説明

エアバッグ装置

【課題】エアバッグの展開時に、ディフューザからエアバッグの膨張部内に安定してガスを放出させる。
【解決手段】エアバッグ10は、ガスにより膨張する膨張部30を有する。インフレータ2は、エアバッグ10内でガスを発生する。ディフューザ50は、インフレータ2を囲んで配置されて、ガスを膨張部30内で放出する。ディフューザ50のガス放出部55A、55Bは、膨張部30内に配置される。接合片52A、52Bは、ガス放出部55A、55Bに設けられて、エアバッグ10に接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両内でエアバッグを膨張展開させて、エアバッグにより乗員を保護するエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の緊急時や衝突時に乗員を保護するため、エアバッグ装置が使用されている。エアバッグ装置は、インフレータが発生するガスによりエアバッグを膨張展開させる。乗員は、エアバッグにより受け止められて保護される。従来、整流布内にインフレータを配置し、ガスを整流布で整流するエアバッグが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
従来のエアバッグでは、整流布は、エアバッグの接続口部に挿入されて、エアバッグの膨張部内に組み付けられる。整流布は、V字状に形成されたディフューザである。エアバッグの展開時に、整流布は、膨張部内において、2つのガス放出部からガスを2方向に放出する。ところが、ガス放出部は、ガスの勢いで激しく動くことがある。その結果、ガスの放出方向が変動して、膨張部内への安定したガスの放出が妨げられる虞がある。また、ガス放出部の動きが大きくなると、エアバッグがダメージを受ける虞もある。従って、エアバッグの破損を防止する観点からも、ガス放出部の動きを抑制する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−56977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、エアバッグの展開時に、ディフューザからエアバッグの膨張部内に安定してガスを放出させることである。また、他の目的は、ディフューザによりエアバッグが破損するのを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ガスにより膨張する膨張部を有するエアバッグと、エアバッグ内でガスを発生するインフレータと、インフレータを囲んで配置されてガスを膨張部内で放出するディフューザとを備えたエアバッグ装置であって、ディフューザが、膨張部内に配置されたガス放出部と、ガス放出部に設けられてエアバッグに接合された接合片とを有するエアバッグ装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、エアバッグの展開時に、ディフューザからエアバッグの膨張部内に安定してガスを放出させることができる。また、ディフューザによりエアバッグが破損するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態のエアバッグ装置を示す図である。
【図2】展開したエアバッグを示す正面図である。
【図3】形成前後のディフューザを示す図である。
【図4】形成前のエアバッグを示す正面図である。
【図5】ディフューザとエアバッグの挿入部を示す図である。
【図6】エアバッグに組み付けたディフューザを示す図である。
【図7】図6の接合部付近を示す拡大図である。
【図8】ディフューザと挿入部の断面図である。
【図9】インフレータの組み付け後のエアバッグを示す図である。
【図10】エアバッグに組み付けるインフレータを示す図である。
【図11】エアバッグに組み付けるインフレータを示す図である。
【図12】膨張展開したエアバッグを示す正面図である。
【図13】挿入部とディフューザの接合部を示す拡大図である。
【図14】他の実施形態のディフューザを示す図である。
【図15】他の実施形態のディフューザを示す図である。
【図16】他の実施形態のディフューザを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のエアバッグ装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態では、車両内でエアバッグをカーテン状に展開させるカーテンエアバッグ装置(以下、単にエアバッグ装置という)を例に採り説明する。エアバッグ装置は、車両内に搭載されて、膨張展開するエアバッグにより乗員を受け止めて保護する。
【0010】
図1は、本実施形態のエアバッグ装置を示す図である。図1では、車両90に搭載したエアバッグ装置1を車室内から見て示している。また、車両90の側壁91とエアバッグ装置1を、車両90の後方側を省略して、かつ、車両90の幅方向から見て模式的に示している。エアバッグ装置1は、車両90の内面を透視して示している。
なお、本発明では、車両90における前方と後方を単に前方と後方といい、車両90における前後方向を単に前後方向という。また、車両90における上方と下方を単に上方と下方といい、車両90における上下方向を単に上下方向という。
【0011】
車両90は、図示のように、車室内の側壁91に、上方のルーフレール92、前方のフロントピラー(Aピラー)93、センターピラー(Bピラー)94、及び、後方のリアピラー(Cピラー)(図示せず)を有する。また、車両90は、前部ドア95と、後部ドア96と、ドア95、96に設けられた窓部97、98とを備えている。
【0012】
エアバッグ装置1は、エアバッグ(カーテンエアバッグ)10と、筒状のインフレータ2とを備えている。エアバッグ装置1は、車体に取り付けられたトリムとヘッドライニング(図示せず)の内部に配置される。エアバッグ10は、膨張展開できるように折り畳まれて、車両90内に取り付けられる。また、エアバッグ10は、細長く折り畳まれて、側壁91の上部に沿って配置される。エアバッグ10は、前後方向に沿ってルーフレール92に取り付けられて、リアピラーからフロントピラー93まで配置される。折り畳まれたエアバッグ10は、固定手段(図示せず)により、車体に固定される。エアバッグ10の前方部11は、フロントピラー93に取り付けられる。
【0013】
インフレータ2は、シリンダタイプのガス発生装置である。インフレータ2は、エアバッグ10内に挿入されて、エアバッグ10内でガスを発生する。また、インフレータ2は、センターピラー94の上方に配置されて、ルーフレール92に取り付けられる。インフレータ2は、固定手段(図示せず)により、車体に固定される。車両緊急時や衝撃検知時に、インフレータ2は、ガスを発生して、エアバッグ10にガスを供給する。このガスにより、エアバッグ10を、側壁91の上部から下方に向かってカーテン状に膨張展開させる。
【0014】
図2は、展開したエアバッグ10を示す正面図である。
エアバッグ10は、図示のように、矩形状の袋体であり、例えば、樹脂を被覆した布からなる基布により製造される。ここでは、エアバッグ10は、乗員側の表基布(表パネル)12と、側壁91側の裏基布(裏パネル)13とを有する。また、エアバッグ10は、連結ベルト20と、複数(図2では、6つ)の固定布21〜26と、筒状の挿入部40と、ディフューザ50とを有する。挿入部40内には、インフレータ2(図2では図示せず)が挿入される。
【0015】
エアバッグ10の前方端は、連結ベルト20によりフロントピラー93に連結される。複数の固定布21〜26は、矩形状をなし、エアバッグ10の上方の縁(上縁という)に一体に形成されている。連結ベルト20と固定布21〜26は、ボルト等からなる固定手段(図示せず)により、フロントピラー93とルーフレール92に固定される。
【0016】
表基布12と裏基布13は、同じ形状に形成され、重ね合わせて、外縁接合部15に沿って接合される。外縁接合部15は、エアバッグ10を区画して、基布12、13の間に膨張部30を形成する。膨張部30は、インフレータ2が発生するガスにより膨張する。外縁接合部15は、膨張部30の外縁形状を規定する。基布12、13は、外縁接合部15で、縫製により接合される。基布12、13は、外縁接合部15に沿って1周又は複数周縫製されて、気密状に接合される。
【0017】
エアバッグ10には、外縁接合部15により、前膨張部31、後膨張部32、及び、連結膨張部33が形成される。膨張部31〜33は、それぞれ矩形状をなし、全体としてエアバッグ10の膨張部30を構成する。前膨張部31は、膨張部31〜33中で前後方向に最も長く形成されて、エアバッグ10内で前方に配置される。前膨張部31は、前部ドア95の窓部97とセンターピラー94の側方で膨張して、主に前席の乗員を受け止める。
【0018】
後膨張部32は、前膨張部31よりも前後方向に短く形成されて、エアバッグ10内で後方に配置される。後膨張部32は、後部ドア96の上方で膨張して、主に後席の乗員を受け止める。連結膨張部33は、他の膨張部31、32よりも上下方向に狭く形成される。連結膨張部33は、エアバッグ10の上縁で、前膨張部31と後膨張部32の間に設けられて、膨張部31、32を連結する。3つの膨張部31〜33の間には、非膨張部34が、エアバッグ10の下方の縁(下縁という)から上方に向かって形成される。非膨張部34は、膨張部30の外に設けられる。
【0019】
エアバッグ10は、膨張部30内に、第1〜第4の内部接合部16〜19を有する。基布12、13は、複数の内部接合部16〜19で、縫製により接合される。内部接合部16〜19の先端は、膨張部30内で環状(環状部16A〜19A)に接合される。複数の内部接合部16〜19は、前後方向に離して配置され、膨張部30内にガスの流通部と気室を形成する。第1と第2の内部接合部16、17は、前膨張部31に第1と第2の気室35、36を形成する。第4の内部接合部19は、後膨張部32に第3の気室37を形成する。
【0020】
挿入部40は、エアバッグ10内にガスを供給するための開口部(ガス供給部)である。挿入部40は、エアバッグ10の前後方向の中間に形成され、前膨張部31の後方端に開口する。基布12、13は、挿入部40において、エアバッグ10の上縁から斜め上方に突出する。基布12、13の縁部は、先端の挿入口41を除いて、外縁接合部15から連続して接合される。これにより、挿入部40は、両端が開口した筒状に形成され、エアバッグ10の上縁に一体に設けられる。
【0021】
挿入部40は、膨張部30から直線状に突出するとともに、エアバッグ10の長手方向に対して所定の角度αで傾斜する。角度αは、エアバッグ10を平面上に拡げた状態で、挿入部40の延びる方向とエアバッグ10の長手方向との間の角度である。ここでは、挿入部40の角度αは、30度〜60度の角度に設定される。挿入部40の内部は、一端の挿入口41でエアバッグ10の外部に繋がり、他端で膨張部30の内部と繋がる。インフレータ2は、挿入口41から挿入部40に挿入されて、エアバッグ10内に配置される。ただし、挿入部40には、ディフューザ50の一部が予め配置される。即ち、挿入部40の内部には、ディフューザ50が配置されるとともに、インフレータ2が挿入される。インフレータ2は、ディフューザ50内に配置される。ディフューザ50は、エアバッグ10内で、挿入部40から膨張部30まで配置される。
【0022】
図3に、形成前後のディフューザ50を示す。図3Aは、形成前のディフューザ50の展開図である。図3Bは、形成後のディフューザ50の正面図である。
ディフューザ50は、インフレータ2が発生するガスを整流する整流部材であり、複数に分岐した筒状部材からなる。ディフューザ50は、可撓性を有する部材、又は、変形自在な部材からなる。本実施形態では、ディフューザ50は、変形自在な基布51からなる。ディフューザ50は、折り返した基布51を縫製により接合して形成される。
【0023】
ディフューザ50用の基布51は、図示のように、矩形状の中央部51Aと、傾斜した一対の翼状部51Bと、接合片52A、52Bからなる。一対の翼状部51Bは、中央部51Aの側縁に一体に形成され、中央部51Aから逆方向に突出する。基布51は、所定の折り返し線Lで折り返される。その際、基布51は、幅方向(図3では上下方向)の中心線で折り返される。
【0024】
折り返し線Lの両側の基布51C、51Dは、縁を揃えて重ね合わされる。翼状部51Bは、一方の基布51Cで他方の基布51Dよりも長く形成されている。接合片52A、52Bは、それぞれ矩形状に形成されたタブである。接合片52A、52Bは、基布51C、51Dの長手方向の両端部に設けられる。また、接合片52A、52Bは、折り返し線Lの両側で、基布51C、51Dの縁から突出する。基布51C、51Dを重ね合わせたときに、接合片52A、52Bが、それぞれ重なる。
【0025】
基布51C、51Dは、重ね合わせた後、縁に沿う2箇所の接合部51E、51F(図3B参照)で接合される。接合部51E、51Fは、基布51C、51Dの間を塞ぐ。ディフューザ50は、重ね合わせた基布51を接合して筒状に形成される。接合により、ディフューザ50内に、ガス流路53が形成される。また、ディフューザ50は、インフレータ2の収容部54と、複数(図3では2つ)のガス放出部55A、55Bと、ガス放出口56A、56Bと、外片57、58とを有する。
【0026】
収容部54は、一対の翼状部51Bを接合して筒状に形成される。収容部54の一端には、インフレータ2の挿入口54Aが設けられる。インフレータ2は、挿入口54Aからディフューザ50内(収容部54)に挿入される。収容部54は、インフレータ2の先端部を収容する。ガス流路53は、ディフューザ50の内部空間であり、収容部54からガス放出部55A、55Bまで形成される。インフレータ2は、収容部54内のガス流路53に挿入される。ガス流路53は、ディフューザ50内で分岐して、複数のガス放出部55A、55Bに繋がる。
【0027】
第1と第2のガス放出部55A、55Bは、折り返した中央部51Aの両端部に設けられる。収容部54とガス流路53は、2つのガス放出部55A、55Bの間に位置する。ガス流路53は、2つのガス放出部55A、55Bに向かって2つに分岐して、ガスをガス放出部55A、55Bへ案内する。ガス放出口56A、56Bは、ディフューザ50に設けられた開口であり、ガス放出部55A、55Bの端部に位置する。ガス放出口56A、56Bは、ディフューザ50の前後方向の端部で、逆方向に向かって開放している。接合片52A、52Bは、それぞれ2つの矩形状片が重なる状態で、ガス放出部55A、55Bの端部に一体に形成される。接合片52A、52Bは、ガス放出部55A、55Bの端部で同じ方向に突出する。
【0028】
インフレータ2が収容部54内でガスを発生すると、ガスは、ガス流路53により複数のガス放出部55A、55Bへ案内される。ガスは、ガス流路53を通って、ガス放出部55A、55Bのガス放出口56A、56Bから放出される。ガス放出部55A、55Bは、ディフューザ50内のガスをエアバッグ10内に放出する。ガスは、複数のガス放出部55A、55Bから、相異なる所定方向(ここでは、逆方向)に向かって放出される。
【0029】
外片57、58は、ディフューザ50の端部に設けられた舌状部材(舌部)であり、ディフューザ50の外方に突出する。ディフューザ50をエアバッグ10内に配置したときに、外片57、58は、挿入部40の内部に配置されずに、挿入部40及びエアバッグ10の外部に配置される。外片57、58は、矩形状をなし、収容部54の先端部に一体に形成される。第1の外片57は、一方の基布51Cに設けられ、収容部54と同じ幅に形成される。第2の外片58は、他方の基布51Dに設けられ、第1の外片57よりも小さく形成される。第2の外片58は、第1の外片57内の位置で、第1の外片57と対向する。
【0030】
次に、エアバッグ10の形成手順を説明する。
図4は、形成前のエアバッグ10を示す正面図である。
まず、図示のように、エアバッグ10用の基布12、13を重ね合わせる。ディフューザ50は、基布12、13の間に挟み込み、所定位置に配置する(図2参照)。次に、対向する基布12、13を外縁接合部15で接合して、基布12、13間に膨張部30を形成する。また、基布12、13を内部接合部16〜19で接合し、連結ベルト20をエアバッグ10に取り付ける。ディフューザ50は、外縁接合部15での接合に伴い、エアバッグ10に組み付けられる。以下、ディフューザ50の組み付けについて、詳しく説明する。
【0031】
図5は、ディフューザ50とエアバッグ10の挿入部40を示す図である。図5Aは、組み付け前のディフューザ50と接合前のエアバッグ10を示している。図5Bは、図5Aの矢視X−X線で見た挿入部40の断面図である。
挿入部40は、図示のように、ディフューザ50の外片57、58と同様に形成された突片42、43を有する。突片42、43は、挿入部40の端部に設けられた舌状部材であり、挿入部40の外方に突出する。突片42、43は、矩形状をなし、挿入部40の端部に一体に形成される。第1の突片42は、エアバッグ10の裏基布13に設けられ、挿入部40と同じ幅に形成される。第2の突片43は、表基布12に設けられ、第1の突片42よりも小さく形成される。第2の突片43は、第1の突片42内の位置で、第1の突片42と対向する。
【0032】
挿入部40とディフューザ50は、それぞれ2つの連結孔44、59を有する。挿入部40とディフューザ50は、後述するように、連結孔44、59によりインフレータ2と連結する。連結孔44、59は、挿入部40の突片42とディフューザ50の外片57に、円形状に形成されている。ディフューザ50の2つの連結孔59は、収容部54の長手方向に沿って配置されている。挿入部40の2つの連結孔44は、ディフューザ50の2つの連結孔59と同じ間隔に配置されている。ディフューザ50は、連結孔59、44の位置が合うように、基布12、13の間に配置される。
【0033】
図6は、エアバッグ10に組み付けたディフューザ50を示す図である。図6A、図6Cは、エアバッグ10とディフューザ50の正面図である。図6Bは、図6Aの矢視Y−Y線で見たエアバッグ10とディフューザ50の断面図である。
基布12、13の接合前に、図6A、図6Bに示すように、ディフューザ50を、基布12、13の間の所定位置に予め配置する。ディフューザ50の収容部54は、挿入部40の位置に配置する。ディフューザ50の端部は、挿入部40の端部に合わせる。ディフューザ50のガス放出部55A、55Bは、膨張部30の位置に配置する。その後、基布12、13を外縁接合部15で接合する。
【0034】
基布12、13は、ディフューザ50の縁に沿って接合される。これにより、収容部54が、エアバッグ10の挿入部40内に配置される。ガス放出部55A、55Bとガス放出口56A、56Bは、エアバッグ10の膨張部30内に配置される。ガス流路53は、挿入部40から膨張部30まで配置される。連結孔59、44は、重ねて配置されて、ディフューザ50と挿入部40を貫通する。挿入部40の突片42、43は、それぞれディフューザ50の外片57、58に重なる。
【0035】
エアバッグ10の外縁接合部15は、ディフューザ50に重ならないように、ディフューザ50の外側に設けられる。ただし、ディフューザ50の接合片52A、52Bのみが、外縁接合部15の位置に配置される。エアバッグ10の基布12、13を接合するときに、接合片52A、52Bは、外縁接合部15でエアバッグ10(基布12、13)に接合される。接合片52A、52Bは、基布12、13間で、基布12、13とともに接合される。即ち、接合片52A、52Bは、基布12、13の縫製と同時に、外縁接合部15で基布12、13に縫い合わされる。
【0036】
接合片52A、52Bは、ガス放出部55A、55Bの端部に設けられている。接合片52A、52Bは、エアバッグ10に接合されて、ガス放出部55A、55Bをエアバッグ10に連結する。ガス放出部55A、55Bは、接合片52A、52Bにより、エアバッグ10に留められて、エアバッグ10と一体になる。その際、接合片52A、52Bにより、ガス放出部55A、55Bの端部が、エアバッグ10に取り付けられる。
【0037】
次に、ディフューザ50と挿入部40を、図6Cに示すように、外片57、58と突片42、43で接合する。外片57、58と突片42、43は、接合部45、46で縫製により接合される。これにより、ディフューザ50がエアバッグ10に組み付けられる。ディフューザ50は、接合片52A、52Bと外片57、58のみによりエアバッグ10に接合される。ディフューザ50内で、接合片52A、52Bと外片57、58以外の部分は、エアバッグ10に接合されない。収容部54は、挿入部40とディフューザ50の間に隙間ができるように、挿入部40の内部の幅H1よりも狭い幅H2に形成される。
【0038】
ディフューザ50と挿入部40は、接合部45、46での接合により、挿入口41の周囲で一体になる。これにより、ディフューザ50が、挿入部40に設けられた挿入口41で、挿入部40に接合される。また、ディフューザ50と挿入部40は、一体化して補強される。ディフューザ50と挿入部40は、外力を単独で受けずに、共同して外力を受ける。その結果、ディフューザ50と挿入部40は、外力に対する強度が高くなり、破れ難くなる。このように、接合部45、46は、ディフューザ50と挿入部40を補強する補強部(補強縫製)である。
【0039】
図7は、接合部45、46の付近を示す拡大図である。図8は、ディフューザ50と挿入部40の断面図である。図8A〜図8Dは、それぞれ図7の矢視Z1−Z1〜Z4−Z4線で見た断面図を示している。
図7に示すように、接合部45、46で、対をなすディフューザ50の外片57、58と挿入部40の突片42、43が縫い合わされる。ディフューザ50と挿入部40は、2つの連結孔59の間の部分(接合部45)において接合される。
【0040】
第1の外片57及び突片42は、中央に位置する接合部45で、収容部54の幅方向に沿って縫い合わされる(図8A参照)。第2の外片58及び突片43は、中央に位置する接合部46で、収容部54の幅方向に沿って縫い合わされる(図8B参照)。挿入部40の内部(図8C参照)では、ディフューザ50が、挿入部40に接合されずに、挿入部40内に配置される。インフレータ2は、ディフューザ50の挿入口54A(図8D参照)から収容部54(ガス流路53)に挿入されて、エアバッグ10に組み付けられる。
【0041】
図9は、インフレータ2の組み付け後のエアバッグ10を示す図である。
ディフューザ50は、図示のように、下方の第3の内部接合部18から離れた位置に配置される。ディフューザ50は、第3の内部接合部18と接することなくエアバッグ10に部分的に接合される。インフレータ2は、ディフューザ50内に挿入されて、ディフューザ50とエアバッグ10に組み付けられる。
【0042】
図10、図11は、エアバッグ10に組み付けるインフレータ2を示す図である。図10、図11では、インフレータ2と挿入部40を拡大して示す。
インフレータ2は、図10Aに示すように、複数のガスの噴出口2Aと、2つの連結部材2Bとを有する。噴出口2Aは、インフレータ2の長手方向の一端部で、インフレータ2の外周全体に配置されている。インフレータ2は、複数の噴出口2Aからガスを放射状に噴出する。2つの連結部材2Bは、インフレータ2の長手方向に離して配置されて、インフレータ2に固定されている。連結部材2Bは、ボルトであり、インフレータ2の側方に突出する。例えば、連結部材2Bは、溶接によりインフレータ2に一体に固定される。上記した連結孔44、59は、連結部材2Bの間隔と同じ間隔で形成されている。
【0043】
インフレータ2の挿入時には、図10Bに示すように、突片42、43と外片57、58により、ディフューザ50の挿入口54Aを広げる。その際、突片42、43と外片57、58を持って、挿入口54Aを広げる。又は、突片42、43と外片57、58を押して、挿入口54Aを広げる。即ち、突片42、43と外片57、58を動かして、挿入口54Aを開く。インフレータ2を、開いた挿入口54Aからディフューザ50の内部に挿入して、ディフューザ50内に配置する。また、インフレータ2を、図11Aに示すように、少なくとも噴出口2Aが収容部54内に位置するように、収容部54に挿入する。これにより、インフレータ2の先端部を含む所定範囲を、ディフューザ50(収容部54)内に配置する。
【0044】
次に、図11Bに示すように、ディフューザ50と挿入部40をインフレータ2に巻き付ける。その際、接合された突片42と外片57を、インフレータ2の外周に巻き付ける。同時に、インフレータ2の連結部材2Bを、ディフューザ50と挿入部40を貫通する連結孔44、59に挿入する。連結部材2Bは、インフレータ2をディフューザ50と挿入部40に連結する。
【0045】
続いて、突片42と外片57でインフレータ2を包み、図11Cに示すように、バンド3を挿入部40の外周に配置する。挿入部40とディフューザ50は、バンド3で締め付けられて、インフレータ2に気密状に固定される。これにより、インフレータ2がディフューザ50及び挿入部40に組み付けられる。ディフューザ50は、噴出口2Aが設けられたインフレータ2のガス噴出部(ガス発生部)を囲む。その後、エアバッグ装置1は、車両90に搭載される。エアバッグ装置1は、作動信号を受信したときにインフレータ2を作動させて、エアバッグ10を膨張展開させる。
【0046】
図12は、膨張展開したエアバッグ10を示す正面図である。図12では、エアバッグ10内のガスの流れを矢印で示している。
インフレータ2は、図示のように、前後方向に沿うように車体に取り付けられる。これに伴い、挿入部40とディフューザ50が曲げられる。インフレータ2は、ディフューザ50内でガスを発生して、エアバッグ10内にガスを供給する。供給されるガスにより、膨張部30が膨張して、エアバッグ10が、折り畳み形状を解消しつつカーテン状に展開する。
【0047】
ディフューザ50は、エアバッグ10内でインフレータ2を囲んで配置されており、最初に膨張を開始する。また、ディフューザ50は、インフレータ2が発生するガスを、膨張部30内でガス放出部55A、55Bから放出する。ディフューザ50は、ガスを膨張部30へ流出して、膨張部30へガスを連続して供給する。その際、ガス放出部55A、55Bは、膨張部30内で、ガスをガス放出口56A、56Bから所定方向へ向かって放出する。ディフューザ50は、複数のガス放出部55A、55Bにより、ガスを膨張部30内で複数方向に分配する。
【0048】
インフレータ2が発生するガスは、ディフューザ50を通って分岐して、前後方向に分配される。ガスは、前膨張部31へ供給されるとともに、連結膨張部33を通って後膨張部32へ供給される。これにより、エアバッグ10(図1参照)が、側壁91を覆うように膨張展開して、窓部97、98を塞ぐ。エアバッグ10は、前席と後席の乗員を受け止めて、乗員の頭部を中心に保護する。
【0049】
以上説明したように、本実施形態では、接合片52A、52Bを、ディフューザ50のガス放出部55A、55Bに設けて、エアバッグ10に接合する。これにより、ガス放出部55A、55Bをエアバッグ10に連結できるとともに、ガス放出部55A、55Bとエアバッグ10を一体にできる。ガス放出部55A、55Bからガスが放出されるときには、ガス放出部55A、55Bの動きを抑制できる。ガス放出部55A、55Bの位置を膨張部30内の所定位置に維持することもできる。ガス放出部55A、55Bが激しく動くのを防止できるため、ガスの放出方向の変動を小さくできる。その結果、エアバッグ10の展開時に、ディフューザ50から膨張部30内に安定してガスを放出させることができる。また、ディフューザ50によりエアバッグ10が破損するのを防止できる。
【0050】
接合片52A、52Bを外縁接合部15で基布12、13に接合したため、基布12、13と接合片52A、52Bを同時に接合できる。また、接合片52A、52Bの接合に要する手間と工数を削減できるため、作業効率を向上できる。接合片52A、52Bの接合をし忘れるのを防止できるため、接合片52A、52Bをエアバッグ10に確実に接合できる。
【0051】
ディフューザ50は、ガス放出部55A、55Bの端部に位置するガス放出口56A、56Bを有する。接合片52A、52Bは、ガス放出部55A、55Bの端部に設けられており、ガス放出部55A、55Bの端部がエアバッグ10に取り付けられる。これにより、ガス放出部55A、55Bの動きを、最も動き易いガス放出口56A、56Bの部分で抑制できる。また、ガス放出部55A、55Bの激しい動きを効果的に防止できるため、ガスの放出を安定させる効果が高くなる。エアバッグ10の破損を、より確実に防止することもできる。接合片52A、52Bを小さくしても充分な効果が得られる。接合片52A、52Bを小さくすることで、接合片52A、52Bの接合範囲を小さくできる。そのため、接合時の作業効率を向上できる。また、基布の使用量を削減できるため、エアバッグ10のコストを削減できる。
【0052】
ディフューザ50を挿入口41で挿入部40に接合したため、インフレータ2は、ディフューザ50と挿入部40の間に挿入されず、ディフューザ50に確実に挿入される。その結果、インフレータ2の誤挿入を防止できる。また、ディフューザ50と挿入部40のズレを防止できるため、インフレータ2をディフューザ50に容易に挿入できる。接合に伴い、ディフューザ50と挿入部40を上記したように補強できる。ガス圧によりディフューザ50と挿入部40がズレるのを防止することもできる。
【0053】
挿入部40の突片42、43とディフューザ50の外片57、58により、インフレータ2をディフューザ50に容易に挿入できる。そのため、挿入の作業効率が高くなる。突片42、43と外片57、58を縫い合わせることで、挿入部40とディフューザ50の接合を簡単に行える。突片42と外片57は、かさばらず、かつ、インフレータ2に巻き付け易いため、巻付作業も容易になる。また、突片42と外片57は、インフレータ2にコンパクトに巻き付けることができる。
【0054】
連結部材2Bと連結孔44、59により、インフレータ2をディフューザ50と挿入部40に連結する。そのため、インフレータ2、ディフューザ50、及び、挿入部40の位置の変化を抑制できる。また、エアバッグ10の展開時に、ディフューザ50と挿入部40が連結部材2Bに引っ掛かるため、インフレータ2がディフューザ50と挿入部40から抜けるのを防止できる。即ち、ディフューザ50と挿入部40がインフレータ2から外れることがない。連結孔44、59を、突片42と外片57に形成するときには、連結部材2Bを連結孔44、59に挿入し易くなる。
【0055】
ディフューザ50と挿入部40を接合部45で接合することで、連結孔44、59の付近を補強できる。その結果、ディフューザ50と挿入部40が、連結孔44、59の付近で破れ難くなる。インフレータ2は、連結部材2Bと連結孔44、59により、ディフューザ50と挿入部40に連結された状態に維持される。従って、インフレータ2がディフューザ50と挿入部40から抜けるのを、より確実に防止できる。
【0056】
ディフューザ50を、可撓性を有する部材、又は、変形自在な部材から形成したため、ディフューザ50を容易に変形させることができる。これにより、ディフューザ50の折り畳みや曲げが容易になるため、エアバッグ10を車体に取り付け易くなる。挿入部40内に位置するディフューザ50を変形させ、又は、曲げたときでも、膨張部30内に位置するディフューザ50は、挿入部40内での変形や曲げの影響を受け難い。その結果、ガス放出部55A、55Bの位置が、膨張部30内で維持されるため、ガス放出部55A、55Bから膨張部30内にガスを確実に放出できる。ガス放出部55A、55Bにより、膨張部30内でガスを所定方向に精度よく分配することもできる。
【0057】
エアバッグ10の形状や構成によらず、ディフューザ50のみにより膨張部30内でガスを放出又は分配できる。インフレータ2からガスが放射状に噴出するときでも、ガスを、ディフューザ50のガス流路53を流れる間に整流及び案内できるため、ガスを膨張部30に適宜供給できる。重ね合わせた基布51を接合してディフューザ50を形成することで、ディフューザ50を簡単に作製できる。
【0058】
挿入部40は、ディフューザ50のガスが流れる部分と接合されないため、ディフューザ50の動きや圧力の影響を受け難い。そのため、挿入部40の破損を防止できる。なお、ディフューザ50の挿入部40内に位置する部分(収容部54)は、挿入部40の内部の幅H1(図6C参照)よりも狭い幅H2に形成するのが好ましい。このように、ディフューザ50を挿入部40よりも小さく(細く)することで、ディフューザ50と挿入部40の間に隙間が設けられる。隙間により、インフレータ2の熱が、挿入部40へ伝達するのが抑制される。また、ディフューザ50の動きや圧力が挿入部40へ伝達するのが一層抑制される。その結果、挿入部40を保護する効果が高くなる。
【0059】
ディフューザ50は、エアバッグ10の基布12、13と同じ素材で作製してもよく、基布12、13とは異なる素材で作製してもよい。本実施形態では、ディフューザ50は、エアバッグ10の基布12、13よりも耐熱性が高い基布51からなる。例えば、ディフューザ50の基布51は、エアバッグ10の基布12、13よりも厚くする。また、基布51に被覆するシリコーンの量を、基布12、13に被覆するシリコーンの量よりも多くする。これにより、ディフューザ50の耐熱性を高くして、エアバッグ10を、インフレータ2が発生するガスや熱から保護する。
【0060】
連結部材2Bは、インフレータ2に1つ又は3つ以上設けるようにしてもよい。この場合には、連結孔44、59を、連結部材2Bの数に合わせて、1つ又は3つ以上形成する。また、インフレータ2に2つ以上の連結部材2Bを設けるときには、インフレータ2の先端側に位置する一部の連結部材2Bのみを連結孔44、59に挿入するようにしてもよい。インフレータ2の後端側に位置する連結部材2Bは、連結孔44、59に挿入せずに、ディフューザ50と挿入部40の外部に配置する。
【0061】
次に、接合部45、46の他の実施形態について説明する。
図13は、挿入部40とディフューザ50の接合部を示す拡大図である。
ここでは、挿入部40とディフューザ50は、図13Aに示すように、第2の突片43及び外片58を有さず、第1の突片42及び外片57を有する。第1の突片42及び外片57は、中央に位置する接合部60で、収容部54の幅方向に沿って縫い合わされる。また、挿入部40とディフューザ50は、挿入口41、54Aの部分に位置する接合部61で、収容部54の幅方向に沿って縫い合わされる。この場合には、第2の突片43及び外片58の分だけ、挿入部40とディフューザ50を小さくできるため、歩留まりを向上できる。
【0062】
挿入部40とディフューザ50は、図13Bに示すように、2つの連結孔59の間を斜めに横断する接合部62で縫い合わせるようにしてもよい。この接合部62では、仮に、インフレータ2を突片42と外片57の間に挿入したとしても、接合部62が、インフレータ2と一方の連結孔44、59の間に位置する。そのため、インフレータ2の一方の連結部材2Bが連結孔44、59に挿入できない。これより、インフレータ2の誤挿入を確実に発見できる。
【0063】
挿入部40とディフューザ50は、図13Cに示すように、矩形状の接合部63で縫い合わせてもよい。接合部63は、連結孔44、59を囲む縫製部である。接合部63は、連結孔44、59の周りで、連結孔44、59から所定距離(ここでは、10mm)離れた位置に設けられる。接合部63の両端部は、円弧状に形成される。この接合部63では、連結孔44、59の周りを補強できるため、連結孔44、59の部分の強度を高くできる。その結果、挿入部40とディフューザ50が、連結孔44、59の周りで破れ難くなる。インフレータ2がディフューザ50と挿入部40から抜けるのを、より確実に防止することもできる。また、インフレータ2を突片42と外片57の間に挿入したときでも、インフレータ2の両方の連結部材2Bを連結孔44、59に挿入できない。そのため、インフレータ2の誤挿入を確実に発見できる。
【0064】
挿入部40とディフューザ50は、図13Dに示すように、外片57の縁に沿う接合部64で縫い合わせてもよい。接合部64は、連結孔44、59を囲む矩形状の縫製部である。接合部64により、外片57の全体が突片42に接合される。接合部64により、インフレータ2を突片42と外片57の間に挿入できないため、インフレータ2の誤挿入を防止できる。図13に示す各実施形態では、挿入部40とディフューザ50に第2の突片43及び外片58を設けて、第2の突片43及び外片58を接合するようにしてもよい。
【0065】
なお、ディフューザ50の複数のガス放出口56(図6参照)は、同じ大きさに形成してもよく、異なる大きさに形成してもよい。ディフューザ50の収容部54は、挿入部40の幅H1と同じ幅H2に形成してもよい。また、ディフューザ50は、基布51を縫製して形成してもよく、ジャカード織により形成してもよい。ガス放出部55及びガス放出口56は、ディフューザ50に1つ、又は、3つ以上設けるようにしてもよい。ディフューザ50が、ガスを膨張部30内で分配する複数のガス放出部55を有するときには、接合片52は、複数のガス放出部55の全部に設けてもよく、一部に設けるようにしてもよい。
【0066】
図14〜図16に、他の実施形態のディフューザ70〜72を示す。図14〜図16では、ディフューザ70〜72を図3に対応させて示す。
ディフューザ70〜72は、基本的には、上記したディフューザ50(図3参照)と同様に構成されている。以下では、ディフューザ70〜72について、ディフューザ50とは異なる部分のみ説明する。
【0067】
図14に示すように、ディフューザ70では、接合片52Aを、第1のガス放出部55Aのみに設けている。第2のガス放出部55Bは、接合片52Bを有さず、第1のガス放出部55Aよりも短く形成されている。
図15に示すように、ディフューザ71では、接合片52Bを、第2のガス放出部55Bのみに設けている。第1のガス放出部55Aは、接合片52Aを有さず、第2のガス放出部55Bよりも短く形成されている。
このように、ガス放出部55の形状や動きの程度によっては、接合片52を一部のガス放出部55のみに設けるようにしてもよい。
【0068】
図3に示すディフューザ50では、接合片52A、52Bを、折り返し線Lの両側の基布51C、51Dに設けている。これに対し、図16に示すように、ディフューザ72では、接合片52A、52Bを、一方の基布51Cのみに設けている。即ち、接合片52A、52Bは、1つの部材であってもよく、重ねた複数の部材であってもよい。
【符号の説明】
【0069】
1・・・エアバッグ装置、2・・・インフレータ、2A・・・噴出口、2B・・・連結部材、3・・・バンド、10・・・エアバッグ、11・・・前方部、12・・・表基布、13・・・裏基布、15・・・外縁接合部、16〜19・・・内部接合部、20・・・連結ベルト、21〜26・・・固定布、30・・・膨張部、31・・・前膨張部、32・・・後膨張部、33・・・連結膨張部、34・・・非膨張部、35〜37・・・気室、40・・・挿入部、41・・・挿入口、42、43・・・突片、44・・・連結孔、45、46・・・接合部、50・・・ディフューザ、51・・・基布、52・・・接合片、53・・・ガス流路、54・・・収容部、54A・・・挿入口、55・・・ガス放出部、56・・・ガス放出口、57、58・・・外片、59・・・連結孔、60〜64・・・接合部、70〜72・・・ディフューザ、90・・・車両、91・・・側壁、92・・・ルーフレール、93・・・フロントピラー、94・・・センターピラー、95・・・前部ドア、96・・・後部ドア、97、98・・・窓部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスにより膨張する膨張部を有するエアバッグと、エアバッグ内でガスを発生するインフレータと、インフレータを囲んで配置されてガスを膨張部内で放出するディフューザとを備えたエアバッグ装置であって、
ディフューザが、膨張部内に配置されたガス放出部と、ガス放出部に設けられてエアバッグに接合された接合片とを有するエアバッグ装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたエアバッグ装置において、
ディフューザが、ガス放出部の端部に位置するガス放出口を有し、
接合片が、ガス放出部の端部に設けられて端部をエアバッグに取り付けるエアバッグ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたエアバッグ装置において、
エアバッグが、対向する基布を接合して基布間に膨張部を形成する接合部を有し、
接合片が、エアバッグの接合部で基布に接合されたエアバッグ装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
ディフューザが、ガスを膨張部内で分配する複数のガス放出部を有し、
接合片が、複数のガス放出部の一部又は全部に設けられたエアバッグ装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
エアバッグが、内部にディフューザが配置されるとともに、インフレータが挿入される挿入部を有し、
ディフューザが、インフレータが挿入され、ガス放出部に繋がるガス流路を有するエアバッグ装置。
【請求項6】
請求項5に記載されたエアバッグ装置において、
ディフューザが、エアバッグの挿入部に設けられた挿入口で挿入部に接合されたエアバッグ装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載されたエアバッグ装置において、
ディフューザが、挿入部の外部に配置される外片を有し、
挿入部が、ディフューザの外片に重なる突片を有するエアバッグ装置。
【請求項8】
請求項7に記載されたエアバッグ装置において、
ディフューザの外片と挿入部の突片を縫い合わせたエアバッグ装置。
【請求項9】
請求項5ないし8のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
ディフューザと挿入部を貫通する連結孔と、
インフレータに固定され、連結孔に挿入されて、インフレータをディフューザと挿入部に連結する連結部材と、
を有するエアバッグ装置。
【請求項10】
請求項9に記載されたエアバッグ装置において、
連結孔が、ディフューザの外片と挿入部の突片に形成されたエアバッグ装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載されたエアバッグ装置において、
ディフューザと挿入部が、連結孔を囲む縫製部で縫い合わされたエアバッグ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−240577(P2012−240577A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113678(P2011−113678)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000117135)芦森工業株式会社 (447)
【Fターム(参考)】