説明

カメラ

【課題】高速移動物体の連写撮影中において、時間的に前後する画像間のノイズ量の差を低減して画質の連続性を維持する。
【解決手段】被写体の像を撮影する撮像素子9と、撮像素子9により連続して撮影された2枚の画像を比較して差分を検出する全体コントローラ15と、全体コントローラ15により検出された差分に応じて、次に撮影する画像について撮像素子9の露光時間を調節しかつ適正露光が得られるように撮像素子9の感度を調節する露光調節部19と、撮像素子9により撮影された画像のノイズ量の低減処理を行う画像処理部21とを備え、全体コントローラ15が露光調節部19により調節された撮像素子9の感度に基づいて、画像処理部21によるノイズの低減量を調節するカメラ1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、8〜9枚/秒の連写速度で撮影が行われるデジタルカメラが知られているが、高速撮影が可能なイメージセンサが開発されつつあり、このようなセンサが搭載されたカメラによれば30〜60枚/秒もしくはそれ以上の連写速度で撮影を行うことが可能となっている。このような高速連写可能なカメラで高速移動物体を撮影しようとする場合、被写体の動きに応じてシャッタスピードを適切にコントロールしないと、撮影された被写体がブレてしまうという問題がある。
【0003】
この問題に対し、特許文献1には、連写撮影中において、被写体の動きが速ければ速いほど高感度撮影を行って、すなわち、ISO感度を上げてシャッタスピードを短くして撮影のブレを制御する技術が提案されている。
【特許文献1】特開2004−120576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている手法では、連写撮影中にISO感度を変化させるため、高速移動物体の撮影中に時間的に前後する画像間でノイズ量が急激に変わり、連続して再生すると画質の差が顕著に現れて画質のバランスを保つことができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高速移動物体の連写撮影中において、時間的に前後する画像間のノイズ量の差を低減して画質の連続性を維持することができるカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、被写体の像を撮影する撮像素子と、該撮像素子により連続して撮影された2枚の画像を比較して差分を検出する差分検出部と、該差分検出部により検出された差分に応じて、次に撮影する画像について前記撮像素子の露光時間を調節しかつ適正露光が得られるように前記撮像素子の感度を調節する露光調節部と、前記撮像素子により撮影された画像のノイズ量の低減処理を行う画像処理部と、前記露光調節部により調節された前記撮像素子の感度に基づいて、前記画像処理部によるノイズの低減量を調節するノイズ量調節部とを備えるカメラ提供する。
【0007】
本発明によれば、差分検出部により検出された連続する2枚の画像の差分が大きい場合、例えば、被写体の移動速度が速くなった場合には、露光調節部が撮像素子の露光時間を短く調節することにより、次に撮影される画像におけるブレの発生が抑制される。この場合には、露光調節部が撮像素子の感度を向上することにより、露光時間が短く抑えられていても適正露光を得ることができる。
【0008】
この場合に、撮像素子の感度を上昇させると画像のノイズ量が多くなるが、ノイズ量調節部により、撮像素子の感度に対応して画像処理部が制御されて画像のノイズ量の低減処理が行われるので、ノイズ量を抑えた明るい画像を取得することができる。したがって、被写体が急激に動いた場合であっても、画像の明るさおよびノイズ量の急激な変化を抑えることができる。
【0009】
上記発明においては、前記ノイズ量調節部が、前記画像のノイズ量を直前に撮影された画像のノイズ量に近似させるようにノイズの低減量を調節することとしてもよい。
このように構成することで、連続する画像間の画質の連続性を保つことができる。
【0010】
また、上記発明においては、前記ノイズ量調節部が、前記画像処理部によるノイズ低減量を増大させた後に同一感度で撮影を行う場合に、撮影が行われるに従ってノイズ低減量を徐々に下げるように調節することとしてもよい。
このように構成することで、連続する複数の画像間の画質の連続性を保ちつつ画像の鮮明度を上げることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高速移動物体の連写撮影中において、時間的に前後する画像間のノイズ量の差を低減して画質の連続性を維持することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係るカメラについて、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るカメラ1は、図1に示すように、画像を取得するシャッタ操作が行われるシャッタ操作部3と、該シャッタ操作部3のシャッタ操作によりカメラ1全体の制御を行う全体制御部5と、外部からの光を集めて被写体の像を結像させるレンズユニット7と、該レンズユニット7により結像された被写体の像を撮影するCCD等の撮像素子9と、該撮像素子9により取得されたアナログ画像データを図示しないアナログゲインアンプにて増幅処理した後デジタル画像データに変換するアナログフロントエンド(以下、単に「AFE」という。)11と、該AFE11により変換されたデジタル画像データを記憶するメモリユニット13とを備えている。なお、カメラ1は、図示しない撮影モード切替手段を備え、単写撮影モードと連写撮影モードとを切替可能になっている。
【0013】
シャッタ操作部3は、例えば、略直方体形状に形成されたカメラ1の上端面に対して垂直方向に押し込み可能な押しボタン式のシャッタボタンである。シャッタ操作部3は、ユーザによって所定量を押し込まれることにより、シャッタを切るシャッタ信号を全体制御部5へ出力するようになっている。
【0014】
全体制御部5は、シャッタ操作部3からのシャッタ信号を受けてレンズユニット7、撮像素子9およびAFE11を制御したりデジタル画像データのノイズ量を調節したりする全体コントローラ(差分検出部、ノイズ量調節部)15と、該全体コントローラ15からの制御信号を受けてレンズユニット7を制御するレンズユニット制御部17と、全体コントローラ15からの制御信号を受けて撮像素子9の露光時間および感度を制御する露光調節部19と、デジタル画像データのカラー補正やJPEG圧縮等の画像処理やノイズ低減処理を行う画像処理部21とを備えている。
【0015】
全体コントローラ15は、レンズユニット制御部17に対しては、レンズユニット7により得られる外部からの光量を調節する絞り値を算出して制御信号として出力し、露光調節部19に対しては、撮像素子9の露光時間を制御するシャッタ速度と感度を制御するISO感度値とを算出して、それぞれ制御信号として出力するようになっている。これにより、全体コントローラ15は、適正露光のデジタル画像データを取得してメモリユニット13に出力するようになっている。
【0016】
ここで、全体コントローラ15は、連写撮影モードにおいては、取得された2枚の連続するデジタル画像データを比較して被写体の動き量の差、すなわち、デジタル画像データ間の差分を算出するようになっている。そして、全体コントローラ15は、算出された差分が所定の閾値を超えるか否かに応じて、次の撮影のシャッタ速度およびISO感度値を算出するようになっている。
【0017】
すなわち、連続して取得された2枚のデジタル画像データの差分が所定の閾値より大きいときは、被写体が急激に動いたことになり、ブレを抑えるためにシャッタ速度を速くするようになっている。一方、シャッタ速度を速くすると露光量が低下するので、適正露光が得られるようにISO感度値を増大させるようになっている。これにより、連続して撮影されたデジタル画像データ間で被写体が急激に動いた場合でも、ブレの発生が抑制されるとともに明るい画像が得られるようになっている。
【0018】
また、全体コントローラ15は、算出したISO感度値に応じたノイズ低減処理のノイズ調整信号を画像処理部21に出力するようになっている。具体的には、全体コントローラ15は、ISO感度値が所定の閾値より大きいときはノイズ処理動作をONとするノイズ調整信号ONを出力し、一方、ISO感度値が所定の閾値より小さいときはノイズ処理動作をOFFとするノイズ調整信号OFFを出力するようになっている。これにより、撮像素子9の感度が増大されて撮影された場合でも、デジタル画像データのノイズ量が抑えられるようになっている。
【0019】
露光調節部19は、全体コントローラ15から制御信号としてシャッタ速度およびISO感度値が入力されるタイミング制御部23と、全体コントローラ15から制御信号としてISO感度値のみが入力されるゲイン制御部25とを備えている。
【0020】
タイミング制御部23は、入力されたシャッタ速度に基づき撮像素子9の駆動タイミングを設定するようになっている。また、タイミング制御部23は、撮像素子9の駆動タイミングをサンプリングタイミングとして、AFE11内の図示しないADコンバータの駆動周波数を設定するようになっている。
【0021】
ゲイン制御部25は、入力されたISO感度値をAFE11内のアナログゲインアンプのゲイン値として設定するようになっている。これにより、AFE11においては、撮像素子9の露光時間に応じてアナログ画像データのゲインが増幅され、適正な明るさのデジタル画像データに変換されるようになっている。
【0022】
画像処理部21は、全てのデジタル画像データについて画像処理を行うほか、全体コントローラ15からノイズ調整信号ONが入力されたデジタル画像データについてはノイズの除去処理を行い、一方、ノイズ調整信号OFFが入力されたデジタル画像データについてはノイズの除去処理を行わないようになっている。
【0023】
メモリユニット13は、全体コントローラ15から送られるデジタル画像データを一時的に記憶するバッファメモリ27と、レンズユニット7を介して撮影範囲を表示したり、前記バッファメモリ27に記憶されたデジタル画像データを表示したりする液晶ディスプレイ(以下、単に「LCD」という。)29と、バッファメモリ27に記憶されているデジタル画像データを保存するカードインターフェース31とを備えている。
【0024】
このように構成された本実施形態に係るカメラ1の作用について説明する。
本実施形態に係るカメラ1を起動すると、レンズユニット7を介して結像される被写体の像が撮像素子9により撮影されてアナログ画像データとしてAFE11に出力される。AFE11においてアナログ画像データから変換されたデジタル画像データは、画像処理部21に送られて画像処理され、全体コントローラ15を介してLCD29に送られて表示される。
【0025】
この状況で、シャッタ操作部3が所定量押し込まれると、単写撮影モードにおいては、全体コントローラ15により算出されたレンズユニット7の絞り値がレンズユニット制御部17を介して設定され、また、全体コントローラ15により算出された撮像素子9のシャッタ速度およびAFE11のISO感度値が露光調節部19を介して設定される。
【0026】
これにより、適正露光になるようにレンズユニット7、撮像素子9およびAFE11が制御されて適正露光のデジタル画像データが取得される。そして、デジタル画像データが画像処理部21に送られて画像処理された後、全体コントローラ15を介してバッファメモリ27に出力されて一時的に記憶される。バッファメモリ27に記憶された撮影画像データは、ユーザの操作により、全体コントローラ15を介してLCD29に送られて静止画像として表示されたり、カードインターフェース31に送られて保存されたりする。
【0027】
次に、本実施形態に係るカメラ1の連写撮影時の動作を、図2に示すフローチャート図を用いて詳細に説明する。
撮影モード切替手段が連写撮影モードに設定されると(ステップSA1)、まず、全体コントローラ15により、適正露光の画像が得られるようにシャッタ速度,ISO感度,ノイズ低減処理が自動的に設定される(ステップSA2)。
【0028】
そして、全体コントローラ15により、レンズユニット制御部17および露光調節部19を介してレンズユニット7、撮像素子9およびAFE11が制御される。また、全体コントローラ15から画像処理部21にノイズ処理を行わないノイズ調整信号OFFが入力される。
【0029】
また、シャッタ操作部3が所定量押し込まれると、レンズユニット7、撮像素子9およびAFE11により被写体の像が適正露光のデジタル画像データとして順次取得され、取得されるごとに画像処理部21を介して全体コントローラ15に送られる(ステップSA3)。
【0030】
全体コントローラ15においては、2枚目のデジタル画像データが送られてくると、1枚目のデジタル画像データと2枚目のデジタル画像データとが比較されて、被写体の動き量の差、すなわち、デジタル画像データ間の差分が検出される(ステップSA4)。そして、検出された差分が所定の閾値を超えていると判断された場合、すなわち、図3に示されるように、画像1と画像2との間で被写体が急激に動いたような場合には、全体コントローラ15により、次の画像3の撮影におけるシャッタ速度が速く設定されるとともに、その速いシャッタ速度でも適正露光が得られるようにISO感度値が算出され、かつ、算出したISO感度値に応じたノイズ処理が設定される(ステップSA5)。
【0031】
露光調節部19のタイミング制御部23においては、撮像素子9の駆動タイミングが速められて露光時間が短く設定されて画像3が撮影される。これにより、ブレの発生を抑制することができる。また、露光調節部19のゲイン制御部25においては、AFE11のゲインが増幅させられ、撮像素子9の感度が向上させられる。これにより、短い露光時間でも明るいデジタル画像データを取得することができる。
【0032】
一方、撮像素子9の感度を向上させるとデジタル画像データのノイズ量が多くなるが、画像処理部21において、デジタル画像データのノイズ量の低減処理が行われるので、ノイズ量を抑えた明るいデジタル画像データを取得することが可能となる。
【0033】
また、物体の移動速度が速い画像2〜画像5の間では、全体コントローラに15において、次に撮影される画像についてのシャッタ速度、ISO感度値およびノイズ低減量のパラメータが維持される。
一方、画像5と画像6との間で被写体の移動速度が遅くなると、全体コントローラ15により、次の画像7の撮影におけるシャッタ速度が遅く設定されるとともに、その遅いシャッタ速度で適正露光が得られるようにISO感度が算出され、かつ、算出したISO感度値に応じたノイズ処理が設定される。
【0034】
露光調節部19のタイミング制御部23においては、撮像素子9の駆動タイミングが元の速さに戻されて露光時間が長く設定されて画像7が撮影される。これにより、適正な光量のデジタル画像データを取得することができる。また、露光調節部19のゲイン制御部25においては、AFE11のゲインが元の増幅率に戻されて、撮像素子9の感度が下げられる。これにより、画像処理部21によるノイズ量の低減処理を行うことなくノイズの少ないデジタル画像データを取得することができる。
【0035】
図2のフローチャート図に戻り、連写撮影モードに設定されている間は、全体コントローラ15によりシャッタ操作部3が押され続けているか否かが判断される(ステップSA6)。全体コントローラ15により、シャッタ操作部3が押されていると判断されると(ステップSA6「YES」)、ステップSA2に戻り、ステップSA2〜ステップSA6の動作が繰り返される。一方、シャッタ操作部3の押し下げが解除されたと判断されると(ステップSA6「NO」)、連写撮影モードが終了する(ステップSA7)。
【0036】
以上、本実施形態に係るカメラ1によれば、連続する2枚の画像間で被写体が急激に動いた場合であっても、適正露光を得つつ、画像の明るさおよびノイズ量の急激な変化を抑えることができる。
【0037】
なお、本実施形態においては、画像処理部21においてノイズ低減処理動作を行うか行わないかを切り替えることとしたが、これに代えて、例えば、ノイズ低減レベル(ノイズの低減量)の強弱を切り替えることとしてもよい。すなわち、ISO感度が高いときには強いノイズ低減レベルのノイズ低減処理が行われるノイズ調整信号「強」が設定され、ISO感度が低いときには弱いノイズ低減レベルのノイズ低減処理が行われるノイズ調整信号「弱」が設定されることとしてもよい。
【0038】
また、ノイズ低減レベルを「強」、「中」、「弱」のように複数段階に切替えることとし、全体コントローラ15が、次に取得するデジタル画像データについて直前に撮影されたデジタル画像データのノイズ量に近似させるように調整することとしてもよい。このようにすることで、連続するデジタル画像データ間の画質の連続性を保つことができる。
【0039】
〔第2の実施形態〕
以下、本発明の第2の実施形態に係るカメラ101について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るカメラ101は、全体コントローラ15によるノイズの低減量の調整の仕方がノイズ低減処理のON/OFFに代えてノイズ低減レベルを変化させる点で第1の実施形態と異なる。
以下、第1の実施形態に係るカメラ1と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
全体コントローラ15は、ISO感度値を高く設定した状態で撮影が続けて行われる場合、すなわち、ノイズ低減量を増大させた後に同一感度で撮影が行われる場合に、撮影が行われるに従ってノイズ低減レベルを徐々に下げるように調節するようになっている。これにより、高いISO感度値に対して、ノイズ低減レベルが高いまま撮影を続けたのではノイズ量が低減されるものの画像の鮮明度が低下するのに対し、ノイズ低減レベルを下げることでノイズ量が若干増えたとしても画像の鮮明度を上げることができ、ノイズ量と画像の鮮明度とのバランスをとることができるようになっている。
【0041】
また、全体コントローラ15は、ノイズ低減レベルを3段階に分けて画像処理部21によるノイズの低減量を調節するようになっている。具体的には、ISO感度値が第1の閾値Aより小さいときはノイズ低減レベルが弱いノイズ調整信号「弱」を設定し、ISO感度値が第1の閾値Aと第2の閾値Bとの間の大きさのときはノイズ低減レベルが中程度のノイズ調整信号「中」を設定し、ISO感度値が第2の閾値Bより大きいときはノイズ低減レベルが強いノイズ調整信号「強」を設定するようになっている。
【0042】
このように構成された本実施形態に係るカメラ1の作用について説明する。
図4に示すように、画像20と画像30との間で被写体の速い移動速度が維持されたときは、次に撮影される画像40については、全体コントローラ15において高いISO感度値が維持される(図5のステップSB5参照)。一方、高いISO感度値が維持されたので、ノイズ調整信号「中」が算出されてノイズ低減レベルが強い状態から中程度に下げられる(ステップSB6)。これにより、画像30のノイズ量(残存ノイズ「少ない」)と比較して画像40のノイズ量(残存ノイズ「中」)は増加するものの画像の鮮明度を低い状態から中程度に上げることができる。
【0043】
また、画像30と画像40との間で被写体の速い移動速度が維持されたときは、次に撮影される画像50については、全体コントローラ15において高いISO感度値が維持されるので、ノイズ調整信号「中」が算出されてノイズ低減レベルが中程度に維持される。
【0044】
一方、画像40と画像50との間で物体の移動速度が遅くなったときは(移動速度「中」)、次に撮影される画像60については、全体コントローラ15においてISO感度値が中程度に下げられる。この場合、画像60に発生するノイズ量は減少するので(発生ノイズ「中」)、ノイズ低減レベルを中程度に維持してもノイズ量を少なくする(残存ノイズ「少ない」)ことができるとともに、鮮明度を中程度に維持することができる。
【0045】
続いて、画像50と画像60との間で物体の移動速度がさらに遅くなるので、次に撮影される画像70については、全体コントローラ15において低いISO感度値が設定される。また、ISO感度値が下げられることで、ノイズ調整信号「弱」が算出されてノイズ低減レベルが中程度から弱い状態に下げられる。これにより、ノイズ量が少ない状態を維持しつつ、画像の鮮明度を中程度から高い状態に上げることができる。
【0046】
以上、本実施形態に係るカメラ1によれば、画像の明るさおよびノイズ量の急激な変化を抑え、連続する複数の画像間のノイズ量、すなわち、画質の連続性を保ちつつ画像の鮮明度を上げることができる。
【0047】
なお、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカメラの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1のカメラの連写撮影を示すフローチャート図である。
【図3】図1の画像とノイズ低減処理等の関係を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るカメラの画像とノイズ低減処理等の関係を示す図である。
【図5】図4のカメラの連写撮影を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0049】
1 カメラ
9 撮像素子
15 全体コントローラ(差分検出部、ノイズ量調節部)
19 露光調節部
21 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の像を撮影する撮像素子と、
該撮像素子により連続して撮影された2枚の画像を比較して差分を検出する差分検出部と、
該差分検出部により検出された差分に応じて、次に撮影する画像について前記撮像素子の露光時間を調節しかつ適正露光が得られるように前記撮像素子の感度を調節する露光調節部と、
前記撮像素子により撮影された画像のノイズ量の低減処理を行う画像処理部と、
前記露光調節部により調節された前記撮像素子の感度に基づいて、前記画像処理部によるノイズの低減量を調節するノイズ量調節部とを備えるカメラ。
【請求項2】
前記ノイズ量調節部が、前記画像のノイズ量を直前に撮影された画像のノイズ量に近似させるようにノイズの低減量を調節する請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記ノイズ量調節部が、前記画像処理部によるノイズ低減量を増大させた後に同一感度で撮影を行う場合に、撮影が行われるに従ってノイズ低減量を徐々に下げるように調節する請求項1または請求項2に記載のカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−105861(P2009−105861A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278265(P2007−278265)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】