説明

クリアランス・フィリング・PCB及びその製造方法

【課題】コンタクトを用途(または必要)とする微細回路に対して接触物との正確な接触や滑り防止を誘導する。
【解決手段】PCBの外層表面のパターン201またはパッド203と、パッド203またはパターン201間の陷沒部位をモールドして、絶縁層の高さをパッドまたはパターンの高さと同一であるように研磨して、微細回路に対して接触物との滑り防止や正確な接触を誘導するように構成されたクリアランス・フィリング部202と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリアランス・フィリング・印刷回路基板(Clearance Filling Printed Circuit Board)(PCB)及びその製造方法に係り、さらに詳細には、PCBの外層表面のパッドまたはパターン間の陷沒部位(クリアランス)をモールドして、絶縁層の高さをパッドまたはパターンの高さと同じくし、研磨によるパッドの断面積を確保する作業でコンタクトを用途(または必要)とする微細(fine pitch)回路に対して、接触物(ピン)との滑り防止や正確な接触を誘導するようにするとともに、その他の構成品(例えば、ソケット及び補強材)との正確な密着を確保するようにするクリアランス・フィリング・PCB及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、微細回路の仕様時、パッド・エッジ(Pad Edge)またはパターン・エッジの崩れ(丸い形状)によるピン接触不良が随時に発生しており、多様な対応策を講じているが、いまだに完全な解決策を提示していない実情にある。すなわち、ピンの誤整列(pin misalign)による特性の欠陥に対する解決案がいまだに不完全な実情にある。
【0003】
本発明を図1A及び図1Bを参照して説明すれば次の通りである。
【0004】
すなわち、通常、図1A及び図1Bに示すように、パターン101−1及び101−2の高さと、パターン101−1とパターン101−2間の陷沒部位であるクリアランス102の高さが同じではない。例えば、パターン101−1がクリアランス102より高く形成される。
【0005】
それにより、図1Bに示すように、ピンの接触の際に、パッド・エッジ(Pad Edge)またはパターン・エッジの崩れ(丸い形状)による"ピンの誤整列"が発生する問題が起こる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであって、PCBの外層表面のパッドまたはパターン間の陷沒部位をモールドして、絶縁層の高さをパッドまたはパターンの高さと同じくし、研磨によるパッドの断面積を確保する作業でコンタクトを用途(または必要)とする微細回路に対して、接触物との滑り防止や正確な接触を誘導するようにするとともに、その他の構成品(例えば、ソケット及び補強材)との正確な密着を確保するようにするクリアランス・フィリング・PCB及びその製造方法を提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するための本発明によるクリアランス・フィリング・PCBは、
【0008】
PCBの外層表面に形成されたピン・コンタクト部と、前記ピン・コンタクト部間の陷沒部位をモールドして、絶縁層の高さが前記ピン・コンタクト部の高さと同じくなるように研磨して、微細回路に対して接触物との滑り防止や正確な接触を誘導するように構成されたクリアランス・フィリング部を備えることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記ピン・コンタクト部は、PCBのパターンまたはパッドであることを特徴とする。
【0010】
前記目的を達成するための本発明によるクリアランス・フィリング・PCBの製造方法は、
【0011】
PCBの外層表面にピン・コンタクト部を形成するステップ、前記形成されたピン・コンタクト部を備えてPCBの上部を覆うようにプラギング・インク(Pluging ink)を塗布するステップ、及び前記プラギング・インクで塗布されたピン・コンタクト部間の陷沒部位からなる絶縁層の高さが前記ピン・コンタクト部の高さと同じくなるように研磨して、微細回路に対して接触物との滑り防止や正確な接触を誘導するようにするクリアランス・フィリング部を形成するステップを含むことを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記ピン・コンタクト部は、PCBのパターンまたはパッドとして製造されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、PCBの外層表面のパッドまたはパターン間の陷沒部位をモールドして、絶縁層の高さをパッドまたはパターンの高さと同じくし、研磨によるパッドの断面積を確保する作業でコンタクトを用途(または必要)とする微細回路に対して、接触物との正確な接触や滑り防止を誘導することができる。
【0014】
そして、その他の構成品(例えば、ソケット及び補強材)との正確な密着を確保することができ、回路の欠損及び消失または部分的な欠陷に対するリペアー(Repair)が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】一般的なPCBを示す図面である。
【図1B】一般的なパッドまたはパターンに対するピンの接触様態を示す図面である。
【図2】本発明によるクリアランス・フィリング・PCBを示す図面である。
【図3A】本発明によるクリアランス・フィリング・PCBの製造方法を順に示す工程図である。
【図3B】本発明によるクリアランス・フィリング・PCBの製造方法を順に示す工程図である。
【図3C】本発明によるクリアランス・フィリング・PCBの製造方法を順に示す工程図である。
【図4】本発明によるクリアランス・フィリング・PCBの使用状態を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明を説明する。
【0017】
ただし、以下で説明される実施形態は、当業者が発明を容易に実施できる程度に詳細に説明するためのものに過ぎず、これにより本発明の保護範囲が限定されることを意味するものではない。
【0018】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似した部分に対しては類似した図面符号を付けた。
【0019】
明細書及び特許請求の範囲全体において、ある部分がある構成要素を含むとするとき、これは特別に逆の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素を含み得るということを意味する。
【0020】
図2は、本発明によるクリアランス・フィリング・PCBを示す図面である。
【0021】
図2に示すように、本発明によるクリアランス・フィリング・PCBは、大きくPCBの外層表面のパターン201またはパッド203からなるピン・コンタクト部と、前記ピン・コンタクト部のパッド203またはパターン201の間にパッド203またはパターン201の高さと同じく形成されたクリアランス・フィリング部202とを備える構造を有する。
【0022】
すなわち、PCBの外層表面のパッド203またはパターン201からなるピン・コンタクト部と、前記ピン・コンタクト部のパッド203またはパターン201間の陷沒部位をモールドして、絶縁層の高さがパッド203またはパターン201の高さと同じくなるように研磨して、微細回路に対して接触物との滑り防止や正確な接触を誘導するように構成されたクリアランス・フィリング部202とを備える構造を有する。
【0023】
ここで、前記クリアランス・フィリング部202は、PCBの外層表面のパッド203またはパターン201間の陷沒部位に、パッド203またはパターン201の高さと同じくなるようにプラギング・インクが塗布及び研磨されて形成されたものであって、微細回路に対して接触物との滑り防止や正確な接触を誘導するように構成される。すなわち、PCBの外層表面のパッド203またはパターン201間の陷沒部位をモールドして、絶縁層の高さをパッド203またはパターン201の高さと同じくし、研磨によるパッドの断面積を確保する作業でコンタクトを用途(または必要)とする微細回路に対して、接触物との滑り防止や正確な接触を誘導するように構成される。
【0024】
パッド203またはパターン201は、PCBの外層表面に所定間隔離隔されて形成され、パターンの構造や形状は所望の印刷形態によって多様な変形が可能である。
【0025】
以上のように、本発明によるクリアランス・フィリング・PCBは、PCBの外層表面のパッドまたはパターン間の陷沒部位をモールドして、絶縁層の高さをパッドまたはパターンの高さと同じくし、研磨によるパッドの断面積を確保する作業でコンタクトを用途(または必要)とする微細回路に対して、接触物との滑り防止や正確な接触を誘導するようにするとともに、その他の構成品(例えば、ソケット及び補強材)との正確な密着を確保することができる。
【0026】
以下、図3Aないし図3Cを参照して、図2の本発明によるクリアランス・フィリング・PCBの製造方法(具体的には、本発明によるクリアランス・フィリング部の製造方法)について説明する。
【0027】
図3Aないし図3Cは、本発明によるクリアランス・フィリング・PCBの製造方法を順に示す図面であって、ピン・コンタクト部がパターンからなる。
【0028】
図3Aないし図3Cに示すように、本発明によるクリアランス・フィリング・PCBの製造方法によれば、先ず、PCBの外層表面にパターン201を形成する。パターンの形成方法は公知の技術であるため、ここではそれについての詳細な説明を省略する。
【0029】
次いで、前記PCBの外層表面に形成されたパターン201を備えてPCBの上部を覆うようにプラギング・インクを塗布する。
【0030】
最後に、前記プラギング・インクで塗布されたパターン201間の陷沒部位からなる絶縁層の高さが、パターン201の高さと同じくなるように研磨する。
【0031】
それにより、微細回路に対して接触物との滑り防止や正確な接触を誘導するようにするクリアランス・フィリング部202を形成する。
【0032】
前記パターン201は、PCBの外層表面に所定間隔離隔されて形成され、パターンの構造や形状は所望の印刷形態によって多様な変形が可能である。
【0033】
このように、本発明は、PCBの外層表面のパッドまたはパターン間の陷沒部位に、パッドまたはパターンの高さと同じくなるようにプラギング・インクが塗布及び研磨されて、微細回路に対して接触物との滑り防止や正確な接触を誘導するようにするクリアランス・フィリング部を形成することができる。
【0034】
すなわち、PCBの外層表面のパッドまたはパターン間の陷沒部位をモールドして、絶縁層の高さをパッドまたはパターンの高さと同じくし、研磨によるパッドの断面積を確保する作業でコンタクトを用途(または必要)とする微細回路に対して、接触物との滑り防止や正確な接触を誘導するようにするクリアランス・フィリング部を形成することができる。
【0035】
図4は、本発明によるクリアランス・フィリング・PCBの使用状態を示す図面であって、符号"S1"が示す図面は、クリアランス・フィリング・PCBを上側から見た平面図であり、符号"S2"が示す図面は、符号"S1"のクリアランス・フィリング・PCBのA−A'線による断面図である。
【0036】
図4に示すように、本発明によるクリアランス・フィリング・PCBは、パッド203またはパターン201間の陷沒部位、すなわち、クリアランス・フィリング部202の高さが前記パッド203またはパターン201の高さと同じくなるように、クリアランス・フィリング部202をプラギング・インクで充填及び研磨させて形成したものである。
【0037】
すなわち、本発明によるクリアランス・フィリング・PCBは、パッド203またはパターン201間の陷沒部位であるクリアランス・フィリング部202をプラギング・インクで充填し、絶縁層の高さをパッド203またはパターン201の高さと同じく研磨して形成したものである。
具体的には、PCBの外層表面に形成されたパターン201及びパッド203を備えてPCBの上部を覆うようにプラギング・インクを塗布し、プラギング・インクで塗布されたパッド203またはパターン201間の陷沒部位からなる絶縁層の高さがパッド203またはパターン201の高さと同じくなるように研磨してクリアランス・フィリング部202を形成する。
それにより、研磨によるパッド203またはパターン201の断面積を確保する作業でコンタクトを用途(または必要)とする微細回路に対して接触物との正確な接触や滑り防止を誘導するようにした。
【0038】
そして、その他の構成品(例えば、ソケット及び補強材)との正確な密着を確保するようにし、回路の欠損及び消失または部分的な欠陷に対するリペアーを容易にすることができる。
【符号の説明】
【0039】
201 パターン
202 クリアランス・フィリング部
203 パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PCBの外層表面に形成されたピン・コンタクト部と、
前記ピン・コンタクト部間の陷沒部位をモールドして、絶縁層の高さが前記ピン・コンタクト部の高さと同じくなるように研磨して、微細回路に対して接触物との滑り防止や正確な接触を誘導するように構成されたクリアランス・フィリング部と、を備えるクリアランス・フィリング・PCB。
【請求項2】
前記ピン・コンタクト部は、PCBのパターンまたはパッドであることを特徴とする請求項1に記載のクリアランス・フィリング・PCB。
【請求項3】
PCBの外層表面にピン・コンタクト部を形成するステップと、
前記形成されたピン・コンタクト部を備えてPCBの上部を覆うようにプラギング・インクを塗布するステップと、
前記プラギング・インクで塗布されたピン・コンタクト部間の陷沒部位からなる絶縁層の高さが、前記ピン・コンタクト部の高さと同じくなるように研磨して、微細回路に対して接触物との滑り防止や正確な接触を誘導するようにするクリアランス・フィリング部を形成するステップと、を含むクリアランス・フィリング・PCBの製造方法。
【請求項4】
前記ピン・コンタクト部は、PCBのパターンまたはパッドとして製造されることを特徴とする請求項3に記載のクリアランス・フィリング・PCB。

【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図1A】
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【公開番号】特開2013−106032(P2013−106032A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−40200(P2012−40200)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【出願人】(512048826)エスデーエイ カンパニーリミテッド (1)
【Fターム(参考)】