説明

キースイッチ構造

【課題】キートップ1を押下可能に支持したハウジング5とベースプレート8の間に可動接点7eと固定接点7dを有するメンブレンシート7を挟み、キートップ1の押下により可動接点7eを固定接点7dに接触させてスイッチを閉成するキースイッチ構造において、完全に外気と遮断し、装置本体内への水の浸入を完全に防ぐようにする。
【解決手段】メンブレンシート7の上に、ハウジング5の固定ピン5fに対応する複数の取り付け孔6gを設けたプレート6を備え、前記固定ピン5fを前記プレート5の取り付け孔6gにて固定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータ等のキーボード装置の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のノートパソコン等のモバイル装置(以下、「装置本体」という)においては、バッテリーの長寿命化に伴い長時間の携帯が可能となり全天候型の装置が必要とされるようになってきている。この要求を実現するために防滴性さらには防水性を得る技術が必要となる。例えば、雨天に屋外でキー操作をする場合でもキーボードから装置本体内への雨水の浸入を防ぐ技術が求められてきている。
【0003】
図4はこれを考慮した従来のキースイッチの断面図で、図5は従来のキースイッチの分解斜視図である。
【0004】
同図に示したように、従来のキースイッチ構造は、キートップ21、第1リンク部材22、第2リンク部材23、弾性部材24、ハウジング25、メンブレンシート26及びベースプレート27により構成されている。
【0005】
キートップ21には、第1リンク部材22の一端を回転可能に支持する回転支持部21a、21bと、第2リンク部材23の一端を回転可能にかつ水平方向に平行移動(運動)可能に支持するスライド支持部21c、21dが設けられている。
【0006】
第1リンク部材22は、一対の脚部22a、22bを有し当該脚部22a、22bの一端にはキートップ21の回転支持部21a、21bに挿入支持される第1連結棒22cが脚部22a、22bを連結するように設けられ、同様に脚部22a、22bの他端には、第2連結棒22dが脚部22a、22bを連結するように設けられていて、さらに、脚部22a、22bの各々の外面には、第1連結棒22cと第2連結棒22dとをつなぐ線上にあって、かつそれぞれの連結棒22c、22dに対して等距離となる位置に軸22e、22fが設けられている。
【0007】
第2リンク部材23は一対の脚部23a、23bを有し、当該脚部23a、23bの一端にはキートップ21のスライド支持部21c、21dに回転可能にかつ水平方向に平行移動(運動)可能に支持される第1支持突起23c、23dが外側に向けて設けられ、他端には第1リンク部材22の両連結棒22c、22d間と等しい距離に第2支持突起23e、23fが内側に向けて設けられている。
【0008】
また、第1支持突起23c、23dと第2支持突起23e、23fをつなぐ線上にあってかつ各々の支持突起23c、23d;23e、23fに対して等距離となる位置に軸穴23g、23hが設けられている。さらに、脚部23a、23bは第1支持突起23c、23dよりも先端側において連結部23iにより連結されている。
【0009】
弾性部材24は、ゴム等を素材として略カップ状に形成され、内面中央部に接点押下部24aが突出形成されている。ハウジング25はキー単位に分割して枠状に形成され、その一端付近に第1リンク部材22の第2連結棒22dを回転可能にかつ水平方向に平行移動(運動)可能に支持するためのスライドガイド25aが設けられていて、他端付近には第2リンク部材23の第2支持突起23e、23fを回転自在に支持する回転ガイド25c、25dが設けられている。
【0010】
また、ハウジング25の両端中央には、弾性部材24の外周部を固定する円弧形のガイド壁25eが対向するように設けられ、さらにハウジング25の下面にはメンブレンシート26の貫通穴26fを囲うように複数個所に所定の長さの固定ピン25fが形成されている。
【0011】
メンブレンシート26は、2枚の可撓性シート26a、26bと、この2枚の可撓性シート26a、26bに挟まれたスペーサシート26cから成り、このスペーサシート26cには複数のキーに対応して複数の貫通穴26fが設けられている。
【0012】
この貫通穴26fは2枚の可撓性シート26a、26b間に空間を形成し、この空間内で互いに対向して位置するように、ベースプレート27側の可撓性シート26bには固定接点26dが、弾性部材24側の可撓性シート26aには可動接点26eがそれぞれ設けられていて、さらに各貫通穴26fの周囲に位置するようにメンブレンシート26に複数の透孔26gが複数設けられている。
【0013】
ベースプレート27は以上の各部品を搭載するように下部に配置されもので、このベースプレート27にはメンブレンシート26の透孔26gに対応してメンブレンシート26と同等の厚さのスペーサ突起27aが形成されており、各スペーサ突起27aの中央にハウジング25の固定ピン25fを通す取り付け孔27bが貫通するように設けられていて、さらにベースプレート27の下面側において各取り付け孔27bの周囲に凹部(座ぐり)27cが形成されている。
【0014】
この構成において各部品は以下のように組み立てられる。すなわち、第1リンク部材22の軸22e、22fを第2リンク部材23の軸穴23g、23hを嵌合することにより、第1リンク部材22と第2リンク部材23を回転自在にX状に組合わせ、また、第1リンク部材22の第1連結棒22cをキートップ21の回転支持部21a、21bに挿入すると共に、第2リンク部材23の第1支持突起23c、23dをキートップ21のスライド支持部21c、21dに回転可能にかつ水平方向に平行移動(運動)可能に挿入する。
【0015】
一方、ベースプレート27上にメンブレンシート26を載せてベースプレート27の各スペーサ突起27aをメンブレンシート26の透孔26gに通し、各スペーサ突起27aの取り付け孔27bに上方からハウジング25の固定ピン25fを圧入する。そして、ベースプレート27の下面側に突出した固定ピン25fの先端を加熱により図4に示したように偏平状に変形させることで、ハウジング25をメンブレンシート26と共にベースプレート27上に固定し、これにより固定ピン25fの変形部25gをベースプレート27の凹部27c内に納めると共に、この凹部27cに溶着させて取り付け孔27bを閉塞する。
【0016】
さらに、弾性部材24の下部をガイド壁25eの内側に嵌め込んでメンブレンシート26上に固定し、その上からキートップ21を被せて、第1リンク部材22の第2連結棒22dをハウジング25のスライドガイド25aに挿入すると共に、第2リンク部材23の第2支持突起23e、23fをハウジング25の回転ガイド25c、25dに挿入する。
【0017】
図6は上述した従来のキースイッチの作用を示す断面図である。なお、同図においては、図の簡略化のために、ベースプレート27の取り付け穴27b、凹部27c、ハウジング25の固定ピン25fは省略している。
【0018】
まず、キートップ21が指等で押下されて下方に移動するのに伴い、第1リンク部材22はキートップ21の回転支持部21a、21bに回転自在に支持された第1連結棒22cを回転の中心として時計方向に回転運動し、この第1リンク部材22の他端側に設けられた第2連結棒22dが、ハウジング25のスライドガイド25a、25bに沿って水平方向に摺動運動する。
【0019】
第2リンク部材23は軸穴23g、23hに第1リンク部材22の軸22e、22fが回転自在に嵌合しているため、第1リンク部材22の動作に伴って第2リンク部材23の第1支持突起23c、23dがキートップ21のスライド支持部21c、21dに沿って水平方向に摺動運動し、ハウジング25の回転ガイド25c、25dに回転自在に支持された第2支持突起23e、23fを回転の中心として第2リンク部材23は反時計方向に回転運動する。
【0020】
その結果、キートップ21はハウジング25に対して平行を保ちながら下方へ移動し、このキートップ21の下方への移動に伴い、キートップ21の裏面が弾性部材24の上部を押圧するので、この弾性部材24は圧縮変形するとともに弾性部材24の内部に形成されて下方に突出している接点押下部24aがメンブレンシート26の可撓性シート26aに当接してこれを押圧する。
【0021】
これにより、図6(a)に示したように、可動接点26eが固定接点26dに接触して電気的に接続し、スイッチは閉成状態となる。さらに、キートップ21を押下すると、第2リンク部材23の連結部23iが第1支持突起23c、23dよりも端部側に設けられているため、第1リンク部材22と第2リンク部材23とは重なることなく、どちらもハウジング25に対して水平となる位置まで回転する。
【0022】
キートップ21の押下を解除すると、各構成部品は弾性部材24の復元力によって図6 (b) に示したように元の状態に戻り、メンブレンシート26の可動接点26eが固定接点26dから離れ、これにより電気的接触が絶たれるためスイッチは開放状態となる。
【0023】
以上のように、従来のキースイッチでは、図4に示したように、固定ピン25fの先端を加熱により偏平状に変形させることにより、ハウジング25をメンブレンシート26と共にベースプレート27上に固定し、これにより固定ピン25fの変形部25gをベースプレート27の凹部27c内に納め、変形部25gを凹部27cに溶着させて取り付け孔27bを閉塞し、防滴性を得るようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2001−229764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
しかしながら、従来のキースイッチでは、以上述べたようにメンブレンシートやベースプレートにハウジングの固定ピンを取り付ける多数の孔が設けられており、これらの固定ピンの取り付け孔をすべて完全に塞ぐことは困難であった。
【0026】
また、外気と遮断し防滴性或いはさらに防水性を得るためには、固定ピンとメンブレンシートの透孔の隙間も閉塞する必要があり、当該部分に粘着剤等を塗布するようにしてもキースイッチ部品群とのクリアランスの影響のために完全に閉塞することができず、一時的な防水はできても、完全な防水性を得ることはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。すなわち、キートップを押下可能に支持し固定ピンを有するハウジングとベースプレートの間に互いに対向する接点を有するメンブレンシートを挟み、キートップの押下により当該接点を接触させてスイッチを閉成するキースイッチ構造であって、前記メンブレンシートの上に、前記固定ピンに対応する複数の取り付け孔を設けたプレートを備え、前記固定ピンを前記プレートの取り付け孔にて固定するようにした。
【発明の効果】
【0028】
本発明のキースイッチ構造によれば、キートップを押下可能に支持し固定ピンを有するハウジングとベースプレートの間に互いに対向する接点を有するメンブレンシートを挟み、キートップの押下により当該接点を接触させてスイッチを閉成するキースイッチ構造であって、前記メンブレンシートの上に、前記固定ピンに対応する複数の取り付け孔を設けたプレートを備え、前記固定ピンを前記プレートの取り付け孔にて固定するようにしたので、装置本体を外気から完全に閉塞でき、完全な防滴とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施例のキースイッチの断面図である。
【図2】実施例のキースイッチの分解斜視図である。
【図3】実施例のキースイッチの押下状態である。
【図4】従来のキースイッチの断面図である。
【図5】従来のキースイッチの分解斜視図である。
【図6】従来のキースイッチの動作を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係わる実施の形態例を、図面を用いて説明する。図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【実施例】
【0031】
(構成)
図1は実施例1のキースイッチの断面図、図2は実施例1のキースイッチの分解斜視図である。
【0032】
キースイッチは、キートップ1、第1リンク部材2、第2リンク部材3、弾性部材4、ハウジング5、プレート上6aおよびプレート下6bからなるプレート6、メンブレンシート7、ベースプレート8とから構成されている。
【0033】
キートップ1には、回転支持部1a、1bとスライド支持部1c、1dが設けられている。第1リンク部材2は一対の脚部2a、2bを有し、当該脚部2a、2bの一端には第1連結棒2cが設けられ、脚部2a、2bの他端には、第2連結棒2dが設けられている。さらに、脚部2a、2bの各々には、軸の根本より中間までの範囲での直径に対して、中間より先端までの範囲で直径が小さく形成された2種類の円柱で構成された回転軸2e、2fが設けられている。
【0034】
第2リンク部材は連結部3iにより連結された一対の脚部3a、3bを有し、当該脚部3a、3bの一端には第1支持突起3c、3dが、多端には第2支持突起3e、3fがそれぞれ設けられている。さらに、脚部3a、3bの各々には、穴の根本より中間までの範囲での直径に対して、中間より先端までの範囲で直径が小さく形成された2種類の穴で構成された軸穴3g、3hがもうけられている。
【0035】
第1リンク部材2と第2リンク部材3は、回転軸2e、2fを、軸穴3g、3hにかん合することにより回転自在に係合されている。
【0036】
弾性部材4は、ゴム等を素材として逆カップ状に形成され、内面中央に接点押下部4aが突出形成されており、この弾性部材4はその上部がキートップ1の裏面に接するように、メンブレンシート7上に配置されている。
【0037】
ハウジング5には、スライドガイド5a、5bと、回転ガイド5c、5dと、弾性部材4を固定するガイド壁5eが設けられ、さらにプレート6を貫通し、先端を熱かしめされる固定ピン5fが設けられている。
【0038】
メンブレンシート7上部に以上の部品が搭載され、プレート6は、図1のa部およびb部に示したように、ハウジング5の固定ピン5fの先端を熱かしめにより固定する凹部を形成するために、プレート上6aとプレート下6bに取り付け孔6gが設けられている。図1に示したように、固定ピン5fの先端を熱かしめすることにより固定できるように、プレート上6a側はプレート下6b側の取り付け孔と比較し小さい径となっている。また、プレート上6aとプレート下6bには、弾性部材4の接点押下部4aが通過できるように、貫通穴6fが設けられている。
【0039】
メンブレンシート7は、可動接点7dを有する上部シート7aと、固定接点7eを有する下部シート7bと、これらのシートに挟まれたスペーサシート7cからなり、このスペーサシート7cには複数の貫通穴7fが設けられている。
【0040】
なお、スペーサシート7cには貫通穴7fが複数設けられているが、上部シート7aおよび下部シート7bにより貫通穴7fを覆い外気を完全に閉塞することができるので、メンブレンシート7とプレート6との固定は両面テープなどの粘着材により接着するだけでよい。或いは、接着することなくキーボード装置の取り付け孔にてメンブレンシート7とプレート6を重ね合わせて取り付けるようにしてもよい。
【0041】
ベースプレート8は、メンブレンシートの接点部分の強度を維持するために底部に配置するものである。ベースプレート8とメンブレンシート7の固定も、メンブレンシート7とプレート6の固定と同様に、両面テープなどによる固定或いはキーボード装置の固定孔にて取り付けるようにしてもよい。
【0042】
以上の構成において各部品は以下のように組み立てられる。第1リンク部材2の軸2e、fを第2リンク部材3の軸穴3g、3hを嵌合することにより、第1リンク部材2と第2リンク部材3を回転自在にX状に組合わせ、また、第1リンク部材2の第1連結棒2cをキートップ1の回転支持部1a、1bに挿入すると共に、第2リンク部材3の第1支持突起3c、3dをキートップ1のスライド支持部1c、1dに回転可能にかつ水平方向に平行移動(運動)可能に挿入する。
【0043】
そして、プレート6の取り付け孔6gに上方からハウジング5の固定ピン5fを挿入し、プレート6の下面側に突出した固定ピン5fの先端を加熱等により図1に示したように偏平状に変形させることで、ハウジング5をプレート6上に固定する。
【0044】
そして、プレート6の下側からメンブレンシート7を両面テープなどの粘着材で固定し、メンブレンシート7の下からベースプレート8を同様に両面テープなどの粘着材で固定する。
【0045】
(動作)
以上の構成による実施例1のキースイッチは以下のように作用する。以下、図1の通常の状態を示す断面図および図3の押下された状態を示す断面図を用いて実施例1のキースイッチの作用を説明する。
【0046】
まず、キートップ1が指等で押下されて下方に移動するのに伴い、第1リンク部材2はキートップ1の回転支持部1a、1bに回転自在に支持された第1連結棒2cを回転の中心として時計方向に回転運動し、この第1リンク部材2の他端側に設けられた第2連結棒2dが、ハウジング5のスライドガイド5a、5bに沿って水平方向に摺動運動する。
【0047】
第2リンク部材3は軸穴3g、3hに第1リンク部材2の軸2e、2fが回転自在に嵌合しているため、第1リンク部材2の動作に伴って第2リンク部材3の第1支持突起3c、3dがキートップ1のスライド支持部1c、1dに沿って水平方向に摺動運動し、ハウジング5の回転ガイド5c、5dに回転自在に支持された第2支持突起3e、3fを回転の中心として第2リンク部材3は反時計方向に回転運動する。
【0048】
その結果、キートップ1はハウジング5に対して平行を保ちながら下方へ移動し、このキートップ1の下方への移動に伴い、キートップ1の裏面が弾性部材4の上部を押圧するので、この弾性部材4は圧縮変形するとともに弾性部材4の内部に形成されて下方に突出している接点押下部4aがプレート上6aおよびプレート下6bの貫通穴6fを通過しメンブレンシート7の上部シート7aに当接してこれを押圧する。
【0049】
これにより、可動接点7eが固定接点7dに接触して電気的に接続し、スイッチは閉成状態となる。さらに、キートップ1を押下すると、第2リンク部材3の連結部3iが第1支持突起3c、3dよりも端部側に設けられているため、第1リンク部材2と第2リンク部材3とは重なることなく、どちらもハウジング5に対して水平となる位置まで回転する。
【0050】
キートップ1の押下を解除すると、各構成部品は弾性部材4の復元力によって図1に示したように元の状態に戻り、メンブレンシート7の可動接点7eが固定接点7dから離れ、これにより電気的接触が絶たれるためスイッチは開放状態となる。このとき、各ハウジング5を複数の固定ピン5fにより複数カ所でプレート6に固定しているため、ハウジング5がプレート6から浮き上がることはない。
【0051】
また、ハウジング5の固定ピン5fは、プレート6に先端を加熱により偏平状に変形させることで、ハウジング5をプレート6に固定し、その下から孔のないメンブレンシート7およびベースプレート8を接着するので、装置本体を薄型に構成できると共に、プレート6の取り付け孔6gを完全に閉塞できるため、完全な防滴性が得られる。
【0052】
(実施例の効果)
以上詳細に述べたように実施例1のキースイッチによれば、キートップを押下可能に支持し固定ピンを有するハウジングとベースプレートの間に互いに対向する接点を有するメンブレンシートを挟み、キートップの押下により当該接点を接触させてスイッチを閉成するキースイッチ構造において、前記メンブレンシートの上に、前記固定ピンに対応する複数の取り付け孔を設けたプレートを備え、前記固定ピンを前記プレートの取り付け孔にて固定するようにしたので、装置本体を外気から完全に閉塞することができ、完全な防滴性を得ることができる。
【0053】
《その他の変形例》
以上の実施例の説明では、以上の実施例の説明ではハウジング5の固定ピン5fを取り付けるための凹部を形成するために、図1の断面図に示したように、プレート6をプレート上6aとプレート下6bの2枚に分けて異なる径の孔を設けるように説明したが、1枚のプレートに同様の形状の凹部を形成するようにしてもよいし、逆に3枚以上のプレートに分けて同様の形状の凹部を形成するようにしてもよい。
【0054】
また、以上の実施例の説明では、プレート6に弾性部材4の接点押下部4aが通過する貫通穴6fを設ける構成として説明したが、貫通穴6fを設けない構成とし接点押下部4aによりプレート上6aおよびプレート下6bを介してメンブレンシート7の可動接点7eを押圧して固定接点7dと当接させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上述べたように、本発明は、ノートパソコン等のモバイル装置に搭載されるキーボード装置に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 キートップ
1a、1b 回転支持部
1c、1d スライド支持部
2 第1リンク部材
2a、2b 脚部
2c 第1連結棒
2d 第2連結棒
2e、2f 軸
3 第2リンク部材
3a、3b 脚部
3c、3d 第1支持突起
3e、3f 第2支持突起
3g、3h 軸穴
3i 連結部
4 弾性部材
4a 接点押下部
5 ハウジング
5a スライドガイド
5c、5d 回転ガイド
5e ガイド壁
5f 固定ピン
6 プレート
6a、6b プレート上、プレート下
6g 取り付け孔
6f 貫通穴
7 メンブレンシート
7a、7b 上部シート、下部シート
7c スペーサシート
7f 貫通穴
7d 固定接点
7e 可動接点
8 ベースプレート
21 キートップ
21a、21b 回転支持部
21c、2d スライド支持部
22 第1リンク部材
22a、22b 脚部
22c 第1連結棒
22d 第2連結棒
22e、22f 軸穴
23 第2リンク部材
23a、23b 脚部
23c、23d 第1支持突起
23e、23f 第2支持突起
23g 軸
23i 連結部
24 弾性部材
24a 接点押下部
25 ハウジング
25a スライドガイド
25b、25c 回転ガイド
25e ガイド壁
25f 固定ピン
26 メンブレンシート
26a、26b 可撓性シート
26c スペーサ
26d 固定接点
26e 可動接点
26f 貫通穴
26g 透孔
27 ベースプレート
27a スペーサ突起
27b 取り付け孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キートップを押下可能に支持し固定ピンを有するハウジングとベースプレートの間に互いに対向する接点を有するメンブレンシートを挟み、キートップの押下により当該接点を接触させてスイッチを閉成するキースイッチ構造であって、
前記メンブレンシートの上に、前記固定ピンに対応する複数の取り付け孔を設けたプレートを備え、
前記固定ピンを前記プレートの取り付け孔にて固定するようにしたことを特徴とするキースイッチ構造。
【請求項2】
ハウジングをキー単位に形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のキースイッチ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−9110(P2011−9110A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152419(P2009−152419)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】