説明

カメラアタッチメントおよびこれを備えた建物点検装置

【課題】カメラユニットのセッティングが容易なカメラアタッチメントおよびこれを備えた建物点検装置を提供する。
【解決手段】建物の要点検箇所を撮像するために、カメラ21と、カメラ21による撮像結果を表示するモニター24と、カメラ21とモニター24を接続するケーブル23と、を有するカメラユニット2が搭載されるカメラアタッチメント3であって、カメラ21およびケーブル23が挿通され、ケーブル23を介してカメラ21を首振り調節自在に支持するフレキシブルチューブ31と、先端側にフレキシブルチューブ31が着脱自在に取り付けられる共に、基端側にモニター24が着脱自在に取り付けられる手持ちポール32と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の要点検箇所を撮像するために、カメラ等を有するカメラユニットを搭載するカメラアタッチメントおよびこれを備えた建物点検装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、伸縮可能な直管と、直管の先端に取り付けられた可撓管と、可撓管の先端に取り付けられたイメージセンサーと、を備え、イメージセンサーに接続されたケーブルが、直管と可撓管の中空部を挿通し、その基端側を電源およびモニターに接続してなる遠隔部点検機器(建物点検装置)が知られている。
この遠隔部点検機器では、直管を伸縮させてイメージセンサー(カメラ)の点検箇所までの距離を調整し、可撓管を自由に湾曲させることでイメージセンサーの向きを調整するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−078693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような遠隔部点検機器(建物点検装置)は、カメラやモニターが精密機器であること、および、直管を縮めて携帯性を向上させること等を考慮して、カメラ等とカメラアタッチメントとを分離した状態で収納し、点検を行う現場で組み立てて使用するのが一般的である。
しかし、従来の遠隔部点検機器(建物点検装置)では、ケーブルを直管および可撓管の内部(中空部)に通した後、カメラを可撓管の先端に直接固定する必要があった。すなわち、ケーブルを直管および可撓管の内に通した後、そのケーブルをカメラまたはモニター等に接続する必要があるため、現場での組み立てに時間と手間がかかるという問題があった。また、建物の隙間や穴からカメラを挿入して内部を点検する場合等においては、直管部分が邪魔に成り、操作性が悪化する問題があった。
【0005】
本発明は、カメラユニットのセッティングが容易なカメラアタッチメントおよびこれを備えた建物点検装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカメラアタッチメントは、建物の要点検箇所を撮像するために、カメラと、カメラによる撮像結果を表示するモニターと、カメラとモニターを接続するケーブルと、を有するカメラユニットが搭載されるカメラアタッチメントであって、カメラおよびケーブルが挿通され、ケーブルを介してカメラを首振り調節自在に支持するフレキシブルチューブと、先端側にフレキシブルチューブが着脱自在に取り付けられる共に、基端側にモニターが着脱自在に取り付けられる手持ちポールと、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、カメラとモニターとをケーブルで接続した状態で、カメラおよびケーブルをフレキシブルチューブ(可撓管)に通すのみで、カメラ等のセッティングは完了する。すなわち、カメラは、フレキシブルチューブに直接固定されているのではなく、フレキシブルチューブを挿通したケーブルを介して支持されることで、その撮像範囲を自由に選択可能となる。これにより、短時間で簡単にカメラ等をカメラアタッチメントに搭載することができ、適切な要点検箇所の点検を行うことができる。また、フレキシブルチューブを手持ちポールから取り外して、フレキシブルチューブを把持した状態でカメラを操作することができる。
【0008】
この場合、ケーブルは、基端側をモニターに接続された被覆ケーブル部と、被覆ケーブル部の先端に連なり、カメラを回転かつ湾曲させる自在ケーブル部と、からなり、フレキシブルチューブの先端から自在ケーブル部を露出させた状態で、フレキシブルチューブに挿通されることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、カメラがフレキシブルチューブに固定されていないため、フレキシブルチューブの先端から露出した自在ケーブル部により、カメラを回転、かつ、湾曲させることができる。これにより、フレキシブルチューブによるカメラの首振り調節をした状態で、自在ケーブル部により更なる首振り調節が可能となる。すなわち、建物の要点検箇所の撮像範囲に死角がなくなり、適切な点検を行うことを可能とする。
【0010】
また、この場合、ケーブルとフレキシブルチューブとの軸方向の位置ずれを規制するケーブル規制具を、更に備えたことが好ましい。
【0011】
この構成によれば、建物の高い位置を点検する際に、カメラを上方に向けたとしてもカメラおよびケーブルがフレキシブルチューブから抜け出すことを防止することができる。
【0012】
さらに、この場合、手持ちポールは、伸縮自在に構成されたポール本体と、ポール本体の先端側に着脱自在に装着され、フレキシブルチューブを取り付けるためのチューブ取付具と、ポール本体の任意の位置に着脱自在に装着され、モニターを取り付けるためのモニターマウントと、を有していることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、チューブ取付具により、カメラおよびケーブルが挿通したフレキシブルチューブのポール本体に対する着脱が容易となり、モニターマウントにより、モニターのポール本体に対する着脱が容易となる。また、モニターマウントはポール本体の任意の位置に装着できるため、点検作業を行う者(オペレーター)の手元にモニターを配置することができる。これにより、オペレーターは、モニターを確認しやすい位置に調節することができる。
【0014】
チューブ取付具は、ポール本体に取り付けられるポール取付片と、フレキシブルチューブに取り付けられるチューブ保持片と、を有し、ポール取付片に対し、チューブ保持片は、着脱自在に構成されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、カメラおよびケーブルが挿通したフレキシブルチューブのポール本体に対する着脱が、さらに容易となり、カメラ等のカメラアタッチメントへのセッティングを簡単、かつ、迅速に行うことができる。
【0016】
本発明の建物点検装置は、上記したカメラアタッチメントと、カメラアタッチメントに搭載されるカメラユニットと、を備えたことを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、カメラアタッチメントに対するカメラ等のセッティングを簡単、かつ、迅速に行え、カメラの撮像範囲を自由に選択して建物の点検を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態に係る建物点検装置を模式的に示した外観図である。
【図2】カメラ、ケーブルおよびフレキシブルチューブの一部分を表した部分拡大図である。
【図3】チューブ取付具の正面図である。
【図4】第2実施形態に係る建物点検装置のチューブ取付具であって、(a)は、ポール取付片の正面図および側面図、(b)は、チューブ保持片の正面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るカメラアタッチメントを備えた建物点検装置について説明する。この建物点検装置は、肉眼で目視できない点検箇所(例えば、建物の高所や天井裏や床下等)にカメラを臨ませ、カメラで撮像した結果を手元のモニターに表示して点検を行うものである。
【0020】
図1に示すように、建物点検装置1は、建物の要点検箇所の撮像等を行うカメラユニット2と、カメラユニット2が搭載されるカメラアタッチメント3と、を備えている。この建物点検装置1は、精密機器であるカメラユニット2と、カメラアタッチメント3とが、分離した状態で個別の収納ケース(図示省略)に収納され、点検作業を行う現場で組み立てられる。
【0021】
カメラユニット2は、画像を撮像する光学系を備えるカメラ21と、カメラ21により撮像した画像を表示させるモニター24等を有するユニット本体22と、カメラ21とユニット本体22とを接続するケーブル23と、を有している。
【0022】
カメラ21は、CCD方式の画像素子を有するものであり、ケーブル23の先端に固定されている。カメラ21による受光信号は、ケーブル23を通じてユニット本体22に送られる。また、カメラ21の周囲には、同軸照明となる複数の白色LED(図示省略)が配設されている。
【0023】
ユニット本体22は、モニター24と、カメラ21の撮像方向を変更操作するための操作部25と、動画または静止画を記録・再生する録再装置(図示省略)と、カメラ21およびモニター24等を駆動するための電源部(図示省略)と、を有している。モニター24は、カメラ21により撮像した要点検箇所の画像(映像)が表示される液晶モニターであり、オペレーターは、モニター24に表示された要点検箇所の画像を基に所定の点検を行う。操作部25は、全方向に傾動可能な操作子26を有しており、オペレーターは、操作子26を任意の方向に傾けることで、カメラ21の向きを変更することができる。
【0024】
ケーブル23は、ユニット本体22(電源部)からカメラ21への送電、および、カメラ21からユニット本体22(モニター24等)への受光信号の通信に使用される電気配線である。ケーブル23は、基端側をモニター24に接続された被覆ケーブル部27と、被覆ケーブル部27の先端に連なり、カメラ21を回転、かつ、湾曲させる自在ケーブル部28と、を有している。自在ケーブル部28は、その先端にカメラ21を支持固定し、操作部25の操作子26の動きに連動して、全方向に回転し、かつ、直角に湾曲する。
【0025】
続いて、図1を参照して、カメラアタッチメント3について詳細に説明する。カメラアタッチメント3は、カメラ21およびケーブル23が挿通され、ケーブル23を介してカメラ21を首振り調節自在に支持するフレキシブルチューブ31と、先端側にフレキシブルチューブ31が着脱自在に取り付けられる共に、基端側にユニット本体22等が着脱自在に取り付けられる手持ちポール32と、を備えている。
【0026】
フレキシブルチューブ31は、全長約600mmの金属製の可撓管であり、任意の方向に湾曲させることができ、また、湾曲した状態を維持することができる。フレキシブルチューブ31には、基端からカメラ21およびケーブル23を挿通し、その先端からカメラ21、自在ケーブル部28および被覆ケーブル部27の一部が露出している。なお、フレキシブルチューブ31の長さは任意である。
【0027】
ところで、カメラ21(およびケーブル23)は、フレキシブルチューブ31に対して固定されていない。すなわち、図1および図2に示すように、カメラ21は、フレキシブルチューブ31の先端から露出した自在ケーブル部28により、回転および湾曲が可能な状態で支持されている。これにより、フレキシブルチューブ31によるカメラ21の首振り調節をした状態で、更に、自在ケーブル部28によるカメラ21の首振り調節が可能となる。すなわち、建物の要点検箇所の撮像範囲に死角がなくなり、適切な点検を行うことができる。
【0028】
フレキシブルチューブ31から露出した被覆ケーブル部27の先端部には、カメラ21の先端から挿通された環状のケーブル規制具33が嵌合している。このケーブル規制具33は、ケーブル23とフレキシブルチューブ31との軸方向の位置ずれを規制する部材であり、その外径は、フレキシブルチューブ31の内径よりも大きく形成されている。これにより、建物の高い位置を点検する際に、カメラ21を上方に向けたとしてもカメラ21およびケーブル23がフレキシブルチューブ31から抜け出してしまうことがない。なお、本実施形態では、環状のケーブル規制具33を用いたが、CリングやEリングをケーブル規制具33として用いてもよい。
【0029】
また、ケーブル規制具33は、被覆ケーブル部27の先端部だけでなく、フレキシブルチューブ31の基端から露出している被覆ケーブル部27に更に嵌合させてもよい。先端側および基端側に一対のケーブル規制具33を設けることで、カメラ21の位置に関わらず、ケーブル23は、フレキシブルチューブ31に対し、軸方向の移動が規制される。
【0030】
手持ちポール32は、オペレーターの持ち手部分となるポール本体34と、ポール本体34の先端側に着脱自在に装着され、フレキシブルチューブ31を取り付けるためのチューブ取付具35と、ポール本体34の任意の位置に着脱自在に装着され、ユニット本体22を取り付けるためのモニターマウント36と、を有している。
【0031】
ポール本体34は、1.2mから4mの間で任意の長さに伸縮調整が可能な、いわゆる4段式の入れ子式の伸縮ポールであり、調整した長さを維持することができる。なお、以下の説明では、ポール本体34の基端側を1段目とし、先端側を4段目と規定している。
【0032】
また、ポール本体34の1段目には、検査作業を実施する際にオペレーターが肩に掛けて作業するための肩掛けベルト40が取り付けられている。なお、ポール本体34は、持ち運びの際には、携帯性を考慮して縮めた状態で、フレキシブルチューブ31やモニターマウント36等と共に一の収納ケース(図示省略)に収納される。
【0033】
さらに、ポール本体34の2段目および3段目には、ケーブル23(被覆ケーブル部27)をポール本体34に沿わせるためのケーブルフック41が、それぞれ掛合している。各ケーブルフック41は、釣り針状に形成され、ポール本体34に掛合するポール掛合片41aと、フレキシブルチューブ31の基端側から伸びる被覆ケーブル部27を一対の挟持片で挟持するケーブル挟持片41bと、で一体に形成されている。なお、ケーブルフック41の配置位置および配設数は任意である。
【0034】
図1および図3に示すように、チューブ取付具35は、ポール本体34の4段目の先端側と略中央との2ヶ所に配設されており、フレキシブルチューブ31の略中央と基端側とを支持している。すなわち、フレキシブルチューブ31は、略中央のチューブ取付具35から先端に伸びている部分が湾曲可能な範囲となっている。各チューブ取付具35は、ポール本体34に取り付けられるポール取付片42と、フレキシブルチューブ31に取り付けられるチューブ保持片43と、を有している。なお、チューブ取付具35の配設位置および配設数は任意である。
【0035】
各ポール取付片42および各チューブ保持片43は、それぞれ同一の構成を有しており、湾曲したバンド状のスナップ部44と、スナップ部44の先端が掛合する留め部45と、スナップ部44の一の端部および留め部45を固定する基部46と、を有している(図3参照)。各ポール取付片42は、スナップ部44をポール本体34に巻きつけ、スナップ部44の先端を留め部45に引っ掛けることでポール本体34に取り付けられる。他方、各チューブ保持片43は、ポール取付片42と同様にフレキシブルチューブ31に取り付けられている。
【0036】
各ポール取付片42と各チューブ保持片43とは、それぞれの基部46の下面を接触させて、接着剤や両面テープ等により分離不能に固定され、全体として「8」の字状を為している。
【0037】
モニターマウント36は、取り付けられたカメラユニット2のユニット本体22を、ロール・ピッチ・ヨーそれぞれの方向に回動させる雲台部36aと、雲台部36aを支持すると共にポール本体34の任意の位置に着脱自在に固定される固定部36bと、を有している。モニターマウント36は、ポール本体34の任意の位置に装着できるため、オペレーターの手元にモニター24を配置することができる。また、点検作業中の姿勢(ポール本体34の支持角度)に応じて、雲台部36aにより、ユニット本体22(モニター24)の姿勢を変更することができる。これにより、オペレーターは、ユニット本体22のモニター24を自らが確認しやすい位置に調節することができる。なお、このようにモニター24の姿勢を調節可能であることは、オペレーター以外の第三者がモニター24を確認する場合にも役立つ。
【0038】
ここで、図1を参照して、建物点検装置1の組み立てについて簡単に説明する。先ず、オペレーターは、ポール本体34の2段目を最大に延ばし、その延ばした部分にモニターマウント36を取り付けた後、モニターマウント36の雲台部36aにユニット本体22を取り付ける。なお、モニターマウント36は、ポール本体34の2段目以外に取り付けてもかまわない。
【0039】
次に、ユニット本体22から延在するケーブル23およびカメラ21をフレキシブルチューブ31に通し、フレキシブルチューブ31の先端から露出した被覆ケーブル部27にケーブル規制具33を取り付ける。続いて、ポール本体34の4段目を延ばし、その延ばした部分に2つのチューブ取付具35を介してフレキシブルチューブ31を取り付ける。このように、フレキシブルチューブ31は、カメラ21とモニター24とがケーブル23で接続された状態で、カメラ21およびケーブル23を挿通させることができる。すなわち、フレキシブルチューブ31に、ケーブル23を挿通させる際に、カメラ21またはユニット本体22からケーブル23を分離させる必要がないため、簡単にカメラ21等のセッティングが完了する。
【0040】
最後に、ポール本体34の任意の位置に、ケーブルフック41(ポール掛合片41a)を引っ掛けて、ケーブル挟持片41bに被覆ケーブル部27を挟持させる。
以上で建物点検装置1の組み立てが完了し、カメラユニット2の電源を入れることで点検作業の準備が完了する。なお、建物点検装置1を分解するには、上記と逆の手順により行う。
【0041】
建物点検装置1による点検は、先ず、オペレーターの手でフレキシブルチューブ31を所望の方向に湾曲させておき、その後、ポール本体34を所望の長さに伸縮させ、カメラ21を建物の要点検位置に臨ませる。そして、オペレーターは、ユニット本体22の操作子26を操作して、自在ケーブル部28を介してカメラ21を回転又は湾曲させる。すなわち、カメラ21は、予めフレキシブルチューブ31を湾曲させ、大雑把に撮像方向を決められ、その後、自在ケーブル部28を介して撮像方向の微調整が行われる。これにより、オペレーターは無理な姿勢をとることなく、直接目視することのできない建物の高所、天井裏、床下等の要点検位置を、簡単、かつ、確実に撮像・点検することができる。
【0042】
以上の構成によれば、カメラアタッチメント3に対するカメラ21等のセッティング(建物点検装置1を組み立て)を短時間で簡単に行える。また、オペレーターは、カメラ21の撮像範囲を自由に選択して建物の点検を行うことができる。
【0043】
次に、図4を参照して、第2実施形態に係る建物点検装置1について説明する。本実施形態では、チューブ取付具35の構成が、第1実施形態のものと異なる。なお、第1実施形態に係るものと同様の説明は省略する。
各チューブ取付具35は、第1実施形態のものと同様に、ポール取付片42と、チューブ保持片43と、を有している。各ポール取付片42は、スナップ部44および留め部45と、チューブ保持片43が係合する係合溝部51と、を有している(図4(a)参照)。他方、各チューブ保持片43は、ポール取付片42と略同様の構造を有しており、スナップ部44および留め部45と、各ポール取付片42の係合溝部51に係合する係合凸部52と、を有している(図4(b)参照)。
【0044】
各ポール取付片42の係合溝部51と、各チューブ保持片43の係合凸部52とは、軸方向に直交する方向に相互にスライドすることで係合するようになっている。すなわち、各ポール取付片42と各チューブ保持片43とは、係合溝部51および係合凸部52により、連結・分解可能に構成されている。各係合溝部51には、抜止め部53が突設され、各係合凸部52には、抜止め部53が掛合する切欠き部54が形成されている。そして、係合溝部51に係合凸部52を係合させると、ポール取付片42とチューブ保持片43とが抜け出し不能に連結する。このように、チューブ保持片43は、ポール取付片42に対し、着脱自在に構成されているため、カメラ21およびケーブル23が挿通したフレキシブルチューブ31のポール本体34に対する着脱が容易となり、カメラ21等のカメラアタッチメント3への取り付け作業に係る時間と手間を大幅に削減することができる。なお、ポール取付片42に係合凸部52を形成し、チューブ保持片43に係合溝部51を形成するようにしてもよい。
【0045】
以上の構成によれば、天井や床下等に穴を開けて、その穴にカメラ21を挿入して点検を行いたい場合に、オペレーターは、一時的に、カメラ21等が挿通したフレキシブルチューブ31をポール本体34から取り外し、この取り外したフレキシブルチューブ31を把持してカメラ21を操作することもできる。これにより、狭い範囲の点検作業時にポール本体34が邪魔になることがなく、良好な操作性を維持することができる。
【符号の説明】
【0046】
1:建物点検装置、2:カメラユニット、3:カメラアタッチメント、21:カメラ、23:ケーブル、24:モニター、27:被覆ケーブル部、28:自在ケーブル部、31:フレキシブルチューブ、32:手持ちポール、33:ケーブル規制具、34:ポール本体、35:チューブ取付具、36:モニターマウント、42:ポール取付片、43:チューブ保持片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の要点検箇所を撮像するために、カメラと、前記カメラによる撮像結果を表示するモニターと、前記カメラと前記モニターを接続するケーブルと、を有するカメラユニットが搭載されるカメラアタッチメントであって、
前記カメラおよび前記ケーブルが挿通され、前記ケーブルを介して前記カメラを首振り調節自在に支持するフレキシブルチューブと、
先端側に前記フレキシブルチューブが着脱自在に取り付けられる共に、基端側に前記モニターが着脱自在に取り付けられる手持ちポールと、を備えたことを特徴とするカメラアタッチメント。
【請求項2】
前記ケーブルは、基端側を前記モニターに接続された被覆ケーブル部と、被覆ケーブル部の先端に連なり、前記カメラを回転かつ湾曲させる自在ケーブル部と、からなり、
前記フレキシブルチューブの先端から前記自在ケーブル部を露出させた状態で、前記フレキシブルチューブに挿通されることを特徴とする請求項1に記載のカメラアタッチメント。
【請求項3】
前記ケーブルと前記フレキシブルチューブとの軸方向の位置ずれを規制するケーブル規制具を、更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のカメラアタッチメント。
【請求項4】
前記手持ちポールは、
伸縮自在に構成されたポール本体と、
前記ポール本体の先端側に着脱自在に装着され、前記フレキシブルチューブを取り付けるためのチューブ取付具と、
前記ポール本体の任意の位置に着脱自在に装着され、前記モニターを取り付けるためのモニターマウントと、を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のカメラアタッチメント。
【請求項5】
前記チューブ取付具は、前記ポール本体に取り付けられるポール取付片と、前記フレキシブルチューブに取り付けられるチューブ保持片と、を有し、
前記ポール取付片に対し、前記チューブ保持片は、着脱自在に構成されていることを特徴とする請求項4に記載のカメラアタッチメント。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のカメラアタッチメントと、
前記カメラアタッチメントに搭載される前記カメラユニットと、を備えたことを特徴とする建物点検装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−100148(P2012−100148A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247454(P2010−247454)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000150006)日本総合住生活株式会社 (35)
【Fターム(参考)】