説明

カメラ

【課題】獲得予想ポイントを知らせるカメラを提供する。
【解決手段】本発明によるカメラ10は、被写体像を撮影する撮影装置101と、撮影内容に応じてポイントを獲得するポイント生成手段108と、ポイント生成手段108による獲得ポイントを予想するポイント予想手段108と、ポイント予想手段108によって予想されたポイントを知らせる報知手段110,111とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラが所定の動作を行った場合などに、予め動作内容ごとに定められているポイントを生成し、生成したポイントを蓄積するカメラが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−292368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のカメラでは、獲得したポイントしかわからない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明によるカメラは、被写体像を撮影する撮影装置と、撮影内容に応じてポイントを獲得するポイント生成手段と、ポイント生成手段による獲得ポイントを予想するポイント予想手段と、ポイント予想手段によって予想されたポイントを知らせる報知手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項1に記載のカメラにおいて、ポイント予想手段は獲得可能な最高ポイントをさらに予想し、報知手段は予想された最高ポイントをさらに知らせることが好ましい。
(3)請求項1または2に記載のカメラはさらに、レリーズ操作信号を発する操作部材を備えてもよい。この場合の報知手段は、操作部材からの半押し操作信号に応じて予想された獲得ポイントまたは予想された最高ポイントを知らせることが好ましい。
(4)請求項3に記載のカメラにおいて、報知手段はさらに、既に獲得した累計ポイントを知らせることが好ましい。
(5)請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のカメラにおいて、報知手段は、ポイント生成手段によって獲得されたポイントを撮影後に知らせることもできる。
(6)請求項5に記載のカメラにおいて、報知手段はさらに、既に獲得した累計ポイントを知らせることが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によるカメラでは、獲得予想ポイントを知らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態による電子カメラ10を含めて構成したポイント提供システムを例示する図である。ポイント提供システムは、サービス提供者が予め定めた所定のルールに基づいてサービス利用者へ得点(ポイント)を提供するためのシステムである。図1において、ネットワークに得点管理サーバ11、端末(PC)12、アクセスポイント13、および端末(PC)21が接続されている。
【0008】
得点管理サーバ11は、サービス提供者によってデータセンターなどに配置される。得点管理サーバ11には、サービス利用者へ提供する得点に関する情報、当該得点をサービス利用者へ提供するための情報、サービス利用者ごとの獲得得点、およびサービス利用者の管理情報などを管理する。PC12はサービス提供者によってサービスセンターに配置されたインターネットアクセス端末(たとえば、パーソナルコンピュータ)であり、インターネットを介して得点管理サーバ11へアクセス可能に構成される。
【0009】
アクセスポイント13は、サービス提供者によって観光地や交通ターミナルなどに設けられた無線アクセス端末である。電子カメラ10が通信機能を有する場合、サービス利用者はアクセスポイント13を介して得点管理サーバ11へアクセス可能である。
【0010】
PC21はサービス利用者が使用するインターネットアクセス端末(たとえば、パーソナルコンピュータ)であり、サービス利用者が自宅からインターネットを介して得点管理サーバ11へアクセス可能に構成される。
【0011】
上記ポイント提供システムにおいて、サービス利用者は以下のいずれかの態様によって得点管理サーバ11へアクセスし、ポイント提供サービスを利用する。
(1)サービス利用者は、自宅の端末21からインターネットに接続してポイント提供サービスを利用する。電子カメラ10および端末21間をUSBケーブルなどで接続し、記録媒体10A内のデータを得点管理サーバ11へ送受可能にする。
【0012】
(2)サービス利用者は、自宅の端末21からインターネットに接続してポイント提供サービスを利用する。電子カメラ10に装着されている記録媒体10Aを、電子カメラ10から取り出して端末21のカードスロット(不図示)へ実装し、記録媒体10A内のデータを得点管理サーバ11へ送受可能にする。この場合、電子カメラ10および端末21間の接続は不要である。
【0013】
(3)サービス利用者は、電子カメラ10を観光地などのアクセスポイント13経由でインターネットに接続し、ポイント提供サービスを利用する。アクセスポイント13との間で通信が成立した電子カメラ10は、記録媒体10A内のデータを得点管理サーバ11へ送受可能にする。
【0014】
(4)サービス利用者は、サービスセンターなどの端末12からインターネットに接続してポイント提供サービスを利用する。電子カメラ10および端末12間をUSBケーブルなどで接続し、記録媒体10A内のデータを得点管理サーバ11へ送受可能にする。
【0015】
(5)サービス利用者は、サービスセンターなどの端末12からインターネットに接続してポイント提供サービスを利用する。電子カメラ10に装着されている記録媒体10Aを、電子カメラ10から取り出して端末12のカードスロット(不図示)へ実装し、記録媒体10A内のデータを得点管理サーバ11へ送受可能にする。この場合、電子カメラ10および端末12間の接続は不要である。
【0016】
上述したポイント提供システムは、電子カメラ10が撮影動作を行った場合に、撮影内容(被写体、撮影場所、撮影画像の露出、ピント、ブレ等)や撮影条件(電子カメラ10の設定状態など)ごとに定められているポイントを生成し、生成したポイントを得点管理サーバ11に蓄積する。得点管理サーバ11にポイントを蓄積できない場合は、当該ポイントまたはポイント算出に必要な情報を電子カメラ10内の記録媒体10A内に保存しておき、得点管理サーバ11にポイントを蓄積できるときに記録媒体10A内の保存情報に基づいて得点管理サーバ11へポイントを蓄積する。
【0017】
本発明は、上記ポイント提供システムで使用する電子カメラ10に関するので、以降の説明は電子カメラ10を中心に行う。図2は、電子カメラ10の要部構成を説明するブロック図である。図2において、タイミングジェネレータ(TG)105は、メインCPU108から送出される指示に応じて、タイミング信号をドライバ104、AFE(Analog Front End)回路102、A/D変換回路103および画像処理回路106へ供給する。ドライバ104は、撮像素子101で必要とされる駆動信号を供給する。
【0018】
撮影レンズLは、撮像素子101の撮像面に被写体像を結像させる。撮像素子101は、画素に対応する複数の光電変換素子を備えたCCDイメージセンサなどによって構成され、撮像面上に結像されている被写体像を撮像し、被写体像の明るさに応じた光電変換信号を出力する。撮像素子101の撮像面には、それぞれR(赤)、G(緑)およびB(青)のカラーフィルタが画素位置に対応するように設けられている。撮像素子101がカラーフィルタを通して被写体像を撮像するため、撮像素子101から出力される光電変換信号は、RGB表色系の色情報を有する。
【0019】
AFE回路102は、撮像素子101から出力される光電変換信号に対するアナログ処理(ゲインコントロールなど)を行う。A/D変換回路103は、アナログ処理後の撮像信号をディジタル信号に変換する。
【0020】
メインCPU108は、各ブロックから出力される信号を入力して所定の演算を行い、演算結果に基づく制御信号を各ブロックへ出力する。画像処理回路106は、たとえばASICとして構成され、A/D変換回路103から入力されるディジタル画像信号に対する画像処理を行う。画像処理には、たとえば、輪郭強調や色温度調整(ホワイトバランス調整)処理、画像信号に対するフォーマット変換処理が含まれる。
【0021】
画像圧縮回路107は、画像処理回路106による処理後の画像信号に対して、JPEG方式で所定の圧縮比率の画像圧縮処理を行う。表示画像作成回路110は、撮像画像を液晶モニタ111に表示させるための表示データを作成する。液晶モニタ111は、表示画像作成回路110から入力される表示データによる再生画像を表示する。表示画像作成回路110は画像表示用データの他、メッセージやメニュー、マークなどを表示するためのデータの作成も行う。これにより、液晶モニタ111に画像以外の情報も表示される。
【0022】
記録媒体10Aは、電子カメラ10に対して着脱可能なメモリカードなどで構成される。記録媒体10Aには、メインCPU108からの指示によって撮影画像のデータ、およびその撮影情報を含む画像ファイルが記録される。記録媒体10Aにはさらに、メインCPU108からの指示によってポイントデータ(得点情報)が記録される。記録媒体10Aに記録された画像ファイル、得点情報は、それぞれメインCPU108からの指示によって読み出しが可能である。
【0023】
バッファメモリ109は、画像処理前後および画像処理途中のデータを一時的に格納する他、記録媒体10Aへ記録する前の画像ファイルを格納したり、記録媒体10Aから読み出した画像ファイルを格納したり、ポイントを生成したりするワークメモリとして使用される。
【0024】
操作部材113は、電子カメラ10の操作ボタン類に対応し、各ボタンの押下操作に対応する操作信号をメインCPU108へ出力する。後述するモード切替えスイッチは操作部材113に含まれる。外部インターフェイス112は、メインCPU108からの指示により外部機器(パーソナルコンピュータやクレードル等)との間で不図示のケーブルを介してデータを送受信する。
【0025】
GPS装置114は、メインCPU108からの指示に応じてGPS衛星からの電波を受信し、受信信号をメインCPU108へ出力する。メインCPU108は、GPS装置114からの受信信号に基づいて所定の演算を行い、電子カメラ10の測位情報(緯度、経度、高度)を検出する。
【0026】
方位センサ115は、メインCPU108からの指示に応じて地磁気を検出し、検出した地磁気に基づいて電子カメラ10が向いている方向、すなわち、撮影レンズLの光軸が向いている方位を求め、求めた方位を示す信号をメインCPU108へ出力する。方位センサ115によって検出される方位は、電子カメラ10による撮影方位に対応する。
【0027】
図3は、電子カメラ10の動作モード遷移図である。図3において、電子カメラ10の動作モードは「得点情報獲得モード」と「得点情報獲得モード」以外の「他のモード」とに大別され、いずれか一方が選択される。「得点情報獲得モード」は、電子カメラ10が撮影動作時に上述したポイントを生成する動作モードである。「得点情報獲得モード」における電子カメラ10は、生成したポイントデータを得点管理サーバ11へ送信する。ポイントデータを送信できない場合は当該ポイントまたはポイント算出に必要な情報を電子カメラ10内の記録媒体10A内に保存しておき、得点管理サーバ11へ送信できるときに記録媒体10A内の保存情報を得点管理サーバ11へ送信する。
【0028】
「他のモード」は、撮影動作時に上記ポイントを生成しないモードであり、たとえば、電子カメラが露出に関する設定を自動的に行う「Pモード」、「Aモード」、「Sモード」、露出に関する設定を手動で行う「Mモード」、電子カメラが撮りたいシーンに適した設定を自動的に行う「シーンモード(「夜景」、「ポートレート」、「クローズアップ」など)」を含む。また、スリープ状態を含む「電源オフ状態」から「得点情報獲得モード」への移行を可能にすることから、ここでは「電源オフ状態」も便宜上「他のモード」として扱うことにする。
【0029】
<メイン処理>
図4は、電子カメラ10のメインCPU108が行うメイン処理の流れを説明するフローチャートである。図4によるプログラムはメインCPU108内のメモリ(不図示)に格納されており、電子カメラ10に電池(不図示)が装填されると起動される(ステップS100)。ステップS102において、メインCPU108はカメラ処理終了か否かを判定する。メインCPU108は、電池(不図示)が抜かれた場合にステップS102を肯定判定してステップS104へ進み、電池が装填されている場合にはステップS102を否定判定してステップS108へ進む。
【0030】
ステップS104において、メインCPU108は、コンデンサ(不図示)内の蓄積電荷を電源としてカメラ処理終了動作を行い、図4による処理を終了する(ステップS150)。
【0031】
ステップS108において、メインCPU108は、「得点情報獲得モード」か否かを判定する。メインCPU108は、「得点情報獲得モード」と判定した場合はステップS108を肯定判定してステップS110へ進み、「得点情報獲得モード」でない(すなわち「他のモード」)と判定した場合はステップS108を否定判定してステップS118へ進む。
【0032】
ステップS110において、メインCPU108は、「得点情報獲得モード」を終了して「他のモード」へ移行する条件が整っているかを判断してステップS112へ進む。具体的には、不図示のモード切替えスイッチから「他のモード」への移行を指示する操作信号が入力されたか、または予め定められている「他のモード」へ移行するための条件が整ったかを判断する。メインCPU108は、たとえば、外部インターフェイス112を介して通信中の外部機器から「得点情報獲得モード」を終了する信号を受信した場合、移行条件成立と判断する。
【0033】
ステップS112において、メインCPU108は、ステップS110の判断結果がモード終了か否かを判定する。メインCPU108は、移行を指示する操作信号または移行条件成立によってモード終了を判定した場合にステップS112を肯定判定してステップS114へ進み、移行を指示する操作信号がなく移行条件も不成立でモード終了を判定しない場合にはステップS112を否定判定してステップS116へ進む。なお、「得点情報獲得モード」へ移行した直近の移行理由がモード切替えスイッチからの操作信号であった場合には、「得点情報獲得モード」へ移行した時点から所定時間(たとえば1時間)が経過するまでは、例外として「他のモード」への移行を指示するモード切替えスイッチからの操作信号の入力のみによってモード終了を判定する。
【0034】
ステップS114において、メインCPU108は「得点情報獲得モード」の終了動作を実行後に「他のモード」を選択してステップS102へ戻る。ここで、選択する「他のモード」は、「得点情報獲得モード」へ移行する前のモード(「Pモード」、「Aモード」、「Sモード」、「Mモード」、「シーンモード」、「電源オフ状態」のいずれか)とする。
【0035】
ステップS116において、メインCPU108は、「得点情報獲得モード」の通常動作を行ってステップS102へ戻る。この場合は「得点情報獲得モード」が継続される。
【0036】
上述したステップS108を否定判定して進むステップS118において、メインCPU108は、「他のモード」を終了して「得点情報獲得モード」へ移行する条件が整っているかを判断してステップS120へ進む。具体的には、不図示のモード切替えスイッチから「得点情報獲得モード」への移行を指示する操作信号が入力されたか、または予め定められている「得点情報獲得モード」へ移行するための条件が整ったかを判断する。メインCPU108は、たとえば「得点情報獲得モード」への移行が許可されている状態で、外部インターフェイス112を介して通信中の外部機器から「得点情報獲得モード」へ移行する信号を受信した場合、移行条件成立と判断する。
【0037】
ステップS120において、メインCPU108は、ステップS118の判断結果がモード変更か否かを判定する。メインCPU108は、移行を指示する操作信号または移行条件成立によってモード変更を判定した場合にステップS120を肯定判定してステップS122へ進み、移行を指示する操作信号がなく移行条件も不成立でモード変更を判定しない場合にはステップS120を否定判定してステップS124へ進む。なお、「他のモード」へ移行した直近の移行理由がモード切替えスイッチからの操作信号であった場合には、「他のモード」へ移行した時点から所定時間(たとえば1時間)が経過するまでは、例外として「得点情報獲得モード」への移行を指示するモード切替えスイッチからの操作信号の入力のみによってモード変更を判定する。
【0038】
ステップS122において、メインCPU108は「得点情報獲得モード」の初期動作を行ってステップS102へ戻る。これにより、「他のモード」に代えて「得点情報獲得モード」が選択される。
【0039】
ステップS124において、メインCPU108は、「他モード」の通常動作を行ってステップS102へ戻る。この場合は「他モード」が継続される。
【0040】
<初期動作>
ステップS122における初期動作の詳細について説明する。メインCPU108は、初期動作として次の5つを行う。
−初期動作A−
メインCPU108は、電子カメラ10の動作モードが「得点情報獲得モード」へ移行(電源ON操作時含む)したことを電子カメラ10のユーザに知らせるように、電子音を再生したり、不図示のランプや液晶モニタ111によって「得点情報獲得モード」への移行を示す表示を行わせる。これにより、「得点情報獲得モード」への移行(電源ON時含む)をユーザへ通知できる。
【0041】
−初期動作B−
「得点情報獲得モード」では、ポイントを導出するために画像認識を行う。この画像認識は、画像の比較やフィルタリング処理、リサイズ処理などの様々な画像処理を含むため、画像データのバッファリングや演算のために多くのメモリ領域を必要とする。メインCPU108は、初期動作としてモード間の移行に伴う不要なメモリ領域の解放と、画像処理に必要なメモリ領域の確保とを行う。これにより、以降の制御処理を円滑に行い、バッファメモリ109を効率よく使用できる。また、画像のデータサイズを「得点情報獲得モード」に適したサイズにする。たとえば、撮像素子101の有効画素数が千万画素であっても、「得点情報獲得モード」では百万画素程度に小さく制限する。
【0042】
−初期動作C−
メインCPU108は、上記画像認識処理に適したパラメータ選択や、画像処理エンジン(画像処理回路106)の画像処理用レジスタの設定を行う。パラメータの例として、フィルタ(検波)係数、画像変倍(リサイズ)係数、輪郭強調パラメータ、色再現パラメータ、および階調パラメータなどがある。
【0043】
−初期動作D−
メインCPU108は、カメラ内外の情報に基づいて電子カメラ10の設定を行う。設定内容は、たとえば、フラッシュ設定(発光禁止/強制発光/スローシンクロ等の切替え)、フォーカス設定(AF−S/AF−F/チューリップマーク/山マークの切替え)、測光モード設定(マルチパターン/中央部重点/スポット測光の切替え)、ホワイトバランス設定(AUTO/プリセット/マニュアルの切替え)、防振モード設定(OFF/ノーマル/アクティブの切替え)などである。
【0044】
−初期動作E−
メインCPU108は、外部インターフェイス112へ指示を送り、外部機器との間の通信を開始させる。なお、電子カメラ10の不図示のスロット内に無線通信カードが装着されている場合には、当該無線通信カードを介して外部機器と通信を行ってもよい。
【0045】
<終了動作>
ステップS114における終了動作の詳細について説明する。メインCPU108は、終了動作として次の5つを行う。
−終了動作A−
メインCPU108は、電子カメラ10が「得点情報獲得モード」を終了(電源OFF操作時含む)することを電子カメラ10のユーザに知らせるように、電子音を再生したり、不図示のランプや液晶モニタ111によって「得点情報獲得モード」の終了を示す表示を行わせる。これにより、「得点情報獲得モード」の終了(電源OFF時含む)をユーザへ通知できる。
【0046】
−終了動作B−
メインCPU108は、初期動作時に確保したメモリ領域を開放するとともに「他のモード」で必要なメモリ領域の確保を行う。これにより、以降の制御処理を円滑に行い、バッファメモリ109を効率よく使用できる。また、「得点情報獲得モード」で制限していた画像のデータサイズを、制限前の元のデータサイズに戻す。
【0047】
−終了動作C−
メインCPU108は、初期動作時に行ったパラメータ選択や画像処理用レジスタの設定内容を、「他のモード」における処理に適したパラメータ選択や画像処理用レジスタの設定に変更する。これにより、以降の制御処理を円滑に行える。
【0048】
−終了動作D−
メインCPU108は、「得点情報獲得モード」で行った電子カメラ10の設定を、「得点情報獲得モード」へ移行する前の設定内容に戻すように設定変更する。これにより、以降の制御処理を円滑に行える。
【0049】
−終了動作E−
メインCPU108は、外部インターフェイス112へ指示を送り、外部機器との間の通信を終了させる。なお、不図示の無線通信カードによって通信している場合には、当該無線通信カードへ通信終了を指示する。
【0050】
<得点情報獲得モードにおける通常動作>
ステップS116で行う通常動作の詳細について説明する。電子カメラ10が「他のモード」において撮影を行う場合、通常、本撮影前の構図決定時(以下、撮影待機中と呼ぶ)に露出演算、オートフォーカス(AF)処理、および液晶モニタ111へのスルー画表示を行う。スルー画は、本撮影の前段階として撮像素子101で繰り返し取得される予備撮影画像である。本撮影は、レリーズ釦が全押し操作されたことによる操作信号(撮影指示)に応じて行われる撮影である。
【0051】
「得点情報獲得モード」における撮影待機中に電子カメラ10が行う動作は、上記「他モード」の場合と比べて、以下の動作が追加される。
−カメラ設定−
メインCPU108は、撮影待機中に取得したカメラ内外の情報に基づいて、電子カメラ10の設定内容やパラメータを変更したり、電子カメラ10のユーザへの情報報知を行ったりする。情報報知は、電子音を再生したり、不図示のランプ(LEDなど)や液晶モニタ111の表示などを通じて行う。この場合の設定は、上記「初期動作D」の後で新たに必要になったものについて行う。メインCPU108はさらに、ポイントを導出するための前準備を行う。
【0052】
−外部機器との通信−
メインCPU108は、外部機器との間で通信を行うことにより、リアルタイムに被写体の情報を取得する。外部インターフェイス112を介した通信の他に、無線通信カード(不図示)を介する無線LAN通信、赤外線通信、光通信、ICタグなどとの間で無線通信を行ってもよい。また、撮像素子101によって取得されたスルー画像からQRコード、バーコードなどを解析することによって情報を取得することもできる。取得する情報は、被写体の名称や座標、当該被写体を撮影した場合の獲得予想ポイント(得点)の導出に必要なデータベース情報などである。
【0053】
−位置情報取得−
メインCPU108は、GPS装置114による受信信号に基づいて取得した電子カメラ10の測位情報および方位センサ115で取得された方位情報を、予めデータベースに登録されている被写体(ランドマーク)の所在位置と照合し、照合結果を用いて被写体(ランドマーク)の名称や座標、当該被写体(ランドマーク)を撮影した場合の獲得予想ポイント(得点)などを示す表示を液晶モニタ111に行わせる。データベースは、被写体(ランドマーク)の名称、被写体(ランドマーク)の位置データ、被写体(ランドマーク)の画像データ、被写体(ランドマーク)ごとに定められた付与ポイントを示すデータなどを登録したものであり、得点管理サーバ11に格納されている。メインCPU108は、電子カメラ10の現在位置から所定範囲内に位置する被写体(ランドマーク)に関するデータベース情報を通信によって得点管理サーバ11から取得し、記録媒体10Aに保存しておく。
【0054】
液晶モニタ111に表示する被写体情報は、電子カメラ10の現在位置から一番近い被写体(ランドマーク)について表示する。最寄りの被写体(ランドマーク)が所定距離以上離れている場合には、表示するか否かを電子カメラ10のユーザによる指示に応じて決定する。メインCPU108は、操作部材113から表示を指示する操作信号が入力されれば表示を行い、表示が指示されなければ表示を行わない。この場合の所定距離は、被写体(ランドマーク)が山などの場合は大きく、被写体(ランドマーク)が建造物などの場合は小さくする。
【0055】
被写体情報の通知は、液晶モニタ111に表示する他に、ランプの点滅速度や点灯輝度、点灯個数などを変化させることによって最寄りの被写体(ランドマーク)までの距離や数を表してもよい。視覚的に通知するだけでなく、音声(音色、周波数、リズム)を変化させることによって聴覚を通じて通知させてもよい。
【0056】
−予測被写体に応じた設定−
メインCPU108は、電子カメラ10の設定内容を撮影が予測される被写体(上記最寄りのランドマーク)に適した値に変更する。設定変更内容は、たとえば、ズーム位置設定、フラッシュ設定(発光禁止/強制発光/スローシンクロ等の切替え)、フォーカス設定(AF−S/AF−F/チューリップマーク/山マークの切替え)、測光モード設定(マルチパターン/中央部重点/スポット測光の切替え)、ホワイトバランス設定(AUTO/プリセット/マニュアルの切替え)、防振モード設定(OFF/ノーマル/アクティブの切替え)などである。また、撮影の機能以外の設定項目として、言語設定や日時設定などを変更対象に加えてもよい。なお、自動的に電子カメラ10の設定内容が変更されることを許可するか否かを予め電子カメラ10に設定しておくように構成してもよい。
【0057】
−画像認識−
電子カメラ10は、撮像素子101によって取得されたスルー画像を予めデータベースに登録されている被写体の画像と比較し、その結果を用いて被写体(この場合は、場所を特定する風景や建造物などランドマークの他、動植物などでもよい)の名称(や座標)、本撮影した場合に獲得が予想されるポイント(得点)などを示す表示を液晶モニタ111に行わせる。いわゆるテンプレートマッチング処理によってスルー画像とデータベースに登録されている被写体の画像との合致を判定すると、当該被写体をフレーミングしていることを判断できる。フレーミングしている場合は、合致度が高いほどポイントを加点する。
【0058】
電子カメラ10が撮影待機中に行う上記動作を連携すると、取得する被写体情報の精度が上がり、画像認識率を高めることができる。たとえば、電子カメラ10が測位情報と方位情報とを得点管理サーバ11へ送信すれば、得点管理サーバ11が電子カメラ10へ送信する被写体(ランドマーク)画像のデータは、電子カメラ10と略等しい地点から観察した画像に絞ることができる。これにより、電子カメラ10が画像認識の際の比較に用いるデータベース画像が限定されるために画像認識に要する時間が短縮され、画像認識率が高くなる。さらに、電子カメラ10が取得するデータベース画像が減るので、外部機器との通信時間も短縮される。
【0059】
メインCPU108は、得点管理サーバ11のデータベースから画像認識に用いる画像を取得する際に、電子カメラ10の設定情報を反映させる。たとえば、撮影レンズLの焦点距離に基づき、当該画角と略等しいフレーミングで撮影された被写体画像を取得する。一般に、被写体までの距離と撮影レンズLの焦点距離が変化すると、同じ大きさで被写体をフレーミングした場合でもパース効果により被写体の見え方が異なる。そこで、画像認識の際の比較に用いるデータベース画像を焦点距離に対応させることによって、被写体情報の精度を上げ、画像認識率を高めることができる。
【0060】
−アシスト表示−
メインCPU108は、液晶モニタ111へ表示中のスルー画に重ねて、撮影時の構図を補助するアシスト情報を表示させる。アシスト情報は、たとえば、上記被写体認識用の画像における主要被写体の輪郭に対応するラインや、主要被写体の位置(撮影画面内における位置)合わせ用の格子などであり、得点管理サーバ11のデータベースから電子カメラ10へ送信する。アシスト情報を液晶モニタ111へ表示させることで、電子カメラ10のユーザに模範的な構図の一例を提示することができる上に、画像認識処理に適した撮影画像が得られるようにユーザをアシストできる。この場合にも、画像認識における認識率が高まる。
【0061】
−得点情報提示−
メインCPU108は、レリーズ釦が半押し操作されたことによる操作信号に応じて、撮影によるポイントの獲得可否、獲得可能の場合に獲得が予想されるポイント、被写体名および座標情報を、液晶モニタ111へ表示中のスルー画に重ねて表示させる。これにより、撮影指示(全押し操作)前に獲得予想ポイントがユーザ(サービス利用者)に提示され、ユーザは提示内容を確認した上で撮影するか否かを決定できる。獲得予想ポイントの算出についての詳細は後述する。
【0062】
メインCPU108は、半押し操作後も被写体の輝度情報や方位情報の取得を継続し、取得情報が所定値を超えて変化した場合は獲得予想ポイントをの表示を消去し、ポイント獲得不能を示す表示に切替える。これにより、露出や構図などの撮影条件がポイント算出時と異なることが予想される状況では、撮影してもポイントが提供されない旨をユーザに通知できる。
【0063】
<ポイント算出>
メインCPU108は、以下のように獲得予想ポイントを算出する。メインCPU108は、「獲得ポイント(得点)」を算出するため、「画像の情報」、「被写体固有の情報」、「撮像素子固有の情報」、および「ユーザ固有の情報」をそれぞれ取得する。「被写体固有の情報」についてはデータベース情報から取得し、その他の情報についてはカメラ内部に有する情報を用いる。各情報はそれぞれ複数の項目を有し、項目のそれぞれに対応して付与ポイントが予め定められている。
【0064】
メインCPU108は、ルックアップテーブルを参照してポイント算出を行う。ルックアップテーブルは項目ごとの付与ポイントを記したものであり、得点管理サーバ11のデータベースから取得する。メインCPU108は、各項目についての付与ポイントを用いて獲得予想ポイントを算出し、獲得予想ポイント、ポイント算出に用いた項目、および各項目に対応する付与ポイントを示すデータを、「得点の情報1」とする。
【0065】
図5は、「得点の情報1」を説明する図である。本実施の形態では、上記4つの情報のうち、「被写体固有の情報」、「撮像素子固有の情報」、および「ユーザ固有の情報」の3つに基づいてポイントを算出する。「獲得ポイント(獲得予想ポイント)」は、ポイント算出に用いた「被写体固有の情報」、「撮像素子固有の情報」、「ユーザー固有の情報」からそれぞれ得られるポイントの総和(BB+CC+DD)とする。
【0066】
−画像の情報−
「画像の情報」は、ポイント獲得の対象となる画像を示す。本実施形態の場合、電子カメラ10が撮影画像として記録する画像ファイル(JPEG)である。動画を記録するカメラの場合は動画ファイルとし、銀塩カメラの場合はフィルムとする。
【0067】
−被写体固有の情報−
「被写体固有の情報」は、以下の4項目からなる。
(1.被写体内容)
上記画像認識結果や外部機器との通信で取得した情報等を利用して特定した被写体の名称や識別コードである。同じ被写体でも、季節や時間、表情などに応じて名称を異ならせてもよい。たとえば、「夜のマリンタワー、夏のマリンタワー」。メインCPU108は、識別コードに対応する付与ポイントを示すデータをルックアップテーブルから読出す、あるいは外部機器との通信によってリアルタイムに取得する。
【0068】
被写体内容は画像認識結果を含む。画像認識では、上述したデータベース画像との合致度の他、撮影画像の露出状態(白飛び、黒沈みなど)、ピント状態およびブレ状態(コントラスト)も検出し、それぞれの検出結果に応じた付与ポイントを示すデータをルックアップテーブルから読出す、あるいは外部機器との通信によってリアルタイムに取得する。
【0069】
(2.撮影場所)
GPS装置114を利用して特定した測位情報である。メインCPU108は、測位情報に対応する付与ポイントを示すデータをルックアップテーブルから読出す、あるいは外部機器との通信によってリアルタイムに取得する。
【0070】
(3.撮影日時)
撮影時の正確な日時情報である。メインCPU108は、自身が内部に有する計時データを取得する、あるいは外部機器との通信によって日時データをリアルタイムに取得する。メインCPU108はさらに、日時情報に対応する付与ポイントを示すデータをルックアップテーブルから読出す、あるいは外部機器との通信によってリアルタイムに取得する。
【0071】
(4.被写体別ポイント)
メインCPU108は、上記項目1〜3についてのポイントの和を被写体別ポイントとする。各項目ごとの付与ポイントを示すデータはルックアップテーブルに記されているが、以下の場合はボーナスポイントが提供される。たとえば、「2.撮影場所」についての付与ポイントは、サービス提供者が開催するキャンペーンの開催場所の位置情報と、電子カメラ10で取得された測位情報とが合致(所定距離以内である)する場合に通常時より加点される。また、「3.撮影日時」についての付与ポイントは、サービス提供者が開催するキャンペーンの開催日時と電子カメラ10で取得された日時情報とが合致する場合に通常時より加点される。これらの加点は、ルックアップテーブルの更新によって行われる。メインCPU108が更新後のルックアップテーブルを参照することで、獲得ポイント(獲得予想ポイント)に加点内容が反映される。
【0072】
また、電子カメラ10(メインCPU108)が所定条件を満たすか否かに応じて加点の可否を決定してもよい。たとえば、画像認識によって所定のフレーミングを判断したメインCPU108は、「1.被写体内容」についてルックアップテーブルから読出した付与ポイントに所定のボーナス点を加える。
【0073】
−撮像装置固有の情報−
「撮像装置固有の情報」は、以下の19項目からなる。
(1.カメラモード)
露出に関して電子カメラ10に設定されている「Pモード」、「Sモード」、「Aモード」、「Mモード」を示す情報である。
(2.シーンモード)
撮影シーンに間して電子カメラ10に設定されている「ポートレート」、「夜景」モードなどを示す情報である。
【0074】
(3.露出情報)
電子カメラ10で演算された露出情報である。
(4.測光情報)
電子カメラ10で検出された測光情報である。
(5.フォーカス情報)
電子カメラ10のAF動作情報である。
(6.焦点距離情報)
電子カメラ10の撮影レンズLの焦点距離情報である。
【0075】
(7.マクロモード)
電子カメラ10のフォーカス設定情報である。
(8.ホワイトバランス情報)
電子カメラ10の色温度調整処理情報である。
(9.感度情報)
電子カメラ10のISO値に関する設定情報である。
(10.カラーモード)
電子カメラ10の色空間に関する設定情報である。
【0076】
(11.輪郭モード)
電子カメラ10の輪郭処理情報である。
(12.セルフタイマー設定)
電子カメラ10のセルフタイマーに関する設定情報である。
(13.連写モード)
電子カメラ10の連写に関する設定情報である。
(14.設定日時情報)
電子カメラ10の設定日時に関する情報である。
【0077】
(15.設定言語情報)
電子カメラ10の設定言語に関する情報である。
(16.交換レンズ情報
電子カメラ10に装着されている撮影レンズLに関する情報(動作状態、メーカー、機種名、器番を含む)である。
(17.外部フラッシュ情報)
電子カメラ10に装着されているフラッシュ装置(不図示)に関する情報(動作状態、メーカー、機種名、器番を含む)である。
(18.使用メモリカード情報)
電子カメラ10に装着されている記録媒体10Aに関する情報(容量、メーカー、機種名、器番を含む)である。
【0078】
(19.使用電池情報)
電子カメラ10に装填されている電池パック(不図示)に関する情報(動作状態、メーカー、機種名、器番を含む)である。
(20.撮像装置別ポイント)
メインCPU108は、上記項目1〜19についてのポイントの和を撮像装置別ポイントとする。メインCPU108は、各項目の情報に対応する付与ポイントを示すデータをルックアップテーブルから読出す、あるいは外部機器との通信によってリアルタイムに取得する。上記項目16〜19についての各付与ポイントは、それぞれの情報に含まれるメーカー名がサービス提供者と関連する(たとえば、系列企業、スポンサーなど)メーカー名と合致する場合にポイントが高くなるように作られている。また、上記項目1〜15についての各付与ポイントは、それぞれの情報の内容が予め定められている内容(たとえば、プロの写真家による設定内容)と合致する場合にポイントが高くなるように作られている。
【0079】
−ユーザ固有の情報−
「ユーザ固有の情報」は、以下の11項目からなる。
(1.カメラID)
カメラ個々に割り当てられているID情報(メーカー、機種名、器番を含む)である。
(2.ユーザID)
ユーザ個々に割り当てられたID情報である。
(3.カメラIPアドレス)
インターネット通信機器の個々に割り当てられるID情報である。
(4.カメラ所有台数)
ユーザのカメラ所有台数である。付与ポイントは、所有台数が多いほどポイントが高くなるように作られている。
【0080】
(5.累計ポイント)
ユーザが獲得したポイントの累計である。付与ポイントは、累計ポイントが多いほどポイントが高くなるように作られている。
(6.使用可能ポイント)
商品、サービスと交換可能なポイントである。付与ポイントは、使用可能ポイントが多いほどポイントが高くなるように作られている。
(7.ユーザーバイオメトリクス情報)
ユーザの指紋、虹彩、手の平静脈、または顔画像をデータ化した情報である。
(8.ユーザステータス)
ユーザのポイント獲得状況や、カメラ所有台数、ポイントラリー情報(後述)などで決まるユーザのステータス情報である。付与ポイントは、ステータスが高いほどポイントが高くなるように作られている。
【0081】
(9.ポイントラリー情報)
予め定められた複数の被写体の一部または全てを撮影した場合に、ボーナス得点を提供するサービス(ポイントラリーと呼ぶ)を実施した場合に用いる情報である。たとえば、複数の被写体として「世界遺産」、「百名山」、「日本三景」など、幾つかの被写体をまとめて呼称するグループ名称やグループコードと、グループに属する個々の被写体の情報として、「世界遺産」の内の「原爆ドーム」や「屋久島」などの被写体の名称や識別コードとを用いる。また、被写体の位置情報や、ユーザやカメラによる被写体の撮影状況をグループに属する個々の被写体の情報に含めてもよい。
【0082】
(10.他ユーザの情報)
電子カメラ10の近くに位置する他のカメラのユーザID、カメラID、カメラIPアドレスなどの情報である。
(11.ユーザ別ポイント)
メインCPU108は、上記項目1〜9についてのポイントの和をユーザ別ポイントとする。メインCPU108は、各項目の情報に対応する付与ポイントを示すデータをルックアップテーブルから読出す、あるいは外部機器との通信によってリアルタイムに取得する。また、電子カメラ10(メインCPU108)が所定条件を満たすか否かで減点の可否を決定してもよい。たとえば、上記項目10について所定数以上のカメラの存在を判断したメインCPU108は、ルックアップテーブルから読出した付与ポイントから所定点を減じる。
【0083】
<本撮影>
電子カメラ10は、撮影待機中のレリーズ釦の全押し操作に応じて本撮影を行う。本撮影時に撮像素子101で取得された画像信号に所定の画像処理および圧縮処理を施し、圧縮処理後の画像データに、撮影条件に関する情報などの付加情報を付加した画像ファイルを生成する。具体的には、JPEG形式の画像データを画像データ部に格納し、付加情報を付加情報部に格納したExif形式の画像ファイルを生成する。
【0084】
「得点情報獲得モード」における電子カメラ10はさらに、付加情報部に上述した「得点の情報1」も格納する。撮影待機中に算出したポイントは獲得予想ポイントであるが、本撮影後に算出されるポイントは獲得ポイントである。メインCPU108は、「被写体固有の情報」や「撮像装置固有の情報」のうち、撮影待機中の内容と本撮影時の内容とで異なる項目について本撮影時の内容に置換することにより、本撮影することによって得られるポイントを生成する。メインCPU108は、「得点の情報1」を格納した画像ファイルを記録媒体10Aに保存し、獲得ポイント、被写体名および座標情報を液晶モニタ111へ撮影画像に重ねて表示させて、一連の撮影処理を終了する。
【0085】
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)電子カメラ10は、撮影内容に応じてポイントを生成し、そのポイントを獲得する「得点情報獲得モード」と、撮影してもポイント生成、獲得をしない「他のモード」とを選択可能に構成したので、ポイントを貯めたいユーザの要望にも、ポイントが不要なユーザの要望にも対応できる。
【0086】
(2)電子カメラ10は、操作部材113を構成するモード切替えスイッチからの操作信号に応じて「得点情報獲得モード」と「他のモード」との間で選択モードを変更するようにしたので、ユーザ操作によって直ちにモード変更できる。
【0087】
(3)たとえば、外部インターフェイス112を介して通信中の外部機器から信号を受信した場合など、予め定められているモード移行条件が整った場合に「得点情報獲得モード」と「他のモード」との間で選択モードを変更するようにしたので、電子カメラ10はユーザ操作によらなくても自動的にモード変更できる。
【0088】
(4)ユーザ操作によって選択モードを変更した場合には、直近のモード移行時点から所定時間(たとえば1時間)が経過するまでは、例外としてユーザ操作のみに応じてモード間を移行させ、外部機器からの信号ではモード間の移行を行わないようにした。これにより、ユーザがモード切替えスイッチを操作してモード間を移行させた後の1時間は、外部インターフェイス112を介して通信中の外部機器からモード間の移行信号を受信した場合でも選択モードが維持される。したがって、電子カメラ10がユーザの意図に反して「得点情報獲得モード」および「他のモード」間で自動的にモード変更することが防止される。
【0089】
(5)「得点情報獲得モード」と「他のモード」との間で、画像処理に必要なメモリ領域の確保/開放設定、画像認識処理に適したパラメータ選択設定、画像処理エンジン(画像処理回路106)の画像処理用レジスタ設定、および画像のデータサイズ設定をそれぞれ変更するようにしたので、各モードにおいてメインCPU108の処理が円滑に進み、信号処理の負担を軽くすることができる。なお、上記全ての設定変更を行わずに、少なくとも一つについて変更してもよい。
【0090】
(6)とくに、画像処理に用いるメモリ範囲について、「得点情報獲得モード」では「他のモード」に比べて広く確保するので、メモリの使用範囲が狭い場合に比べて画像処理を円滑に進めることができる。
【0091】
(7)とくに、画像信号処理に関するパラメータ選択やレジスタ設定について、「得点情報獲得モード」では被写体認識に適した設定内容とするので、画像認識処理を円滑に進めることができる。
【0092】
(8)とくに、画像のデータサイズについて、「得点情報獲得モード」では「他のモード」に比べてデータサイズを小さく抑えるので、データサイズが大きい場合に比べて画像認識処理の処理負担の軽減、処理時間の短縮を図ることができる。
【0093】
(9)電子カメラ10が測位情報を用いてポイント生成するので、撮影場所(位置)を獲得ポイントに反映させることができる。これにより、たとえば、キャンペーン開催地へ訪れて撮影したユーザを対象に高いポイントを提供することができる。
【0094】
(10)電子カメラ10の測位位置から近隣に存在するランドマークの画像が電子カメラ10による撮影画像から認識されると獲得ポイントを変化させるようにしたので、電子カメラ10がランドマークを撮影した場合や、電子カメラ10による撮影画像のフレーミングがデータベース画像のフレーミングと合致する場合にポイントを加点することができる。また、合致度に応じてポイントを増減することもできる。
【0095】
(11)電子カメラ10は外部インターフェイス112を介した通信によってデータベース画像をリアルタイムに取得できるので、撮影時にリアルタイムにポイントを生成できる。
【0096】
(12)電子カメラ10は記録媒体10Aに記録されているデータベース画像を読出しできるので、撮影時に外部機器と通信できない場合でもポイントを生成できる。
【0097】
(13)電子カメラ10は、レリーズ釦が半押し操作されたことによる操作信号に応じて、ポイントの獲得可否、獲得可能の場合に獲得が予想されるポイント、被写体名および座標情報を、液晶モニタ111へ表示中のスルー画に重ねて表示させるようにした。これにより、撮影前に獲得予想ポイントがユーザに提示され、ユーザは提示内容を確認した上で撮影するか否かを決定できる。
【0098】
(14)レリーズ釦の半押し操作前は上記表示を行わないので、構図を決める際に上記表示が邪魔にならず、構図変更される際の画面のちらつき(表示と非表示の繰り返し)を防ぐこともできる。
【0099】
(15)電子カメラ10は、本撮影を行うと「被写体固有の情報」や「撮像装置固有の情報」のうち、撮影待機中の内容と本撮影時の内容とで異なる項目について本撮影時の内容に置換することによって本撮影で得られたポイントを生成し、獲得したポイント、被写体名および座標情報を、液晶モニタ111へ撮影画像(いわゆるフリーズ画)に重ねて表示させるようにした。ユーザは、撮影結果を獲得ポイントとともに確認できる。
【0100】
(16)
撮像装置固有の情報により、撮影画像(写真)の出来や、ユーザの写真技術、ユーザによる純正品の使用状況などがわかる。
【0101】
(変形例1)
ステップS112およびS120における肯定判定の理由がモード切替えスイッチからの操作信号でない場合(すなわち、予め定められている移行条件が整った場合)には、モード間の移行条件が整ったことを示す表示のみを不図示のランプや液晶モニタ111によって行ってもよい。この場合のメインCPU108は、上記表示後にモード切替えスイッチから操作信号が入力された時点でモード間を移行させてステップS102へ戻る。これにより、モード間の移行が自動で行われることを望まないユーザにとって使い勝手が向上する。なお、視覚を通じた報知に代えて電子音などの聴覚を通じた報知を行ってもよいし、両者を併用してもよい。
【0102】
(変形例2)
上記ステップS112およびS120において予め定められている移行条件が整う例として、外部インターフェイス112を介して通信中の外部機器からのモード移行を示す信号受信の場合を説明したが、この他にも、メインCPU108が所定の測位情報(緯度、経度、高度)を検出した場合、所定日時に達した場合、記録媒体10Aが装着もしくは取り外された場合などに、移行条件が整ったと肯定判定してもよい。
【0103】
(変形例3)
「得点情報獲得モード」において一連の撮影処理が終了(すなわち、「得点の情報1」を記録媒体10Aに格納)するごとに、「他のモード」へ変更するように構成してもよい。この場合のメインCPU108は、撮影処理終了後にステップS114と同様の処理を行ってステップS102へ戻る。「得点情報獲得モード」で撮影したいユーザは、モード切替えスイッチを操作して「得点情報獲得モード」へ変更してから撮影を行う。撮影終了後に自動的に「他のモード」へ戻るので、「他のモード」へ戻す操作を忘れてしまうユーザにとっては好適である。
【0104】
(変形例4)
「得点の情報1」の中に「画像の情報」、「被写体固有の情報」、「撮像装置固有の情報」、および「ユーザ固有の情報」を併記したが、「画像の情報」の中に「被写体固有の情報」、「撮像装置固有の情報」、および「ユーザ固有の情報」の一部または全てを含む構成としてもよい。図6は、「得点の情報2」を説明する図である。図5と比べて、「画像の情報」の中に「被写体固有の情報」および「撮像装置固有の情報」が含まれている点が異なる。獲得ポイント(獲得予想ポイント)の算出方法は「得点の情報1」の場合と同様である。
【0105】
(変形例5)
「得点の情報1」または「得点の情報2」を暗号化してもよい。図7は、「得点の情報3」を説明する図である。図5および図6と比べて、それぞれ暗号化されている点が異なる。
【0106】
(変形例6)
上述した電子カメラ10は、「被写体固有の情報」、「撮像装置固有の情報」、および「ユーザ固有の情報」と、得点管理サーバ11から取得したデータベース情報とを用いて電子カメラ10内でポイントを算出した。データベース情報を得点管理サーバ11から取得できない場合、電子カメラ10は「被写体固有の情報」、「撮像装置固有の情報」、および「ユーザ固有の情報」などを「撮像装置が取得したデータ1」として画像ファイルの付加情報部に格納してもよい。図8は、「撮像装置が取得したデータ1」を説明する図である。図5の「得点の情報1」と比べて、ポイント算出をしていないことからポイントに関する項目が存在しない点が異なる。
【0107】
撮影時にポイントを算出できない場合でも「撮像装置が取得したデータ1」を記録媒体10Aなどに保存しておくことにより、データベース情報を得点管理サーバ11から取得できる時点で後からポイントを生成することが可能になる。また、「撮像装置が取得したデータ1」を保存した記録媒体10Aがサービスセンターの端末12のカードスロット(不図示)に装着されると、端末12、もしくは端末12と接続されている得点管理サーバ11においてもポイント生成が可能である。
【0108】
(変形例7)
「撮像装置が取得したデータ1」の中には、「画像の情報」、「被写体固有の情報」、「撮像装置固有の情報」、および「ユーザ固有の情報」を併記したが、「画像の情報」の中に「被写体固有の情報」、「撮像装置固有の情報」、および「ユーザ固有の情報」の一部または全てを含む構成としてもよい。図9は、「撮像装置が取得したデータ2」を説明する図である。図8と比べて、「画像の情報」の中に「被写体固有の情報」および「撮像装置固有の情報」が含まれている点が異なる。
【0109】
(変形例8)
「撮像装置が取得したデータ1」または「撮像装置が取得したデータ2」を暗号化してもよい。図10は、「撮像装置が取得したデータ3」を説明する図である。図8および図9と比べて、それぞれ暗号化されている点が異なる。
【0110】
(変形例9)
上述した説明では、4つの情報「画像の情報」、「被写体固有の情報」、「撮像素子固有の情報」、および「ユーザ固有の情報」のうち3つに3つの情報に基づいてポイントを算出する例を説明したが、4つの情報全てに基づいてポイントを算出しても、いずれか2つの情報に基づいてポイントを算出しても、いずれか1つのみの情報に基づいてポイントを算出してもよい。4つの情報に基づいて算出する場合のポイントの総和は(AA+BB+CC+DD)であり、2つの情報に基づいて算出する場合のポイント総和は、たとえば(BB+DD)であり、1つの情報に基づく場合のポイントは、たとえば(CC)である。
【0111】
(変形例10)
以上の説明では、各情報に基づいて算出したポイントの総和を獲得ポイント(獲得予想ポイント)としたが、各情報に基づいて算出したポイントに重み付けを行ってから総和を算出してもよい。
【0112】
(変形例11)
撮影指示(全押し操作)前にユーザに提示する獲得予想ポイントに加えて、ポイントの満点(獲得可能な最高点)情報をユーザに提示してもよい。この場合のメインCPU108は、レリーズ釦が半押し操作されたことによる操作信号に応じて、撮影によるポイントが獲得可能の場合に獲得が予想されるポイント、満点ポイント、被写体名および座標情報を、液晶モニタ111へ表示中のスルー画に重ねて表示させる。撮影指示(全押し操作)前に獲得予想ポイントとともに満点ポイントがユーザ(サービス利用者)に提示されるため、ユーザはさらなるポイント上昇を狙って構図や撮影条件の見直しを行うことができる。
【0113】
(変形例12)
満点ポイントは本撮影後の獲得ポイントに加えてユーザに提示してもよい。メインCPU108は、液晶モニタ111へ表示する撮影画像に重ねて、獲得ポイント、満点ポイント、被写体名および座標情報を表示させる。
【0114】
(変形例13)
変形例11および変形例12において、獲得(予想)ポイントや満点ポイントに加えて、ユーザが獲得した累計ポイントを液晶モニタ111へ表示してもよい。目標を定めてポイントを貯めているユーザにとって使いやすくなる。
【0115】
(変形例14)
「得点の情報1」を記録媒体10Aに格納する例を説明したが、「得点の情報1」の格納先は記録媒体10Aの他、「ユーザ固有の情報」が記憶されているIDカード、電子カメラ10の内蔵メモリでもよい。なお、「得点の情報1」が有する獲得ポイントは得点管理サーバ11によって管理される。この場合の得点管理サーバ11は、「得点の情報1」の獲得ポイントを受信する際に、既に受信済みの獲得ポイントを重複してカウントしないようにユーザ単位で管理を行う。
【0116】
(変形例15)
「撮像装置が取得したデータ1」は、記録媒体10Aに格納する他、「ユーザ固有の情報」が記憶されているIDカード、電子カメラ10の内蔵メモリに格納してもよい。また、「撮像装置が取得したデータ1」を得点管理サーバ11内の所定領域に格納してもよい。この場合の得点管理サーバ11は、「撮像装置が取得したデータ1」が電子カメラ10から送信された時点でリアルタイムに獲得ポイントを算出できる。算出したポイントは、得点管理サーバ11がユーザ単位で管理を行う。
【0117】
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。説明に用いた実施形態および変形例1〜変形例15は、それぞれを適宜組合わせて構成しても構わない。
【0118】
カメラが電子カメラである場合を例に説明したが、銀塩カメラの場合にも本発明を適用してよい。銀塩カメラの場合には、「被写体固有の情報」のうち「1.被写体内容」に関する付与ポイントを所定値(たとえば0)にする。
【0119】
電子カメラ10を例に説明したが、カメラつき携帯電話機、カメラつきPDAであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の一実施形態による電子カメラを含めて構成したポイント提供システムを例示する図である。
【図2】電子カメラの要部構成を説明するブロック図である。
【図3】電子カメラの動作モード遷移図である。
【図4】電子カメラのメインCPUが行うメイン処理のフローチャートである。
【図5】「得点の情報1」を説明する図である。
【図6】「得点の情報2」を説明する図である。
【図7】「得点の情報3」を説明する図である。
【図8】「撮像装置が取得したデータ1」を説明する図である。
【図9】「撮像装置が取得したデータ2」を説明する図である。
【図10】「撮像装置が取得したデータ3」を説明する図である。
【符号の説明】
【0121】
10…電子カメラ
10A…記録媒体
11…得点管理サーバ
12、21…端末(PC)
13…アクセスポイント
101…撮像素子
108…メインCPU
109…バッファメモリ
110…表示画像作成回路
111…液晶モニタ
112…外部インターフェイス
113…操作部材
114…GPS装置
115…方位センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮影する撮影装置と、
撮影内容に応じてポイントを獲得するポイント生成手段と、
前記ポイント生成手段による獲得ポイントを予想するポイント予想手段と、
前記ポイント予想手段によって予想されたポイントを知らせる報知手段とを備えることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラにおいて、
前記ポイント予想手段は獲得可能な最高ポイントをさらに予想し、
前記報知手段は前記予想された最高ポイントをさらに知らせることを特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のカメラにおいて、
レリーズ操作信号を発する操作部材をさらに備え、
前記報知手段は、前記操作部材からの半押し操作信号に応じて前記予想された獲得ポイントまたは前記予想された最高ポイントを知らせることを特徴とするカメラ。
【請求項4】
請求項3に記載のカメラにおいて、
前記報知手段はさらに、既に獲得した累計ポイントを知らせることを特徴とするカメラ。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記報知手段は、前記ポイント生成手段によって獲得されたポイントを撮影後に知らせることを特徴とするカメラ。
【請求項6】
請求項5に記載のカメラにおいて、
前記報知手段はさらに、既に獲得した累計ポイントを知らせることを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−17187(P2008−17187A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−186733(P2006−186733)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】