説明

クロスコネクト装置

【課題】パケットスイッチを用いたクロスコネクト装置において、パケット化処理前後でCBR信号のクロック再生が可能なクロスコネクト装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様は、1以上の入力ポートから受信したCBR信号をパケット信号に変換するパケット化手段と、前記受信したCBR信号のクロックを抽出するクロック情報処理手段と、前記変換されたパケット信号を1以上の出力ポートにルーティングするパケットスイッチ手段と、前記抽出されたクロックを用いて、前記ルーティングされたパケット信号をCBR信号に復元する逆パケット化手段とを有するクロスコネクト装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケット伝送技術に関し、より詳細にはクロスコネクト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ICT(Information and Communication Technology)サービスの利用拡大に伴って、近年インターネットトラフィックの増大が進んでいる。増加し続けるインターネットトラフィックを効率よく広域に転送することが可能な、バックボーンネットワークの基本プラットフォームとしてOTN(Optical Transport Network)(非特許文献1)が国際標準化技術としてITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)で規定されている。OTNは強固な監視機能を持ち、クライアント信号を高信頼に広域で転送することが可能である。
【0003】
OTNはバックボーンネットワークに広く普及しているSDH/SONET(Synchronous Digital Hierarchy/Synchronous Optical NETwork)やLANやWAN等で広く利用されているEthernet(登録商標)の収容を考慮した規定が従来なされていたが、より柔軟に多様なクライアント信号を収容するためODUflex(Optical Channel Data Unit)と呼ばれる新たな規定が近年設けられた。従来はODU0,ODU1,ODU2,ODU2e,ODU3,ODU4といったビットレートが固定的なフレームに収容されていたが、ODUflexは1.25 Gbit/s単位のペイロード容量をクライアント信号に提供することが可能であり、近い将来出現するであろうクライアント信号への柔軟性を高めた規定になっている。今後は伝送容量の増加に伴って一波長あたりに収容されるODUフレーム信号の多様化も進み、例えば100G波長OTU4(Optical Channel Transport Unit)には先述した固定的なペイロード容量を持つODUフレームと1.25 Gbit/s単位のODUflexフレームが混在して収容されることになり、このような多様なODUフレームを効率よく転送する技術が必要である。
【0004】
このような状況下で、効率よく経済的にネットワークを構築するためクロスコネクト装置(ODUクロスコネクト装置)の開発が現在活発化している。ODUクロスコネクト装置は任意の方路にODUパスを切換えることが可能であり、最適な方路にODUパスを切換えることで利用する波長数の削減し、効率的なネットワークの運用・管理が可能になる。
【0005】
現在このようなODUクロスコネクト装置にコアルータ等の技術で熟成したスイッチファブリックを搭載する検討がなされている。コアルータ等に用いられているパケットスイッチのファブリックをそのままODUクロスコネクト装置に適用することによって、開発期間の短縮と装置の低コスト化を図ることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2005−520375
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】ITU-T Recommendation G.709 "Interfaces for the Optical Transport Network (OTN)"
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図1は、従来技術によるパケットスイッチを用いたクロスコネクト装置の基本構成を示す。図示されるクロスコネクト装置は、ネットワーク側インタフェースである受信部と、固定ビットレートのCBR(Constant Bit Rate)信号をパケット化するパケット化部と、パケット信号をスイッチするパケットスイッチ部と、パケット信号からCBR信号を復元する逆パケット化部と、ネットワーク側インタフェースである送信部とからなる。通常、CBR信号からパケット信号に変換する際に独立のクロックを用いてパケット化処理を行なうため、パケット化処理時にCBR信号の周波数情報が失われてしまい、パケット信号からCBR信号を再生する際にクロックを復元することが困難になる(図1の網掛けはクロックのドメインを示す)。
【0009】
特許文献1では、パケットスイッチのファブリックを用いたTDMクロスコネクト装置のアーキテクチャが示されている。これは、従来のTDMスイッチとパケットスイッチを組み合わせたシステムであり、既存のTDMスイッチに少なくとも2つのパケット交換ラインカードを組み込んで、既存インフラのTDMクロスコネクトでフィルタリング、整形、監視、転送及びスケジューリングを行なう方法が提供されている。しかしながら、特許文献1では、CBR信号とパケット信号との間のクロックを復元する具体的な方法は、記載されていない。
【0010】
従って、本発明は、パケットスイッチを用いたクロスコネクト装置において、パケット化処理前後でCBR信号のクロック再生が可能なクロスコネクト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、1以上の入力ポートから受信したCBR信号をパケット信号に変換するパケット化手段と、前記受信したCBR信号のクロックを抽出するクロック情報処理手段と、前記変換されたパケット信号を1以上の出力ポートにルーティングするパケットスイッチ手段と、前記抽出されたクロックを用いて、前記ルーティングされたパケット信号をCBR信号に復元する逆パケット化手段とを有するクロスコネクト装置に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、パケットスイッチを用いたクロスコネクト装置において、パケット化処理前後でCBR信号のクロック再生が可能なクロスコネクト装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、従来のクロスコネクト装置の構成を示す。
【図2】図2は、本発明の第1実施例によるクロスコネクト装置の構成を示す。
【図3】図3は、図2のクロスコネクト装置の受信部及び送信部の構成を示す。
【図4】図4は、図2のクロスコネクト装置のパケット化部及び逆パケット化部の構成を示す。
【図5】図5は、図2のクロスコネクト装置のパケットスイッチ部の構成を示す。
【図6】図6は、図2のクロスコネクト装置のクロススイッチ部の構成を示す。
【図7】図7は、本発明の第2実施例によるクロスコネクト装置の構成を示す。
【図8】図8は、図7のクロスコネクト装置の構成を詳細に示す。
【図9】図9は、周波数情報を格納するための各種方法を示す。
【図10】図10は、本発明の第3実施例によるクロスコネクト装置の構成を示す。
【図11】図11は、図10のクロスコネクト装置の構成を詳細に示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
本発明によるクロスコネクト装置は、パケット化処理前の固定ビットレートのCBR(Constant Bit Rate)信号のクロック情報を抽出する手段を新たに設け、そのクロック情報に基づき逆パケット処理時にCBR信号のクロックを再生する。より具体的には、以下の3つの実施例によるクロスコネクト装置によって、CBR信号のクロックを再生することができる。
【0016】
まず、図2〜6を参照して、本発明の第1実施例によるクロスコネクト装置を説明する。本実施例では、クロスコネクト装置は、クロック用スイッチを利用してCBR信号のクロックを再生する。
【0017】
図2に示されるように、クロスコネクト装置100は、1以上の受信部110(110,110,110,・・・)と、1以上のパケット化部120(120,120,120,・・・)と、パケットスイッチ部130と、1以上の逆パケット化部140(140,140,140,・・・)と、1以上の送信部150(150,150,150,・・・)と、クロックスイッチ部160とを有する。
【0018】
受信部110,110,110,・・・は、クロスコネクト装置100の各ポートに対応して設けられる。図示された実施例では、1つの受信部110に対して1つのパケット化部120が接続されている構成になっているが、受信部110にて多重されているCBR信号を分離し、1以上のCBR信号を出力するときは、1つの受信部110に対して1以上のパケット化部120が接続される構成になる。各受信部110は、伝送路又は別の装置パッケージから光信号を受信し、受信した光信号を光電変換して1以上の電気信号のCBR信号をパケット部120に出力する。より詳細には、受信部110は、図3に示されるように、伝送路からの光信号を受信して、光信号から電気信号に変換する光電変換部112と、変換された電気信号のCBR信号に対してデマッピング処理を実行して、1以上のCBR信号に分離するフレーマ・分離機能部114とを有する。フレーマ・分離機能部114により生成されたCBR信号は、対応するパケット化部120に出力される。
【0019】
パケット化部120,120,120,・・・は、パケットスイッチ部130の各ポートに対応して設けられる。各パケット化部120は、対応する受信部110から1以上のCBR信号を受信し、受信したCBR信号に基づきパケット信号を生成すると共に、受信したCBR信号のクロックを抽出する。より詳細には、パケット化部120は、図4に示されるように、受信部110から受信した1以上のCBR信号をパケット信号に変換し、生成したパケット信号をパケットスイッチ部130に出力するパケット化処理部122と、受信部110から受信した1以上のCBR信号のクロックを抽出し、生成したクロック信号をクロックスイッチ部160に出力するクロック抽出部124とを有する。なお、パケット化部にてCBR信号のクロックを抽出しているが、受信部でCBR信号のクロックを抽出してもよい。
【0020】
パケットスイッチ部130は、1以上の入力ポートと1以上の出力ポートとを有する(Port0,Port1,Port2,・・・)。パケットスイッチ部130は、入力ポートを介し各パケット化部120から受信したパケット信号をルーティングして、任意の出力ポートに出力する。なお、パケットスイッチ部130は、任意の出力ポートではなく、特定の出力ポートにだけ出力するものであってもよい。より詳細には、パケットスイッチ部130は、図5に示されるように、パケット化部120から受信したパケット信号をモニタリングし、必要に応じてパケットのヘッダ内部の書き換え等を行なう入出力処理部132と、パケットのヘッダ内のアドレス情報に従って、宛先ポートにパケット信号をルーティングする中継処理部134と、中継処理部134から受信したパケット信号をモニタリングし、必要に応じてパケットのヘッダ内部の書き換えを行って、指定された宛先ポートに出力する入出力処理部134とを有する。典型的には、これらの処理は、CPU(Central Processing Unit)などにより実行される。
【0021】
クロックスイッチ部160は、各パケット化部120からCBR信号のクロック信号を受信し、これら受信したクロック信号から各逆パケット化部140に対して適切なクロック信号を選択し、選択したクロック信号を当該逆パケット化部140に出力する。より詳細には、クロックスイッチ部160は、図6に示されるように、クロスコネクト装置100のポートに対応して設けられた1以上のクロック分配部162(162,162,162,・・・)と、切替制御部164と、クロスコネクト装置100のポートに対応して設けられた1以上のクロック選択部166(166,166,166,・・・)とを有する。
【0022】
各クロック分配部162は、対応するパケット化部120から受信したCBR信号のクロック信号を各クロック選択部166に分配する。ここで、クロック選択部166は、受信したクロック信号が何れのポートに対応するクロック分配部162から出力されたものであるか認識している。
【0023】
切替制御部164は、各パケット化部120から受信した切替制御信号に従って、各クロック選択部166のクロック選択を制御する。具体的には、各パケット化部120は、当該パケット化部120から出力されるパケット信号が何れの逆パケット化処理部140にスイッチされるべきかを示す情報、すなわち、各パケット信号の転送元のパケット化部120と転送先の逆パケット化部140とを示す情報を切替制御信号として切替制御部164に出力する。切替制御部164は、受信した切替制御信号に基づき各クロック選択部166を制御して、クロック選択部166に各クロック分配部162から受信したクロック信号から、各パケット信号の転送元のパケット化部120と転送先の逆パケット化部140とを示す情報に対応するクロック信号を選択させ、逆パケット化部140に出力させる。
【0024】
図示された実施例では、切替制御部164は、パケット化処理部122から切替制御信号を取得しているが、パケットスイッチ部130の入出力処理部132,136又は中継処理部134から各パケットのヘッダ内のアドレス情報を取得して、各パケット信号の転送元のパケット化部120と転送先の逆パケット化部140とを確認し、これに基づき各クロック選択部166のクロック選択を制御してもよい。
【0025】
逆パケット化部140,140,140,・・・は、パケットスイッチ部130の各ポートに対応して設けられる。各逆パケット化部140は、クロックスイッチ部130からパケット信号を受信し、さらにクロックスイッチ部160からクロック信号を受信し、受信したクロック信号を用いて受信したパケット信号からCBR信号を復元する。より詳細には、逆パケット化部140は、図4に示されるように、逆パケット化処理部142を有し、受信したパケット信号とクロック信号とに基づきCBR信号を生成し、生成したCBR信号を対応する送信部150に出力する。
【0026】
送信部150,150,150,・・・は、クロスコネクト装置100の各ポートに対応して設けられる。図示された実施例では、1つの送信部150に対して1つの逆パケット化部140が接続されている構成になっているが、複数のCBR信号を多重し別の装置パッケージに送信する場合は、1つの送信部150に対して1以上の逆パケット化部140が接続される構成になる。各送信部150は、対応する逆パケット化部140から受信した電気信号のCBR信号を光信号に変換し、伝送路又は別の装置パッケージに送信する。より詳細には、送信部150は、図3に示されるように、対応する逆パケット化部140から受信した1以上の電気信号のCBR信号に対して多重化及びフレーム処理などの各種処理を実行するフレーマ・多重機能部152と、生成された電気信号のCBR信号を光信号に変換する光電変換部154とを有する。生成された光信号は、対応するポートから送信される。
【0027】
本実施例によると、CBR信号のクロック再生を行なうため、クロスコネクト装置100は、パケット化部120において各CBR信号をパケット化する際にクロック信号を抽出し、クロススイッチ部160においてこれらのクロック信号を適切に切り替え、逆パケット化部140において各CBR信号を逆パケット化する際にクロック信号を復元することが可能となる。
【0028】
次に、図7〜9を参照して、本発明の第2実施例によるクロスコネクト装置を説明する。本実施例では、クロスコネクト装置は、パケット処理前のクロックを示す周波数情報をパケットに含めることによってCBR信号のクロックを再生する。
【0029】
図7に示されるように、クロスコネクト装置200は、1以上の受信部210(210,210,210,・・・)と、1以上のパケット化部220(220,220,220,・・・)と、パケットスイッチ部230と、1以上の逆パケット化部240(240,240,240,・・・)と、1以上の送信部250(250,250,250,・・・)とを有する。なお、受信部210と、パケットスイッチ部230と、送信部250とは、上述した第1実施例の受信部110と、パケットスイッチ部130と、送信部150と同様の構成及び動作を有するため、重複する説明は省く。
【0030】
パケット化部220,220,220,・・・は、パケットスイッチ部230の各ポートに対応して設けられる。各パケット化部220は、対応する受信部210からCBR信号を受信する。受信したCBR信号からパケット信号を生成する際に、パケット化部220は、CBR信号のクロックから周波数情報を生成し、この周波数情報をパケット信号に付加してパケットスイッチ部230に出力する。より詳細には、パケット化部220は、図8に示されるように、パケット化処理部222と周波数偏差検出部224とを有する。パケット化処理部222は、受信部210から受信したCBR信号をパケット信号に変換する。周波数偏差検出部224は、受信部210から受信したCBR信号のクロックとクロスコネクト装置200内の共通クロックとの周波数偏差を検出し、検出した周波数偏差を周波数情報としてパケット化処理部222に出力する。パケット化処理部222は、生成したパケット信号に周波数偏差検出部224から受信した周波数情報を付加して、パケットスイッチ部230に出力する。
【0031】
ここで、パケット信号に周波数情報を付加する方法として、例えば、図9に示されるようなものがある。図9(a)に示されるように、周波数情報はパケット信号に含まれる各パケットのヘッダに挿入されるようにしてもよい。また、図9(b)に示されるように、周波数情報はパケット信号の特定のパケットのヘッダに挿入されるようにしてもよい。この場合、例えば、いくつかのパケット毎に周期的に周波数情報が挿入されてもよい。さらに、図9(c)に示されるように、周波数情報のみを格納したパケットを生成し、他のパケットより高い優先度を設定するようにしてもよい。本発明は、上述した付加方法に限定されるものでなく、他の何れか適切な付加方法を利用してもよい。
【0032】
パケットスイッチ部230は、周波数情報が付加されたパケット信号をモニタリングし、パケットのヘッダ内のアドレス情報に従って宛先ポートに周波数情報が付加されたパケット信号をルーティングし、対応する逆パケット化部240に出力する。
【0033】
逆パケット化部240,240,240,・・・は、パケットスイッチ部230の各ポートに対応して設けられる。各逆パケット化部240は、パケットスイッチ部230から周波数情報が付加されたパケット信号を受信し、周波数情報からCBR信号のクロックを再生して、再生したクロックを用いて受信したパケット信号からCBR信号を復元する。より詳細には、逆パケット化部240は、図8に示されるように、クロック再生部242と逆パケット化処理部244とを有する。クロック再生部242は、パケットスイッチ部230から受信したパケット信号から周波数情報を抽出する。その後、クロック再生部242は、抽出した周波数情報の周波数偏差とクロスコネクト装置200内の共通クロックとに基づきCBR信号のクロックを再生し、逆パケット化処理部244に出力する。逆パケット化処理部244は、クロック再生部242から受信したCBR信号のクロックを用いて、パケットスイッチ部230から提供されたパケット信号から、クロックが復元されたCBR信号を生成する。
【0034】
本実施例によると、CBR信号のクロック再生を行なうために、クロスコネクト装置200は、パケット化部220において各CBR信号から生成したパケット信号に周波数情報を付加し、逆パケット化部240において各CBR信号を逆パケット化する際にこの周波数情報を用いてクロック信号が復元されたCBR信号を生成することが可能となる。
【0035】
次に、図10〜11を参照して、本発明の第3実施例によるクロスコネクト装置を説明する。本実施例では、クロスコネクト装置は、データ数を計数することによってCBR信号のクロックを再生する。
【0036】
図10に示されるように、クロスコネクト装置300は、1以上の受信部310(310,310,310,・・・)と、1以上のパケット化部320(320,320,320,・・・)と、パケットスイッチ部330と、1以上の逆パケット化部340(340,340,340,・・・)と、1以上の送信部350(350,350,350,・・・)と、1以上のデータカウント部360(360,360,360,・・・)と、1以上のクロック再生部370(370,370,370,・・・)とを有する。なお、受信部310と、パケット化部320と、パケットスイッチ部330と、送信部350とは、上述した第1実施例の受信部110と、パケットスイッチ部130と、送信部150と同様の構成及び動作を有するため、重複する説明は省く。
【0037】
パケット化部320は、第1実施例のパケット化部120と同様に受信したCBR信号をパケット信号に変換しパケットスイッチ部330に出力するパケット化処理部122を備えているが、クロック抽出部124を備える必要はない。
【0038】
逆パケット化部340は、パケットスイッチ部330からパケット信号を受信すると、受信したパケット信号を逆パケット化部340内の逆パケット化処理部342(図11)に提供すると共に、対応するデータカウント部360に送信する。
【0039】
データカウント部360,360,360,・・・は、パケットスイッチ部330の各ポートに対応して設けられる。各データカウント部360は、クロスコネクト装置300内の共通クロックで一定時間において逆パケット化部340から受信したパケット信号内のデータ量を観測し、カウントされたデータ数と周波数偏差に対応したデータ数との比較を行う。より詳細には、データカウント部360は、図11に示されるように、クロスコネクト装置300内の共通クロックをカウントする第1カウンタ362と、逆パケット化部340から受信したパケット信号内のデータ数をカウントする第2カウンタ364と、第2カウンタ364からの出力結果を比較するコンパレータ366とを有する。
【0040】
第1カウンタ362は、所定のカウント数を超えると、第2カウンタ364へ測定開始を指定する信号を出力する。第1カウンタ362から測定開始の信号を受信すると、第2カウンタ364は、受信時点までにカウントされたパケット信号内のデータ数をコンパレータ366へ出力し、第2カウンタ364内のカウンタをリセットして再びカウントを始める。
【0041】
例えば、クロスコネクト装置300内の共通クロックを100MHzとし、第1カウンタ362のカウント数を10000とした場合、100μs周期で第2カウンタ364のカウンタ値が更新される。第2カウンタ364は、第1カウンタ362から測定開始の信号を受信し、次の測定開始の信号を受信するまで、パケット信号内のデータ数をカウントし、コンパレータ366に出力する。コンパレータ366は、予めCBR信号のクロックとクロスコネクト装置300内の共通クロックの周波数偏差が0となる場合の値を保持する。例えば、CBR信号のクロックが70MHzだった場合、コンパレータ366で保持する値は7000とし、第2カウンタ364のカウンタ値が7000から1変化する毎に、周波数偏差が1÷10000=100ppm変化したことが分かる。コンパレータ366は、第2カウンタ364のカウンタ値とコンパレータ366の値とを比較し、周波数偏差に応じた制御信号を対応するクロック再生部370に出力する。
【0042】
クロック再生部370,370,370,・・・は、パケットスイッチ部330の各ポートに対応して設けられる。各クロック再生部370は、対応するデータカウント部360から受信した制御信号に従ってCBR信号のクロックを再生し、対応する逆パケット化部340に送信する。クロック再生部370からクロックを受信すると、逆パケット化処理部342は、受信したクロックを用いてCBR信号を復元し、対応する送信部350に送信する。
【0043】
本実施例によると、CBR信号のクロック再生を行なうために、クロスコネクト装置300は、データカウント部360とクロック再生部370とにおいて再生されたクロックを用いてCBR信号を生成することが可能となる。
【0044】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
100,200,300 クロスコネクト装置
110,210,310 受信部
120,220,320 パケット化部
130,230,330 パケットスイッチ部
140,240,340 逆パケット化部
150,250,350 送信部
160 クロックスイッチ部
360 データカウント部
370 クロック再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の入力ポートから受信したCBR信号をパケット信号に変換するパケット化手段と、
前記受信したCBR信号のクロックを抽出するクロック情報処理手段と、
前記変換されたパケット信号を1以上の出力ポートにルーティングするパケットスイッチ手段と、
前記抽出されたクロックを用いて、前記ルーティングされたパケット信号をCBR信号に復元する逆パケット化手段と、
を有するクロスコネクト装置。
【請求項2】
前記パケット化手段は、前記1以上の入力ポートに対応して1以上のパケット化部を有し、
前記逆パケット化手段は、前記1以上の出力ポートに対応して1以上の逆パケット化部を有する、請求項1記載のクロスコネクト装置。
【請求項3】
前記クロック情報処理手段は、前記受信したCBR信号のルーティング先の逆パケット化部に前記抽出したクロックを出力するクロックスイッチ部から構成される、請求項2記載のクロスコネクト装置。
【請求項4】
前記クロックスイッチ部は、前記1以上のパケット化部に対応して設けられる1以上のクロック分配部と、前記1以上の逆パケット化部に対応して設けられる1以上のクロック選択部と、前記1以上のパケット化処理部に接続される切替制御部とから構成され、
前記クロック分配部は、対応する前記パケット化部が受信したCBR信号のクロックを前記1以上のクロック選択部に分配し、
前記切替制御部は、前記1以上のパケット化処理部から各パケット信号のルーティング元とルーティング先とを示す切替制御信号を受信し、前記切替制御信号に従って前記1以上のクロック選択部を制御し、
前記クロック選択部は、前記切替制御部による制御に従って、前記1以上のクロック選択部から分配されたクロックを対応する前記逆パケット化部に出力する、請求項3記載のクロスコネクト装置。
【請求項5】
前記クロック情報処理手段は、前記抽出したクロックから周波数情報を生成し、前記パケット化手段により変換されたパケット信号に前記周波数情報を付加する周波数情報付加部から構成され、
前記逆パケット化手段は、前記付加された周波数情報を用いて、前記ルーティングされたパケット信号をCBR信号に復元する、請求項1記載のクロスコネクト装置。
【請求項6】
前記周波数情報付加部は、前記抽出したクロックと当該クロスコネクト装置の共通クロックとの周波数偏差を検出し、前記検出した周波数偏差から前記周波数情報を生成する周波数偏差検出部を有し、
前記逆パケット化手段は、前記パケット信号に付加された周波数情報の周波数偏差から、前記共通クロックを参照して前記クロックを再生するクロック再生部を有する、請求項5記載のクロスコネクト装置。
【請求項7】
前記周波数情報付加部は、前記パケット信号の各パケットのヘッダに、前記パケット信号の所定数毎のパケットのヘッダに、又は前記パケット信号の所定のパケットに前記周波数情報を格納する、請求項5又は6記載のクロスコネクト装置。
【請求項8】
前記クロック情報処理手段は、所定の期間において前記パケット信号に格納されているデータ数をカウントし、周波数偏差に応じた制御信号を生成するデータカウント部と、前記データカウント部から受信した制御信号に応じて、当該クロスコネクト装置の共通クロックを用いて前記クロックを再生するクロック再生部とを有し、
前記逆パケット化手段は、前記再生されたクロックを用いて、前記ルーティングされたパケット信号をCBR信号に復元する、請求項1記載のクロスコネクト装置。
【請求項9】
前記データカウント部は、
前記共通クロックをカウントする第1カウンタと、
前記第1カウンタからの測定開始指示に応答して、前記パケット信号に格納されているデータ数をカウントする第2カウンタと、
前記第2カウンタによりカウントされたデータ数と所定の参照値とを比較し、検出された周波数偏差に応じて前記制御信号を生成するコンパレータと、
を有する、請求項8記載のクロスコネクト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−4690(P2012−4690A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135604(P2010−135604)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】