説明

エアバッグカバー用固定部を有する製造者エンブレム

車両アセンブリ、特に、たとえば製造者エンブレムの支持体として前記車両アセンブリに固定されたプレートを備えるエアバッグカバー体において、
前記プレートは、前記車両アセンブリの周囲にわたって配置された舌状体によって、車両アセンブリを介して前記車両アセンブリに設けられた開口部の中に達し、
前記舌状体は、前記車両アセンブリの裏面側に適合させて成形された凹部の中において、前記開口部と前記凹部との間にある曲げ縁部で曲げられている、車両アセンブリであって、
前記車両アセンブリ(10)内の開口部(20)を通して到達する狭い首部領域(12)から出発し、前記舌状体(17)の少なくとも1つがその自由端に断面拡大部(13)を具備しており、前記車両アセンブリ(10)に形成された凹部(11)が少なくとも1つの舌状体(17)の輪郭に相当する形状を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両アセンブリ、特にたとえば製造者エンブレムの支持体として前記車両アセンブリに固定されたプレートを備えるエアバッグカバーにおいて、前記プレートが前記車両アセンブリをその周囲にわたって配分して配設された舌状体と共に前記車両アセンブリに配設された開口部の中に差し入れ、かつ前記舌状体を車両アセンブリの裏面側に適合させて成形した凹部の中に前記開口部と前記凹部の間に配設された曲げ縁部で曲げられている車両アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグカバー体の形態における車両アセンブリは、日本国特許公開公報平11−189119号明細書に記載されている。特に自動車のステアリングホイールに配設されたエアバッグのカバー体上にその上にある製造者記号を有する金属板を取り付けることが通常行われている限りにおいて、前記日本国特許公開公報平11−189119号明細書から公知のカバー体において前記金属板にその外側周縁部からプレートに対して直角に突出する楕円形の舌状体を形成することが考慮されている。前記舌状体は、ステアリングホイールカバー上へ金属板を差し込む際にそれに合わせて形成された溝状の開口部を通して導通され、かつカバーの裏面側もしくは内面側で前記カバーに当接して曲げられる。曲げた後で前記舌状体を固定するために、前記カバーの裏面側に同様に楕円形の形状を有し、かつその限りで曲げられた舌状体の自由端を適合してその中へ収容する凹部がそれに形成されている。その際、ステアリングホイールカバーの開口部と凹部の間に相応の曲げ縁部が配設されている。
【0003】
前記公知の取付け方法には、前記舌状体が相応の力がかかることにより組み込まれた曲げ縁部を超えて前記凹部から滑り出しもしくはそこから引っ張りだされ得るという欠点がともなっている。エアバッグカバーにおいてエアバッグの解除時に相応の力が作用し得る限り、エアバッグカバーへの金属板の前記取付け方式は十分に確実なものではない。金属板の取付けの安全性を改善するために、この種の公知の固定配置において、曲げられた舌状体の付加的な固定としては、熱処理または超音波溶接を行うことが考えられる。しかしながら、それらにはコストおよび作業集中的である付加的な装置および加工工程が結び付いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本国特許公開公報平11−189119号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、車両アセンブリへ確実かつ簡単に実施できるプレートの固定を分類に基づく特徴に従って考慮する課題を基礎においている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、その基本思想において、舌状体の少なくとも1つが車両アセンブリ内の開口部を通して到達する狭い首部領域から出発してその自由端に断面拡大部を具備しており、かつ前記車両アセンブリに形成された凹部が舌状体の輪郭に相当する形状を有することを考慮する。前記舌状体が前記凹部の中へ曲げた後で割り当てられた凹部との形状嵌合結合を生じる限り、前記舌状体の断面拡大部が前記舌状体の狭い首部領域に形状相応に適合された凹部の領域を通して合致せず、かつその限りで前記凹部のアンダカット縁部に引っ掛けるために、前記凹部からの前記舌状体の引出しが確実に回避されている。従って、熱処理または超音波溶接のような曲げられた舌状体の付加的な固定は省くことができる。
【0007】
本発明の適用は、その際エアバッグカバーでの金属またはプラスチック製のプレートの固定に制限されず、むしろその他の、たとえばラジエータグリル、ホイールキャップ等のような車両部品においても相応の固定問題および固定要求が生じている。
【0008】
本発明の一実施例に従って、舌状体が狭い首部領域と矢尖端状の拡大部とを備える全体的に矢形の輪郭を有する限り、個々の舌状体は簡単かつ廉価に製造できる輪郭を有する。
【0009】
組み込まれた車両アセンブリへのプレートの固定は、本発明の一実施例に従って凹部が車両アセンブリ内に2段階で、第1のステップで曲げ縁部でに曲げられた舌状体の収容に利用される第1の外部のステップと、それに内部へ突出する、第2のステップで凹部の前記第2のステップへ嵌入される舌状体を収容するための第2のステップとによって形成されており、舌状体の狭い首部領域が第2のステップで第1の凹部ステップと第2の凹部ステップの間の間隔に相当する段部に変形されていることによってさらに改善される。本発明により形成された舌状体と凹部の間の形状嵌合の上の方に、舌状体の狭い首部領域の中に成形された段部は、成形された前記段部が前記凹部からの舌状体の引出しの試行の際に作用する力方向への角度で成形されており、かつ付加的に前記舌状体を前記凹部からゆるめるために、前記段部の逆変形が必要になるために前記凹部からの舌状体の引出しを阻止する。
【0010】
舌状体の狭い首部領域への段部の成形が強制的にその長手延伸部の短縮を惹き起こす限りにおいて、舌状体と組み込まれた凹部の間の形状嵌合を維持するために、第2の凹部ステップが第1の凹部ステップに対して半径方向に曲げ縁部の方向へ前記段部の成形によって生じる舌状体の狭い首部領域の短縮長さの寸法だけずれていることが考慮されている。
【0011】
図面に本発明の一実施例が再現されており、以下これを説明する。

【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】車両アセンブリに固定される金属板の、図示しない舌状体を収容するための前記金属板に取り付けられた凹部を有する前記金属板を支持する車両アセンブリとしてのエアバッグカバー体の背面図。
【図2】エアバッグカバー体に形成された凹部の第1のステップへの金属板の舌状体の差込みおよび曲げ後の図1の物体。
【図3】凹部の第2のステップへの曲げられた舌状体の嵌入後の図2の物体。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1から明らかなように、平面図に示したエアバッグカバー体10の裏面側に車両アセンブリとして凹部11から突出したエアバッグカバー体10の(前面)側に載置された金属板の、図1でまだ明白ではない固定舌状体を収容するための凹部11が形成されている。前記凹部11が形状相応に図示しない舌状体の輪郭によって形成されている限りにおいて、以下の凹部11の形状付与に関する説明は舌状体の形勢にも関係する。その限りで、凹部11および舌状体は同様に、それぞれ1つの狭い首部領域12と、矢尖端状の断面拡大部13とを有する矢形の輪郭によって形成されている。それに対応して、凹部11の矢尖端状の断面拡大部13と狭い首部領域12の間の移行部に舌状体もしくは凹部11の長手方向への引張荷重により矢尖端状の断面拡大部13を引っ掛けるアンダカット縁部14が形成されている。狭い首部領域12の外部半径方向端部に、舌状体を差し込むための開口部20が形成されており、前記開口部20と凹部12の間に曲げ縁部21回りに前記開口部20を通して差し込まれた舌状体が曲げられる曲げ縁部が形成されている。
【0014】
凹部は、2段階で第1の外部の凹部ステップ15と、そこから内面側へ突出する第2の凹部ステップ16とによって形成されている。図1から明らかなように、第2の凹部ステップ16は第1の凹部ステップ15に対して半径方向に、以下に説明する寸法だけ曲げ縁部21の方向へずらされている。
【0015】
図2から明らかなように、第1のステップにおいて、開口部20を通して案内された舌状体17が曲げ縁部21回りに曲げられており、かつ形状に対応して形成された第1の凹部ステップ15で曲げられる。その際に図2から、すでに凹部11内の舌状体17の形状対応の収容が識別され、舌状体17は第1の凹部ステップ15の中に収容されている。
【0016】
図3から明らかなように、すでに第1の凹部ステップ15の中へ曲げられた舌状体17は対応して考慮された工具を利用して再度打ちつけられ、前記第2のステップにおいて凹部11の第2の凹部ステップ16の中へ嵌入される;前記第2のステップにおいて舌状体17の狭い首部領域12は、第1の凹部ステップ15と第2の凹部ステップ16の間の間隔に相当する段部18に変形され、かつ舌状体17の狭い首部領域12の中へ段部18の成形によってそれぞれ狭い首部領域12の短縮長さが始まる限り、第2の凹部ステップ16は第1の凹部ステップ15に対してまさに段部18の成形によって生じる短縮長さの寸法だけ半径方向にずらされており、その結果、第2の凹部ステップ16の中への舌状体18の嵌入後でも舌状体17と凹部11の間に完全な形状嵌合が付与されている。
【0017】
前記明細書、特許請求の範囲、要約書および図面に開示された本書類の目的の特徴は、個別的にまた相互の任意の組合せにおいても本発明の実現のためにその種々の実施形態において本質的であるとすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両アセンブリ、特に、たとえば製造者エンブレムの支持体として前記車両アセンブリに固定されたプレートを備えるエアバッグカバー体において、
前記プレートは、前記車両アセンブリの周囲にわたって配置された舌状体によって、車両アセンブリを介して前記車両アセンブリに設けられた開口部の中に達し、
前記舌状体は、前記車両アセンブリの裏面側に適合させて成形された凹部の中において、前記開口部と前記凹部との間にある曲げ縁部で曲げられている、車両アセンブリであって、
前記車両アセンブリ(10)内の開口部(20)を通して到達する狭い首部領域(12)から出発し、前記舌状体(17)の少なくとも1つがその自由端に断面拡大部(13)を具備しており、前記車両アセンブリ(10)に形成された凹部(11)が少なくとも1つの舌状体(17)の輪郭に相当する形状を有することを特徴とする車両アセンブリ。
【請求項2】
舌状体(17)が狭い首部領域(12)と矢尖端状の拡大部(13)とを備える全体的に矢形の輪郭を有することを特徴とする、請求項1に記載の車両アセンブリ。
【請求項3】
凹部(11)が車両アセンブリ(10)内に2段階で、第1のステップで曲げ縁部(21)で曲げられた舌状体(17)の収容に利用される第1の外部のステップ(15)と、それに内部へ突出する、第2のステップで凹部(11)の前記第2のステップ(16)へ嵌入される舌状体(17)を収容するための第2のステップ(16)とによって形成されており、前記舌状体(17)の狭い首部領域(12)が前記第2のステップで第1の凹部ステップ(15)と第2の凹部ステップ(16)の間の間隔に相当する段部(18)に変形されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両アセンブリ。
【請求項4】
第2の凹部ステップ(16)が第1の凹部ステップ(15)に対して半径方向に曲げ縁部(21)の方向へ前記段部(18)の成形によって生じる舌状体(17)の狭い首部領域(12)の短縮長さの寸法だけずれていることを特徴とする、請求項3に記載の車両アセンブリ。
【請求項5】
プレートに設けられた全ての舌状体(17)が狭い首部領域(12)およびその自由端に断面拡大部(13)を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−523611(P2011−523611A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512026(P2011−512026)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004026
【国際公開番号】WO2009/146920
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(510136301)オートリブ ディベロップメント エービー (46)
【Fターム(参考)】