クランプデバイスおよびオブジェクトロード方法
このクランプデバイスは、第1の力を使用して、強制的にオブジェクトとサポートを互いに離すように構成された第1のデバイスと、第2の力を使用して、強制的にオブジェクトとサポートを互いに近づけるように構成された第2のデバイスとを備え、第1のデバイスおよび第2のデバイスは、それぞれ第1の力および第2の力を同時に加え、オブジェクトを所望の形状に整形してからサポート上でのオブジェクトのクランプを完了する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、クランプデバイス、およびオブジェクトをサポート上でクランプするための方法に関する。さらに本発明は、リソグラフィ装置、およびリソグラフィ装置の基板サポート上に基板をロードするための方法に関する。最後に、本発明は、機械読取可能媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常は基板のターゲット部分上に付ける機械である。リソグラフィ装置は、たとえば、集積回路(IC)の製造時に使用される。そのような場合、選択可能にマスクまたはレチクルと呼ばれるパターニングデバイスを使用し、ICの個々の層に形成しようとする回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(たとえば、シリコンウェーハ)上の(たとえば、ダイの一部、1つのダイ、またはいくつかのダイを含む)ターゲット部分上に転写することができる。パターンの転写は、一般に、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層上への結像による。一般に、単一の基板は、連続してパターニングされる、網状の隣り合うターゲット部分を含むことになる。従来のリソグラフィ装置には、パターン全体を一度にターゲット部分上に露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、所与の方向(「スキャン」方向)で放射ビームを介してパターンをスキャンし、一方、この方向に対して平行または逆平行で基板を同期スキャンすることによって、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとが含まれる。パターンを基板上にインプリントすることによってパターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
【0003】
[0003] 既知のリソグラフィ装置では、露光しようとする各基板が基板サポート上にロードされ、その基板サポート上で、基板がパターン付き放射ビームの露光中に支持される。基板を基板サポート上でクランプするために、クランプデバイスが用意される。リソグラフィ装置の既知の実施形態では、真空クランプデバイスが使用される。そのような真空クランプデバイスは真空力をもたらし、それを用いて、基板が基板サポートの支持用表面上でクランプされる。基板がまっすぐである場合には、基板は、実質的に基板内の内部応力なしに支持表面上でクランプされることになる。
【0004】
[0004] しかし、基板は、まっすぐでなく、たとえば、波形、円筒形、ドーム形、鞍形など、いくつかの形状で歪んでいることがある。これは、基板を作製するために使用される生産方法によって、または基板が製造中にかけられる露光前もしくは露光後プロセスによって引き起こされる可能性がある。
【0005】
[0005] 歪んだ基板、たとえばドーム形基板が、たとえば真空クランプによって基板サポート上でクランプされるとき、基板は、最初に基板の外周で基板サポートと接触し、その後で基板の表面の残りの部分にわたって接触する可能性がある。クランプ力により、基板は、強制的に、実質的にまっすぐな形態にされ、一方、クランプ力は基板の外周で開始される。その結果、基板が支持用表面上でクランプされたとき、基板内に応力が誘発されるおそれがある。本願では、「歪んだ」オブジェクトは、円筒、鞍、またはそのオブジェクトの形状の他の望ましくない変形など、任意の形状を指す。
【0006】
[0006] これらの応力は、最終製品品質に対して負の影響を有するおそれがある。また、基板が、望ましいものでない別の形態でクランプされるため、リソグラフィ装置の投影のオーバーレイ性能が低下するおそれがあり、これは、製品品質に対して負の影響を有するおそれがある。
【発明の概要】
【0007】
[0007] クランプ力による基板内の内部応力が実質的に減少する、基板用の保持構成を有する基板サポートを提供することが応用例により望ましいとされている。さらに、歪んだ基板が基板サポート上でクランプされ、それにより基板内の応力および/またはオーバーレイエラーに対する危険性を潜在的に減少させるクランプ方法を提供することが望ましい。
【0008】
本発明の一態様によれば、オブジェクトをサポート上でクランプするように構成されたクランプデバイスであって、第1の力を使用して、強制的にオブジェクトとサポートを互いに離すように構成された第1のデバイスと、
第2の力を使用して、強制的にオブジェクトとサポートを互いに近づけるように構成された第2のデバイスとを備え、
第1のデバイスおよび第2のデバイスが、それぞれ第1の力および第2の力を同時に加え、オブジェクトを所望の形状に整形してからサポート上でのオブジェクトのクランプを完了する、クランプデバイスが提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、オブジェクトをサポート上にロードするための方法であって、強制的にオブジェクトとサポートを互いに離す第1の力と、強制的にオブジェクトとサポートを互いに近づける第2の力とを同時にオブジェクトにかけることを含む、オブジェクトを所望の形状に整形する工程と、サポート上でのオブジェクトのクランプを完了する工程とを含む方法が提供される。さらに、この方法を実施するための機械実行可能命令で符号化された機械読取可能媒体が提供される。
【0010】
本発明の他の態様によれば、リソグラフィ装置の基板サポート上に基板をロードするための方法が提供される。この方法は、
オブジェクトをサポートに向かって引きつける引力と、基板をサポートから押し離す反発力とを同時に基板にかけることを含む、基板を基板サポートから離隔して保っている間に基板を所望の形状に整形すること、および
基板サポート上での基板のクランプを完了することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
[0008] 次に、例示にすぎないが、本発明の諸実施形態について、対応する参照記号が対応する部分を示す添付の概略図面を参照して述べる。
【0012】
【図1】[0009]本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置の概略図である。
【図2】[00010]本発明による基板サポートの側面図である。
【図3】[00011]図2の基板サポートの上面図である。
【図4a】[00012]引力および反発力の、基板と基板サポートの間の距離に対する依存性の例を示す図である。
【図4b】引力および反発力の、基板と基板サポートの間の距離に対する依存性の例を示す図である。
【図4c】引力および反発力の、基板と基板サポートの間の距離に対する依存性の例を示す図である。
【図5a】[00013]本発明による方法の3つの工程の図である。
【図5b】本発明による方法の3つの工程の図である。
【図5c】本発明による方法の3つの工程の図である。
【図6a】[00014]本発明による基板サポートの代替実施形態の側面図、および本発明によるクランプ方法の3つの工程の図である。
【図6b】本発明による基板サポートの代替実施形態の側面図、および本発明によるクランプ方法の3つの工程の図である。
【図6c】本発明による基板サポートの代替実施形態の側面図、および本発明によるクランプ方法の3つの工程の図である。
【図7a】[00015]本発明による基板サポートの他の実施形態の上面図である。
【図7b】本発明による基板サポートの他の実施形態の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[00016] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、放射ビームB(たとえば、UV放射または任意の他の好適な放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)IL、パターニングデバイス(たとえば、マスク)MAを支持するように構築され、いくつかのパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1の位置決めデバイスPMに接続されたマスクサポート構造(たとえば、マスクテーブル)MTを含む。また、この装置は、基板(たとえば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、いくつかのパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2の位置決めデバイスPWに接続された基板テーブル(たとえば、ウェーハテーブル)WTまたは「基板サポート」を含む。さらにこの装置は、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wの(たとえば、1つまたは複数のダイを含む)ターゲット部分C上に投影するように構成された投影システム(たとえば、屈折投影レンズシステム)PSを含む。
【0014】
[00017] 照明システムは、放射を誘導する、形作る、または制御するために、屈折タイプ、反射タイプ、磁気タイプ、電磁タイプ、静電タイプ、または他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組合せなど様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0015】
[00018] マスクサポート構造は、パターニングデバイスを支持する、すなわちパターニングデバイスの重量を支承する。マスクサポート構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、また、たとえばパターニングデバイスが真空環境内で保持されるか否かなど他の条件によって決まる仕方でパターニングデバイスを保持する。マスクサポート構造は、機械式、真空、静電気、または他のクランプ技法を使用し、パターニングデバイスを保持することができる。マスクサポート構造は、たとえば必要に応じて固定または可動とすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。マスクサポート構造は、パターニングデバイスが、たとえば投影システムに対して確実に所望の位置にあるようにすることができる。本明細書において「レチクル」または「マスク」という用語を使用することがあればそれは、「パターニングデバイス」という、より一般的な用語と同義と見なすことができる。
【0016】
[00019] 本明細書で使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内でパターンを生み出すように、放射ビームにその断面でパターンを与えるために使用することができる任意のデバイスを指すものとして広く解釈するべきである。放射ビームに与えられるパターンは、たとえば、パターンが位相シフトフィーチャ、またはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に対応しない可能性があることに留意されたい。一般に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路など、ターゲット部分内で生み出されるデバイス内の特定の機能層に対応することになる。
【0017】
[00020] パターニングデバイスは、透過型または反射型とすることができる。パターニングデバイスの諸例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、プログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィで周知であり、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフト、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスクタイプ、ならびに様々なハイブリッドマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例は、小型ミラーのマトリクスは位置が用いられており、入射する放射ビームを様々な方向で反射するように各小型ミラーを個別に傾斜させることができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射される放射ビーム内にパターンを与える。
【0018】
[00021] 本明細書で使用される「投影システム」という用語は、使用される露光放射にとって、あるいは、液浸液の使用または真空の使用など他の要因にとって適切なように、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁光学システム、静電光学システム、またはそれらの任意の組合せを含めて、任意のタイプの投影システムを包含するものとして広く解釈するべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用することがあればそれは、「投影システム」という、より一般的な用語と同義と見なすことができる。
【0019】
[00022] 本明細書では、本装置は、(たとえば、透過マスクを使用する)透過タイプのものである。別法として、本装置は、(たとえば、上記で参照されているタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、または反射マスクを使用する)反射タイプのものとすることができる。
【0020】
[00023] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブルまたは「基板サポート」(および/または2つ以上のマスクテーブルまたは「マスクサポート」)を有するタイプのものとすることができる。そのような「マルチステージ」機では、追加のテーブルまたはサポートを同時に使用することができ、あるいは、1つまたは複数の他のテーブルまたはサポートが露光用に使用されている間に、1つまたは複数のテーブルまたはサポート上で準備ステップを実施することができる。
【0021】
[00024] リソグラフィ装置はまた、投影システムと基板の間の空間を満たすように、比較的高い屈折率を有する液体、たとえば水によって基板の少なくとも一部分を覆うことができるタイプのものとすることができる。また、液浸液は、リソグラフィ装置内の他の空間、たとえば、マスクと投影システムの間で与えることもできる。液浸技法は、投影システムの開口数を増大するために使用することができる。本明細書で使用される「液浸」という用語は、基板など、ある構造を液体内に沈めなければならないことを意味しておらず、逆に、液体が、露光中に投影システムと基板の間に位置することを意味するにすぎない。
【0022】
[00025] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置は、たとえば放射源がエキシマレーザであるとき、別体とすることができる。そのような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、たとえば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILに渡される。他の場合には、たとえば放射源が水銀ランプであるとき、放射源をリソグラフィ装置の一体部分とすることができる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDと共に、放射システムと呼ばれることがある。
【0023】
[00026] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するように構成されたアジャスタADを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(一般にそれぞれσ−outerおよびσ−innerと呼ばれる)を調整することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOなど、様々な他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使用し、その断面において所望の均一性および強度分布を有するように、放射ビームを調節することができる。
【0024】
[00027] 放射ビームBは、マスクサポート構造(たとえば、マスクテーブル)MT上で保持されているパターニングデバイス(たとえば、マスクMA)上に入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。放射ビームBは、マスクMAを横切って、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に集束する。基板テーブルWTは、第2の位置決めデバイスPWおよび位置センサIF(たとえば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または容量センサ)の助けにより、たとえば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路内で位置決めするように、正確に移動することができる。同様に、第1の位置決めデバイスPMと(図1には明示的に図示されない)別の位置センサを使用し、マスクMAを、たとえばマスクライブラリから機械的に取り出した後で、またはスキャン中に、放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることができる。一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1の位置決めデバイスPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現することができる。同様に、基板テーブルWTまたは「基板サポート」の移動は、第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使用して実現することができる。(スキャナではなく)ステッパの場合には、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータだけに接続することも、固定とすることもできる。マスクMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2、および基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図の基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有しているが、ターゲット部分間の空間内に位置してもよい(これらは、スクライブレーンアライメントマークとして知られる)。同様に、複数のダイがマスクMA上に設けられる状況では、マスクアライメントマークは、ダイ間に位置してもよい。
【0025】
[00028] 図の装置は、以下のモードの少なくとも1つで使用することができる。
【0026】
[00029] 1.ステップモードでは、マスクテーブルMTまたは「マスクサポート」および基板テーブルWTまたは「基板サポート」が基本的に静止したままであり、一方、放射ビームに与えられたパターン全体がターゲット部分C上に一度に投影される(すなわち、単一静的露光)。次いで、基板テーブルWTまたは「基板サポート」がXおよび/またはY方向でシフトされ、その結果、異なるターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズにより、単一静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
【0027】
[00030] 2.スキャンモードでは、放射ビームに与えられたパターンがターゲット部分C上に投影されている間に、マスクテーブルMTまたは「マスクサポート」および基板テーブルWTまたは「基板サポート」が同期してスキャンされる(すなわち、単一動的露光)。マスクテーブルMTまたは「マスクサポート」に対する基板テーブルWTまたは「基板サポート」の速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率と像反転特性によって決定される可能性がある。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズにより、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向での)幅が制限され、一方、スキャン運動の長さにより、ターゲット部分の(スキャン方向での)高さが決定される。
【0028】
[00031] 3.別のモードでは、マスクテーブルMTまたは「マスクサポート」が、プログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止したままであり、放射ビームに与えられたパターンがターゲット部分C上に投影されている間に、基板テーブルWTまたは「基板サポート」が移動またはスキャンされる。このモードでは、一般に、パルス放射源が使用され、基板テーブルWTまたは「基板サポート」の各移動の後で、またはスキャン中、連続する放射パルスの間で、必要に応じてプログラマブルパターニングデバイスが更新される。この動作モードは、上記で参照されているタイプのプログラマブルミラーアレイなど、プログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0029】
[00032] 上述の使用モードに対する組合せおよび/または変形形態、または全く異なる使用モードをも使用することができる。
【0030】
[00033] 本発明の一実施形態による基板サポート1は、基板テーブル3が上に配置されるミラーブロック2を備える。図2および図3は、それぞれこの実施形態による基板サポート1の側面図および上面図を示す。
【0031】
[00034] 基板サポート1の上側は、基板サポート1上で基板をクランプするために真空クランプ4を備える。基板サポート1は、eピンとも呼ばれる3つの収縮可能なピン5をさらに備え、これらのピンは、ピン5が基板サポート1から延びる伸長位置と、ピン5が基板サポート1内に収縮される収縮位置との間で、基板サポートに対して移動可能である。収縮可能なピン5は、実質的に垂直の方向、すなわちこれらのピンによって支持されることになる基板の主平面に対して実質的に直交する方向で移動可能である。収縮可能なピン5は、基板サポート1と、ロボットまたは任意の他のタイプの基板ハンドラとの間で基板を移送するために使用される。収縮可能なピン5は、基板を支持するために基板の下にロボットを配置することができるように設けられる。ロボットが基板を側部または上部で保持するように構成されるとき、収縮可能なピン5は省かれてもよい。代替の実施形態では、静電クランプ、磁気クランプ、または電磁クランプなど、引力を基板に対して加えることができる任意の他のタイプのクランプデバイスを使用することができる。
【0032】
[00035] この実施形態では、ロボットが、伸長位置にあるピン5上に基板を配置する。次いで、ピン5が収縮位置に移動され、その結果、基板が基板サポート1の支持表面上で止まる。基板サポート1によって支持された基板がパターン付き放射ビームで露光された後で、その基板が別の基板と交換される。基板を交換するために、収縮位置から伸長位置に移動される収縮可能なピン5によって、基板が基板テーブル3から持ち上げられる。ピン5が伸長位置にあるとき、基板は、ロボットまたは任意の他のタイプの基板ハンドラで運ばれる。
【0033】
[00036] 真空クランプ4は、封止リム7によって囲まれる凹状面6によって形成される。凹状面6、封止リム7、および基板サポート1上に配置された、または配置されることになる基板によって境界を画された真空空間内で低圧を生成するために、吸込導管8が設けられる。吸込導管8は、空気、またはプロセス環境内に存在する別のガスを真空空間から抜き取るために、吸込ポンプに接続される。この低圧は、支持用表面の上方のある範囲内に配置された基板を基板サポート1に向かって引き寄せる真空力をもたらす。この範囲、またはその少なくとも一部の中では、基板に対して加えられる真空力は、基板サポートと基板の間の距離xから実質的に独立している。
【0034】
[00037] 凹状面6内には、いくつかのバール9が配置される。バール9の上端は、基板サポート1上に配置されることになる基板用の支持表面を提供する。封止リム7、およびバール9の上端は、基板を支持するために実質的に平坦な表面を提供するように、実質的に同じ平面内で配置される可能性がある。代替の実施形態では、図2に示されているように、封止リム7をバール9より低くすることができ、逆もまた同様である。
【0035】
[00038] 基板サポート1の一実施形態では、2つ以上の真空クランプが設けられる。他の実施形態では、静電クランプ、磁気クランプ、または電磁クランプなど、基板に対して加えられる引力、すなわち強制的に基板を基板サポートに近づける力をもたらすための別のデバイスが設けられる。そのようなクランプによって加えられる力は、基板サポートと基板の間の距離xから実質的に独立している、基板サポート1の支持用表面の上方の範囲にあることが好ましい。一実施形態では、重力がクランプ力として使用される。重力は、クランプデバイスの向きに応じて、(さらなる)引力または反発力とすることができる。一実施形態では、圧力差が引力または反発力として使用される。他のばねおよび負ばねを、実施形態における選択肢とすることができる。
【0036】
[00039] いくつかのバール9において、ノズル10が設けられる。図2および図3に示されている実施形態では、ノズル10は、封止リム7によって境界を画された表面エリアにわたって均等に分配される。ノズル10は、ガス供給導管11に接続され、凹状面に対して実質的に直交する、すなわち基板サポート1上に配置されることになる基板の主表面に対して実質的に直交する方向で、噴射を送るように構成される。噴射を実際に送るために、ポンプ(図示せず)、または別の加圧ガス源が供給導管11に接続される。基板サポートの代替の実施形態では、ノズル10はバール内で一体化されず、別々に設けられる。噴射を送るために、空気またはH2など、任意のタイプの好適なガスを使用することができることに留意されたい。
【0037】
[00040] クランプが活動状態である上述の範囲内に配置された基板は、基板サポート1と基板の間の距離xに依存する、噴射によって加えられる力を受ける。
【0038】
[00041] 代替の実施形態では、たとえば反発力を使用して、強制的に基板を基板サポートから離すために他のデバイスを設けることができる。そのようなデバイスは、たとえば、線形ばねまたは非線形ばね、あるいは静電デバイス、磁気デバイス、または電磁デバイスを含むことができる。基板に対して加えられる反発力は、基板サポート1と基板の間の距離xが増大するにつれて減少することが好ましい。
【0039】
[00042] 一般に、反発力および引力は、それぞれの力を加えるデバイスと基板の間の機械的接触なしに基板に対して力を加えることができるデバイスによってもたらされることが好ましいことに留意されたい。
【0040】
[00043] 図4aでは、基板に対して加えられる、引きつける真空力に重力を加えたもの、および反発する噴射力が、この実施形態のための基板サポートからの、基板の距離xに応じて示されている。x軸上では、基板サポートと基板の間の距離xが、ある範囲について示されている。y軸上では、引力(真空力と重力の組合せ)および反発力(噴射力)が、距離xに応じて示されている。
【0041】
[00044] この実施形態では、真空力は距離xから独立している。図4aにおける水平線は、基板とサポートが互いに向かって駆動される力を示す。この力は、真空力と同じ方向で働く重力の成分に対して補正された真空力である。したがって、真空力と重力は協働すると言うことができる。噴射によって引き起こされる反発力は、距離xが増大するにつれて減少する。したがって、引力は、反発力より距離xの依存性が低い。平衡距離xbでは、重力に対して補正された真空力と反発力が等しい。平衡距離xbは、非常に安定した距離に対応する。これは、これらの力が等しい、すなわち基板およびサポートを別の距離に駆動する、結果として生じる力がないため、基板はこの平衡距離にあるときこの距離で保持されることになるからである。基板とサポートがxbより大きい距離に互いに離れるように移動することになったならば、引力は依然として同じである一方、反発力は減少するであろう。その結果、反発力は引力より小さくなり、基板およびサポートをより小さい距離に向かって、すなわち平衡距離xbに向かって駆動することになる。基板およびサポートがxbより小さい距離xに向かって移動することになったならば、引力はこの場合も依然として変化しないが、反発力は増大するであろう。したがって、反発力は引力より大きくなることになり、基板とサポートは、平衡位置xbに向かって強制的に互いに離されることになる。このようにして、基板は、図4aにおける矢印によって示されているように、保持され、かつ平衡位置xbに向かって移動させることができる。
【0042】
[00045] 上記の実施形態では、重力が引力と同じ方向にある。代替の実施形態では、それらの間に角度があり、引力と同じ方向にある重力の成分に対して補正が行われることになる。別法として、重力の成分が反発力と同じ方向で働く一実施形態では、平衡距離xbを得るために、反発力を補正する必要があり、引力は補正しない。この実施形態では、反発力と重力が協働して強制的に基板をサポートから離す。
【0043】
[00046] さらに、基板が全体として平衡位置に向かって移動されるだけではない。引力と反発力の間の平衡はまた、歪んだ基板を所望の形状に整形するために使用することができる。これは、基板サポート上にロードしようとする基板が歪んでいる場合に有利となる可能性がある。平衡距離xbが基板サポート上で支持された基板の表面エリア全体について等しいとき、歪んだ基板は、基板サポートの支持用表面上でクランプされる前に基板サポートの引力および反発力を使用して、ある時間の間、距離xbで平衡させることによって、この距離でまっすぐにすることができる。
【0044】
[00047] 一実施形態では、まっすぐにすること、またはより一般的には整形は、基板が基板サポートに向かって移動されている間に実施することもできる。そのような実施形態では、平衡距離xbは、整形中に減少し、それと共に基板を基板サポートに向かって移動する。平衡距離の変化は、それに応じて引力および/または反発力を変化させることによって得ることができる。たとえば、図4bには、反発力が低下し、基板サポートにより近い別の平衡距離xb−2が生じることが破線で示されている。
【0045】
[00048] 一実施形態では、たとえばいくつかの不規則に分配されたノズルによって、あるいは相異なる供給導管または好ましくはそれ自体の吸込導管を有する2つ以上の真空クランプを使用することによる噴射力または真空力の差によって、不規則に分配された引力および/または反発力をもたらすことができる。そのような実施形態では、平衡距離xbは、基板の表面エリアに沿って変えることができ、その結果、基板を所望の形状に形成することができる。一実施形態では、不規則に分配される力が、局所的に存在しない力を含む。クランプしようとするオブジェクトの一部で、そこに働く力を局所的になくすることができる。
【0046】
[00049] 一実施形態では、どちらの力も基板サポート1と基板20の間の距離xに依存する可能性があり得る。たとえば、図4cでは、基板に対して加えられる、引力、すなわち真空力に重力を加えたもの、および反発力、すなわち噴射力はどちらも、基板サポートと基板の間の増大する距離と共に減少する。しかし、xbより短い、より短距離では、反発力の方が大きく、xbより大きい距離では、引力の方が大きい。したがって、基板は距離xbで保持されることになり、それと共に、基板を基板サポート上でクランプする前に、基板を整形する、たとえば歪んだ基板をまっすぐにする可能性を生み出す。
【0047】
[00050] 図4aおよび図4bに示されている図、ならびに他の図に示されている実施形態に関しては、これらの実施形態では基板がサポートの上側でクランプされるため重力が一部である、または引力を形成することに留意されたい。代替の実施形態では、基板がサポートの底部側でクランプされ、その場合には、重力が反発力の一部になる、または反発力を形成することになり、あるいは基板がサポートの側部でクランプされてもよく、その場合には、重力は引力と反発力の間の平衡に役割を担わないことになる可能性があり得る。
【0048】
[00051] 図5a〜5cは、歪んだ基板20を基板サポート1上でクランプするための、本発明によるクランプ方法のいくつかの工程を示す。
【0049】
[00052] 図5aは、基板20が収納可能なピン5上に配置される、図2の基板サポートを示す。基板20は歪んでおり、これはたとえば、基板のコーティング、ベーク、冷却、または現像など露光前または露光後プロセスによって引き起こされる可能性がある。一実施形態では、オブジェクト、具体的には基板の形状の歪みまたは任意の他の種類の変形が、基板内のビアによって引き起こされる可能性がある。基板内の高さの差は、典型的には、特に処理されていない、たとえば、コート、ベーク、冷却、および現像されていない比較的新しい基板について5〜50マイクロメートルの範囲内にあるが、特に基板が処理された後で、450マイクロメートルまで、またはそれ以上の差も可能である。
【0050】
[00053] そのような歪んだ基板が、それ以上の対策なしに基板サポート上にロードされたとき、歪んだ形態で基板20をクランプしたことにより、応力が基板20に導入されるおそれがある。たとえば、基板がドーム形であると、最初に外周がクランプされる可能性があり、その後で、基板20の中央がクランプされる。歪んだ基板の円周は、同じまっすぐな基板の円周より小さい可能性があるため、クランプにより基板内に応力が生じるおそれがある。
【0051】
[00054] 図5bでは、基板を平衡位置に近づける、すなわち基板20と基板サポート1の間の距離xをxbに近づけるようにピン5を基板サポート1内に収縮することによって、基板20が下向きに移動される。平衡距離xbは、典型的には1〜1000マイクロメートルの範囲内、好ましくは1〜100マイクロメートルの範囲内にあることができることに留意されたい。また、好ましい平衡距離は、それぞれの基板内に存在する高さの差に依存する可能性がある。
【0052】
[00055] 歪んだ基板を整形するために、引力と反発力が同時に基板に対して加えられる。これらの力の大きさは、基板の平衡位置を変更するように変えることができる。
【0053】
[00056] それにより、基板サポートに向かって基板を移動している間に基板が整形される可能性があり得る。また、基板を、基板サポートの最初のアプローチ中に整形し、次いで、基板サポート上でクランプされる前に実質的に平坦な形態にさらに整形されるように、ある距離、たとえば1マイクロメートルと100マイクロメートルの間で保持することができる。
【0054】
[00057] 基板20は噴射によって生み出されるベッド上で浮上するため、基板のための何らかの固定が提供されることが望ましい。そのため、基板20は、x、y、Rz方向で、固定するために、収納可能なピン5によって依然として保持されている。しかし、まっすぐにすることに対するピン5の存在の影響を可能な限り小さくするために、これらのピンは、少なくともまっすぐにする段階の間、垂直のz方向で低い剛性を有する。基板をx、y、Rz方向における実質的に同じ位置で維持するための任意の他のデバイス使用することもできる。いくつかの実施形態では、ピン5などの要素は、本発明に従ってオブジェクトを実質的に整形するように、オブジェクトの形状の変形を増大するために存在する。いくつかの実施形態では、ある種の変形は、多かれ少なかれ予測可能であるため、その変形が好ましい可能性がある。
【0055】
[00058] 基板20をまっすぐにすることが終わったとき、基板20は、引力を反発力より大きくすることによって、たとえば真空クランプの真空力を増大することによって、またはノズル10から出る噴射の速度を減少させることによって、基板サポート1上でクランプされる。その結果、基板20は、基板サポート1の支持表面上で止まる。真空力が維持されているときには、基板20は、依然として実質的にまっすぐな形状にある間、基板サポート1上でクランプされている。基板を基板サポート上でクランプするためのロードプロセスが完了したとき、この状況はクランプ完了と呼ばれる。
【0056】
[00059] 図5cでは、基板20は、真空クランプ4を使用して基板サポート1上でクランプされて示されている。基板20は基板サポート上でのクランプ中にまっすぐにされるため、基板20内の内部応力に対するリスクは、実質的に低減され、それと共に、オーバーレイ性能が高められる。収縮可能なピンは、収縮位置に移動される。
【0057】
[00060] まっすぐにする段階はまた、噴射に使用されるガスの温度制御によって基板20を熱調節するために使用することができることに留意されたい。
【0058】
[00061] 図6a〜6cは、本発明による代替の実施形態、基板サポート1aの側面図を示す。図6a〜6cのそれぞれは、基板サポート1a上の歪んだ基板20の整形およびクランプ中のある工程を示す。図2、図3、および図5a〜5cの実施形態と同じ、または実質的に同じ機能を有する基板サポート1aのフィーチャは、同じ符号が与えられている。
【0059】
[00062] 基板サポート1aの上側は、基板サポート1a上で基板をクランプするために第1の真空クランプ4aおよび第2の真空クランプ4bを備える。第1の真空クランプ4aは、基板の中心部をクランプするように構成されており、円形の内側封止リム7aによって境界を画されている。凹状面6aおよび封止リム7aによって画定された真空空間からガスを抜き取るために、ガス吸込導管8aが設けられる。
【0060】
[00063] 第2の真空クランプ6bは環状であり、第1の真空クランプ6aを同心で取り囲む。第2の真空クランプ6bは、基板の中心部を取り囲んで、基板の円周エリアをクランプするように構成される。第2の真空クランプ4bは、内側封止リム7aおよび円形の外側封止リム7bによって境界を画されている。内側封止リム7aと外側封止リム7bの間の凹状面6bによって画定された真空空間からガスを抜き取るために、ガス吸込導管8bが設けられる。
【0061】
[00064] 凹状面6b内には、いくつかのバール9が配置されている。バール9の上端は、内側封止リム7aおよび外側封止リム7bの上端との組合せで、基板サポート1a上に配置されることになる基板のための支持表面を提供する。
【0062】
[00065] いくつかのバール9において、ノズル10が設けられる。ノズル10は、基板の中心部とは別の基板の部分に対して反発力を加えることができるように、陥凹エリア6b内のバール9内に配置される。ノズル10は、ガス供給導管11に接続されており、基板サポート1a上で支持された、または支持されることになる基板の主表面に対して実質的に直交して噴射を送るように構成される。
【0063】
[00066] 図6a〜6cは、基板サポート1a上で基板20をクランプするための、本発明による代替のクランプ方法のいくつかの工程を示す。
【0064】
[00067] 図6aは、収納可能なピン5上に基板20が配置される基板サポート1aを示す。基板20は歪んでおり、これはたとえば、基板のコーティング、ベーク、冷却、または現像など露光前または露光後プロセスによって引き起こされる可能性がある。本方法では、サポートが基板サポート1a上で少なくとも部分的に支持されるまで、ピン5が下降される。次いで、第1の真空クランプ6aが、サポート上の基板20の中心部をクランプする。その後で、基板20は、ノズル10から空気または別の好適なガスを噴射することによって、所望のカップ形状または凹型にされる。
【0065】
[00068] 図6bでは、基板20は、カップ形状または凹型の状態で示されている。この状態の間、第2のクランプデバイス4bは基板20に対して引力を加えることができるが、ノズル10から出るガス噴射によって加えられる噴射力の方が大きく、その結果、基板の周部が基板サポートから上に曲がり、図6bに示されているカップ形状または凹型を形成する。
【0066】
[00069] この状態では、基板20は基板20の中心部で第1の真空クランプによってクランプされるため、基板のための固定がx、y、Rz方向で提供される。これらの方向で基板20の望ましくない浮上りが実質的に防止され、一方、ピン5は、基板サポート内に完全に収縮させることができ、基板20に対して機械的な影響を及ぼさない。
【0067】
[00070] 第2の真空クランプの引力が徐々に増大される、および/または噴射の反発力が徐々に減少されると、基板は、中心部から開始して半径方向で基板サポート上でクランプされることになる。その結果、基板20が基板サポート1a上で徐々に「広がる」ため、基板20は、内部応力なしに、または内部応力が実質的に減少されて基板サポート1a上でクランプされることになる。その結果、オーバーレイエラーを回避することができる。
【0068】
[00071] 代替の実施形態では、第1のクランプデバイス4aは、最初に基板20の中心部をクランプするように構成されず、基板20の別の部分、たとえば基板の縁部をクランプするように構成される。そのような実施形態では、基板がその部分だけでクランプされ基板のこの部分から開始する形態で基板を整形した後で、基板を基板サポート1a上でクランプすることができる。
【0069】
[00072] 図6a〜6cに示されている実施形態では、第1の真空クランプ4aと第2の真空クランプ4bが組み合わされて、基板20の表面エリア全体に対して引力を加える。他の実施形態では、基板の一部だけに対してクランプ力を加えるために第1のクランプデバイスを設けることができ、基板の表面エリア全体に対してクランプ力を加えるために第2のクランプデバイスを設けることができる。そのような実施形態では、第1のクランプデバイスは、整形中に基板の一部だけを保持するように構成された事前クランプデバイスとして使用することができ、第2のクランプデバイスは、実際のリソグラフィプロセス中のクランプデバイスとして使用することができる。真空クランプ、静電デバイス、磁気デバイス、または電磁デバイスなど、任意の好適なクランプデバイスをクランプデバイスとして使用することができる。
【0070】
[00073] 図6a〜6cに示されている実施形態では、ノズル10が凹状面6b内に設けられる。代替の実施形態では、整形中、第1の真空クランプの引力が、内側陥凹エリア6b内のノズルから出る噴射の噴射力より大きい限り、ノズル10を陥凹エリア6a内に設けることもできる。他の実施形態では、ノズルは、基板サポートの円形の縁部にだけ設けることができ、したがって、基板サポート上に配置されることになる基板の周縁だけに対して反発力を加えるように構成される。
【0071】
[00074] 基板サポートの一実施形態では、各グループが別々のガス供給導管に接続される、ノズルの相異なるグループを設けることができる。そのような実施形態は、異なる噴射力をもたらすようにノズルの各グループを使用することを可能にし、それと共に、基板に対して加えられる力のより正確な制御を可能にする。
【0072】
[00075] そのような実施形態では、基板の整形中に基板の一部をクランプするように構成された第1のクランプデバイスの周りで、同心円でノズルのグループを配置することが好ましい。また、第2の真空クランプ、またはより一般的には第2のクランプデバイスは、基板の様々な部分に加えられる引力のより正確な制御を可能にするように、いくつかの、好ましくは同心で配置されたクランプデバイスに細分することができる。
【0073】
[00076] 図7aおよび図7bは、本発明による他の実施形態、基板サポート101を示す。基板サポート101は、3つの実質的に同心の環状真空クランプ102、103、104を備え、各クランプは、同心構成で配置されたいくつかの真空穴105を備える。
【0074】
[00077] 環状真空クランプ102、103、104のそれぞれの真空穴105は、それぞれ真空ライン107、108、109を介して共通の真空源106に接続される。各真空ライン107、108、109には、流れ制限部分112が設けられる。そのような流れ制限部分112は、それぞれの真空ライン107、108、109を通る流れに対するある種の流動抵抗をもたらす。外側の環状真空クランプ104の真空ライン109の流動抵抗は、中間の環状真空クランプ103の真空ライン108の流動抵抗より大きく、中間の環状真空クランプ103の真空ライン108の流動抵抗は、内側の環状真空クランプ102の真空ライン107の流動抵抗より大きい。
【0075】
[00078] 外側の環状真空クランプ104を取り囲んで、環状の反発力デバイス110が、ロードしようとする基板の縁部に対して、またはその近くで反発力をもたらすように構成される。反発力デバイス110は、環状真空クランプ102、103、104と同心で配置され、たとえば、ロードしようとする基板の方向で空気または別のガスを噴射するように構成されている、円形に配置されたいくつかのノズルを備える。
【0076】
[00079] 図7aおよび図7bの基板サポート101は、追加の対策がとられないとき、ロード中に、基板の中心の前にその縁部が基板サポート101に接触する、歪んだ基板に特に適している。その結果、クランプ力の蓄積中の基板のロールオフにより、基板内、特に基板の中心で応力および変形が生じるおそれがある。基板と基板サポートとの摩擦係数の差、および基板形状の違いは、変形の位置に強く影響を及ぼすおそれがある。
【0077】
[00080] 上記の応力および変形を回避するために、図7aおよび図7bに示されている基板サポート1の環状真空クランプ102、103、104を用いて、歪んだ基板をクランプまたは事前クランプし、同時に、ロードしようとする基板120(破線で示す)の外縁に対して、またはその近くで、反発力デバイス110を用いて反発力を加え、たとえばeピン111によって基板が基板サポートに向かって下降されるとき、外縁が基板サポートに接することを回避することが提案される。引力が基板120に対して加えられるように、真空が環状真空クランプ102、103、104に適用される。
【0078】
[00081] 内側の環状真空クランプ102の真空ライン107の流動抵抗が相対的に低いため、適用された真空は、基板120が内側の環状真空クランプ102上でクランプされるまで内側の環状真空クランプ102で強く働くことになる。クランプの結果として、内側の環状真空クランプ102の真空ライン107の流動抵抗が迅速に増大し、真空が中間の環状真空クランプ103で強く働くことになる。基板が中間の環状真空クランプ103上でもクランプされたとき、外側の環状クランプ104が選ばれることになる。
【0079】
[00082] 基板120に対して加えられるクランプ力および反発力は、図7bでは破線矢印で示されている。環状クランプ102、103、104の矢印の太さは、この内側の環状真空クランプ102の真空ライン107内の流動抵抗が相対的に小さいため、適用された真空が最初にこの環状クランプによって選ばれることを示す。
【0080】
[00083] このようにして、基板は、基板の中心部で開始し、次いで、半径方向でクランプされる基板の表面を拡大して基板上でクランプされる。
【0081】
[00084] ウェーハが3つの環状真空クランプ102、103、104すべてによってクランプされるとき、反発力を取り除く、または減少させることができ、基板の縁部が基板サポート101と接触することができる。基板の縁部が基板サポート101と接触する最後の部分であるため、基板の応力および変形が回避される。次いで、基板は、基板サポート上で完全にクランプされる。
【0082】
[00085] 代替の実施形態では、内側の環状クランプデバイス102を円形のものとすることができる。そのような円形は、本発明の応用に鑑みて、環状と見なされる。さらに、図7bに示されている流動抵抗は、流動抵抗器を設けることによって得られることに留意されたい。また、相異なる環状真空クランプの真空ラインの形状および長さによって、または任意の他の手段によって、様々な流動抵抗を得ることが可能である。
【0083】
[00086] 基板の仕様、およびクランプ後の内部応力および変形に対する要件に応じて、より多くの、またはより少ない環状真空クランプを設けることができる。さらに、任意の他のタイプのクランプデバイスをも、環状クランプデバイスとして適用することができる。好ましくは、環状クランプデバイスのそれぞれのクランプ力は、最も内側の環状クランプデバイスからクランプが始まり、基板の縁部に半径方向で延びるように適用される、または適用可能である。また、たとえば基板の縁部から開始する、クランプの任意の他の好適なロールオフを適用することができる。
【0084】
[00087] ノズル、静電デバイス、磁気デバイス、または電磁デバイスなど、基板に対して反発力を加えるための任意の好適なタイプのデバイスを使用することができる。
【0085】
[00088] 上記では、引力と反発力を同時に基板の同じまたは異なる部分に対して加えることによって、クランプを完了する(すなわち、クランプ完了を終える)前にどのように基板を整形することができるかについて述べた。このようにして、基板の形状がロードプロセス中に制御される。クランプ完了という用語は、基板ロードプロセスの終了時に基板が基板サポート上でクランプされ、したがって、たとえばリソグラフィプロセスにおける他の処理のための準備ができていることを指すことに留意されたい。したがって、クランプ完了は、基板の完全な表面に対してクランプ力が加えられることを必ずしも意味しない。
【0086】
[00089] 上記では、クランプ完了の状況に達する前にオブジェクトの形状を制御するためのデバイスおよび方法の使用について、基板サポート1、およびそのようなサポート上でクランプされることになる基板20によって述べられている。そのようなデバイスおよび方法は、別のオブジェクト、特に、歪んだプレートまたはシートなど、歪んだ平面形状のオブジェクトがサポート上でクランプされる形状を制御する、特にクランプ後のオブジェクト内の内部応力を回避するために、そのオブジェクトをサポート上でクランプするのに使用することができる。そのような実施形態は、本発明の範囲内にあると見なされる。
【0087】
[00090] 反発力と引力を同時に使用する本発明はまた、ある位置で保持されることになる他のオブジェクトに、および/または保持されたオブジェクト内の応力を低減するために適用することができよう。同様の仕方で保持されることになるオブジェクトの例は、レチクル/マスク、またはパターニングデバイスとすることができるであろう。どの実施形態も、パターニングデバイスをクランプするために使用されるのに適しており、および/または当業者は、これらの実施形態を、パターニングデバイスを保持するために適合させることができる。
【0088】
[00091] 一実施形態によれば、この装置および方法は、オブジェクトを所望の形態に整形すること、好ましくはオブジェクト内の内部応力を低減することを含み、おそらくはオーバーレイエラーを低減する。一実施形態では、整形は、サポート上でのオブジェクトのクランプ完了前に実施される。引力および反発力を使用する整形は、一実施形態では、テーブル上へのオブジェクトのロードステーション内で実施される。一実施形態におけるクランプ完了は、一実施形態では、オブジェクトが概してさらなる動作中に維持することになる位置で、テーブルに対してオブジェクトを位置決めすることを含む。オブジェクトは、後の工程でさらなる後続のクランプアクションが実施される場合、すでに完全にクランプされている可能性がある。一実施形態では、完全なクランプは、反発力をスイッチオフすること、または少なくとも反発力を低減することに等しい。これは、反発力の完全なスイッチオフとすることも、オブジェクトのエリアの一部だけが反発力を受けるため、局所的なスイッチオフだけとすることもできる。
【0089】
[00092] 一実施形態では、オブジェクトテーブルの外部の外部源が、引力のために、または反発力のために、または両方の力のために使用される。ここでは、外部源は、クランプデバイスに直接接続されない、また一実施形態ではオブジェクトテーブルに直接接続されない発生源である。一実施形態は、オブジェクトテーブルの上方に位置し、リソグラフィ装置など、ある装置の異なる部分に固定された空気噴射部を備える。
【0090】
[00093] 一実施形態では、クランプデバイスの一部として、またはオブジェクトテーブルの一部として、可撓性エレメントが設けられる。ばねまたは可撓性の壁エレメントなど、可撓性エレメントは、クランプデバイスまたはオブジェクトテーブルから上向きに延びることができる。可撓性エレメントは、クランプデバイスから離れる反発力を提供することができる。
【0091】
[00094] 上記では、反発力および引力は、クランプデバイスから見て規定された力である。反発力は、クランプデバイスから離れる力である。引力は、クランプデバイスに向かう力である。これらの力は、それぞれが引力または反発力を提供するだけのユニットを使用してもたらすことができる。引力が強制的に基板とサポートを互いに近づける力の実施形態であり、反発力が強制的に基板とサポートを互いに離す力の実施形態であることを本発明が包含することは、当業者には明らかであろう。代替の実施形態では、真空力は、強制的に基板をサポートから離すように、基板サポート1に対向しないオブジェクトの表面に加えられる。
【0092】
[00095] 他の実施形態では、この方法は、ロード中、および/またはロードされている間に、基板に振動アクションを加えることによって基板内の応力を低減する工程を含む。振動させることにより、基板内の内部応力を解放することができる。振動アクションは、ばねまたは可撓性エレメントを使用することによって加えることができる。振動ツールを発動させることができる。好適なアクチュエータを使用することができる。一実施形態では、振動アクションは、ウェーハの中心部内で開始して基板上に加えられる。振動アクションは、中心グリッパによって基板/オブジェクトに加えることができる。他の工程では、振動アクションは、オブジェクトの、より外部に位置する部分に加えることができる。このようにして、オブジェクト内の応力は、オブジェクトの外部部分に「移動」される、好ましくは「解放」されることが好ましい。一実施形態では、振動デバイスとしてEピンを使用し、オブジェクトを振動させる。
【0093】
[00096] 振動アクションは、非常に短いアクション、たとえば1周期、さらには半周期だけとすることができる。振動アクションは、少なくとも1つのアクション、好ましくは釣り合いの位置に対する移動によって特徴付けられる。これはオフセット移動とすることができる。振動アクションは、オブジェクト材料を介して移動する、波のような応力解放ローブを引き起こすことができるため、そのような振動アクションは、オブジェクト内で応力低減効果を有するであろうと考えられる。そのような波のような運動は、オブジェクト内の局部応力を低減する上で、より効果的であると考えられる。
【0094】
[00097] 他の実施形態では、振動をオブジェクトに加えるために、打撃デバイスを使用することができる。オブジェクトを打撃することによって、一時の外乱、この場合には過剰な外乱がオブジェクト上に伝達され、この外乱を使用し、オブジェクトにわたって他の内部応力を放散または解放することができる。また、打撃デバイスは、オブジェクト内で波のような運動を開始することができる。
【0095】
[00098] 本文中では、ICの製造時におけるリソグラフィ装置の使用を具体的に参照することがあるが、本明細書で述べられているリソグラフィ装置には、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイドおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造など、他の応用分野があり得ることを理解されたい。そのような代替の応用分野の文脈において、本明細書で「ウェーハ」または「ダイ」という用語を使用することがあればそれは、それぞれより一般的な用語である「基板」または「ターゲット部分」と同義と見なすことができることを、当業者なら理解するであろう。本明細書で参照されている基板は、露光の前後に、たとえば、トラック(一般に、レジストの層を基板に付け、露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツール内で処理することができる。適用可能な場合、本明細書における開示は、そのような、また他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、たとえば多層ICを作成するために複数回処理することができ、その結果、本明細書で使用される基板という用語は、複数の処理済みの層をすでに含む基板を指すこともある。
[00099] 上記では、本発明の実施形態の使用が、光リソグラフィの文脈で具体的に参照されていることがあるが、本発明は、他の応用分野、たとえばインプリントリソグラフィで使用することができ、状況において可能な場合、光リソグラフィに限定されないことが理解されるであろう。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィにより、基板上に生み出されるパターンが画定される。パターニングデバイスのトポグラフィを、基板に供給されたレジストの層に押し込むことができ、そのとき、電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組合せを加えることによってレジストが硬化される。パターニングデバイスは、レジストが硬化された後で、レジストから移動され、レジスト内にパターンを残す。
【0096】
[000100] 本明細書で使用される「放射」および「ビーム」という用語は、(たとえば、約365、248、193、157、または126nmの波長を有する)紫外(UV)放射、および(たとえば、5〜20nmの範囲内の波長を有する)極端紫外(EUV)放射、ならびに、イオンビームまたは電子ビームなど粒子ビームを含めて、あらゆるタイプの電磁放射を包含する。
【0097】
[000101] 「レンズ」という用語は、状況において可能な場合、屈折光学コンポーネント、反射光学コンポーネント、磁気光学コンポーネント、電磁光学コンポーネント、および静電光学コンポーネントを含めて、様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか1つ、または組合せを指すことがある。
【0098】
[000102] 上記では、本発明の特定の実施形態について述べたが、本発明は、述べられているものとは別の方法で実施することができることが理解されるであろう。たとえば、本発明は、上記で開示されている方法について説明する機械読取可能命令の1つまたは複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、あるいは、そのようなコンピュータプログラムが記憶されたデータ記憶媒体(たとえば、半導体メモリ、磁気ディスク、または光ディスク)の形態をとることができる。
【0099】
[000103] 上記の説明は、制限するものでなく、例示的なものであるものとする。したがって、以下で述べられている特許請求の範囲から逸脱することなしに、述べられている本発明に修正を加えることができることが、当業者には明らかであろう。
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、クランプデバイス、およびオブジェクトをサポート上でクランプするための方法に関する。さらに本発明は、リソグラフィ装置、およびリソグラフィ装置の基板サポート上に基板をロードするための方法に関する。最後に、本発明は、機械読取可能媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常は基板のターゲット部分上に付ける機械である。リソグラフィ装置は、たとえば、集積回路(IC)の製造時に使用される。そのような場合、選択可能にマスクまたはレチクルと呼ばれるパターニングデバイスを使用し、ICの個々の層に形成しようとする回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(たとえば、シリコンウェーハ)上の(たとえば、ダイの一部、1つのダイ、またはいくつかのダイを含む)ターゲット部分上に転写することができる。パターンの転写は、一般に、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層上への結像による。一般に、単一の基板は、連続してパターニングされる、網状の隣り合うターゲット部分を含むことになる。従来のリソグラフィ装置には、パターン全体を一度にターゲット部分上に露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、所与の方向(「スキャン」方向)で放射ビームを介してパターンをスキャンし、一方、この方向に対して平行または逆平行で基板を同期スキャンすることによって、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとが含まれる。パターンを基板上にインプリントすることによってパターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
【0003】
[0003] 既知のリソグラフィ装置では、露光しようとする各基板が基板サポート上にロードされ、その基板サポート上で、基板がパターン付き放射ビームの露光中に支持される。基板を基板サポート上でクランプするために、クランプデバイスが用意される。リソグラフィ装置の既知の実施形態では、真空クランプデバイスが使用される。そのような真空クランプデバイスは真空力をもたらし、それを用いて、基板が基板サポートの支持用表面上でクランプされる。基板がまっすぐである場合には、基板は、実質的に基板内の内部応力なしに支持表面上でクランプされることになる。
【0004】
[0004] しかし、基板は、まっすぐでなく、たとえば、波形、円筒形、ドーム形、鞍形など、いくつかの形状で歪んでいることがある。これは、基板を作製するために使用される生産方法によって、または基板が製造中にかけられる露光前もしくは露光後プロセスによって引き起こされる可能性がある。
【0005】
[0005] 歪んだ基板、たとえばドーム形基板が、たとえば真空クランプによって基板サポート上でクランプされるとき、基板は、最初に基板の外周で基板サポートと接触し、その後で基板の表面の残りの部分にわたって接触する可能性がある。クランプ力により、基板は、強制的に、実質的にまっすぐな形態にされ、一方、クランプ力は基板の外周で開始される。その結果、基板が支持用表面上でクランプされたとき、基板内に応力が誘発されるおそれがある。本願では、「歪んだ」オブジェクトは、円筒、鞍、またはそのオブジェクトの形状の他の望ましくない変形など、任意の形状を指す。
【0006】
[0006] これらの応力は、最終製品品質に対して負の影響を有するおそれがある。また、基板が、望ましいものでない別の形態でクランプされるため、リソグラフィ装置の投影のオーバーレイ性能が低下するおそれがあり、これは、製品品質に対して負の影響を有するおそれがある。
【発明の概要】
【0007】
[0007] クランプ力による基板内の内部応力が実質的に減少する、基板用の保持構成を有する基板サポートを提供することが応用例により望ましいとされている。さらに、歪んだ基板が基板サポート上でクランプされ、それにより基板内の応力および/またはオーバーレイエラーに対する危険性を潜在的に減少させるクランプ方法を提供することが望ましい。
【0008】
本発明の一態様によれば、オブジェクトをサポート上でクランプするように構成されたクランプデバイスであって、第1の力を使用して、強制的にオブジェクトとサポートを互いに離すように構成された第1のデバイスと、
第2の力を使用して、強制的にオブジェクトとサポートを互いに近づけるように構成された第2のデバイスとを備え、
第1のデバイスおよび第2のデバイスが、それぞれ第1の力および第2の力を同時に加え、オブジェクトを所望の形状に整形してからサポート上でのオブジェクトのクランプを完了する、クランプデバイスが提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、オブジェクトをサポート上にロードするための方法であって、強制的にオブジェクトとサポートを互いに離す第1の力と、強制的にオブジェクトとサポートを互いに近づける第2の力とを同時にオブジェクトにかけることを含む、オブジェクトを所望の形状に整形する工程と、サポート上でのオブジェクトのクランプを完了する工程とを含む方法が提供される。さらに、この方法を実施するための機械実行可能命令で符号化された機械読取可能媒体が提供される。
【0010】
本発明の他の態様によれば、リソグラフィ装置の基板サポート上に基板をロードするための方法が提供される。この方法は、
オブジェクトをサポートに向かって引きつける引力と、基板をサポートから押し離す反発力とを同時に基板にかけることを含む、基板を基板サポートから離隔して保っている間に基板を所望の形状に整形すること、および
基板サポート上での基板のクランプを完了することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
[0008] 次に、例示にすぎないが、本発明の諸実施形態について、対応する参照記号が対応する部分を示す添付の概略図面を参照して述べる。
【0012】
【図1】[0009]本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置の概略図である。
【図2】[00010]本発明による基板サポートの側面図である。
【図3】[00011]図2の基板サポートの上面図である。
【図4a】[00012]引力および反発力の、基板と基板サポートの間の距離に対する依存性の例を示す図である。
【図4b】引力および反発力の、基板と基板サポートの間の距離に対する依存性の例を示す図である。
【図4c】引力および反発力の、基板と基板サポートの間の距離に対する依存性の例を示す図である。
【図5a】[00013]本発明による方法の3つの工程の図である。
【図5b】本発明による方法の3つの工程の図である。
【図5c】本発明による方法の3つの工程の図である。
【図6a】[00014]本発明による基板サポートの代替実施形態の側面図、および本発明によるクランプ方法の3つの工程の図である。
【図6b】本発明による基板サポートの代替実施形態の側面図、および本発明によるクランプ方法の3つの工程の図である。
【図6c】本発明による基板サポートの代替実施形態の側面図、および本発明によるクランプ方法の3つの工程の図である。
【図7a】[00015]本発明による基板サポートの他の実施形態の上面図である。
【図7b】本発明による基板サポートの他の実施形態の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[00016] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、放射ビームB(たとえば、UV放射または任意の他の好適な放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)IL、パターニングデバイス(たとえば、マスク)MAを支持するように構築され、いくつかのパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1の位置決めデバイスPMに接続されたマスクサポート構造(たとえば、マスクテーブル)MTを含む。また、この装置は、基板(たとえば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、いくつかのパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2の位置決めデバイスPWに接続された基板テーブル(たとえば、ウェーハテーブル)WTまたは「基板サポート」を含む。さらにこの装置は、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wの(たとえば、1つまたは複数のダイを含む)ターゲット部分C上に投影するように構成された投影システム(たとえば、屈折投影レンズシステム)PSを含む。
【0014】
[00017] 照明システムは、放射を誘導する、形作る、または制御するために、屈折タイプ、反射タイプ、磁気タイプ、電磁タイプ、静電タイプ、または他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組合せなど様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0015】
[00018] マスクサポート構造は、パターニングデバイスを支持する、すなわちパターニングデバイスの重量を支承する。マスクサポート構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、また、たとえばパターニングデバイスが真空環境内で保持されるか否かなど他の条件によって決まる仕方でパターニングデバイスを保持する。マスクサポート構造は、機械式、真空、静電気、または他のクランプ技法を使用し、パターニングデバイスを保持することができる。マスクサポート構造は、たとえば必要に応じて固定または可動とすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。マスクサポート構造は、パターニングデバイスが、たとえば投影システムに対して確実に所望の位置にあるようにすることができる。本明細書において「レチクル」または「マスク」という用語を使用することがあればそれは、「パターニングデバイス」という、より一般的な用語と同義と見なすことができる。
【0016】
[00019] 本明細書で使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内でパターンを生み出すように、放射ビームにその断面でパターンを与えるために使用することができる任意のデバイスを指すものとして広く解釈するべきである。放射ビームに与えられるパターンは、たとえば、パターンが位相シフトフィーチャ、またはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に対応しない可能性があることに留意されたい。一般に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路など、ターゲット部分内で生み出されるデバイス内の特定の機能層に対応することになる。
【0017】
[00020] パターニングデバイスは、透過型または反射型とすることができる。パターニングデバイスの諸例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、プログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィで周知であり、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフト、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスクタイプ、ならびに様々なハイブリッドマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例は、小型ミラーのマトリクスは位置が用いられており、入射する放射ビームを様々な方向で反射するように各小型ミラーを個別に傾斜させることができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射される放射ビーム内にパターンを与える。
【0018】
[00021] 本明細書で使用される「投影システム」という用語は、使用される露光放射にとって、あるいは、液浸液の使用または真空の使用など他の要因にとって適切なように、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁光学システム、静電光学システム、またはそれらの任意の組合せを含めて、任意のタイプの投影システムを包含するものとして広く解釈するべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用することがあればそれは、「投影システム」という、より一般的な用語と同義と見なすことができる。
【0019】
[00022] 本明細書では、本装置は、(たとえば、透過マスクを使用する)透過タイプのものである。別法として、本装置は、(たとえば、上記で参照されているタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、または反射マスクを使用する)反射タイプのものとすることができる。
【0020】
[00023] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブルまたは「基板サポート」(および/または2つ以上のマスクテーブルまたは「マスクサポート」)を有するタイプのものとすることができる。そのような「マルチステージ」機では、追加のテーブルまたはサポートを同時に使用することができ、あるいは、1つまたは複数の他のテーブルまたはサポートが露光用に使用されている間に、1つまたは複数のテーブルまたはサポート上で準備ステップを実施することができる。
【0021】
[00024] リソグラフィ装置はまた、投影システムと基板の間の空間を満たすように、比較的高い屈折率を有する液体、たとえば水によって基板の少なくとも一部分を覆うことができるタイプのものとすることができる。また、液浸液は、リソグラフィ装置内の他の空間、たとえば、マスクと投影システムの間で与えることもできる。液浸技法は、投影システムの開口数を増大するために使用することができる。本明細書で使用される「液浸」という用語は、基板など、ある構造を液体内に沈めなければならないことを意味しておらず、逆に、液体が、露光中に投影システムと基板の間に位置することを意味するにすぎない。
【0022】
[00025] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置は、たとえば放射源がエキシマレーザであるとき、別体とすることができる。そのような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、たとえば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILに渡される。他の場合には、たとえば放射源が水銀ランプであるとき、放射源をリソグラフィ装置の一体部分とすることができる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDと共に、放射システムと呼ばれることがある。
【0023】
[00026] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するように構成されたアジャスタADを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(一般にそれぞれσ−outerおよびσ−innerと呼ばれる)を調整することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOなど、様々な他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使用し、その断面において所望の均一性および強度分布を有するように、放射ビームを調節することができる。
【0024】
[00027] 放射ビームBは、マスクサポート構造(たとえば、マスクテーブル)MT上で保持されているパターニングデバイス(たとえば、マスクMA)上に入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。放射ビームBは、マスクMAを横切って、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に集束する。基板テーブルWTは、第2の位置決めデバイスPWおよび位置センサIF(たとえば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または容量センサ)の助けにより、たとえば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路内で位置決めするように、正確に移動することができる。同様に、第1の位置決めデバイスPMと(図1には明示的に図示されない)別の位置センサを使用し、マスクMAを、たとえばマスクライブラリから機械的に取り出した後で、またはスキャン中に、放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることができる。一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1の位置決めデバイスPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現することができる。同様に、基板テーブルWTまたは「基板サポート」の移動は、第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使用して実現することができる。(スキャナではなく)ステッパの場合には、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータだけに接続することも、固定とすることもできる。マスクMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2、および基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図の基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有しているが、ターゲット部分間の空間内に位置してもよい(これらは、スクライブレーンアライメントマークとして知られる)。同様に、複数のダイがマスクMA上に設けられる状況では、マスクアライメントマークは、ダイ間に位置してもよい。
【0025】
[00028] 図の装置は、以下のモードの少なくとも1つで使用することができる。
【0026】
[00029] 1.ステップモードでは、マスクテーブルMTまたは「マスクサポート」および基板テーブルWTまたは「基板サポート」が基本的に静止したままであり、一方、放射ビームに与えられたパターン全体がターゲット部分C上に一度に投影される(すなわち、単一静的露光)。次いで、基板テーブルWTまたは「基板サポート」がXおよび/またはY方向でシフトされ、その結果、異なるターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズにより、単一静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
【0027】
[00030] 2.スキャンモードでは、放射ビームに与えられたパターンがターゲット部分C上に投影されている間に、マスクテーブルMTまたは「マスクサポート」および基板テーブルWTまたは「基板サポート」が同期してスキャンされる(すなわち、単一動的露光)。マスクテーブルMTまたは「マスクサポート」に対する基板テーブルWTまたは「基板サポート」の速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率と像反転特性によって決定される可能性がある。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズにより、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向での)幅が制限され、一方、スキャン運動の長さにより、ターゲット部分の(スキャン方向での)高さが決定される。
【0028】
[00031] 3.別のモードでは、マスクテーブルMTまたは「マスクサポート」が、プログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止したままであり、放射ビームに与えられたパターンがターゲット部分C上に投影されている間に、基板テーブルWTまたは「基板サポート」が移動またはスキャンされる。このモードでは、一般に、パルス放射源が使用され、基板テーブルWTまたは「基板サポート」の各移動の後で、またはスキャン中、連続する放射パルスの間で、必要に応じてプログラマブルパターニングデバイスが更新される。この動作モードは、上記で参照されているタイプのプログラマブルミラーアレイなど、プログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0029】
[00032] 上述の使用モードに対する組合せおよび/または変形形態、または全く異なる使用モードをも使用することができる。
【0030】
[00033] 本発明の一実施形態による基板サポート1は、基板テーブル3が上に配置されるミラーブロック2を備える。図2および図3は、それぞれこの実施形態による基板サポート1の側面図および上面図を示す。
【0031】
[00034] 基板サポート1の上側は、基板サポート1上で基板をクランプするために真空クランプ4を備える。基板サポート1は、eピンとも呼ばれる3つの収縮可能なピン5をさらに備え、これらのピンは、ピン5が基板サポート1から延びる伸長位置と、ピン5が基板サポート1内に収縮される収縮位置との間で、基板サポートに対して移動可能である。収縮可能なピン5は、実質的に垂直の方向、すなわちこれらのピンによって支持されることになる基板の主平面に対して実質的に直交する方向で移動可能である。収縮可能なピン5は、基板サポート1と、ロボットまたは任意の他のタイプの基板ハンドラとの間で基板を移送するために使用される。収縮可能なピン5は、基板を支持するために基板の下にロボットを配置することができるように設けられる。ロボットが基板を側部または上部で保持するように構成されるとき、収縮可能なピン5は省かれてもよい。代替の実施形態では、静電クランプ、磁気クランプ、または電磁クランプなど、引力を基板に対して加えることができる任意の他のタイプのクランプデバイスを使用することができる。
【0032】
[00035] この実施形態では、ロボットが、伸長位置にあるピン5上に基板を配置する。次いで、ピン5が収縮位置に移動され、その結果、基板が基板サポート1の支持表面上で止まる。基板サポート1によって支持された基板がパターン付き放射ビームで露光された後で、その基板が別の基板と交換される。基板を交換するために、収縮位置から伸長位置に移動される収縮可能なピン5によって、基板が基板テーブル3から持ち上げられる。ピン5が伸長位置にあるとき、基板は、ロボットまたは任意の他のタイプの基板ハンドラで運ばれる。
【0033】
[00036] 真空クランプ4は、封止リム7によって囲まれる凹状面6によって形成される。凹状面6、封止リム7、および基板サポート1上に配置された、または配置されることになる基板によって境界を画された真空空間内で低圧を生成するために、吸込導管8が設けられる。吸込導管8は、空気、またはプロセス環境内に存在する別のガスを真空空間から抜き取るために、吸込ポンプに接続される。この低圧は、支持用表面の上方のある範囲内に配置された基板を基板サポート1に向かって引き寄せる真空力をもたらす。この範囲、またはその少なくとも一部の中では、基板に対して加えられる真空力は、基板サポートと基板の間の距離xから実質的に独立している。
【0034】
[00037] 凹状面6内には、いくつかのバール9が配置される。バール9の上端は、基板サポート1上に配置されることになる基板用の支持表面を提供する。封止リム7、およびバール9の上端は、基板を支持するために実質的に平坦な表面を提供するように、実質的に同じ平面内で配置される可能性がある。代替の実施形態では、図2に示されているように、封止リム7をバール9より低くすることができ、逆もまた同様である。
【0035】
[00038] 基板サポート1の一実施形態では、2つ以上の真空クランプが設けられる。他の実施形態では、静電クランプ、磁気クランプ、または電磁クランプなど、基板に対して加えられる引力、すなわち強制的に基板を基板サポートに近づける力をもたらすための別のデバイスが設けられる。そのようなクランプによって加えられる力は、基板サポートと基板の間の距離xから実質的に独立している、基板サポート1の支持用表面の上方の範囲にあることが好ましい。一実施形態では、重力がクランプ力として使用される。重力は、クランプデバイスの向きに応じて、(さらなる)引力または反発力とすることができる。一実施形態では、圧力差が引力または反発力として使用される。他のばねおよび負ばねを、実施形態における選択肢とすることができる。
【0036】
[00039] いくつかのバール9において、ノズル10が設けられる。図2および図3に示されている実施形態では、ノズル10は、封止リム7によって境界を画された表面エリアにわたって均等に分配される。ノズル10は、ガス供給導管11に接続され、凹状面に対して実質的に直交する、すなわち基板サポート1上に配置されることになる基板の主表面に対して実質的に直交する方向で、噴射を送るように構成される。噴射を実際に送るために、ポンプ(図示せず)、または別の加圧ガス源が供給導管11に接続される。基板サポートの代替の実施形態では、ノズル10はバール内で一体化されず、別々に設けられる。噴射を送るために、空気またはH2など、任意のタイプの好適なガスを使用することができることに留意されたい。
【0037】
[00040] クランプが活動状態である上述の範囲内に配置された基板は、基板サポート1と基板の間の距離xに依存する、噴射によって加えられる力を受ける。
【0038】
[00041] 代替の実施形態では、たとえば反発力を使用して、強制的に基板を基板サポートから離すために他のデバイスを設けることができる。そのようなデバイスは、たとえば、線形ばねまたは非線形ばね、あるいは静電デバイス、磁気デバイス、または電磁デバイスを含むことができる。基板に対して加えられる反発力は、基板サポート1と基板の間の距離xが増大するにつれて減少することが好ましい。
【0039】
[00042] 一般に、反発力および引力は、それぞれの力を加えるデバイスと基板の間の機械的接触なしに基板に対して力を加えることができるデバイスによってもたらされることが好ましいことに留意されたい。
【0040】
[00043] 図4aでは、基板に対して加えられる、引きつける真空力に重力を加えたもの、および反発する噴射力が、この実施形態のための基板サポートからの、基板の距離xに応じて示されている。x軸上では、基板サポートと基板の間の距離xが、ある範囲について示されている。y軸上では、引力(真空力と重力の組合せ)および反発力(噴射力)が、距離xに応じて示されている。
【0041】
[00044] この実施形態では、真空力は距離xから独立している。図4aにおける水平線は、基板とサポートが互いに向かって駆動される力を示す。この力は、真空力と同じ方向で働く重力の成分に対して補正された真空力である。したがって、真空力と重力は協働すると言うことができる。噴射によって引き起こされる反発力は、距離xが増大するにつれて減少する。したがって、引力は、反発力より距離xの依存性が低い。平衡距離xbでは、重力に対して補正された真空力と反発力が等しい。平衡距離xbは、非常に安定した距離に対応する。これは、これらの力が等しい、すなわち基板およびサポートを別の距離に駆動する、結果として生じる力がないため、基板はこの平衡距離にあるときこの距離で保持されることになるからである。基板とサポートがxbより大きい距離に互いに離れるように移動することになったならば、引力は依然として同じである一方、反発力は減少するであろう。その結果、反発力は引力より小さくなり、基板およびサポートをより小さい距離に向かって、すなわち平衡距離xbに向かって駆動することになる。基板およびサポートがxbより小さい距離xに向かって移動することになったならば、引力はこの場合も依然として変化しないが、反発力は増大するであろう。したがって、反発力は引力より大きくなることになり、基板とサポートは、平衡位置xbに向かって強制的に互いに離されることになる。このようにして、基板は、図4aにおける矢印によって示されているように、保持され、かつ平衡位置xbに向かって移動させることができる。
【0042】
[00045] 上記の実施形態では、重力が引力と同じ方向にある。代替の実施形態では、それらの間に角度があり、引力と同じ方向にある重力の成分に対して補正が行われることになる。別法として、重力の成分が反発力と同じ方向で働く一実施形態では、平衡距離xbを得るために、反発力を補正する必要があり、引力は補正しない。この実施形態では、反発力と重力が協働して強制的に基板をサポートから離す。
【0043】
[00046] さらに、基板が全体として平衡位置に向かって移動されるだけではない。引力と反発力の間の平衡はまた、歪んだ基板を所望の形状に整形するために使用することができる。これは、基板サポート上にロードしようとする基板が歪んでいる場合に有利となる可能性がある。平衡距離xbが基板サポート上で支持された基板の表面エリア全体について等しいとき、歪んだ基板は、基板サポートの支持用表面上でクランプされる前に基板サポートの引力および反発力を使用して、ある時間の間、距離xbで平衡させることによって、この距離でまっすぐにすることができる。
【0044】
[00047] 一実施形態では、まっすぐにすること、またはより一般的には整形は、基板が基板サポートに向かって移動されている間に実施することもできる。そのような実施形態では、平衡距離xbは、整形中に減少し、それと共に基板を基板サポートに向かって移動する。平衡距離の変化は、それに応じて引力および/または反発力を変化させることによって得ることができる。たとえば、図4bには、反発力が低下し、基板サポートにより近い別の平衡距離xb−2が生じることが破線で示されている。
【0045】
[00048] 一実施形態では、たとえばいくつかの不規則に分配されたノズルによって、あるいは相異なる供給導管または好ましくはそれ自体の吸込導管を有する2つ以上の真空クランプを使用することによる噴射力または真空力の差によって、不規則に分配された引力および/または反発力をもたらすことができる。そのような実施形態では、平衡距離xbは、基板の表面エリアに沿って変えることができ、その結果、基板を所望の形状に形成することができる。一実施形態では、不規則に分配される力が、局所的に存在しない力を含む。クランプしようとするオブジェクトの一部で、そこに働く力を局所的になくすることができる。
【0046】
[00049] 一実施形態では、どちらの力も基板サポート1と基板20の間の距離xに依存する可能性があり得る。たとえば、図4cでは、基板に対して加えられる、引力、すなわち真空力に重力を加えたもの、および反発力、すなわち噴射力はどちらも、基板サポートと基板の間の増大する距離と共に減少する。しかし、xbより短い、より短距離では、反発力の方が大きく、xbより大きい距離では、引力の方が大きい。したがって、基板は距離xbで保持されることになり、それと共に、基板を基板サポート上でクランプする前に、基板を整形する、たとえば歪んだ基板をまっすぐにする可能性を生み出す。
【0047】
[00050] 図4aおよび図4bに示されている図、ならびに他の図に示されている実施形態に関しては、これらの実施形態では基板がサポートの上側でクランプされるため重力が一部である、または引力を形成することに留意されたい。代替の実施形態では、基板がサポートの底部側でクランプされ、その場合には、重力が反発力の一部になる、または反発力を形成することになり、あるいは基板がサポートの側部でクランプされてもよく、その場合には、重力は引力と反発力の間の平衡に役割を担わないことになる可能性があり得る。
【0048】
[00051] 図5a〜5cは、歪んだ基板20を基板サポート1上でクランプするための、本発明によるクランプ方法のいくつかの工程を示す。
【0049】
[00052] 図5aは、基板20が収納可能なピン5上に配置される、図2の基板サポートを示す。基板20は歪んでおり、これはたとえば、基板のコーティング、ベーク、冷却、または現像など露光前または露光後プロセスによって引き起こされる可能性がある。一実施形態では、オブジェクト、具体的には基板の形状の歪みまたは任意の他の種類の変形が、基板内のビアによって引き起こされる可能性がある。基板内の高さの差は、典型的には、特に処理されていない、たとえば、コート、ベーク、冷却、および現像されていない比較的新しい基板について5〜50マイクロメートルの範囲内にあるが、特に基板が処理された後で、450マイクロメートルまで、またはそれ以上の差も可能である。
【0050】
[00053] そのような歪んだ基板が、それ以上の対策なしに基板サポート上にロードされたとき、歪んだ形態で基板20をクランプしたことにより、応力が基板20に導入されるおそれがある。たとえば、基板がドーム形であると、最初に外周がクランプされる可能性があり、その後で、基板20の中央がクランプされる。歪んだ基板の円周は、同じまっすぐな基板の円周より小さい可能性があるため、クランプにより基板内に応力が生じるおそれがある。
【0051】
[00054] 図5bでは、基板を平衡位置に近づける、すなわち基板20と基板サポート1の間の距離xをxbに近づけるようにピン5を基板サポート1内に収縮することによって、基板20が下向きに移動される。平衡距離xbは、典型的には1〜1000マイクロメートルの範囲内、好ましくは1〜100マイクロメートルの範囲内にあることができることに留意されたい。また、好ましい平衡距離は、それぞれの基板内に存在する高さの差に依存する可能性がある。
【0052】
[00055] 歪んだ基板を整形するために、引力と反発力が同時に基板に対して加えられる。これらの力の大きさは、基板の平衡位置を変更するように変えることができる。
【0053】
[00056] それにより、基板サポートに向かって基板を移動している間に基板が整形される可能性があり得る。また、基板を、基板サポートの最初のアプローチ中に整形し、次いで、基板サポート上でクランプされる前に実質的に平坦な形態にさらに整形されるように、ある距離、たとえば1マイクロメートルと100マイクロメートルの間で保持することができる。
【0054】
[00057] 基板20は噴射によって生み出されるベッド上で浮上するため、基板のための何らかの固定が提供されることが望ましい。そのため、基板20は、x、y、Rz方向で、固定するために、収納可能なピン5によって依然として保持されている。しかし、まっすぐにすることに対するピン5の存在の影響を可能な限り小さくするために、これらのピンは、少なくともまっすぐにする段階の間、垂直のz方向で低い剛性を有する。基板をx、y、Rz方向における実質的に同じ位置で維持するための任意の他のデバイス使用することもできる。いくつかの実施形態では、ピン5などの要素は、本発明に従ってオブジェクトを実質的に整形するように、オブジェクトの形状の変形を増大するために存在する。いくつかの実施形態では、ある種の変形は、多かれ少なかれ予測可能であるため、その変形が好ましい可能性がある。
【0055】
[00058] 基板20をまっすぐにすることが終わったとき、基板20は、引力を反発力より大きくすることによって、たとえば真空クランプの真空力を増大することによって、またはノズル10から出る噴射の速度を減少させることによって、基板サポート1上でクランプされる。その結果、基板20は、基板サポート1の支持表面上で止まる。真空力が維持されているときには、基板20は、依然として実質的にまっすぐな形状にある間、基板サポート1上でクランプされている。基板を基板サポート上でクランプするためのロードプロセスが完了したとき、この状況はクランプ完了と呼ばれる。
【0056】
[00059] 図5cでは、基板20は、真空クランプ4を使用して基板サポート1上でクランプされて示されている。基板20は基板サポート上でのクランプ中にまっすぐにされるため、基板20内の内部応力に対するリスクは、実質的に低減され、それと共に、オーバーレイ性能が高められる。収縮可能なピンは、収縮位置に移動される。
【0057】
[00060] まっすぐにする段階はまた、噴射に使用されるガスの温度制御によって基板20を熱調節するために使用することができることに留意されたい。
【0058】
[00061] 図6a〜6cは、本発明による代替の実施形態、基板サポート1aの側面図を示す。図6a〜6cのそれぞれは、基板サポート1a上の歪んだ基板20の整形およびクランプ中のある工程を示す。図2、図3、および図5a〜5cの実施形態と同じ、または実質的に同じ機能を有する基板サポート1aのフィーチャは、同じ符号が与えられている。
【0059】
[00062] 基板サポート1aの上側は、基板サポート1a上で基板をクランプするために第1の真空クランプ4aおよび第2の真空クランプ4bを備える。第1の真空クランプ4aは、基板の中心部をクランプするように構成されており、円形の内側封止リム7aによって境界を画されている。凹状面6aおよび封止リム7aによって画定された真空空間からガスを抜き取るために、ガス吸込導管8aが設けられる。
【0060】
[00063] 第2の真空クランプ6bは環状であり、第1の真空クランプ6aを同心で取り囲む。第2の真空クランプ6bは、基板の中心部を取り囲んで、基板の円周エリアをクランプするように構成される。第2の真空クランプ4bは、内側封止リム7aおよび円形の外側封止リム7bによって境界を画されている。内側封止リム7aと外側封止リム7bの間の凹状面6bによって画定された真空空間からガスを抜き取るために、ガス吸込導管8bが設けられる。
【0061】
[00064] 凹状面6b内には、いくつかのバール9が配置されている。バール9の上端は、内側封止リム7aおよび外側封止リム7bの上端との組合せで、基板サポート1a上に配置されることになる基板のための支持表面を提供する。
【0062】
[00065] いくつかのバール9において、ノズル10が設けられる。ノズル10は、基板の中心部とは別の基板の部分に対して反発力を加えることができるように、陥凹エリア6b内のバール9内に配置される。ノズル10は、ガス供給導管11に接続されており、基板サポート1a上で支持された、または支持されることになる基板の主表面に対して実質的に直交して噴射を送るように構成される。
【0063】
[00066] 図6a〜6cは、基板サポート1a上で基板20をクランプするための、本発明による代替のクランプ方法のいくつかの工程を示す。
【0064】
[00067] 図6aは、収納可能なピン5上に基板20が配置される基板サポート1aを示す。基板20は歪んでおり、これはたとえば、基板のコーティング、ベーク、冷却、または現像など露光前または露光後プロセスによって引き起こされる可能性がある。本方法では、サポートが基板サポート1a上で少なくとも部分的に支持されるまで、ピン5が下降される。次いで、第1の真空クランプ6aが、サポート上の基板20の中心部をクランプする。その後で、基板20は、ノズル10から空気または別の好適なガスを噴射することによって、所望のカップ形状または凹型にされる。
【0065】
[00068] 図6bでは、基板20は、カップ形状または凹型の状態で示されている。この状態の間、第2のクランプデバイス4bは基板20に対して引力を加えることができるが、ノズル10から出るガス噴射によって加えられる噴射力の方が大きく、その結果、基板の周部が基板サポートから上に曲がり、図6bに示されているカップ形状または凹型を形成する。
【0066】
[00069] この状態では、基板20は基板20の中心部で第1の真空クランプによってクランプされるため、基板のための固定がx、y、Rz方向で提供される。これらの方向で基板20の望ましくない浮上りが実質的に防止され、一方、ピン5は、基板サポート内に完全に収縮させることができ、基板20に対して機械的な影響を及ぼさない。
【0067】
[00070] 第2の真空クランプの引力が徐々に増大される、および/または噴射の反発力が徐々に減少されると、基板は、中心部から開始して半径方向で基板サポート上でクランプされることになる。その結果、基板20が基板サポート1a上で徐々に「広がる」ため、基板20は、内部応力なしに、または内部応力が実質的に減少されて基板サポート1a上でクランプされることになる。その結果、オーバーレイエラーを回避することができる。
【0068】
[00071] 代替の実施形態では、第1のクランプデバイス4aは、最初に基板20の中心部をクランプするように構成されず、基板20の別の部分、たとえば基板の縁部をクランプするように構成される。そのような実施形態では、基板がその部分だけでクランプされ基板のこの部分から開始する形態で基板を整形した後で、基板を基板サポート1a上でクランプすることができる。
【0069】
[00072] 図6a〜6cに示されている実施形態では、第1の真空クランプ4aと第2の真空クランプ4bが組み合わされて、基板20の表面エリア全体に対して引力を加える。他の実施形態では、基板の一部だけに対してクランプ力を加えるために第1のクランプデバイスを設けることができ、基板の表面エリア全体に対してクランプ力を加えるために第2のクランプデバイスを設けることができる。そのような実施形態では、第1のクランプデバイスは、整形中に基板の一部だけを保持するように構成された事前クランプデバイスとして使用することができ、第2のクランプデバイスは、実際のリソグラフィプロセス中のクランプデバイスとして使用することができる。真空クランプ、静電デバイス、磁気デバイス、または電磁デバイスなど、任意の好適なクランプデバイスをクランプデバイスとして使用することができる。
【0070】
[00073] 図6a〜6cに示されている実施形態では、ノズル10が凹状面6b内に設けられる。代替の実施形態では、整形中、第1の真空クランプの引力が、内側陥凹エリア6b内のノズルから出る噴射の噴射力より大きい限り、ノズル10を陥凹エリア6a内に設けることもできる。他の実施形態では、ノズルは、基板サポートの円形の縁部にだけ設けることができ、したがって、基板サポート上に配置されることになる基板の周縁だけに対して反発力を加えるように構成される。
【0071】
[00074] 基板サポートの一実施形態では、各グループが別々のガス供給導管に接続される、ノズルの相異なるグループを設けることができる。そのような実施形態は、異なる噴射力をもたらすようにノズルの各グループを使用することを可能にし、それと共に、基板に対して加えられる力のより正確な制御を可能にする。
【0072】
[00075] そのような実施形態では、基板の整形中に基板の一部をクランプするように構成された第1のクランプデバイスの周りで、同心円でノズルのグループを配置することが好ましい。また、第2の真空クランプ、またはより一般的には第2のクランプデバイスは、基板の様々な部分に加えられる引力のより正確な制御を可能にするように、いくつかの、好ましくは同心で配置されたクランプデバイスに細分することができる。
【0073】
[00076] 図7aおよび図7bは、本発明による他の実施形態、基板サポート101を示す。基板サポート101は、3つの実質的に同心の環状真空クランプ102、103、104を備え、各クランプは、同心構成で配置されたいくつかの真空穴105を備える。
【0074】
[00077] 環状真空クランプ102、103、104のそれぞれの真空穴105は、それぞれ真空ライン107、108、109を介して共通の真空源106に接続される。各真空ライン107、108、109には、流れ制限部分112が設けられる。そのような流れ制限部分112は、それぞれの真空ライン107、108、109を通る流れに対するある種の流動抵抗をもたらす。外側の環状真空クランプ104の真空ライン109の流動抵抗は、中間の環状真空クランプ103の真空ライン108の流動抵抗より大きく、中間の環状真空クランプ103の真空ライン108の流動抵抗は、内側の環状真空クランプ102の真空ライン107の流動抵抗より大きい。
【0075】
[00078] 外側の環状真空クランプ104を取り囲んで、環状の反発力デバイス110が、ロードしようとする基板の縁部に対して、またはその近くで反発力をもたらすように構成される。反発力デバイス110は、環状真空クランプ102、103、104と同心で配置され、たとえば、ロードしようとする基板の方向で空気または別のガスを噴射するように構成されている、円形に配置されたいくつかのノズルを備える。
【0076】
[00079] 図7aおよび図7bの基板サポート101は、追加の対策がとられないとき、ロード中に、基板の中心の前にその縁部が基板サポート101に接触する、歪んだ基板に特に適している。その結果、クランプ力の蓄積中の基板のロールオフにより、基板内、特に基板の中心で応力および変形が生じるおそれがある。基板と基板サポートとの摩擦係数の差、および基板形状の違いは、変形の位置に強く影響を及ぼすおそれがある。
【0077】
[00080] 上記の応力および変形を回避するために、図7aおよび図7bに示されている基板サポート1の環状真空クランプ102、103、104を用いて、歪んだ基板をクランプまたは事前クランプし、同時に、ロードしようとする基板120(破線で示す)の外縁に対して、またはその近くで、反発力デバイス110を用いて反発力を加え、たとえばeピン111によって基板が基板サポートに向かって下降されるとき、外縁が基板サポートに接することを回避することが提案される。引力が基板120に対して加えられるように、真空が環状真空クランプ102、103、104に適用される。
【0078】
[00081] 内側の環状真空クランプ102の真空ライン107の流動抵抗が相対的に低いため、適用された真空は、基板120が内側の環状真空クランプ102上でクランプされるまで内側の環状真空クランプ102で強く働くことになる。クランプの結果として、内側の環状真空クランプ102の真空ライン107の流動抵抗が迅速に増大し、真空が中間の環状真空クランプ103で強く働くことになる。基板が中間の環状真空クランプ103上でもクランプされたとき、外側の環状クランプ104が選ばれることになる。
【0079】
[00082] 基板120に対して加えられるクランプ力および反発力は、図7bでは破線矢印で示されている。環状クランプ102、103、104の矢印の太さは、この内側の環状真空クランプ102の真空ライン107内の流動抵抗が相対的に小さいため、適用された真空が最初にこの環状クランプによって選ばれることを示す。
【0080】
[00083] このようにして、基板は、基板の中心部で開始し、次いで、半径方向でクランプされる基板の表面を拡大して基板上でクランプされる。
【0081】
[00084] ウェーハが3つの環状真空クランプ102、103、104すべてによってクランプされるとき、反発力を取り除く、または減少させることができ、基板の縁部が基板サポート101と接触することができる。基板の縁部が基板サポート101と接触する最後の部分であるため、基板の応力および変形が回避される。次いで、基板は、基板サポート上で完全にクランプされる。
【0082】
[00085] 代替の実施形態では、内側の環状クランプデバイス102を円形のものとすることができる。そのような円形は、本発明の応用に鑑みて、環状と見なされる。さらに、図7bに示されている流動抵抗は、流動抵抗器を設けることによって得られることに留意されたい。また、相異なる環状真空クランプの真空ラインの形状および長さによって、または任意の他の手段によって、様々な流動抵抗を得ることが可能である。
【0083】
[00086] 基板の仕様、およびクランプ後の内部応力および変形に対する要件に応じて、より多くの、またはより少ない環状真空クランプを設けることができる。さらに、任意の他のタイプのクランプデバイスをも、環状クランプデバイスとして適用することができる。好ましくは、環状クランプデバイスのそれぞれのクランプ力は、最も内側の環状クランプデバイスからクランプが始まり、基板の縁部に半径方向で延びるように適用される、または適用可能である。また、たとえば基板の縁部から開始する、クランプの任意の他の好適なロールオフを適用することができる。
【0084】
[00087] ノズル、静電デバイス、磁気デバイス、または電磁デバイスなど、基板に対して反発力を加えるための任意の好適なタイプのデバイスを使用することができる。
【0085】
[00088] 上記では、引力と反発力を同時に基板の同じまたは異なる部分に対して加えることによって、クランプを完了する(すなわち、クランプ完了を終える)前にどのように基板を整形することができるかについて述べた。このようにして、基板の形状がロードプロセス中に制御される。クランプ完了という用語は、基板ロードプロセスの終了時に基板が基板サポート上でクランプされ、したがって、たとえばリソグラフィプロセスにおける他の処理のための準備ができていることを指すことに留意されたい。したがって、クランプ完了は、基板の完全な表面に対してクランプ力が加えられることを必ずしも意味しない。
【0086】
[00089] 上記では、クランプ完了の状況に達する前にオブジェクトの形状を制御するためのデバイスおよび方法の使用について、基板サポート1、およびそのようなサポート上でクランプされることになる基板20によって述べられている。そのようなデバイスおよび方法は、別のオブジェクト、特に、歪んだプレートまたはシートなど、歪んだ平面形状のオブジェクトがサポート上でクランプされる形状を制御する、特にクランプ後のオブジェクト内の内部応力を回避するために、そのオブジェクトをサポート上でクランプするのに使用することができる。そのような実施形態は、本発明の範囲内にあると見なされる。
【0087】
[00090] 反発力と引力を同時に使用する本発明はまた、ある位置で保持されることになる他のオブジェクトに、および/または保持されたオブジェクト内の応力を低減するために適用することができよう。同様の仕方で保持されることになるオブジェクトの例は、レチクル/マスク、またはパターニングデバイスとすることができるであろう。どの実施形態も、パターニングデバイスをクランプするために使用されるのに適しており、および/または当業者は、これらの実施形態を、パターニングデバイスを保持するために適合させることができる。
【0088】
[00091] 一実施形態によれば、この装置および方法は、オブジェクトを所望の形態に整形すること、好ましくはオブジェクト内の内部応力を低減することを含み、おそらくはオーバーレイエラーを低減する。一実施形態では、整形は、サポート上でのオブジェクトのクランプ完了前に実施される。引力および反発力を使用する整形は、一実施形態では、テーブル上へのオブジェクトのロードステーション内で実施される。一実施形態におけるクランプ完了は、一実施形態では、オブジェクトが概してさらなる動作中に維持することになる位置で、テーブルに対してオブジェクトを位置決めすることを含む。オブジェクトは、後の工程でさらなる後続のクランプアクションが実施される場合、すでに完全にクランプされている可能性がある。一実施形態では、完全なクランプは、反発力をスイッチオフすること、または少なくとも反発力を低減することに等しい。これは、反発力の完全なスイッチオフとすることも、オブジェクトのエリアの一部だけが反発力を受けるため、局所的なスイッチオフだけとすることもできる。
【0089】
[00092] 一実施形態では、オブジェクトテーブルの外部の外部源が、引力のために、または反発力のために、または両方の力のために使用される。ここでは、外部源は、クランプデバイスに直接接続されない、また一実施形態ではオブジェクトテーブルに直接接続されない発生源である。一実施形態は、オブジェクトテーブルの上方に位置し、リソグラフィ装置など、ある装置の異なる部分に固定された空気噴射部を備える。
【0090】
[00093] 一実施形態では、クランプデバイスの一部として、またはオブジェクトテーブルの一部として、可撓性エレメントが設けられる。ばねまたは可撓性の壁エレメントなど、可撓性エレメントは、クランプデバイスまたはオブジェクトテーブルから上向きに延びることができる。可撓性エレメントは、クランプデバイスから離れる反発力を提供することができる。
【0091】
[00094] 上記では、反発力および引力は、クランプデバイスから見て規定された力である。反発力は、クランプデバイスから離れる力である。引力は、クランプデバイスに向かう力である。これらの力は、それぞれが引力または反発力を提供するだけのユニットを使用してもたらすことができる。引力が強制的に基板とサポートを互いに近づける力の実施形態であり、反発力が強制的に基板とサポートを互いに離す力の実施形態であることを本発明が包含することは、当業者には明らかであろう。代替の実施形態では、真空力は、強制的に基板をサポートから離すように、基板サポート1に対向しないオブジェクトの表面に加えられる。
【0092】
[00095] 他の実施形態では、この方法は、ロード中、および/またはロードされている間に、基板に振動アクションを加えることによって基板内の応力を低減する工程を含む。振動させることにより、基板内の内部応力を解放することができる。振動アクションは、ばねまたは可撓性エレメントを使用することによって加えることができる。振動ツールを発動させることができる。好適なアクチュエータを使用することができる。一実施形態では、振動アクションは、ウェーハの中心部内で開始して基板上に加えられる。振動アクションは、中心グリッパによって基板/オブジェクトに加えることができる。他の工程では、振動アクションは、オブジェクトの、より外部に位置する部分に加えることができる。このようにして、オブジェクト内の応力は、オブジェクトの外部部分に「移動」される、好ましくは「解放」されることが好ましい。一実施形態では、振動デバイスとしてEピンを使用し、オブジェクトを振動させる。
【0093】
[00096] 振動アクションは、非常に短いアクション、たとえば1周期、さらには半周期だけとすることができる。振動アクションは、少なくとも1つのアクション、好ましくは釣り合いの位置に対する移動によって特徴付けられる。これはオフセット移動とすることができる。振動アクションは、オブジェクト材料を介して移動する、波のような応力解放ローブを引き起こすことができるため、そのような振動アクションは、オブジェクト内で応力低減効果を有するであろうと考えられる。そのような波のような運動は、オブジェクト内の局部応力を低減する上で、より効果的であると考えられる。
【0094】
[00097] 他の実施形態では、振動をオブジェクトに加えるために、打撃デバイスを使用することができる。オブジェクトを打撃することによって、一時の外乱、この場合には過剰な外乱がオブジェクト上に伝達され、この外乱を使用し、オブジェクトにわたって他の内部応力を放散または解放することができる。また、打撃デバイスは、オブジェクト内で波のような運動を開始することができる。
【0095】
[00098] 本文中では、ICの製造時におけるリソグラフィ装置の使用を具体的に参照することがあるが、本明細書で述べられているリソグラフィ装置には、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイドおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造など、他の応用分野があり得ることを理解されたい。そのような代替の応用分野の文脈において、本明細書で「ウェーハ」または「ダイ」という用語を使用することがあればそれは、それぞれより一般的な用語である「基板」または「ターゲット部分」と同義と見なすことができることを、当業者なら理解するであろう。本明細書で参照されている基板は、露光の前後に、たとえば、トラック(一般に、レジストの層を基板に付け、露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツール内で処理することができる。適用可能な場合、本明細書における開示は、そのような、また他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、たとえば多層ICを作成するために複数回処理することができ、その結果、本明細書で使用される基板という用語は、複数の処理済みの層をすでに含む基板を指すこともある。
[00099] 上記では、本発明の実施形態の使用が、光リソグラフィの文脈で具体的に参照されていることがあるが、本発明は、他の応用分野、たとえばインプリントリソグラフィで使用することができ、状況において可能な場合、光リソグラフィに限定されないことが理解されるであろう。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィにより、基板上に生み出されるパターンが画定される。パターニングデバイスのトポグラフィを、基板に供給されたレジストの層に押し込むことができ、そのとき、電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組合せを加えることによってレジストが硬化される。パターニングデバイスは、レジストが硬化された後で、レジストから移動され、レジスト内にパターンを残す。
【0096】
[000100] 本明細書で使用される「放射」および「ビーム」という用語は、(たとえば、約365、248、193、157、または126nmの波長を有する)紫外(UV)放射、および(たとえば、5〜20nmの範囲内の波長を有する)極端紫外(EUV)放射、ならびに、イオンビームまたは電子ビームなど粒子ビームを含めて、あらゆるタイプの電磁放射を包含する。
【0097】
[000101] 「レンズ」という用語は、状況において可能な場合、屈折光学コンポーネント、反射光学コンポーネント、磁気光学コンポーネント、電磁光学コンポーネント、および静電光学コンポーネントを含めて、様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか1つ、または組合せを指すことがある。
【0098】
[000102] 上記では、本発明の特定の実施形態について述べたが、本発明は、述べられているものとは別の方法で実施することができることが理解されるであろう。たとえば、本発明は、上記で開示されている方法について説明する機械読取可能命令の1つまたは複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、あるいは、そのようなコンピュータプログラムが記憶されたデータ記憶媒体(たとえば、半導体メモリ、磁気ディスク、または光ディスク)の形態をとることができる。
【0099】
[000103] 上記の説明は、制限するものでなく、例示的なものであるものとする。したがって、以下で述べられている特許請求の範囲から逸脱することなしに、述べられている本発明に修正を加えることができることが、当業者には明らかであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクト(W、20)をサポート(WT)上でクランプするように構成されたクランプデバイスであって、
第1の力を使用して、強制的に前記オブジェクトと前記サポートを互いに離すように構成された第1のデバイスと、
第2の力を使用して、強制的に前記オブジェクトと前記サポートを互いに近づけるように構成された第2のデバイスと
を備え、
前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、それぞれ前記第1の力および前記第2の力を同時に加え、前記オブジェクトを所望の形状に整形してから前記サポート上での前記オブジェクトのクランプを完了する、クランプデバイス。
【請求項2】
前記第1の力が反発力である、請求項1に記載のクランプデバイス。
【請求項3】
前記第2の力が引力である、請求項1または2に記載のクランプデバイス。
【請求項4】
前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、同時に、また重力と協働して動作することによって、前記基板および前記サポートを互いに平衡距離で維持するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項5】
前記オブジェクトの整形中に前記オブジェクトを前記平衡距離で保持するように構成された、請求項4に記載のクランプデバイス。
【請求項6】
前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、整形中に前記オブジェクトと前記サポートの間の距離を減少させるように構成されている、請求項4または5に記載のクランプデバイス。
【請求項7】
前記第1の力が前記基板と前記サポートの間の距離に依存し、その結果、前記オブジェクトと前記サポートの間のある増大距離で前記第1の力が増大し、前記第2の力が、前記第1の力ほど距離に依存しない動作範囲を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項8】
前記動作範囲が前記平衡距離を含む、請求項7および請求項4〜6のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項9】
重力に対して補正した後で、動作範囲内で、前記平衡距離より小さい距離にて前記第1の力が前記第2の力より大きく、前記平衡距離より大きい距離にて前記第1の力が前記第2の力より小さい、請求項8に記載のクランプデバイス。
【請求項10】
前記第1のデバイスが、前記オブジェクトの一部に対して前記第1の力を加えるように構成され、前記第2のデバイスが、前記オブジェクトの少なくとも別の部分に対して前記第2の力を加えるように構成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項11】
前記オブジェクトの前記一部が前記オブジェクトの中心部であり、前記少なくとも別の部分が前記中心部を少なくとも部分的に取り囲む、請求項10に記載のクランプデバイス。
【請求項12】
第3の力を使用して前記オブジェクトと前記サポートを強制的に互いに近づけるように構成された第3のデバイスを備え、前記第3の力が、単独で、または前記第1の力との組合せで、前記サポートに対向する前記オブジェクトの表面の主要部に対して加えられる、請求項10または11に記載のクランプデバイス。
【請求項13】
前記第1のデバイスが、少なくとも1つの真空クランプまたは静電クランプを備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項14】
前記基板の第1の領域と相互作用するように構成された第1のクランプと、前記基板の第2の領域と相互作用するように構成された第2のクランプとを備え、前記第2の領域が前記第1の領域を取り囲む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項15】
前記第1のクランプおよび前記第2のクランプのそれぞれのクランプ力を変えることによって、前記第1のクランプおよび前記第2のクランプによって基板の諸部分がクランプされる順番に影響を及ぼすように構成された、請求項14に記載のクランプデバイス。
【請求項16】
前記第1のクランプが、第1の流れ制限部分を備える第1の真空ラインを有する第1の真空クランプを備え、
前記第2のクランプが、第2の流れ制限部分を備える第2の真空ラインを有する第2の真空クランプを備え、
前記第1の流れ制限部分での流動抵抗が、前記第2の真空ラインでの流動抵抗より小さい、請求項14または15に記載のクランプデバイス。
【請求項17】
前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスを含むグループの少なくとも1つの部材が、前記少なくとも1つの部材と前記オブジェクトの間の機械的接触を有することなしに、その対応する力を前記オブジェクトに対して加えるように構成されている、請求項1〜16のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項18】
前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスを含むグループの少なくとも1つの部材が、前記オブジェクトに対して振動アクションを加えるように構成されている、請求項1〜17のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項19】
前記オブジェクトを打撃するための打撃ユニットをさらに備える、請求項1〜18のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項20】
前記サポートが、リソグラフィ装置の基板サポートであり、前記オブジェクトが基板である、請求項1〜19のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項21】
請求項20に記載のクランプデバイスを備え、前記基板サポートが前記クランプデバイスを備えるリソグラフィ装置。
【請求項22】
オブジェクトをサポート上にロードするための方法であって、
強制的に前記オブジェクトと前記サポートを互いに離す第1の力と、強制的に前記オブジェクトと前記サポートを互いに近づける第2の力とを同時に前記オブジェクトにかけることを含む、前記オブジェクトを所望の形状に整形する工程と、
前記サポート上での前記オブジェクトのクランプを完了する工程と
を含む方法。
【請求項23】
前記オブジェクトが、前記オブジェクトの整形中に前記サポートの平衡距離で保持される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記整形する工程中に前記オブジェクトと前記サポートの間の距離を減少させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記整形する工程が、前記オブジェクトをまっすぐにすることを含む、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記オブジェクトと前記サポートの間の距離の動作範囲内で前記オブジェクトを整形することを含み、前記動作範囲が、前記第2の力が前記第1の力ほど距離に依存しない範囲である、請求項22〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記動作範囲が平衡距離を含み、前記第1の力および前記第2の力が、重力の存在下で前記基板および前記サポートを維持するように構成されている、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記動作範囲内で、重力に対する補正後、前記平衡距離より小さい距離にて前記第1の力が前記第2の力より大きく、前記平衡距離より大きい距離にて前記第1の力が前記第2の力より小さい、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第2の力および重力が、同じ方向にある成分を有する、請求項22〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記整形する工程が、前記オブジェクトの第1の部分に対して前記第1の力を加えること、および前記オブジェクトの第2の部分に対して前記第2の力を加えることを含み、前記第1の部分が、前記第2の部分以外の少なくとも別の部分である、請求項22〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記オブジェクトの前記第2の部分を前記サポート上でクランプすることを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第2の部分が、前記オブジェクトの中心部である、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の部分が、前記第2の部分を少なくとも部分的に取り囲む、請求項30〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記基板の第1の領域を第1のクランプを用いてクランプすること、および前記基板の第2の領域を第2のクランプを用いてクランプすることを含み、前記第2の領域が前記第1の領域を少なくとも部分的に取り囲む、請求項22〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の領域および前記第2の領域がクランプされる順番を選択することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の力を減少させ、および/または前記第2の力を増大し、それによって前記第1の領域から開始して前記サポート上でクランプされた前記オブジェクトの表面エリアを増大することによって、前記オブジェクトが前記サポート上でクランプされる、請求項34〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
リソグラフィ装置の基板サポート上に基板をロードするための方法であって、
前記オブジェクトを前記サポートに向かって引きつける引力と、前記基板を前記サポートから押し離す反発力とを同時に前記基板にかけることを含む、前記基板を前記基板サポートから離隔して保っている間に前記基板を所望の形状に整形すること、および
前記基板サポート上での前記整形された基板のクランプを完了することを含む方法。
【請求項38】
請求項20〜34のいずれか一項に記載の方法を実施するための機械実行可能命令で符号化された機械読取可能媒体。
【請求項1】
オブジェクト(W、20)をサポート(WT)上でクランプするように構成されたクランプデバイスであって、
第1の力を使用して、強制的に前記オブジェクトと前記サポートを互いに離すように構成された第1のデバイスと、
第2の力を使用して、強制的に前記オブジェクトと前記サポートを互いに近づけるように構成された第2のデバイスと
を備え、
前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、それぞれ前記第1の力および前記第2の力を同時に加え、前記オブジェクトを所望の形状に整形してから前記サポート上での前記オブジェクトのクランプを完了する、クランプデバイス。
【請求項2】
前記第1の力が反発力である、請求項1に記載のクランプデバイス。
【請求項3】
前記第2の力が引力である、請求項1または2に記載のクランプデバイス。
【請求項4】
前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、同時に、また重力と協働して動作することによって、前記基板および前記サポートを互いに平衡距離で維持するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項5】
前記オブジェクトの整形中に前記オブジェクトを前記平衡距離で保持するように構成された、請求項4に記載のクランプデバイス。
【請求項6】
前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、整形中に前記オブジェクトと前記サポートの間の距離を減少させるように構成されている、請求項4または5に記載のクランプデバイス。
【請求項7】
前記第1の力が前記基板と前記サポートの間の距離に依存し、その結果、前記オブジェクトと前記サポートの間のある増大距離で前記第1の力が増大し、前記第2の力が、前記第1の力ほど距離に依存しない動作範囲を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項8】
前記動作範囲が前記平衡距離を含む、請求項7および請求項4〜6のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項9】
重力に対して補正した後で、動作範囲内で、前記平衡距離より小さい距離にて前記第1の力が前記第2の力より大きく、前記平衡距離より大きい距離にて前記第1の力が前記第2の力より小さい、請求項8に記載のクランプデバイス。
【請求項10】
前記第1のデバイスが、前記オブジェクトの一部に対して前記第1の力を加えるように構成され、前記第2のデバイスが、前記オブジェクトの少なくとも別の部分に対して前記第2の力を加えるように構成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項11】
前記オブジェクトの前記一部が前記オブジェクトの中心部であり、前記少なくとも別の部分が前記中心部を少なくとも部分的に取り囲む、請求項10に記載のクランプデバイス。
【請求項12】
第3の力を使用して前記オブジェクトと前記サポートを強制的に互いに近づけるように構成された第3のデバイスを備え、前記第3の力が、単独で、または前記第1の力との組合せで、前記サポートに対向する前記オブジェクトの表面の主要部に対して加えられる、請求項10または11に記載のクランプデバイス。
【請求項13】
前記第1のデバイスが、少なくとも1つの真空クランプまたは静電クランプを備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項14】
前記基板の第1の領域と相互作用するように構成された第1のクランプと、前記基板の第2の領域と相互作用するように構成された第2のクランプとを備え、前記第2の領域が前記第1の領域を取り囲む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項15】
前記第1のクランプおよび前記第2のクランプのそれぞれのクランプ力を変えることによって、前記第1のクランプおよび前記第2のクランプによって基板の諸部分がクランプされる順番に影響を及ぼすように構成された、請求項14に記載のクランプデバイス。
【請求項16】
前記第1のクランプが、第1の流れ制限部分を備える第1の真空ラインを有する第1の真空クランプを備え、
前記第2のクランプが、第2の流れ制限部分を備える第2の真空ラインを有する第2の真空クランプを備え、
前記第1の流れ制限部分での流動抵抗が、前記第2の真空ラインでの流動抵抗より小さい、請求項14または15に記載のクランプデバイス。
【請求項17】
前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスを含むグループの少なくとも1つの部材が、前記少なくとも1つの部材と前記オブジェクトの間の機械的接触を有することなしに、その対応する力を前記オブジェクトに対して加えるように構成されている、請求項1〜16のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項18】
前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスを含むグループの少なくとも1つの部材が、前記オブジェクトに対して振動アクションを加えるように構成されている、請求項1〜17のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項19】
前記オブジェクトを打撃するための打撃ユニットをさらに備える、請求項1〜18のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項20】
前記サポートが、リソグラフィ装置の基板サポートであり、前記オブジェクトが基板である、請求項1〜19のいずれか一項に記載のクランプデバイス。
【請求項21】
請求項20に記載のクランプデバイスを備え、前記基板サポートが前記クランプデバイスを備えるリソグラフィ装置。
【請求項22】
オブジェクトをサポート上にロードするための方法であって、
強制的に前記オブジェクトと前記サポートを互いに離す第1の力と、強制的に前記オブジェクトと前記サポートを互いに近づける第2の力とを同時に前記オブジェクトにかけることを含む、前記オブジェクトを所望の形状に整形する工程と、
前記サポート上での前記オブジェクトのクランプを完了する工程と
を含む方法。
【請求項23】
前記オブジェクトが、前記オブジェクトの整形中に前記サポートの平衡距離で保持される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記整形する工程中に前記オブジェクトと前記サポートの間の距離を減少させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記整形する工程が、前記オブジェクトをまっすぐにすることを含む、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記オブジェクトと前記サポートの間の距離の動作範囲内で前記オブジェクトを整形することを含み、前記動作範囲が、前記第2の力が前記第1の力ほど距離に依存しない範囲である、請求項22〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記動作範囲が平衡距離を含み、前記第1の力および前記第2の力が、重力の存在下で前記基板および前記サポートを維持するように構成されている、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記動作範囲内で、重力に対する補正後、前記平衡距離より小さい距離にて前記第1の力が前記第2の力より大きく、前記平衡距離より大きい距離にて前記第1の力が前記第2の力より小さい、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第2の力および重力が、同じ方向にある成分を有する、請求項22〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記整形する工程が、前記オブジェクトの第1の部分に対して前記第1の力を加えること、および前記オブジェクトの第2の部分に対して前記第2の力を加えることを含み、前記第1の部分が、前記第2の部分以外の少なくとも別の部分である、請求項22〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記オブジェクトの前記第2の部分を前記サポート上でクランプすることを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第2の部分が、前記オブジェクトの中心部である、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の部分が、前記第2の部分を少なくとも部分的に取り囲む、請求項30〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記基板の第1の領域を第1のクランプを用いてクランプすること、および前記基板の第2の領域を第2のクランプを用いてクランプすることを含み、前記第2の領域が前記第1の領域を少なくとも部分的に取り囲む、請求項22〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の領域および前記第2の領域がクランプされる順番を選択することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の力を減少させ、および/または前記第2の力を増大し、それによって前記第1の領域から開始して前記サポート上でクランプされた前記オブジェクトの表面エリアを増大することによって、前記オブジェクトが前記サポート上でクランプされる、請求項34〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
リソグラフィ装置の基板サポート上に基板をロードするための方法であって、
前記オブジェクトを前記サポートに向かって引きつける引力と、前記基板を前記サポートから押し離す反発力とを同時に前記基板にかけることを含む、前記基板を前記基板サポートから離隔して保っている間に前記基板を所望の形状に整形すること、および
前記基板サポート上での前記整形された基板のクランプを完了することを含む方法。
【請求項38】
請求項20〜34のいずれか一項に記載の方法を実施するための機械実行可能命令で符号化された機械読取可能媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図2】
【図3】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【公表番号】特表2010−530636(P2010−530636A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513139(P2010−513139)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【国際出願番号】PCT/NL2008/050407
【国際公開番号】WO2008/156366
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【国際出願番号】PCT/NL2008/050407
【国際公開番号】WO2008/156366
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】
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