コンクリートの打継ぎ構造および打継ぎ方法
【課題】ひび割れ防止可能なコンクリートの打ち継ぎ構造および打ち継ぎ方法の提供。
【解決手段】大きい断面部分の第1コンクリート部分と、小さい断面部分の第2コンクリート部分とのコンクリートの打ち継ぎ構造において、第1コンクリート部分1における第2コンクリート部分2との打ち継ぎ接続部端面を、第2コンクリート部分2の打ち継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および断面積とすると共に、打ち継ぎ接続部端面から所定の長さ寸法間同じ断面積の部分を有する打ち継ぎ接続部5を、第2コンクリート部分2の一部として第1コンクリート部分1に設け、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部5に接続するように第2コンクリート部分用のコンクリートが打設されて、第2コンクリート部分2が築造されている。打ち継ぎ接続部を第1コンクリート部分に設けた後、第2コンクリート部分用のコンクリートを打設する。
【解決手段】大きい断面部分の第1コンクリート部分と、小さい断面部分の第2コンクリート部分とのコンクリートの打ち継ぎ構造において、第1コンクリート部分1における第2コンクリート部分2との打ち継ぎ接続部端面を、第2コンクリート部分2の打ち継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および断面積とすると共に、打ち継ぎ接続部端面から所定の長さ寸法間同じ断面積の部分を有する打ち継ぎ接続部5を、第2コンクリート部分2の一部として第1コンクリート部分1に設け、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部5に接続するように第2コンクリート部分用のコンクリートが打設されて、第2コンクリート部分2が築造されている。打ち継ぎ接続部を第1コンクリート部分に設けた後、第2コンクリート部分用のコンクリートを打設する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎コンクリートにコンクリート製橋脚を打ち継いだり、橋梁におけるコンクリート床版に壁部コンクリートを打ち継いだり、断面の大きい部分から断面の小さい部分にコンクリートを打継ぐ場合のコンクリートの打継ぎ構造および打継ぎ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート工事において、コンクリートを打ち継ぐ場合、梁およびスラブに鉛直打継ぎ部を設けなければならない場合には、スパン中央付近またはスパンの1/3〜1/4のところに設けるのがよいことが知られている。また、梁の付け根で打継ぎをするのを避けことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
また、コンクリートを打継ぐ場合に、高さ方向の片側を漸次厚くなるように、特殊な打継ぎ用コンクリートによる別個の部分を設けることも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、RCコンクリート構造物のコンクリート打継方法であって、底版にプレキャスト側壁を一体に設ける場合に、前記底版にプレキャスト側壁の壁厚よりも薄い立上げ部を一体に設け、前記立上げ部を埋め込むように、打継コンクリートを設けるようにすることも知られている(例えば、特許文献2参照)
【0005】
橋梁工事などでは、基礎工事と橋脚工事が別個に発注される形式であるため、コンクリート製フーチング基礎を施工し、その後、基礎上にコンクリート製橋脚を施工するようになる。その場合、基礎コンクリートを打設し、コンクリート製基礎の養生硬化後まで時間をおいた後、コンクリート製橋脚用のコンクリートを打設することとなる。
【0006】
このような場合、図1(b)に示すように、コンクリート製橋脚2a用の第2リフトのコンクリート6を打設し、その水和熱による温度上昇で、コンクリート製橋脚2aが図2(b)に示すように膨張することになるが、コンクリート製基礎1aの横断面が橋脚2aの横断面より格段に大きく、水平な横断面積が小断面の橋脚2a側と、水平な横断面が大断面の基礎1a側とでは、基礎1a側が低くなる温度差を生じ、橋脚2aの膨張を拘束こととなり、ひび割れ発生の恐れを生じる。また、熱が均等に基礎側に伝わらず温度むらを生じひび割れを助長するようになる。このようなひび割れ防止を図るために、基礎1a等に多くの鉄筋を補強材として配置する構造としており、コストアップにつながるという問題がある。
【特許文献1】特開平05−194003号公報
【特許文献2】特開平07−91056号公報
【非特許文献1】建築工事監理指針(平成16年版 上巻) 平成19年3月6日 第7刷 社団法人 公共建築協会発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来の場合は、いずれの場合も、別個に打継ぎ部を築造するという特徴がある。また、基端1a側の既築造コンクリート本体部1bとの厚さと、打継ぎコンクリート(橋脚2b)の厚さが同じ厚さで、かつ打継ぎ方向に同じ厚さ寸法ではないので、同じ熱膨張係数のコンクリートを使用しても、打継ぎコンクリート6の打設養生に伴い発生する水和反応による熱の伝わり方が異なるため、打設された打継ぎコンクリート6は、図2(b)に示すように、膨らむようになり温度の上昇と共に応力が大きくなり、反対に既築造コンクリート本体部1bでは、前記の膨張を拘束するように作用するため、打継ぎ境界部では、ひび割れの恐れが高くなる。
本発明は、前記の課題を有利に解決し、ひび割れ防止可能なコンクリートの打継ぎ構造および打継ぎ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を有利に解決するために、第1発明のコンクリートの打継ぎ構造では、大きい断面部分の第1コンクリート部分と、これに接続するそれよりも小さい断面部分の第2コンクリート部分とのコンクリートの打ち継ぎ構造において、前記第1コンクリート部分に所定の長さ寸法の打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として前記第1コンクリート部分に一体にコンクリートを打設して設け、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部に接続するように第2コンクリート部分用のコンクリートが打設されて、第2コンクリート部分が築造されていることを特徴とする。
また、第2発明では、第1発明のコンクリートの打継ぎ構造において、前記第1コンクリート部分における前記第2コンクリート部分との打ち継ぎ接続部端面を、前記第2コンクリート部分の打ち継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および断面積とすると共に、打ち継ぎ接続部端面から所定の長さ寸法間同じ断面積の部分を有する打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として前記第1コンクリート部分に一体にコンクリートを打設して設け、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部に接続するように第2コンクリート部分用のコンクリートが打設されて、第2コンクリート部分が築造されていることを特徴とする。
また、第3発明では、第1または第2発明のコンクリートの打継ぎ構造において、前記第1コンクリート部分がコンクリート製基礎であり、前記第2コンクリート部分がコンクリート製橋脚であり、コンクリート製基礎を構築する場合、橋脚の下端部分の高さ寸法で500mm〜1000mmの部分が、コンクリート製基礎と同時にコンクリート製基礎側に打継ぎ接続部として築造され、その打継ぎ接続部に接続するように打設される橋脚部コンクリートの温度膨張による前記打継ぎ接続部の拘束作用を低減するようにしたことを特徴とする。
また、第4発明のコンクリートの打継ぎ方法においては、コンクリート構造物における大きい断面部分の第1コンクリート部分と、これに接続する小さい断面部分の第2コンクリート部分とのコンクリートの打ち継ぎ方法において、前記第1コンクリート部分に所定の長さ寸法の打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として第1コンクリート部分に設けた後、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部に第2コンクリート部分用のコンクリートを打設することにより、第2コンクリート部分の温度膨張による拘束を低減するようにしたことを特徴とする。
また、第5発明では、第4発明のコンクリートの打継ぎ方法において、前記第1コンクリート部分における前記第2コンクリート部分との打継ぎ接続部端面を、前記第2コンクリート部分の打継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および断面積とすると共に、打継ぎ接続部端面から所定の長さ寸法間同じ断面積の部分を有する打継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として第1コンクリート部分に設けた後、その第1コンクリート部分の打継ぎ接続部に第2コンクリート部分用のコンクリートを打設することにより、第2コンクリート部分の温度膨張による拘束を低減するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、次のような効果が得られる。
第1および第2発明によると、第2コンクリート部分のコンクリートを打設して養生した場合、第1コンクリート部分に設けられる打継ぎ接続部と、第2コンクリート部分の基端側とが同じ断面積であるため、第2コンクリート部分のコンクリートの水和反応熱を、第1コンクリート部分の断面積よりも小さく第2コンクリート部分の断面積と同じ打継ぎ接続部に確実に均等に伝達できるため、これらの境界付近の温度差を小さくしてなだらかに熱伝達させることができ、そのため、第2コンクリート部分の水和反応に起因する温度膨張しても、打継ぎ接続部と第2コンクリート部分間において、第2コンクリート部分が温度膨張した場合、打継ぎ接続部の拘束を低減することができ、その結果、打継ぎ目地でのひび割れ発生を防止することができる。
第3発明によると、コンクリート製基礎側に500mm〜1000mmの打継ぎ接続部を設けるだけで、コンクリート製基礎部とコンクリート製橋脚との打継ぎ部の温度応力を小さくして、温度膨張による拘束を小さくすることができ、ひび割れを防止することができる。また、コンクリート製基礎側に設ける打継ぎ接続部も、500mm〜1000mmの高さでよいため、コンクリート製基礎側への打継ぎ接続部の構築も容易であるなどの効果が得られる。
また、第4発明および第5発明のコンクリートの打継ぎ方法においては、大きい断面部分の第1コンクリート部分における第2コンクリート部分との打継ぎ接続部端面を、第2コンクリート部分の打継ぎ接続部端面の断面積と同じ断面積とすると共に、その打継ぎ接続部端面と同じ断面積で所定の突出寸法とした打継ぎ接続部を第1コンクリート部分に設けた後、第2コンクリート部分のコンクリートを打設するだけで、第2コンクリート部分の温度膨張による拘束を低減することができ、第1コンクリート部分の打継ぎ接続部付近と、第2コンクリート部分基端側付近の境界部における温度膨張によるひび割れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1(a)には、本発明のコンクリート打継ぎ部構造の一形態の縦断側面図が示されている。本発明では、図1(a)に示すように、鉄筋コンクリート製基礎1a等の第1コンクリート部分1から鉄筋コンクリート製橋脚2a等の第2コンクリート部分2が築造されるコンクリート構造物3におけるコンクリートの打継ぎ部4において、第1コンクリート部分1に、第2コンクリート部分2の打継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および同じ断面積で、所定の長さ(あるいは高さ)寸法Hの打継ぎ接続部5を、第1コンクリート部分1の配筋およびコンクリート6の打設と同時に打設して築造している。前記の寸法Hは、接続部端面からの距離であり、ハンチ部分を設ける場合には、これを除いた部分の寸法で設定するとよい。
【0012】
前記の打継ぎ接続部5は、第2コンクリート部分2の一部を兼ねた部分であり、コンクリートの打継ぎ接続部5の長さ(あるいは高さ)Hは、橋梁におけるコンクリート製基礎1に、コンクリート製橋脚2aを築造する場合には、コンクリート製橋脚2aの下端部の一部をコンクリート製基礎1と一体に先に築造される。前記の打継ぎ接続部5は、コンクリート製基礎1とコンクリート製橋脚2aとの関係では、コンクリート製橋脚2aの下端部の長さで、少なくとも500mm以上必要であり、1000mm以下程度の寸法に設定され、コンクリート製橋脚2aと一体に先行して築造され、養生硬化された部分である。
【0013】
コンクリート製基礎1とコンクリート製橋脚2aとの関係では、コンクリートの打継ぎ接続部5の長さ(あるいは高さ)Hが、500mm下回る寸法では、温度膨張によるひび割れ防止効果が低いため、500mm以上とした。また、コンクリートの打継ぎ接続部5の長さ(あるいは高さ)が、1000mm超える寸法としても、温度膨張によるひび割れ防止効果が、500mm〜1000mmの場合のひび割れ防止効果と差がないため、また、1000mm程度までなら、打ち継ぎ接続部5の築造が容易であるなどの理由により、上限を1000mmとした。したがって、コンクリート製橋梁においては、少なくとも500mmの打ち継ぎ接続部5をコンクリート製基礎1a側に一体に築造される。
【0014】
コンクリート製基礎1とコンクリート製橋脚2a以外のコンクリート構造物、例えば、図示を省略するが、コンクリート製箱桁におけるコンクリート製下床版に一体に接続するように立設するように築造されるコンクリート製ウェブ(側壁)、コンクリート製タンクにおけるコンクリート製基礎に一体に接続するように築造されるコンクリート製側壁との関係では、コンクリート製下床版に一体に築造されるコンクリート製ウェブ(側壁)の下端部(一部)のコンクリート打ち継ぎ部の高さ寸法、あるいはコンクリート製基礎に一体に築造されるコンクリート製周側壁の下端部(一部)のコンクリート打ち継ぎ部の高さ寸法は、ウェブまたはコンクリート製周側壁等のコンクリートの壁厚寸法が、橋脚の場合のコンクリートの厚さ寸法よりも薄いため、500mm〜1000mmよりも少ない寸法とすることができ、設計により設定される。
【0015】
前記のように、第1コンクリート部分に、コンクリート製の打ち継ぎ接続部5を設けて、その打ち継ぎ接続部5に、第2コンクリート部分のコンクリート6を打設するようにして、橋脚2aの上部を築造するようにしている。
このようにすると、第1コンクリート部分1から第2コンクリート部分2に接続する場合に、断面積が変化するコンクリートの打ち継ぎ部4では、打設されたコンクリート6の養生を図る場合に、養生時の水和反応により温度が上昇するが、第2コンクリート部分2から、第1コンクリート部分1における打ち継ぎ接続部5に、なだらかに熱が均等に伝達され、第1コンクリート部分1における打ち継ぎ接続部5端面付近の温度および膨張量と、第2コンクリート部分2における打ち継ぎ端部(下端部)付近の温度および膨張量の差が小さくなるため、温度膨張に起因するひび割れを防止することができる。
【0016】
このように、本発明のコンクリートの打ち継ぎ構造では、大きい断面部分の第1コンクリート部分1と、これに接続するそれよりも小さい断面部分の第2コンクリート部分2とのコンクリートの打ち継ぎ構造において、前記第1コンクリート部分1における前記第2コンクリート部分2との打ち継ぎ接続部端面を、前記第2コンクリート部分2の打ち継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および断面積とすると共に、打ち継ぎ接続部端面から所定の長さ寸法間同じ断面積の部分を有する打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分2の一部として前記第1コンクリート部分1に設け、その第1コンクリート部分1の打ち継ぎ接続部に、第2コンクリート部分2用のコンクリート6が打設されて、第2コンクリート部分2が築造接続されている。
【0017】
次に、コンクリート製フーチングからなるコンクリート製基礎1に、コンクリート製橋脚2aを築造する場合に、本発明のように、コンクリート製基礎1aに、予め橋脚2aの一部(下端部)を打ち継ぎ接続部5として築造し、これに橋脚2aの上部を築造するためにコンクリートを順次打設する場合と、このような打ち継ぎ接続部5を設けないで、直接コンクリート製基礎1aに橋脚2aを築造する場合の差異について、FEM解析した結果について説明する。
【0018】
図3(a)は、本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造を解析する場合のモデル図、同図(b)は従来のコンクリート打ち継ぎ部構造を解析する場合のモデル図である。FEMのグリッドは250mmピッチで行った。
解析条件として、コンクリート強度σcが24N/mm2であり、外気温が20℃、セメントの種類を普通セメントとし、打設初期温度を25℃とし、単位セメント量を300kg/m3であるとした。
図3(a)の本発明のコンクリート打ち継ぎ部の立上げ高さ寸法Hは、1.0mmであり、図3(b)の従来のコンクリート打ち継ぎ部構造では、コンクリート製基礎1に直接橋脚用コンクリート6を打設して橋脚下端部を築造した場合の縦断側面図が示されている。
【0019】
また、図4(a)には、図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造の温度解析結果の端面側のみを示す図が、同図(b)は図3(b)に示す従来のコンクリート打ち継ぎ部構造の温度解析結果の端面側のみを示す図である。
図4(a)に示す本発明の構造の場合では、コンクリート製基礎1aになだらかに熱伝達されているため、立上げられた打ち継ぎ接続部5の中心部の温度は67℃であった。図2(a)に示すように、立ち上げられた打ち継ぎ接続部5も温度上昇に伴い膨張されるが、その拘束力は小さく、打ち継ぎ接続部のひび割れを防止することができる。これに対して、図4(b)に示す従来の構造の場合では、中心部の温度が67℃であっても、コンクリート製橋脚2aに接触する部分付近のコンクリート製基礎1aと、それ以外の大部分のコンクリート製基礎1a本体部分とで、大きな温度差を生じている。
【0020】
図5(a)には、図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造における最大主応力度の解析結果の端面側のみを示す図が示され、同図(b)には、図3(b)に示す従来のコンクリート打ち継ぎ部構造における最大主応力度の解析結果の端面側のみを示す図が示されているように、図5(a)の本発明の場合では、打ち継ぎ接続部境界面における最大主応力度差がほとんどないのに対して、図5(b)に示す従来の場合では、橋脚下端部付近の最大主応力度と、基礎1a部分における橋脚側付近の偏在している最大主応力度との差が大きい部分と小さい部分とが生じていることがわかる。
【0021】
このため、本発明の構造では、打ち継ぎ境界部における温度差は小さく、最大主応力度差も小さいため、打ち継ぎ接続部境界面側においてひび割れを防止できるようになる。他方、従来構造では、コンクリート製橋脚2aに接触する部分付近のコンクリート製基礎1aでは膨張力が大きく、それ以外の大部分のコンクリート製基礎1a本体部分では、膨張力は小さいため、コンクリート製基礎全体として拘束力は大きく、橋脚側との温度応力に大きな差を生じるため、打ち継ぎ接続部境界面側においてひび割れを生じるようになる。
【0022】
図6(a)には、図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造におけるひび割れ指数の解析結果を示す図が示され、同図(b)には、図3(b)に示す従来のコンクリート打ち継ぎ部構造におけるひび割れ指数の解析結果の図が示されている。
図6(a)(b)の違いからもわかるように、本発明の構造では、ひび割れ指数の高い領域が局部的に偏在しているのに対して、従来構造の(b)の場合では、ひび割れ指数の高い領域が橋脚壁面の横方向に連続していることがわかる。
【0023】
本発明のように立上げる打ち継ぎ接続部5を第1コンクリート部分1に設ける場合で、橋脚の場合における打ち継ぎ接続部5の高さ寸法が、500mmの場合についてのひび割れ指数について、解析した結果を図7示す。
図7は、図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造において、打ち継ぎ部の打ち上げ高さを0.5mと設定した場合のひび割れ指数の解析結果を示す図であり、図5(a)の場合よりも、ひび割れ指数が高い領域が拡大するようになることがわかる。
【0024】
また、第1コンクリート部分(コンクリート製基礎)に設ける打ち継ぎ接続部の打ち上げ高さを1.5mと設定した場合のひび割れ指数を解析した結果、図5(a)の場合と同様なひび割れ指数の領域であり、改善がみこめないため、コンクリート部分(コンクリート製基礎)に設ける打ち継ぎ接続部の打ち上げ高さを1.0m程度とするとよい。このような高さに設定しておくと、橋脚施工の場合では、容易に打ち継ぎ接続部5を構築することができ、施工も安価にせすることができる。
【0025】
図8には、コンクリート製橋脚基礎とこれに接続するコンクリート製橋脚との表面側のコンター図が示され、図9には、図8の裏面側のコンター図が示されている。図10には、図9における解析する場合の着目点1〜5の場所が拡大して示されている。
【0026】
図11には、本発明の打ち継ぎ構造を適用した場合で、前記着目点1〜5の場所における応力履歴図が示され、図12には、従来の打ち継ぎ方法を適用した場合の応力履歴図が示されている。
図11および図12を比較すると、従来の打ち継ぎ接続構造を採用した場合を示す図12に示す最大主応力度の履歴曲線に比べて、本発明の打ち継ぎ接続部の構造を採用した場合では、養生期間の経過と共に、着目点1〜5における最大主応力度が、格段に低下ひているのがわかる。
また、図13および図14を比較すると、従来の打ち継ぎ接続構造を採用した場合を示す図14のひび割れ指数履歴曲線に比べて、本発明の打ち継ぎ接続構造を採用した場合を示す図13のひび割れ指数履歴曲線の場合は、時間の経過に伴い、ひび割れ指数が改善されていることがわかる。
【0027】
なお、打ち上げ高さ0.5mの打ち継ぎ接続部とし、コンクリート強度を24N/mm2とした場合のFEM解析では、ひび割れ指数が0.45であったが、打ち上げ高さ0.5mの打ち継ぎ接続部とし、コンクリート強度を30N/mm2に変更した場合のFEM解析では、ひび割れ指数が0.46であり、コンクリート強度の大小によるひび割れ指数の大きな低下がみられなかった。なお、コンクリート強度を24N/mm2とした場合の単位セメント量は、300kg/m3であるのに対して、コンクリート強度を30N/mm2とした場合の単位セメント量は、315kg/m3であったため、単位セメント量を増加させると、ひび割れ指数が増加する恐れがある。
【0028】
前記のような本発明の打ち継ぎ構造に施工する方法について図1を参照して説明すると、コンクリート構造物における大きい断面部分の第1コンクリート部分1と、これに接続する小さい断面部分の第2コンクリート部分2とのコンクリートの打ち継ぎ方法において、前記第1コンクリート部分1における前記第2コンクリート部分2との打ち継ぎ接続部端面7を、前記第2コンクリート部分の打ち継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および断面積とすると共に、打ち継ぎ接続部端面から所定の長さ寸法間同じ断面積の部分を有する打ち継ぎ接続部5を第1コンクリート部分1に設けた後、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部5に第2コンクリート部分用のコンクリート6を打設することにより、第2コンクリート部分の温度膨張による拘束を低減したコンクリートの打ち継ぎ方法となる。
【0029】
打ち継ぎ接続部の端面形状が中空である場合には、内側輪郭および外側輪郭を合致させ、中実である場合には、外側輪郭を合致させるようにする。
【0030】
本発明を実施する場合、図示を省略するが、コンクリート製箱桁におけるコンクリート製下床版を第1コンクリート部分とし、これに一体に接続するようにコンクリート製側壁を第2コンクリート部分として立ち上げる打ち継ぎ部に、本発明を適用するようにしてもよい。
【0031】
また、本発明を実施する場合、図示を省略するが、コンクリート製タンクにおけるコンクリート製底版を第1コンクリート部分とし、これに一体に接続するようにコンクリート製側壁を第2コンクリート部分として立ち上げる打ち継ぎ部に、本発明を適用するようにしてもよい。
【0032】
本発明を実施する場合、前記以外にも、コンクリート製支柱、あるいはコンクリート製桁あるいはその他の土木あるいは建築物等のコンクリート構造物における断面が変化するコンクリート打ち継ぎ部に適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】(a)は、本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造の一形態を示す縦断側面図、(b)は従来のコンクリート打ち継ぎ部構造を示す縦断側面図である。
【図2】(a)は、本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造を適用した場合の打ち継ぎ部の養生時の挙動を示す縦断側面図、(b)は従来のコンクリート打ち継ぎ部構造を適用した場合の打ち継ぎ部の養生時の挙動を示す縦断側面図である。 一部
【図3】(a)は、本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造を解析する場合のモデル図、(b)は従来のコンクリート打ち継ぎ部構造を解析する場合のモデル図である。
【図4】(a)は、図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造の温度解析結果を示す図である、(b)は図3(b)に示す従来のコンクリート打ち継ぎ部構造の温度解析結果を示す図である。
【図5】(a)は、図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造における最大主応力度の解析結果を示す図である、(b)は図3(b)に示す従来のコンクリート打ち継ぎ部構造における最大主応力度の解析結果を示す図である。
【図6】(a)は、図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造におけるひび割れ指数の解析結果を示す図である、(b)は図3(b)に示す従来のコンクリート打ち継ぎ部構造におけるひび割れ指数の解析結果を示す図である。
【図7】図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造において、打ち継ぎ部の打ち上げ高さを0.5mと設定した場合のひび割れ指数の解析結果を示す図である、
【図8】コンクリート製橋脚基礎とこれに接続するコンクリート製橋脚との表面側のコンター図である
【図9】図8の裏面側のコンター図である。
【図10】解析する場合の着目点を示す図である。
【図11】本発明の打ち継ぎ構造を適用した場合の応力履歴図である。
【図12】従来の打ち継ぎ方法を適用した場合の応力履歴図である。
【図13】本発明の打ち継ぎ方法を適用した場合のひび割れ履歴図である。
【図14】従来の打ち継ぎ方法を適用した場合のひび割れ履歴図である。
【符号の説明】
【0034】
1a コンクリート製基礎
1b 本体部
1 第1コンクリート部分
2a コンクリート製橋脚
2 第2コンクリート部分
3 コンクリート構造物
4 打継ぎ部
5 打ち継ぎ接続部
6 コンクリート
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎コンクリートにコンクリート製橋脚を打ち継いだり、橋梁におけるコンクリート床版に壁部コンクリートを打ち継いだり、断面の大きい部分から断面の小さい部分にコンクリートを打継ぐ場合のコンクリートの打継ぎ構造および打継ぎ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート工事において、コンクリートを打ち継ぐ場合、梁およびスラブに鉛直打継ぎ部を設けなければならない場合には、スパン中央付近またはスパンの1/3〜1/4のところに設けるのがよいことが知られている。また、梁の付け根で打継ぎをするのを避けことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
また、コンクリートを打継ぐ場合に、高さ方向の片側を漸次厚くなるように、特殊な打継ぎ用コンクリートによる別個の部分を設けることも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、RCコンクリート構造物のコンクリート打継方法であって、底版にプレキャスト側壁を一体に設ける場合に、前記底版にプレキャスト側壁の壁厚よりも薄い立上げ部を一体に設け、前記立上げ部を埋め込むように、打継コンクリートを設けるようにすることも知られている(例えば、特許文献2参照)
【0005】
橋梁工事などでは、基礎工事と橋脚工事が別個に発注される形式であるため、コンクリート製フーチング基礎を施工し、その後、基礎上にコンクリート製橋脚を施工するようになる。その場合、基礎コンクリートを打設し、コンクリート製基礎の養生硬化後まで時間をおいた後、コンクリート製橋脚用のコンクリートを打設することとなる。
【0006】
このような場合、図1(b)に示すように、コンクリート製橋脚2a用の第2リフトのコンクリート6を打設し、その水和熱による温度上昇で、コンクリート製橋脚2aが図2(b)に示すように膨張することになるが、コンクリート製基礎1aの横断面が橋脚2aの横断面より格段に大きく、水平な横断面積が小断面の橋脚2a側と、水平な横断面が大断面の基礎1a側とでは、基礎1a側が低くなる温度差を生じ、橋脚2aの膨張を拘束こととなり、ひび割れ発生の恐れを生じる。また、熱が均等に基礎側に伝わらず温度むらを生じひび割れを助長するようになる。このようなひび割れ防止を図るために、基礎1a等に多くの鉄筋を補強材として配置する構造としており、コストアップにつながるという問題がある。
【特許文献1】特開平05−194003号公報
【特許文献2】特開平07−91056号公報
【非特許文献1】建築工事監理指針(平成16年版 上巻) 平成19年3月6日 第7刷 社団法人 公共建築協会発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来の場合は、いずれの場合も、別個に打継ぎ部を築造するという特徴がある。また、基端1a側の既築造コンクリート本体部1bとの厚さと、打継ぎコンクリート(橋脚2b)の厚さが同じ厚さで、かつ打継ぎ方向に同じ厚さ寸法ではないので、同じ熱膨張係数のコンクリートを使用しても、打継ぎコンクリート6の打設養生に伴い発生する水和反応による熱の伝わり方が異なるため、打設された打継ぎコンクリート6は、図2(b)に示すように、膨らむようになり温度の上昇と共に応力が大きくなり、反対に既築造コンクリート本体部1bでは、前記の膨張を拘束するように作用するため、打継ぎ境界部では、ひび割れの恐れが高くなる。
本発明は、前記の課題を有利に解決し、ひび割れ防止可能なコンクリートの打継ぎ構造および打継ぎ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を有利に解決するために、第1発明のコンクリートの打継ぎ構造では、大きい断面部分の第1コンクリート部分と、これに接続するそれよりも小さい断面部分の第2コンクリート部分とのコンクリートの打ち継ぎ構造において、前記第1コンクリート部分に所定の長さ寸法の打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として前記第1コンクリート部分に一体にコンクリートを打設して設け、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部に接続するように第2コンクリート部分用のコンクリートが打設されて、第2コンクリート部分が築造されていることを特徴とする。
また、第2発明では、第1発明のコンクリートの打継ぎ構造において、前記第1コンクリート部分における前記第2コンクリート部分との打ち継ぎ接続部端面を、前記第2コンクリート部分の打ち継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および断面積とすると共に、打ち継ぎ接続部端面から所定の長さ寸法間同じ断面積の部分を有する打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として前記第1コンクリート部分に一体にコンクリートを打設して設け、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部に接続するように第2コンクリート部分用のコンクリートが打設されて、第2コンクリート部分が築造されていることを特徴とする。
また、第3発明では、第1または第2発明のコンクリートの打継ぎ構造において、前記第1コンクリート部分がコンクリート製基礎であり、前記第2コンクリート部分がコンクリート製橋脚であり、コンクリート製基礎を構築する場合、橋脚の下端部分の高さ寸法で500mm〜1000mmの部分が、コンクリート製基礎と同時にコンクリート製基礎側に打継ぎ接続部として築造され、その打継ぎ接続部に接続するように打設される橋脚部コンクリートの温度膨張による前記打継ぎ接続部の拘束作用を低減するようにしたことを特徴とする。
また、第4発明のコンクリートの打継ぎ方法においては、コンクリート構造物における大きい断面部分の第1コンクリート部分と、これに接続する小さい断面部分の第2コンクリート部分とのコンクリートの打ち継ぎ方法において、前記第1コンクリート部分に所定の長さ寸法の打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として第1コンクリート部分に設けた後、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部に第2コンクリート部分用のコンクリートを打設することにより、第2コンクリート部分の温度膨張による拘束を低減するようにしたことを特徴とする。
また、第5発明では、第4発明のコンクリートの打継ぎ方法において、前記第1コンクリート部分における前記第2コンクリート部分との打継ぎ接続部端面を、前記第2コンクリート部分の打継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および断面積とすると共に、打継ぎ接続部端面から所定の長さ寸法間同じ断面積の部分を有する打継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として第1コンクリート部分に設けた後、その第1コンクリート部分の打継ぎ接続部に第2コンクリート部分用のコンクリートを打設することにより、第2コンクリート部分の温度膨張による拘束を低減するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、次のような効果が得られる。
第1および第2発明によると、第2コンクリート部分のコンクリートを打設して養生した場合、第1コンクリート部分に設けられる打継ぎ接続部と、第2コンクリート部分の基端側とが同じ断面積であるため、第2コンクリート部分のコンクリートの水和反応熱を、第1コンクリート部分の断面積よりも小さく第2コンクリート部分の断面積と同じ打継ぎ接続部に確実に均等に伝達できるため、これらの境界付近の温度差を小さくしてなだらかに熱伝達させることができ、そのため、第2コンクリート部分の水和反応に起因する温度膨張しても、打継ぎ接続部と第2コンクリート部分間において、第2コンクリート部分が温度膨張した場合、打継ぎ接続部の拘束を低減することができ、その結果、打継ぎ目地でのひび割れ発生を防止することができる。
第3発明によると、コンクリート製基礎側に500mm〜1000mmの打継ぎ接続部を設けるだけで、コンクリート製基礎部とコンクリート製橋脚との打継ぎ部の温度応力を小さくして、温度膨張による拘束を小さくすることができ、ひび割れを防止することができる。また、コンクリート製基礎側に設ける打継ぎ接続部も、500mm〜1000mmの高さでよいため、コンクリート製基礎側への打継ぎ接続部の構築も容易であるなどの効果が得られる。
また、第4発明および第5発明のコンクリートの打継ぎ方法においては、大きい断面部分の第1コンクリート部分における第2コンクリート部分との打継ぎ接続部端面を、第2コンクリート部分の打継ぎ接続部端面の断面積と同じ断面積とすると共に、その打継ぎ接続部端面と同じ断面積で所定の突出寸法とした打継ぎ接続部を第1コンクリート部分に設けた後、第2コンクリート部分のコンクリートを打設するだけで、第2コンクリート部分の温度膨張による拘束を低減することができ、第1コンクリート部分の打継ぎ接続部付近と、第2コンクリート部分基端側付近の境界部における温度膨張によるひび割れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1(a)には、本発明のコンクリート打継ぎ部構造の一形態の縦断側面図が示されている。本発明では、図1(a)に示すように、鉄筋コンクリート製基礎1a等の第1コンクリート部分1から鉄筋コンクリート製橋脚2a等の第2コンクリート部分2が築造されるコンクリート構造物3におけるコンクリートの打継ぎ部4において、第1コンクリート部分1に、第2コンクリート部分2の打継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および同じ断面積で、所定の長さ(あるいは高さ)寸法Hの打継ぎ接続部5を、第1コンクリート部分1の配筋およびコンクリート6の打設と同時に打設して築造している。前記の寸法Hは、接続部端面からの距離であり、ハンチ部分を設ける場合には、これを除いた部分の寸法で設定するとよい。
【0012】
前記の打継ぎ接続部5は、第2コンクリート部分2の一部を兼ねた部分であり、コンクリートの打継ぎ接続部5の長さ(あるいは高さ)Hは、橋梁におけるコンクリート製基礎1に、コンクリート製橋脚2aを築造する場合には、コンクリート製橋脚2aの下端部の一部をコンクリート製基礎1と一体に先に築造される。前記の打継ぎ接続部5は、コンクリート製基礎1とコンクリート製橋脚2aとの関係では、コンクリート製橋脚2aの下端部の長さで、少なくとも500mm以上必要であり、1000mm以下程度の寸法に設定され、コンクリート製橋脚2aと一体に先行して築造され、養生硬化された部分である。
【0013】
コンクリート製基礎1とコンクリート製橋脚2aとの関係では、コンクリートの打継ぎ接続部5の長さ(あるいは高さ)Hが、500mm下回る寸法では、温度膨張によるひび割れ防止効果が低いため、500mm以上とした。また、コンクリートの打継ぎ接続部5の長さ(あるいは高さ)が、1000mm超える寸法としても、温度膨張によるひび割れ防止効果が、500mm〜1000mmの場合のひび割れ防止効果と差がないため、また、1000mm程度までなら、打ち継ぎ接続部5の築造が容易であるなどの理由により、上限を1000mmとした。したがって、コンクリート製橋梁においては、少なくとも500mmの打ち継ぎ接続部5をコンクリート製基礎1a側に一体に築造される。
【0014】
コンクリート製基礎1とコンクリート製橋脚2a以外のコンクリート構造物、例えば、図示を省略するが、コンクリート製箱桁におけるコンクリート製下床版に一体に接続するように立設するように築造されるコンクリート製ウェブ(側壁)、コンクリート製タンクにおけるコンクリート製基礎に一体に接続するように築造されるコンクリート製側壁との関係では、コンクリート製下床版に一体に築造されるコンクリート製ウェブ(側壁)の下端部(一部)のコンクリート打ち継ぎ部の高さ寸法、あるいはコンクリート製基礎に一体に築造されるコンクリート製周側壁の下端部(一部)のコンクリート打ち継ぎ部の高さ寸法は、ウェブまたはコンクリート製周側壁等のコンクリートの壁厚寸法が、橋脚の場合のコンクリートの厚さ寸法よりも薄いため、500mm〜1000mmよりも少ない寸法とすることができ、設計により設定される。
【0015】
前記のように、第1コンクリート部分に、コンクリート製の打ち継ぎ接続部5を設けて、その打ち継ぎ接続部5に、第2コンクリート部分のコンクリート6を打設するようにして、橋脚2aの上部を築造するようにしている。
このようにすると、第1コンクリート部分1から第2コンクリート部分2に接続する場合に、断面積が変化するコンクリートの打ち継ぎ部4では、打設されたコンクリート6の養生を図る場合に、養生時の水和反応により温度が上昇するが、第2コンクリート部分2から、第1コンクリート部分1における打ち継ぎ接続部5に、なだらかに熱が均等に伝達され、第1コンクリート部分1における打ち継ぎ接続部5端面付近の温度および膨張量と、第2コンクリート部分2における打ち継ぎ端部(下端部)付近の温度および膨張量の差が小さくなるため、温度膨張に起因するひび割れを防止することができる。
【0016】
このように、本発明のコンクリートの打ち継ぎ構造では、大きい断面部分の第1コンクリート部分1と、これに接続するそれよりも小さい断面部分の第2コンクリート部分2とのコンクリートの打ち継ぎ構造において、前記第1コンクリート部分1における前記第2コンクリート部分2との打ち継ぎ接続部端面を、前記第2コンクリート部分2の打ち継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および断面積とすると共に、打ち継ぎ接続部端面から所定の長さ寸法間同じ断面積の部分を有する打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分2の一部として前記第1コンクリート部分1に設け、その第1コンクリート部分1の打ち継ぎ接続部に、第2コンクリート部分2用のコンクリート6が打設されて、第2コンクリート部分2が築造接続されている。
【0017】
次に、コンクリート製フーチングからなるコンクリート製基礎1に、コンクリート製橋脚2aを築造する場合に、本発明のように、コンクリート製基礎1aに、予め橋脚2aの一部(下端部)を打ち継ぎ接続部5として築造し、これに橋脚2aの上部を築造するためにコンクリートを順次打設する場合と、このような打ち継ぎ接続部5を設けないで、直接コンクリート製基礎1aに橋脚2aを築造する場合の差異について、FEM解析した結果について説明する。
【0018】
図3(a)は、本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造を解析する場合のモデル図、同図(b)は従来のコンクリート打ち継ぎ部構造を解析する場合のモデル図である。FEMのグリッドは250mmピッチで行った。
解析条件として、コンクリート強度σcが24N/mm2であり、外気温が20℃、セメントの種類を普通セメントとし、打設初期温度を25℃とし、単位セメント量を300kg/m3であるとした。
図3(a)の本発明のコンクリート打ち継ぎ部の立上げ高さ寸法Hは、1.0mmであり、図3(b)の従来のコンクリート打ち継ぎ部構造では、コンクリート製基礎1に直接橋脚用コンクリート6を打設して橋脚下端部を築造した場合の縦断側面図が示されている。
【0019】
また、図4(a)には、図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造の温度解析結果の端面側のみを示す図が、同図(b)は図3(b)に示す従来のコンクリート打ち継ぎ部構造の温度解析結果の端面側のみを示す図である。
図4(a)に示す本発明の構造の場合では、コンクリート製基礎1aになだらかに熱伝達されているため、立上げられた打ち継ぎ接続部5の中心部の温度は67℃であった。図2(a)に示すように、立ち上げられた打ち継ぎ接続部5も温度上昇に伴い膨張されるが、その拘束力は小さく、打ち継ぎ接続部のひび割れを防止することができる。これに対して、図4(b)に示す従来の構造の場合では、中心部の温度が67℃であっても、コンクリート製橋脚2aに接触する部分付近のコンクリート製基礎1aと、それ以外の大部分のコンクリート製基礎1a本体部分とで、大きな温度差を生じている。
【0020】
図5(a)には、図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造における最大主応力度の解析結果の端面側のみを示す図が示され、同図(b)には、図3(b)に示す従来のコンクリート打ち継ぎ部構造における最大主応力度の解析結果の端面側のみを示す図が示されているように、図5(a)の本発明の場合では、打ち継ぎ接続部境界面における最大主応力度差がほとんどないのに対して、図5(b)に示す従来の場合では、橋脚下端部付近の最大主応力度と、基礎1a部分における橋脚側付近の偏在している最大主応力度との差が大きい部分と小さい部分とが生じていることがわかる。
【0021】
このため、本発明の構造では、打ち継ぎ境界部における温度差は小さく、最大主応力度差も小さいため、打ち継ぎ接続部境界面側においてひび割れを防止できるようになる。他方、従来構造では、コンクリート製橋脚2aに接触する部分付近のコンクリート製基礎1aでは膨張力が大きく、それ以外の大部分のコンクリート製基礎1a本体部分では、膨張力は小さいため、コンクリート製基礎全体として拘束力は大きく、橋脚側との温度応力に大きな差を生じるため、打ち継ぎ接続部境界面側においてひび割れを生じるようになる。
【0022】
図6(a)には、図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造におけるひび割れ指数の解析結果を示す図が示され、同図(b)には、図3(b)に示す従来のコンクリート打ち継ぎ部構造におけるひび割れ指数の解析結果の図が示されている。
図6(a)(b)の違いからもわかるように、本発明の構造では、ひび割れ指数の高い領域が局部的に偏在しているのに対して、従来構造の(b)の場合では、ひび割れ指数の高い領域が橋脚壁面の横方向に連続していることがわかる。
【0023】
本発明のように立上げる打ち継ぎ接続部5を第1コンクリート部分1に設ける場合で、橋脚の場合における打ち継ぎ接続部5の高さ寸法が、500mmの場合についてのひび割れ指数について、解析した結果を図7示す。
図7は、図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造において、打ち継ぎ部の打ち上げ高さを0.5mと設定した場合のひび割れ指数の解析結果を示す図であり、図5(a)の場合よりも、ひび割れ指数が高い領域が拡大するようになることがわかる。
【0024】
また、第1コンクリート部分(コンクリート製基礎)に設ける打ち継ぎ接続部の打ち上げ高さを1.5mと設定した場合のひび割れ指数を解析した結果、図5(a)の場合と同様なひび割れ指数の領域であり、改善がみこめないため、コンクリート部分(コンクリート製基礎)に設ける打ち継ぎ接続部の打ち上げ高さを1.0m程度とするとよい。このような高さに設定しておくと、橋脚施工の場合では、容易に打ち継ぎ接続部5を構築することができ、施工も安価にせすることができる。
【0025】
図8には、コンクリート製橋脚基礎とこれに接続するコンクリート製橋脚との表面側のコンター図が示され、図9には、図8の裏面側のコンター図が示されている。図10には、図9における解析する場合の着目点1〜5の場所が拡大して示されている。
【0026】
図11には、本発明の打ち継ぎ構造を適用した場合で、前記着目点1〜5の場所における応力履歴図が示され、図12には、従来の打ち継ぎ方法を適用した場合の応力履歴図が示されている。
図11および図12を比較すると、従来の打ち継ぎ接続構造を採用した場合を示す図12に示す最大主応力度の履歴曲線に比べて、本発明の打ち継ぎ接続部の構造を採用した場合では、養生期間の経過と共に、着目点1〜5における最大主応力度が、格段に低下ひているのがわかる。
また、図13および図14を比較すると、従来の打ち継ぎ接続構造を採用した場合を示す図14のひび割れ指数履歴曲線に比べて、本発明の打ち継ぎ接続構造を採用した場合を示す図13のひび割れ指数履歴曲線の場合は、時間の経過に伴い、ひび割れ指数が改善されていることがわかる。
【0027】
なお、打ち上げ高さ0.5mの打ち継ぎ接続部とし、コンクリート強度を24N/mm2とした場合のFEM解析では、ひび割れ指数が0.45であったが、打ち上げ高さ0.5mの打ち継ぎ接続部とし、コンクリート強度を30N/mm2に変更した場合のFEM解析では、ひび割れ指数が0.46であり、コンクリート強度の大小によるひび割れ指数の大きな低下がみられなかった。なお、コンクリート強度を24N/mm2とした場合の単位セメント量は、300kg/m3であるのに対して、コンクリート強度を30N/mm2とした場合の単位セメント量は、315kg/m3であったため、単位セメント量を増加させると、ひび割れ指数が増加する恐れがある。
【0028】
前記のような本発明の打ち継ぎ構造に施工する方法について図1を参照して説明すると、コンクリート構造物における大きい断面部分の第1コンクリート部分1と、これに接続する小さい断面部分の第2コンクリート部分2とのコンクリートの打ち継ぎ方法において、前記第1コンクリート部分1における前記第2コンクリート部分2との打ち継ぎ接続部端面7を、前記第2コンクリート部分の打ち継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および断面積とすると共に、打ち継ぎ接続部端面から所定の長さ寸法間同じ断面積の部分を有する打ち継ぎ接続部5を第1コンクリート部分1に設けた後、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部5に第2コンクリート部分用のコンクリート6を打設することにより、第2コンクリート部分の温度膨張による拘束を低減したコンクリートの打ち継ぎ方法となる。
【0029】
打ち継ぎ接続部の端面形状が中空である場合には、内側輪郭および外側輪郭を合致させ、中実である場合には、外側輪郭を合致させるようにする。
【0030】
本発明を実施する場合、図示を省略するが、コンクリート製箱桁におけるコンクリート製下床版を第1コンクリート部分とし、これに一体に接続するようにコンクリート製側壁を第2コンクリート部分として立ち上げる打ち継ぎ部に、本発明を適用するようにしてもよい。
【0031】
また、本発明を実施する場合、図示を省略するが、コンクリート製タンクにおけるコンクリート製底版を第1コンクリート部分とし、これに一体に接続するようにコンクリート製側壁を第2コンクリート部分として立ち上げる打ち継ぎ部に、本発明を適用するようにしてもよい。
【0032】
本発明を実施する場合、前記以外にも、コンクリート製支柱、あるいはコンクリート製桁あるいはその他の土木あるいは建築物等のコンクリート構造物における断面が変化するコンクリート打ち継ぎ部に適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】(a)は、本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造の一形態を示す縦断側面図、(b)は従来のコンクリート打ち継ぎ部構造を示す縦断側面図である。
【図2】(a)は、本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造を適用した場合の打ち継ぎ部の養生時の挙動を示す縦断側面図、(b)は従来のコンクリート打ち継ぎ部構造を適用した場合の打ち継ぎ部の養生時の挙動を示す縦断側面図である。 一部
【図3】(a)は、本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造を解析する場合のモデル図、(b)は従来のコンクリート打ち継ぎ部構造を解析する場合のモデル図である。
【図4】(a)は、図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造の温度解析結果を示す図である、(b)は図3(b)に示す従来のコンクリート打ち継ぎ部構造の温度解析結果を示す図である。
【図5】(a)は、図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造における最大主応力度の解析結果を示す図である、(b)は図3(b)に示す従来のコンクリート打ち継ぎ部構造における最大主応力度の解析結果を示す図である。
【図6】(a)は、図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造におけるひび割れ指数の解析結果を示す図である、(b)は図3(b)に示す従来のコンクリート打ち継ぎ部構造におけるひび割れ指数の解析結果を示す図である。
【図7】図3(a)に示す本発明のコンクリート打ち継ぎ部構造において、打ち継ぎ部の打ち上げ高さを0.5mと設定した場合のひび割れ指数の解析結果を示す図である、
【図8】コンクリート製橋脚基礎とこれに接続するコンクリート製橋脚との表面側のコンター図である
【図9】図8の裏面側のコンター図である。
【図10】解析する場合の着目点を示す図である。
【図11】本発明の打ち継ぎ構造を適用した場合の応力履歴図である。
【図12】従来の打ち継ぎ方法を適用した場合の応力履歴図である。
【図13】本発明の打ち継ぎ方法を適用した場合のひび割れ履歴図である。
【図14】従来の打ち継ぎ方法を適用した場合のひび割れ履歴図である。
【符号の説明】
【0034】
1a コンクリート製基礎
1b 本体部
1 第1コンクリート部分
2a コンクリート製橋脚
2 第2コンクリート部分
3 コンクリート構造物
4 打継ぎ部
5 打ち継ぎ接続部
6 コンクリート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大きい断面部分の第1コンクリート部分と、これに接続するそれよりも小さい断面部分の第2コンクリート部分とのコンクリートの打ち継ぎ構造において、前記第1コンクリート部分に所定の長さ寸法の打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として前記第1コンクリート部分に一体にコンクリートを打設して設け、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部に接続するように第2コンクリート部分用のコンクリートが打設されて、第2コンクリート部分が築造されていることを特徴とするコンクリートの打ち継ぎ構造。
【請求項2】
前記第1コンクリート部分における前記第2コンクリート部分との打ち継ぎ接続部端面を、前記第2コンクリート部分の打ち継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および断面積とすると共に、打ち継ぎ接続部端面から所定の長さ寸法間同じ断面積の部分を有する打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として前記第1コンクリート部分に一体にコンクリートを打設して設け、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部に接続するように第2コンクリート部分用のコンクリートが打設されて、第2コンクリート部分が築造されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートの打ち継ぎ構造。
【請求項3】
前記第1コンクリート部分がコンクリート製基礎であり、前記第2コンクリート部分がコンクリート製橋脚であり、コンクリート製基礎を構築する場合、橋脚の下端部分の高さ寸法で500mm〜1000mmの部分が、コンクリート製基礎と同時にコンクリート製基礎側に打ち継ぎ接続部として築造され、その打ち継ぎ接続部に接続するように打設される橋脚部コンクリートの温度膨張による前記打ち継ぎ接続部の拘束作用を低減するようにした請求項1または2に記載のコンクリートの打ち継ぎ構造。
【請求項4】
コンクリート構造物における大きい断面部分の第1コンクリート部分と、これに接続する小さい断面部分の第2コンクリート部分とのコンクリートの打ち継ぎ方法において、前記第1コンクリート部分に所定の長さ寸法の打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として第1コンクリート部分に設けた後、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部に第2コンクリート部分用のコンクリートを打設することにより、第2コンクリート部分の温度膨張による拘束を低減するようにしたことを特徴とするコンクリートの打ち継ぎ方法。
【請求項5】
前記第1コンクリート部分における前記第2コンクリート部分との打ち継ぎ接続部端面を、前記第2コンクリート部分の打ち継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および断面積とすると共に、打ち継ぎ接続部端面から所定の長さ寸法間同じ断面積の部分を有する打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として第1コンクリート部分に設けた後、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部に第2コンクリート部分用のコンクリートを打設することにより、第2コンクリート部分の温度膨張による拘束を低減するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のコンクリートの打ち継ぎ方法。
【請求項1】
大きい断面部分の第1コンクリート部分と、これに接続するそれよりも小さい断面部分の第2コンクリート部分とのコンクリートの打ち継ぎ構造において、前記第1コンクリート部分に所定の長さ寸法の打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として前記第1コンクリート部分に一体にコンクリートを打設して設け、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部に接続するように第2コンクリート部分用のコンクリートが打設されて、第2コンクリート部分が築造されていることを特徴とするコンクリートの打ち継ぎ構造。
【請求項2】
前記第1コンクリート部分における前記第2コンクリート部分との打ち継ぎ接続部端面を、前記第2コンクリート部分の打ち継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および断面積とすると共に、打ち継ぎ接続部端面から所定の長さ寸法間同じ断面積の部分を有する打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として前記第1コンクリート部分に一体にコンクリートを打設して設け、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部に接続するように第2コンクリート部分用のコンクリートが打設されて、第2コンクリート部分が築造されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートの打ち継ぎ構造。
【請求項3】
前記第1コンクリート部分がコンクリート製基礎であり、前記第2コンクリート部分がコンクリート製橋脚であり、コンクリート製基礎を構築する場合、橋脚の下端部分の高さ寸法で500mm〜1000mmの部分が、コンクリート製基礎と同時にコンクリート製基礎側に打ち継ぎ接続部として築造され、その打ち継ぎ接続部に接続するように打設される橋脚部コンクリートの温度膨張による前記打ち継ぎ接続部の拘束作用を低減するようにした請求項1または2に記載のコンクリートの打ち継ぎ構造。
【請求項4】
コンクリート構造物における大きい断面部分の第1コンクリート部分と、これに接続する小さい断面部分の第2コンクリート部分とのコンクリートの打ち継ぎ方法において、前記第1コンクリート部分に所定の長さ寸法の打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として第1コンクリート部分に設けた後、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部に第2コンクリート部分用のコンクリートを打設することにより、第2コンクリート部分の温度膨張による拘束を低減するようにしたことを特徴とするコンクリートの打ち継ぎ方法。
【請求項5】
前記第1コンクリート部分における前記第2コンクリート部分との打ち継ぎ接続部端面を、前記第2コンクリート部分の打ち継ぎ接続部端面の端面形状および断面積と同じ端面形状および断面積とすると共に、打ち継ぎ接続部端面から所定の長さ寸法間同じ断面積の部分を有する打ち継ぎ接続部を、第2コンクリート部分の一部として第1コンクリート部分に設けた後、その第1コンクリート部分の打ち継ぎ接続部に第2コンクリート部分用のコンクリートを打設することにより、第2コンクリート部分の温度膨張による拘束を低減するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のコンクリートの打ち継ぎ方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−47918(P2010−47918A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−211098(P2008−211098)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000103769)オリエンタル白石株式会社 (136)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000103769)オリエンタル白石株式会社 (136)
【Fターム(参考)】
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