説明

ケラバ包み板の取付け構造、ケラバ包み板支持金具、およびケラバ包み板の取付け方法

【課題】 現場施工ではケラバ包み板支持金具の屋根板支持部材への取付け工程を省略でき、作業性の向上を図る。
【解決手段】 予め屋根板支持部材3に取付けられるケラバ包み板支持金具6が、取付部61と、該取付部61の上端から内方へ延設されて屋根板支持部材3との間に内方及び棟軒方向に開放する空隙部10を形成するとともにケラバ包み板5の屋根板覆い部の内側を受止め支持する上面部63とを備え、前記空隙部10は折版屋根板4の山頂部42及び接合端部43の嵌め込みを許容する寸法に設定している。上面部63には折版屋根板4の山頂部42及び接合端部43が空隙部10から抜出るのを規制する係止爪64を下向きに折曲げ可能に設けており、現場施工で係止爪64を接合端部43より内方側に延出するよう下向きに折り曲げ、ケラバ包み板5の屋根板覆い部を上面部63に締結部材9で固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切妻屋根における折版屋根板の端を覆うケラバ包み板の取付け構造、ケラバ包み板支持金具、およびケラバ包み板の取付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、切妻屋根において折版屋根板の端をケラバ包み板で覆うに際し、ケラバ包み板の折版屋根板覆い側端部を折版屋根板と共にタイトフレームなど屋根板支持部材にセルフドリルビスで締結固定するというケラバ包み板の取付け構造がある。
しかし、このケラバ包み板の取付け構造では、折版屋根板にセルフドリルビスにより締結穴があけられるため、漏水等の恐れがあり、また温度変化による熱伸縮が異なる折版屋根板とケラバ包み板とを一緒にしてセルフドリルビスで締結固定しているため、経年において熱伸縮に伴いセルフドリルビスの通された折版屋根板の締結穴が大きく変形したり、セルフドリルビスの締付けが緩んだりして当該箇所に雨水が浸入する問題が生じる。
【0003】
このような問題を解決するために、先に本出願人により図9に示すようなケラバ包み板の取付け構造を提案した(特許文献1参照。)。このケラバ包み板の取付け構造(前出の文献1では「ケラバ納め構造」という。)は、折版屋根板に締結穴をあけることなく、ケラバ包み板を支持できて雨仕舞を良好にするというものである。すなわち、ケラバ包み板支持金具30を用意し、このケラバ包み板支持金具30をタイトフレーム31にボルト・ナット32で締結固定し、ケラバ包み板33の内側部331はケラバ包み板支持金具30に締結部材34で固定するというものである。そのケラバ包み板支持金具30は、ボルト・ナット32によってタイトフレーム31に固定される取付部301と、その取付部301の内端から上方に立ち上がった外面部302と、その外面部302の上端から内方へ折曲された上面部303と、その上面部303の内端から下方へ折曲されてケラバ包み板33の内側部331に固定される内面部304と、その内面部304の下端から外方へ折曲されて折版屋根板35の山部351に形成されたくびれ部352に係止される係止部305により構成されている。
これによれば、ケラバ包み板33の取付けに際し折版屋根板35にセルフドリルビスなど締結部材で締結固定せず、折版屋根板35に締結穴があけられないので、雨仕舞が良好となる。
【0004】
【特許文献1】特開平08−42075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、図9に示される上記ケラバ包み板の取付け構造では、折版屋根板35の端がケラバ包み板33とタイトフレーム31との間から抜け出ないようにするために、折版屋根板35の端の山部351の山頂部がケラバ包み板支持金具30の係止部305とタイトフレーム31との間で挟まれるようにしてある。そのため、ケラバ包み板33の取付けに際しては、現場施工で、先ず、折版屋根板35の端の山部351をタイトフレーム31の上に重ね、しかる後、ケラバ包み板支持金具30をタイトフレーム31にボルト・ナット32で締結固定し、最後にケラバ包み板33をケラバ包み板支持金具30の内面部304に締結部材34で固定するという手順で作業が行われている。
しかしながら、現場でケラバ包み板支持金具30を一個ずつタイトフレーム31にボルト・ナット32で締結固定する作業は厄介であり、ひとつの屋根葺きで使用されるケラバ包み板支持金具30の個数は非常に多いため、作業能率低下の大きな原因になっていた。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決する為になされたものであり、その目的とするところは、上記のような、ケラバ包み板支持金具を使用するケラバ包み板の取付け構造において、ケラバ包み板支持金具に更に改良を加えることにより予め工場等でケラバ包み板支持金具をタイトフレームなど屋根板支持部材に取付けておくことを可能にし、もって現場施工ではケラバ包み板支持金具の屋根板支持部材への取付け工程を省略でき、作業性の向上を図れる、ケラバ包み板の取付け構造、ケラバ包み板支持金具、およびケラバ包み板の取付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のケラバ包み板の取付け構造は、梁や二重葺屋根の下葺屋根など下地材の上に固定されたタイトフレームや断熱金具など屋根板支持部材に支持される折版屋根板の端の山頂部と該山頂部に起立した接合端部を、ケラバ包み板で覆い、前記ケラバ包み板の、前記山頂部及び接合端部を覆う屋根板覆い部が、前記屋根板支持部材に取付けられたケラバ包み板支持金具に締結部材で固定されているケラバ包み板の取付け構造において、前記ケラバ包み板支持金具が、前記屋根板支持部材に取付けられる取付部と、該取付部の上端から内方へ延設されて前記屋根板支持部材との間に内方及び棟軒方向に開放する空隙部を形成するとともに前記ケラバ包み板の屋根板覆い部の内側を受止め支持する上面部とを備え、前記空隙部は前記山頂部及び接合端部の嵌め込みを許容する寸法に設定してあり、前記上面部の前記締結部材により固定される部位とは異なる箇所に、係止爪を下向きに折曲げ可能に設けており、この係止爪を前記接合端部より内方側に延出するよう下向きに折り曲げていることに特徴を有するものである。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のケラバ包み板支持金具は、下地材の上に固定されて折版屋根板を支持する屋根板支持部材に取付けられてケラバ包み板を内側から支持するためのケラバ包み板支持金具であって、締結部材により前記屋根板支持部材に取付けられる取付部と、該取付部の上端から内方へ延設されて前記ケラバ包み板の屋根板覆い部の内側を受止め支持する上面部と、該上面部に下向きに折曲げ可能に設けられた係止爪とを備えていることに特徴を有するものである。
この場合において、前記ケラバ包み板支持金具は前記屋根板支持部材に屋根勾配に対応するよう締結部材で回動・固定可能に取付けることができる。また、前記係止爪の先端にはリップを付けることができる。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のケラバ包み板の取付け方法は、梁や二重葺屋根の下葺屋根など下地材の上にタイトフレームや断熱金具など屋根板支持部材が固定され、該屋根板支持部材に支持される折版屋根板の端の山頂部と該山頂部に起立した接合端部を、ケラバ包み板で覆うケラバ包み板の取付け方法において、前記屋根板支持部材に取付けられる取付部と、該取付部の上端から内方へ延設されて前記屋根板支持部材との間に内方及び棟軒方向に開放する空隙部を形成するとともに前記ケラバ包み板の屋根板覆い部の内側を受止め支持する上面部と、該上面部に折曲げ可能な係止爪とを備えるケラバ包み板支持金具を用意し、前記ケラバ包み板支持金具は前記取付部を前記屋根板支持部材に予め取付けておき、この屋根板支持部材を前記下地材の上に固定し、前記折版屋根板を葺くと同時に前記山頂部及び接合端部を前記ケラバ包み板支持金具の上面部と前記屋根板支持部材との間の前記空隙部に嵌め込み、次いで、前記係止爪を前記接合端部より内方側に延出するよう下向きに折り曲げ、次いで、ケラバ包み板で前記折版屋根板の前記山頂部及び接合端部を覆い、次いで、前記ケラバ包み板の前記山頂部及び接合端部を覆う屋根板覆い部を、前記ケラバ包み板支持金具の上面部における前記係止爪とは異なる部位に締結部材で固定することに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ケラバ包み板支持金具は、ケラバ包み板の屋根板覆い部の内側を受止め支持する上面部を、屋根板支持部材に取付けられる取付部の上端から内方へ延設して屋根板支持部材との間で空隙部を形成するよう設け、これの上面部に係止爪を下向きに折曲げ可能に設けているため、予め工場等でケラバ包み板支持金具を屋根板支持部材に取付けておいても、現場施工では折版屋根板の山頂部及び接合端部を前記空隙部に嵌め込むことができ、この嵌め込み後前記係止爪をハンマー等で叩いて下向きに折り曲げることにより折版屋根板の山頂部及び接合端部が前記空隙部から抜け出ないように納めることができる。したがって、予め工場等でケラバ包み板支持金具を屋根板支持部材に取付けておくことを可能にし、もって現場施工ではケラバ包み板支持金具の屋根板支持部材への取付け工程を省略でき、係止爪をハンマー等で叩いて折り曲げるだけの簡単な作業で足り、現場作業性を著しく向上できる。
【0011】
尤も、ケラバ包み板の取付けに際し折版屋根板にセルフドリルビスなど締結部材で締結固定せず、折版屋根板に締結穴があけられないので、前述した従来のケラバ包み板の取付け構造の場合と同様に、雨仕舞が良好となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の好適な実施形態を図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施例を示すケラバ包み板の取付け構造の断面図、図2は図1のケラバ包み板の取付け構造の要部拡大断面図、図3は図1のケラバ包み板の取付け構造に用いるケラバ包み板支持金具の斜視図である。
【0013】
図1において、1は梁など下地材、2はサイディングなど外壁材、3は下地材1の上に溶接等により固定されたタイトフレームなど屋根板支持部材、4は切妻屋根の馳締めタイプの金属製の折版屋根板、5は折版屋根板4の端を覆う金属製のケラバ包み板、6はケラバ包み板5を屋根板支持部材3上で支持するケラバ包み板支持金具である。
【0014】
上記折版屋根板4は棟軒方向に長い山部と谷部を交互に形成し、これの両端(図1では一端のみを示す。)の山部41の山頂部42に、隣接する折版屋根板4,4同士を馳締めにより接合するための接合端部(馳部)43を起立させている。
【0015】
上記ケラバ包み板5は、図1に示すように、その下端を外壁材2の上端部にセルフドリルビスなど締結部材7で固定される外側部51と、その外側部51の上端で折曲されて内方に延びる天板部52と、その天板部52の内端で折曲されて下方に延び、かつその下端53aが折版屋根板4に密接する内側部53とを有する形に形成され、天板部52及び内側部53により屋根板覆い部を構成する。
【0016】
ケラバ包み板5を支持するケラバ包み板支持金具6は、図2、図3に示すように、ボルト・ナットなど締結部材8によって屋根板支持部材3に回動・固定可能に取付けられるボルト孔61a付き取付部61と、その取付部61の上端から一旦外方へ曲げられた後さらに上方へ曲げられて形成される外面部62と、その外面部62の上端で折曲されて内方に延びてケラバ包み板5の天板部52の内側を受止め支持し該天板部52にセルフドリルビスなど締結部材9で固定される上面部63と、その上面部63の内端に切欠部63aを設けることにより図3中、破線Pで示すように下向きに折曲げ可能に形成された係止爪64とを有する形に形成されている。図3に例示するケラバ包み板支持金具6では補強リブ65が設けられている。また係止爪64が上面部63の両端に2個設けられているが、図4(a)に示すように、そのいずれか1個だけ設けるものであってもよい。また、図4(a)に示すように、上面部63の内端にリップ63bを、また係止爪64の先端にリップ64aをそれぞれ付けることもできる。なお、ケラバ包み板支持金具6としては、上記外面部62は必ずしも必要とするものではなく、図4(b)に示すように、取付部61と、この取付部61の上端から内方へ延びた上面部63とを有する形に形成し、その上面部63に係止爪64を設けるものであってもよい。
【0017】
このケラバ包み板支持金具6は、予め、工場等で屋根板支持部材3に取付部61を締結部材8によって取付けておく。その際、ケラバ包み板支持金具6はケラバ包み板支持金具6の上面部62と屋根板支持部材3の上端との間に内方及び棟軒方向に開放する空隙部10を形成するよう取付けられる。その空隙部10は折版屋根板4の山頂部42及び接合端部43の嵌め込みを許容する寸法に設定してある。
【0018】
次に、ケラバ包み板5を取付ける施工要領について説明する。
【0019】
予めケラバ包み板支持金具6を取付けてある屋根板支持部材3を下地材1の上に溶接やボルト等で固定し、かつ、外壁材2を建て込むとともに、屋根板支持部材3の上に折版屋根板4を載せる。その際、折版屋根板4の端の山頂部42及び接合端部43を、ケラバ包み板支持金具6の上面部62と屋根板支持部材3の上端との間の空隙部10に嵌め込む。この嵌め込み後、ハンマー等でケラバ包み板支持金具6の係止爪64を叩いて下向きに折り曲げて該係止爪64を接合端部43より内方側に延出させる。これにより折版屋根板4の山頂部42及び接合端部43が空隙部10から抜け出ようとしても接合端部43が係止爪64に係止されるためその抜け出しを防止できる納まり状態を得ることができる。
この場合、ケラバ包み板支持金具6が図4(a)のように係止爪64にリップ64aを付けておくと、係止爪64を補強できるとともに、そのリップ64aにより接合端部43に対する係止作用を確実にしてその抜出し防止をより確実なものにすることができる。
【0020】
かくして、ケラバ包み板5をケラバ包み板支持金具6の上に載せ、その外側部51の下端部を、セルフドリルビスなど締結部材7で外壁材2の上端側又は下地材1に締結固定するとともに、その天板部52を、ケラバ包み板支持金具6の上面部63における係止爪64より内方部位にセルフドリルビスなど締結部材9で締結固定することによりケラバ包み板5の取付けを完了する。かかる現場施工ではケラバ包み板支持金具6を屋根板支持部材3に取付ける作業が不要となり、係止爪64をハンマー等で叩いて折り曲げるだけの簡単な作業で能率よく行える。なお、ケラバ包み板支持金具6は屋根板支持部材3に対し屋根勾配に対応すべく締結部材8回りに回動させ、所定角度で締結部材8を締付けることにより固定することができる。
【0021】
図5、図6は他の実施例を示しており、この実施例は、馳締めタイプの下葺きの折版屋根板11の上に、同じく馳締めタイプの上葺きの折版屋根板4を葺いた二重葺折板屋根に適用したものである。この実施例では、下葺きの折版屋根板11が下地材1となり、その下葺きの折版屋根板11の端の山頂部111から起立する接合端部112の上に上葺きの折版屋根板4の端の山頂部42及び接合端部43を支持する断熱金具12が屋根板支持部材3となる。
【0022】
その屋根板支持部材3を構成する断熱金具12は、タイトフレーム13で支持される下葺きの折版屋根板11の端の山頂部111の上、及びタイトフレーム13の上にそれぞれセルフドリルビスなど第1締結部材14で固定される下端部同士間で下葺きの折版屋根板11の接合端部112を挟持する一対の固定部材121,121と、その固定部材121,121の中間部同士を締付けるボルト・ナットなど第2締結部材15と、その固定部材121,121の上端部同士間に挟持される樹脂製の断熱部材122,122と、その固定部材121,121の上端部同士を断熱部材122,122を挟んで締付けるボルト・ナットなど第3締結部材16とを備える。この断熱金具12は断熱部材122を備えることにより上葺きの折版屋根板4の熱が下葺きの折版屋根板11に伝導するのを遮断する。
【0023】
このような断熱金具12からなる屋根板支持部材3にも、予め、上記実施例と同様なケラバ包み板支持金具6の取付部61を断熱部材122間に挟持して第3締結部材16で締結固定することにより取付けておくと、上記実施例の場合と同様にケラバ包み板5を現場施工で簡単に能率よく取付けることができる。
【0024】
図7は、図5,図6に示す実施例の場合と同様に二重葺折板屋根に適用できる実施例であるが、この実施例では屋根板支持部材3として上記断熱金具12に代えて、スライド型断熱金具17を用いるものであり、そのほかの構成は図5に示す実施例のものと同様である。
スライド型断熱金具17は、タイトフレーム13で支持される下葺きの折版屋根板11の端の山頂部111の上、およびタイトフレーム13の上にそれぞれセルフドリルビスなど第1締結部材18で固定され、下端部同士間で下葺きの折版屋根板11の端の接合端部112を挟持する1対の固定部材171,171と、この固定部材171,171の上端部同士を締付けるボルト・ナットなど第2締結部材19と、固定部材171,171の上端部同士間で挟持される断面T字形状の樹脂製の断熱部材172と、断熱部材172の上部に一体形成されたレール部172aを挟持し、該レール部172aに沿って棟軒方向に摺動自在な1対の摺動部材173,173と、この摺動部材173,173の上端部173a,173a間で挟持されるケラバ包み板支持金具6の取付部61を締付け固定するボルト・ナット等による第3締結部材20とを備える。
【0025】
このようなスライド型断熱金具17からなる屋根板支持部材3にも、予め、上記実施例の場合と同様なケラバ包み板支持金具6の取付部61を、摺動部材173,173間に挟持して第3締結部材20で締結固定することにより一体的に取付けておくと、上記実施例の場合と同様にケラバ包み板5を現場施工で簡単に能率よく取付けることができる。
また、屋根板支持部材3上で棟軒方向に摺動自在な摺動部材173に一体的に取付けたケラバ包み板支持金具6に、ケラバ包み板5を取付けておくと、温度変化によりケラバ包み板5が熱伸縮すると、ケラバ包み板5の伸縮に追随してケラバ包み板支持金具6及び摺動部材173が断熱部材172のレール部172a上を棟軒方向に摺動する。この摺動により、ケラバ包み板5に内部応力が発生し難く、音鳴りの発生を防止できる。
【0026】
屋根板支持部材3としては、図1に示すごときタイトフレーム3や図6に示すごとき断熱金具12、及び図7に示すごときスライド型断熱金具17などの構造、形状に限られず、その他の各種形状のタイトフレーム、例えば図8に示すような独立タイプのタイトフレーム21などにも同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施例を示すケラバ包み板の取付け構造の断面図である。
【図2】図1のケラバ包み板の取付け構造の要部拡大断面図である。
【図3】図1のケラバ包み板の取付け構造に用いるケラバ包み板支持金具の斜視図である。
【図4】(a)はケラバ包み板支持金具の他の変形例を示す斜視図、(b)はケラバ包み板支持金具の更に他の変形例を示す側面図である。
【図5】他の実施例のケラバ包み板の取付け構造を図1に対応して示す断面図である。
【図6】図5のケラバ包み板の取付け構造に用いるケラバ包み板支持金具を取付けた屋根板支持部材の正面図である。
【図7】屋根板支持部材の更に他の実施例を図6に対応して示す正面図である。
【図8】屋根板支持部材の更に又、他の実施例を図6に対応して示す正面図である。
【図9】従来例のケラバ包み板の取付け構造の断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 下地材
3 屋根板支持部材
4 折版屋根板
41 山部
42 山頂部
43 接合端部
5 ケラバ包み板
6 ケラバ包み板支持金具
61 取付部
62 外面部
63 上面部
64 係止爪
64a リップ
9 締結部材
10 空隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地材の上に固定された屋根板支持部材に支持される折版屋根板の端の山頂部と該山頂部に起立した接合端部を、ケラバ包み板で覆い、前記ケラバ包み板の、前記山頂部及び接合端部を覆う屋根板覆い部が、前記屋根板支持部材に取付けられたケラバ包み板支持金具に締結部材で固定されているケラバ包み板の取付け構造において、
前記ケラバ包み板支持金具が、前記屋根板支持部材に取付けられる取付部と、該取付部の上端から内方へ延設されて前記屋根板支持部材との間に内方及び棟軒方向に開放する空隙部を形成するとともに前記ケラバ包み板の屋根板覆い部の内側を受止め支持する上面部とを備え、前記空隙部は前記山頂部及び接合端部の嵌め込みを許容する寸法に設定してあり、前記上面部の前記締結部材により固定される部位とは異なる箇所に、係止爪を下向きに折曲げ可能に設けており、この係止爪を前記接合端部より内方側に延出するよう下向きに折り曲げていることを特徴とする、ケラバ包み板の取付け構造。
【請求項2】
下地材の上に固定されて折版屋根板を支持する屋根板支持部材に取付けられてケラバ包み板を内側から支持するためのケラバ包み板支持金具であって、締結部材により前記屋根板支持部材に取付けられる取付部と、該取付部の上端から内方へ延設されて前記ケラバ包み板の屋根板覆い部の内側を受止め支持する上面部と、該上面部に下向きに折曲げ可能に設けられた係止爪とを備えていることを特徴とする、ケラバ包み板支持金具。
【請求項3】
前記ケラバ包み板支持金具が前記屋根板支持部材に屋根勾配に対応するよう締結部材で回動・固定可能に取付けられている、請求項2記載のケラバ包み板支持金具。
【請求項4】
前記係止爪の先端にリップを付けている、請求項2又は3記載のケラバ包み板支持金具。
【請求項5】
下地材の上に屋根板支持部材が固定され、該屋根板支持部材に支持される折版屋根板の端の山頂部と該山頂部に起立した接合端部を、ケラバ包み板で覆うケラバ包み板の取付け方法において、
前記屋根板支持部材に取付けられる取付部と、該取付部の上端から内方へ延設されて前記屋根板支持部材との間に内方及び棟軒方向に開放する空隙部を形成するとともに前記ケラバ包み板の屋根板覆い部の内側を受止め支持する上面部と、該上面部に折曲げ可能な係止爪とを備えるケラバ包み板支持金具を用意し、
前記ケラバ包み板支持金具は前記取付部を前記屋根板支持部材に予め取付けておき、この屋根板支持部材を前記下地材の上に固定し、
前記折版屋根板を葺くと同時に前記山頂部及び接合端部を前記ケラバ包み板支持金具の上面部と前記屋根板支持部材との間の前記空隙部に嵌め込み、
次いで、前記係止爪を前記接合端部より内方側に延出するよう下向きに折り曲げ、
次いで、ケラバ包み板で前記折版屋根板の前記山頂部及び接合端部を覆い、
次いで、前記ケラバ包み板の前記山頂部及び接合端部を覆う屋根板覆い部を、前記ケラバ包み板支持金具の上面部における前記係止爪とは異なる部位に締結部材で固定することを特徴とする、ケラバ包み板の取付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−45874(P2006−45874A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−227473(P2004−227473)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000006910)株式会社淀川製鋼所 (34)
【Fターム(参考)】