カメラシステム
【課題】回動可能な操作部材の調整により行っている従来のズーム走査の操作性を向上させる。
【解決手段】ディジタルカメラ10にはイメージセンサ16,ズームレンズ12,およびCPU26が設けられる。イメージセンサ16は、ズームレンズ12を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する。CPU26は、イメージセンサ16から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出し、また、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズ12の配置を調整し、第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整する。外部制御装置50のCPU52は、ズーム倍率を入力し、抽出位置を入力する。CPU52はまた、CPU26によって参照される第1ズーム倍率および第2ズーム倍率を入力されたズーム倍率に基づいて調整し、その調整態様を入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する。
【解決手段】ディジタルカメラ10にはイメージセンサ16,ズームレンズ12,およびCPU26が設けられる。イメージセンサ16は、ズームレンズ12を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する。CPU26は、イメージセンサ16から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出し、また、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズ12の配置を調整し、第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整する。外部制御装置50のCPU52は、ズーム倍率を入力し、抽出位置を入力する。CPU52はまた、CPU26によって参照される第1ズーム倍率および第2ズーム倍率を入力されたズーム倍率に基づいて調整し、その調整態様を入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カメラシステムに関し、特に撮像操作を支援する、カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラシステムの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、カメラ本体が操作部材を有し、該操作部材はカメラ本体に対して突出した第1の状態と収納された第2の状態とに保持可能に構成されている。このような操作部材の外周に、回動可能に保持された操作部材を有し、該操作部材の回動操作により撮影画角の切換えを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−330175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、撮影画像に含まれる範囲を変更するために、操作部材を回動する操作が必要なので、回動可能な部材を設ける必要があり、カメラシステムのサイズの大型化や製造コスト上昇の要因となるおそれがある。また、このような部材を設けないとすると、カメラから離れた場所でのセルフ撮影などの場合に、移動してカメラの向きを調整する必要があり、操作性が低下するおそれがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、操作性を高めることができる、カメラシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従うカメラシステム(100:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、電子カメラ(10)と外部制御装置(50)とを備えるカメラシステム(100)であって、前記電子カメラは、ズームレンズ(12)を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段(32b)、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段(S95, S99)、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段(S103)を備え、前記外部制御装置は、ズーム倍率を入力する倍率入力手段(S9, S23)、抽出位置を入力する位置入力手段(S35)、前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整手段(S41, S49)、および前記倍率調整手段の調整態様を前記位置入力手段によって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御手段(S37, S39, S49)を備える。
【0007】
好ましくは、前記倍率調整手段は、前記第1ズーム倍率の値を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率の値を下回る値に設定する第1設定手段(S41)、および前記第2ズーム倍率の値を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率と前記第1設定手段によって設定された第1ズーム倍率との相違が補償される値に設定する第2設定手段(S49)を含む。
【0008】
好ましくは、前記外部制御装置は抽出位置を設定する第3設定手段(S47)をさらに備え、前記電子カメラは前記第3設定手段によって設定された抽出位置を参照して前記抽出領域の配置を調整する第3調整手段(S101)をさらに備える。
【0009】
好ましくは、前記電子カメラは前記抽出手段によって抽出された電子画像の解像度を調整する第4調整手段(S81)をさらに備える。
【0010】
好ましくは、前記外部制御装置は前記制御手段の処理に用いられる係数を設定する第4設定手段(S57, S59)をさらに備える。
【0011】
好ましくは、前記外部制御装置は記録指示を受け付ける受け付け手段(S63)をさらに備え、前記電子カメラは前記受け付け手段の処理に関連して前記サイズ調整手段の処理が施された電子画像を記録する記録手段(S107, S109)をさらに備える。
【0012】
この発明に従う外部制御装置は、ズームレンズ(12)を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段(32b)、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段(S95, S99)、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段(S103)を備える電子カメラ(10)に接続される外部制御装置(50)であって、ズーム倍率を入力する倍率入力手段(S9, S23)、抽出位置を入力する位置入力手段(S35)、前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整手段(S41, S49)、および前記倍率調整手段の調整態様を前記位置入力手段によって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御手段(S37, S39, S49)を備える。
【0013】
この発明に従う撮像制御プログラムは、ズームレンズ(12)を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段(32b)、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段(S95, S99)、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段(S103)を備える電子カメラ(10)に接続される外部制御装置(50)のプロセッサ(52)に、ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ(S9, S23)、抽出位置を入力する位置入力ステップ(S35)、前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ(S41, S49)、および前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップ(S37, S39, S49)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
【0014】
この発明に従う撮像制御方法は、ズームレンズ(12)を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段(32b)、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段(S95, S99)、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段(S103)を備える電子カメラ(10)に接続される外部制御装置(50)によって実行される撮像制御方法であって、ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ(S9, S23)、抽出位置を入力する位置入力ステップ(S35)、前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ(S41, S49)、および前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップ(S37, S39, S49)を備える。
【0015】
この発明に従う外部制御プログラムは、ズームレンズ(12)を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段(32b)、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段(S95, S99)、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段(S103)を備える電子カメラ(10)に接続され、メモリ(64)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(52)を備える外部制御装置(50)に供給される外部制御プログラムであって、ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ(S9, S23)、抽出位置を入力する位置入力ステップ(S35)、前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ(S41, S49)、および前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップ(S37, S39, S49)を前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0016】
この発明に従う外部制御装置は、ズームレンズ(12)を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段(32b)、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段(S95, S99)、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段(S103)を備える電子カメラ(10)に接続され、外部制御プログラムを受信する受信手段(66)、および前記受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリ(64)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(52)を備える外部制御装置(50)であって、前記外部制御プログラムは、ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ(S9, S23)、抽出位置を入力する位置入力ステップ(S35)、
【0017】
前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ(S41, S49)、および前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップ(S37, S39, S49)を前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0018】
第1ズーム倍率を参照して配置が調整されたズームレンズを通して捉えられた電子画像のうち、第2ズーム倍率を参照してサイズが調整された抽出領域に属する一部の電子画像が抽出される。このような第1ズーム倍率および第2ズーム倍率は、入力されたズーム倍率に基づいて調整される。また、この調整は、入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定される。
【0019】
このため、ズーム倍率および抽出位置の入力を変化させたとしても、入力に応じてサイズが調整された抽出画像を、得ることができる。したがって、カメラの向きを変えることなく高品質な抽出画像を得ることができ、操作性が向上する。
【0020】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例に適用されるSDRAMのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図4】外部制御装置に表示されるスルー画像の一例を示す図解図である。
【図5】外部制御装置に対して行われる操作の一例を示す図解図である。
【図6】外部制御装置に対して行われる操作の他の一例を示す図解図である。
【図7】ズーム倍率算出処理の一部を示す図解図である。
【図8】ズーム倍率算出処理の他の一部を示す図解図である。
【図9】光学ズームアウト処理の一部を示す図解図である。
【図10】ディジタルズームイン処理の一部を示す図解図である。
【図11】外部制御装置に表示されるスルー画像の他の一例を示す図解図である。
【図12】図2実施例の動作の一部を示す図解図である。
【図13】外部制御装置に表示される設定変更画面の一例を示す図解図である。
【図14】外部制御装置に表示される演出画面の一例を示す図解図である。
【図15】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図16】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図17】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図18】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図19】図2実施例に適用される他のCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図20】図2実施例に適用される他のCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0023】
図1を参照して、この実施例のカメラシステムは、基本的に次のように構成される。撮像手段1は、ズームレンズを通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する。抽出手段2は、前記撮像手段1から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する。配置調整手段3は、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する。サイズ調整手段4は、第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整する。電子カメラ10は、このような撮像手段1,抽出手段2,配置調整手段3,およびサイズ調整手段4を備える。
【0024】
倍率入力手段5はズーム倍率を入力する。位置入力手段6は抽出位置を入力する。倍率調整手段7は、前記配置調整手段3によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段4によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力手段5によって入力されたズーム倍率に基づいて調整する。制御手段8は、前記倍率調整手段7の調整態様を前記位置入力手段6によって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する。外部制御装置50は、このような倍率入力手段5,位置入力手段6,倍率調整手段7,および制御手段8を備える。
【0025】
第1ズーム倍率を参照して配置が調整されたズームレンズを通して捉えられた電子画像のうち、第2ズーム倍率を参照してサイズが調整された抽出領域に属する一部の電子画像が抽出される。このような第1ズーム倍率および第2ズーム倍率は、入力されたズーム倍率に基づいて調整される。また、この調整は、入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定される。
【0026】
このため、ズーム倍率および抽出位置の入力を変化させたとしても、入力に応じてサイズが調整された抽出画像を、得ることができる。したがって、カメラの向きを変えることなく高品質な抽出画像を得ることができ、操作性が向上する。
[実施例]
【0027】
図2を参照して、この実施例のカメラシステム100は、ディジタルカメラ10および外部制御装置50を含む。ディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるズームレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経たシーンの光学像は、ドライバ18cによって駆動されるイメージセンサ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、シーンを表す電荷が生成される。
【0028】
ディジタルカメラ10が起動されると、CPU26は、動画取り込み処理を実行するべく、ドライバ18cに露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令する。ドライバ18cは、図示しないSG(SignalGenerator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージセンサ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0029】
信号処理回路20は、イメージセンサ16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって生成されたYUV形式の取り込み画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32の取り込み画像エリア32a(図3参照)に書き込む。
【0030】
CPU26は、取り込み画像エリア32aに格納された取り込み画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された取り込み画像データに後述するディジタルズームイン処理を施す。これによって取り込み画像データから生成された抽出画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM32の抽出画像エリア32b(図3参照)に書き込まれる。なお、ディジタルカメラ10の起動時は、取り込み画像データがそのまま抽出画像データとして抽出画像エリア32bにも書き込まれる。
【0031】
CPU26はまた、抽出画像エリア32bに格納された抽出画像データに対して、表示用のズーム処理と外部表示用のズーム処理とを並列的に実行する。この結果、表示画像データおよび外部表示画像データが個別に作成される。表示画像データはメモリ制御回路30によってSDRAM32の表示画像エリア32cに書き込まれ、外部表示画像データは、メモリ制御回路30によってSDRAM32の外部表示画像エリア32dに書き込まれる。
【0032】
LCDドライバ36は、表示画像エリア32cに格納された表示画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された表示画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、シーンを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がLCDモニタ38に表示される。
【0033】
外部表示画像エリア32cに格納された外部表示画像データは、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、外部制御装置50に向けて繰り返し送信される。送信された外部表示画像データは、通信I/F66を通して外部制御装置50に取り込まれ、メモリ制御回路54によってSDRAM56に書き込まれる。
【0034】
LCDドライバ58は、SDRAM56に格納された外部表示画像データをメモリ制御回路54を通して繰り返し読み出し、読み出された外部表示画像データに基づいてLCDモニタ60を駆動する。この結果、シーンを表すスルー画像がLCDモニタ60にも表示される。
【0035】
図4を参照して、テーブルTLの上に置かれたサイコロDCを含むシーンがディジタルカメラ10のイメージセンサ16によって捉えられる。この場合、サイコロDCを挟んでディジタルカメラ10と向かい合った位置にある外部制御装置50のLCDモニタ60には、イメージセンサ16によって捉えられたサイコロDCを含むシーンの画像が表示される。したがって、外部制御装置50側のサイコロDCの面が“2”を示す場合であっても、ディジタルカメラ10側の“5”を示す面が、LCDモニタ60に表示される。
【0036】
CPU26は、キー入力装置28に対してズーム操作が行われたとき、撮像タスクの下で、ズーム操作の前のズーム倍率およびキー入力装置28に対する操作に基づいて、光学ズーム処理によるズーム倍率を算出する。算出されたズーム倍率に基づいてドライバ18aを通してズームレンズ12を光軸方向に移動させることによって、CPU26は光学ズームイン処理または光学ズームアウト処理を実行する。この結果、スルー画像の倍率がズーム操作に応じて変化する。
【0037】
なお、ディジタルカメラ10にはズームレンズ12の移動可能範囲などによって最大ズーム倍率および最小ズーム倍率が定められている。ズーム倍率がこのような最大ズーム倍率に達してもなおキー入力装置28に対してズームイン操作が継続された場合、CPU26は、電子的な画像の拡大によるディジタルズームイン処理を、ズームイン操作に応じて取り込み画像データに施す。この結果、最大ズーム倍率以上に拡大されたスルー画像が、LCDモニタ38に表示される。
【0038】
また、操作者は、LCDモニタ60に対するいわゆるピンチ操作によって、外部制御装置50においてズーム操作を行うこともできる。操作者の2本の指がLCDモニタ60に触れた状態が維持されたまま、これらの2本の指によって触れられたLCDモニタ60上の2点の距離が変化すると、この動作がタッチセンサ62によって検知され、検知結果がCPU52に与えられる。これらの2点の距離が広げられた場合(=ピンチアウト操作)、CPU52は、ズームイン操作が行われたことを認識する。また、これらの2点の距離が縮められた場合(=ピンチイン操作)、CPU52は、ズームアウト操作が行われたことを認識する。
【0039】
ズームイン操作またはズームアウト操作が認識されると、CPU52は、既定時間内の2点間の距離の変化量を操作量としてタッチセンサ62から取得する。CPU52は次に、取得された操作量に後述するパラメータαを乗じて、ズーム変更量を算出する。このようにして算出されたズーム変更量、ズームレンズ12の位置、および現在のディジタルズームのズーム倍率などに基づいて、CPU52は変更後のズーム倍率を算出する。
【0040】
ズームイン操作に従って算出されたズーム倍率が最大ズーム倍率以下であった場合、算出されたズーム倍率に基づいて、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、ディジタルカメラ10に向けて光学ズームイン指示が送信される。また、ズームアウト操作に従って算出されたズーム倍率が最小ズーム倍率以上であった場合、算出されたズーム倍率に基づいて、ディジタルカメラ10に向けて光学ズームアウト指示が送信される。
【0041】
CPU26は、通信I/F46を通して光学ズームイン指示または光学ズームアウト指示を受信すると、キー入力装置28に対してズーム操作が行われたときと同様に、撮像タスクの下で、指定されたズーム倍率に基づいて、光学ズームイン処理または光学ズームアウト処理をそれぞれ実行する。この結果、スルー画像の倍率がピンチ操作に応じて変化する。
【0042】
一方、ズームイン操作に従って算出されたズーム倍率が最大ズーム倍率を超えた場合、算出されたズーム倍率に基づいて、ディジタルカメラ10に向けてディジタルズームイン指示が送信される。
【0043】
CPU26は、通信I/F46を通してディジタルズームイン指示を受信すると、キー入力装置28に対してズーム操作が行われたときと同様に、指定されたズーム倍率に基づいたディジタルズームイン処理を取り込み画像データに施す。この結果、最大ズーム倍率以上に拡大されたスルー画像が、LCDモニタ60に表示される。
【0044】
なお、ズームアウト操作に従って算出されたズーム倍率が最小ズーム倍率未満であった場合、光学ズームアウト指示およびディジタルズームアウト指示はいずれも送信されない。
【0045】
また、LCDモニタ60に対するズーム操作が継続中であれば、光学ズームイン指示,光学ズームアウト指示,またはディジタルズームイン指示が繰り返し送信される。この結果、スルー画像の倍率が、2本の指の動きに追随して変化する。
【0046】
図5を参照して、イメージセンサ16によって捉えられた人物HM1およびHM2を含むシーンを表すスルー画像が、LCDモニタ60にも表示されている。しかし、スルー画像には電柱PLおよび電線WRが映り込んでいる。これらがスルー画像に含まれないようにするために、操作者は、LCDモニタ60に対してピンチアウト操作を行うことにより、ズームインを試みる。
【0047】
ピンチアウト操作に従ってディジタルカメラ10に向けてズーム指示が送信され、これを受信したCPU26はズームレンズ12を光軸方向に移動させる。この結果、図6を参照して、LCDモニタ60に表示されたスルー画像から電柱PLおよび電線WRが除かれ、人物HM1およびHM2とその周辺部分がLCDモニタ60に拡大表示される。
【0048】
しかし、図6に示す例によると、人物HM1およびHM2の位置が左上に寄っている。これらの位置を中央寄りにするために、操作者は、以下に述べる要領でLCDモニタ60に対して移動操作を行う。
【0049】
操作者は、LCDモニタ60に対する指でのドラッグ操作によって、外部制御装置50において移動操作を行うことができる。操作者の1本の指がLCDモニタ60に触れた状態が維持されたまま、この1本の指によって触れられたLCDモニタ60上の位置が変化すると、この動作がタッチセンサ62によって検知され、検知結果がCPU52に与えられる。この検知結果により、CPU52は、移動操作が行われたことを認識する。
【0050】
移動操作が認識されると、CPU52は、既定時間内の位置の変化量を操作量としてタッチセンサ62から取得し、位置が変化した方向を操作方向としてタッチセンサ62から取得する。CPU52は次に、取得された操作量に後述するパラメータβを乗じて、移動距離を算出する。
【0051】
CPU52は、このようにして算出された移動距離および操作方向に基づく移動後の領域をイメージセンサ16が捉えるために必要な光学ズームアウト処理によるズーム倍率を、算出する。
【0052】
図7を参照して、移動操作の前にイメージセンサ16によって捉えられた領域AR1に対して、操作方向を示す矢印DRおよび移動距離dによって、領域AR1の中心C1から矢印DRと反対方向に距離dだけ離れた点C2が求められる。移動後の領域AR2は、このような点C2を中心とした領域である。このような領域AR2をイメージセンサ16が捉えるために、図8を参照して、領域ARZをイメージセンサ16が捉えるだけのズーム倍率が算出される。
【0053】
このようにして算出されたズーム倍率が最小ズーム倍率以上であれば、算出されたズーム倍率に基づいて、ディジタルカメラ10に向けて光学ズームアウト指示が送信される。
【0054】
CPU26は、通信I/F46を通して光学ズームアウト指示を受信すると、上述の通り、撮像タスクの下で、指定されたズーム倍率に基づいて、光学ズームアウト処理を実行する。
【0055】
CPU52は次に、取り込み画像エリア32aに格納された取り込み画像データから移動後の領域を抽出するために必要なディジタルズームイン処理によるズーム倍率およびディジタルズームイン処理を施す取り込み画像上の位置を、算出する。
【0056】
図9を参照して、取り込み画像エリア32aに格納された取り込み画像のサイズをSZとすると、光学ズームアウト処理後に格納された取り込み画像RG2における移動後の領域AR2のサイズは、SZより小さい。このような領域AR2のサイズをディジタルズームイン処理によって調整するためのズーム倍率Zdは、移動操作前のズーム倍率Z1および移動操作後の光学ズームアウト処理によるズーム倍率Zpを用いて、以下の数1に示す式で求めることができる。
[数1]
Zd=Z1/Zp
【0057】
このようにして算出されたズーム倍率およびズーム位置に基づいて、ディジタルカメラ10に向けてディジタルズームイン指示が送信される。
【0058】
CPU26は、通信I/F46を通してディジタルズームイン指示を受信すると、取り込み画像エリア32aに格納された取り込み画像データをメモリ制御回路30を通して読み出す。CPU26はまた、読み出された取り込み画像データの指定された位置に対して、指定されたズーム倍率に基づいてディジタルズームイン処理を施す。これによって生成された抽出画像データは、上述の通り、メモリ制御回路30を通してSDRAM32の抽出画像エリア32bに書き込まれる。
【0059】
図10を参照して、上述のようにして算出されたズーム倍率に基づいて、取り込み画像RG2の領域AR2に対してディジタルズームイン処理を施すと、サイズがSZである抽出画像EGが作成される。
【0060】
上述の通り、抽出画像エリア32bに格納された抽出画像データからは、外部表示用のズーム処理が施された外部表示画像データが作成され、外部制御装置50に向けて無線通信を介して繰り返し送信される。また、外部制御装置50においては、受信された外部表示画像データに基づいてスルー画像がLCDモニタ60に表示される。したがって、操作者の移動操作に応じて、LCDモニタ60に表示されるスルー画像が更新される。
【0061】
なお、LCDモニタ60に対する移動操作が継続中であれば、光学ズームアウト指示およびディジタルズームイン指示が繰り返し送信される。この結果、スルー画像が指の動きに追随して更新される。
【0062】
また、移動操作に従って算出されたズーム倍率が最小ズーム倍率未満であれば、光学ズームアウト処理を実行できないので、上述の処理は実行されない。
【0063】
図6に示す例において、人物HM1およびHM2の位置を中央寄りにするために操作者が矢印方向に移動操作を行った場合、上述の処理が繰り返された後、スルー画像において人物HM1およびHM2が中央寄りに表示される(図11参照)。また、このとき、LCDモニタ60に表示された領域AR3と、取り込み画像エリア32aに格納された取り込み画像データが示す画像RG3とは、図12に示す位置関係となる。
【0064】
LCDモニタ60に対してズーム操作が行われたとき、上述のように、操作量にパラメータαを乗じてズーム変更量が算出される。また、LCDモニタ60に対して移動操作が行われたとき、上述のように、操作量にパラメータβを乗じて移動距離が算出される。このようなパラメータαおよびβは、LCDモニタ60に対するタッチ操作によって設定変更が可能である。
【0065】
LCDモニタ60に対して設定変更操作が行われると、図13に示す設定変更画面STSがLCDモニタ60に表示される。図13に示す例によると、設定変更画面STS上にボタンBT1〜BT4が表示され、操作者がいずれかにタッチ操作を行うことによって、パラメータαおよびβに設定される値が変更される。
【0066】
例えば、“2倍”と示されたボタンBT2に対してタッチ操作を行うと、パラメータαおよびβの各々の値は“1倍”が選択されたときの2倍に設定される。したがって、“1倍”が選択されたときの2倍のズーム変更量が算出され、“1倍”が選択されたときの2倍の移動距離が算出される。これによって、LCDモニタ60の画面サイズが大きい場合であっても、少ない操作量で所望のズーム操作または移動操作を行うことができる。
【0067】
ボタンBT1〜BT4のいずれかに対して選択操作が行われると、設定変更画面STSの表示は終了し、スルー画像の表示が再開される。
【0068】
撮像タスクの下でシャッタボタン28shが押し下げられると、静止画取り込み処理および記録処理が実行される。シャッタボタン28shが押し下げられた時点の1フレームの抽出画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32の記録画像エリア32eに静止画像データとして取り込まれる。また、記録処理によって1つの静止画ファイルが記録媒体42に作成される。取り込まれた静止画像データは、新規作成された静止画ファイルに記録処理によって記録される。
【0069】
また、操作者は、LCDモニタ60に対するタッチ操作によって、外部制御装置50において記録操作を行うこともできる。LCDモニタ60に対して記録操作が行われたとき、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、ディジタルカメラ10に向けて記録指示が送信される。
【0070】
また、CPU52は、LCDモニタ60に対して記録操作が行われたとき、図14に示す演出画面EFSを既定時間継続してLCDモニタ60に表示する。演出画面EFSの表示が終了すると、スルー画像の表示が再開される。
【0071】
CPU26は、通信I/F46を通して記録指示を受信すると、キー入力装置28に対して記録操作が行われたときと同様に、静止画取り込み処理および記録処理を実行する。
【0072】
CPU52は、図15〜18に示すフロー図に従う処理を含む複数の処理を並列的に実行する。なお、これらの処理に対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ64に記憶される。CPU26は、図19および20に示す撮像タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0073】
図15を参照して、ディジタルカメラ10から、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、最大ズーム倍率をステップS1で取得し、最小ズーム倍率をステップS3で取得する。
【0074】
ステップS5では、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して現在のズームレンズ12の位置を取得する。ステップS7では、SDRAM56に格納された外部表示画像データに基づいてLCDモニタ60へのスルー画像の表示を開始する。ステップS9ではLCDモニタ60に対してピンチアウト操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS23に進む一方、判別結果がYESであればステップS11に進む。
【0075】
ステップS11では既定時間内の操作量をタッチセンサ62から取得する。ステップS13では、取得された操作量にパラメータαを乗じてズーム変更量を算出する。このようにして算出されたズーム変更量、ズームレンズ12の位置、および現在のディジタルズームのズーム倍率などに基づいて、ステップS15では変更後のズーム倍率を算出する。
【0076】
ステップS17では、算出されたズーム倍率が最大ズーム倍率以下であるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS21に進む一方、判別結果がYESであればステップS19に進む。
【0077】
ステップS19では、ステップS15で算出されたズーム倍率に基づいて、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、ディジタルカメラ10に向けて光学ズームイン指示を送信する。これに対してステップS21では、ステップS15で算出されたズーム倍率に基づき、画像中心を指定して、ディジタルカメラ10に向けてディジタルズームイン指示を送信する。
【0078】
ステップS23ではLCDモニタ60に対してピンチイン操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS35に進む一方、判別結果がYESであればステップS25に進む。
【0079】
ステップS25では既定時間内の操作量をタッチセンサ62から取得する。ステップS27では、取得された操作量にパラメータαを乗じてズーム変更量を算出する。このようにして算出されたズーム変更量、ズームレンズ12の位置、および現在のディジタルズームのズーム倍率などに基づいて、ステップS29では変更後のズーム倍率を算出する。
【0080】
ステップS31では、算出されたズーム倍率が最小ズーム倍率以上であるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS9に戻る一方、判別結果がYESであればステップS33に進む。
【0081】
ステップS33では、ステップS29で算出されたズーム倍率に基づいて、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、ディジタルカメラ10に向けて光学ズームアウト指示を送信する。
【0082】
ステップS35ではLCDモニタ60に対してドラッグ操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS53に進む一方、判別結果がYESであればステップS37に進む。
【0083】
ステップS37では既定時間内の操作量および操作方向をタッチセンサ62から取得する。ステップS39では、取得された操作量にパラメータβを乗じて移動距離を算出する。算出された移動距離および取得された操作方向に基づく移動後の領域をイメージセンサ16が捉えるために必要な光学ズームアウト処理によるズーム倍率を、ステップS41で算出する。
【0084】
ステップS43では、算出されたズーム倍率が最小ズーム倍率以上であるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS9に戻る一方、判別結果がYESであればステップS45で、ステップS41で算出されたズーム倍率に基づいて、ディジタルカメラ10に向けて光学ズームアウト指示を送信する。
【0085】
取り込み画像エリア32aに格納された取り込み画像データから移動後の領域を抽出するために必要な、ディジタルズームイン処理を施す取り込み画像上の位置をステップS47で算出し、ディジタルズームイン処理によるズーム倍率をステップS49で算出する。
【0086】
ステップS49で算出されたズーム倍率に基づき、ステップS47で算出されたズーム位置を指定して、ステップS51ではディジタルカメラ10に向けてディジタルズームイン指示を送信する。ステップS51の処理が完了すると、ステップS9に戻る。
【0087】
ステップS53ではLCDモニタ60に対して設定変更操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS63に進む一方、判別結果がYESであればステップS55に進む。
【0088】
ステップS55では設定変更画面STSをLCDモニタ60に表示し、ステップS57ではLCDモニタ60に対して選択操作が行われたか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、選択操作に従って、パラメータαおよびβの各々の値をステップS59で決定する。ステップS61では設定変更画面STSを非表示とする。この結果、スルー画像の表示が再開される。ステップS61の処理が完了すると、ステップS9に戻る。
【0089】
ステップS63ではLCDモニタ60に対して記録操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS9に戻る一方、判別結果がYESであればステップS65に進む。
【0090】
ステップS65では、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、ディジタルカメラ10に向けて記録指示を送信する。ステップS67では演出画面EFSをLCDモニタ60に表示し、ステップS69では既定時間が経過したか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS71では演出画面EFSを非表示とする。この結果、スルー画像の表示が再開される。ステップS71の処理が完了すると、ステップS9に戻る。
【0091】
図19を参照して、ステップS81では動画取り込み処理を開始する。この結果、シーンを表すスルー画像がLCDモニタ38に表示される。ステップS83では、ディジタルカメラ10に外部制御装置50が接続されているか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS89に進み、判別結果がYESであればステップS85に進む。
【0092】
ステップS85では、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、外部制御装置50に向けた外部表示画像データの送信を開始する。ステップS87では、キー入力装置28およびシャッタボタン28shを無効化する。
【0093】
これに対して、ステップS89では外部制御装置50に向けた外部表示画像データの送信を停止し、ステップS91ではキー入力装置28およびシャッタボタン28shを有効化する。
【0094】
ステップS93では、通信I/F46を通して外部制御装置50から光学ズームイン指示を受信したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS97に進む一方、判別結果がYESであれば指定されたズーム倍率に基づいて光学ズームイン処理をステップS95で実行する。この結果、スルー画像の倍率がピンチ操作に応じて拡大する。ステップS95の処理が完了すると、ステップS83に戻る。
【0095】
ステップS97では、通信I/F46を通して外部制御装置50から光学ズームアウト指示を受信したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS101に進む一方、判別結果がYESであれば指定されたズーム倍率に基づいて光学ズームアウト処理をステップS99で実行する。この結果、スルー画像の倍率がピンチ操作に応じて縮小する。ステップS99の処理が完了すると、ステップS83に戻る。
【0096】
ステップS101では、通信I/F46を通して外部制御装置50からディジタルズームイン指示を受信したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS105に進む一方、判別結果がYESであればステップS103に進む。
【0097】
ステップS103では、指定されたズーム倍率に基づいたディジタルズームイン処理を取り込み画像の指定位置において施す。この結果、最大ズーム倍率以上に拡大されたスルー画像が表示される。ステップS103の処理が完了するとステップS83に戻る。
【0098】
ステップS105では、キー入力装置28に対する記録操作または外部制御装置50からの記録指示の受信があったか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS83に戻る一方、判別結果がYESであればステップS107で静止画取り込み処理を実行し、ステップS109で記録処理を実行する。この結果、記録操作が行われた時点の1フレームの抽出画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32の記録画像エリア32eに静止画像データとして取り込まれる。また、記録処理によって1つの静止画ファイルが記録媒体42に作成される。取り込まれた静止画像データは、新規作成された静止画ファイルに記録処理によって記録される。ステップS109の処理が完了すると、ステップS83に戻る。
【0099】
以上の説明から分かるように、イメージセンサ16は、ズームレンズ12を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する。CPU26は、イメージセンサ16から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する。CPU26はまた、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズ12の配置を調整し、第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整する。このようなイメージセンサ16,ズームレンズ12,およびCPU26は、ディジタルカメラ10に設けられる。
【0100】
CPU52は、ズーム倍率を入力し、抽出位置を入力する。CPU52はまた、CPU26によって参照される第1ズーム倍率および第2ズーム倍率を入力されたズーム倍率に基づいて調整し、その調整態様を入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する。このようなCPU52は、外部制御装置50に設けられる。
【0101】
第1ズーム倍率を参照して配置が調整されたズームレンズを通して捉えられた電子画像のうち、第2ズーム倍率を参照してサイズが調整された抽出領域に属する一部の電子画像が抽出される。このような第1ズーム倍率および第2ズーム倍率は、入力されたズーム倍率に基づいて調整される。また、この調整は、入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定される。
【0102】
このため、ズーム倍率および抽出位置の入力を変化させたとしても、入力に応じてサイズが調整された抽出画像を、得ることができる。したがって、カメラの向きを変えることなく高品質な抽出画像を得ることができ、操作性が向上する。
【0103】
なお、この実施例では、移動操作が認識されたとき、外部制御装置において光学ズーム倍率,ディジタルズーム位置,およびディジタルズーム倍率を算出し、算出されたこれらの情報をディジタルカメラに送信するようにした。しかし、操作量および操作方向を外部制御装置からディジタルカメラに送信するようにし、他の算出処理をディジタルカメラにおいて実行するようにしてもよい。
【0104】
また、タッチセンサをディジタルカメラのLCDモニタに設けて、ディジタルカメラにおいてピンチ操作およびドラッグ操作を可能にし、上述の各処理をディジタルカメラ単体で完結するようにしてもよい。
【0105】
また、ディジタルカメラのキー入力装置およびモニタ部を省略し、外部制御装置においてのみ各操作および画像表示を行うことができるようにしてもよい。
【0106】
また、この実施例では、移動操作の後に記録操作がなされたとき、光学ズームアウト処理およびディジタルズームイン処理を施した画像を記録するようにしたが、光学ズームアウト処理のみを施した画像もともに記録するようにしてもよい。
【0107】
また、この実施例では、ズームイン操作が行われたときに光学ズームイン処理またはディジタルズームイン処理を実行し、移動操作が行われたときに光学ズームアウト処理およびディジタルズームイン処理を実行するようにした。しかし、スルー画像の表示中は、最小ズーム倍率を示す位置にズームレンズを配置し、各操作が行われた時点ではディジタルズームイン処理またはディジタルズームアウト処理を実行するようにしてもよい。また、このようなディジタルズームイン処理およびディジタルズームアウト処理は、表示レスポンスの向上を図るべく、外部制御装置内部で実行するようにしてもよい。この場合、好ましくは、記録操作が行われた時点で、記録画質の向上を図るべく光学ズームイン処理が実行され、記録画像の抽出範囲を調整するべくディジタルズームイン処理が実行される。
【0108】
また、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ44または64に予め記憶される。しかし、通信I/F46および66の各々と外部サーバとを接続するようにし、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44または64に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0109】
また、この実施例では、CPU52によって実行される処理を、図15〜18に示すフロー図に従う処理を含む複数の処理に区分するようにし、CPU26によって実行される処理を、図19および20に示す撮像タスクを含む複数のタスクに区分するようにしている。しかし、これらのタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0110】
また、この実施例では、ディジタルスチルカメラを用いて説明したが、本発明は、ディジタルビデオカメラにも適用することができる。
【0111】
また、この実施例では、ディジタルカメラおよび外部制御装置を組み合わせたカメラシステムを用いて説明したが、本発明は、ディジタルカメラ、携帯電話端末またはスマートフォンなどを相互に組み合わせたカメラシステムにも適用することができる。
【符号の説明】
【0112】
10 … ディジタルカメラ
12 … ズームレンズ
26 … CPU
46 … 通信I/F
50 … 外部制御装置
52 … CPU
60 … LCDモニタ
62 … タッチセンサ
66 … 通信I/F
100 … カメラシステム
【技術分野】
【0001】
この発明は、カメラシステムに関し、特に撮像操作を支援する、カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラシステムの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、カメラ本体が操作部材を有し、該操作部材はカメラ本体に対して突出した第1の状態と収納された第2の状態とに保持可能に構成されている。このような操作部材の外周に、回動可能に保持された操作部材を有し、該操作部材の回動操作により撮影画角の切換えを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−330175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、撮影画像に含まれる範囲を変更するために、操作部材を回動する操作が必要なので、回動可能な部材を設ける必要があり、カメラシステムのサイズの大型化や製造コスト上昇の要因となるおそれがある。また、このような部材を設けないとすると、カメラから離れた場所でのセルフ撮影などの場合に、移動してカメラの向きを調整する必要があり、操作性が低下するおそれがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、操作性を高めることができる、カメラシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従うカメラシステム(100:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、電子カメラ(10)と外部制御装置(50)とを備えるカメラシステム(100)であって、前記電子カメラは、ズームレンズ(12)を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段(32b)、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段(S95, S99)、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段(S103)を備え、前記外部制御装置は、ズーム倍率を入力する倍率入力手段(S9, S23)、抽出位置を入力する位置入力手段(S35)、前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整手段(S41, S49)、および前記倍率調整手段の調整態様を前記位置入力手段によって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御手段(S37, S39, S49)を備える。
【0007】
好ましくは、前記倍率調整手段は、前記第1ズーム倍率の値を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率の値を下回る値に設定する第1設定手段(S41)、および前記第2ズーム倍率の値を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率と前記第1設定手段によって設定された第1ズーム倍率との相違が補償される値に設定する第2設定手段(S49)を含む。
【0008】
好ましくは、前記外部制御装置は抽出位置を設定する第3設定手段(S47)をさらに備え、前記電子カメラは前記第3設定手段によって設定された抽出位置を参照して前記抽出領域の配置を調整する第3調整手段(S101)をさらに備える。
【0009】
好ましくは、前記電子カメラは前記抽出手段によって抽出された電子画像の解像度を調整する第4調整手段(S81)をさらに備える。
【0010】
好ましくは、前記外部制御装置は前記制御手段の処理に用いられる係数を設定する第4設定手段(S57, S59)をさらに備える。
【0011】
好ましくは、前記外部制御装置は記録指示を受け付ける受け付け手段(S63)をさらに備え、前記電子カメラは前記受け付け手段の処理に関連して前記サイズ調整手段の処理が施された電子画像を記録する記録手段(S107, S109)をさらに備える。
【0012】
この発明に従う外部制御装置は、ズームレンズ(12)を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段(32b)、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段(S95, S99)、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段(S103)を備える電子カメラ(10)に接続される外部制御装置(50)であって、ズーム倍率を入力する倍率入力手段(S9, S23)、抽出位置を入力する位置入力手段(S35)、前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整手段(S41, S49)、および前記倍率調整手段の調整態様を前記位置入力手段によって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御手段(S37, S39, S49)を備える。
【0013】
この発明に従う撮像制御プログラムは、ズームレンズ(12)を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段(32b)、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段(S95, S99)、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段(S103)を備える電子カメラ(10)に接続される外部制御装置(50)のプロセッサ(52)に、ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ(S9, S23)、抽出位置を入力する位置入力ステップ(S35)、前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ(S41, S49)、および前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップ(S37, S39, S49)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
【0014】
この発明に従う撮像制御方法は、ズームレンズ(12)を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段(32b)、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段(S95, S99)、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段(S103)を備える電子カメラ(10)に接続される外部制御装置(50)によって実行される撮像制御方法であって、ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ(S9, S23)、抽出位置を入力する位置入力ステップ(S35)、前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ(S41, S49)、および前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップ(S37, S39, S49)を備える。
【0015】
この発明に従う外部制御プログラムは、ズームレンズ(12)を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段(32b)、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段(S95, S99)、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段(S103)を備える電子カメラ(10)に接続され、メモリ(64)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(52)を備える外部制御装置(50)に供給される外部制御プログラムであって、ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ(S9, S23)、抽出位置を入力する位置入力ステップ(S35)、前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ(S41, S49)、および前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップ(S37, S39, S49)を前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0016】
この発明に従う外部制御装置は、ズームレンズ(12)を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段(16)、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段(32b)、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段(S95, S99)、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段(S103)を備える電子カメラ(10)に接続され、外部制御プログラムを受信する受信手段(66)、および前記受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリ(64)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(52)を備える外部制御装置(50)であって、前記外部制御プログラムは、ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ(S9, S23)、抽出位置を入力する位置入力ステップ(S35)、
【0017】
前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ(S41, S49)、および前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップ(S37, S39, S49)を前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0018】
第1ズーム倍率を参照して配置が調整されたズームレンズを通して捉えられた電子画像のうち、第2ズーム倍率を参照してサイズが調整された抽出領域に属する一部の電子画像が抽出される。このような第1ズーム倍率および第2ズーム倍率は、入力されたズーム倍率に基づいて調整される。また、この調整は、入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定される。
【0019】
このため、ズーム倍率および抽出位置の入力を変化させたとしても、入力に応じてサイズが調整された抽出画像を、得ることができる。したがって、カメラの向きを変えることなく高品質な抽出画像を得ることができ、操作性が向上する。
【0020】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例に適用されるSDRAMのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図4】外部制御装置に表示されるスルー画像の一例を示す図解図である。
【図5】外部制御装置に対して行われる操作の一例を示す図解図である。
【図6】外部制御装置に対して行われる操作の他の一例を示す図解図である。
【図7】ズーム倍率算出処理の一部を示す図解図である。
【図8】ズーム倍率算出処理の他の一部を示す図解図である。
【図9】光学ズームアウト処理の一部を示す図解図である。
【図10】ディジタルズームイン処理の一部を示す図解図である。
【図11】外部制御装置に表示されるスルー画像の他の一例を示す図解図である。
【図12】図2実施例の動作の一部を示す図解図である。
【図13】外部制御装置に表示される設定変更画面の一例を示す図解図である。
【図14】外部制御装置に表示される演出画面の一例を示す図解図である。
【図15】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図16】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図17】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図18】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図19】図2実施例に適用される他のCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図20】図2実施例に適用される他のCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0023】
図1を参照して、この実施例のカメラシステムは、基本的に次のように構成される。撮像手段1は、ズームレンズを通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する。抽出手段2は、前記撮像手段1から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する。配置調整手段3は、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する。サイズ調整手段4は、第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整する。電子カメラ10は、このような撮像手段1,抽出手段2,配置調整手段3,およびサイズ調整手段4を備える。
【0024】
倍率入力手段5はズーム倍率を入力する。位置入力手段6は抽出位置を入力する。倍率調整手段7は、前記配置調整手段3によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段4によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力手段5によって入力されたズーム倍率に基づいて調整する。制御手段8は、前記倍率調整手段7の調整態様を前記位置入力手段6によって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する。外部制御装置50は、このような倍率入力手段5,位置入力手段6,倍率調整手段7,および制御手段8を備える。
【0025】
第1ズーム倍率を参照して配置が調整されたズームレンズを通して捉えられた電子画像のうち、第2ズーム倍率を参照してサイズが調整された抽出領域に属する一部の電子画像が抽出される。このような第1ズーム倍率および第2ズーム倍率は、入力されたズーム倍率に基づいて調整される。また、この調整は、入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定される。
【0026】
このため、ズーム倍率および抽出位置の入力を変化させたとしても、入力に応じてサイズが調整された抽出画像を、得ることができる。したがって、カメラの向きを変えることなく高品質な抽出画像を得ることができ、操作性が向上する。
[実施例]
【0027】
図2を参照して、この実施例のカメラシステム100は、ディジタルカメラ10および外部制御装置50を含む。ディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるズームレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経たシーンの光学像は、ドライバ18cによって駆動されるイメージセンサ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、シーンを表す電荷が生成される。
【0028】
ディジタルカメラ10が起動されると、CPU26は、動画取り込み処理を実行するべく、ドライバ18cに露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令する。ドライバ18cは、図示しないSG(SignalGenerator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージセンサ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0029】
信号処理回路20は、イメージセンサ16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって生成されたYUV形式の取り込み画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32の取り込み画像エリア32a(図3参照)に書き込む。
【0030】
CPU26は、取り込み画像エリア32aに格納された取り込み画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された取り込み画像データに後述するディジタルズームイン処理を施す。これによって取り込み画像データから生成された抽出画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM32の抽出画像エリア32b(図3参照)に書き込まれる。なお、ディジタルカメラ10の起動時は、取り込み画像データがそのまま抽出画像データとして抽出画像エリア32bにも書き込まれる。
【0031】
CPU26はまた、抽出画像エリア32bに格納された抽出画像データに対して、表示用のズーム処理と外部表示用のズーム処理とを並列的に実行する。この結果、表示画像データおよび外部表示画像データが個別に作成される。表示画像データはメモリ制御回路30によってSDRAM32の表示画像エリア32cに書き込まれ、外部表示画像データは、メモリ制御回路30によってSDRAM32の外部表示画像エリア32dに書き込まれる。
【0032】
LCDドライバ36は、表示画像エリア32cに格納された表示画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された表示画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、シーンを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がLCDモニタ38に表示される。
【0033】
外部表示画像エリア32cに格納された外部表示画像データは、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、外部制御装置50に向けて繰り返し送信される。送信された外部表示画像データは、通信I/F66を通して外部制御装置50に取り込まれ、メモリ制御回路54によってSDRAM56に書き込まれる。
【0034】
LCDドライバ58は、SDRAM56に格納された外部表示画像データをメモリ制御回路54を通して繰り返し読み出し、読み出された外部表示画像データに基づいてLCDモニタ60を駆動する。この結果、シーンを表すスルー画像がLCDモニタ60にも表示される。
【0035】
図4を参照して、テーブルTLの上に置かれたサイコロDCを含むシーンがディジタルカメラ10のイメージセンサ16によって捉えられる。この場合、サイコロDCを挟んでディジタルカメラ10と向かい合った位置にある外部制御装置50のLCDモニタ60には、イメージセンサ16によって捉えられたサイコロDCを含むシーンの画像が表示される。したがって、外部制御装置50側のサイコロDCの面が“2”を示す場合であっても、ディジタルカメラ10側の“5”を示す面が、LCDモニタ60に表示される。
【0036】
CPU26は、キー入力装置28に対してズーム操作が行われたとき、撮像タスクの下で、ズーム操作の前のズーム倍率およびキー入力装置28に対する操作に基づいて、光学ズーム処理によるズーム倍率を算出する。算出されたズーム倍率に基づいてドライバ18aを通してズームレンズ12を光軸方向に移動させることによって、CPU26は光学ズームイン処理または光学ズームアウト処理を実行する。この結果、スルー画像の倍率がズーム操作に応じて変化する。
【0037】
なお、ディジタルカメラ10にはズームレンズ12の移動可能範囲などによって最大ズーム倍率および最小ズーム倍率が定められている。ズーム倍率がこのような最大ズーム倍率に達してもなおキー入力装置28に対してズームイン操作が継続された場合、CPU26は、電子的な画像の拡大によるディジタルズームイン処理を、ズームイン操作に応じて取り込み画像データに施す。この結果、最大ズーム倍率以上に拡大されたスルー画像が、LCDモニタ38に表示される。
【0038】
また、操作者は、LCDモニタ60に対するいわゆるピンチ操作によって、外部制御装置50においてズーム操作を行うこともできる。操作者の2本の指がLCDモニタ60に触れた状態が維持されたまま、これらの2本の指によって触れられたLCDモニタ60上の2点の距離が変化すると、この動作がタッチセンサ62によって検知され、検知結果がCPU52に与えられる。これらの2点の距離が広げられた場合(=ピンチアウト操作)、CPU52は、ズームイン操作が行われたことを認識する。また、これらの2点の距離が縮められた場合(=ピンチイン操作)、CPU52は、ズームアウト操作が行われたことを認識する。
【0039】
ズームイン操作またはズームアウト操作が認識されると、CPU52は、既定時間内の2点間の距離の変化量を操作量としてタッチセンサ62から取得する。CPU52は次に、取得された操作量に後述するパラメータαを乗じて、ズーム変更量を算出する。このようにして算出されたズーム変更量、ズームレンズ12の位置、および現在のディジタルズームのズーム倍率などに基づいて、CPU52は変更後のズーム倍率を算出する。
【0040】
ズームイン操作に従って算出されたズーム倍率が最大ズーム倍率以下であった場合、算出されたズーム倍率に基づいて、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、ディジタルカメラ10に向けて光学ズームイン指示が送信される。また、ズームアウト操作に従って算出されたズーム倍率が最小ズーム倍率以上であった場合、算出されたズーム倍率に基づいて、ディジタルカメラ10に向けて光学ズームアウト指示が送信される。
【0041】
CPU26は、通信I/F46を通して光学ズームイン指示または光学ズームアウト指示を受信すると、キー入力装置28に対してズーム操作が行われたときと同様に、撮像タスクの下で、指定されたズーム倍率に基づいて、光学ズームイン処理または光学ズームアウト処理をそれぞれ実行する。この結果、スルー画像の倍率がピンチ操作に応じて変化する。
【0042】
一方、ズームイン操作に従って算出されたズーム倍率が最大ズーム倍率を超えた場合、算出されたズーム倍率に基づいて、ディジタルカメラ10に向けてディジタルズームイン指示が送信される。
【0043】
CPU26は、通信I/F46を通してディジタルズームイン指示を受信すると、キー入力装置28に対してズーム操作が行われたときと同様に、指定されたズーム倍率に基づいたディジタルズームイン処理を取り込み画像データに施す。この結果、最大ズーム倍率以上に拡大されたスルー画像が、LCDモニタ60に表示される。
【0044】
なお、ズームアウト操作に従って算出されたズーム倍率が最小ズーム倍率未満であった場合、光学ズームアウト指示およびディジタルズームアウト指示はいずれも送信されない。
【0045】
また、LCDモニタ60に対するズーム操作が継続中であれば、光学ズームイン指示,光学ズームアウト指示,またはディジタルズームイン指示が繰り返し送信される。この結果、スルー画像の倍率が、2本の指の動きに追随して変化する。
【0046】
図5を参照して、イメージセンサ16によって捉えられた人物HM1およびHM2を含むシーンを表すスルー画像が、LCDモニタ60にも表示されている。しかし、スルー画像には電柱PLおよび電線WRが映り込んでいる。これらがスルー画像に含まれないようにするために、操作者は、LCDモニタ60に対してピンチアウト操作を行うことにより、ズームインを試みる。
【0047】
ピンチアウト操作に従ってディジタルカメラ10に向けてズーム指示が送信され、これを受信したCPU26はズームレンズ12を光軸方向に移動させる。この結果、図6を参照して、LCDモニタ60に表示されたスルー画像から電柱PLおよび電線WRが除かれ、人物HM1およびHM2とその周辺部分がLCDモニタ60に拡大表示される。
【0048】
しかし、図6に示す例によると、人物HM1およびHM2の位置が左上に寄っている。これらの位置を中央寄りにするために、操作者は、以下に述べる要領でLCDモニタ60に対して移動操作を行う。
【0049】
操作者は、LCDモニタ60に対する指でのドラッグ操作によって、外部制御装置50において移動操作を行うことができる。操作者の1本の指がLCDモニタ60に触れた状態が維持されたまま、この1本の指によって触れられたLCDモニタ60上の位置が変化すると、この動作がタッチセンサ62によって検知され、検知結果がCPU52に与えられる。この検知結果により、CPU52は、移動操作が行われたことを認識する。
【0050】
移動操作が認識されると、CPU52は、既定時間内の位置の変化量を操作量としてタッチセンサ62から取得し、位置が変化した方向を操作方向としてタッチセンサ62から取得する。CPU52は次に、取得された操作量に後述するパラメータβを乗じて、移動距離を算出する。
【0051】
CPU52は、このようにして算出された移動距離および操作方向に基づく移動後の領域をイメージセンサ16が捉えるために必要な光学ズームアウト処理によるズーム倍率を、算出する。
【0052】
図7を参照して、移動操作の前にイメージセンサ16によって捉えられた領域AR1に対して、操作方向を示す矢印DRおよび移動距離dによって、領域AR1の中心C1から矢印DRと反対方向に距離dだけ離れた点C2が求められる。移動後の領域AR2は、このような点C2を中心とした領域である。このような領域AR2をイメージセンサ16が捉えるために、図8を参照して、領域ARZをイメージセンサ16が捉えるだけのズーム倍率が算出される。
【0053】
このようにして算出されたズーム倍率が最小ズーム倍率以上であれば、算出されたズーム倍率に基づいて、ディジタルカメラ10に向けて光学ズームアウト指示が送信される。
【0054】
CPU26は、通信I/F46を通して光学ズームアウト指示を受信すると、上述の通り、撮像タスクの下で、指定されたズーム倍率に基づいて、光学ズームアウト処理を実行する。
【0055】
CPU52は次に、取り込み画像エリア32aに格納された取り込み画像データから移動後の領域を抽出するために必要なディジタルズームイン処理によるズーム倍率およびディジタルズームイン処理を施す取り込み画像上の位置を、算出する。
【0056】
図9を参照して、取り込み画像エリア32aに格納された取り込み画像のサイズをSZとすると、光学ズームアウト処理後に格納された取り込み画像RG2における移動後の領域AR2のサイズは、SZより小さい。このような領域AR2のサイズをディジタルズームイン処理によって調整するためのズーム倍率Zdは、移動操作前のズーム倍率Z1および移動操作後の光学ズームアウト処理によるズーム倍率Zpを用いて、以下の数1に示す式で求めることができる。
[数1]
Zd=Z1/Zp
【0057】
このようにして算出されたズーム倍率およびズーム位置に基づいて、ディジタルカメラ10に向けてディジタルズームイン指示が送信される。
【0058】
CPU26は、通信I/F46を通してディジタルズームイン指示を受信すると、取り込み画像エリア32aに格納された取り込み画像データをメモリ制御回路30を通して読み出す。CPU26はまた、読み出された取り込み画像データの指定された位置に対して、指定されたズーム倍率に基づいてディジタルズームイン処理を施す。これによって生成された抽出画像データは、上述の通り、メモリ制御回路30を通してSDRAM32の抽出画像エリア32bに書き込まれる。
【0059】
図10を参照して、上述のようにして算出されたズーム倍率に基づいて、取り込み画像RG2の領域AR2に対してディジタルズームイン処理を施すと、サイズがSZである抽出画像EGが作成される。
【0060】
上述の通り、抽出画像エリア32bに格納された抽出画像データからは、外部表示用のズーム処理が施された外部表示画像データが作成され、外部制御装置50に向けて無線通信を介して繰り返し送信される。また、外部制御装置50においては、受信された外部表示画像データに基づいてスルー画像がLCDモニタ60に表示される。したがって、操作者の移動操作に応じて、LCDモニタ60に表示されるスルー画像が更新される。
【0061】
なお、LCDモニタ60に対する移動操作が継続中であれば、光学ズームアウト指示およびディジタルズームイン指示が繰り返し送信される。この結果、スルー画像が指の動きに追随して更新される。
【0062】
また、移動操作に従って算出されたズーム倍率が最小ズーム倍率未満であれば、光学ズームアウト処理を実行できないので、上述の処理は実行されない。
【0063】
図6に示す例において、人物HM1およびHM2の位置を中央寄りにするために操作者が矢印方向に移動操作を行った場合、上述の処理が繰り返された後、スルー画像において人物HM1およびHM2が中央寄りに表示される(図11参照)。また、このとき、LCDモニタ60に表示された領域AR3と、取り込み画像エリア32aに格納された取り込み画像データが示す画像RG3とは、図12に示す位置関係となる。
【0064】
LCDモニタ60に対してズーム操作が行われたとき、上述のように、操作量にパラメータαを乗じてズーム変更量が算出される。また、LCDモニタ60に対して移動操作が行われたとき、上述のように、操作量にパラメータβを乗じて移動距離が算出される。このようなパラメータαおよびβは、LCDモニタ60に対するタッチ操作によって設定変更が可能である。
【0065】
LCDモニタ60に対して設定変更操作が行われると、図13に示す設定変更画面STSがLCDモニタ60に表示される。図13に示す例によると、設定変更画面STS上にボタンBT1〜BT4が表示され、操作者がいずれかにタッチ操作を行うことによって、パラメータαおよびβに設定される値が変更される。
【0066】
例えば、“2倍”と示されたボタンBT2に対してタッチ操作を行うと、パラメータαおよびβの各々の値は“1倍”が選択されたときの2倍に設定される。したがって、“1倍”が選択されたときの2倍のズーム変更量が算出され、“1倍”が選択されたときの2倍の移動距離が算出される。これによって、LCDモニタ60の画面サイズが大きい場合であっても、少ない操作量で所望のズーム操作または移動操作を行うことができる。
【0067】
ボタンBT1〜BT4のいずれかに対して選択操作が行われると、設定変更画面STSの表示は終了し、スルー画像の表示が再開される。
【0068】
撮像タスクの下でシャッタボタン28shが押し下げられると、静止画取り込み処理および記録処理が実行される。シャッタボタン28shが押し下げられた時点の1フレームの抽出画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32の記録画像エリア32eに静止画像データとして取り込まれる。また、記録処理によって1つの静止画ファイルが記録媒体42に作成される。取り込まれた静止画像データは、新規作成された静止画ファイルに記録処理によって記録される。
【0069】
また、操作者は、LCDモニタ60に対するタッチ操作によって、外部制御装置50において記録操作を行うこともできる。LCDモニタ60に対して記録操作が行われたとき、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、ディジタルカメラ10に向けて記録指示が送信される。
【0070】
また、CPU52は、LCDモニタ60に対して記録操作が行われたとき、図14に示す演出画面EFSを既定時間継続してLCDモニタ60に表示する。演出画面EFSの表示が終了すると、スルー画像の表示が再開される。
【0071】
CPU26は、通信I/F46を通して記録指示を受信すると、キー入力装置28に対して記録操作が行われたときと同様に、静止画取り込み処理および記録処理を実行する。
【0072】
CPU52は、図15〜18に示すフロー図に従う処理を含む複数の処理を並列的に実行する。なお、これらの処理に対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ64に記憶される。CPU26は、図19および20に示す撮像タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0073】
図15を参照して、ディジタルカメラ10から、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、最大ズーム倍率をステップS1で取得し、最小ズーム倍率をステップS3で取得する。
【0074】
ステップS5では、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して現在のズームレンズ12の位置を取得する。ステップS7では、SDRAM56に格納された外部表示画像データに基づいてLCDモニタ60へのスルー画像の表示を開始する。ステップS9ではLCDモニタ60に対してピンチアウト操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS23に進む一方、判別結果がYESであればステップS11に進む。
【0075】
ステップS11では既定時間内の操作量をタッチセンサ62から取得する。ステップS13では、取得された操作量にパラメータαを乗じてズーム変更量を算出する。このようにして算出されたズーム変更量、ズームレンズ12の位置、および現在のディジタルズームのズーム倍率などに基づいて、ステップS15では変更後のズーム倍率を算出する。
【0076】
ステップS17では、算出されたズーム倍率が最大ズーム倍率以下であるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS21に進む一方、判別結果がYESであればステップS19に進む。
【0077】
ステップS19では、ステップS15で算出されたズーム倍率に基づいて、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、ディジタルカメラ10に向けて光学ズームイン指示を送信する。これに対してステップS21では、ステップS15で算出されたズーム倍率に基づき、画像中心を指定して、ディジタルカメラ10に向けてディジタルズームイン指示を送信する。
【0078】
ステップS23ではLCDモニタ60に対してピンチイン操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS35に進む一方、判別結果がYESであればステップS25に進む。
【0079】
ステップS25では既定時間内の操作量をタッチセンサ62から取得する。ステップS27では、取得された操作量にパラメータαを乗じてズーム変更量を算出する。このようにして算出されたズーム変更量、ズームレンズ12の位置、および現在のディジタルズームのズーム倍率などに基づいて、ステップS29では変更後のズーム倍率を算出する。
【0080】
ステップS31では、算出されたズーム倍率が最小ズーム倍率以上であるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS9に戻る一方、判別結果がYESであればステップS33に進む。
【0081】
ステップS33では、ステップS29で算出されたズーム倍率に基づいて、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、ディジタルカメラ10に向けて光学ズームアウト指示を送信する。
【0082】
ステップS35ではLCDモニタ60に対してドラッグ操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS53に進む一方、判別結果がYESであればステップS37に進む。
【0083】
ステップS37では既定時間内の操作量および操作方向をタッチセンサ62から取得する。ステップS39では、取得された操作量にパラメータβを乗じて移動距離を算出する。算出された移動距離および取得された操作方向に基づく移動後の領域をイメージセンサ16が捉えるために必要な光学ズームアウト処理によるズーム倍率を、ステップS41で算出する。
【0084】
ステップS43では、算出されたズーム倍率が最小ズーム倍率以上であるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS9に戻る一方、判別結果がYESであればステップS45で、ステップS41で算出されたズーム倍率に基づいて、ディジタルカメラ10に向けて光学ズームアウト指示を送信する。
【0085】
取り込み画像エリア32aに格納された取り込み画像データから移動後の領域を抽出するために必要な、ディジタルズームイン処理を施す取り込み画像上の位置をステップS47で算出し、ディジタルズームイン処理によるズーム倍率をステップS49で算出する。
【0086】
ステップS49で算出されたズーム倍率に基づき、ステップS47で算出されたズーム位置を指定して、ステップS51ではディジタルカメラ10に向けてディジタルズームイン指示を送信する。ステップS51の処理が完了すると、ステップS9に戻る。
【0087】
ステップS53ではLCDモニタ60に対して設定変更操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS63に進む一方、判別結果がYESであればステップS55に進む。
【0088】
ステップS55では設定変更画面STSをLCDモニタ60に表示し、ステップS57ではLCDモニタ60に対して選択操作が行われたか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、選択操作に従って、パラメータαおよびβの各々の値をステップS59で決定する。ステップS61では設定変更画面STSを非表示とする。この結果、スルー画像の表示が再開される。ステップS61の処理が完了すると、ステップS9に戻る。
【0089】
ステップS63ではLCDモニタ60に対して記録操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS9に戻る一方、判別結果がYESであればステップS65に進む。
【0090】
ステップS65では、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、ディジタルカメラ10に向けて記録指示を送信する。ステップS67では演出画面EFSをLCDモニタ60に表示し、ステップS69では既定時間が経過したか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS71では演出画面EFSを非表示とする。この結果、スルー画像の表示が再開される。ステップS71の処理が完了すると、ステップS9に戻る。
【0091】
図19を参照して、ステップS81では動画取り込み処理を開始する。この結果、シーンを表すスルー画像がLCDモニタ38に表示される。ステップS83では、ディジタルカメラ10に外部制御装置50が接続されているか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS89に進み、判別結果がYESであればステップS85に進む。
【0092】
ステップS85では、通信I/F46および通信I/F66によって制御される無線通信を介して、外部制御装置50に向けた外部表示画像データの送信を開始する。ステップS87では、キー入力装置28およびシャッタボタン28shを無効化する。
【0093】
これに対して、ステップS89では外部制御装置50に向けた外部表示画像データの送信を停止し、ステップS91ではキー入力装置28およびシャッタボタン28shを有効化する。
【0094】
ステップS93では、通信I/F46を通して外部制御装置50から光学ズームイン指示を受信したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS97に進む一方、判別結果がYESであれば指定されたズーム倍率に基づいて光学ズームイン処理をステップS95で実行する。この結果、スルー画像の倍率がピンチ操作に応じて拡大する。ステップS95の処理が完了すると、ステップS83に戻る。
【0095】
ステップS97では、通信I/F46を通して外部制御装置50から光学ズームアウト指示を受信したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS101に進む一方、判別結果がYESであれば指定されたズーム倍率に基づいて光学ズームアウト処理をステップS99で実行する。この結果、スルー画像の倍率がピンチ操作に応じて縮小する。ステップS99の処理が完了すると、ステップS83に戻る。
【0096】
ステップS101では、通信I/F46を通して外部制御装置50からディジタルズームイン指示を受信したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS105に進む一方、判別結果がYESであればステップS103に進む。
【0097】
ステップS103では、指定されたズーム倍率に基づいたディジタルズームイン処理を取り込み画像の指定位置において施す。この結果、最大ズーム倍率以上に拡大されたスルー画像が表示される。ステップS103の処理が完了するとステップS83に戻る。
【0098】
ステップS105では、キー入力装置28に対する記録操作または外部制御装置50からの記録指示の受信があったか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS83に戻る一方、判別結果がYESであればステップS107で静止画取り込み処理を実行し、ステップS109で記録処理を実行する。この結果、記録操作が行われた時点の1フレームの抽出画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32の記録画像エリア32eに静止画像データとして取り込まれる。また、記録処理によって1つの静止画ファイルが記録媒体42に作成される。取り込まれた静止画像データは、新規作成された静止画ファイルに記録処理によって記録される。ステップS109の処理が完了すると、ステップS83に戻る。
【0099】
以上の説明から分かるように、イメージセンサ16は、ズームレンズ12を通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する。CPU26は、イメージセンサ16から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する。CPU26はまた、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズ12の配置を調整し、第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整する。このようなイメージセンサ16,ズームレンズ12,およびCPU26は、ディジタルカメラ10に設けられる。
【0100】
CPU52は、ズーム倍率を入力し、抽出位置を入力する。CPU52はまた、CPU26によって参照される第1ズーム倍率および第2ズーム倍率を入力されたズーム倍率に基づいて調整し、その調整態様を入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する。このようなCPU52は、外部制御装置50に設けられる。
【0101】
第1ズーム倍率を参照して配置が調整されたズームレンズを通して捉えられた電子画像のうち、第2ズーム倍率を参照してサイズが調整された抽出領域に属する一部の電子画像が抽出される。このような第1ズーム倍率および第2ズーム倍率は、入力されたズーム倍率に基づいて調整される。また、この調整は、入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定される。
【0102】
このため、ズーム倍率および抽出位置の入力を変化させたとしても、入力に応じてサイズが調整された抽出画像を、得ることができる。したがって、カメラの向きを変えることなく高品質な抽出画像を得ることができ、操作性が向上する。
【0103】
なお、この実施例では、移動操作が認識されたとき、外部制御装置において光学ズーム倍率,ディジタルズーム位置,およびディジタルズーム倍率を算出し、算出されたこれらの情報をディジタルカメラに送信するようにした。しかし、操作量および操作方向を外部制御装置からディジタルカメラに送信するようにし、他の算出処理をディジタルカメラにおいて実行するようにしてもよい。
【0104】
また、タッチセンサをディジタルカメラのLCDモニタに設けて、ディジタルカメラにおいてピンチ操作およびドラッグ操作を可能にし、上述の各処理をディジタルカメラ単体で完結するようにしてもよい。
【0105】
また、ディジタルカメラのキー入力装置およびモニタ部を省略し、外部制御装置においてのみ各操作および画像表示を行うことができるようにしてもよい。
【0106】
また、この実施例では、移動操作の後に記録操作がなされたとき、光学ズームアウト処理およびディジタルズームイン処理を施した画像を記録するようにしたが、光学ズームアウト処理のみを施した画像もともに記録するようにしてもよい。
【0107】
また、この実施例では、ズームイン操作が行われたときに光学ズームイン処理またはディジタルズームイン処理を実行し、移動操作が行われたときに光学ズームアウト処理およびディジタルズームイン処理を実行するようにした。しかし、スルー画像の表示中は、最小ズーム倍率を示す位置にズームレンズを配置し、各操作が行われた時点ではディジタルズームイン処理またはディジタルズームアウト処理を実行するようにしてもよい。また、このようなディジタルズームイン処理およびディジタルズームアウト処理は、表示レスポンスの向上を図るべく、外部制御装置内部で実行するようにしてもよい。この場合、好ましくは、記録操作が行われた時点で、記録画質の向上を図るべく光学ズームイン処理が実行され、記録画像の抽出範囲を調整するべくディジタルズームイン処理が実行される。
【0108】
また、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ44または64に予め記憶される。しかし、通信I/F46および66の各々と外部サーバとを接続するようにし、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44または64に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0109】
また、この実施例では、CPU52によって実行される処理を、図15〜18に示すフロー図に従う処理を含む複数の処理に区分するようにし、CPU26によって実行される処理を、図19および20に示す撮像タスクを含む複数のタスクに区分するようにしている。しかし、これらのタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0110】
また、この実施例では、ディジタルスチルカメラを用いて説明したが、本発明は、ディジタルビデオカメラにも適用することができる。
【0111】
また、この実施例では、ディジタルカメラおよび外部制御装置を組み合わせたカメラシステムを用いて説明したが、本発明は、ディジタルカメラ、携帯電話端末またはスマートフォンなどを相互に組み合わせたカメラシステムにも適用することができる。
【符号の説明】
【0112】
10 … ディジタルカメラ
12 … ズームレンズ
26 … CPU
46 … 通信I/F
50 … 外部制御装置
52 … CPU
60 … LCDモニタ
62 … タッチセンサ
66 … 通信I/F
100 … カメラシステム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子カメラと外部制御装置とを備えるカメラシステムであって、
前記電子カメラは、
ズームレンズを通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、
前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段、
第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段、および
第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段を備え、
前記外部制御装置は、
ズーム倍率を入力する倍率入力手段、
抽出位置を入力する位置入力手段、
前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整手段、および
前記倍率調整手段の調整態様を前記位置入力手段によって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御手段を備える、カメラシステム。
【請求項2】
前記倍率調整手段は、前記第1ズーム倍率の値を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率の値を下回る値に設定する第1設定手段、および前記第2ズーム倍率の値を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率と前記第1設定手段によって設定された第1ズーム倍率との相違が補償される値に設定する第2設定手段を含む、請求項1記載のカメラシステム。
【請求項3】
前記外部制御装置は抽出位置を設定する第3設定手段をさらに備え、
前記電子カメラは前記第3設定手段によって設定された抽出位置を参照して前記抽出領域の配置を調整する第3調整手段をさらに備える、請求項1または2記載のカメラシステム。
【請求項4】
前記電子カメラは前記抽出手段によって抽出された電子画像の解像度を調整する第4調整手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載のカメラシステム。
【請求項5】
前記外部制御装置は前記制御手段の処理に用いられる係数を設定する第4設定手段をさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載のカメラシステム。
【請求項6】
前記外部制御装置は記録指示を受け付ける受け付け手段をさらに備え、
前記電子カメラは前記受け付け手段の処理に関連して前記サイズ調整手段の処理が施された電子画像を記録する記録手段をさらに備える、請求項1ないし5のいずれかに記載のカメラシステム。
【請求項7】
ズームレンズを通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段を備える電子カメラに接続される外部制御装置であって、
ズーム倍率を入力する倍率入力手段、
抽出位置を入力する位置入力手段、
前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整手段、および
前記倍率調整手段の調整態様を前記位置入力手段によって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御手段を備える、外部制御装置。
【請求項8】
ズームレンズを通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段を備える電子カメラに接続される外部制御装置のプロセッサに、
ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ、
抽出位置を入力する位置入力ステップ、
前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ、および
前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
【請求項9】
ズームレンズを通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段を備える電子カメラに接続される外部制御装置によって実行される撮像制御方法であって、
ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ、
抽出位置を入力する位置入力ステップ、
前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ、および
前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップを備える、撮像制御方法。
【請求項10】
ズームレンズを通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段を備える電子カメラに接続され、メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える外部制御装置に供給される外部制御プログラムであって、
ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ、
抽出位置を入力する位置入力ステップ、
前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ、および
前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項11】
ズームレンズを通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段を備える電子カメラに接続され、
外部制御プログラムを受信する受信手段、および
前記受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える外部制御装置であって、
前記外部制御プログラムは、
ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ、
抽出位置を入力する位置入力ステップ、
前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ、および
前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、外部制御装置。
【請求項1】
電子カメラと外部制御装置とを備えるカメラシステムであって、
前記電子カメラは、
ズームレンズを通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、
前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段、
第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段、および
第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段を備え、
前記外部制御装置は、
ズーム倍率を入力する倍率入力手段、
抽出位置を入力する位置入力手段、
前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整手段、および
前記倍率調整手段の調整態様を前記位置入力手段によって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御手段を備える、カメラシステム。
【請求項2】
前記倍率調整手段は、前記第1ズーム倍率の値を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率の値を下回る値に設定する第1設定手段、および前記第2ズーム倍率の値を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率と前記第1設定手段によって設定された第1ズーム倍率との相違が補償される値に設定する第2設定手段を含む、請求項1記載のカメラシステム。
【請求項3】
前記外部制御装置は抽出位置を設定する第3設定手段をさらに備え、
前記電子カメラは前記第3設定手段によって設定された抽出位置を参照して前記抽出領域の配置を調整する第3調整手段をさらに備える、請求項1または2記載のカメラシステム。
【請求項4】
前記電子カメラは前記抽出手段によって抽出された電子画像の解像度を調整する第4調整手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載のカメラシステム。
【請求項5】
前記外部制御装置は前記制御手段の処理に用いられる係数を設定する第4設定手段をさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載のカメラシステム。
【請求項6】
前記外部制御装置は記録指示を受け付ける受け付け手段をさらに備え、
前記電子カメラは前記受け付け手段の処理に関連して前記サイズ調整手段の処理が施された電子画像を記録する記録手段をさらに備える、請求項1ないし5のいずれかに記載のカメラシステム。
【請求項7】
ズームレンズを通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段を備える電子カメラに接続される外部制御装置であって、
ズーム倍率を入力する倍率入力手段、
抽出位置を入力する位置入力手段、
前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力手段によって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整手段、および
前記倍率調整手段の調整態様を前記位置入力手段によって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御手段を備える、外部制御装置。
【請求項8】
ズームレンズを通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段を備える電子カメラに接続される外部制御装置のプロセッサに、
ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ、
抽出位置を入力する位置入力ステップ、
前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ、および
前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
【請求項9】
ズームレンズを通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段を備える電子カメラに接続される外部制御装置によって実行される撮像制御方法であって、
ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ、
抽出位置を入力する位置入力ステップ、
前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ、および
前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップを備える、撮像制御方法。
【請求項10】
ズームレンズを通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段を備える電子カメラに接続され、メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える外部制御装置に供給される外部制御プログラムであって、
ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ、
抽出位置を入力する位置入力ステップ、
前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ、および
前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項11】
ズームレンズを通して捉えられた光学像に対応する電子画像を出力する撮像手段、前記撮像手段から出力された電子画像のうち抽出領域に属する一部の電子画像を抽出する抽出手段、第1ズーム倍率を参照して前記ズームレンズの配置を調整する配置調整手段、および第2ズーム倍率を参照して前記抽出領域のサイズを調整するサイズ調整手段を備える電子カメラに接続され、
外部制御プログラムを受信する受信手段、および
前記受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える外部制御装置であって、
前記外部制御プログラムは、
ズーム倍率を入力する倍率入力ステップ、
抽出位置を入力する位置入力ステップ、
前記配置調整手段によって参照される第1ズーム倍率および前記サイズ調整手段によって参照される第2ズーム倍率を前記倍率入力ステップによって入力されたズーム倍率に基づいて調整する倍率調整ステップ、および
前記倍率調整ステップの調整態様を前記位置入力ステップによって入力された抽出位置に応じて異なる態様に設定する制御ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、外部制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−98636(P2013−98636A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237491(P2011−237491)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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