説明

カメラ

【課題】耐久性や信頼性を向上できるカメラを提供する。
【解決手段】メインミラー321を駆動するための第1ミラーアップレバー410、および第2ミラーアップレバー420と、第1ミラーアップレバー410を係止するための第1ミラー係止レバー430と、第2ミラーアップレバー420を係止するための第2ミラー係止レバー440とを設け、第1ミラーアップレバー410および第2ミラーアップレバー420を個別に係止できるように構成した。これにより、簡単な構成で、シャッタ装置500だけをリセットさせようとしたときに、メインミラー321をミラーアップさせた状態で保持することができるようになるので、製造コストを抑制でき、故障も少なくなり耐久性や信頼性を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影光路中に挿入されるダウン姿勢と、撮影光路から退避したアップ姿勢との2姿勢を採り得るミラーを有する一眼レフタイプのカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像素子で繰り返し撮像することで得られる予備撮影画像(スルー画)をカメラボディの背面などに配設した表示装置に表示するように構成された一眼レフタイプのカメラが知られている。この従来のカメラでは、メインミラーをミラーアップし、シャッタ装置の先幕遮光羽根群を走行させて撮影開口を開くことでスルー画の取得を可能としている。このようにしてスルー画を取得するとともに、スルー画の取得に引き続き、記憶媒体への記録用の画像を取得するように撮影(本撮影)することができる撮影モードをライブビューモードと呼ぶ。
【0003】
ライブビューモードに設定されているときに本撮影を行う場合には、本撮影に先立ち、一旦後幕遮光羽根群も走行させた後、シャッタ装置をチャージする必要がある。当該チャージの際、メインミラーが一旦ミラーダウンする。次いで、通常の撮影の場合と同様に、メインミラーをミラーアップさせた後、シャッタ装置を駆動して本撮影を行って、再びシャッタ装置をチャージする。当該チャージの際にも、メインミラーが一旦ミラーダウンする。その後、スルー画の取得のために、メインミラーをミラーアップし、シャッタ装置の先幕遮光羽根群を走行させて撮影開口を開くようにしている。
【0004】
このように、従来のカメラでは、ライブビューモードに設定されているときに本撮影を行う場合には、メインミラーがミラーアップ位置とミラーダウン位置との間で2往復することとなる。そのため、本来であれば駆動する必要のないメインミラーを2往復も駆動することとなるため、余計な電力を消費するとともに、騒音が発生するという不具合があった。
【0005】
この不具合を解決するため、ライブビューモードに設定されているときに本撮影を行う場合には、メインミラーをミラーダウンさせる必要のないカメラが知られている。このカメラでは、モータの回転方向を変更することで1つのモータからの動力伝達経路を切り替えるように構成し、ミラーを駆動する機構およびシャッタをチャージする機構の双方を駆動する場合と、シャッタをチャージする機構のみを駆動する場合とを切り替えている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−279270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した特許文献に記載のカメラでは、遊星歯車機構を利用して動力伝達経路を切り替えるように構成されている。そのため、駆動制御が複雑である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 請求項1の発明によるカメラは、撮影光路中に挿入されるダウン姿勢と、撮影光路から退避したアップ姿勢との2姿勢を採り得るように構成されてダウン姿勢およびアップ姿勢のいずれか一方の姿勢となるように第1の付勢力が与えられているミラーと、第1の付勢力に抗して他方の姿勢となるようにミラーを駆動する第1のミラーアップレバーと、第2の付勢力が与えられたレバーであって、第1のミラーアップレバーと協働してミラーを他方の姿勢となるように第2の付勢力によって駆動する第2のミラーアップレバーと、ミラーが他方の姿勢を維持するように、ミラーを駆動した第1のミラーアップレバーを係止する第1の係止レバーと、第2の付勢力に抗して第2のミラーアップレバーを係止する第2の係止レバーと、付与されたチャージ力によって、第2のミラーアップレバーを駆動して第2の付勢力をチャージするチャージレバーと、チャージ力によって、チャージレバーと連動して駆動されることでシャッタ装置の遮光羽根群の走行駆動力をチャージするシャッタチャージ機構とを備えることを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載のカメラにおいて、第1の係止レバーは、ミラーを他方の姿勢を維持したままの状態でシャッタチャージ機構が走行駆動力をチャージする場合には、第1のミラーアップレバーを係止し、第1の係止レバーは、ミラーが一方の姿勢となることを許容した状態でシャッタチャージ機構が走行駆動力をチャージする場合には、第1のミラーアップレバーの係止を解除することを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項2に記載のカメラにおいて、第1および第2の係止レバーによる係止の解除を許可または禁止する1つの係止解除許可マグネットをさらに備え、係止解除許可マグネットは、ミラーを他方の姿勢を維持したままの状態でシャッタチャージ機構が走行駆動力をチャージする場合には、第1および第2の係止レバーによる係止の解除を禁止し、係止解除許可マグネットは、ミラーが一方の姿勢となることを許容した状態でシャッタチャージ機構が走行駆動力をチャージする場合には、第1および第2の係止レバーによる係止の解除を許可することを特徴とする。
(4) 請求項4の発明によるカメラは、撮影光路中に挿入されるダウン姿勢と、撮影光路から退避したアップ姿勢との2姿勢を採り得るミラーと、ミラーをダウン姿勢とアップ姿勢との間で駆動する第1および第2のミラーアップレバーと、第1のミラーアップレバーを係止する第1の係止レバーと、第2のミラーアップレバーを係止する第2の係止レバーと、第1および第2のミラーアップレバーをチャージするチャージレバーと、シャッタ装置をチャージするシャッタチャージ機構とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、耐久性や信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一眼レフタイプのカメラボディ100とカメラボディ100に装着する撮影レンズ120を示した斜視図である。
【図2】カメラボディ100の内部に取り付けられるミラー駆動装置400の一部とシャッタ装置500とシャッタ駆動装置600との斜視図である。
【図3】ミラー駆動装置400の主要な構成要素のレリーズ動作開始前の状態を示す図である。
【図4】ミラー駆動装置400の主要な構成要素のレリーズ動作開始前の状態を示す図である。
【図5】ミラー駆動装置400の主要な構成要素のレリーズ動作開始前の状態を示す図である。
【図6】ミラー駆動装置400の主要な構成要素のレリーズ動作開始前の状態を示す図である。
【図7】通常撮影モードにおけるミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図8】通常撮影モードにおけるミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図9】通常撮影モードにおけるミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図10】通常撮影モードにおけるミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図11】通常撮影モードにおけるミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図12】通常撮影モードにおけるミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図13】通常撮影モードにおけるミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図14】通常撮影モードにおけるミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図15】ライブビューモードにおけるミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図16】ライブビューモードにおけるミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図17】ライブビューモードにおけるミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図18】ライブビューモードにおけるミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図19】ライブビューモードから通常撮影モードへ設定された時のミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図20】ライブビューモードから通常撮影モードへ設定された時のミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図21】ライブビューモードから通常撮影モードへ設定された時のミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図22】ライブビューモードから通常撮影モードへ設定された時のミラー駆動装置400の動作を説明する図である。
【図23】変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜22を参照して、本発明によるカメラの一実施の形態を説明する。図1は、本発明によるカメラである一眼レフタイプのカメラボディ100とカメラボディ100に装着する撮影レンズ120を示した斜視図である。カメラボディ100にはレリーズボタン104と、被写体に光を照射する閃光装置(発光装置)105と、表示装置107と、撮像素子69と、カメラボディ100の各部を制御する制御回路101とが設けられている。図1では、発光装置105を使用しないときの状態を示している。発光装置105を使用するときには、図示はしないが、発光装置105の前方が上方に向かって起き上がる。表示装置107は、カメラボディ100の背面に配設された表示装置であり、カメラボディ100の各種設定の情報や、後述するスルー画などが表示される。
【0012】
301は、撮影レンズ120からの被写体像を撮像素子69に導くための撮影光路である。レリーズ開始前の状態では、撮影光路301内には、メインミラー321が降りてきている。カメラボディ100に撮影レンズ120を装着すると、レンズ側絞りレバー123とカメラ側の絞り連動レバー323の当接部323aとが当接する。レンズ側絞りレバー123は、カメラ側の絞り連動レバー323により駆動されて所定の絞り値に制御される。なお、本実施の形態では、撮影レンズ120が取り付けられるカメラボディ100の前方を正面とも呼び、撮像素子69が設けられるカメラボディ100の後方を背面とも呼ぶ。また、カメラボディ100の上下左右方向を各図に記載したように規定する。
【0013】
図2は、カメラボディ100の内部に取り付けられるミラー駆動装置400の一部とシャッタ装置500とシャッタ駆動装置600との斜視図である。図2において、150は駆動モータ(チャージモータ)であり、ミラー駆動装置400およびシャッタ装置500(シャッタ駆動装置600)を撮影開始前の状態に復帰する(チャージする)際の動力源である。ミラー駆動装置400は、メインミラー321を観察位置(ミラーダウン位置)と退避位置(ミラーアップ位置)との間での回動させるための駆動装置である。ミラー駆動装置400の詳細については後述する。
【0014】
シャッタ装置500は、被写体光の入射を禁止して撮像素子69を遮光する閉状態と、被写体光の入射を許可して撮像素子69に被写体像を導く開状態との間で開閉動作を行う不図示の先幕遮光羽根群および後幕遮光羽根群を有する装置である。シャッタ駆動装置600は、シャッタ装置500の先幕遮光羽根群および後幕遮光羽根群を駆動するための装置である。シャッタ駆動装置600は、先幕駆動バネ601および後幕駆動バネ602の付勢力によって先幕遮光羽根群および後幕遮光羽根群を走行させる。先幕駆動バネ601の付勢力によって先幕遮光羽根群が走行すると、遮光していた撮影開口を開放する。次いで、後幕駆動バネ602の付勢力によって後幕遮光羽根群が走行すると、開放されていた撮影開口が遮光される。この先幕遮光羽根群と後幕遮光羽根群とによって撮影開口を開放する時間によってシャッタ秒時が規定される。なお、シャッタ駆動装置600は、先幕駆動バネ601および後幕駆動バネ602をチャージするための装置でもある。
【0015】
−−−ミラー駆動装置400−−−
図3〜6を参照して、本実施の形態のミラー駆動装置400について説明する。図3〜6は、カメラボディ100に組み込まれるミラー駆動装置400の主要な構成要素をカメラボディ100の右側から見た図であり、レリーズ動作開始前の状態を示している。図4〜6では、説明のためにミラー駆動装置400を構成する部材の一部を太線で強調して表示している。なお、図3以降の各図における前後方向および上下左右方向は、ミラー駆動装置400がカメラボディ100に組み込まれているものとして、カメラボディ100の前後方向および上下左右方向と一致するように規定している。
【0016】
ミラー駆動装置400は、第1ミラーアップレバー410と、第2ミラーアップレバー420と、第1ミラー係止レバー430と、第2ミラー係止レバー440と、第1ミラーマグネットチャージレバー450と、第2ミラーマグネットチャージレバー460と、ミラースタートレバー470とを備えている。また、ミラー駆動装置400には、ミラーマグネット401と、チャージレバー481と、第1チャージリンク482と、第2チャージリンク483と、チャージコロ484とを備えている。また、ミラー駆動装置400は、ミラー駆動装置400の各構成要素や、不図示の絞り駆動機構などが取り付けられる板状の部材である不図示の基板を備えている。この基板には、軸402a〜402fが植設されている。
【0017】
第1ミラーアップレバー410は、軸402aを中心に回動可能に軸支されたレバーであり、2本の腕411,412を有する(図3,4)。腕411は、第1ミラーアップレバー410の回動中心(軸402a)の上方の斜め後方に向かって延在する腕であり、メインミラー321が取り付けられた不図示の枠に植設されたピン321aを後述するように上方に向かって押動してメインミラー321をミラーアップ方向に駆動する。腕412は、腕411の前方で略上方に向かって延在する腕であり、後述するように、第1ミラー係止レバー430の係合部431a(図6)と係合する係合部412aと、第1ミラーマグネットチャージレバー450の腕452の当接部452a(図5)に当接する当接部412bとを有する。
【0018】
第1ミラーアップレバー410は、第2ミラーアップレバー420との間に掛け回されたバネ491によって図示反時計方向に付勢されており、腕411が第2ミラーアップレバー420の後述する腕421の折り曲げ部421a(図5)と当接して、第2ミラーアップレバー420に対する図示反時計方向への回動が規制されている。そして、第2ミラーアップレバー420とともに軸402aを中心に一体的に回動するように構成されている。
【0019】
第2ミラーアップレバー420は、軸402aを中心に回動可能に軸支されたレバーであり、3本の腕421〜423と、押上部424とを有する(図3,5)。腕421は、第2ミラーアップレバー420の回動中心(軸402a)の上方の斜め後方に向かって延在する腕であり、折り曲げ部421aを有する。上述したように、第2ミラーアップレバー420は、第1ミラーアップレバー410との間にバネ491が掛け回されており、図示時計方向に付勢されている。そのため、腕421の折り曲げ部421aが、第1ミラーアップレバー410の腕411に下方から当接して、第1ミラーアップレバー410に対する図示時計方向への回動が規制されている。そして、第1ミラーアップレバー410とともに軸402aを中心に一体的に回動するように構成されている。
【0020】
腕422は、第2ミラーアップレバー420の回動中心の下方の斜め後方に向かって延在する腕である。腕422は、後述するようにチャージ動作の際に、チャージレバー481と当接して図示反時計方向に回動されるように構成されている。腕423は、第2ミラーアップレバー420の回動中心の下方の斜め前方に向かって延在する腕であり、後述するように、第2ミラー係止レバー440の係合部441a(図6)と係合する係合部423aを先端に有する。腕423には、バネ493の一端が取り付けられていて図示時計方向に付勢されている。したがって、腕423すなわち第2ミラーアップレバー420およびこれと一体化されたミラーアップレバー410は、バネ493によって図示時計方向に付勢されている。なお、バネ493の他端は不図示の基板に取り付けられている。
【0021】
押上部424は、第2ミラーアップレバー420の回動中心の前方に設けられた部位であり、第2ミラーアップレバー420が軸402aを中心に反時計方向に回動された際に、後述する第2ミラーマグネットチャージレバー460のピン462(図6)と当接してこれを上方に押し上げる。
【0022】
第1ミラー係止レバー430は、軸402bを中心に回動可能に軸支されたレバーであり、2本の腕431,432を有する(図3,6)。腕431は、第1ミラー係止レバー430の回動中心(軸402b)の上方の斜め後方に向かって延在する腕であり、第1ミラーアップレバー410の腕412の係合部412a(図4)と係合する係合部431aを有する。腕432は、第1ミラー係止レバー430の回動中心の下方に向かって延在する腕であり、後述するように、ミラースタートレバー470の腕472の先端部472a(図4)が当接する当接部432aを有する。腕432には、バネ494の一端が取り付けられており、図示時計方向に付勢されている。したがって、第1ミラー係止レバー430は、バネ494によって図示時計方向に付勢されている。なお、バネ494の他端は不図示の基板に取り付けられている。
【0023】
第2ミラー係止レバー440は、軸402cを中心に回動可能に軸支されたレバーであり、2本の腕441,442を有する(図3,6)。腕441は、第2ミラー係止レバー440の回動中心(軸402c)の下方の斜め後方に向かって延在する腕であり、第2ミラーアップレバー420の腕423の係合部423a(図5)と係合する係合部441aを有する。腕442は、第2ミラー係止レバー440の回動中心の上方に向かって延在する腕であり、後述するように、ミラースタートレバー470の腕472の先端部472a(図4)が当接する当接部442aを有する。腕442には、バネ495の一端が取り付けられており、図示反時計方向に付勢されている。したがって、第2ミラー係止レバー440は、バネ495によって図示反時計方向に付勢されている。なお、バネ495の他端は不図示の基板に取り付けられている。
【0024】
第2ミラー係止レバー440は、第1ミラー係止レバー430と上下方向に略対称に形成されていてもよい。また、製造コスト削減の観点から、第1ミラー係止レバー430の天地(表裏)を逆さまにして第2ミラー係止レバー440として用いるように構成してもよい。
【0025】
第1ミラーマグネットチャージレバー450は、軸402dを中心に回動可能に軸支されたレバーであり、2本の腕451,452を有する(図3,5)。腕451は、第1ミラーマグネットチャージレバー450の回動中心(軸402d)の略上方に向かって延在する腕であり、先端近傍に折り曲げ部451aが設けられている。腕452は、第1ミラーマグネットチャージレバー450の回動中心の略下方に向かって延在する腕であり、先端部分に第1ミラーアップレバー410の腕412の当接部412bや第2ミラーマグネットチャージレバー460の腕461と当接する当接部452aが先端近傍に設けられている。
【0026】
第1ミラーマグネットチャージレバー450は、腕451と後述するミラースタートレバー470の腕471(図4)との間に掛け回されたバネ492によって図示時計方向に付勢されており、腕451の折り曲げ部451aがミラースタートレバー470の腕471に後方から当接して、ミラースタートレバー470に対する図示時計方向への回動が規制されている。そして、第1ミラーマグネットチャージレバー450は、ミラースタートレバー470とともに軸402dを中心に一体的に回動するように構成されている。
【0027】
第2ミラーマグネットチャージレバー460は、軸402eを中心に回動可能に軸支されたレバーであり、腕461とピン462とを有する(図3,6)。腕461は、第2ミラーマグネットチャージレバー460の回動中心(軸402e)の上方の斜め後方に向かって延在する腕であり、後述するように、第1ミラーマグネットチャージレバー450の当接部452aに後方から当接してこれを前方に向かって押動する。ピン462は、第2ミラーマグネットチャージレバー460の回動中心の後方で右側(紙面手前側)に向かって立設されたピンであり、第2ミラーアップレバー420の押上部424が下方から当接して、押上部424によって上方に押し上げられる。第2ミラーマグネットチャージレバー460には、バネ496の一端が取り付けられており、図示反時計方向に付勢されている。なお、バネ496の他端は不図示の基板に取り付けられている。
【0028】
ミラースタートレバー470は、軸402dを中心に回動可能に軸支されたレバーであり、2本の腕471,472を有する(図3,4)。腕471は、ミラースタートレバー470の回動中心(軸402d)の略上方に向かって延在する腕であり、後述するミラーマグネット401の可動鉄心401aと係合する係合部471aが先端近傍に設けられている。腕472は、ミラースタートレバー470の回動中心の略下方に向かって延在する腕であり、先端部472aで第1ミラー係止レバー430の腕432の当接部432aおよび第2ミラー係止レバー440の腕442の当接部442aと当接する。
【0029】
ミラースタートレバー470は、腕471と第1ミラーマグネットチャージレバー450の腕451との間に掛け回されたバネ492によって図示反時計方向に付勢されており、第1ミラーマグネットチャージレバー450の腕451の折り曲げ部451aが腕471に後方から当接して、第1ミラーマグネットチャージレバー450に対する図示反時計方向への回動が規制されている。そして、上述したように、ミラースタートレバー470は、第1ミラーマグネットチャージレバー450とともに軸402dを中心に一体的に回動するように構成されている。
【0030】
腕471には、バネ497の一端が取り付けられており、図示時計方向に付勢されている。したがって、ミラースタートレバー470、およびこれと一体的に回動するようにバネ492で付勢された第1ミラーマグネットチャージレバー450は、バネ497によって図示時計方向に付勢されている。なお、バネ497の他端は不図示の基板に取り付けられている。
【0031】
ミラーマグネット401は、非励磁状態で可動鉄心401aを吸着して保持し、励磁されることで可動鉄心401aを釈放するように構成されたコンビネーションマグネットであり、不図示の基板の上部に取り付けられている。チャージレバー481は、リセット時に回動されるレバーであり、一端が軸402aを中心に回動可能に軸支され、他端が次に述べる第1チャージリンク482の上端に対して回動可能に軸支されている(図3,6)。
【0032】
第1チャージリンク482は、チャージモータ150(図2)によるチャージ力をチャージレバー481などに伝達するための板状の部材である(図3,4)。第1チャージリンク482は、上述したように上端がチャージレバー481の他端に対して回動可能に軸支され、下端が次に述べる第2チャージリンク483の一端に対して回動可能に軸支されている。第1チャージリンク482の下端には、チャージコロ484が取り付けられている(図4)。チャージコロ484は、チャージモータ150によるチャージ力が入力されるローラであり、リセット時にチャージモータ150のチャージ力によって下方に押圧される。
【0033】
第2チャージリンク483は、第1チャージリンク482の下端の動きを規制するリンク板(レバー)であり、一端が第1チャージリンク482の下端に回動可能に軸支され、他端が不図示の基板に設けられた軸402fを中心に回動可能に軸支されている(図3,6)。なお、基板と、チャージレバー481と、第1チャージリンク482と、第2チャージリンク483とによって、4節リンク機構が構成されている。第2チャージリンク483は、バネ498によって時計方向に付勢されている。なお、不図示の基板には、撮影レンズ120の絞りを制御する絞り制御装置も設けられているが、図示および構造の説明を省略する。
【0034】
−−−動作説明−−−
以下、ミラー駆動装置400の動作について、撮影シーケンスに沿って説明する。絞り制御に関しては公知であるので詳細な説明を省略する。本実施の形態のカメラボディ100では、撮影モードとして、通常撮影モードとライブビューモードの2つの撮影モードを選択可能に構成されている。通常撮影モードとは、記憶媒体への記録用の画像を取得するように撮影(本撮影)する度にファインダー光学系で被写体像を観察可能とする撮影モードである。ライブビューモードとは、撮像素子69で繰り返し撮像することで得られる予備撮影画像(スルー画)を表示装置107に表示するとともに、スルー画の取得に引き続いて本撮影を行う撮影モードである。
【0035】
−−−通常撮影モード設定時の動作−−−
撮影モードが通常撮影モードに設定されている場合、ミラー駆動装置400は次のように動作する。以下、図3〜6の他、図7〜14も参照して説明する。なお、図7〜14では、ピン321aやバネなどの記載を省略している。図7は、図3〜6と同様に通常撮影モードにおけるレリーズ開始前のミラー駆動装置400の各部の状態を示す図である。レリーズ動作開始前、第2ミラーアップレバー420は、係合部423aが第2ミラー係止レバー440の係合部441aと係合して、バネ493による図示時計方向への付勢力に抗して係止されている(図5)。
【0036】
第1ミラーアップレバー410は、バネ491による図示反時計方向への付勢力により、腕411が第2ミラーアップレバー420の腕421の折り曲げ部421aと当接している(図4)。第1ミラーアップレバー410の腕411は、ピン321aから離間している。これにより、メインミラー321は不図示のミラーダウンバネの付勢力によりミラーダウンして、撮影光路301内で観察位置に位置している。なお、第1ミラーアップレバー410の係合部412aは、第1ミラー係止レバー430の係合部431aとの係合が解除されている。
【0037】
第2ミラーアップレバー420の押上部424は、第2ミラーマグネットチャージレバー460のピン462(図6)と当接してこれを上方に押し上げている。これにより、第2ミラーマグネットチャージレバー460は、バネ496の付勢力に抗して図示時計方向に回動されて、腕461で第1ミラーマグネットチャージレバー450の当接部452aを前方に向かって押動している。そのため、第1ミラーマグネットチャージレバー450は、バネ492の付勢力に抗して図示反時計方向に回動して(図5)、バネ492を介してミラースタートレバー470を図示反時計方向に付勢する。しかし、ミラースタートレバー470は、ミラーマグネット401が可動鉄心401aを吸着して保持しているので、図3〜6,7に図示する位置で停止している。
【0038】
ミラースタートレバー470の先端部472aは、第1ミラー係止レバー430の腕432の当接部432aおよび第2ミラー係止レバー440の腕442の当接部442aと離間している。基板と、チャージレバー481と、第1チャージリンク482と、第2チャージリンク483とによって構成される4節リンク機構は、バネ498の付勢力により、チャージレバー481が図示時計方向に回動されて停止している。
【0039】
レリーズボタン104が半押し操作されると、不図示のレリーズスイッチから半押し操作信号が出力される。この半押し操作信号を受信すると、制御回路101は、公知の測光および測距演算を行って、シャッタ速度(シャッタ秒時)、制御絞り値を算出する。そして、撮影レンズ120のフォーカスレンズを駆動するためのレンズ制御信号を出力する。
【0040】
(1−1) ミラーアップ開始(図8)
その後、レリーズボタン104が全押し操作されると、不図示のレリーズスイッチから全押し操作信号が出力される。この全押し操作信号を受信すると、制御回路101は、ミラーマグネット401を所定時間励磁する。これにより、ミラーマグネット401は可動鉄心401aを釈放し、図8に示すように、ミラーアップが開始する。すなわち、可動鉄心401aが釈放されると、ミラースタートレバー470は、バネ492の図示反時計方向への付勢力によって、バネ497の図示時計方向への付勢力に抗して図示反時計方向に回動する。このミラースタートレバー470の図示反時計方向への回動により、ミラースタートレバー470の腕472は、先端部472aで第1ミラー係止レバー430の腕432の当接部432aおよび第2ミラー係止レバー440の腕442の当接部442aと当接してこれを前方に押動する。
【0041】
このように、当接部432aおよび当接部442aがそれぞれ前方に押動されることで、第1ミラー係止レバー430はバネ494の付勢力に抗して図示反時計方向へ、第2ミラー係止レバー440はバネ495の付勢力に抗して図示時計方向へそれぞれ回動する。第2ミラー係止レバー440の図示時計方向への回動によって、腕441の係合部441aと、第2ミラーアップレバー420の腕423の係合部423aとの係合が解除されるので、第2ミラーアップレバー420およびこれと一体化されたミラーアップレバー410は、バネ493の付勢力による図示時計方向への回動を開始する。
【0042】
第2ミラーアップレバー420およびミラーアップレバー410が図示時計方向への回動を開始することで、第1ミラーアップレバー410の腕411がピン321aを上方に向かって押動し始めるため、メインミラー321のミラーアップ方向への駆動が開始される。
【0043】
(1−2) 可動鉄心401aの再吸着(図9)
第2ミラーアップレバー420およびミラーアップレバー410の図示時計方向への回動が進行すると、図9に示すように可動鉄心401aがミラーマグネット401に再吸着される。すなわち、第2ミラーアップレバー420の図示時計方向への回動によって第2ミラーアップレバー420の押上部424が下方に逃げ、第2ミラーマグネットチャージレバー460のピン462が上方に押圧されなくなる。これにより、第2ミラーマグネットチャージレバー460は、バネ496の付勢力で図示反時計方向に回動し、第1ミラーマグネットチャージレバー450の当接部452aを前方へ押圧していた腕461が後退する。
【0044】
第1ミラーマグネットチャージレバー450の当接部452aが前方へ押圧されなくなると、腕451の折り曲げ部451aがミラースタートレバー470の腕471に後方から当接して、バネ492を介してミラースタートレバー470を図示反時計方向へ付勢していた付勢力がなくなる。そのため、ミラースタートレバー470がバネ497の付勢力で図示時計方向に回動して、可動鉄心401aがミラーマグネット401に再吸着される。
【0045】
(1−3) ミラーアップの完了(図10)
第2ミラーアップレバー420およびミラーアップレバー410の図示時計方向への回動が進行すると、図10に示すようにミラーアップが完了するとともに、ミラースタートレバー470が図示反時計方向に付勢される。すなわち、ミラーアップレバー410の図示時計方向への回動が進行することで、腕411がピン321aを上方に向かってさらに押動し、メインミラー321をミラーアップさせる。また、ミラーアップレバー410の図示時計方向への回動が進行することで、腕412の係合部412aが第1ミラー係止レバー430の係合部431aと係合するとともに、当接部412bが第1ミラーマグネットチャージレバー450の腕452の当接部452aに当接してこれを前方に押動する。
【0046】
当接部452aが前方に押動されると、第1ミラーマグネットチャージレバー450が図示反時計方向に回動するので、バネ492がミラースタートレバー470を図示反時計方向に付勢するようになる。なお、ミラースタートレバー470は、ミラーマグネット401が可動鉄心401aを吸着して保持しているので、図示反時計方向へ回動することはない。
【0047】
(1−4) 撮影
上記動作によってメインミラー321がミラーアップして、撮影光路301から退避する退避位置へ移動する。制御回路101は、シャッタ装置500の不図示の先幕遮光羽根群および後幕遮光羽根群を順次走行させて、所定時間だけ撮像素子69への被写体光の入射を許可する。これにより本撮影が行われて、記憶媒体への記録用の画像を取得する。
【0048】
(1−5) リセット動作開始(ミラーダウンスタート)(図11)
本撮影が行われた後、各部のリセット動作(チャージ動作)が開始される。制御回路101は、チャージモータ150の駆動を開始する。なお、以下に説明するミラー駆動装置400のリセット動作とは別に、チャージモータ150の駆動によってシャッタ装置500(シャッタ駆動装置600)や不図示の絞り駆動機構なども撮影開始前の状態にリセットされる。
【0049】
チャージモータ150が駆動されると、チャージモータ150の駆動力で不図示のチャージカムが駆動されて、チャージコロ484が下方に押動される。これにより、図11に示すように、第1チャージリンク482がチャージレバー481の他端を引き下げて、チャージレバー481を図示反時計方向に回動させる。チャージレバー481が図示反時計方向に回動すると、チャージレバー481の腕の下面が第2ミラーアップレバー420の腕422に当接してこれを下方に向かって押動する。
【0050】
これにより、第2ミラーアップレバー420がバネ493による図示時計方向への付勢力に抗して反時計方向に回動されてチャージされる。なお、この段階では、ミラーアップレバー410は、腕412の係合部412aが第1ミラー係止レバー430の係合部431aと係合して係止されているため、腕411でピン321aを上方に押し上げた状態で停止している。したがって、メインミラー321は、不図示のミラーダウンバネの付勢力に抗して、ミラーアップ位置で停止している。この状態では、第2ミラーアップレバー420は、バネ491の付勢力に抗して、図示反時計方向に駆動されることとなる。
【0051】
(1−6) 可動鉄心401aの釈放(図12)
制御回路101は、所定のタイミングでミラーマグネット401を所定時間励磁する。これにより、ミラーマグネット401が可動鉄心401aを釈放する。そのため、上述した「(1−1) ミラーアップ開始」の場合と同様に、ミラースタートレバー470が図示反時計方向に回動して、腕472の先端部472aで第1ミラー係止レバー430の当接部432aおよび第2ミラー係止レバー440の当接部442aと当接してこれを前方に押動する。
【0052】
第1ミラー係止レバー430がバネ494の付勢力に抗して図示反時計方向へ回動するので、腕431の係合部431aと第1ミラーアップレバー410の腕412の係合部412aとの係合が解除される。これにより、第1ミラーアップレバー410がバネ491の付勢力によって図示反時計方向へ回動し始める。第1ミラーアップレバー410が図示反時計方向へ回動することで、腕411が下方に逃げるので、ピン321aが下方に移動可能となる。そのため、メインミラー321は、不図示のミラーダウンバネの付勢力でミラーダウンを開始する。
【0053】
(1−7) 可動鉄心401aの再吸着(図13)
第2ミラーアップレバー420およびミラーアップレバー410の図示反時計方向への回動が進行すると、図13に示すように可動鉄心401aがミラーマグネット401に再吸着される。すなわち、ミラーアップレバー410の図示反時計方向への回動によって、第1ミラーマグネットチャージレバー450の当接部452aを前方へ押圧していたミラーアップレバー410の腕412の当接部412bが後退する。
【0054】
第1ミラーマグネットチャージレバー450の当接部452aが前方へ押圧されなくなると、上述した「(1−2) 可動鉄心401aの再吸着」の場合と同様に、ミラースタートレバー470がバネ497の付勢力で図示時計方向に回動して、可動鉄心401aがミラーマグネット401に再吸着される。
【0055】
(1−8) ミラーダウンオーバーチャージ(図14)
チャージレバー481、第2ミラーアップレバー420およびミラーアップレバー410の図示反時計方向への回動がさらに進行すると、図14に示すような状態となる。すなわち、第2ミラーアップレバー420およびミラーアップレバー410の図示反時計方向への回動の進行により、第1ミラーアップレバー410の腕411がピン321aの可動範囲下端よりも下方へ移動するので、メインミラー321は、ミラーダウン位置まで移動して停止する。これにより、メインミラー321のミラーダウンが完了する。
【0056】
第2ミラーアップレバー420の腕423の係合部423aは、第2ミラー係止レバー440の係合部441aよりも前方へ移動する。このとき、ミラースタートレバー470の腕472の先端部472aが当接部442aから離間しているので、第2ミラー係止レバー440がバネ495の付勢力で図示反時計方向に回動する。そして、腕441の下端が、第2ミラーアップレバー420の腕423の係合部423aの上側から当接して、第2ミラー係止レバー440の図示反時計方向への回動が規制される。
【0057】
また、第2ミラーアップレバー420の図示反時計方向への回動の進行により、押上部424が第2ミラーマグネットチャージレバー460のピン462と当接してこれを上方に押し上げる。これにより、第2ミラーマグネットチャージレバー460が、バネ496の付勢力に抗して図示時計方向に回動し、腕461で第1ミラーマグネットチャージレバー450の当接部452aを前方に向かって押動する。当接部452aが前方に押動されると、第1ミラーマグネットチャージレバー450が図示反時計方向に回動するので、バネ492がミラースタートレバー470を図示反時計方向に付勢するようになる。なお、ミラースタートレバー470は、ミラーマグネット401が可動鉄心401aを吸着して保持しているので、図示反時計方向へ回動することはない。
【0058】
(1−9) ミラーダウン(図7)
リセット動作開始後、不図示のチャージカムが1回転すると、制御回路101は、チャージモータ150を停止させる。不図示のチャージカムが1回転すると、チャージコロ484が下方に押動していたレバーが上方に退避する。これにより、基板と、チャージレバー481と、第1チャージリンク482と、第2チャージリンク483とによって構成される4節リンク機構は、バネ498の付勢力により、チャージレバー481が図示時計方向に回動されて、図7に示す位置に復帰して停止する。
【0059】
チャージレバー481が図示時計方向に戻ることで、チャージレバー481で押動されていた第2ミラーアップレバー420がバネ493の付勢力によって図示時計方向に回動される。なお、第2ミラーアップレバー420は、腕423の係合部423aが第2ミラー係止レバー440の腕441の係合部441aと係合するため、図7に示す位置で係止される。以上でリセット動作が終了し、ミラー駆動装置400は、図3〜6,7に示す撮影開始前の状態に復帰する。
【0060】
−−−ライブビューモード設定時の動作−−−
撮影モードがライブビューモードに設定される直前には、撮影モードが通常撮影モードに設定されていて、レリーズ動作開始前の状態にあるので、ミラー駆動装置400の各部は、上述した図3〜6,7に示す状態となっている。撮影モードがライブビューモードに設定された場合には、スルー画を表示装置107に表示するために、メインミラー321をミラーアップし、シャッタ装置500の先幕遮光羽根群のみを走行させて、撮像素子69に被写体光を導く必要がある。そのため、撮影モードがライブビューモードに設定されると、ミラー駆動装置400は次のように動作する。以下、図3〜6,7の他、図15〜18を参照して説明する。なお、図15〜18では、ピン321aやバネなどの記載を省略している。
【0061】
制御回路101は、ミラーマグネット401を所定時間励磁する。これにより、ミラーマグネット401は可動鉄心401aを釈放し、上述したように、ミラーアップが開始する。その後、ミラー駆動装置400では、上述した通常撮影モードにおける「(1−3) ミラーアップの完了」までの動作が行われる。これにより、メインミラー321がミラーアップする。そして、シャッタ装置500の先幕遮光羽根群のみが走行して撮影開口が開き、撮像素子69に被写体光が導かれる。制御回路101は、撮像素子69で繰り返し撮像することで得られるスルー画を表示装置107に表示させる。これにより、表示装置107には、スルー画が表示される。
【0062】
レリーズボタン104が半押し操作されると、不図示のレリーズスイッチから半押し操作信号が出力される。この半押し操作信号を受信すると、制御回路101は、撮像素子69で撮像することで得られるスルー画に基づいて、公知の測光および測距演算を行って、シャッタ速度(シャッタ秒時)、制御絞り値を算出する。そして、撮影レンズ120のフォーカスレンズを駆動するためのレンズ制御信号を出力する。
【0063】
(2−1) ライブビュー撮影スタート(図15)
上述したスルー画を表示した状態から本撮影を行うには、一旦シャッタ装置500の後幕遮光羽根群も走行させた後、シャッタ装置500を走行開始前の状態(撮影準備状態)に復帰させ、その後、シャッタ装置500の先幕遮光羽根群および後幕遮光羽根群を順次走行させることで本撮影を行う。上述したスルー画を表示した状態で、レリーズボタン104が全押し操作されると、不図示のレリーズスイッチから全押し操作信号が出力される。この全押し操作信号を受信すると、制御回路101は、チャージモータ150の駆動を開始する。
【0064】
チャージモータ150が駆動されると、チャージモータ150の駆動力で不図示のチャージカムが駆動されて、チャージコロ484が下方に押動される。これにより、図15に示すように、第1チャージリンク482がチャージレバー481の他端を引き下げて、チャージレバー481を図示反時計方向に回動させる。チャージレバー481が図示反時計方向に回動すると、チャージレバー481の腕の下面が第2ミラーアップレバー420の腕422に当接してこれを下方に向かって押動する。
【0065】
これにより、第2ミラーアップレバー420がバネ493による図示時計方向への付勢力に抗して反時計方向に回動されてチャージされる。なお、第1ミラーアップレバー410は、腕412の係合部412aが第1ミラー係止レバー430の係合部431aと係合して係止されているため、ピン321aを上方に押し上げた状態で停止している。したがって、メインミラー321は、不図示のミラーダウンバネの付勢力に抗して、ミラーアップ位置で停止している。この状態では、第2ミラーアップレバー420は、バネ491の付勢力に抗して、図示反時計方向に駆動されることとなる。
【0066】
(2−2) ライブビュー撮影スタート中間状態(図16)
チャージモータ150の駆動によって、図15に示す状態から第2ミラーアップレバー420の図示反時計方向への回動が進行すると、図16に示す状態となる。なお、この段階では、チャージモータ150の駆動によってシャッタ装置500(シャッタ駆動装置600)や不図示の絞り駆動機構なども撮影開始前の状態(撮影準備状態)にリセットされつつある。
【0067】
(2−3) ライブビューオーバーチャージ(図17)
チャージモータ150の駆動によって、図16に示す状態から第2ミラーアップレバー420の図示反時計方向への回動が進行すると、図17に示す状態となる。第2ミラーアップレバー420の腕423の係合部423aは、第2ミラー係止レバー440の係合部441aよりも前方へ移動する。このとき、ミラースタートレバー470の腕472の先端部472aが当接部442aから離間しているので、第2ミラー係止レバー440がバネ495の付勢力で図示反時計方向に回動する。そして、腕441の下端が、第2ミラーアップレバー420の腕423の係合部423aの上側から当接して、第2ミラー係止レバー440の図示反時計方向への回動が規制される。
【0068】
なお、この段階では、シャッタ装置500(シャッタ駆動装置600)や不図示の絞り駆動機構などは、撮影開始前の状態(撮影準備状態)へのリセットが完了している。
【0069】
(2−4) 本撮影開始直前(図18)
チャージモータ150の駆動開始後、不図示のチャージカムが1回転すると、制御回路101は、チャージモータ150を停止させる。不図示のチャージカムが1回転すると、チャージコロ484が下方に押動していたレバーが上方に退避する。これにより、基板と、チャージレバー481と、第1チャージリンク482と、第2チャージリンク483とによって構成される4節リンク機構は、バネ498の付勢力により、チャージレバー481が図示時計方向に回動されて、図18に示す位置に復帰して停止する。
【0070】
チャージレバー481が図示時計方向に戻ることで、チャージレバー481で押動されていた第2ミラーアップレバー420がバネ493の付勢力によって図示時計方向に回動される。なお、第2ミラーアップレバー420は、腕423の係合部423aが第2ミラー係止レバー440の腕441の係合部441aと係合するため、図18に示す位置で係止される。以上で、本撮影のためのシャッタ装置のリセット動作が終了する。
【0071】
(2−5) 本撮影
制御回路101は、シャッタ装置500の不図示の先幕遮光羽根群および後幕遮光羽根群を走行させて、所定時間だけ撮像素子69への被写体光の入射を許可する。これにより本撮影が行われて、記憶媒体への記録用の画像を取得する。
【0072】
(2−6) シャッタ装置のリセット動作
本撮影が行われた後、再びスルー画の表示を行うために、シャッタ装置500を一旦リセットした後、先幕遮光羽根群のみ走行させて撮影開口を開く必要がある。そこでまず、シャッタ装置500のリセット動作が行われる。制御回路101は、チャージモータ150の駆動を開始する。チャージモータ150の駆動によってシャッタ装置500(シャッタ駆動装置600)は、撮影開始前の状態にリセットされる。
【0073】
チャージモータ150が駆動されると、不図示のチャージカムが駆動されて、チャージコロ484が下方に押動される。これにより、上述したように、第1チャージリンク482がチャージレバー481の他端を引き下げて、チャージレバー481を図示反時計方向に回動させる。なお、チャージレバー481が図示反時計方向に回動しても、第2ミラーアップレバー420が第2ミラー係止レバー440によって図18に示す位置で係止されているため、チャージレバー481の腕の下面は、チャージレバー481が図17に示す回動位置近傍に回動するまでは、第2ミラーアップレバー420の腕422に当接しない。
【0074】
チャージレバー481が図17に示す回動位置近傍に回動すると、図17に図示するように、チャージレバー481が第2ミラーアップレバー420をオーバーチャージする。チャージモータ150の駆動開始後、不図示のチャージカムが1回転すると、制御回路101は、チャージモータ150を停止させる。これにより、上述した「(2−4) 本撮影開始直前」の状態と同じ状態となる。すなわち、チャージレバー481は、図18に示す位置に復帰して停止する。第2ミラーアップレバー420は、第2ミラー係止レバー440によって、図18に示す位置で係止される。
【0075】
(2−7) スルー画取得再開
再びスルー画の表示を行うために、上記シャッタ装置500のリセットに引き続き、先幕遮光羽根群のみ走行させて撮影開口を開く必要がある。そこで制御回路101は、シャッタ装置500の先幕遮光羽根群のみを走行させる。これにより撮影開口が開き、撮像素子69に被写体光が導かれる。制御回路101は、撮像素子69で繰り返し撮像することで得られるスルー画を表示装置107に表示させる。これにより、表示装置107には、再びスルー画が表示される。以降、レリーズボタン104が全押し操作されると、上述した「(2−1) ライブビュースタート」以降の動作が繰り返される。
【0076】
−−−ライブビューモードから通常撮影モードへ設定された時の動作−−−
撮影モードが通常撮影モードに設定される直前には、撮影モードがライブビューモードに設定されていて、スルー画を取得して表示装置107に表示させている状態にある。したがって、ミラー駆動装置400の各部は、本撮影が行われた後であれば、上述した図18に示す状態となっている。なお、本撮影が行われていなければ、ミラー駆動装置400の各部は、図10に示す通常時のミラーアップ状態と同じであるため、シャッタ装置の不図示の後幕遮光羽根群を走行させた後は、通常時のリセット動作の動作と同様であり、その説明を省略する。
【0077】
以下の説明では、ライブビューモード設定時に本撮影が行われた後に通常撮影モードに変更する場合について説明する。すなわち、ミラー駆動装置400の各部が図18に示す状態にあるときに通常撮影モードに変更された場合について説明する。なお、以下で説明する図19〜12では、ピン321aやバネなどの記載を省略している。
【0078】
(3−1) ライブビューリセットスタート(図19)
撮影モードが通常撮影モードに設定されると、シャッタ装置500を走行開始前の状態に復帰させるため、制御回路101は、一旦シャッタ装置500の後幕遮光羽根群を走行させる。次いで、制御回路101は、チャージモータ150の駆動を開始する。なお、以下に説明するミラー駆動装置400の動作とは別に、チャージモータ150の駆動によってシャッタ装置500(シャッタ駆動装置600)なども撮影開始前の状態(撮影準備状態)にリセットされる。
【0079】
チャージモータ150が駆動されると、不図示のチャージカムが駆動されて、チャージコロ484が下方に押動される。これにより、第1チャージリンク482がチャージレバー481の他端を引き下げて、チャージレバー481を図示反時計方向に回動させる。なお、チャージレバー481が図示反時計方向に回動しても、第2ミラーアップレバー420が第2ミラー係止レバー440によって図18に示す位置で係止されているため、この段階では、チャージレバー481の腕の下面は、第2ミラーアップレバー420の腕422に当接しない。
【0080】
(3−2) ライブビューリセット中間状態1(図20)
チャージモータ150の駆動が開始されて一定の時間が経過すると、制御回路101は、ミラーマグネット401を所定時間励磁する。これにより、ミラーマグネット401が可動鉄心401aを釈放するので、ミラースタートレバー470は、バネ492の付勢力で、図示反時計方向に回動する。その結果、図20に示すように、腕472の先端部472aが第1ミラー係止レバー430の当接部432aおよび第2ミラー係止レバー440の当接部442aと当接してこれを前方に押動する。
【0081】
当接部432aおよび当接部442aがそれぞれ前方に押動されることで、第1ミラー係止レバー430はバネ494の付勢力に抗して図示反時計方向へ、第2ミラー係止レバー440はバネ495の付勢力に抗して図示時計方向へそれぞれ回動する。第1ミラー係止レバー430の図示反時計方向への回動によって、腕431の係合部431aと、第1ミラーアップレバー410の腕412の係合部412aとの係合が解除されるので、第1ミラーアップレバー410は、バネ491の付勢力で図示反時計方向に回動する。
【0082】
また、第2ミラー係止レバー440の図示時計方向への回動によって、腕441の係合部441aと、第2ミラーアップレバー420の腕423の係合部423aとの係合が解除されるので、第2ミラーアップレバー420は、バネ491の付勢力で図示時計方向への回動を開始する。
【0083】
(3−3) ライブビューリセット中間状態2(図21)
その後、図示時計方向へ回動する第2ミラーアップレバー420の腕422と、図示反時計方向へ回動するチャージレバー481の腕の下面とが当接する。また、図示時計方向へ回動する第2ミラーアップレバー420の腕421の折り曲げ部421aと、図示反時計方向へ回動するミラーアップレバー410の腕411とが当接する。そして、チャージレバー481の図示反時計方向の回動によって、第2ミラーアップレバー420およびこれと一体化されたミラーアップレバー410が図示反時計方向へ回動する。
【0084】
ミラーアップレバー410の図示反時計方向への回動によって、第1ミラーマグネットチャージレバー450の当接部452aを前方へ押圧していたミラーアップレバー410の腕412の当接部412bが後退する。
【0085】
第1ミラーマグネットチャージレバー450の当接部452aが前方へ押圧されなくなると、上述した「(1−2) 可動鉄心401aの再吸着」の場合と同様に、ミラースタートレバー470がバネ497の付勢力で図示時計方向に回動して、可動鉄心401aがミラーマグネット401に再吸着される。
【0086】
(3−4) ライブビューリセットオーバーチャージ(図22)
チャージレバー481、第2ミラーアップレバー420およびミラーアップレバー410の図示反時計方向への回動がさらに進行すると、図22に示すような状態となる。すなわち、第2ミラーアップレバー420およびミラーアップレバー410の図示反時計方向への回動の進行により、第1ミラーアップレバー410の腕411がピン321aの可動範囲下端よりも下方へ移動するので、メインミラー321は、ミラーダウン位置まで移動して停止する。これにより、メインミラー321のミラーダウンが完了する。
【0087】
第2ミラーアップレバー420の腕423の係合部423aは、第2ミラー係止レバー440の係合部441aよりも前方へ移動する。このとき、ミラースタートレバー470の腕472の先端部472aが当接部442aから離間しているので、第2ミラー係止レバー440がバネ495の付勢力で図示反時計方向に回動する。そして、腕441の下端が、第2ミラーアップレバー420の腕423の係合部423aの上側から当接して、第2ミラー係止レバー440の図示反時計方向への回動が規制される。
【0088】
また、第2ミラーアップレバー420の図示反時計方向への回動の進行により、押上部424が第2ミラーマグネットチャージレバー460のピン462と当接してこれを上方に押し上げる。これにより、第2ミラーマグネットチャージレバー460が、バネ496の付勢力に抗して図示時計方向に回動し、腕461で第1ミラーマグネットチャージレバー450の当接部452aを前方に向かって押動する。当接部452aが前方に押動されると、第1ミラーマグネットチャージレバー450が図示反時計方向に回動するので、バネ492がミラースタートレバー470を図示反時計方向に付勢するようになる。なお、ミラースタートレバー470は、ミラーマグネット401が可動鉄心401aを吸着して保持しているので、図示反時計方向へ回動することはない。
【0089】
(3−5) ミラーダウン(通常撮影モード復帰完了)(図7)
リセット動作開始後、不図示のチャージカムが1回転すると、制御回路101は、チャージモータ150を停止させる。不図示のチャージカムが1回転すると、チャージコロ484が下方に押動していたレバーが上方に退避する。これにより、基板と、チャージレバー481と、第1チャージリンク482と、第2チャージリンク483とによって構成される4節リンク機構は、バネ498の付勢力により、チャージレバー481が図示時計方向に回動されて、図7に示す位置に復帰して停止する。すなわち、通常撮影モードにおける撮影開始前の状態に復帰する。
【0090】
上述したカメラボディ100では、次の作用効果を奏する。
(1) メインミラー321を駆動するための第1ミラーアップレバー410、および第2ミラーアップレバー420と、第1ミラーアップレバー410を係止するための第1ミラー係止レバー430と、第2ミラーアップレバー420を係止するための第2ミラー係止レバー440とを設け、第1ミラーアップレバー410および第2ミラーアップレバー420を個別に係止できるように構成した。これにより、シャッタ装置500だけをリセットさせようとしたときに、メインミラー321をミラーアップさせた状態で保持することができるようになるので、余計な電力の消費を抑制するとともに、騒音発生を抑制できる。また、簡単な構成で、シャッタ装置500だけをリセットさせようとしたときに、メインミラー321をミラーアップさせた状態で保持することができるようになるので、製造コストを抑制でき、故障も少なくなり耐久性や信頼性を向上できる。
【0091】
(2) メインミラー321をミラーアップさせたままの状態でシャッタ装置500をリセットする場合には、第1ミラー係止レバー430が第1ミラーアップレバー410を係止し、メインミラー321がミラーダウンすることを許容した状態でシャッタ装置500をリセットする場合には、第1ミラー係止レバー430が第1ミラーアップレバー410の係止を解除するように構成した。これにより、シャッタ装置500のリセット時に、メインミラー321をミラーアップさせたままとするか、ミラーダウンさせるのかを簡単な構成で選択できるので、故障も少なくなり信頼性を向上できる。
【0092】
(3) メインミラー321をミラーアップさせたままの状態でシャッタ装置500をリセットする場合には、ミラーマグネット401で可動鉄心401aを吸着して保持したままとして、第1ミラー係止レバー430が第1ミラーアップレバー410の係止解除を禁止するように構成した。また、メインミラー321がミラーダウンすることを許容した状態でシャッタ装置500をリセットする場合には、ミラーマグネット401で可動鉄心401aを釈放することとして、第1ミラー係止レバー430が第1ミラーアップレバー410の係止解除を許可するように構成した。これにより、シャッタ装置500のリセット時に、メインミラー321をミラーアップさせたままとするか、ミラーダウンさせるのかを簡単に制御できるので、制御内容を簡便化して信頼性を向上できる。また、1つのミラーマグネット401によって、シャッタ駆動装置500のリセット時に、メインミラー321をミラーアップさせたままとするか、ミラーダウンさせるのかを制御できるので、新たなコンビネーションマグネットや、このコンビネーションマグネットによって係止されるレバー類の増設の必要がなく、製造コスト増を抑制できる。
【0093】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、ミラーダウンする方向に付勢されたメインミラー321に対して、メインミラー321をミラーアップさせたままの状態でシャッタ装置500をリセットする場合には、第1ミラー係止レバー430が第1ミラーアップレバー410を係止するように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ミラーアップする方向に付勢されたメインミラー321に対して、メインミラー321が取り付けられた不図示の枠に植設されたピン321aが第1ミラーアップレバー410の腕411の下側に当接するように構成してもよい。
【0094】
(2) 上述の説明では、ミラーマグネット401、ミラースタートレバー470、および第1ミラーマグネットチャージレバー450で、第1ミラー係止レバー430、および第2ミラー係止レバー440の係止解除を行っているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、図23に示すように、係止解除用のマグネット403、ミラースタートレバー1470、およびミラーマグネットチャージレバー1450をさらに設けるように構成してもよい。そして、ミラーマグネット401、ミラースタートレバー470、および第1ミラーマグネットチャージレバー450で、第1ミラー係止レバー430の係止解除を行い、マグネット403、ミラースタートレバー1470、およびミラーマグネットチャージレバー1450で、第2ミラー係止レバー440の係止解除を行うように構成してもよい。なお、ミラースタートレバー1470、およびミラーマグネットチャージレバー1450は、ミラースタートレバー470、および第1ミラーマグネットチャージレバー450と上下で対称となるようなレバーである。また、図23では、バネ等の記載を省略している。
(3) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0095】
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、撮影光路中に挿入されるダウン姿勢と、撮影光路から退避したアップ姿勢との2姿勢を採り得るように構成されてダウン姿勢およびアップ姿勢のいずれか一方の姿勢となるように第1の付勢力が与えられているミラーと、第1の付勢力に抗して他方の姿勢となるようにミラーを駆動する第1のミラーアップレバーと、第2の付勢力が与えられたレバーであって、第1のミラーアップレバーと協働してミラーを他方の姿勢となるように第2の付勢力によって駆動する第2のミラーアップレバーと、ミラーが他方の姿勢を維持するように、ミラーを駆動した第1のミラーアップレバーを係止する第1の係止レバーと、第2の付勢力に抗して第2のミラーアップレバーを係止する第2の係止レバーと、付与されたチャージ力によって、第2のミラーアップレバーを駆動して第2の付勢力をチャージするチャージレバーと、チャージ力によって、チャージレバーと連動して駆動されることでシャッタ装置の遮光羽根群の走行駆動力をチャージするシャッタチャージ機構とを備えることを特徴とする各種構造のカメラを含むものである。
【0096】
また、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、撮影光路中に挿入されるダウン姿勢と、撮影光路から退避したアップ姿勢との2姿勢を採り得るミラーと、ミラーをダウン姿勢とアップ姿勢との間で駆動する第1および第2のミラーアップレバーと、第1のミラーアップレバーを係止する第1の係止レバーと、第2のミラーアップレバーを係止する第2の係止レバーと、第1および第2のミラーアップレバーをチャージするチャージレバーと、シャッタ装置をチャージするシャッタチャージ機構とを備えることを特徴とする各種構造のカメラを含むものである。
【符号の説明】
【0097】
69 撮像素子 100 カメラボディ
107 表示装置 150 駆動モータ(チャージモータ)
321 メインミラー 400 ミラー駆動装置
410 第1ミラーアップレバー 420 第2ミラーアップレバー
430 第1ミラー係止レバー 440 第2ミラー係止レバー440
450 第1ミラーマグネットチャージレバー
460 第2ミラーマグネットチャージレバー
470 ミラースタートレバー 500 シャッタ装置
600 シャッタ駆動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光路中に挿入されるダウン姿勢と、撮影光路から退避したアップ姿勢との2姿勢を採り得るように構成されて前記ダウン姿勢および前記アップ姿勢のいずれか一方の姿勢となるように第1の付勢力が与えられているミラーと、
前記第1の付勢力に抗して他方の姿勢となるように前記ミラーを駆動する第1のミラーアップレバーと、
第2の付勢力が与えられたレバーであって、前記第1のミラーアップレバーと協働して前記ミラーを前記他方の姿勢となるように前記第2の付勢力によって駆動する第2のミラーアップレバーと、
前記ミラーが前記他方の姿勢を維持するように、前記ミラーを駆動した前記第1のミラーアップレバーを係止する第1の係止レバーと、
前記第2の付勢力に抗して前記第2のミラーアップレバーを係止する第2の係止レバーと、
付与されたチャージ力によって、前記第2のミラーアップレバーを駆動して前記第2の付勢力をチャージするチャージレバーと、
前記チャージ力によって、前記チャージレバーと連動して駆動されることでシャッタ装置の遮光羽根群の走行駆動力をチャージするシャッタチャージ機構とを備えることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラにおいて、
前記第1の係止レバーは、前記ミラーを前記他方の姿勢を維持したままの状態で前記シャッタチャージ機構が前記走行駆動力をチャージする場合には、前記第1のミラーアップレバーを係止し、
前記第1の係止レバーは、前記ミラーが前記一方の姿勢となることを許容した状態で前記シャッタチャージ機構が前記走行駆動力をチャージする場合には、前記第1のミラーアップレバーの係止を解除することを特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項2に記載のカメラにおいて、
前記第1および第2の係止レバーによる係止の解除を許可または禁止する1つの係止解除許可マグネットをさらに備え、
前記係止解除許可マグネットは、前記ミラーを前記他方の姿勢を維持したままの状態で前記シャッタチャージ機構が前記走行駆動力をチャージする場合には、前記第1および第2の係止レバーによる係止の解除を禁止し、
前記係止解除許可マグネットは、前記ミラーが前記一方の姿勢となることを許容した状態で前記シャッタチャージ機構が前記走行駆動力をチャージする場合には、前記第1および第2の係止レバーによる係止の解除を許可することを特徴とするカメラ。
【請求項4】
撮影光路中に挿入されるダウン姿勢と、撮影光路から退避したアップ姿勢との2姿勢を採り得るミラーと、
前記ミラーを前記ダウン姿勢と前記アップ姿勢との間で駆動する第1および第2のミラーアップレバーと、
前記第1のミラーアップレバーを係止する第1の係止レバーと、
前記第2のミラーアップレバーを係止する第2の係止レバーと、
前記第1および第2のミラーアップレバーをチャージするチャージレバーと、
シャッタ装置をチャージするシャッタチャージ機構とを備えることを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−22237(P2012−22237A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161508(P2010−161508)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】