説明

カラープリンタ及びその位置ずれ補正方法

【課題】 余白部の延長や各色の印画時間の延長等の問題を生じさせることなく、印画位置の位置ずれを補正する。
【解決手段】 カラー感熱プリンタ10の搬送経路に沿って、記録紙ロール12、搬送ローラ対17、レジスタマーク検出センサ25、サーマヘッド26等を配置する。イエロー画像印画前に、記録紙11の余白部(図示せず)に位置ずれ補正用のレジスタマーク(図示せず)を印画する。各色の画像印画時にレジスタマーク検出センサ25でレジスタマークを検出した結果に基づき、各色間の印画位置の位置ずれ量を算出する。各色間の位置ずれ量算出結果に基づいて、次に記録されるカラー画像の各色の印画開始位置が一致するようにサーマヘッド26を駆動するタイミングを調整する。余白部の延長や各色の印画時間の延長等の問題を生じさせることなく、位置ずれを補正することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ヘッドを用いて複数色の画像を記録紙に各色毎に記録してカラー画像を得るカラープリンタ、及びこのカラープリンタで各色間の印画位置の位置ずれを補正する位置ずれ補正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラープリンタとして、カラー感熱記録紙を搬送させながらその記録面にサーマルヘッドの発熱素子を押し当て、カラー感熱記録紙のイエロー、マゼンタ、シアンの各感熱発色層を順次発色させることで、カラー画像を記録するカラー感熱プリンタがある。このカラー感熱プリンタには、1個のサーマルヘッドに対してカラー感熱記録紙を往復搬送させながら、その間にイエロー、マゼンタ、シアン画像を順次印画してカラー画像を記録する3パス方式のプリンタが良く知られている。この3パス方式のプリンタは、搬送経路に各色印画用の複数個のサーマルヘッドが配置されている1パス方式のプリンタと比較して、容易に小型化できるという利点がある。
【0003】
このように、3色の画像を順次印画してカラー画像を得る場合に、熱や湿気に起因する感光記録紙の伸縮や、搬送系や印画する画像データに起因する感光記録紙の搬送負荷変動等により、3色の画像の印画位置がずれた所謂位置ずれが発生して、鮮明なカラー画像が得られないおそれがある。そのため、例えば特許文献1に記載されているように、イエロー、マゼンタ、シアンの位置ずれ補正用のテストパターンを重ねて印画したテストプリント等を作成し、各テストパターンの位置ずれ量を検出することで、位置ずれ補正を行う方法が良く知られている。しかしながら、この方法で位置ずれ補正を行う場合には、その間通常のプリント処理が行えないという問題がある。
【0004】
そのため、例えばイエロー画像印画前に感光記録紙の余白部に位置ずれ補正用のレジスタマークを印画する。また、サーマルヘッドの記録方向の下流側にレジスタマークを検出するマーク検出センサを配置する。そして、このマーク検出センサでレジスタマークを検出するのと同時にイエロー、マゼンタ、シアンの各画像の印画を開始することで、位置ずれのない良好なカラー画像が得られるようにした位置ずれ補正方法が良く知られている。
【特許文献1】特開2001−134041号公報(第11頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したような感光記録紙の余白部にレジスタマークを印画し、このレジスタマークを検出するのと同時に、イエロー、マゼンタ及びシアン画像の印画を開始する位置ずれ補正方法では、各画像の印画を開始する前にレジスタマークをマーク検出センサで検出する必要がある。その結果、サーマルヘッドとマーク検出センサとの間の距離分だけ余白部を延長しなければならず、余白部の面積が大きくなってしまう。また、この場合には各色の印画時間も延長してしまうので、カラー画像の記録に時間が掛かってしまうおそれがある。
【0006】
本発明は上記問題を解決するためのものであり、余白部の延長や各色の印画時間の延長等の問題を生じさせることなく、各色間の位置ずれ補正が可能なカラープリンタ及びその位置ずれ補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、主走査方向に1ラインずつ記録する記録ヘッドを備え、前記記録ヘッドに対して記録紙を前記主走査方向と直交する副走査方向に往復搬送させながら、前記記録紙の記録エリアに複数色の画像を色別に印画して1画面分のカラー画像を記録するカラープリンタにおいて、前記記録エリアに前記複数色の画像を印画する前に、前記記録ヘッドを駆動して前記記録紙に印画位置の位置ずれ補正用のレジスタマークを印画するマーク記録手段と、前記記録ヘッドに対し印画時記録紙送り方向の下流側に配置され、前記レジスタマークを検出するマーク検出手段と、各色毎の印画を開始した時刻と、前記マーク検出手段で前記レジスタマークを検出した時刻との差分を各色別に算出し、この各色別の差分算出結果と印画速度とから各色間の位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量算出結果に基づき、次の前記カラー画像記録時に各色の画像の印画開始位置が一致するように、前記記録ヘッドの駆動のタイミングを調整する位置ずれ補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、前記マーク記録手段は、前記カラー画像の記録を行う全ての記録紙に前記レジスタマークが印画されるように前記サーマルヘッドを駆動し、前記位置ずれ補正手段は、前記カラー画像を記録するごとに前記各色間の位置ずれ量を算出することが好ましい。また、前記カラー画像を記録するごとに算出された前記位置ずれ量算出結果を順次記憶する記憶手段を設け、前記位置ずれ補正手段は、前記記憶手段に記憶された複数の前記位置ずれ量算出結果の平均値を算出し、この平均値算出結果に基づき、次の前記カラー画像記録時に前記記録ヘッドを駆動するタイミングを調整することが好ましい。さらに、前記レジスタマークは前記記録エリア外の余白部に記録され、前記余白部は前記カラー画像の記録が完了した後に前記記録エリアからカットされることが好ましい。
【0009】
また、本発明は、主走査方向に1ラインずつ記録する記録ヘッドに対して記録紙を前記主走査方向と直交する副走査方向に往復搬送させ、前記記録紙の記録エリアに複数色の画像を色別に印画して1画面分のカラー画像を記録するカラープリンタの位置ずれ補正方法において、前記記録ヘッドにより前記記録紙に印画位置の位置ずれ補正用のレジスタマークを記録した後に、前記記録エリアに前記複数色の画像の印画を開始し、各色毎の印画を開始した時刻と、前記レジスタマークを検出した時刻との差分を各色別に算出するとともに、この各色別の差分算出結果と印画速度とから各色間の位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量算出結果に基づき、次の前記カラー画像記録時に各色の画像の印画開始位置が一致するように、前記記録ヘッドの駆動のタイミングを調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のカラープリンタ及びその位置ずれ補正方法は、記録ヘッドに対して記録紙を前記主走査方向と直交する副走査方向に往復搬送させながら、前記記録紙の記録エリアに複数色の画像を色別に印画して1画面分のカラー画像を記録する際に、先に記録されたカラー画像の位置ずれ量を算出及び記憶しておき、この位置ずれ量算出結果に基づいて、次に記録されるカラー画像の各色の印画開始位置が一致するように前記記録ヘッドを駆動するタイミングを調整するようにしたので、各色の画像印画開始前にレジスタマークが検出できるように前記記録紙の記録エリア外の余白部を延長する必要がなくなる。その結果、余白部の面積を小さくすることができる。また、各色の画像の印画時間を短縮して、カラー画像の記録時間を短縮することができる。さらに、印画位置の位置ずれを自動補正することができるので、プリンタの製造工程で従来行っていた位置ずれ調整工程を廃止することができる。また、位置ずれが発生してもサービスマンが現地に行って修理を行わなくとも良いという利点がある。
【0011】
前記カラー画像の記録を行う全ての記録紙に前記レジスタマークを印画して、前記各色間の位置ずれ量を算出するようにしたので、常に1枚前にプリントされたカラープリントの位置ずれ量に基づいて位置ずれ補正を行うことができる。
【0012】
また、前記カラー画像の記録時に算出された前記位置ずれ量算出結果を、前記カラー画像を記録するごとに順次記憶して、複数の前記位置ずれ量算出結果の平均値算出結果に基づき、次の前記カラー画像記録時に前記記録ヘッドを駆動するタイミングを調整するようにしたので、同様に余白部の面積を小さくし、且つカラー画像の記録時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明を実施した3パス方式のカラー感熱プリンタ(以下、単にプリンタという)10の概略図である。このプリンタ10では、長尺のカラー感熱記録紙(以下、単に記録紙という)11をロール状に巻いた記録紙ロール12が記録媒体として使用される。記録紙ロール12はプリンタ10の給紙部にセットされ、その外周には給紙ローラ13が圧接している。
【0014】
給紙ローラ13は、スッテピングモータ(以下、単にモータという)15によって回転駆動される。この給紙ローラ13は、記録紙ロール12を回転させて記録紙11を引き出して、記録紙11を給紙部から排紙口へと至る搬送経路内に送り込む。そして、プリント終了後には、記録紙11の未記録エリアを記録紙ロール12に巻き戻し、光や湿度の影響を防止する。
【0015】
記録紙11は、周知のように、支持体上にシアン(C)感熱発色層、マゼンタ(M)感熱発色層、イエロー(Y)感熱発色層が順次層設されている。最上層となるY感熱発色層は熱感度が最も高く、小さな熱エネルギーでイエローに発色する。最下層となるC感熱発色層は熱感度が最も低く、大きな熱エネルギーでシアンに発色する。また、Y感熱発色層は、420nmの近紫外線が照射されたときに、発色能力が消失する。M感熱発色層は、Y感熱発色層とC感熱発色層との中間程度の熱エネルギーでマゼンタに発色し、365nmの紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。記録紙11に、例えばブラック感熱発色層を設けて4層構造にしてもよい。
【0016】
搬送経路内には、記録紙11を挟み込んで搬送する搬送ローラ対17が配置されている。この搬送ローラ対17は、モータ15によって回転駆動されるフィードローラ18と、このフィードローラ18に圧接して記録紙11を挟み込むピンチローラ19とからなり、記録紙11を主走査方向と直交する副走査方向、つまり、図中A方向とB方向とに搬送する。ピンチローラ19は、カムやソレノイド等からなる図示しないシフト機構によって、フィードローラ18に圧接する位置と、フィードローラ18から離れる位置との間で移動される。そして、記録紙11の搬送量はモータ15に入力する駆動用パルス信号の数により決定され、その搬送速度はモータ15に入力する駆動用パルス信号の周波数により決定される。
【0017】
搬送ローラ対17のA方向の下流側には、搬送経路に沿って上流側からレジスタマーク検出センサ(以下、単にマーク検出センサという)25、サーマルヘッド26及びプラテンローラ27、光定着器28、カッタ29、排紙口30が順に配置されている。このマーク検出センサ25は、記録紙11の記録面側に配置され、詳しくは後述するが記録紙11の記録エリア11a(図2参照)外に印画された位置ずれ補正用のレジスタマーク31(図3〜図5参照)を検出する。なお、このマーク検出センサ25としては、レジスタマーク31を認識可能なセンサであれば任意のセンサを用いてよく、本実施例では例えばCCDラインセンサが用いられている。
【0018】
サーマルヘッド26及びプラテンローラ27は、記録紙11の搬送経路を挟み込むように配置されている。サーマルヘッド26は、記録紙11の搬送経路の上方に配置されており、多数の発熱素子を主走査方向に沿ってライン状に配列した発熱素子アレイ26aを備えている。また、このサーマルヘッド26は、図示しないヘッド移動機構により、記録紙11に発熱素子アレイ26aを圧接させて印画を行う圧接位置と、記録紙11から離れてプラテンローラ27との間に隙間を形成する退避位置との間で移動自在とされている。プラテンローラ27は、記録紙11の搬送に応じて従動回転し、記録紙11と発熱素子アレイ26aとの当接状態を安定させる。
【0019】
発熱素子アレイ26aは、搬送ローラ対17により記録紙11がB方向に搬送される際に、印画する画像の色(Y、M、C)及びその濃度に応じた所定の温度に発熱される。これにより、記録紙11の記録エリア11a(図2〜図4参照)内の特定の感熱発色層が1ラインずつ発色される。
【0020】
光定着器28は、記録紙11の記録面と対面するように配置されている。この光定着器28は、イエロー(Y)定着ランプ34、マゼンタ(M)定着ランプ35、リフレクタ36等から構成される。Y定着ランプ34は、発光ピークが420nmの近紫外線を放射して、記録紙11のY感熱発色層を定着する。M定着ランプ35は、365nmの紫外線を放出してM感熱発色層を定着する。
【0021】
カッタ29は、C画像の印画が完了した記録紙11を所定のプリントサイズにカットして、カラープリント(図示せず)を形成する。そして、このカラープリントは排紙口30から排出される。
【0022】
これらモータ15、サーマルヘッド26(発熱素子アレイ26a)、定着ランプ28、カッタ29の駆動は統括制御部38により制御される。統括制御部38は、サーマルヘッド26の駆動を制御するヘッドドライバ39、詳しくは後述する位置ずれ補正制御部40、記録する画像の画像データを記憶する画像メモリ41、各部を駆動する際の設定情報が記憶されている設定メモリ42、タイマー43の他に図示は省略するが、モータ15の駆動を制御するモータドライバ、定着ランプ28の駆動を制御するランプドライバ、マーク検出センサ25からの検出信号が入力される入力部、CPU等から構成される。
【0023】
位置ずれ補正制御部43は本発明を実施したものであり、レジスタマーク31の印画を制御するマーク印画制御部45と、各色の印画位置の位置ずれ量を演算する位置ずれ量演算部46と、位置ずれ量演算部46で演算された位置ずれ量演算結果等を記憶する位置ずれ情報記憶メモリ47とを有し、イエロー(Y)画像、マゼンタ(M)画像、シアン(C)画像の各画像を印画する際に、各画像の印画開始位置が一致するようにサーマルヘッド26を駆動するタイミングを調整して、位置ずれの発生を防止する。
【0024】
位置ずれは、上述したようにY画像印画前に記録紙11の記録エリア11aの印画方向(図中B方向)下流側の余白部49a(図2〜図5参照)にレジスタマーク31を印画し、このレジスタマーク31をマーク検出センサ25で検出したときに、各画像の印画を開始することで補正可能ではあるが、この場合には、各画像の印画開始前にレジスタマーク31をマーク検出センサ25で検出できるように、サーマルヘッド26とマーク検出センサ25との間の距離分だけ余白部49aを延長する必要がある。そのため、製品にならない余白部49aの面積が増えてしまう。また、各色の画像の印画時間も長くなってしまう。
【0025】
そこで、本実施形態では前にプリントされたカラープリントの位置ずれ量、具体的にはY画像とM画像との位置ずれ量(以下、単にY−M位置ずれ量という)ΔLm、及びY画像とC画像との位置ずれ量(以下、単にY−C位置ずれ量という)ΔLcを算出する。そして、これらY−M及びY−C位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果に基づき、次に印画するカラープリントのY、M、C画像の位置ずれを補正する。
【0026】
Y−M及びY−C位置ずれ量ΔLm,ΔLcは各種方法で算出することができるが、本実施形態ではY画像印画前に記録紙11の余白部49aにレジスタマーク31を印画して、Y画像の印画を開始してからレジスタマーク31が検出されるまでの時間Δtyを測定する。また、同様にして、M及びC画像が印画されてからレジスタマーク31が検出されるまでの時間Δtm、Δtcを測定する。そして、測定されたΔty、Δtm、ΔtcとY、M、C画像印画時の印画速度Vy、Vm、VcとからY−M及びY−C位置ずれ量ΔLm,ΔLcを求める。従って、本実施形態ではΔty〜Δtcを測定できるように、マーク検出センサ25はサ−マルヘッド26の印画方向(B方向)の下流側の近傍に配置されている。ここで、マーク検出センサ25とサーマルヘッド26との距離は特に限定はされないが、サーマルヘッド26の近傍に配置されていることが好ましい。
【0027】
設定メモリ42には、レジスタマーク31の印画を開始するレジスタマーク印画開始時間や、Y、M、Cの各画像の印画を開始するY、M、C印画開始時間などが設定情報として記憶されている。これらの各時間は、例えばプリント開始指示が入力された時間等の任意の時間を基準として予め実験により求められた時間である。そして、統括制御部38は、プリント開始指示がなされたらタイマー43で時間の経過を監視し、その時間がレジスタマーク印画開始時間やY、M、C印画開始時間になった時にヘッドドライバ39を駆動して、サーマルヘッド26の発熱素子アレイ26aを発熱させる。なお、所定の時間を基準とした印画開始時間を記憶する代わりにモータ15の印画開始パルス数等を設定メモリ42に記憶して、このモータ15の駆動パルス数が所定数になったときにレジスタマーク31やY、M、Cの各画像の印画を開始するようにしてもよい。
【0028】
以下、図1及び図2〜図5を用いて、具体的にY、M、C画像の印画開始位置が一致するように位置ずれを補正する方法について説明する。ここで、図2〜図5は図1の上面図であり、各図中では図面の煩雑化を避けるために、記録紙ロール12、光定着器28、カッタ29(図5のみ記載)等は図示を省略している。
【0029】
図2に示すように、プリント開始指示がなされたら統括制御部38は、モータ15を駆動して搬送ローラ対17(フィードローラ18)を回転させ、記録紙11をその余白部49aがサーマルヘッド26の発熱素子アレイ26aと対面する印画準備位置までA方向に搬送する。ここで、符号49bは記録エリア11aのA方向下流側の余白部である。そして、統括制御部38は、記録紙11の移動が完了したら退避位置にあるサーマルヘッド26を圧接位置に移動させ、その発熱素子アレイ26aを余白部49aに圧接させる。また、位置ずれ補正制御部40は、プリント開始指示がなされるのと同時にタイマー43で時間の経過を監視する。
【0030】
次いで、統括制御部38はサーマルヘッド26を圧接位置に移動させたら、搬送ローラ対17を逆転させて記録紙11をB方向に印画速度Vyで搬送する。この印画速度Vyは特に限定されるものではないが、本実施形態では例えばサーマルヘッド26により印画される1ラインの幅を80μmとしたときに、3msec/lineで印画可能な速度に設定されている。そして、位置ずれ補正制御部40のマーク印画制御部45は、タイマー43の時間が設定メモリ42内に記憶されているマーク印画開始時間になった時、つまり、余白部49a内の所定のマーク記録位置がサーマルヘッド26の発熱素子アレイ26aと対向する位置まで搬送された時に、画像メモリ41に予め記録されたレジスタマーク31の信号を読み出し、駆動データに変換してヘッドドライバ39に送る。サーマルヘッド26の発熱素子アレイ26aは、ヘッドドライバ39に入力された駆動データに基づいて発熱する。こうして、記録紙11が搬送ローラ対17で1ライン分ずつ送られる間に余白部49a内にレジスタマーク31が印画される。
【0031】
このレジスタマーク31の色、形状及び位置は特に限定されるものではないが、本実施形態では、主走査方向に平行で、且つ副走査方向に数ライン分の厚みを持った黒線をレジスタマーク31として記録紙11の幅方向中央部に印画する。そのため、レジスタマーク31を印画する際に、発熱素子アレイ26aはC画像を印画可能な温度に発熱される。これにより、Y、M、Cの全ての感熱発色層が発色されて、記録紙11の余白部49aに黒線状のレジスタマーク31が印画される。統括制御部38は、このレジスタマーク31の印画が完了しても搬送ローラ対17の回転を継続して、記録紙11を引き続きB方向に印画速度Vyで搬送する。
【0032】
そして、位置ずれ補正制御部40は、タイマー43の時間がY画像印画開始時間となり、図3に示すように、記録紙11の記録エリア11aがサーマルヘッド26の発熱素子アレイ26aと対向する位置まで搬送されたら、ヘッドドライバ39を介して発熱素子アレイ26aを印画する画像データに基づき発熱させ、記録紙11のY感熱発色層を発色させる。こうして、記録紙11の記録エリア11a内にY画像が1ラインずつ印画される。
【0033】
この際に、位置ずれ補正制御部40は、Y画像の印画を開始するのと同時にこのY画像印画開始時刻t0yを位置ずれ情報記憶メモリ47に記憶する。そして、図4に示すように、引き続き記録紙11を印画速度Vyで印画しながらB方向に搬送すると、その余白部49aに印画されたレジスタマーク31がマーク検出センサ25により検出される。これと同時に位置ずれ補正制御部40は、マーク検出センサ25にレジスタマーク31が検出された検出時刻t1yを位置ずれ情報記憶メモリ47に記憶する。
【0034】
統括制御部38はY画像の印画が完了したら、サーマルヘッド26を退避位置に移動させるとともに、搬送ローラ対17により記録紙11をA方向に搬送して、光定着器28により記録紙11のY感熱発色層を定着させる。そして、このY感熱発色層の定着が完了したら統括制御部38は、再び搬送ローラ対17により記録紙11をB方向に搬送する。次いで、統括制御部38は、記録紙11を印画準備位置まで搬送したらサーマルヘッド26を圧接位置に移動させた後、記録紙11を印画速度Vmで搬送する。この印画速度Vmは、本実施形態では4msec/lineで印画可能な速度に設定されている。
【0035】
そして、位置ずれ補正制御部40は、Y画像印画時と同様にタイマー43の時間がM画像印画開始時間となったら、サーマルヘッド26を駆動して記録エリア11aにM画像の印画を開始する。また、同時に位置ずれ補正制御部40は、このM画像印画開始時刻T0mを位置ずれ情報記憶メモリ47に記憶する。次いで、この位置ずれ補正制御部40は、印画速度Vmで印画中にレジスタマーク31がマーク検出センサ25で検出された検出時刻t1mを位置ずれ情報記憶メモリ47に記憶する。
【0036】
統括制御部38は、Y画像印画時と同様にM画像の印画及び定着が完了したら、記録紙11を印画準備位置まで搬送し、サーマルヘッド26を圧接位置に移動させた後、記録紙11を印画速度Vcで搬送する。この印画速度Vcは、本実施形態では7msec/lineで印画可能な速度に設定されている。
【0037】
次いで、位置ずれ補正制御部40は、Y、M画像印画時と同様にタイマー43の時間がC画像印画開始時間となったら、サーマルヘッド26を駆動して記録エリア11aにC画像の印画を開始する。そして、この際も位置ずれ補正制御部40は、C画像の印画を開始するC画像印画開始時刻T0cと、印画速度Vmで印画中にレジスタマーク31がマーク検出センサ25された検出時刻t1cとを位置ずれ情報記憶メモリ47に記憶する。
【0038】
このようにして、Y、M、C画像の印画開始時刻t0y,t0m,t0cと、レジスタマーク31がマーク検出センサ25で検出された検出時刻t1y,t1m,t1cとが位置ずれ情報記憶メモリ47に記憶されたら、位置ずれ補正制御部40の位置ずれ量演算部46(図1参照)はこれらの時刻と、記録紙11の印画速度Vy,Vm,VcとからY−M及びY−C位置ずれ量ΔLm,ΔLcを求める。
【0039】
本実施形態では、Y画像印画前にレジスタマーク31が印画されているので、Y、M、C画像の印画がそれぞれ開始されてからレジスタマーク31が検出されるまでに記録紙11が搬送される距離を色別に算出し、これらの距離の差分を算出することで、Y−M及びY−C位置ずれ量ΔLm,ΔLcが求められる。具体的には、位置ずれ量演算部46は、印画開始時刻t0y,t0m,t0cと、検出時刻t1y,t1m,t1cと、印画速度Vy,Vm,Vcとをそれぞれ下記計算式(1)〜(5)に代入して、Y−M及びY−C位置ずれ量ΔLm,ΔLcを算出する。そして、これら位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果は、位置ずれ情報記憶メモリ47に記憶される。
(1)Δty=t1y−t0y
(2)Δtm=t1m−t0m
(3)Δtc=t1c−t0c
(4)ΔLm=(Vy×Δty)−(Vm×Δtm)
(5)ΔLc=(Vy×Δty)−(Vc×Δtc)
【0040】
位置ずれ補正制御部40は、位置ずれ情報記憶メモリ47に記憶された位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果に基づき、次のカラープリント51(図5参照)をプリントする際にY、M、Cの各画像の印画開始位置が一致するように、サーマルヘッド26を駆動するタイミングを調整する。具体的には位置ずれ補正制御部40は、位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果を下記計算式(6)及び(7)に代入してM印画開始時間とC印画開始時間とを補正する補正時間ΔM、ΔCを算出する。
(6)ΔM=ΔLm÷Vm
(7)ΔC=ΔLc÷Vc
【0041】
次いで、位置ずれ補正制御部40は、算出された補正時間ΔM、ΔCに基づいてM印画開始時間とC印画開始時間とを補正して、次のカラープリント51(図5参照)のM、C画像を印画する時は補正された印画開始時間でM、C画像の印画を開始させる。これにより、Y、M、Cの各画像の印画開始位置を一致させて、位置ずれの発生を抑えることができる。また、位置ずれ補正制御部40は、次のカラープリントのY、M、C画像を印画するときも同様の手順で、位置ずれ量ΔLm,ΔLcを算出して、これらの算出結果を先に求められた算出結果に上書きする。そして、位置ずれ補正制御部40は、さらにその次のカラープリントのM、C画像を印画する時に、新しい位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果に基づいて補正時間ΔM、ΔCを算出し、M、C画像の印画を開始する時間を補正する。
【0042】
本実施形態によれば、前にプリントされたカラープリントの位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果を記憶して、この位置ずれ量算出結果に基づいて、次のカラープリントをプリントする際のM、C画像の印画開始時間を補正するようにしたので、従来のようにレジスタマーク31の印画・検出と位置ずれ補正とを同時に行う必要が無くなる。その結果、サーマルヘッド26とマーク検出センサ25との間の距離分だけ余白部49aを延長する必要がなくなるので、余白部49aの面積を小さくすることができる、また、各画像の印画時間を短縮して、カラープリント51のプリント時間を短縮することができる。
【0043】
統括制御部38は、C画像の印画が完了したらサーマルヘッド26を退避位置に移動させるとともに、搬送ローラ対17を駆動して記録紙11を排紙口30(A方向)に向けてに搬送する。そして、図5に示すように、統括制御部38はカッタ29を駆動して記録エリア11a外の余白部49a,49bをカットして、カラープリント51を形成する。レジスタマーク31は余白部49aに印画されているので、カラープリント51の品質に影響を与えるおそれはない。なお、レジスタマーク31が印画された記録エリア11aの余白部49aは、次のプリント時にカットされて廃棄される。
【0044】
次に、本実施形態の作用について、図6のフローチャートを用いて説明する。プリント開始操作がなされると、制御部38はモータ15を駆動して給紙ローラ13及びフィードローラ18を回転させる。これにより、記録紙ロール12から記録紙11が引き出される。また、位置ずれ補正制御部40は、プリント開始指示がなされるのと同時にタイマー43で時間の経過を監視する。
【0045】
記録紙ロール12から引き出された記録紙11が、搬送ローラ対17に挟持されると、記録紙11は記録紙ロール12から引き出されてA方向に搬送される。そして、制御部38は、記録紙11が印画準備位置まで搬送されたら、退避位置にあるサーマルヘッド26を圧接位置に移動させ、その発熱素子アレイ26aを余白部49aに圧接させる(図2参照)。次いで、統括制御部38は、搬送ローラ対17を逆転させて記録紙11をB方向に印画速度Vyで搬送する。
【0046】
位置ずれ補正制御部40のマーク印画制御部45は、タイマー43の時間が設定メモリ42内に記憶されているマーク印画開始時間になった時に、画像メモリ41に予め記録されたレジスタマーク31の信号を読み出し、駆動データに変換してヘッドドライバ39に送る。サーマルヘッド26の発熱素子アレイ26aは、ヘッドドライバ39に入力された駆動データに基づいて発熱し、余白部49a内にレジスタマーク31を印画する。統括制御部38は、このレジスタマーク31の印画が完了しても搬送ローラ対17の回転駆動を継続して、記録紙11を引き続きB方向に印画速度Vyで搬送する。
【0047】
そして、位置ずれ補正制御部40は、タイマー43の時間がY画像印画開始時間となった時に、ヘッドドライバ39を介して発熱素子アレイ26aを画像データに基づき発熱させて、記録紙11の記録エリア11a内にY画像の印画を開始する(図3参照)。また、位置ずれ補正制御部40は、Y画像の印画が開始されるのと同時にこのY画像印画開始時刻t0yを位置ずれ情報記憶メモリ47に記憶する。さらに、位置ずれ補正制御部40は、引き続き記録紙11が印画速度Vyで印画されながらB方向に搬送され、その余白部49aに印画されたレジスタマーク31がマーク検出センサ25で検出された時刻t1yを位置ずれ情報記憶メモリ47に記憶する(図4参照)。
【0048】
Y画像の印画が完了したら統括制御部38は、搬送ローラ対17を駆動して記録紙11をA方向に搬送すると同時に、光定着器28のY定着ランプ34を点灯させる。このY定着ランプ34は、記録紙11の記録エリア11aが光定着器28を通過した時に停止される。これにより、Y画像が定着される。Y画像の定着が完了したら、統括制御部38は搬送ローラ対17により記録紙11をB方向に搬送する。
【0049】
統括制御部38は、記録紙11が印画準備位置まで搬送されたら、サーマルヘッド26を圧接位置に移動させて、記録紙11を印画速度Vmで搬送する。そして、位置ずれ補正制御部40は、タイマー43の時間がM画像印画開始時間となったら、サーマルヘッド26を駆動して記録エリア11aにM画像の印画を開始する。また、位置ずれ補正制御部40は、Y画像印画時と同様にM画像印画開始時刻T0mと、レジスタマーク31の検出時刻t1mとを位置ずれ情報記憶メモリ47に記憶する。
【0050】
M画像の印画が完了したら統括制御部38は、搬送ローラ対17を駆動して記録紙11をA方向に搬送すると同時に、光定着器28のM定着ランプ35を点灯させて、M画像を定着する。そして、M画像の定着が完了したら、統括制御部38は再度搬送ローラ対17により記録紙11をB方向に搬送する。統括制御部38は、記録紙11が印画準備位置まで搬送されたら、サーマルヘッド26を圧接位置に移動させて、記録紙11を印画速度Vcで搬送する。
【0051】
位置ずれ補正制御部40は、タイマー43の時間がC画像印画開始時間となったら、サーマルヘッド26を駆動して記録エリア11aにM画像の印画を開始する。また、位置ずれ補正制御部40は、Y、M画像印画時と同様にC画像印画開始時刻T0cと、レジスタマーク31の検出時刻t1cとを位置ずれ情報記憶メモリ47に記憶する。そして、C画像の印画が完了したら統括制御部38は、サーマルヘッド26を退避位置に移動させた後、搬送ローラ対17により記録紙11をA方向に搬送する。そして、統括制御部38はカッタ29を駆動して記録エリア11a外の余白部49a,43bをカットして、カラープリント51を形成する(図5参照)。
【0052】
また、位置ずれ量演算部46は検出時刻t1cが位置ずれ情報記憶メモリ47に記憶されたら、印画開始時刻t0y,t0m,t0cと、検出時刻t1y,t1m,t1cと、印画速度Vy,Vm,Vcとをそれぞれ上記計算式(1)〜(5)に代入してY−M及びY−C位置ずれ量ΔLm,ΔLcを算出し、これら位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果を位置ずれ情報記憶メモリ47に記憶させる。次いで、位置ずれ補正制御部40は、これら位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果を上記計算式(6)及び(7)に代入してM印画開始時刻とC印画開始時刻とを補正する補正時間ΔM、ΔCを算出する。
【0053】
位置ずれ補正制御部40は、算出されたΔM、ΔCに基づいてM印画開始時間とC印画開始時間とを補正し、次のカラープリント51のM、C画像を印画する時は補正された印画開始時間でM、C画像の印画を開始させる。これにより、次のカラープリント51のY、M、Cの各画像の印画開始位置を一致させることができるので、位置ずれの発生を抑えることができる。
【0054】
そして、次のプリント開始指示がなされたら、上述のプリント処理を繰り返して行えばよい。この際に位置ずれ補正制御部40は、それぞれ補正されたM,C印画開始時間でM、C画像の印画を開始させるとともに、同様の手順で位置ずれ量ΔLm,ΔLcを算出して、これらの算出結果を先に求められた算出結果に上書きする。そして、位置ずれ補正制御部40は、さらにその次のカラープリント51のM、C画像を印画する時に、新しい位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果に基づいてΔM、ΔCを算出し、M、C画像の印画を開始する時間を補正する。
【0055】
本実施形態によれば、前にプリントされたカラープリント51の位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果を記憶し、この位置ずれ量算出結果に基づいて、次のカラープリント51をプリントする際のM、C画像の印画開始時刻を自動補正するようにしたので、従来のようにサーマルヘッド26とマーク検出センサ25との間の距離分だけ余白部49aを延長する必要がなくなる。その結果、余白部49aの面積を小さくすることができる、また、各画像の印画時間を短縮して、カラープリント51のプリント時間を短縮することができる。さらに、位置ずれを自動補正することができるので、カラー感熱プリンタ10の製造工程で従来行っていた位置ずれ調整工程を廃止することができる。また、位置ずれが発生してもサービスマンが現地に行って修理を行う必要がなくなる。
【0056】
なお、本実施形態では、n枚目のカラープリント51の位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果をn−1枚目のカラープリント51の位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果に上書きして、常に前にプリントされたカラープリント51の位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果に基づいて、n+1枚目(次)のカラープリント51のM、C画像の印画開始時間を自動補正するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、位置ずれ情報記憶メモリ47にn−5枚目までの位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果を残しておき、位置ずれ量演算部46によりn−5枚目からn枚目までの位置ずれ量ΔLm,ΔLcの平均値を算出させる。そして、n+1枚目(次)のカラープリント51をプリントする際は、この平均値算出結果に基づいてM、C画像の印画開始時間を自動補正するようにしてもよい。
【0057】
また、本実施形態では、カラープリントを行うごとにレジスタマーク31の印画と、位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出及び記憶とを行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、プリンタ10起動時の最初の1枚目のプリントを行うときや、或いは所定時間経過後や所定枚数のプリントを行った後にのみ、レジスタマーク31の印画と、位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出及び記憶とを行うようにしてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、M印画開始時間とC印画開始時間とを補正することで、次のカラープリントをプリントする際のY、M、C画像の印画開始位置が一致するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば上述したように、印画開始時間の代わりにモータ15の印画開始パルス数等が設定メモリ42に記憶され、このモータ15の駆動パルス数が所定数になったときにレジスタマーク31やY、M、C画像の印画を開始するようにしている場合には、位置ずれ量ΔLm,ΔLcの算出結果に基づいて、次のカラープリント51をプリントする際のM、C画像の印画開始パルス数を自動補正するようにしてもよい。
【0059】
なお、本実施形態では、Y、M、Cの各画像印画開始後にレジスタマーク31がマーク検出センサ25で検出されているが、レジスタマーク31の印画位置やサーマルヘッド26とマーク検出センサ25との距離によっては、各画像の印画開始前にレジスタマーク31が検出される場合もある。この場合には上記計算式(1)〜(3)を下記計算式(8)〜(10)のように変えることで、Y−M及びY−C位置ずれ量ΔLm,ΔLcを算出することができる。
(8) Δty=t0y−t1y
(9) Δtm=t0m−t1m
(10)Δtc=t0c−t1c
【0060】
また、本実施形態ではサーマルヘッド26の印画方向をB方向としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、搬送ローラ対17がサーマルヘッド26のA方向下流側に配置されている場合には、サーマルヘッド26の印画方向をA方向としてもよい。この場合には、マーク検出センサ25をサーマルヘッド26のA方向下流側に配置し、レジスタマーク31を余白部49bに印画すればよい。
【0061】
なお、本実施形態では、カラー感熱プリンタ10を例に説明したが、インクリボンを背後から加熱して溶融または昇華したインクを記録紙に転写して画像を記録する熱溶融型、昇華型の熱転写プリンタや、インクジェットプリンタ、レーザプリンタなどの主走査方向に1ラインずつ記録する記録ヘッドを備えた各種カラープリンタにも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明を実施したカラー感熱プリンタの概略図である。
【図2】図1の上面図の一部を示したものであり、記録紙が搬送ローラ対により送り出されたときの状態を示した図である。
【図3】図1の上面図の一部を示したものであり、記録紙の余白部にレジスタマークを印画したときの状態を示した図である。
【図4】図1の上面図の一部を示したものであり、レジスタマークがマーク検出センサにより検出されたときの状態を示した図である。
【図5】図1の上面図の一部を示したものであり、シアン画像印画後の記録紙の余白部をカットしてカラープリントを形成したときの状態を示した図である。
【図6】同プリンタの位置ずれ補正処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
10 カラー感熱プリンタ
11 カラー感熱記録紙
11a 記録エリア
17 搬送ローラ対
25 マーク検出センサ
26 サーマルヘッド
31 レジスタマーク
38 統括制御部
40 位置ずれ補正制御部
45 マーク印画制御部
46 位置ずれ量演算部
47 位置ずれ情報記憶メモリ
49a,49b 余白部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に1ラインずつ記録する記録ヘッドを備え、前記記録ヘッドに対して記録紙を前記主走査方向と直交する副走査方向に往復搬送させながら、前記記録紙の記録エリアに複数色の画像を色別に印画して1画面分のカラー画像を記録するカラープリンタにおいて、
前記記録エリアに前記複数色の画像を印画する前に、前記記録ヘッドを駆動して前記記録紙に印画位置の位置ずれ補正用のレジスタマークを印画するマーク記録手段と、
前記記録ヘッドに対し印画時記録紙送り方向の下流側に配置され、前記レジスタマークを検出するマーク検出手段と、
各色毎の印画を開始した時刻と、前記マーク検出手段で前記レジスタマークを検出した時刻との差分を各色別に算出し、この各色別の差分算出結果と印画速度とから各色間の位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量算出結果に基づき、次の前記カラー画像記録時に各色の画像の印画開始位置が一致するように、前記記録ヘッドの駆動のタイミングを調整する位置ずれ補正手段とを備えたことを特徴とするカラープリンタ。
【請求項2】
前記マーク記録手段は、前記カラー画像の記録を行う全ての記録紙に前記レジスタマークが印画されるように前記サーマルヘッドを駆動し、前記位置ずれ補正手段は、前記カラー画像を記録するごとに前記各色間の位置ずれ量を算出することを特徴とする請求項1記載のカラープリンタ。
【請求項3】
前記カラー画像を記録するごとに算出された前記位置ずれ量算出結果を順次記憶する記憶手段を設け、
前記位置ずれ補正手段は、前記記憶手段に記憶された複数の前記位置ずれ量算出結果の平均値を算出し、この平均値算出結果に基づき、次の前記カラー画像記録時に前記記録ヘッドを駆動するタイミングを調整することを特徴とする請求項2記載のカラープリンタ。
【請求項4】
前記レジスタマークは前記記録エリア外の余白部に記録され、前記余白部は前記カラー画像の記録が完了した後に前記記録エリアからカットされることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載のカラープリンタ。
【請求項5】
主走査方向に1ラインずつ記録する記録ヘッドに対して記録紙を前記主走査方向と直交する副走査方向に往復搬送させ、前記記録紙の記録エリアに複数色の画像を色別に印画して1画面分のカラー画像を記録するカラープリンタの位置ずれ補正方法において、
前記記録ヘッドにより前記記録紙に印画位置の位置ずれ補正用のレジスタマークを記録した後に、前記記録エリアに前記複数色の画像の印画を開始し、
各色毎の印画を開始した時刻と、前記レジスタマークを検出した時刻との差分を各色別に算出するとともに、この各色別の差分算出結果と印画速度とから各色間の位置ずれ量を算出し、
この位置ずれ量算出結果に基づき、次の前記カラー画像記録時に各色の画像の印画開始位置が一致するように、前記記録ヘッドの駆動のタイミングを調整することを特徴とする位置ずれ補正方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−187957(P2006−187957A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−1744(P2005−1744)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】