説明

クロノグラフ時計

【課題】クロノ駆動タイミングと磁界検出タイミングが重なって不必要に補正駆動パルスによって駆動されるのを防止すること。
【解決手段】処理部108は、計時した計時情報、計測したクロノ計測情報に各々基づいて所定タイミングで時刻表示モータ110、クロノ表示モータ114を駆動するように駆動回路109、113を制御すると共に所定タイミングで磁界検出手段112が磁界を検出するように制御し、クロノ表示モータ114の駆動タイミングと磁界検出手段112の磁界検出タイミングが重なった場合、クロノ表示モータ114の駆動タイミングと磁界検出手段112の磁界検出タイミングが重ならないように磁界検出手段112の磁界検出タイミングを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻の表示機能及び時間計測機能を有するクロノグラフ時計に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の指針を各々駆動するために複数の駆動モータを搭載することで、時刻情報を表示することを基本機能としててさらに時間計測行うクロノグラフ計測機能を搭載した多機能時計において、モータ周辺の外部磁界を検出する磁界検出手段とモータの回転を検出する回転検出手段を搭載したものが開発されている(例えば特許文献1参照)。
前記多機能時計は、時計時刻モータ駆動回路に回転検出手段および磁界検出手段を搭載して、非回転検出または外部磁界を検出した際に、通常駆動時の通常駆動パルスよりも電力実効値が高い駆動パルス(補正駆動パルス)によって駆動するように制御し、クロノモータ駆動回路の通常駆動時のクロノ駆動パルスは、1秒周期よりも短い間隔で駆動を行うなど高速な駆動タイミングを行う場合が多く、回転検出手段や磁界検出手段の搭載を不要とするために電力実効値が高い駆動パルスを用いている場合が一般的である。
【0003】
ここで、クロノグラフ計測がユーザによる任意のタイミングで開始され、クロノ表示モータを駆動するクロノ駆動タイミングと、時計時刻モータ駆動回路の磁界検出タイミングが重なった場合、クロノ駆動パルスによる磁界発生の影響を受けて誤った磁界検出を行い、不必要に補正駆動パルスによって駆動してしまうという問題や、クロノ駆動パルスの後に時刻表示モータの磁界検出を開始することによる時刻表示モータの駆動タイミングのズレが発生するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3019324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記問題点に鑑み成されたもので、クロノ駆動タイミングと磁界検出タイミングが重なって不必要な補正駆動パルスが発生することによって無駄な電力が消費されることや、単に磁界検出タイミングを遅らせることによる時刻駆動タイミングが遅れるなどのズレを防止することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、時刻針を駆動する時刻表示モータと、クロノグラフ針を駆動するクロノ表示モータと、磁界を検出する磁界検出手段と、時刻を計時する計時手段と、クロノ計測を行うクロノ計測手段と、前記クロノ表示モータを駆動すると共に、通常時は通常駆動パルスによって前記時刻表示モータを駆動するモータ駆動手段と、前記計時手段が計時した計時情報、前記クロノ計測手段が計測したクロノ計測情報に各々基づいて所定タイミングで前記時刻表示モータ、クロノ表示モータを駆動するように前記モータ駆動手段を制御すると共に所定タイミングで前記磁界検出手段が磁界を検出するように制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記クロノ表示モータの駆動タイミングと前記磁界検出手段の磁界検出タイミングが重なった場合、前記クロノ表示モータの駆動タイミングと磁界検出手段の磁界検出タイミングが重ならないように制御することを特徴とするクロノグラフ時計が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るクロノグラフ時計によれば、クロノ駆動タイミングと磁界検出タイミングが重なって不必要な補正駆動パルスが発生することによって、無駄な電力が消費されるのを防止することが可能になる。
また、時刻針駆動タイミングを遅らすことなく、クロノ駆動タイミングと磁界検出タイミングが重ならないようにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係るクロノグラフ時計のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るクロノグラフ時計のタイミング図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るクロノグラフ時計のタイミング図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るクロノグラフ時計のフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係るクロノグラフ時計のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の実施の形態に係るクロノグラフ時計のブロック図である。
図1において、クロノグラフ時計は、クロノグラフ機能のスタート操作とストップ操作を行うスタートスイッチ(A)101、クロノグラフ機能のストップ/リセット操作を行うリセットスイッチ(B)102、クロノグラフ時計の外部磁界の検出タイミングを示す磁界検出タイミング信号を発生する磁界検出タイミング発生手段103、時刻針(例えば時針、分針、秒針)(図示せず)の駆動タイミングを示す時刻針駆動タイミング信号を発生する時刻駆動タイミング発生手段104、クロノグラフ針(例えばクロノ分針、クロノ秒針)(図示せず)の駆動タイミングを示すクロノグラフ針駆動タイミング信号を発生するクロノ駆動タイミング発生手段105、所定周波数の信号を発生する発振器106、発振器106で発生した信号を分周して計時の基準となる時計信号を発生する分周回路107、中央処理装置(CPU)によって構成されクロノグラフ時計を構成するモータ110、114や各電子回路要素の制御処理等の各種処理を行う処理部108を備えている。
【0010】
また、クロノグラフ時計は、処理部108からの制御信号に対応する駆動パルスによって時刻表示モータ110を回転駆動する駆動回路109、ステッピングモータによって構成され時刻針(例えば時針、分針、秒針)を回転駆動する時刻表示モータ110、時刻表示モータ110が回転したか否かを検出する回転検出手段111、時刻表示モータ110が駆動されていないとき外部磁界によって時刻表示モータ110の駆動コイル(図示せず)に流れる電流を検出することにより所定強度を超える外部磁界の有無を検出する磁界検出手段112を備えている。回転検出手段111や磁界検出手段112は公知の構成のものである。
【0011】
また、クロノグラフ時計は、処理部108からの制御信号に対応する駆動パルスによってクロノ表示モータ114を回転駆動する駆動回路113、ステッピングモータによって構成されクロノグラフ針(例えばクロノ分針、クロノ秒針)を回転駆動するクロノ表示モータ114、処理部108が実行するソフトウェアを記憶する制御ソフトウェア記憶部115、設定情報や計時情報あるいはクロノグラフ計測情報等の各種情報を記憶する記憶部116を備えている。
【0012】
ここで、スタートスイッチ101及びストップ/リセットスイッチ102は操作手段を構成している。発振器106、分周回路107及び処理部108は時刻を計時する計時手段やクロノ計測を行うクロノグラフ計測手段を構成している。駆動回路109は時刻表示モータ駆動手段を構成している。駆動回路113はクロノ表示モータ駆動手段を構成している。磁界検出タイミング発生手段103、時刻駆動タイミング発生手段104、クロノ駆動タイミング発生手段105及び処理部108は制御手段を構成している。また、制御ソフトウェア記憶部115及び記憶部116は記憶手段を構成している。
【0013】
前記操作手段はクロノグラフ計測動作のスタート操作、ストップ操作及びリセット操作を行うことができ、制御手段は前記操作手段による操作に対応する処理を行うように各構成要素を制御することができる。
前記時刻表示モータ駆動手段は、通常時は通常駆動パルスP1によって時刻表示モータ110を駆動し、回転検出手段111が、時刻表示モータ110が非回転であることを検出した場合や、時刻表示モータ駆動中以外に磁界検出手段が外部磁界を検出した場合に、通常駆動パルスP1よりも電力実効値の大きい補正駆動パルスP2によって時刻表示モータ110を強制的に回転駆動することができる。
前記クロノ表示モータ駆動手段は、回転検出手段を不使用とするために電力実効値の高い駆動パルスによってクロノ表示モータ114を駆動する。
【0014】
前記制御手段は、前記計時手段が計時した計時情報、前記クロノ計測手段が計測したクロノグラフ計測情報に各々基づいて所定タイミングで時刻表示モータ110、クロノ表示モータ114を駆動するように前記時刻表示モータ駆動手段およびクロノ表示モータ駆動手段を制御すると共に所定タイミングで磁界検出手段112が磁界を検出するように制御することができ、又、クロノ表示モータ110の駆動タイミングと磁界検出手段112の磁界検出タイミングが重なった場合、クロノ表示モータ114の駆動タイミングと磁界検出手段112の磁界検出タイミングが重ならないように制御することができる。
【0015】
また、前記制御手段は、クロノ表示モータ114の駆動タイミングと磁界検出手段112の磁界検出タイミングが重なった場合、クロノ表示モータ114の駆動タイミングと磁界検出手段112の磁界検出タイミングが重ならないように磁界検出手段112の磁界検出タイミングを変更することができる。
また、前記制御手段は、クロノ表示モータ114の最初の駆動タイミングと磁界検出手段112の磁界検出タイミングが重なった場合、磁界検出は行わないように磁界検出手段112を制御すると共に、磁界検出タイミングに対応する通常駆動パルスP1に代えて前記通常駆動パルスP1よりも電力実効値の大きい補正駆動パルスP2によって時刻表示モータ110を駆動するように前記時刻表示モータ駆動手段を制御することができる。
【0016】
図2及び図3は本発明の実施の形態に係るクロノグラフ時計のタイミング図で、図2は通常運針状態におけるタイミング図、図3は磁界検出タイミングとクロノ表示モータ114の駆動タイミングが重なったときのタイミング図である。
通常時、磁界検出タイミング発生手段103は所定周期で磁界検出タイミング信号a1、a2、a3、・・・を発生し(図2(1))、時刻駆動タイミング発生手段104は各磁界検出タイミングa1、a2、a3、・・・から磁界検出期間Tをおいて時刻駆動タイミング信号b1、b2、b3、・・を発生する(図2(2))。
先ず、磁界検出期間Tとクロノ駆動パルスP3が重ならない場合の動作を図2に沿って説明する。
【0017】
通常時、処理部108は、各主駆動パルスP1による駆動の前に磁界検出を行うように制御する。即ち、処理部108は、前記各磁界検出タイミング信号a1、a2、a3、・・・に同期して、所定の磁界検出期間Tにおいて磁界を検出するように磁界検出手段112を制御する(図2(3))。磁界検出手段112は処理部108の制御に応答して磁界検出期間T内において、時刻表示モータ110が駆動されていない状態で、外部磁界により時刻表示モータ110の駆動コイルに生じる電流が所定の基準値を超えるか否かを検出する。
【0018】
処理部108は、前記基準値を超える電流が時刻表示モータ110に流れていることを磁界検出手段112が検出した場合、時刻表示モータ110の駆動に影響を与える外部磁界が存在すると判定する。処理部108は、前記基準値を超える電流が時刻表示モータ110に流れていないことを磁界検出手段112が検出した場合、時刻表示モータ110の駆動に影響を与える外部磁界が存在しないと判定する。
【0019】
処理部108は、磁界検出期間Tにおいて、時刻表示モータ110の駆動に影響を与える外部磁界が存在しないと判定すると、時刻駆動タイミング信号b1、b2、b3、・・・に同期して、通常駆動パルスP1によって時刻表示モータ110を駆動するように駆動回路109を制御する(図2(3))。駆動回路109は処理部108の制御に応答して主駆動パルスP1によって時刻表示モータ110を回転駆動する。これにより、時刻針によって現在時刻が随時表示される。回転検出手段111が前記駆動によって時刻表示モータは回転しなかったことを検出した場合、処理部108は補正駆動パルスP2によって駆動するように駆動回路109を制御する(図2(3))。駆動回路109は処理部108の制御に応答して補正駆動パルスP2によって強制的に時刻表示モータ110を回転駆動する。これにより、時刻表示モータ110が回転し、時刻針が適正に運針される。
【0020】
処理部108は、磁界検出期間Tにおいて、時刻表示モータ110の駆動に影響を与える外部磁界が存在すると判定すると、時刻駆動タイミング信号b1、b2、b3、・・・に同期して、通常駆動パルスP1よりも電力実効値の大きい所定の駆動パルス(固定駆動パルス)によって時刻表示モータ110を駆動するように駆動回路109を制御する(図2(3))。駆動回路109は処理部108の制御に応答して前記固定駆動パルスによって時刻表示モータ110を回転駆動する。これにより、外部磁界が存在する場合でも時刻針を正確に運針させることができる。尚、前記固定駆動パルスは、補正駆動パルスより電力実効値の小さい駆動パルスでもよく又、補正駆動パルスP2を使用してもよい。
【0021】
スタート/ストップスイッチ101の操作によってクロノ計測機能がスタート操作された場合、図2の例では、前記スタート操作に応答してクロノ駆動タイミング発生手段105が、補正駆動パルスP2の駆動後に、所定周期でクロノ駆動タイミング信号(図示せず)を発生する。処理部108は前記クロノ駆動タイミング信号に同期して、クロノグラフ針を回転検出や磁界検出を必要としないための電力実効値の大きいクロノ駆動パルスP3によってクロノ表示モータ114を駆動するように駆動回路113を制御する(図2(4))。
【0022】
駆動回路113は処理部108の制御に応答して、クロノ駆動パルスP3によってクロノ表示モータ114を回転駆動する。これにより、クロノグラフ針が適正に運針される。スタート/ストップスイッチ101をストップ操作すると、処理部108はこれに応答してクロノ表示モータ114の駆動を停止するように駆動回路113を制御する。ことにより、クロノグラフ計測動作が停止し、クロノグラフ計測結果がクロノグラフ針によって表示される。リセットスイッチ102をリセット操作すると、処理部108は記憶部116に記憶したクロノ計測情報をゼロにリセットし、クロノグラフ針が帰零する。
【0023】
次に、磁界検出期間Tとクロノ駆動パルスP3が重なった場合の動作を図3に沿って説明する。
処理部108は、クロノ計測動作が行われて最初に駆動するクロノ駆動パルスP3が、磁界検出期間T(磁界検出タイミング信号a2に同期する磁界検出期間T)と重なると判定すると、磁界検出を行うことなく又主駆動パルスP1による駆動を行うことなく、直ちに補正駆動パルスP2(時刻駆動タイミング信号b2に同期する補正駆動パルスP2)によって駆動するように駆動回路109を制御する。駆動回路109は主駆動パルスP1の駆動タイミングに同期して直ちに補正駆動パルスP2によって時刻表示モータ110を駆動し、時刻針の運針が行われる。また、駆動回路113は前記クロノ駆動パルスP3によってクロノ表示モータ114を駆動し、クロノグラフ針の運針が行われる。
【0024】
これにより、磁界検出期間Tとクロノ駆動パルスP3が重なった最初の時刻表示モータ駆動の場合、磁界検出を省略して、補正駆動パルスP2によって回転駆動することにより、仮に外部磁界が存在する場合でも、補正駆動パルスP2を使用することによって確実に回転駆動することが可能になる。これにより、時刻表示モータの駆動タイミングのズレを防止することができる。
【0025】
処理部108は、次回以降の駆動サイクルでは磁界検出期間Tがクロノ駆動パルスP3と重ならないように制御する。図3の例では、処理部108は、磁界検出期間Tとクロノ駆動パルスP3が重ならないように磁界検出タイミング信号a3の発生タイミングを変えている。即ち、処理部108は、磁界検出期間Tをクロノ駆動パルスP3よりも前にずらして重ならないようにしている。
処理部103は、新たな磁界検出区間において、時刻表示モータ110が駆動されていない状態で、図2と同様に、磁界検出手段112に外部磁界の検出を行わせ、外部磁界が存在しないと判定した場合には主駆動パルスP1による駆動を行い、外部磁界が存在すると判定した場合には主駆動パルスP1よりも電力実効値の大きい固定駆動パルスによる駆動を行う。これにより、磁界検出タイミングとクロノ駆動パルスP3のタイミングが重なってしまった場合の2回目以降のタイミングにおいて、重なりを防止することによって時刻駆動パルスを補正駆動パルスP2から適切な主駆動パルスP1に変更すること可能になり、無駄な電力消費を防止することができる。
【0026】
図4及び図5は本発明の実施の形態に係るクロノグラフ時計のフローチャートで、主として処理部108が制御ソフトウェア記憶部115に記憶した制御ソフトウェアを実行することによって行われる処理を示している。
以下、図1〜図3を参照しつつ、図4及び図5に沿って、本発明の実施の形態に係るクロノグラフ時計の動作を説明する。
処理部108は、スタートスイッチ101が操作されたと判定すると(ステップS401)、クロノ計測動作が現在行われていない場合にはクロノ計測動作をスタートした後にステップS403に移行し、クロノ計測動作が現在行われていると判定した場合には直ちにステップS403に移行する(ステップS405、S406)。
【0027】
処理部108は、ステップS401においてスタートスイッチ101が操作されていないと判定した場合、ストップ/リセットスイッチ102が操作されたと判定したときには(ステップS402)、クロノ計測動作が現在行われていなければクロノグラフ針を帰零し、クロノ秒を計測するクロノ秒カウンタ(図示せず)を初期化してステップS403に移行する(ステップS407、S409、S410)。処理部108は、ステップS407において現在クロノ計測動作が行われていると判定した場合、クロノ計測動作を停止してステップS403に移行する(ステップS408)。
【0028】
次に、処理部108は、時刻駆動タイミング発生手段104からの時刻駆動タイミング信号に基づいて時刻駆動タイミングが発生したと判定すると(ステップS403)、駆動回路109を制御して時刻表示モータ110を駆動し、ステップS404へ移行する(ステップS411)。
処理部108は、ステップS403において時刻駆動タイミング発生手段104からの時刻駆動タイミング信号に基づいて時刻駆動タイミングが発生していないと判定した場合、クロノ駆動タイミング発生手段105からのクロノ駆動タイミング信号に基づいてクロノ駆動タイミングが発生したと判定すると(ステップS404)、駆動回路113を制御してクロノ表示モータ114を駆動して、ステップS413に移行する(ステップS412)。
【0029】
処理部108は、ステップS404においてクロノ駆動タイミングが発生していないと判定した場合、磁界検出期間T中か否かを判定する(ステップS413)。
処理部108は、ステップS413において磁界検出期間T中と判定した場合、クロノ駆動期間中のときには補正駆動パルスP2によって強制的に回転駆動するように駆動回路109を制御し(ステップS416、S418)、磁界検出タイミング発生手段103の以後の磁界検出タイミングを変更するように制御した後、ステップS414に移行する(ステップS419)。
【0030】
処理部108は、ステップS416においてクロノ駆動期間中ではないと判定した場合、磁界検出手段112によって磁界検出するように制御した後、ステップS414に移行する(ステップS417)。
処理部108は、ステップS414において時刻駆動期間中と判定した場合、時刻駆動タイミング発生手段104からの時刻駆動タイミング信号に同期して、時刻駆動用の主駆動パルスP1によって時刻表示モータ110を回転駆動するように駆動回路109を制御した後、ステップS415に移行する(ステップS420)。
【0031】
処理部108は、ステップS414において時刻駆動期間中ではないと判定した場合、クロノ駆動期間中と判定したときは(ステップS415)、クロノ駆動タイミング発生手段105からのクロノ駆動タイミング信号に同期してクロノ表示モータ114を駆動するように駆動回路113を制御した後、ステップS401に戻り(ステップS421)、クロノ期間中ではないと判定したときは直ちにステップS401に戻る。
【0032】
以上述べたように、本発明の実施の形態に係るクロノグラフ時計によれば、処理部108は、計時した計時情報、計測したクロノ計測情報に各々基づいて所定タイミングで時刻表示モータ110、クロノ表示モータ114を駆動するように駆動回路109、113を制御すると共に所定タイミングで磁界検出手段112が磁界を検出するように制御し、クロノ表示モータ114の駆動タイミングと磁界検出手段112の磁界検出タイミングが重なった場合、クロノ表示モータ114の駆動タイミングと磁界検出手段112の磁界検出タイミングが重ならないようにしている。
また、処理部108は、クロノ表示モータ114の駆動タイミングと磁界検出手段112の磁界検出タイミングが重なった場合、クロノ表示モータ114の駆動タイミングと磁界検出手段112の磁界検出タイミングが重ならないように磁界検出手段112の磁界検出タイミングを変更するようにしている。
【0033】
したがって、クロノ駆動タイミングと磁界検出タイミングが重なって不必要に補正駆動パルスによって駆動されるのを防止することが可能になる。
また、クロノグラフ機能動作時に、クロノ駆動パルスと磁界検出動作が重なった場合でも、時刻表示モータ駆動タイミングのずれをなくすことができる。
また、クロノ駆動タイミングと磁界検出タイミングが重なった場合に単に磁界検出タイミングを遅らせるようにはしていないため、その後の時刻駆動パルスの出力タイミングが遅延されることがない。
また、クロノ駆動タイミングによる磁界の誤検出及び時刻モータ運針タイミングのズレを軽減することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
外部磁界の影響を考慮して計時動作を行うクロノグラフ時計に適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
101・・・スタートスイッチ
102・・・ストップ/リセットスイッチ
103・・・磁界検出タイミング発生手段
104・・・時刻駆動タイミング発生手段
105・・・クロノ駆動タイミング発生手段
106・・・発振器
107・・分周回路
108・・・処理部
109、113・・・駆動回路
110・・・時刻表示モータ
111・・・回転検出手段
112・・・磁界検出手段
114・・・クロノ表示モータ
115・・・制御ソフトウェア記憶部
116・・・記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻針を駆動する時刻表示モータと、クロノグラフ針を駆動するクロノ表示モータと、磁界を検出する磁界検出手段と、時刻を計時する計時手段と、クロノ計測を行うクロノ計測手段と、前記クロノ表示モータを駆動すると共に、通常時は通常駆動パルスによって前記時刻表示モータを駆動するモータ駆動手段と、前記計時手段が計時した計時情報、前記クロノ計測手段が計測したクロノ計測情報に各々基づいて所定タイミングで前記時刻表示モータ、クロノ表示モータを駆動するように前記モータ駆動手段を制御すると共に所定タイミングで前記磁界検出手段が磁界を検出するように制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記クロノ表示モータの駆動タイミングと前記磁界検出手段の磁界検出タイミングが重なった場合、前記クロノ表示モータの駆動タイミングと磁界検出手段の磁界検出タイミングが重ならないように制御することを特徴とするクロノグラフ時計。
【請求項2】
前記制御手段は、前記クロノ表示モータの駆動タイミングと前記磁界検出手段の磁界検出タイミングが重なった場合、前記クロノ表示モータの駆動タイミングと前記磁界検出手段の磁界検出タイミングが重ならないように前記磁界検出手段の磁界検出タイミングを変更することを特徴とする請求項1記載のクロノグラフ時計。
【請求項3】
前記制御手段は、前記磁界検出手段は、前記時刻表示モータの駆動タイミングを変更することのないタイミングに磁界検出タイミングを変更することを特徴とする請求項2記載のクロノグラフ時計。
【請求項4】
前記制御手段は、前記クロノ表示モータの最初の駆動タイミングと前記磁界検出手段の磁界検出タイミングが重なった場合、磁界検出は行わないように前記磁界検出手段を制御すると共に、前記磁界検出タイミングに対応する通常駆動パルスに代えて前記通常駆動パルスよりも電力実効値の大きい補正駆動パルスによって前記時刻表示モータを駆動するように前記モータ駆動手段を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1つに記載のクロノグラフ時計。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate