説明

エアー換気されるシューソール

中間ソール体(10)は、踵部(16)にエアー入口開口(22)を、そして、中間足部(24)及び/又は、丸く膨らんだ部分/つま先部(26)にエアー出口開口(28)を持つ。エアー入口開口(22)は、換気用溝(30)を介して、エアー出口開口(28)に接続されている。当該換気用溝はカバーによって覆われており、このカバーは張力がかかった歩行中にアウトソールの方向において伸縮自在な可撓性のものである。当該靴は、歩行中にシューソールを持つ靴の軸転運動、及び、熱がシューソールから除去されることによって強制的に換気される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、請求項1のプリアンブルに従うシューソール及び請求項13に従うシューソールを備えた歩行用具に関連する。
【背景技術】
【0002】
歩行用具のための特別なシューソールは、「マサイ ベアフット テクノロジー(Masai Barefoot Technology)」、省略するとMBTの名称によって知られており、スイス マサイ(Swiss Masai)というラベルでも知られている。
MBTの特徴的な外観は、歩行方向において凸状に丸められているシューソールの形態である。これは、「マサイ センサー(Masai Sensor)」として知られ、挿入されかつ柔軟な踵部を持つ。
シューソールの中間は補強要素を備える。これはシューソールに統合化されている「シャンク」として知られており、「シャンク」は柔軟なヒール部の上方部分でさえ実質的に曲げ剛性があるように中間ソールを補強する。このため、故意に柔らかくかつ安定化しない態様で作用させるMBT歩行用具のシューソールは、足が生理学上の運動の特徴である保持及び支持を失うことを意味する。この構造は、体位及び支持用の筋系の主要部分に衝撃を与える。安定化した立ち位置を維持しようとするとき、これらに絶えず必要とされる最小限補償するための足筋系の動き及びその適合性を考慮して、MBT歩行用具を装着することの、骨格の永続的な連携の訓練と仕事の追加部分を実行する効果を達成する。特に、怠けた筋肉がトレーニングされ、姿勢及び足取りのパターンが進化され、かつ、身体が強健かつシャープにされる。さらに、MBT歩行用具を装着することで、尻及び膝の関節を解放させるばかりでなく、背中、尻、脚若しくは足の不快感、関節、又は、筋肉、靭帯若しくは腱の損傷を緩和させる。一方、MBT歩行用具は、血の循環の改善、その結果として足温を導くが、一方で、シューソールはかなりの厚さを有し、それに対応し良好な断熱性を持つ。そのため、熱を除去することに伴って、より可能なシューソールを提供する要請がある。
【0003】
異なる構造のシューソール、特に運動靴のためのシューソールにも同様な要請がある。例えば、アディダス(登録商標)社からの「クライマクール(ClimaCool)」シリーズの靴は、ソールの上にエアー開口を持つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明の目的は、改善された熱除去特性を持つシューソールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、請求項1の特徴を持つシューソールによって達成される。
【0006】
中間ソール体は、踵領域に少なくとも一つのエアー入口開口、並びに、中間足領域、及び/又は、丸く膨らんだ部分/つま先領域にエアー出口開口を持つ。エアー入口開口及びエアー出口開口は、換気用溝の手段によって互いに接続される。換気用溝の手段は、中間ソール体の側面上のカバーによって覆われる。この中間ソール体はアウトソールから離れて対向し、すなわち、前記中間ソール体の上部側面上に面を形成している。このカバーは、歩行中に負荷がかかっているときに、アウトソールの方向において伸縮自在な弾性体である。カバーは弾性体なので、カバーは負荷が解放されると再び元の形態に戻る。
【0007】
その結果、歩行中の軸転運動は不可避的にシューソール内のエアーの一定の交換を生じさせ、かつ、このことが熱の発散を改善させる。それにより、強制化されるエアー換気は、エアー入口開口を通過し、シューソールに入り、かつエアー出口開口を再び通り過ぎるという効果を持ち、よって、足下で熱をもったエアーの堆積を反作用で打ち消す。換気用溝において熱くなったエアーは、連続的な軸転運動に対応するように踵が降ろされると、ソール又はカバーの圧縮力によってエアー出口開口を通過して強制的な力が加えられる。軸転運動の過程で、踵領域は負荷から開放される。このことによって、エアー入口開口を介して換気用溝に吸い込まれる新鮮なエアーを導く。この単純な機械的原理に最適な軸転運動及び関連する最適なエアー換気は、請求項9によるシューソールを用いて達成される。従来のシューソールでは、このような効率的なエアー換気が達成可能であるようには思えない。
【0008】
さらに、本発明によるシューソールの好適実施形態は、他の従属請求項において規定される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、図示されて例示された実施形態を基に、より詳細に説明される。図は単純で概略的なものである。
【図1】図1は、踵領域に二つのエアー入口開口を備えた、本発明によるシューソールの中間ソール体の平面図を示す。このエアー入口開口は、中間足領域と、丸く膨らんだ部分/つま先の領域の内側と外側のエアー出口開口に、換気用溝を介して流体接続されている。
【図2】図2は、アウトソールの方向に延在しかつ中間ソール体の上に形成されるエアー入口開口及びエアー出口開口を備えた、本発明によるシューソールの側面図である。ここで、中間ソール体は踵凹部を有し、そこでは、柔軟な踵部が形成されている。
【図3】図3は、同様に、中間ソール体の踵凹部に形成された柔軟な踵部と、エアー入口開口及びエアー出口開口を備えた、同様の本発明によるシューソールであるが、これは中間ソール体の上部周辺領域に配置されている他の実施形態の側面図を示す。
【図4】図4は、エアー透過可能な担持層と、末端の方から突出する二重の円錐形の弾力性のある支持要素を備える換気用溝のためのカバーの好適実施形態の透視図である。
【図5】図5は、図4のものと同一視される図であるが、同様に、エアー透過可能な担持層を持つが、弾性変形可能な、波形状の支持用ストリップがその担持層から突出しているカバーの他の好適実施形態である。
【図6】図6は、図4及び図5と同一視される図であるが、編まれたスペーサ用繊維として形成された支持層とエアー透過可能な担持層を備えた上記カバーのさらに特別な好適実施形態を示す。
【図7】図2によるシューソールの実施可能な実施形態の分解立体図を示す。
【図8】図2によるシューソールの他の実施可能な実施形態の側面図を示す。
【図9】図8によるシューソールの平面図を示す。ここでは、中間ソール体は透明であり、かつ、換気用溝は灰色で色付けされて示されている。
【図10】図10は、図8及び9による実施形態の補強用要素の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、中間ソール12の中間ソール体10の平面図を示す。中間ソール体10は、踵領域16の歩行方向Lから見て、シューソールの内側面18とシューソールの外部面20の両方の上で、後方部14に、各エアー入口開口22を持つ。シューソールの内側面18は、一対のその他のシューソールに対向する面を意味するものとして理解されるべきであり、かつ、シューソールの外側面20は、そこから離れて対向するシューソールの側面部を意味するものとして理解されるべきである。
【0011】
さらに、中間ソール体10は、中間の足領域24と各場合における丸く膨らんだ部分/つま先の領域26であって、シューソールの内側とシューソールの外側の両方の上に5つのエアー出口開口28を備えている。歩行方向Lから見て、中間足領域24は踵領域16に隣接し、かつ、丸く膨らんだ部分/つま先領域26は中間足領域24に隣接する。これらの領域のそれぞれはシューソールの長さの約3分の1より長く延在している。
【0012】
エアー入口開口22及びエアー出口開口28は、中間ソール体10の中央をへこませることによって形成される換気用溝30を介して互いに接続される。この溝は、踵領域16において、V形状に配置された2つの脚部34を備える踵部32を持つ。これらの脚部34のそれぞれは、2つのエアー入口開口22のいずれか1つを導く。踵部32に隣接して、換気用溝30は分配部36を持ち、その主な溝部38は、踵部32の脚部34に流体接続されており、かつ、靴Sの長手方向において丸く膨らんだ部分/つま先領域26まで延びている。靴Sの長手方向に対し直角の方向から見て、主な溝部38は、シューソールの内側面18の方向において、靴の長手方向の中央に対してオフセットされ、内側の足の甲の下に延びている。
【0013】
枝状溝部40は、主溝部38の両側から枝分かれしている。これらの枝状溝部40のそれぞれはエアー出口開口28の一つへ延びている。
【0014】
エアー入口開口22とエアー出口開口28の両方は、好ましくは少なくとも4mmの幅を持ち、かつ、静止状態の当該幅の、好ましくは2倍の長さを持つ。対応するように、換気用溝30はまた、靴の上底側の上であって上部表面42に対し直角の方向に測定されると、前記表面に対して好ましくは少なくとも4mmの深さを持つ。換気用溝30の幅は、あらゆる箇所で上記深さよりも好ましくは広くされており、さらに好ましくはその深さの少なくとも2倍である。
【0015】
表面42の側部では、換気用溝30は伸縮自在の弾性体のカバー52によって覆われている。これは、図1では示されていないが、その好適実施形態は図4から6に関連して記載されている。
【0016】
図2は、シューソールの中間ソール12の側面図を示す。この中間ソール12の中間ソール体10は踵領域16の後方部14の両側のそれぞれにエアー入口開口22を備えており、かつ、中間足領域24と丸く膨らんだ部分/つま先領域26にエアー出口開口28の全体を備えている。そして、これらは、靴Sの長手方向において1つの後にその他の一つといったように連続して配置され、かつそれらの斜面が付けられた方向と長さの結果から、瓦状に重なり合っている。エアー入口開口22及びエアー出口開口28は、図1に対応する方法で、換気用溝30によって互いに流体接続されている。この換気用溝は両側に4つの枝状溝部40を持つ。
【0017】
中間ソール体10は、アウトソール44に面する下部面上の踵のところに凹部46を持ち、そこには柔軟な踵部48が配置される。靴Sの長手方向から見て、この柔軟な踵部は、踵領域16の後方部14から中間ソール12の略中央に向けて延在し、かつ、凹凸レンズの態様で、少なくとも実質上一定の断面を備えた中間ソール12の全幅にわたり延びている。負荷のない状態では、柔軟な踵部48及び中間ソール体10は一定の形態でアウトソールを保持し、かかる一定の形態ではシューソールSの長手方向において連続した凸状の態様で丸められている。これはMBT歩行用具によって一般に知られているようなものである。柔軟な踵部48は約20mmで最も厚い。結果として、中間ソール体10の最も厚いところは約30mmである。
【0018】
中間ソール体10は周辺ビード50を持つ点が言及されるべきである。この周辺のビード50は表面42に対して上向きの方向に突出している。他方、ビードは中間ソール12をシューズの甲56に締結するように機能し、かつ、一方、前述のカバー52は表面42及びビード50により定められた凹部に配置されている。
【0019】
柔軟な踵部は好ましくは連続気泡のポリウレタンエラストマーフォーム(ピュア ショア 30 C(PUR Shore 30 C))から製造され、かつ、中間ソール体10は、ポリウレタンエラストマー(ピュア ショア 58 C)又はエチレンビニルアセテート(EVA)から製造される。このことは示されるすべての実施形態に適用する。図3は、シューソールの中間ソール体12を示す。これは図2によるものと同一に形成されるが、エアー入口開口22とエアー出口開口28を備え、これらは、中間ソール体10の上部周辺領域において、もう一方の後ろで、一列に延びかつオーバル形状である。ここでも、さらに、エアー入口開口22及びエアー出口開口28は、対応する換気用溝30を介して互いに接続されている。
【0020】
換気用溝30のための弾性変形可能なカバー52は好ましくはインソール54によって形成される。インソール54は、中間ソール体10の上部面42上に配置され、かつ、ビード50又はその上部が中間ソール体10に締結されている限り、面全体に延在し、かつ、ビード50に対し横たわる。
【0021】
図4に示されるインソール54の実施形態では、上部にエアー透過可能な担持層58を備え、そこから中間ソール体10の方に向かって嵌合されて、支持用要素60が下方向に突出する。中間ソール体10は、格子パターンで互いにある一定の距離をもって配置されている。これらの支持用要素は、好ましくは、二重の円錐体として形成されかつ弾性の合成材料から製造される。これらの長さ部において、最適にはこれらは中間ソール体10の凹部に一致する。嵌合された状態では、それらは、中間ソール体10上の自由端と共に安定状態にある。
【0022】
インソール54のさらなる実施形態は、図5に示されている。それは、同様にして、上部にエアー透過可能な担持層58を備える。波状かつ弾性変形可能な支持用ストリップ62は下に向かう方向でそれから突出している。これらのストリップは好ましくは面の状態に延びており、係る面は担持層58と直角かつ互いに平行に延在している。嵌合された状態で、支持用ストリップ62は、中間ソール体10上で担持層58から離れて対向する波頭と共に存在する。支持用要素60又は支持用ストリップ62は、結果として担持層58のための伸縮自在の弾性のある支持層64を形成する。
【0023】
図6に示されているインソール54の特に好ましい実施形態の場合には、支持層64は編まれたスペーサ用繊維体66の形態で作製される。その上部面は、エアー透過可能な担持層58を形成しかつ弾性変形可能な積み重ねられた糸を形成する。この糸はスペーサ糸として知られており、それらから下の方向に延びている。このタイプの編まれた繊維体は、例えば、ミューラー テクスタイル ゲーエムベーハー社(Muller Textil GnbH)、ヴィール−トラベンデルホーヘ(Wiehl−Drabenderhohe)(ドイツ国)所在、によって製造され、”3メッシュ”の名称で商取引されている。スペーサ繊維体66の実施形態で実現されているものは、例えば、欧州公開公報1775 362A及び欧州公開公報1860 218Aで開示されている。
【0024】
図2によるシューソールの好ましい実施形態の分解斜視図は、図7に示されている。中間ソール体10は踵用凹部46を備えている。柔軟な踵部48はこの場合には空間を充填する、踵用凹部46に挿入される。MBT歩行用具から知られているように、アウトソール44は中間ソール体10及び柔軟な踵部48に締結される。その結果、図2と図3を比較すると分かるように、それは凹部形状に維持される。例えば、それはゴムからなり、かつ55から65のショアーA硬度(Shore A hardness)を持つ。
【0025】
換気用挿入要素68、これは図7で中間ソール体10から脱着されるように示されているが、これは、中間ソール体に統合化される。平面図で観察すると、換気用挿入要素68は、U字形状を持つ。そして2つの平行な脚70、70’はシューソールSの長手方向に延びかつ弧状部72を介して歩行方向Lに観察される、後方端部に互いに接続されている。2つの脚70、70’及び弧状部72は、U形状の溝壁74の断面、この溝壁74、脚70、70’の領域における境界、及び各主溝部38’によって形成されている。脚70、70’及び弧状部72はアウトソール44から離れて対向する側の上方向に開かれている。溝壁74は内側壁部78及び外側壁部80ばかりでなく底部76を形成する。これらの2つの壁部78、80は上方向において底部76から突出している。換気用挿入要素68の統合化された状態では、壁部78、80の露出された上方周辺部は中間ソール体10の上方表面42と並んでいる。踵領域16では、U形状の断面の深さが壁部78の開放された周辺部から測定される。さらにまた壁部78、80は好ましくは、少なくとも8mmの互いに離れた距離にある。中間足領域24では、上記深さは、踵凹部46の形態に対応する方法で深くなり、かつ歩行方向Lに沿って正面の端部の方向で連続して浅くなる。
【0026】
弧状部72、これは統合化された状態では、踵領域16の後方部14に横たわるようになるが、各エアー入口管のスタブ82は、シューソールの内側面18の方向及びシューソールの外側面20の方向において、外側壁部80から突出する。これらのスタブは主溝部38’と流体接続されており、かつ、これらの外側自由端はエアー入口開口22を形成する。
【0027】
対応するように、中間足領域24と丸く膨らんだ部分/つま先領域26において、エアー出口の筒のスタブ84は、外側に向かう方向において外側壁部80から突出する。これらはまた、割り当てられた主溝部38´と流体接続され、枝分かれした溝部40を形成し、かつ、それらの自由端でエアー出口開口28を形成する。換気挿入要素68は好ましくは射出成形プロセスによって、85のショアーA 硬度を持つTPUから好ましくは製造される。
【0028】
図7はさらに補強用要素86を示す。この補強用要素86は少なくとも踵領域16及び中間領域24において、柔軟な踵部48の上方に配置されたその部分における、中間ソール12が、起立中と歩行中における負荷に対して少なくとも実質的な曲げ剛性があるような安定性を持つ。それが、中間ソール体10に統合化された状態では、補強用要素86は、換気用挿入要素68によって囲まれる。シューソールSの長手方向に直角の方向で観察されるように、補強用要素86は、結果として中間ソール体10の中央領域に位置づけられる。2つの主溝部38´のうち1つはシューソールの内側面18の方向に配置されかつもう1つはシューソールの外側面20の方向に配置される。
【0029】
補強用要素86、これは同様に、射出成形プロセスによって好ましくは製造されるが、これは上部の、舌形状にされた板状の担持部88及びこの担持部から下方に向かう方向に突出するV形状の支持部90を持つ。担持部88と支持部90の両方は、2重壁の形態である。この2つの壁はそれぞれリブ92を介して互いに固着されて接続されている。それが中間ソール体10に統合化されている状態では、図7の中間ソール体10が示すように、担持部82は表面42の近くに横たわっている。
【0030】
ここでは、補強用要素86はすでに中間ソール体10に統合されている。それは、歩行方向Lの前方の弧状部72における内側壁部78から丸く膨らんだ部分/つま先の領域26の正面部内へと、2つの脚70、70’の間に延在している。補強用要素86は、好ましくは強靭に形成され、かつ、例えば踵領域16及び中間足領域24ではナイロン12から製造される。一方、それはフレキシブルに形成され、例えば丸く膨らんだ部分及び/又はつま先の領域26ではTPUからなる。
【0031】
支持部90は同様に安定した状態に形成される。支持部90の歩行方向Lで観察されるように、後方の脚部90´は踵の凹部46に対応する方法で形造られており、かつ、踵の凹部46の歩行方向Lで観察されるように、この後方脚90´が正面端部の後方の脚部90´´に合致する。ここではそれは傾斜用エッジ94を形成する。
【0032】
予め組立てられている補強用要素86及び予め組立てられている換気用挿入要素68は、中間ソール体10の射出成形のための射出型のキャビティに配置されており、例えば、ピュア ショア 58Cの射出が、型が中間ソール体10を成形するために閉じられた後で起こる。この場合には、射出成形は溝壁74のための支持用リブを持ち、かつ、エアー入口チューブ状のスタブ82及びエアー出口の筒のスタッブ84に係合しながら滑る。これは、換気用挿入要素68が中間ソール体10の射出成形の間に圧縮されることを防止するためである。
【0033】
分解図された表現の結果として、図7に示された中間ソール体10は、換気用挿入要素68と一致するように形成される凹部及びクリアランスを持つ。
【0034】
さらに、図7はインソール54を示す。インソール54はカバー52を形成し、中間ソール体10によって形成された表面42の上に存在し補強用要素86並びに外側壁部80及び内側壁部78の露出面を形成する。
【0035】
その周辺の周りは、インソール54は比較的高いビード50によって囲まれている。インソール54の担持層58は、靴の上底の態様で好ましくは形成されかつ対応して支持層64の厚さに適合される。さらに、表面42は外側壁部80とビード50の間に、連続するストリップ状の表面部42´を、シューソールの内部面18とシューソールの外部面20の両方の上に持つ。その結果、支持層64は中間ソール体10の長さ全体にわたる広い中間部分に、補強用要素86を介してビード50に沿って周辺を囲むように支持される。
【0036】
図8及び9は、図2又は3に記載の中間ソール12のための補強用要素86のさらなる採用可能な実施形態を示す。それは、図1に対応した換気用溝30を備えて形成される。
【0037】
図10では、補強用要素86は、上方斜め方向から表現された透視図に示されている。その働きは、MBT歩行用具から知られかつ図7による実施形態と関連して上述されたものと正確には全く同じである。図8及び9では、中間ソール12の外観が示されている。そして、補強用要素86が暗色で示されている。
【0038】
踵領域16では、シート状の補強用要素86が、踵の凹部46に沿って中間ソール体10、そして、中間足領域24、そして、丸く膨らんだ部分/つま先の領域26の後方部に延びている。これらは歩行方向Lにおいて観察される。また、シート状の補強用要素86は、換気用溝30の下方の一定距離において中間ソール体10の内側で延びている。踵の凹部46と表面42の間の中間ソール体10の壁の厚さは中間足領域24及び丸く膨らんだ部分/つま先の領域26におけるそれよりも踵領域16におけるそれの方がかなり薄いので、MBT歩行用具から知られている補強用要素86の挿入は踵部32における換気用溝30の不適切な深さを導きうるであろう。このことは図9から特に明らかである。図9では、換気用溝30は、色付けされた灰色で示されている。上述の欠点を克服するために、補強用要素86は、踵領域16において溝状の凹部96を持つ。凹部96は平面図ではV形状であり、かつ、踵部32に対応する。それにもかかわらず、補強用要素86の必要な曲げ剛性を確実にするために、補強用要素86は、例えば、クリアランス98を互いから分離するウェブ100に沿って下側面に延びる支持用リブを持つ。たとえ、それらが柔軟な踵部48の中に突出したとしても、それらは低いため、それらはシューソールの挙動やその特性を変えない。また、より安定的な材料から踵領域16における補強用要素86を形成することも可能である。
【0039】
図7によるシューソールの場合には、換気用挿入要素68を使うのではなく、主溝部38´や射出成型から作製されたリブによる弧状部72における主溝部38´の接続部を形成するための凹部を成型し、かつ、スライド動作によって中間ソール体10上に直接枝分かれした溝部を成型するものと考えられる。
【0040】
図に示されかつ上述されたシューソールでの歩行中、踵領域16が一歩の間に置かれると、他方、柔軟な踵部48が圧縮されるが、これはユーザの体の上のショックを大いに低減し、かつ、他方で踵領域16におけるカバー52はまた中間ソール体10の方向に変形される。このことは、中間ソール10及びカバー52或いはその担持層8によって定められかつエアーで充たされる断面における局所的なくびれ部を導く。地上における軸転運動の結果として、このくびれた断面は中間足領域24を越えて丸く膨らんだ部分/つま先の領域26中へと歩行方向Lにおいて変位される。踵領域16から丸く膨らんだ部分/つま先の領域26中へのくびれのこの位置移動は、エアー出口開口38を介して換気用溝30からのエアーの圧出を導き、一方、傾きエッジ94又は踵の凹部46の正面端部で中間ソール体によって形成された傾きエッジの周囲で傾けられた後、カバー52又はインソール54は踵領域16の負荷から解放される。このことは、カバー52又はインソール54の弾性の結果、くびれ部の後ろに再び断面を広げることを導く。これによって、新鮮なエアーがエアー入口開口22を介して換気用溝30内へと吸い込まれる。その結果、歩行中、エアーは純粋に機械的原理を基にして換気時の態様でシューソール12を通過させられる。このように暖められたエアーはエアー出口開口28を介して排出され、かつ、涼しいエアーがエアー入口開口22を介して吸い込まれる。
【0041】
カバー52又はインソール54がエアー透過可能な形態ならば、涼しいエアーはさらにそれに対応してユーザの足に対して作用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
踵領域(16)上を延在する中間ソール体(10)と、
中間足領域(24)、並びに丸く膨らんだ部分/つま先の領域(26)を持つ中間ソール(12)と、アウトソール(44)と、を備えたシューソールであって、
前記中間ソール体(10)は、
前記踵領域(16)に少なくとも1つのエアー入口開口(22)と、
前記中間足領域(24)、及び/又は、前記丸く膨らんだ部分/つま先の領域(26)にエアー出口開口(28)と、さらに、換気用溝(30)を持ち、
該換気用溝(30)は、前記エアー入口開口(22)を前記エアー出口開口(28)に接続し、かつ、カバー(52)の手段によって前記アウトソール(44)から離れて対向する側の上を覆い、
並びに、該カバー(52)は、歩行中に負荷がかかるときに前記アウトソール(44)の方向において伸縮自在な弾性体であることを特徴とするシューソール。
【請求項2】
請求項1に記載のシューソールであって、
歩行方向(L)から見て、前記踵領域(16)の後方部(14)において、
前記外側面(20)と前記内側面(18)の両方の上にそれぞれエアー入口開口(22)があり、かつ、前記中間足領域(24)、及び/又は、前記丸く膨らんだ部分/つま先の領域において、外側面と内側面の両方の上にエアーで出口開口(28)がある
ことを特徴とするシューソール。
【請求項3】
請求項2に記載のシューソールであって、
前記換気用溝(30)は、前記踵領域(16)においてV字形状の踵部(32)を持ち、
この踵部(32)はその脚部(34)を備えて前記エアー入口開口(22)を導き、かつ、
前記換気用溝(30)は、前記中間足領域(24)、或いは前記丸く膨らんだ部分/つま先の領域で分配部(36)を持ち、
該分配部(36)は踵部(32)に隣接して、中央主溝部(38)及び枝分かれ溝部(40)を持ち、
該枝分かれ溝部(40)は中央主溝部から横方向に枝分かれし、かつ前記エアー出口開口(28)に延びることを特徴とする請求項2に記載のシューソール。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のシューソールであて、
前記換気用溝(30)は2つの主溝部(38´)を持ち、これらは、少なくとも実質的に前記シューソール(S)の長手方向に延びており、かつ、前記エアー入口開口(22)に接続され、並びに、
枝分かれ溝部(40)は前記主溝部(38´)の1つから前記外側エアー出口開口(28)まで枝分かれし、かつ、前記主溝部(38´)の他の1つから前記内側エアー出口開口(28)まで枝分かれしていることを特徴とするシューソール。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のシューソールであって、
前記カバー(52)はインソール(54)を持ち、該インソールは好ましくはエアー透過可能な担持層(58)を持ち、かつ、前記中間ソール体(10)に対向する該担持層(58)の面上に伸縮自在の弾性の支持層(64)を持つことを特徴とするシューソール。
【請求項6】
請求項5に記載のシューソールであって、
前記支持層(64)は、複数の支持用要素(60)を持ち、該支持用要素(60)は好ましくは二重の円錐体として形成され、かつ、これらは互いから一定距離、離れて配置されており、かつ、前記担持層(58)から突出しており、かつ、前記中間ソール(12)上で支持されていることを特徴とするシューソール。
【請求項7】
請求項5に記載のシューソールであって、
前記支持層(64)は複数の波状に形成された支持用ストリップ(62)を持ち、この支持用ストリップ(62)は前記担持層(58)から突出しかつ前記中間ソール(12)上で支持されることを特徴とするシューソール。
【請求項8】
請求項5に記載のシューソールであって、
前記支持層(64)は編まれたスペーサ繊維体(66)を持ち、このスペーサ繊維体(66)は前記中間ソール(12)上に支持されることを特徴とするシューソール。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のシューソールであって、
柔軟な踵部(48)は前記中間ソール体(10)の踵凹部(46)に配置され、
負荷のない状態では、アウトソール(44)は、前記中間ソール体(10)及び柔軟踵部(48)によって前記シューソール(S)の長手方向において凸状態で丸められた形態に維持され、かつ、
前記中間ソール(12)は、前記踵領域(16)及び前記中間足領域(24)において、補強用要素(86)を持ち、該補強用要素(86)は、前記中間ソール(12)が、前記柔軟な踵部(48)の上方に位置付けられる部分で、起立中及び歩行中に少なくとも実質上負荷に対し曲げ剛性があることを特徴とするシューソール。
【請求項10】
請求項9に記載のシューソールであって、
前記補強用要素(86)は前記中間ソール体(10)と一体化し、かつ前記換気用溝(30)用の溝状の凹部(96)を持つことを特徴とするシューソール。
【請求項11】
請求項4及び9のいずれかに記載のシューソールであって、
該シューソールの横断方向において、前記中間ソール体(10)における補強用要素(86)は中央領域に配置され、かつ前記主溝部(38´)の1つが前記補強用要素(86)の各側に延びていることを特徴とするシューソール。
【請求項12】
請求項11に記載のシューソールであって、
平面図で好ましくはU字形状にされている換気用挿入要素(68)は前記中間ソール体(10)に統合され、かつ、断面がU字状の溝壁(74)を備えた前記主溝部(38´)を定め、かつ、前記踵領域(16)において前記溝壁(74)から突出するエアー入口用の筒のスタブ(82)を持ち、かつ、前記主溝部(38´)に流体接続されており、エアー出口筒のスタブ(84)は、中間足領域(24)、及び/又は、丸く膨らんだ部分/つま先の領域(26)において前記溝壁から突出し、かつ、前記主溝部(38´)に流体接続されていることを特徴とするシューソール。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載のシューソールと該シューソール上に配置されたシューの甲(56)を備えた歩行用具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2012−500071(P2012−500071A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523345(P2011−523345)
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005959
【国際公開番号】WO2010/020391
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(501166348)マサイ、マーケティング、アンド、トレイディング、アクチエンゲゼルシャフト (3)
【氏名又は名称原語表記】Masai Marketing & Trading AG
【Fターム(参考)】