説明

ガスハイドレートの生成・分解状況の検知方法及びその装置

【課題】
堆積物中のガスハイドレートの生成・分解状況を検知する方法及びガスハイドレートの生成・分解状況検知装置を提供する。
【解決手段】
ガスハイドレートを含む測定対象物を波長が2.5 μm〜4.0
μmの範囲において赤外分光測定し、測定対象物中の水分子のOH伸縮振動吸収バンドの変化を測定することにより、ガスハイドレートの生成・分解状況を検知することを特徴とするガスハイドレートの生成・分解状況を検知方法及びこれを利用したガスハイドレートの生成・分解状況検知装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分光法によるガスハイドレートの製造および分解状況検知方法とその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスハイドレートは、水分子により形成されたかご状構造内にガス分子が包蔵された低温・高圧条件下で安定な固体結晶である。ガスハイドレートは、体積1m3当り約170m3のガス分子を包蔵することができるため、天然ガスの輸送および貯蔵媒体としても研究開発が行われている(特許文献1, 特許文献2, 特許文献3)。
【0003】
低温・高圧条件下で水とガスによって生成するため、天然ガス輸送のためのパイプライン内でガスハイドレートが生成し、パイプの閉塞、パイプ内圧力上昇による破損してしまう問題が報告されている。
【0004】
近年、メタン分子を主成分とするガスハイドレートが永久凍土および海底の堆積層中に賦存していることが確認されている(非特許文献1参照)。また、日本近海の堆積物中にも多く賦存していることが確認されており、石油や石炭に変わる非在来型エネルギー資源として生産手法開発が行われている。
【0005】
天然ガスハイドレートからのガス生産手法としては、地層内の圧力を下げることによってガスハイドレートが安定に存在する温度圧力領域から不安定温度圧力領域へと変化させてガスハイドレートを分解させる減圧法(非特許文献1)、熱を加えて地層内を不安定温度圧力領域へと変化させる熱刺激法(特許文献4, 5, 6, 非特許文献1)、塩などを地層内に圧入することによってガスハイドレート-水-ガス共存温度圧力曲線を変化させて分解させるインヒビタ法(特許文献7, 非特許文献1)などがあり、各手法の併用(特許文献8)もあわせた最適な生産手法の検討が行われている。
【0006】
堆積物中に含まれているメタンガスハイドレートを分解させてメタンガスを生産する際、メタンガスハイドレートの分解状況を観察するためには、堆積物中に配置した温度計、圧力計さらには生産ガス量、生産水量から判断するしかない。
【0007】
また、ガスハイドレートは分解する際に周囲から熱を奪うため、周囲の温度低下によってガスハイドレートの分解水もしくは堆積物中に存在してる水が氷へと変化してしまい、ガスの生産速度が低下してしまう可能性がある。
【0008】
さらにガスの生産速度を低下させる要因として、堆積物中に含まれる細粒砂が生産ガス・生産水と共に移動して堆積物の浸透性が変化する可能性がある。
【0009】
しかし、従来の生産ガス量、生産水量による分解状況確認では堆積物中の事象を正確に判断できないため、最適な対策をとるのが困難である。
【0010】
ガスハイドレートを利用した天然ガス輸送・貯蔵、潜熱蓄冷熱、ガス分離、圧力制御などの分野においては、ガスと水または氷を原料としてガスハイドレートを製造する工程において、ガスハイドレートの生成とその濃度を検知し、製造プロセスを制御する必要がある。従来は、高圧容器よりスラリー状の生成物をサンプリングし、含まれるガスハイドレートが分解することにより生じるガス量、分解吸熱量などを測定することにより、濃度を検知している。このため、オンラインさらにインラインにてリアルタイムでガスハイドレートの濃度管理を行なうことが不可能であるなどの不都合がある。
【0011】
【特許文献1】日本国特開2001−280592号公報
【特許文献2】日本国特公2007−270030号公報
【特許文献3】日本国特開2008−248031号公報
【特許文献4】日本国特開2005−60957号公報
【特許文献5】日本国特開2007−51508号公報
【特許文献6】日本国特開2006−46009号公報
【特許文献7】日本国特開2006−96779号公報
【特許文献8】日本国特開2007−120257号公報
【非特許文献1】Sloan, E.D. and Koh, C.A.: Clathrate Hydrates ofNatural Gases. Third Edition, (2007)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ガス生産速度低下という生産障害の要因を的確に判断するため、本発明では、高精度かつ短時間でガスハイドレートの生成・分解状況を観察することにより、堆積物中のガスハイドレートの生成・分解状況を検知する方法及びガスハイドレートの生成・分解状況検知装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
水または水を含んだ物質をその場観察で識別し分析するには分光法が非常に有用な方法であり、本発明者はこれまで分光法による水溶液の水の濃度測定法について鋭意研究を重ねてきた結果、水の状態変化と分光法によって取得できる水分子のOH振動吸収バンドの変化に着目することによって従来手法の課題を解決するために本研究をなすに至った。
本発明の手法は、試料中の水分子の赤外OH伸縮振動吸収バンドを赤外分光測定し、その赤外OH吸収バンドの変化を測定することからなっている。
水分子の水素結合状態によって、水分子のOH基の振動も変化する。
【0014】
そのため液体の水と固体の水(氷・ガスハイドレート)では水分子間の水素結合状態が違うため、波長領域2.5 μm〜4.0 μmで観測される水のOH吸収ピークの形状は液体の水と固体の水で異なる。
赤外領域では固体である氷とガスハイドレートを区別することは困難であるが、本発明の実施対象としているメタンガスハイドレート堆積層中は氷が存在しないプラスの温度領域であるため、ガスハイドレートの分解時の赤外OH吸収ピークを連続的に観測することによって課題を解決することが可能となることが判った。
【0015】
すなわち、本発明はガスハイドレートを含む測定対象物を波長が2.5 μm〜4.0
μmの範囲において赤外分光測定し、測定対象物中の水分子のOH伸縮振動吸収バンドの変化を測定することにより、ガスハイドレートの生成・分解状況を検知することを特徴とするガスハイドレートの生成・分解状況を検知方法である。
【0016】
また、本発明は、水のOH伸縮振動吸収バンド測定結果から一次モーメントを算出し、初期の値の一次モーメントと比較することによってガスハイドレート生成・分解状況を検知することを特徴とするガスハイドレートの生成・分解状況を検知方法である。
さらに本発明においては、ガスハイドレートをメタンとすることが好ましい。
【0017】
さらに、本発明は、ガスハイドレートを含む試料を包み込んで低温度に維持する低温用ジャケット、ガスを注入・排出するガスポート、ガスハイドレートを含む試料を注入する試料導入ポート、温度を計測するための熱電対、赤外入射光及び赤外反射光が透過できる一定長さの光学窓、ガスハイドレートを含む試料を詰め込む試料スペースからなるガスハイドレートの生成・分解装置及び赤外線発生装置、赤外線を光学窓に導く光路、光学窓から赤外線分光装置に導く光路、赤外線分光装置からなり、赤外光を光路により光学窓に入光させ、光学窓の周囲に存在するガスハイドレートを含む試料から反射した赤外反射光を光路により赤外分光測定器に導いて、水分子のOH伸縮振動吸収バンドの変化を測定して光学窓の周囲のガスハイドレートの生成・分解状況を検知するガスハイドレートの生成・分解状況検知装置である。
【0018】
また本発明は、堆積層掘削装置の先端部に、赤外入射光及び赤外反射光が透過できる一定長さの光学窓と光学窓に連結した光路とからなるガスハイドレートの生成・分解状況検知センサーを備え、観測点でガスハイドレートの生成・分解状況検知センサーを堆積層中に挿入し、赤外入射光を光路により光学窓に入光し、光学窓の周囲に存在するガスハイドレートを含む試料から反射した赤外反射光を光路により赤外分光測定器に導いて、水分子のOH伸縮振動吸収バンドの変化を測定して光学窓の周囲のガスハイドレートの生成・分解状況を検知する観測者による遠隔操作用ガスハイドレートの生成・分解状況の検知装置である。
またさらに本発明では、赤外光の波長が2.5 μm〜4.0 μmであり、ガスがメタンであり、光学窓の材質がZnSeであり、光路が光ファイバー若しくは鏡のガスハイドレートの生成・分解状況の検知装置とすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のガスハイドレート状況検知法により、温度・圧力では知り得ない堆積物中のガスハイドレートの量、分解によって生成した水量、生成した氷量を非破壊的にその場観測することが可能になる。
また、輸送・貯蔵用ガスハイドレート製造工程において、ガスハイドレート生成率ならびにガスハイドレート再ガス化工程における分解状況を非破壊的にその場観測することが可能となる。
本発明のガスハイドレート分解状況検知法は分光法を用いているため光ファイバープローブを用いた測定装置の設計が可能であり、光ファイバーの届く範囲で分光装置と測定場所を切り離すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のガスハイドレートの生成・分解状況を検知方法においては、ガスハイドレートを含む測定対象物を波長が2.5 μm〜4.0
μmの範囲において赤外分光測定し、測定対象物中の水分子のOH伸縮振動吸収バンドの変化を測定することにより、ガスハイドレートが生成しているのか、分解しているのかをみわけることができる。とくに、バンドの重心に相当する一次モーメントを求めることにより、感度良くガスハイドレートが生成しているのか、分解しているのかを検知することができる。
バンドの形状変化を定量化するために、次式(1)を用いてバンドの重心に相当する一次モーメントを求める。
【数2】

(式中、νは波長、I0は参照試料(空のセル)の吸光度、Iは試料の吸光度である。)
【0021】
本発明で用いる光学窓は、赤外入射光及び赤外反射光が透過できる透明な材質であり典型例としてZnSeを挙げることができる。光学窓の外側は直接ガスハイドレートを含む試料に接触し、赤外入射光により、接触したガスハイドレートを含む試料に透明な光学窓を通して赤外光が照射され、一部がガスハイドレートにより赤外反射光となって、再び光路により赤外線分光装置に導かれる。また、光学窓の外側に接触した試料中のガスハイドレートがある程度の量にならないと検知できないため、光学窓の長さは一定の長さ以上必要になる。また観測者による遠隔操作用ガスハイドレートの生成・分解状況の検知装置の場合には、光学窓は先端を鋭角にし、堆積層に向けて挿入しやすい円錐柱の形状とし、赤外入射光及び赤外反射光は1本ないし2本の光ファイバーを後端部に取り付けて計測することもできる。
本発明で用いる光路は、赤外線を導くものであれば、鏡を用いて空気中を伝播させても良いし、光ファイバーを用いてファイバー中を伝播させても良い。
【0022】
また、本発明で用いる赤外線発生装置は、2.5 μm〜4.0 μmの波長範囲を含むものであればどのような赤外線発生装置でも良い。
さらに、本発明で用いる赤外線分光装置は、水分子のOH伸縮振動吸収バンドの変化を測定できるものであれば何でも良い。
また、本発明のガスハイドレートの生成・分解状況の検知装置は、堆積層深く掘り下げた場所においても、光ファイバー等を用いて赤外反射光さえ取り出せば、ガスハイドレートの生成・分解状況を知ることができるため、掘削機の先端等に内蔵して、遠隔で操作することもできる。
このとき赤外入射光及び赤外反射光が透過できる一定長さの光学窓と光学窓に連結した光路とからなるガスハイドレートの生成・分解状況検知センサーは、周知の方法で、観測点において堆積層中に挿入し、周知の方法で、堆積層中から離脱することができる。また、光学窓を清掃する装置も併用すれば、必要に応じて別の観測点で続けて何度でも観測することもできることは当業者にとって言うまでもない態様である。
以下に示す実施例においては全反射型の低温高圧セルを用いフーリエ変換型近赤外分光装置(日本分光社製)を用いた。光学窓材はZnSeを用いた。
【実施例】
【0023】
図1に低温高圧セルの概略図を示す。図1中の1は低温高圧セル内を低温にするための低温ジャケットである。低温ジャケット1に冷媒を循環させ試料中の温度を制御した。この低温高圧セル上部には3つのポートを設けており、図1中の2を用いてガスの昇圧、減圧を行った。図1中の3は試料導入用のポートである。試料導入ポート用のプラグには熱電対を配置し、試料内の温度を測定することが可能となっている。
【0024】
空の低温高圧セルの赤外吸収スペクトルを測定し、それを参照試料とした。なお、試料作製の目的温度である0.3℃で参照スペクトルを測定した。
【0025】
ガスハイドレート堆積物試料を作製するために、東北8号珪砂 80gと水 20gとを混合攪拌した含水砂を試料導入用ポート(図1中の3)から低温高圧セル内部へ導入した。試料導入後試料導入用ポートを閉じ、メタンガスで4.5
MPaまで加圧しメタンガスハイドレートを孔隙内に生成させて試料を作製した。メタンガスハイドレート生成前後の範囲2.5 μm〜4.0 μmの赤外OH吸収スペクトルを図2に示す。メタンガスハイドレートの生成によって吸収スペクトルのピークトップが約3.0
μmから3.1 μmへと高波長側へシフトした。
【0026】
また、図2からピークトップの高波長シフトだけでなくバンドの形状が大きく変化しているのがわかる。バンドの形状変化を定量化するために、次式(1)を用いてバンドの重心に相当する一次モーメントを求めた。
【数3】

(式中、νは波長、I0は参照試料(空のセル)の吸光度、Iは試料の吸光度である。)
式(1)からハイドレート生成前の水の一次モーメントは3.02 μmで、ハイドレート生成後3.08 μmへと変化した。
【0027】
この水分子の赤外OH吸収スペクトルの一次モーメントは水素結合状態が反映された値であるため、原位置条件下の堆積物中のような水とメタンガスハイドレートが共存する系では一次モーメントの値からハイドレートの量を定量化することが可能である。
【0028】
図3に減圧によるガスハイドレート分解時氷が生成する際の一次モーメントの時間変化例とそのときの温度変化を示す。減圧によってガスハイドレートの分解が開始すると(図3中
6分時)一次モーメントが3.06 μmまで変化する。温度の時間変化を見るとおよそ実験開始5分後から温度が低下しているのが分かる。この温度の低下は堆積物中のガスハイドレートの分解反応(吸熱反応)によるものである。ガスハイドレート分解によって温度が-2℃まで低下したのち-0.5℃まで急激に温度が上昇したことから(図中3中
6.5分時)、過冷却が破れ氷が生成したことが分かる。氷生成後の7.5分時の一次モーメントの値は約3.08 μmを示し、再び高波長シフトしているのがわかる。ガスハイドレート分解時に氷が生成する場合、図3で示した一次モーメントの連続的な変化と異なり、一度低波長シフトした一次モーメントが氷生成によって再び高波長へとシフトする。
【0029】
減圧によるガスハイドレート分解時氷が生成しないときの一次モーメントの変化を図4に示す。図4で示した分解例では9.5分時に分解が始まり、一次モーメントが3.05
μmから3.02 μmへと連続的に変化していく。したがって、堆積物中にプローブを設置し範囲2.5 μm〜4.0 μmの赤外OH吸収スペクトルを観測することによって、堆積物中でのガスハイドレートの分解状況を確認することが可能となる。
【0030】
本実施例から、ガスハイドレート分解による氷生成によって水分子の赤外OH吸収バンドの一次モーメントが非連続的に変化することは明らかである。したがってガス生産の対象となる堆積層中の全反射赤外スペクトルを測定し、赤外OH吸収バンドの一次モーメントのシフトを観測することによって、堆積層中で発生した生産障害の要因を的確に判断することが可能である。
【0031】
なお、光学窓材の材質によって赤外領域での光の透過特性が異なる。異なる窓材で観測した結果の直接比較には注意が必要である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本研究は、堆積物中の天然ガスハイドレートの分解状況のモニタリング、輸送・貯蔵用ガスハイドレート製造装置内および再ガス化装置内のモニタリング、さらには天然ガス輸送用パイプライン内のモニタリングに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例における低温高圧セルの横断面図である。
【図2】本発明の実施例におけるメタンガスハイドレート生成前後の赤外OH吸収バンドを示す図である。
【図3】本発明の実施例における氷生成時の一次モーメントの変化を示す図である。
【図4】本発明の実施例における氷が生成しない時の一次モーメントの変化を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1:低温用ジャケット
2:ガスポート
3:試料導入ポート
4:熱電対
5:光学窓材
6:光
7:試料スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスハイドレートを含む測定対象物を波長が2.5 μm〜4.0
μmの範囲において赤外分光測定し、測定対象物中の水分子のOH伸縮振動吸収バンドの変化を測定することにより、ガスハイドレートの生成・分解状況を検知することを特徴とするガスハイドレートの生成・分解状況を検知方法。
【請求項2】
水のOH伸縮振動吸収バンド測定結果から式(1)により一次モーメントを算出し、
【数1】

(式中、νは波長、I0は参照試料(空のセル)の吸光度、Iは試料の吸光度である。)
初期の値の一次モーメントと比較することによってガスハイドレート生成・分解状況を検知することを特徴とするガスハイドレートの生成・分解状況を検知方法。
【請求項3】
ガスハイドレートがメタンである請求項1又は請求項2に記載されたガスハイドレートの生成・分解状況を検知方法。
【請求項4】
ガスハイドレートを含む試料を包み込んで低温度に維持する低温用ジャケット、ガスを注入・排出するガスポート、ガスハイドレートを含む試料を注入する試料導入ポート、温度を計測するための熱電対、赤外入射光及び赤外反射光が透過できる一定長さの光学窓、ガスハイドレートを含む試料を詰め込む試料スペースからなるガスハイドレートの生成・分解装置及び赤外線発生装置、赤外線を光学窓に導く光路、光学窓から赤外線分光装置に導く光路、赤外線分光装置からなり、赤外光を光路により光学窓に入光させ、光学窓の周囲に存在するガスハイドレートを含む試料から反射した赤外反射光を光路により赤外分光測定器に導いて、水分子のOH伸縮振動吸収バンドの変化を測定して光学窓の周囲のガスハイドレートの生成・分解状況を検知するガスハイドレートの生成・分解状況検知装置。
【請求項5】
堆積層掘削装置の先端部に、赤外入射光及び赤外反射光が透過できる一定長さの光学窓と光学窓に連結した光路とからなるガスハイドレートの生成・分解状況検知センサーを備え、観測点でガスハイドレートの生成・分解状況検知センサーを堆積層中に挿入し、赤外入射光を光路により光学窓に入光し、光学窓の周囲に存在するガスハイドレートを含む試料から反射した赤外反射光を光路により赤外分光測定器に導いて、水分子のOH伸縮振動吸収バンドの変化を測定して光学窓の周囲のガスハイドレートの生成・分解状況を検知する観測者による遠隔操作用ガスハイドレートの生成・分解状況の検知装置。
【請求項6】
赤外光の波長が2.5
μm〜4.0 μmであり、ガスがメタンであり、光学窓の材質がZnSeであり、光路が光ファイバー若しくは鏡である請求項4又は請求項5に記載したガスハイドレートの生成・分解状況の検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−139404(P2010−139404A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316624(P2008−316624)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、経済産業省委託研究メタンハイドレート開発促進事業(生産手法開発に関する研究開発) 産業技術力強化法第19条の適用をうける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】