説明

ガスタービンエンジン

【課題】ガスタービンエンジンにおいて、圧縮機における圧力損失を低減すると共にチョークの発生を抑制する。
【解決手段】圧縮機が備える静翼が配置されるコア流路13に設けられ、最も上流側の静翼である最上流静翼4b1同士の間のスロート部よりもさらに上流側にて空気を抽気する抽気手段13を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンエンジンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ジェットエンジン等のガスタービンエンジンでは、圧縮機において圧縮した空気を燃焼器に送り込み、燃焼器において圧縮空気と燃料との混合気を燃焼させることによって高温ガスを発生させ、当該高温ガスによりタービンを駆動している。
【0003】
このようなガスタービンエンジンの圧縮機は、ケーシング等に固定されて回転駆動されずに空気の整流を行う静翼がシャフト周りに複数配列されてなる静翼列と、シャフトに固定されて回転駆動される動翼が複数配列されてなる動翼列とを交互に複数段備えており、静翼列と動翼列とを交互に通過させることで空気を圧縮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−52546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、圧縮機の静翼及び動翼が配置される流路(コア流路)は、外部からガスタービンエンジンへの空気の取込口と比較して非常に狭い。このため、当該取込口から取込まれた空気はコア流路で加速して静翼及び動翼を通過することとなる。そして、静翼及び動翼を通過する空気の流速は、空気の流量に比例することとなる。
ここで、静翼を通過する空気の流速が速くなるに連れて、静翼間における圧力損失が増大する。そして、静翼を通過する空気の流速が非常に速い(例えば、マッハ1を超える)場合には、空気の流れが詰まり、いわゆるチョークが発生することとなる。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、ガスタービンエンジンにおいて、圧縮機における圧力損失を低減すると共にチョークの発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0008】
第1の発明は、空気を圧縮して燃焼器に送り込む圧縮機を備えるガスタービンエンジンであって、上記圧縮機が備える静翼が配置されるコア流路に設けられ、最も上流側の静翼である最上流静翼同士の間のスロート部よりもさらに上流側にて上記空気を抽気する抽気手段を備えるという構成を採用する。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記抽気手段が、上記最上流静翼の前縁よりも後流側でかつ上記最上流静翼同士の間のスロート部よりも上流側に開口される抽気口を備えるという構成を採用する。
【0010】
第3の発明は、上記第1の発明において、上記抽気手段が、上記最上流静翼の前縁よりも上流側に開口される抽気口を備えるという構成を採用する。
【0011】
第4の発明は、上記第2または第3の発明において、上記抽気口が、上記コア流路において上記最上流静翼のチップ側に設けられているという構成を採用する。
【0012】
第5の発明は、上記第1〜第4いずれかの発明において、上記燃焼器で発生した高温ガスを噴射する主ノズルと、上記主ノズルから噴射される高温ガスに空気を噴出して騒音を低減するマイクロジェットノズルとを備え、上記抽気手段が、上記マイクロジェットノズルに抽気した空気を供給するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、抽気手段によって、最も上流側の静翼である最上流静翼のスロート部よりも上流側にて空気が抽気される。
最も上流側の静翼である最上流静翼同士の間のスロート部は、上流側との流路面積差が最も大きく、空気が最も急加速する領域である。本発明によれば、当該スロート部よりも上流側において空気の一部が抽気されるため、スロート部における流量を減少し、これによって最上流静翼を通過する空気の流速を低減することができる。
このため、本発明によれば、スロート部における圧力損失を低下し、チョーク余裕(チョークが発生するまでの余裕)を確保することができ、圧縮機における圧力損失を低減すると共にチョークの発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態におけるジェットエンジンの概略構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるジェットエンジンが備えるインレットガイドベーンを含む模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるジェットエンジンの効果を声明するグラフである。
【図4】本発明の第2実施形態におけるジェットエンジンの概略構成を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態におけるジェットエンジンの効果を声明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係るガスタービンエンジンの一実施形態について説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。また、以下の説明においては、ガスタービンエンジンの一例として、2軸のジェットエンジンを挙げて説明を行う。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のジェットエンジンS1の概略構成を模式的に示す断面図である。この図に示すように、本実施形態のジェットエンジンS1は、アウターカウル1と、インナーカウル2と、ファン3と、低圧圧縮機4と、高圧圧縮機5と、燃焼器6と、高圧タービン7と、低圧タービン8と、シャフト9と、主ノズル10と、マイクロジェットノズル11と、抽気部12とを備えている。
【0017】
アウターカウル1は、ジェットエンジンS1のなかで最も上流側に配置された円筒形部材であり、空気の流れ方向の上流端及び下流端が開口端とされ、上流端が空気取込口1aとして機能するものである。
そして、アウターカウル1は、図1に示すように、その内部にインナーカウル2の上流側及びファン3を収容している。
【0018】
インナーカウル2は、アウターカウル1よりも小径の円筒形部材であり、アウターカウル1と同様に、空気の流れ方向の上流端及び下流端が開口端とされている。
このインナーカウル2は、ジェットエンジンS1の主要部である低圧圧縮機4と、高圧圧縮機5と、燃焼器6と、高圧タービン7と、低圧タービン8と、シャフト9と、主ノズル10等を内部に収容している。
【0019】
なお、インナーカウル2の内部は、アウターカウル1に取込まれた空気の一部及び燃焼器6で生成される高温ガスが通る流路(以下、コア流路13と称する)とされている。
また、図1に示すように、アウターカウル1とインナーカウル2とは、空気の流れ方向から見て同心円状に配置されており、隙間を空けて配置されている。そして、アウターカウル1とインナーカウル2との隙間は、アウターカウル1内に取込まれた空気のうち、コア流路13に流れこまない残部を外部に排出するバイパス流路14とされている。
また、アウターカウル1及びインナーカウル2は、不図示のパイロンにより航空機の機体に取り付けられている。
【0020】
ファン3は、アウターカウル1内に流れ込む空気流を形成するものであり、シャフト9に固定される複数のファン動翼3aと、バイパス流路14に配置される複数のファン静翼3bとを備えている。
なお、後に詳説するシャフト9は、空気の流れ方向から見て、半径方向に2つに分割されている。より詳細には、シャフト9は、芯部である中実の第1シャフト9aと、第1シャフト9aを囲って外側に配置される中空の第2シャフト9bとによって構成されている。
そして、ファン動翼3aは、シャフト9の第1シャフト9aに固定されている。
【0021】
低圧圧縮機4は、図1に示すように、高圧圧縮機5よりも上流側に配置されており、ファン3によってコア流路13に送り込まれた空気を圧縮するものである。
この低圧圧縮機4は、シャフト9の第2シャフト9bに固定される動翼4aと、インナーカウル2の内壁に固定される静翼4bとを備えている。
なお、動翼4aは、環状に等間隔で複数配列されて1つの動翼列を構成している。また、静翼4bも環状に等間隔で複数配列されて1つの静翼列を構成している。そして、低圧圧縮機4では、空気の流れ方向において、静翼列から始まり、静翼列と動翼列とが交互に複数配置されている。
そして、低圧圧縮機4が備える静翼列のうち、最も上流側に位置する静翼列を構成する静翼4bは、ジェットエンジンS1の半径方向に向く回転軸を中心として回動可能とされており、コア流路13に流れ込む空気の流れ方向を調節するインレットガイドベーン4b1(最上流静翼)として機能する。
【0022】
高圧圧縮機5は、図1に示すように、低圧圧縮機4よりも下流側に配置されており、低圧圧縮機4から送り込まれた空気をさらに高圧に圧縮するものである。
この高圧圧縮機5は、シャフト9の第2シャフト9bに固定される動翼5aと、インナーカウル2の内壁に固定される静翼5bとを備えている。
なお、低圧圧縮機4と同様に、動翼5aは、環状に等間隔で複数配列されて1つの動翼列を構成している。また、静翼5bも環状に等間隔で複数配列されて1つの静翼列を構成している。そして、空気の流れ方向において、静翼列と動翼列とが交互に複数配置されている。
【0023】
燃焼器6は、高圧圧縮機5の下流側に配置されており、高圧圧縮機5から送り込まれる圧縮空気と、不図示のインジェクタから供給される燃料との混合気を燃焼することによって高温ガスを生成するものである。
【0024】
高圧タービン7は、燃焼器6の下流側に配置されており、燃焼器6から排出される高温ガスから回転動力を回収するものである。
この高圧タービン7は、シャフト9の第2シャフト9bに固定される複数のタービン動翼7aと、コア流路13に固定される複数のタービン静翼7bとを備えており、タービン静翼7bに整流された高温ガスをタービン動翼7aで受けて第2シャフト9bを回転駆動する。
【0025】
低圧タービン8は、高圧タービン7の下流側に配置されており、高圧タービン7を通過した高温ガスからさらに回転動力を回収するものである。
この低圧タービン8は、シャフト9の第1シャフト9aに固定される複数のタービン動翼8aと、コア流路13に固定される複数のタービン静翼8bとを備えており、タービン静翼8bによって整流された高温ガスをタービン動翼8aで受けて第1シャフト9aを回転駆動する。
【0026】
シャフト9は、空気の流れ方向に向いて配置される棒状部材であり、タービン(高圧タービン7及び低圧タービン8)にて回収された回転動力をファン3及び圧縮機(低圧圧縮機4及び高圧圧縮機5)に伝達するものである。
このシャフト9は、上述のように、半径方向に2つ分割されて、第1シャフト9aと、第2シャフト9bとによって構成されている。
そして、第1シャフト9aは、上流側に低圧圧縮機4の動翼4a及びファン3のファン動翼3aが取り付けられ、下流側に低圧タービン8のタービン動翼8aが取り付けられている。
また、第2シャフト9bは、上流側に高圧圧縮機5の動翼5aが取り付けられ、下流側に高圧タービン7のタービン動翼7aが取り付けられている。
【0027】
主ノズル10は、低圧タービン8のさらに下流側に設けられると共に、ジェットエンジンS1の後方に向けて低圧タービン8を通過した高温ガスを噴射するものである。
そして、この主ノズル10から高温ガスが噴射される際の反作用によってジェットエンジンS1の推力が得られる。
【0028】
マイクロジェットノズル11は、主ノズル10周りに複数設けられ、主ノズル10から噴射されたジェット噴流に対して空気を吹き付けることによって騒音の低減を図るためのものである。
【0029】
抽気部12は、空気を圧縮して燃焼器6に送り込む圧縮機(低圧圧縮機4及び高圧圧縮機5)が備える最も上流側の静翼である、低圧圧縮機4のインレットガイドベーン4b1同士の間のスロート部Sよりもさらに上流側にてコア流路13に流れ込んだ空気を抽気するものである。
【0030】
図2は、インレットガイドベーン4b1の周囲を示す模式図であり、(a)が図1と同一方向から見た断面図であり、(b)が(a)における矢印A方向から見た矢視図であり、(c)が(a)における矢印B方向からインレットガイドベーン4b1のみを見た矢視図である。
これらの図に示すように、抽気部12は、インレットガイドベーン4b1の前縁よりも後流側でかつインレットガイドベーン4b1同士の間のスロート部Sよりも上流側に開口される抽気口12aを備えている。
なお、抽気口12aは、インレットガイドベーン4b1同士の間ごとに設けられており、インレットガイドベーン4b1のチップ側(すなわちインナーカウル2)に楕円形状で設けられている。
【0031】
また、抽気部12は、抽気口12aから流入した空気をマイクロジェットノズル11に供給する空気流路12bを備えている。
この空気流路12bは、全ての抽気口12aと全てのマイクロジェットノズル11とを連通している。ただし、1つの抽気口12aと1つのマイクロジェットノズル11とをのみを繋ぐ空気流路を複数設けるようにしても良い。
【0032】
このような構成を有する本実施形態のジェットエンジンS1においては、定常状態では、ファン3の駆動によってアウターカウル1内に空気が取込まれ、その一部がコア流路13に流入する。
そして、コア流路13に流入した空気は、低圧圧縮機4及び高圧圧縮機5によって順次圧縮され、燃焼器6に供給される。
燃焼器6に供給された圧縮空気は、燃料と混合されて混合気とされる。そして、当該混合気が燃焼器6によって燃焼されることによって高温ガスが生成される。
燃焼器6において生成された高温ガスは、高圧タービン7及び低圧タービン8を通過して主ノズル10からジェットエンジンS1の後方に噴射される。これによって推進力が得られる。
【0033】
なお、高温ガスが高圧タービン7を通過する際に、高圧タービン7によって回転動力が回収され、第2シャフト9bを介して高圧圧縮機5の動翼5aが回転駆動される。
また、高温ガスが低圧タービン8を通過する際に、低圧タービン8によって回転動力が回収され、第1シャフト9aを介して低圧圧縮機4の動翼4a及びファン3のファン動翼3aが回転駆動される。
【0034】
そして、本実施形態のジェットエンジンS1においては、抽気部12によって、インレットガイドベーン4b1同士の間のスロート部Sよりも上流側にてコア流路13を流れる空気の一部が抽気される。
インレットガイドベーン4b1同士の間のスロート部Sは、上流側との流路面積差が最も大きく、空気が最も急加速する領域であり、空気の詰まりが生じやすい箇所である。これに対して、本実施形態のジェットエンジンS1によれば、上記スロート部Sよりも上流側において空気の一部が抽気されるため、スロート部Sにおける流量を減少し、これによってインレットガイドベーン4b1を通過する空気の流速を低減することができる。
このため、本実施形態のジェットエンジンS1によれば、スロート部Sにおける圧力損失を低下し、チョーク余裕を確保することができ、圧縮機における圧力損失を低減すると共にチョークの発生を抑制することができる。
【0035】
図3は、チップ近傍におけるインレットガイドベーンの翼面マッハ数とコード方向距離との関係を示すグラフである。この図から分かるように、本実施形態のジェットエンジンS1が備えるインレットガイドベーン4b1の負圧面側の翼面マッハ数は、抽気部12を備えない従来のジェットエンジンのインレットガイドベーンよりも低減している。
【0036】
また、本実施形態のジェットエンジンS1では、抽気部12の抽気口12aがインレットガイドベーン4b1の前縁よりも後流側に位置している。
このため、抽気部12において多少でも昇圧された空気を抽気することができるため、容易に空気の抽気を行うことができる。
なお、本実施形態のジェットエンジンS1においては、マイクロジェットノズル11に対して抽気した空気が供給される。そして、上述のように昇圧された空気が抽気されるため、抽気部12は、ポンプ等の駆動源を備えることなく、抽気した空気をマイクロジェットノズル11に供給することができる。
つまり、本実施形態のジェットエンジンS1では、マイクロジェットノズル11から空気を噴射するに当たり、別途駆動源を備える必要がなく、容易にマイクロジェットノズル11から空気を噴出することができる。
【0037】
また、本実施形態のジェットエンジンS1では、抽気部12の抽気口12aがインレットガイドベーン4b1のチップ側、すなわちインナーカウル2に設けられている。
アウターカウル1に取込まれた空気がインナーカウル2に入り込む際に、インナーカウル2の内壁面には乱流が形成され、この乱流が圧力損失増大の1つの原因となる。
これに対して、本実施形態ジェットエンジンS1では、上述のようにインナーカウル2に対して抽気口12aが設けられているため、上記乱流を抽気口12aから吸込むことができ、コア流路13における圧力損失をより低減させることが可能となる。
【0038】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0039】
図4は、インレットガイドベーン4b1の周囲を示す模式図であり、(a)が図1と同一方向から見た断面図であり、(b)が(a)における矢印A方向から見た矢視図である。
これらの図に示すように、抽気部12は、インレットガイドベーン4b1の前縁よりも上流側に開口される環状の抽気口13cを備えている。
なお、抽気口12aは、インレットガイドベーン4b1同士の間ごとに設けられており、インレットガイドベーン4b1のチップ側(すなわちインナーカウル2)に設けられている。
【0040】
このような構成を採用する本実施形態のジェットエンジンによれば、上記第1実施形態と比較して、抽気する空気の圧力は低下するが、より多くの空気を抽気することができ、インレットガイドベーン4b1における翼面マッハ数をより低下させることができる。
【0041】
図5は、チップ近傍におけるインレットガイドベーンの翼面マッハ数とコード方向距離との関係を示すグラフである。この図から分かるように、本実施形態のジェットエンジンが備えるインレットガイドベーン4b1の負圧面側及び正圧面側の翼面マッハ数は、抽気部12を備えない従来のジェットエンジンのインレットガイドベーンよりも低減している。
【0042】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0043】
例えば、上記実施形態においては、本発明のガスタービンエンジンをジェットエンジンに適用した例について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、他のガスタービンエンジンに適用することも可能である。
【0044】
また、上記実施形態においては、抽気部12が備える抽気口が、楕円あるいは環状の形状をしている例について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、抽気口の形状は、環状、円、楕円、四角形、多角形等の他の形状を採用することも可能である。
【0045】
また、上記実施形態においては、抽気部12で抽気した空気をマイクロジェットノズル11に供給する構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、抽気部12で抽気した空気を他の用途に使用、若しくは、排気しても良い。
【符号の説明】
【0046】
S1……ジェットエンジン(ガスタービンエンジン)、1……アウターカウル、1a……空気取込口、2……インナーカウル、3……ファン、3a……ファン動翼、3b……ファン静翼、4……低圧圧縮機(圧縮機)、4a……動翼、4b……静翼、4b1……インレットガイドベーン(最上流静翼)、5……高圧圧縮機、5a……動翼、5b……静翼、6……燃焼器、7……高圧タービン、7a……タービン動翼、7b……タービン静翼、8……低圧タービン、8a……タービン動翼、8b……タービン静翼、9……シャフト、9a……第1シャフト、9b……第2シャフト、10……主ノズル、11……マイクロジェットノズル、12……抽気部(抽気手段)、12a……抽気口、12b……空気流路、13……コア流路、14……バイパス流路、S……スロート部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を圧縮して燃焼器に送り込む圧縮機を備えるガスタービンエンジンであって、
前記圧縮機が備える静翼が配置されるコア流路に設けられ、最も上流側の静翼である最上流静翼同士の間のスロート部よりもさらに上流側にて前記空気を抽気する抽気手段を備えることを特徴とするガスタービンエンジン。
【請求項2】
前記抽気手段は、前記最上流静翼の前縁よりも後流側でかつ前記最上流静翼同士の間のスロート部よりも上流側に開口される抽気口を備えることを特徴とする請求項1記載のガスタービンエンジン。
【請求項3】
前記抽気手段は、前記最上流静翼の前縁よりも上流側に開口される抽気口を備えることを特徴とする請求項1記載のガスタービンエンジン。
【請求項4】
前記抽気口は、前記コア流路において前記最上流静翼のチップ側に設けられていることを特徴とする請求項2または3記載のガスタービンエンジン。
【請求項5】
前記燃焼器で発生した高温ガスを噴射する主ノズルと、前記主ノズルから噴射される高温ガスに空気を噴出して騒音を低減するマイクロジェットノズルとを備え、
前記抽気手段は、前記マイクロジェットノズルに抽気した空気を供給する
ことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のガスタービンエンジン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−62782(P2012−62782A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205648(P2010−205648)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】