検査装置で基板の検査を行っている間もインプリント装置はインプリント操作を続けることができる。そのため、生産性を向上させることができる。
【0069】
また、パターンの欠陥を検出するために型を検査するには、型をインプリント装置から取り外す必要がある。型を装置から取り外すことは、一般的に手間がかかるため、装置の生産性を考えると、明らかに破損が確認されていない型はインプリント装置から取り外さない方が好ましい。さらに、欠陥が検出されなかった型を再び取り付ける際に型Mが型保持部130に対して、検査前と同じ位置で保持されるとは限らない。そのため、検査が終わった型を取り付ける度に、型Mの位置を検出する必要があるので生産性が低下する恐れがある。
【0070】
(蛍光剤を含むインプリント材)
上述の説明では、蛍光剤を含む型を用いてインプリントを行う場合について説明した。
【0071】
ここでは、蛍光波長Pの蛍光剤を含む型を用いたインプリント方法において、型に含まれる蛍光剤の蛍光波長Pとは異なる蛍光波長Qの蛍光剤を含むインプリント材を使用する場合について説明する。このような方法でパターンが転写された基板を蛍光観察すると、型が破損して破片Aが基板上に残留した場合、型に含まれる蛍光剤の蛍光波長Pが観察される。インプリント材の膜厚が変化することで生じた欠陥は蛍光波長Qの強度変化として観察される。インプリント材の蛍光波長Qの蛍光強度の変化を確認した場合、インプリント材に起因した欠陥が生じたことがわかる。インプリント材起因の欠陥を検出した場合も、型の破損の検出時と同様に、インプリント操作を止めることができる。
【0072】
照射部は型に含まれる蛍光剤(第1発光物質)を発光させる励起光(第1励起光)を照射する光源と、インプリント材に含まれる蛍光剤(第2発光物質)を発光させる励起光(第2励起光)を照射する光源とを備えていている。検査を行う対象に応じて光源を選択することができる。また、第1発光物質を発光させる励起波長と第2発光物質を発光させる励起波長とを含む光源を用いた場合には、フィルタを切り替えることで透過させる光の波長を選択してもよい。
【0073】
検査方法は、図5(a)〜(c)で説明したいずれの方法も用いることができる。設定ショット数を超える毎に検査工程を行っても良いし、ショット毎に検査工程を行っても良い。ステップS400の検査工程において、型に含まれる蛍光剤の蛍光波長Pの強度が基準値を超えた場合、型の破損有と判定し、インプリント装置のインプリント操作を停止する。同様に、インプリント材に含まれる蛍光剤の蛍光波長Qの強度が基準値を超えた場合、インプリント材に起因する欠陥が生じたと判定し、インプリント装置のインプリント操作を停止する。未検査の基板をさかのぼって蛍光波長Pの有無を検査することで、型の破損の有無を確認することができる。
【0074】
例えば、図8に示したフロー図のように、ステップS424で型の破損の有無を判定した後に、ステップS425でインプリント材起因の欠陥の有無を判定する。いずれかの判定の結果でインプリント操作を停止(ステップS427)させた場合、ステップS428でインプリント操作が停止した原因を表示させるようにしても良い。ステップS421〜S423は図5(b)のステップS401〜403に、ステップS426は図5(b)のステップS405対応している。
【0075】
検出部における受光部に型の蛍光波長Pとインプリント材の蛍光波長Qとを分離して受光する機能を持たせてもよい。また、第1励起光と、第2励起光とを含む光源を励起光として用いれば、それぞれの蛍光波長を分離して検出することで、型の蛍光波長強度とインプリント材の蛍光波長強度とを同時に検出できる。
【0076】
そうすることで、欠陥発生の原因が型の破損にあるのか、プラグ欠陥等のインプリント材に起因するものか、容易に切り分けをすることができる。
【実施例1】
【0077】
本実施例では、型Mを石英で作成し、表面をo−4−メチルクマリニル−N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]カルバメートで処理した。o−4−メチルクマリニル−N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]カルバメートの励起波長は340nmであり、蛍光波長は500nmである。この型Mを図1に示すインプリント装置100に設置して、インプリント操作を繰り返し、基板上に供給されたインプリント材にパターンを転写した。検出部200に導かれる励起光212は、340nmの光を透過するフィルタ211を使用することで得た。フィルタ216には500nmの光を透過するフィルタを用いて、蛍光215が受光部220で検出されるようにした。図5(a)〜(c)に示すフロー図に従って検査を行い、検査工程で基準を超えた蛍光強度が検出されると、型の破損有と判定される。処理部230から制御部500にインプリント操作を停止させる信号510が送信され、インプリント操作が停止する。
【実施例2】
【0078】
本実施例では、型Mを石英で作成し、表面をo−4−メチルクマリニル−N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]カルバメートで処理した。o−4−メチルクマリニル−N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]カルバメートの励起波長は340nmであり、蛍光波長は500nmである。この型Mを図4(a)に示すインプリント装置400に設置して、インプリント操作を繰り返し、基板上に供給されたインプリント材にパターンを転写した。インプリント材を硬化させるための硬化光は313nmの光を透過するフィルタ410を使用することで得た。検査を行う際は、図4(b)に示すようにフィルタ411を配置し、導光部420を検査位置に切り替える。励起光212は、340nmの光を透過するフィルタ411を使用することで得た。図5(a)〜(c)に示すフロー図に従って検査を行い、検査工程で基準を超えた蛍光強度が検出されると、型の破損有と判定される。処理部230から制御部500にインプリント操作を停止させる信号510が送信され、インプリント操作が停止する。
【実施例3】
【0079】
本実施例では、パターンが形成された部位が樹脂で形成された型Mを図4(a)に示すインプリント装置100に設置して、基板上に供給されたインプリント材にパターンを転写する。型Mには、蛍光剤としてローダミン6G(RHODAMINE 590)を含有する。ローダミン6Gの励起波長は530nmであり、蛍光波長は560nmである。インプリント材を硬化させるための硬化光は313nmの光を透過するフィルタ410を使用することで得た。励起光212を得るために530nmの光を透過するフィルタ411を使用した。図5(a)〜(c)に示すフロー図に従って検査を行い、検査工程で基準を超えた蛍光強度が検出されると、型の破損有と判定される。処理部230から制御部500にインプリント操作を停止させる信号510が送信され、インプリント操作が停止する。
【実施例4】
【0080】
本実施例では、インプリント材と型とに異なる蛍光波長の蛍光剤を用いて、インプリント材起因の欠陥と型の破損とを一度に検出する。
【0081】
上述の実施例1に示すインプリント装置において、ローダミン6G(RHODAMINE 590)を混合したインプリント材を基板に供給してパターンの転写を行った。インプリント材に含まれる蛍光剤の励起光212は、照射部210に含まれる水銀キセノンランプ光源から照射される光に530nmの光を透過するフィルタ211を使用することで得た。また、型に含まれる蛍光剤の励起光212は、照射部210に含まれる水銀ランプ光源から照射される光に340nmの光を透過するフィルタ211を使用することで得た。これらの励起光212は同時に検出部200に導かれ、検出部200の受光部220で560nmと500nmの蛍光波長に分離され検出された。
【0082】
図5(a)〜(c)に示すフロー図に従って検査を行った。あらかじめ設定した3000ショットを超えた基板を検査した。検査工程でインプリント材に含まれる蛍光剤の蛍光波長である560nmの蛍光強度が基準値を超えて検出された。処理部230から制御部500にインプリント操作を停止する信号510が送信されることで、インプリント操作が停止する。
【0083】
インプリント材起因の欠陥が検出された基板より以前に作成された未検査の基板を検査すると、基準を超えた型に含まれる蛍光剤の蛍光波長である500nmの強度が検出されたため、型の破損有と判定された。このように、型とインプリント材起因の欠陥が同一箇所で観察されない場合も、異なる蛍光波長の蛍光剤を各々用いることで、欠陥原因の切り分けを容易にすることができる。
【0084】
(デバイス製造方法)
デバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)の製造方法は、上述したインプリント装置を用いて基板(ウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板)にパターンを転写(形成)する工程を含む。さらに、該製造方法は、パターンを転写された基板をエッチングする工程を含みうる。
【0085】
なお、パターンドメディア(記録媒体)や光学素子などの他の物品を製造する場合には、該製造方法は、エッチングの代わりに、パターンを転写された基板を加工する他の処理を含みうる。本実施形態の物品製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも一つにおいて有利である。
【0086】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内において様々な変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0087】
100 インプリント装置
200 検出部
210 照射部
212 励起光
215 蛍光
220 受光部
230 処理部
M 型(モールド)
W 基板(ウエハ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
型に形成されたパターンと、基板に供給されたインプリント材とを接触させることで、前記インプリント材に前記パターンを転写するインプリント装置であって、
発光物質を発光させる励起光を照射する照射部と、
前記発光物質から発光する光を検出する検出部と、
前記発光物質を含む前記型を保持する型保持部と、を備え、
前記インプリント材に前記パターンが転写された後、前記照射部は前記インプリント材に転写された前記パターンに前記励起光を照射し、前記検出部は前記インプリント材に残留した前記発光物質から発光する光を検出することを特徴とするインプリント装置。
【請求項2】
前記照射部は、前記型に形成されたパターンと前記インプリント材を接触させた状態で前記インプリント材を硬化させる光を照射することを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記基板のアライメントのために形成されたマークを検出することを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント装置。
【請求項4】
前記照射部が前記インプリント材に転写されたパターンに前記励起光を照射した際に、前記検出部が検出した検出結果と、
前記型に欠陥がなく前記インプリント材に転写されたパターンに前記励起光を照射した際に、前記検出部が検出した基準検出結果と、を比較することで前記型の欠陥を検知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインプリント装置。
【請求項5】
前記検出部が前記インプリント材に残留した前記発光物質から発光する光を検出することで、前記型の欠陥を検知した場合、前記パターンの転写を停止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインプリント装置。
【請求項6】
型に形成されたパターンと、基板に供給されたインプリント材とを接触させることで、前記インプリント材に前記パターンを転写するインプリント装置であって、
第1発光物質を発光させる第1励起光と第2発光物質を発光させる第2励起光を照射する照射部と、
前記第1発光物質、及び、前記第2発光物質から発光する光を検出する検出部と、
前記第1発光物質を含む前記型を保持する型保持部と、を備え、
前記第2発光物質を含むインプリント材に前記パターンが転写された後、
前記照射部は前記インプリント材に転写された前記パターンに前記第1励起光を照射し、前記検出部は前記第1発光物質から発光する光を検出することで、前記型の欠陥を検知し、
前記照射部は前記インプリント材に転写された前記パターンに前記第2励起光を照射し、前記検出部は前記第2発光物質から発光する光を検出することで、前記インプリント材に転写された前記パターンの欠陥を検知することを特徴とするインプリント装置。
【請求項7】
発光物質を含む型に形成されたパターンと、基板に供給されたインプリント材とを接触させることで、前記インプリント材に前記パターンを転写するインプリント方法であって、
前記インプリント材に前記パターンが転写された後、前記インプリント材に転写された前記パターンに前記発光物質を発光させる励起光を照射する工程と、
前記インプリント材に残留した前記発光物質から発光する光を検出する工程と、を有することを特徴とするインプリント方法。
【請求項8】
発光物質を含む型に形成されたパターンと、基板に供給されたインプリント材とを接触させることで、前記インプリント材に前記パターンを転写する複数のインプリント装置と検査装置とを接続することで、互いの設備を共有することが可能なインプリントシステムであって、
前記検査装置は、
前記発光物質を発光させる励起光を照射する照射部と、
前記発光物質から発光する光を検出する検出部と、を備え、
前記インプリント装置で前記インプリント材に前記パターンが転写された基板を搬入した後、前記照射部は前記インプリント材に転写された前記パターンに前記励起光を照射し、前記検出部は前記インプリント材に残留した前記発光物質から発光する光を検出することを特徴とするインプリントシステム。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のインプリント装置を複数接続することで、互いの設備を供給することが可能なインプリントシステムであって、
複数の前記インプリント装置のいずれかで、前記検出部が前記インプリント材に残留した前記発光物質から発光する光を検出することで、前記型の欠陥を検知した場合、
前記型の欠陥を検知したインプリント装置は、他の複数の前記インプリント装置でパターンが転写された前記パターンに前記励起光を照射し、前記検出部で前記インプリント材に残留した前記発光物質から発光する光を検出することを特徴とするインプリントシステム。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のインプリント装置を用いて基板上にパターンを形成する工程と、
前記工程で前記パターンが形成された基板を加工する工程と、
を含むことを特徴とするデバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−98181(P2013−98181A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236378(P2011−236378)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】