説明

コマ玩具遊戯台

【課題】コマ玩具を互いに衝突しやすくすることができ、コマ玩具を対戦させたときに興趣を増すことができるコマ玩具遊戯台を提供する。
【解決手段】コマ玩具50を回すためのすり鉢状の遊戯面11を有し、前記遊戯面11にはコマ玩具50の軌道を変化させるための凹部41が設けられており、前記凹部41は、中央に行くに従って徐々に下方に傾斜する縁部42と、前記縁部42の内側端部から上方に膨出形成された中央部43と、からなるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コマ玩具を回して遊ぶためのコマ玩具遊戯台に関し、特に、複数のコマ玩具を衝突させて遊ぶためのコマ玩具遊戯台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コマ玩具を回して遊ぶためのコマ玩具遊戯台として、複数のコマ玩具を衝突させて遊ぶためのコマ玩具遊戯台が知られている。このようなコマ玩具遊戯台は、一般的にコマ玩具を回すためのすり鉢状の遊戯面を有しており、遊戯面に放たれた複数のコマ玩具が中央部へと移動するように形成されている。そして、中央部へと移動したコマ玩具同士を衝突させ、相手のコマ玩具を倒したり、遊戯台から弾き飛ばしたりして勝負を決する。
【0003】
しかしながら、コマ玩具を回すための遊戯面を単にすり鉢状とした場合、コマ玩具の動きが一定であるため単調となってしまう。このため、コマ玩具の軌道を変化させるための工夫を凝らしたコマ玩具遊戯台も存在する。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されているコマ玩具遊戯台の発明では、遊戯台の上部に透光性を有する覆いカバーが着脱自在に設けられ、覆いカバーには磁石を保持可能な複数の凹部が形成され、コマ玩具には、磁石又は磁性体が取り付けられている。これにより、コマ玩具の軌道が磁石によって変化するようになっており、コマ玩具が思いがけない方向に動くように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3092080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記した特許文献1記載のコマ玩具遊戯台は、コマ玩具が思いがけない方向に動くものの、コマ玩具が互いに衝突させる方向に移動するわけではないため、コマ玩具の対戦が単調になることがあった。
【0007】
そこで、本発明は、コマ玩具を互いに衝突しやすくすることができ、コマ玩具を対戦させたときに興趣を増すことができるコマ玩具遊戯台を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
【0009】
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、以下の点を特徴とする。
【0010】
すなわち、請求項1に記載のコマ玩具遊戯台は、コマ玩具を回すためのすり鉢状の遊戯面を有し、前記遊戯面にはコマ玩具の軌道を変化させるための凹部が設けられており、前記凹部は、中央に行くに従って徐々に下方に傾斜する縁部と、前記縁部の内側端部から上方に膨出形成された中央部と、からなることを特徴とする。
【0011】
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、以下の点を特徴とする。
【0012】
すなわち、請求項2に記載のコマ玩具遊戯台は、コマ玩具を回すためのすり鉢状の遊戯面を有し、前記遊戯面にはコマ玩具の軌道を変化させるための凹部が設けられており、前記凹部は、周縁付近に周溝を有することを特徴とする。
【0013】
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は2記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
【0014】
すなわち、ベース部と、このベース部の内部で水平方向に回転可能なターンテーブルと、を備え、前記ベース部の上面には前記ターンテーブルの上面を露出させる開口部が設けられ、前記遊戯面は、前記ベース部の上面と前記ターンテーブルの上面とを含んで形成され、前記凹部は、前記ターンテーブルの上面に設けられていることを特徴とする。
【0015】
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項3記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
【0016】
すなわち、前記凹部は、前記ターンテーブルの回転中心に対して偏心位置に設けられていることを特徴とする。
【0017】
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項3又は4に記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
【0018】
すなわち、前記凹部は、前記ターンテーブルの回転中心を含む位置に設けられていることを特徴とする。
【0019】
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項3〜5のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
【0020】
すなわち、前記凹部の外縁に段差を設け、コマ玩具を前記凹部上で回したときに、該コマ玩具は、前記ターンテーブルの回転による遠心力で前記凹部の外縁へと付勢され、前記外縁に沿って転がり動作することを特徴とする。
【0021】
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、上記した請求項3〜6のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
【0022】
すなわち、前記ターンテーブル外周に形成された間隙を埋める突起が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、コマ玩具を回すためのすり鉢状の遊戯面にはコマ玩具の軌道を変化させるための凹部が設けられており、前記凹部は、中央に行くに従って徐々に下方に傾斜する縁部と、前記縁部の内側端部から上方に膨出形成された中央部と、からなる。このため、コマ玩具が凹部に落下したときに、縁部と中央部との間の谷部分に沿って移動させることができる。このため、コマ玩具の軌道を変化させつつも、互いに衝突しやすくすることができ、コマ玩具を対戦させたときに興趣を増すことができる。
【0024】
また、請求項2に記載の発明は上記の通りであり、コマ玩具を回すためのすり鉢状の遊戯面にはコマ玩具の軌道を変化させるための凹部が設けられており、前記凹部は、周縁付近に周溝を有する。このため、コマ玩具が凹部に落下したときに、周溝に沿って移動させることができるので、コマ玩具の軌道を変化させつつも互いに衝突しやすくすることができ、コマ玩具を対戦させたときに興趣を増すことができる。
【0025】
また、請求項3に記載の発明は上記の通りであり、前記凹部が水平方向に回転可能なターンテーブルの上面に設けられている。このため、凹部に落下したコマ玩具に遠心力を加えることができるので、この遠心力で更にコマ玩具の軌道を変化させることができ、コマ玩具の動作に変化を与えて興趣を増すことができる。
【0026】
また、請求項4に記載の発明は上記の通りであり、前記凹部は、前記ターンテーブルの回転中心に対して偏心位置に設けられている。このため、凹部に落下したコマ玩具に遠心力が加わったときに、回転中心から離れる方向へと力が加わり、ターンテーブルとの相対方向が一定となるようにコマ玩具に遠心力が加わる。このため、コマ玩具の移動方向を制御することができ、更にコマ玩具同士を衝突しやすくすることができる。
【0027】
また、請求項5に記載の発明は上記の通りであり、前記凹部は、前記ターンテーブルの回転中心を含む位置に設けられているため、ターンテーブル上のコマ玩具を容易に凹部に落下させることができる。
【0028】
また、請求項6に記載の発明は上記の通りであり、前記凹部の外縁に段差を設け、コマ玩具を前記凹部上で回したときに、該コマ玩具は、前記ターンテーブルの回転による遠心力で前記凹部の外縁へと付勢され、前記外縁に沿って転がり動作するため、コマ玩具を激しく動かすことができ、遊びの興趣が増す。
【0029】
また、請求項7に記載の発明は上記の通りであり、前記ターンテーブル外周に形成された間隙を埋める突起が設けられているため、間隙にコマ玩具がはまり込んでしまった場合でも、間隙に沿って移動したコマ玩具が突起に衝突したときに間隙から外れるように形成できる。このようにすれば、ターンテーブルなどの加工精度が低くても遊戯に与える影響を小さくできるため、コマ玩具遊戯台の製造コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】コマ玩具遊戯台の外観斜視図である。
【図2】コマ玩具遊戯台の平面図である。
【図3】電動ユニットの外観斜視図である。
【図4】電動ユニットの断面図である。
【図5】ターンテーブルの断面図である。
【図6】コマ玩具の側面図であって、(a)先端が尖った形状の軸部を有するコマ玩具の側面図、(b)先端が円柱状の軸部を有するコマ玩具の側面図、である。
【図7】遊戯面に放たれたコマ玩具が移動する様子を上から見た説明図であって、(a)先端が尖った形状の軸部を有するコマ玩具に係る説明図、(b)先端が円柱状の軸部を有するコマ玩具に係る説明図、である。
【図8】コマ玩具がターンテーブル上で回転する状態を示す説明図であって、(a)先端が尖った形状の軸部を有するコマ玩具に係る説明図、(b)先端が円柱状の軸部を有するコマ玩具に係る説明図、である。
【図9】コマ玩具とターンテーブルとの接触点の説明図(図8(b)の部分拡大図)である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。
【0032】
本実施形態に係るコマ玩具遊戯台10は、図1に示すように、コマ玩具50を回すためのすり鉢状の遊戯面11を有している。この遊戯面11は、中央が窪んだ形状であるため、遊戯面11に放たれたコマ玩具50は、遊戯面11の傾斜に沿って中央方向へと移動するようになっている。
【0033】
この遊戯面11は、図1及び図2に示すように、ベース部12の上面に形成された円形の盤面13と、ターンテーブル40の上面40aと、で形成されている。
【0034】
ベース部12は、図1及び図2に示すように、上面中央に円形の盤面13を有する台状の部材であり、後述する電動ユニット20を覆うように設けられている。なお、このベース部12の盤面13の周囲には、2つのスロープ17と、1つの操作部15と、が突出形成されている。
【0035】
2つのスロープ17は、盤面13の傾斜と連続するように設けられており、盤面13方向へと次第に下方へ傾斜している。このため、このスロープ17にコマ玩具50を放てば、コマ玩具50がスロープ17の傾斜にしたがって遊戯面11へと移動するようになっている。
【0036】
また、操作部15は、後述する電動ユニット20を操作するための部分である。この操作部15には、内部と連通するスイッチ露出孔16が設けられており、このスイッチ露出孔16からは、図1及び図2に示すように、ベース部12の内部に設けられた電動ユニット20のスイッチ31が露出している。
【0037】
ところで、ベース部12の盤面13の中央には、図1及び図2に示すように、開口部14が設けられており、この開口部14からはターンテーブル40の上面40aが露出している。ターンテーブル40は、ベース部12の内部において水平方向に回転可能に配置されるものであり、コマ玩具50の軌道を変化させるための凹部41を備えている。
【0038】
このターンテーブル40は、図3に示すように、電動ユニット20の一部として形成され、この電動ユニット20のスイッチ31をONにすることで回転する。
【0039】
すなわち、電動ユニット20は、図3及び図4に示すように、電池30で動作する駆動装置21と、この駆動装置21の受皿部22に軸支されるターンテーブル40と、からなり、駆動装置21の内部に収容された電動モータ29を回転させることで、この駆動装置21の受皿部22に軸支されたターンテーブル40が回転するように形成されている。
【0040】
駆動装置21は、図3及び図4に示すように、前述したターンテーブル40を支持するための受皿部22と、ターンテーブル40を回転させるための電動モータ29や電池30を収容するモータケース部28と、これら受皿部22とモータケース部28との間に設けられた連結部26と、を備えている。
【0041】
図4に示すように、モータケース部28の上面にはスイッチ31が設けられており、このスイッチ31が操作されることで電動モータ29が回転し、この回転が連結部26内のギア27を介して受皿部22まで伝達されるようになっている。受皿部22には、ターンテーブル40を装着可能な回転軸25が垂直に設けられている。この回転軸25は、前述したギア27の回転駆動力で回転させられることにより、軸支しているターンテーブル40を回転させる。
【0042】
ところで、本実施形態においては、ターンテーブル40を受皿部22の周壁23と干渉せずに回転させるために、ターンテーブル40の外周に間隙47が設けられている。このため、加工精度によっては、この間隙47の大きさが大きくなり過ぎる場合があり、コマ玩具50の軸部51の先端51aがこの間隙47に入り込んでしまうことも考えられる。このため、本実施形態においては、図3及び図4に示すように、この間隙47の一部を埋める突起24が受皿部22の周壁23から突出形成されている。これにより、間隙47にコマ玩具50が入り込んでしまった場合でも、間隙47に沿って移動したコマ玩具50が突起24に衝突して間隙47から外れるように形成されている。このため、電動ユニット20の加工においてそれほど高い加工精度を追求する必要がなく、コマ玩具遊戯台10を低コストで製造できるようになっている。
【0043】
ここで、前述したように、ターンテーブル40の上面40aには、コマ玩具50の軌道を変化させるための凹部41が設けられている。この凹部41は、図3〜5が示すように、中央に行くに従って徐々に下方に傾斜する縁部42と、この縁部42の内側端部から上方に膨出形成された中央部43と、からなり、これによって、周縁付近(縁部42の内側端部)に谷状の周溝44が形成されている。また、中央部43は、凸レンズ状に上方に盛り上がった形状であるため全体が傾斜しており、コマ玩具50が中央部43に乗り上げたとしてもいずれかの外周方向へとコマ玩具50が移動する。このため、凹部41へと落下したコマ玩具50は、凹部41の周溝44の方向へと導かれることとなる。
【0044】
この凹部41は、図5に示すように、ターンテーブル40の支軸45の延長線上を含む位置に配置され、かつ、この支軸45に対して偏った位置に配置されている。このターンテーブル40は、この支軸45の軸孔46に前述した回転軸25が挿入されて、回転軸25を中心に回転するものであるため、言い換えると、この凹部41は、ターンテーブル40の回転中心を含む位置に設けられ、かつ、この回転中心に対して偏心位置に設けられている。
【0045】
次に、図6〜9を参照しつつ、上記したような凹部41を備えたターンテーブル40を回転させ、コマ玩具50を回したときの動作について説明する。
【0046】
本実施形態においては、コマ玩具50として、図6に示すように、先端51aが尖った形状の軸部51を有するコマ玩具A(図6(a)参照)と、先端51aが円柱状の軸部51を有するコマ玩具B(図6(b)参照)と、を使用する場合について説明する。
【0047】
図7は、これら2種類のコマ玩具50がコマ玩具遊戯台10の遊戯面11へと投下された後の動きを説明した図である。なお、コマ玩具A及びコマ玩具Bのいずれを投下する場合においても、ターンテーブル40の回転方向とコマ玩具50の回転方向とが異なることが望ましい。これらの回転方向が同じであると、コマ玩具50のターンテーブル40に対する相対回転数が減少し、コマ玩具50の回転力が打ち消されてしまうためである。
【0048】
まず、コマ玩具Aについて説明する。図7(a)が示すように、コマ玩具Aが遊戯面11へと投下されると、このコマ玩具Aは、矢印D1が示すように、遊戯面11の傾斜に沿って遊戯面11の中央へと移動する。その結果、このコマ玩具Aは、ターンテーブル40の上に移動し、凹部41へと落下する。そして、前述したように、凹部41の周溝44へと導かれ、この周溝44の円周上を移動することとなる。このとき、ターンテーブル40は、矢印D2の方向に回転しているため、ターンテーブル40上のコマ玩具Aは矢印D3の方向に遠心力を受けることとなる。このため、図7(a)が示すように、周溝44上の、ターンテーブル40の回転中心から最も遠い位置へと付勢されることになり、ほぼターンテーブル40上の相対位置を変化させることなく回転する。
【0049】
次に、コマ玩具Bについて説明する。図7(b)が示すように、コマ玩具Bが遊戯面11へと投下されると、このコマ玩具Bは、矢印D4が示すようにターンテーブル40の上に移動し、凹部41へと落下する。このとき、コマ玩具Bは、コマ玩具Aの場合と同様に、ターンテーブル40の回転(矢印D5参照)によって矢印D6の方向に遠心力を受けることとなるが、コマ玩具Aとは異なり、コマ玩具Bの自転(矢印D7参照)に従って凹部41の周縁付近を回転する(矢印D8参照)。これは、図8(b)及び図9に示すように、コマ玩具Bの軸部51の先端51aが円柱状であるために、この先端51aが周溝44に入り込めないためである。すなわち、図9が示すように、コマ玩具Bの軸部51の先端51aが周溝44に入り込めないため、図9の矢印の方向に遠心力が加わった結果、コマ玩具Bは縁部42の外縁42aへと付勢される。この外縁42aには、図8及び図9に示すように、段差が形成されているため、図7(b)の矢印D8が示すように、コマ玩具Bはこの段差の壁に沿って転がり動作することとなる。
【0050】
なお、周溝44に沿ってコマ玩具Bを転がすためには、ターンテーブル40の回転速度や縁部42の傾斜度合いのバランスも考慮する必要がある。すなわち、ターンテーブル40の回転速度が遅過ぎたり、縁部42の傾斜度合いが過大であったりすると、コマ玩具Bがターンテーブル40の外周方向へと移動しないため、上記したような転がり動作が十分に得られない。よって、コマ玩具Bの転がり動作を得るには、コマ玩具Bが縁部42の外縁42aの段差に接触し続けるのに適したターンテーブル40の回転速度及び縁部42の傾斜度合いに設定する必要がある。もちろん、必ずしもこのような設定である必要はなく、あえてターンテーブル40の回転速度及び縁部42の傾斜度合いを変更してもよい。例えば、ターンテーブル40の回転速度を変化させるための操作手段を設けたり、経過時間によってターンテーブル40の回転速度を変化させる処理を行ったりすることにすれば、ターンテーブル40の回転速度を変化させることができる。このような態様によれば、コマ玩具Bの転がり動作に変化を持たせることができるので、遊び方の幅を広げることができる。
【0051】
ところで、先端51aが尖った形状の軸部51を有するコマ玩具Aは、図8(a)に示すように、コマ玩具Bの軸部51の先端51aが周溝44に入り込むため、接地点と回転中心とがずれない。よって、上記したような縁部42の外縁42aに沿ってコマ玩具50が転がる現象は起きない。
【0052】
以上説明したようなコマ玩具A及びコマ玩具Bを対戦させた場合、コマ玩具Aはターンテーブル40との相対位置を維持するように位置取りする一方、コマ玩具Bはターンテーブル40の縁部42の外縁42aに沿って移動する。このため、コマ玩具Bの軌道上にコマ玩具Aが存在することとなり、コマ玩具Aとコマ玩具Bとが衝突することになる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、コマ玩具50が凹部41に落下すると、ターンテーブル40の外縁付近に沿ってコマ玩具50が移動するため、コマ玩具50の軌道を変化させつつも、互いに衝突しやすくすることができ、コマ玩具50を対戦させたときに興趣を増すことができる。
【0054】
また、凹部41が水平方向に回転可能なターンテーブル40の上面に設けられているため、凹部41に落下したコマ玩具50には遠心力等の外力が加わり、更にコマ玩具50の軌道を変化させることができ、興趣を増すことができる。
【0055】
また、凹部41がターンテーブル40の回転中心に対して偏心位置に設けられているため、凹部41に落下したコマ玩具50に遠心力が加わったときに、回転中心から離れた方向へと力が加わる。すなわち、図7(a)の矢印D3や図7(b)の矢印D6が示すように、一定方向に遠心力が加わるため、コマ玩具50の移動方向をある程度制御することができ、コマ玩具50の衝突を起き易くすることができる。
【符号の説明】
【0056】
10 コマ玩具遊戯台
11 遊戯面
12 ベース部
13 盤面
14 開口部
15 操作部
16 スイッチ露出孔
17 スロープ
20 電動ユニット
21 駆動装置
22 受皿部
23 周壁
24 突起
25 回転軸
26 連結部
27 ギア
28 モータケース部
29 電動モータ
30 電池
31 スイッチ
40 ターンテーブル
40a 上面
41 凹部
42 縁部
42a 外縁
43 中央部
44 周溝
45 支軸
46 軸孔
47 間隙
50 コマ玩具
51 軸部
51a 先端
A 先端が尖った形状の軸部を有するコマ玩具
B 先端が円柱状の軸部を有するコマ玩具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コマ玩具を回すためのすり鉢状の遊戯面を有し、
前記遊戯面にはコマ玩具の軌道を変化させるための凹部が設けられており、
前記凹部は、中央に行くに従って徐々に下方に傾斜する縁部と、前記縁部の内側端部から上方に膨出形成された中央部と、からなることを特徴とする、コマ玩具遊戯台。
【請求項2】
コマ玩具を回すためのすり鉢状の遊戯面を有し、
前記遊戯面にはコマ玩具の軌道を変化させるための凹部が設けられており、
前記凹部は、周縁付近に周溝を有することを特徴とする、コマ玩具遊戯台。
【請求項3】
ベース部と、このベース部の内部で水平方向に回転可能なターンテーブルと、を備え、
前記ベース部の上面には前記ターンテーブルの上面を露出させる開口部が設けられ、
前記遊戯面は、前記ベース部の上面と前記ターンテーブルの上面とを含んで形成され、
前記凹部は、前記ターンテーブルの上面に設けられていることを特徴とする、請求項1又は2記載のコマ玩具遊戯台。
【請求項4】
前記凹部は、前記ターンテーブルの回転中心に対して偏心位置に設けられていることを特徴とする、請求項3記載のコマ玩具遊戯台。
【請求項5】
前記凹部は、前記ターンテーブルの回転中心を含む位置に設けられていることを特徴とする、請求項3又は4記載のコマ玩具遊戯台。
【請求項6】
前記凹部の外縁に段差を設け、
コマ玩具を前記凹部上で回したときに、該コマ玩具は、前記ターンテーブルの回転による遠心力で前記凹部の外縁へと付勢され、前記外縁に沿って転がり動作することを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載のコマ玩具遊戯台。
【請求項7】
前記ターンテーブル外周に形成された間隙を埋める突起が設けられていることを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載のコマ玩具遊戯台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−322(P2012−322A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139233(P2010−139233)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【出願人】(591056846)株式会社東京ユニーク (15)
【Fターム(参考)】