説明

キノロンを含む眼科用組成物及びその使用の方法

眼の感染症を治療するための無防腐剤の眼科用組成物が開示される。その組成物は組成物が眼に入れられる時に抗生物質として有効な量のキノロン化合物を含む。その組成物は多価アルコールで等浸透圧にされる。その組成物は組成物を冒された組織に局所適用することにより眼の症状を治療するのに使用し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキノロンを含む眼科用組成物並びに感染症を治療するためのこのような溶液の使用方法及び溶液の保存方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼の感染症は眼科センターにおける作業負荷の大部分の原因である。これらの感染症は視力又は寿命に脅威であるかもしれず、これらの感染症の患者の素早い治療が必須である。
キノロンを含む、幾つかの抗生物質成分が、眼の感染症を防除、措置又は予防するための眼の適用に現在使用されている(Schwab, I.R.ら (2003) Ophthalmology 110(3):457-65)。例えば、キノロンシプロフロキサシンを含む局所の眼科用組成物がアルコン・ラボラトリィズ社により市販されており、またシプロフロキサシン及びヒドロコルチゾンの組み合わせを含む局所の耳用組成物がアルコン・ラボラトリィズ社により市販されている。オフロキサシン、ノルフロキサシン及びロメフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシンがまた眼科用の抗生物質組成物中に使用されていた。
これらのキノロン抗生物質組成物は一般に眼の感染症を治療するのに有効であり、従来の眼科用抗生物質組成物、特に抗菌活性の比較的制限されたスペクトルを有するもの、例えば、ネオマイシン、ポリミキシンB、ゲンタマイシン及びトブラマイシン(これらは主としてグラム陰性病原体に対し有効である);並びにバシトラシン、グラミシジン、及びエリスロマイシン(これらは主としてグラム陽性病原体に対し活性である)に対し特有の利点を有する。しかしながら、現在利用できる眼科のキノロン治療薬の一般の効力にかかわらず、これらの眼科用組成物の多くが眼の中及びその付近に痛み、刺激、アレルギー反応及び/又はその他の有害な副作用を生じる防腐剤を含む。
米国特許第6,492,361号及び同第6,166,012号はキノロン成分を含む無防腐剤の眼科用組成物を開示している。しかしながら、防腐剤を含まないこの特許に開示された組成物の全てが欧州薬局方の抗菌防腐の効力の基準Aもしくは基準B又はその両方に不合格である。これらの組成物は、防腐剤を含む組成物に対し進歩を示すが、防腐試験の必要とされる効力に合格することができる組成物を与えない。こうして、これらの組成物は経時の許容できない微生物汚染の可能性を示す。本発明はこれらの問題に取り組み、解決する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一局面において、本発明は実質的にキノロン化合物及び水性担体ビヒクルからなる眼科用組成物を含む。キノロン化合物は組成物が眼に入れられる時に抗生物質として有効な量のレボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、又はオフロキサシンである。水性担体ビヒクルは組成物を実質的に等浸透圧にする濃度の多価アルコールを含む。
その組成物は(i) 6〜7のpHを有し、(ii)キノロン化合物により有されるもの以外の抗菌性の防腐剤成分を欠いており、(iii) A. ニガー以外に対し、欧州薬局方の抗菌防腐の効力、基準B及びAに合格するのに充分に自己保存され、かつ(iv)組成物がヒト角膜実質細胞の細胞培養液に10%までの濃度を投与することに均等の最終濃度まで添加される時に観察される毒性の欠如により証明されるように、ヒト角膜実質細胞に対し実質的に無毒性であることを特徴とする。
キノロン化合物は0.3〜4.0%w/v、好ましくは1.0〜3.0%w/vの濃度のレボフロキサシンであってもよい。多価アルコールはアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、1000ダルトン以下の平均分子量を有するポリエチレングリコール、マンニトール又はソルビトールの一種以上であってもよい。種々の実施態様において、多価アルコールは約2.3v/v%の濃度のグリセリン、約2v/v%の濃度のプロピレングリコール、200〜1500ダルトンの平均分子量及び約2〜8%w/vの濃度を有するポリエチレングリコール、約4%w/vの濃度のマンニトール、又は約4%w/vの濃度のソルビトールを含む。
その組成物は、本発明の別の局面において、組成物を冒された眼に、例えば、液滴形態で入れることにより、眼の感染症を治療するのに使用される。
【0004】
別の局面において、本発明は等浸透圧量の生理学上許される塩を含む水性担体ビヒクル中にキノロン化合物を含み、かつキノロン化合物以外の防腐剤成分を実質的に欠いている自己保存眼科用組成物の自己保存特性を高めるための改良を含む。その改良(これは生理学上許される塩に代えて、組成物を実質的に等浸透圧にする濃度の多価アルコールを含む)は、組成物をA.ニガー以外に対し、欧州薬局方の抗菌防腐の効力、基準B及びAだけでなく、USP及びJPにおける相当する試験に合格するのに充分に自己保存されるようにするのに有効である。
関連局面において、本発明は外在性抗菌防腐剤成分を含まず、かつA.ニガー以外に対し、欧州薬局方の抗菌防腐の効力、基準B及びAに合格するのに充分な、眼の感染症を治療するのに使用するための、キノロン化合物の水溶液の保存方法に関する。その方法はその溶液に、溶液を実質的に等浸透圧にするのに充分な量の多価アルコールを添加することを伴う。
本発明のこれらの目的及び特徴並びにその他の目的及び特徴は下記の本発明の詳細な説明が添付図面と連係して読まれる時に更に充分に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
I.定義
特に示されない限り、本明細書に使用される全ての技術用語及び科学用語はそれらが当業者に知られているのと同じ意味を有する。本発明は記載された特別な方法、プロトコル、及び試薬に限定されないことが理解されるべきである。何とならば、これらが変化してもよいからである。
“眼科用組成物”という用語は眼の疾患又は障害、例えば、感染症の治療又は予防に使用し得る物質を表す。
“眼の感染症”という用語は微生物、例えば、ブドウ球菌、連鎖球菌及び/又は腸球菌により生じた、眼の付近、例えば、結膜(結膜炎)及び角膜(結膜炎)の炎症を表す。
本明細書に使用される“眼科上許される”という用語は、当該濃度又は量で、眼の組織と適合性である物質を表す。こうして、眼科上許される成分は眼の組織と接触させられる時に重大又は不当な有害な作用を生じない。
【0006】
“キノロン”は当業界で理解されているように異なる側鎖を有するナフチリジン核又はキノリン核を有する抗生物質を意味する(DaSilva, ADら (2003) 強力な抗菌薬のクラスである、フルオロキノロンの生物学的活性及びその調製のための合成方法, Curr Med Chem 10(1):21-39;及びYao, J.D.C.ら著 (1995) Murray, P.R.ら編集 Manual of Clinical Microbiology, ASM Press, Washington, D.C. 1288-1290頁)。キノロンとして、オキソリン酸、シノキサシン、フルメキン、ミロキサシン、ロソキサシン、ピペミド酸(pimemidic acid)、ノルフロキサシン、エノキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、ロメフロキサシン、テマフロキサシン、フレロキサシン、ペフロキサシン、アミフロキサシン、スパルフロキサシン、レボフロキサシン、クリナフロキサシン及びナリジクス酸が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に使用される“有効な量の”、“有効な量”、又は“有効量”は、微生物感染、微生物成長及び/又は微生物感染と関連する症候の割合を低下するのに有効である投与される抗生物質の量を表す。
対象“の治療”又は“治療すること”は対象の自然な経過を変えるための手段として施される介入のあらゆる型である。治療として、例えば、医薬組成物の投与が挙げられるが、これに限定されず、予防的に行なわれてもよく、又は病気イベントの開始もしくは病因物質との接触に続いて行なわれてもよい。特別な微生物で感染されたと診断された患者に関する“改善された治療成果”という関連用語は、微生物の成長、又はその特別な微生物による感染症と関連する検出できる症候の遅延又は減少を表す。
【0007】
本明細書に使用される“抗菌防腐剤成分を欠いている”という用語は医薬組成物について物質的効果より小さい効果を有し、又はそれに物質的利点より小さい利点を与える量で存在することを意味する。
“毒性”という用語は細胞又は眼の組織の代謝に対する組成物のあらゆる不利な作用及び/又は副作用を表す。組成物と関連する毒性の量は存在する組成物の量、薬物の製剤化並びに冒された細胞、臓器及び/又は対象の環境条件を含むが、これらに限定されない幾つかの条件により変化し得る。
本明細書に使用される“防腐剤効力”又は“防腐剤有効性”という用語は、組成物がA.ニガー以外に対する、プロトコル:欧州薬局方の抗菌防腐の効力、基準B及びAに定義された防腐剤規格(PhEur, 第4編, 4.4)を満足することを意味する。
欧州薬局方の抗菌防腐の効力、基準B及びAは、(a)生存細菌の濃度が14日までに初期濃度の0.1%以下に低下され、(b)生存酵母及びカビの濃度が最初の14日中に初期濃度以下に留まり、かつ(c)夫々の試験微生物の濃度が28日の試験期間の残り中にこれらの示されたレベル以下に留まる場合に溶液組成物について満足される。
A及びBに関する異なる基準として、以下のものが挙げられる。
細菌
【0008】

【0009】
そして28日で無回収
酵母及びカビ

【0010】
そして28日で増加なし
欧州薬局方の抗菌防腐の効力、基準B及びAに関する“A.ニガー以外”は、欧州薬局方の抗菌防腐の効力の防腐剤基準Aがカビ、A.ニガーについて満足されないことを意味する。
“対象”という用語は哺乳類、好ましくはヒトを表す。
II. 眼科用組成物
本発明は、一局面において、眼科用組成物を提供する。以下に記載される、特定成分を有する眼科用の、無防腐剤のキノロン組成物は、微生物感染症の発生のリスクを低減し、かつ/又はこのような感染症により生じる炎症もしくは痛みの重度を軽減するのに有効であることが発見された。組成物はキノロン化合物により有されるもの以外の抗菌防腐剤成分を欠いているが、組成物は欧州薬局方の抗菌防腐の効力の、A.ニガー以外についての、基準B及びAに合格するのに充分に自己保存されることが理解されるべきである。本発明の組成物の成分が以下に考慮される。
【0011】
A.キノロン化合物
本発明の組成物中に使用される抗生物質はキノロンとして分類される。これらの組成物は抗生物質上有効な量のキノロン成分を含む。このような量は、例えば、使用される組成物の特別な形態、使用される特定のキノロン成分、組成物に関する特定の適用、組成物の使用の頻度等の因子に応じて比較的広い範囲にわたって変化し得る。一実施態様において、本発明の組成物は約0.3%w/v付近又は約4%w/v以下又はそれ以上の量のキノロン成分を含む。キノロン成分は約1.0%w/v〜約3.0%w/vの範囲の量であることが好ましい。
【0012】
キノロン化合物は組成物が哺乳類の眼、好ましくはヒトの眼に入れられる時に抗生物質として有効な量で存在する。有効量は一つ以上の利益、例えば、微生物感染症の予防、防除もしくは措置、及び/又は炎症及び/又は痛みの軽減を治療される対象に与える。一実施態様において、キノロン化合物は約0.1〜約6.0%w/v、好ましくは約0.3〜4.0%w/v、更に好ましくは約1.0〜約3.0%w/vの濃度のレボフロキサシンである。
好ましいフッ素化キノロンは第二世代キノロン、例えば、オフロキサシン、シプロフロキサシン、グレパフロキサシン、及び次世代キノロン、例えば、レボフロキサシン、モキシフロキサシン及びガチフロキサシンである。これらのキノロンは早期のフルオロキノロンに対し利点を与え、一層広いスペクトルの殺菌活性及び優れた生物学的利用能を有する。加えて、それらは耐性株の発生を促進しないことが明らかである。例えば、Higgins P.G.ら (2003) フルオロキノロン:構造及び標的部位, Curr Drug Targets 4(2):181-90; Blondeau, J.M. (1999) 5種の新規呼吸キノロンに焦点を当てた、12の抗菌剤の比較のin-vitro活性の総説, J. of Antimicrobial Chemotherapy, 43, Suppl. B. 1-11; Tillotson, G.S. (1996) キノロン:構造-活性の関係及び将来の予測, J. of Medical Microbiology, 44, 320-4; Gootz, T.D.及びBrighty, K.E. (1996) フルオロキノロン抗菌薬:作用のSARメカニズム、耐性、及び臨床局面, Medicinal Research Reviews 16, 433-86;及びWentland, M.P. (1990) キノロンの新世代のフルオロキノロンの構造-活性の関係, (Siporin, C., Heifetz, C.L.& Domagala, J.M.編集), 1-43頁, Marcel Dekker, New York(これらの夫々が参考として本明細書に含まれる)を参照のこと。特に好ましいキノロンはレボフロキサシン(図1A)、モキシフロキサシン(図1B)、ガチフロキサシン(図1C)及びオフロキサシン(図1D)である。
モキシフロキサシン及び関連化合物の構造、調製、及び物理的性質に関する詳細が米国特許第5,607,942号(これが参考として本明細書に含まれる)に示されている。ガチフロキサシン及び関連化合物の構造、調製、及び物理的性質に関する詳細が米国特許第4,980,470号(これが参考として本明細書に含まれる)に示されている。キノロンの調製のための付加的な方法がDaSilva, ADら (2003) 強力な抗菌剤のクラスである、フルオロキノロンの生物学的活性及びその調製のための合成方法, Curr Med Chem 10(1):21-39(これが参考として本明細書に含まれる)に見られる。
【0013】
B.多価アルコール
本発明の眼科用組成物は投与のための水性担体ビヒクルを含む。担体は組成物を生理学的液体と実質的に等浸透圧にする濃度である多価アルコールであることが好ましい。一実施態様において、組成物は約230〜約450mOsm、好ましくは260-320mOsmの重量オスモル濃度を有するように調節される。
好適な多価アルコールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール-(1,2)及び-(1,3)、ブチレングリコール-(1,4)及び-(2,3)、ヘキサンジオール-(1,6)、オクタンジオール-(1,8)、ネオペンチルグリコール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール-(1,2,6)、ブタントリオール-(1,2,4)、キノール、メチルグルコシド、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及び約100〜約1000の分子量の高級ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール及び高級ポリブチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、マンニトール、ジブチレングリコール並びに高級ポリブチレングリコールが挙げられる。多価アルコールはグリセロール、プロピレングリコール、1000ダルトン以下の平均分子量を有するポリエチレングリコール、マンニトール及び/又はソルビトールであることが好ましい。
一実施態様において、多価アルコールは約2.3v/v%の濃度のグリセリンを含む。別の実施態様において、多価アルコールは約2v/v%の濃度のプロピレングリコールを含む。
例示の多価アルコールとして、200〜1500ダルトンの平均分子量及び約2〜8%w/vの濃度を有するポリエチレングリコールが挙げられる。一実施態様において、多価アルコールは約4%w/vの濃度のマンニトールを含む。別の実施態様において、多価アルコールは約4%w/vの濃度のソルビトールを含む。
キノロン化合物が1.0〜2.0%w/vの濃度で存在するレボフロキサシンであり、かつ多価アルコールが2〜2.5v/v%の濃度で存在するグリセリンであることが好ましい。
【0014】
C.pH
本発明の眼科用組成物は眼の溶液に一般に使用されるpH範囲に調節されることが有利であり、一実施態様において、これは約3から8まで、好ましくは約4から7.5まで、更に好ましくは約6〜7である。pHを調節するために、種々の眼に許される酸及び/又は塩基が使用されてもよい。
本発明の組成物に必要により有益な酸として、ホウ酸、塩酸、酢酸、使用される濃度で眼に許されるその他の酸等が挙げられる。本発明の組成物中に含まれてもよい塩基として、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム、その他のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物、有機塩基、使用される濃度で眼に許されるその他の塩基等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
D.自己保存
先に注目されたように、本発明の眼科用組成物はキノロン化合物により有されるもの以外の抗菌防腐剤成分を欠いているが、依然として充分に自己保存される。本発明の眼科用組成物の抗菌有効性は米国薬局方(USP)、欧州薬局方(Ph. Eur.)、及び/又は日本薬局方(JP)(これらの夫々が参考として本明細書に含まれる)に記載された方法による生物誘発試験を使用して測定し得る。
一般に、これらの試験はサンプルに既知レベルのグラム陽性増殖型細菌(例えば、スタヒロコッカス・アウレウス)及びグラム陰性増殖型細菌(例えば、シュードモナス・エルギノーサ及びエシェリキア・コリ)、酵母(例えば、カンジダ・アルビカンス)及びカビ(例えば、アスペルギルス・ニガー)を接種することを伴う。接種されたサンプルが特定間隔で試験されて抗菌防腐剤系が製剤に合目的的に導入された生物を死滅させることができ、又はその増殖を抑制することができるのかを測定する。抗菌活性の割合又はレベルが眼科用製剤についてのUSP、Ph. Eur.及び/又はJP防腐効力規格とのコンプライアンスを決める。例えば、米国特許第6,181,963号及び同第6,004,968号(これらは参考として本明細書に含まれる)を参照のこと。
一実施態様において、組成物はA.ニガー以外についての、欧州薬局方の抗菌防腐の効力基準B及びAに合格するのに充分に自己保存される。組成物はA.ニガー以外についての、欧州薬局方の抗菌防腐の効力基準B及びAだけでなく、米国薬局方及び/又は日本薬局方における相当する試験に合格するのに充分に自己保存されることが好ましい。
少なくともUSP抗菌有効性試験に合格することができる無防腐剤組成物を含む例示の製剤が下記の実施例B、D及びEに示される。
【0016】
E.毒性
種々の試験モデル及びプロトコルが眼の毒性又は刺激を評価するためのin vitroスクリーンとして本発明に使用されてもよい。例えば、Booman, K.A.ら (1988) 洗浄製品の眼の刺激を推定するためのin vitro方法、フェーズI:予備評価, J. Toxicol. Cut & Ocular Toxicol. 7:173-185(これが参考として本明細書に含まれる)を参照のこと。細胞傷害を評価するための定量可能な、客観的終点と連係して使用される細胞培養液がin vivoデータ組との良好な相関関係を示した。Bruner, L.H.ら (1991) 眼の安全性試験のための七つのin vitro別法の評価, Fund. Appl. Toxicol. 17:136-149(これが参考として本明細書に含まれる)を参照のこと。評価に好ましい方法は組成物を約5%〜15%、好ましくは約10%の濃度を有する眼科用組成物に相当する最終濃度までヒト角膜実質細胞の細胞培養液に添加し、毒性の実質的な欠如を観察することを伴う。毒性を評価するための例示のヒト角膜実質細胞バイオアッセイ方法が下記の実施例Fに記載されている。
本発明により意図される毒性を試験するための付加的な方法として、米国特許第5,827,641号(これが参考として本明細書に含まれる)に開示されたようなin vitro角膜均等モデルが挙げられる。in vivoの毒性は主として局所抗菌製剤中の賦形剤又は活性成分に対するアレルギー反応により発現される(Robert P.Y.及びAdenis J.P. (2001) 局所の眼科用抗菌製剤の比較総説, Drugs 61(2):175-185)。
【0017】
III.本発明の方法
本発明は、一局面において、対象の眼の症状の治療方法を提供する。その方法は所望の利益の一つ以上を与えるように一種以上の上記組成物を対象に投与することを含む。このような利益として、眼の微生物感染症及び/又はこれらと関連する症候、例えば、炎症及び/又は痛みの予防、防除又は措置が挙げられる。
A.組成物の投与
先の節IIに記載された、自己保存製剤は、治療眼科用組成物を貯蔵し、本明細書に記載された方法に従って投与するのに有益である。その方法は対象の眼中の組成物の局所投与を含むことが好ましい。このような投与として、眼への局所適用、眼への点眼、インサートを眼球と眼けんの間の盲管(スペース)に入れること等が挙げられるが、これらに限定されない。眼科用組成物を眼に投与するその他の通常の方法が使用されてもよく、当業者に公知である。
上記組成物の用量レベルは関係する特別な適用、使用される特別なキノロン成分、組成物中のキノロン成分の濃度、感染症の重度及び/又は治療に対する対象の応答を含むが、これらに限定されない、幾つかの因子に依存し得る。このような用量はルーチン技術及び治療される対象で所望の結果を得るための公知の技術により容易に決められる。医師が毎日の投薬の回数、投薬間の時間、及び組成物による治療の長さを調節し得る。眼科用医薬組成物の投与のための技術がRemington's Pharmaceutical Sciences (1995) 第19編, Williams & Wilkins(これが参考として本明細書に含まれる)に見られ、また当業者に公知である。
【0018】
治療に意図されている眼の症状として、結膜炎、角膜炎、眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、及び角膜潰瘍が挙げられる。細菌性結膜炎が感染性結膜炎の最も普通の形態であり、細菌性角膜炎が全ての細菌性の角膜の感染症の65-90%の原因である。治療に意図されている付加的な症状として、眼の組織への外傷から生じる感染症又は感染症のリスクが挙げられる。増殖性物質による汚染、コンタクトレンズ磨耗及び長期のコルチコステロイド使用と関連する外傷が普通のリスク因子である。その方法はまた感染症のリスクを生じる種々の眼の外科手術と関連する予防治療を含んでもよい。下記の症状がまた本発明の組成物で治療し得る:眼窩骨膜蜂巣炎(これは上部呼吸感染症の幼児で一層しばしば見られる、眼窩隔膜の前方の組織の感染性炎症である);眼窩蜂巣炎(これは眼窩隔膜の後方の眼窩組織に関係する感染性炎症プロセスである);及びムコール症(これは接合菌のクラスの菌類により生じる激症の日和見性菌類感染症である)。感染症は典型的には副鼻腔中で始まり、眼窩に広がる。大きい無隔性菌糸が血管閉塞を生じる。これが虚血及び組織の梗塞を生じる。
治療の方法の効力は軽減又は排除された眼の感染症の通常の指示薬のいずれかにより都合良く測定し得る。本発明の方法は適用された場合に治癒性かつ/又は予防性であり得る。その方法は手術前及び/又は外傷後に利用し得る。こうして、その方法は微生物感染の前、又は炎症及び/又は痛みが明らかになる前、或いはこのような感染後に適用し得る。その方法の使用はこのような感染症の発生のリスクを軽減するのに有効である。
一般に、本発明の相乗的かつ最適化用量は試験系、例えば、本明細書に記載された細胞系、又はその他の好適なin vitroもしくはin vivoモデル系で所望の効果を与える成分の濃度を測定することにより証明される。このようなデータに基づいて、ヒト(又はその他の動物)対象への投与に効力のある用量は、例えば、ヒトにおける特定化合物の既知の、又はルーチンで確かめられる薬物速度論に基づいて決められる(例えば、Benet, L.Z.ら (1996) 治療薬のグッドマン及びギルマンの薬理学的基礎, 第9編, Hardman, J.G.ら編集, McGraw-Hill, San Francisco; Wagner, J.G., (1993) 医薬科学者のための薬物速度論, Technomic, Inc., Lancaster, Pa.; Rowland, M.及びTozer, T.N., (1995) 臨床薬物速度論:概念及び適用, 第3編, Lea & Febiger, Philadelphiaを参照のこと)。
【0019】
B.溶液保存
本発明は、別の局面において、外在性抗菌防腐剤成分なしにキノロン化合物の水溶液を保存する方法を含む。保存溶液は先に説明されたように、眼の感染症を治療するのに使用されることが好ましい。
その方法はその溶液を実質的に等浸透圧にするのに充分な量の多価アルコールをその溶液に添加することを含む。好ましい実施態様において、キノロン化合物がレボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン及びオフロキサシンからなる群から選ばれ、かつ前記多価アルコールがグリセリン、プロピレングリコール、1000ダルトン以下の平均分子量を有するポリエチレングリコール、マンニトール及びソルビトールからなる群から選ばれる。
以上から、本発明の種々の目的及び特徴が満足される方法がわかる。
IV. 実施例
下記の実施例は本明細書に記載された発明を更に説明し、本発明の範囲を限定することを何ら目的としない。
【実施例】
【0020】
A.USP抗菌有効性(APE)試験結果の提示
APE試験結果を“低下の対数”対時間として図2-8にプロットし、分析する。この場合、
低下の対数=log10{対照(cfu/mL)}−log10{試験サンプル(cfu/mL)}
APE試験結果における有効性は時間の関数として4又は5への“低下の対数”値の迅速な増大により示される。
製剤開発研究はA.ニガー、C.アルビカンス、S.アウレウス及びP.エルジノーサの感受性を評価した。製剤はこれらの微生物に対し極めて有効であった。
B.5種の標準試験生物に対するエージングされた製剤に関するAPE結果
【0021】
表1.図2に示された製剤の組成








C.グリセリンを含まないで種々のレベルのレボフロキサシンを含む製剤
【0022】
表2.図3及び4に示された製剤の組成

【0023】
A.ニガー及びC.アルビカンスAPE試験値対時間は種々のレベルのレボフロキサシンを含む製剤がBAK陽性対照サンプルと同じ位には有効ではないことを示す。更に、表2並びに図5及び6に示されたように、レボフロキサシンレベルを増大すると、製剤のAPE性能を有意に改良しないことが明らかである。
D.レボフロキサシン+種々のレベルのグリセリンを含む製剤
【0024】
表3.図3及び4に示された製剤の組成

【0025】
A.ニガー及びC.アルビカンスに対する1.5%のレボフロキサシン+又は−2.2%のグリセリンを含む製剤対BAK対照サンプル(表3を参照のこと)に関するAPE結果が図5及び6に示される。図5及び6に示される結果はレボフロキサシン及びグリセリンを含む製剤がレボフロキサシン単独を含む製剤に対して高められたAPE性能を示すことを示す。

















E.レボフラキサシン+種々のレベルのその他の荷電賦形剤及び未荷電賦形剤を含む製剤
【0026】
表4.図7及び8に示された製剤の組成

【0027】
その他の水溶性の未荷電分子は上記グリセリンについて見られたものと同様のレボフロキサシン単独製剤に対するAPE増大を示す。3.1%のレボフロキサシン+数種の添加賦形剤を含む製剤に関する結果が表4並びに図7及び8に示される。0.73%の塩化ナトリウムはこの役割において単に有効ではなく、一方、4.0%のマンニトール、4.0%のソルビトール又は5.1%のPEG-300は2.1%のグリセリンについての結果に似ていた。
F.ヒト角膜実質細胞バイオアッセイ
ヒト角膜内皮細胞及び角膜実質細胞培養物
96ウェル組織培養プレートに第三継代ヒト角膜実質細胞(HCK)及び内皮細胞(HCE)を10%のウシ胎児血清(ハイクローン、ローガン、UT、USA)を補給したCSM(硫酸コンドロイチン媒体;インサイト・バイオメド社、ミネアポリス、MN、USA)培地200μlの最終容積中で1x103の細胞/ウェルで接種した。細胞を保湿インキュベーター中で35.5℃で95%の空気:5%のCO2の雰囲気中で管理した。10%のFBSを補給した、CSM培地中の4日のインキュベーション後に、培地を除去した。
【0028】
細胞を1回すすぎ、適当な試験溶液又は対照溶液(レボフロキサシン及びオフロキサシンを第一製薬株式会社(日本)から得、またシプロキサシン、モキシフロキサシン及びガチフロキサシンをLKTラボラトリィズ社(MN)から購入した)とともに15分間、30分間、1時間、及び4時間インキュベートした。試験溶液を10ng/mL、100ng/mL、1μg/mL、10μg/mL、100μg/mL、及び1mg/mLの濃度で適用した。次いで指示されたウェルを無血清最小必須培地(MEM、シグマ-アルドリッチ、セントルイス、MO、USA)200μlで2回すすぎ、72時間の残りにわたって10%のFBSを補給した、新しいCSM培地200μlとともにインキュベートした。72時間後に、夫々のウェルを市販のBSS(平衡塩溶液、シトゾル・ラボラトリィズ社、ブラインツリー、MA、USA)200μlで2回すすいだ。
カルセインAM蛍光定量的バイオアッセイ
生細胞を強い蛍光のカルセインへの実際に非蛍光性の細胞透過カルセインAMの酵素的変換により測定される、汎存細胞内エステラーゼ活性の存在により区別する。ポリアニオンのカルセインは生細胞内に良く保持され、生細胞中で強い一様の緑色(530nm)の蛍光を生じる。これがカルセインAM(非蛍光性)+エステラーゼ=カルセイン(蛍光性生成物)として表し得る。
【0029】
試験物質及び対照物質への暴露後に、細胞を100μl/ウェルの2μMカルセインAM溶液(モレキュラー・プローブス社、ユージーン、OR、USA)とともにインキュベートし、直ちにミリポア・サイトフルオーTM2,300蛍光測定系(アプライド・バイオシステムズ、フォスター・シティ、CA、USA)で読み取った。485/20nm励起波長及び530/25nmの発光波長フィルターセット(感度5)を使用して蛍光性生成物を測定した。ウィルコキセン・サインド-ランク試験を使用して試験グループと対照グループの間の統計有意差(p<0.05)を評価した。この研究をインサイト・バイオメド社(ミネアポリス、MN、USA)で連邦のグッド・ラボラトリィ・プラクチス規格のもとに行なった。
図9-12に示される、ヒト角膜実質細胞バイオアッセイ試験結果の分析は有機未荷電賦形剤をベースとする製剤の全てがかなりのヒト角膜実質細胞生体適合性を示すことを示す。
本発明が特別な実施態様に関して記載されたが、種々の変化及び改良が本発明から逸脱しないでなし得ることが当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1A−1D】好ましいキノロン:レボフロキサシン(図1A)、モキシフロキサシン(図1B)、ガチフロキサシン(図1C)及びオフロキサシン(図1D)を示す。
【図2】6種の微生物に対する1.5%のレボフロキサシン+2.2%のグリセリンを含む試験製剤に関する結果を示す。
【図3】種々のレベルのレボフロキサシンを含む製剤に関するA.ニガーAPE試験の低下の対数値対時間を示す。
【図4】種々のレベルのレボフロキサシンを含む製剤に関するC.アルビカンスAPE試験の低下の対数値対時間を示す。
【図5】1.5%のレボフロキサシンを含む製剤に関するA.ニガーAPE試験の低下の対数値対時間を示す。
【図6】1.5%のレボフロキサシンを含む製剤に関するC.アルビカンスAPE試験の低下の対数値対時間を示す。
【図7】種々の賦形剤を含む製剤に関するA.ニガーAPE試験の低下の対数値対時間を示す。
【図8】種々の賦形剤を含む製剤に関するC.アルビカンスAPE試験の低下の対数値対時間を示す。
【図9】本発明の或る実施態様に従って調製された種々の組成物からのヒト角膜実質細胞バイオアッセイ結果を示す。
【図10】本発明の或る実施態様に従って調製された種々の組成物からのヒト角膜実質細胞バイオアッセイ結果を示す。
【図11】本発明の或る実施態様に従って調製された種々の組成物からのヒト角膜実質細胞バイオアッセイ結果を示す。
【図12】本発明の或る実施態様に従って調製された種々の組成物からのヒト角膜実質細胞バイオアッセイ結果を示す。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 組成物が眼に入れられる時に抗生物質として有効な量の、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、及びオフロキサシンからなる群から選ばれたキノロン化合物、及び
(b) 組成物を実質的に等浸透圧にする濃度の多価アルコールを含む水性担体ビヒクル
から実質的になる眼科用組成物であって、
前記組成物が
(i) 6〜7のpHを有し、
(ii) キノロン化合物により有されるもの以外の抗菌性の防腐剤成分を欠いており、
(iii) A. ニガー以外に対し、欧州薬局方の抗菌防腐の効力、基準B及びAに合格するのに充分に自己保存され、かつ
(iv) 組成物がヒト角膜実質細胞の培養液に10%の最終濃度まで添加される時に観察される毒性の欠如により証明されるように、ヒト角膜実質細胞に対し実質的に無毒性であることを特徴とする、眼科用組成物。
【請求項2】
キノロン化合物が0.3〜4.0%w/vの濃度のレボフロキサシンである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
レボフロキサシンが1.0〜3.0%w/vの濃度で存在する、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
多価アルコールがグリセリン、プロピレングリコール、1000ダルトン以下の平均分子量を有するポリエチレングリコール、マンニトール及びソルビトールからなる群から選ばれた一種以上のアルコールを含む、請求項1記載の眼科用組成物。
【請求項5】
多価アルコールが約2.3v/v%の濃度のグリセリンを含む、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
多価アルコールが約2v/v%の濃度のプロピレングリコールを含む、請求項4記載の組成物。
【請求項7】
多価アルコールが200〜1500ダルトンの平均分子量及び約2〜8%w/vの濃度を有するポリエチレングリコールを含む、請求項4記載の組成物。
【請求項8】
多価アルコールが約4%w/vの濃度のマンニトールを含む、請求項4記載の組成物。
【請求項9】
多価アルコールが約4%w/vの濃度のソルビトールを含む、請求項4記載の組成物。
【請求項10】
キノロン化合物が1.0〜2.0%w/vの濃度で存在する、レボフロキサシンであり、かつ多価アルコールが2〜2.5v/v%の濃度で存在する、グリセリンである、請求項4記載の組成物。
【請求項11】
等浸透圧の量の生理学上許される塩を含む水性担体ビヒクル中にキノロン化合物を含み、かつキノロン化合物以外の防腐剤成分を実質的に含まない自己保存眼科用組成物において、組成物の自己保存特性を高め、その結果、組成物がA.ニガー以外に対し、欧州薬局方の抗菌防腐の効力、基準B及びAだけでなく、米国薬局方及び日本薬局方における相当する試験に合格するのに充分に自己保存され、生理学上許される塩に代えて、組成物を実質的に等浸透圧にする濃度の多価アルコールを含むことを特徴とする自己保存眼科用組成物。
【請求項12】
前記キノロン化合物がレボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、及びオフロキサシンからなる群から選ばれ、かつ前記多価アルコールがグリセリン、プロピレングリコール、1000ダルトン以下の平均分子量を有するポリエチレングリコール、マンニトール及びソルビトールからなる群から選ばれる、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
対象の眼に、
(i) 組成物が眼に入れられる時に抗生物質として有効な量の、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、及びオフロキサシンからなる群から選ばれたキノロン化合物、及び
(ii)組成物を実質的に等浸透圧にする濃度の多価アルコールを含む水性担体ビヒクル
から実質的になる組成物を入れ、
前記組成物が6〜7のpHを有し、キノロン化合物により有されるもの以外の抗菌性の防腐剤成分を欠いており、かつA. ニガー以外に対し、欧州薬局方の抗菌防腐の効力、基準B及びAに合格するのに充分に自己保存されることを特徴とする、対象の眼の感染症の治療方法。
【請求項14】
多価アルコールがグリセリン、プロピレングリコール、1000ダルトン以下の平均分子量を有するポリエチレングリコール、マンニトール及びソルビトールからなる群から選ばれた一種以上のアルコールを含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
キノロン化合物が0.3〜4.0%w/vの濃度のレボフロキサシンである、請求項13記載の方法。
【請求項16】
レボフロキサシンが1.0〜3.0%w/vの濃度で存在する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
多価アルコールが2〜2.5v/v%の濃度で存在する、グリセリンである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
溶液に、溶液を実質的に等浸透圧にするのに充分な量の多価アルコールを添加することを特徴とする、外在性抗菌防腐剤成分を含まず、かつA.ニガー以外に対し、欧州薬局方の抗菌防腐の効力、基準B及びAに合格するのに充分である、眼の感染症を治療するのに使用するための、キノロン化合物の水溶液の保存方法。
【請求項19】
前記キノロン化合物がレボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン及びオフロキサシンからなる群から選ばれ、かつ前記多価アルコールがグリセリン、プロピレングリコール、1000ダルトン以下の平均分子量を有するポリエチレングリコール、マンニトール及びソルビトールからなる群から選ばれる、請求項18記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−526231(P2007−526231A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517670(P2006−517670)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020448
【国際公開番号】WO2005/000307
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(000177634)参天製薬株式会社 (177)
【出願人】(000002831)第一製薬株式会社 (129)
【Fターム(参考)】