説明

コンセント装置、給電状態監視装置、及び通電制御システム

【課題】商用電源から供給される電力の状態が変化した場合であっても、電気機器への通電を適切に制御する。
【解決手段】通電を制御する条件とその条件を満たす場合に行う制御の内容とを設定する設定部506と、商用電源の電力に係る変化の内容を表す第1の変化情報を取得し、第1の変化情報により表される変化の内容が、設定部506により設定された条件を満たすか否かに従って、制御の内容に従った通電の制御を行う制御部505とを備えるコンセント装置5Aを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンセント装置、給電状態監視装置、及び通電制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭に設置された複数の電気機器が同時に使用された場合等に、家庭内の全ての電気機器への給電が遮断されるのを防止する給電遮断システムが、特許文献1に開示されている。この給電遮断システムによれば、電流超過時に通電を遮断しても良い電気機器に所定のアダプタが予め取り付けられている。そして、実際の電流超過時には、予め取り付けられたアダプタへの通電が、ブレーカによって遮断される。これにより、電流超過時においても、アダプタが取り付けられていない機器への通電は継続して行われ、家庭内の全ての電気機器への給電が即時に遮断されるのを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−193968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の給電遮断システムは、商用電源から供給される電力の状態が変化したときに家庭内の電気機器の通電を制御することについて、何ら考慮がされていない。
【0005】
例えば、太陽光発電等が分散電源として設置された家庭においては、商用電源から供給される電力が停止した時(つまり停電時)に、分散電源の電力を用いて家庭内の電気機器を動作させることができる。しかし、太陽光発電等のように発電量の変動の大きい分散電源は、家庭内のすべての電気機器を動作させるだけの電力がまかなえない場合もある。このような場合に、従来の給電遮断システムでは、分散電源の限られた電力の範囲で、家庭内の電気機器の通電を適切に制御できない、という問題があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、商用電源から供給される電力の状態が変化した場合であっても、電気機器への通電を適切に制御することができる、コンセント装置、給電状態監視装置、及び通電制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るコンセント装置は、通電を制御する条件とその条件を満たす場合に行う制御の内容とを設定する操作を受け付け、受け付けた前記操作に基づいて前記条件と前記制御の内容とを設定する設定手段と、商用電源の電力に係る変化の内容を表す第1の変化情報を取得する変化情報取得手段と、前記変化情報取得手段が取得した前記第1の変化情報により表される前記変化の内容が、前記設定手段により設定された前記条件を満たすか否かに従って、前記制御の内容に従った通電の制御を行う通電制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点に係るコンセント装置は、商用電源の停電時に通電を制御する制御の内容を設定する操作を受け付け、受け付けた前記操作に基づいて前記制御の内容を設定する設定手段と、前記商用電源の停電を検出する停電検出手段と、前記停電検出手段により前記停電が検出されたことに従って、前記制御の内容に従った通電の制御を行う通電制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の観点に係る給電状態監視装置は、商用電源の電力に係る所定の変化を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記所定の変化に従って、前記変化の内容を表す第1の変化情報を生成する変化情報生成手段と、前記変化情報生成手段により生成された前記第1の変化情報を送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の観点に係る通電制御システムは、商用電源の電力に係る所定の変化を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記所定の変化に従って、前記変化の内容を表す第1の変化情報を生成する変化情報生成手段と、前記変化情報生成手段により生成された前記第1の変化情報を送信する送信手段とを備えた給電状態監視装置と、通電を制御する条件とその条件を満たす場合に行う制御の内容とを設定する操作を受け付け、受け付けた前記操作に基づいて前記条件と前記制御の内容とを設定する設定手段と、前記第1の変化情報を取得する変化情報取得手段と、前記変化情報取得手段が取得した前記第1の変化情報により表される前記変化の内容が、前記設定手段により設定された前記条件を満たすか否かに従って、前記制御の内容に従った通電の制御を行う通電制御手段とを備えたコンセント装置と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の第5の観点に係る通電制御システムは、商用電源及び分散電源から電力を供給する給電状態監視装置と、前記商用電源の停電時に通電を制御するコンセント装置とを備えた通電制御システムであって、前記コンセント装置は、前記商用電源の停電時に通電を制御する制御の内容を設定する操作を受け付け、受け付けた前記操作に基づいて前記制御の内容を設定する設定手段と、前記商用電源の停電を検出する停電検出手段と、前記停電検出手段により前記停電が検出されたことに従って、前記制御の内容に従った通電の制御を行う通電制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、商用電源から供給される電力の状態が変化した場合であっても、電気機器への通電を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態1に係る通電制御システムの概略的な構成を示す図である。
【図2】図1に示した給電状態監視装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示したコンセント装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した通電制御システムの動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の実施形態1の第1の変形例に係る給電状態監視装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態1の第1の変形例に係るコンセント装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態1の第2の変形例に係るコンセント装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施形態2に係る給電状態監視装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施形態2に係るコンセント装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施形態2に係るコンセント装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態3に係る通電制御システムの概略的な構成を示す図である。
【図12】図11に示した給電状態監視装置の構成を示すブロック図である。
【図13】図11に示したコンセント装置の構成を示すブロック図である。
【図14】図11に示した通電制御システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態1)
図1乃至図7を用いて、本発明の実施形態1に係るコンセント装置、給電状態監視装置、及び通電制御システムを説明する。
【0015】
図1を参照して、本実施形態に係る通電制御システム10を説明する。通電制御システム10は、給電状態監視装置2Aと、複数のコンセント装置5Aとを備える。
【0016】
給電状態監視装置2Aは、商用電源1から供給された電圧を検出し、検出した電圧に基づいて商用電源1からの電力の停止(つまり停電)を検出する。商用電源1の停電を検出した給電状態監視装置2Aは、商用電源1が停電になった(停電に変化した)ことを表す情報(第1の変化情報)として所定の高調波信号(例えば第1の高調波信号H1とする)を生成する。給電状態監視装置2Aは、生成した第1の高調波信号H1を家屋H内の全てのコンセント装置5Aに送信する。
【0017】
また、給電状態監視装置2Aは、例えば、太陽光発電、燃料電池、風力発電等の発電装置(蓄電池を含む)である分散電源3と電源線を介して接続されている。給電状態監視装置2Aは、商用電源1の停電時においても分散電源3によって発電された電力を利用できる。給電状態監視装置2Aは、パワーコンディショナによって実現される。
【0018】
また、給電状態監視装置2Aは、商用電源1から供給された電圧を検出し、検出した電圧に基づいて商用電源1からの電力の再開(つまり復電)を検出する。商用電源1の復電を検出した給電状態監視装置2Aは、商用電源1が通常状態になった(元の状態に戻った)ことを表す情報(第2の変化情報)として所定の高調波信号(例えば第2の高調波信号H2とする)を生成する。給電状態監視装置2Aは、生成した第2の高調波信号H2を家屋H内の全てのコンセント装置5Aに送信する。また、このとき給電状態監視装置2Aは、分散電源3の電力の利用を停止し、商用電源1の電力の利用に切り換える。なお、このとき、商用電源1及び分散電源3の両方から供給される電力を利用しても良い。
【0019】
一方、コンセント装置5Aは、コンセント装置5Aに接続されている電気機器8への通電を行う装置である。ここでいう電気機器8は、例えば、家屋Hにおいて使用される、照明器具、冷蔵庫、エアコン、電子レンジ等の電気機器全般を指す。コンセント装置5Aには、通電を制御する条件(停電)とその条件を満たしたときの制御内容がユーザの操作によって設定される。つまり、ユーザは、各コンセント装置5Aについて、個別に、商用電源1の停電時に分散電源3の電力を利用するか否かと、コンセント装置5Aが行う制御の内容を設定する。前述したように、分散電源3から供給される電力は、家庭内のすべての電気機器を動作させるだけの電力がまかなえない場合もある。そのため、商用電源1の停電時に通電が遮断されるのを防止したい電気機器8が接続されたコンセント装置5Aには優先的に通電を許可する設定を行い、一方、それ以外の電気機器8が接続されたコンセント装置5Aには、通電を遮断する設定を行う必要がある。
【0020】
コンセント装置5Aは、商用電源1の停電時に給電状態監視装置2Aから送信された第1の高調波信号H1を取得すると、予め設定された条件とその制御内容に従って、電気機器8への通電を制御する。
【0021】
また、コンセント装置5Aは、商用電源1の復電時に給電状態監視装置2Aから送信された第2の高調波信号H2を取得すると、電気機器8の通電を遮断または抑制等していた制御を終了する。
【0022】
その他、通電制御システム10は、分電盤4を備える。分電盤4は、給電状態監視装置2Aから延びる主幹線を分岐配線する装置である。分電盤4は、主幹ブレーカ6と、複数の分岐ブレーカ7とを備える。給電状態監視装置2Aから延びる主幹線は、主幹ブレーカ6に接続される。主幹ブレーカ6から延びる主幹線は、複数の分岐線に分岐され、各分岐線は、分岐ブレーカ7に接続される。分岐ブレーカ7から延びる分岐線は、コンセント装置5Aに接続される。
【0023】
次に、図2を参照して、図1に示した給電状態監視装置2Aの内部構成を説明する。給電状態監視装置2Aは、接続端子201,204,210と、停電・復電検出部202と、開閉部203,206と、電力変換部205と、電源207と、制御部208と、高調波信号出力部209と、を備える。
【0024】
接続端子201は、商用電源1から延びる電源線に接続され、商用電源1から供給された電力を入力し、停電・復電検出部202に出力する端子である。
【0025】
停電・復電検出部202は、供給された電力に係る電圧を検出し、検出した電圧に基づいて、商用電源1の停電の状態または復電の状態を検出する。なお、停電・復電検出部202は、電圧センサ等によって実現される。
【0026】
開閉部203は、制御部208の制御のもと、開閉状態が切り換えられる。開閉部203が開いている場合、停電・復電検出部202を経た電力は、接続端子210及び電源207に供給される。一方、開閉部203が閉じている場合、停電・復電検出部202から接続端子210及び電源207に電力は供給されない。なお、開閉部203は、スイッチ回路等によって実現される。
【0027】
接続端子204は、分散電源3から延びる電源線に接続され、分散電源3から供給された電力を入力し、電力変換部205に出力する端子である。
【0028】
電力変換部205は、供給された電力を交流電力に変換するものであり、インバータ回路等によって実現される。
【0029】
開閉部206は、制御部208の制御のもと、開閉状態が切り換えられる。開閉部206が開いている場合、電力変換部205によって変換された電力は、接続端子210及び電源207に供給される。一方、開閉部206が閉じている場合、電力変換部205から接続端子210及び電源207に電力は供給されない。開閉部206は、スイッチ回路等によって実現される。
【0030】
電源207は、開閉部203,206の開閉状態に従って、停電・復電検出部202または電力変換部205から供給される電力を受け取る。
【0031】
制御部208は、電源207から供給された電力によって動作する。制御部208は、停電・復電検出部202が停電を検出したことに従って、開閉部203を閉じ、開閉部206を開く制御を行う。また、このとき制御部208は、前述の第1の高調波信号H1を生成する。制御部208は、高調波信号出力部209を用いて、第1の高調波信号H1を電源線に重畳させる制御を行う。
【0032】
また、制御部208は、停電・復電検出部202が復電を検出したことに従って、開閉部203を開き、開閉部206を閉じる制御を行う。また、このとき制御部208は、前述の第2の高調波信号H2を生成する。制御部208は、高調波信号出力部209を用いて、第2の高調波信号H2を電源線に重畳させる制御を行う。なお、制御部208は、CPU及びRAMによって実現される。
【0033】
高調波信号出力部209は、制御部208によって生成された第1の高調波信号H1や第2の高調波信号H2を、分電盤4に延びる電源線上に重畳させる。これにより、第1の高調波信号H1や第2の高調波信号H2は、分電盤4を介して、全てのコンセント装置5Aに送られ、各コンセント装置5Aは、コンセント装置5Aに送られた第1の高調波信号H1に基づいて停電を検出する。また、各コンセント装置5Aは、コンセント装置5Aに送られた第2の高調波信号H2に基づいて復電を検出する。なお、高調波信号出力部209は、トランス等によって実現される。
【0034】
接続端子210は、分電盤4に延びる電源線と接続され、商用電源1または分散電源3から供給された電力を入力し、分電盤4に出力する端子である。
【0035】
このように構成された給電状態監視装置2Aにより、商用電源1の停電時には、第1の高調波信号H1を全てのコンセント装置5Aに送信できる。一方、商用電源1の復電時には、第2の高調波信号H2を全てのコンセント装置5Aに送信できる。
【0036】
次に、図3を参照して、図1に示したコンセント装置5Aの内部構成を説明する。コンセント装置5Aは、接続端子501と、電源502と、高調波信号検出部503と、開閉部504と、制御部505と、設定部506と、プラグ差込口507とを備える。
【0037】
接続端子501は、分電盤4(分岐ブレーカ8)から延びる電源線に接続され、分岐ブレーカ7から供給された電力を入力し、電源502または高調波信号検出部503に出力する端子である。
【0038】
電源502は、接続端子501に入力された電力を受け取る。
【0039】
高調波信号検出部503は、給電状態監視装置2Aによって電源線に重畳された高調波信号(第1の高調波信号H1または第2の高調波信号H2)を検出する。高調波信号検出部503は、トランスデューサ等によって実現される。
【0040】
開閉部504は、制御部505の制御のもと、開閉状態が切り換えられる。開閉部504が開いている場合、接続端子501を経た電力は、プラグ差込口507に供給される。この場合、プラグ差込口507にプラグが接続された電気機器8には通電がされる。一方、開閉部504が閉じている場合、接続端子501からプラグ差込口507に電力は供給されない。なお、開閉部504は、スイッチ回路等によって実現される。
【0041】
制御部505は、電源502から供給された電力によって動作する。制御部505は、高調波信号検出部503によって検出された第1の高調波信号H1を取得することにより、商用電源1が停電になった(停電に変化した)と判別する。また、制御部505は、高調波信号検出部503によって検出された第2の高調波信号H2を取得することにより、商用電源1が復電になった(通常状態に戻った)と判別する。なお、制御部505は、CPUによって実現される。
【0042】
設定部506は、商用電源1の停電時に通電を制御する条件とその制御内容がユーザの操作によって設定される。例えば、ここでは、通電を制御する条件として停電を設定し、その制御内容として、通電を遮断するか否かの二者択一による単純な制御内容が設定される。
【0043】
このように構成されたコンセント装置5Aにより、商用電源1の停電時には、ユーザの操作によって予め設定された条件と条件を満たしたときの制御の内容に従って、電気機器8への通電を制御することができる。
【0044】
次に、図4を参照して、上記構成を有する通電制御システム10の動作を説明する。ユーザは、複数のコンセント装置5Aを、個別に、通電を制御する条件(停電)と、その条件を満たしたときの制御の内容を予め設定する(ステップS401)。
【0045】
給電状態監視装置2Aにおいて、停電・復電検出部202は、商用電源1から供給された電圧に基づいて、現在の状態が停電であるか否かを判別する。そして、商用電源1からの電力が供給されなくなった場合、停電・復電検出部202は、停電を検出する(ステップS402)。
【0046】
このとき制御部208は、停電・復電検出部202によって停電が検出されたことに応じて、開閉部203を閉じ、開閉部206を開く制御を行う。つまり、この場合、分散電源3の電力が分電盤4に供給される。
【0047】
また、このとき制御部208は、商用電源1が停電になったことを表す第1の高調波信号H1を生成する(ステップS403)。制御部208によって制御される高調波信号出力部209は、第1の高調波信号H1を電源線の電圧に重畳(印加)させる。第1の高調波信号H1は、分電盤4を介して分岐された電源線に接続された全てのコンセント装置5Aに送信される(ステップS404)。
【0048】
各コンセント装置5Aにおいて、高調波信号検出部503は、給電状態監視装置2Aの高調波信号出力部209によって電源線に重畳された第1の高調波信号H1を検出する(ステップS405)。制御部505は、第1の高調波信号H1が検出されたと判別すると、設定部506に設定(保持)された条件とその制御内容に従って、開閉部504を閉じるか否かの制御を行う(ステップS406)。開閉部504が閉じられた場合、接続端子501からプラグ差込口507に電力は供給されず、プラグ差込口507に電気機器8のプラグが接続されていても電気機器8への通電はされない。一方、開閉部504が閉じられなければ、プラグ差込口507にプラグが接続された電気機器8に通電がされる。
【0049】
一方、商用電源1からの電力が供給されるようになった場合、給電状態監視装置2Aの停電・復電検出部202は、商用電源1から供給された電力に係る電圧に基づいて、復電を検出する(ステップS407)。
【0050】
このとき制御部208は、停電・復電検出部202によって復電が検出されたことに応じて、開閉部203を開き、開閉部206を閉じる制御を行う。つまり、この場合、分散電源3の利用を終了し、商用電源1による給電に戻る。
【0051】
また、このとき制御部208は、商用電源1が復電になったことを表す第2の高調波信号H2を生成する(ステップS408)。そして、制御部208によって制御される高調波信号出力部209は、第2の高調波信号H2を電源線の電圧に重畳(印加)させる。第2の高調波信号H2は、分電盤4を介して分岐された電源線に接続された全てのコンセント装置5Aに送信される(ステップS409)。
【0052】
各コンセント装置5Aにおいて、高調波信号検出部503は、給電状態監視装置2Aの高調波信号出力部209によって電源線に重畳された第2の高調波信号H2を検出する(ステップS410)。制御部505は、第2の高調波信号H2が検出されたと判別すると、通電の制御を終了する(ステップS411)。このとき、制御部505は、開閉部504を閉じていた場合、開閉部504を開く制御を行う。開閉部504が開かれることにより、プラグ差込口507にプラグが接続された電気機器8に通電がされる。
【0053】
以上、本実施形態1によれば、商用電源1が停電になった場合に、予め設定された条件(停電)とその制御内容(遮断等)に従ってコンセント装置5Aの通電を制御できる。例えば、商用電源1の停電時に即時に通電が遮断されては困るような、照明器具や冷蔵庫等の電気機器8が接続されたコンセント装置5Aには、商用電源1の停電時に通電を遮断または抑制しない設定を行い、一方、通電が遮断されても良い、エアコンや電子レンジ等の電気機器8が接続されたコンセント装置5Aには、商用電源1の停電時に通電を遮断または抑制する設定を行うことができる。これにより、商用電源から供給される電力の状態が停電(変化)した場合に、分散電源の限られた範囲の電力を用いて、家庭内の電気機器への通電を適切に制御できる。
【0054】
なお、商用電源1の停電および復電の各状態は、それぞれの対応する高調波信号で表す代わりにビット列の情報で表されてもよい(1ビットの情報で足りる)。つまり、給電状態監視装置2Aから各コンセント装置5Aに電源線を介して高調波信号を送信する代わりに、通信線を介して各ビット情報を送信しても良い。具体的には、図5及び図6に示すように、給電状態監視装置2Aに通信部211を、各コンセント装置5Aに通信部509を備え、通信部211が、商用電源1の停電および復電の各状態を表すビット情報を、有線または無線の通信線を介して、通信部509に送信することにより上記と同等の効果を得ることもできる。
【0055】
また、上記実施形態において、停電時に通電を制御する制御の内容は、通電を遮断するか否かの単純なものを例にして説明したが、その他、停電時に通電を許可する通電時間、電流量、電力積算量等の複数の内容を設定することも可能である。なお、制御の内容は、コンセント装置5Aに備えられた機能に応じて増減される。例えば、図7に示すように、コンセント装置5Aに電源線を流れる電流を検出する電流検出部508が備えられている場合、停電時に通電を許可する電流量の設定が可能である。
【0056】
(実施形態2)
図8乃至図10を用いて、本発明の実施形態2に係るコンセント装置、給電状態監視装置、及び通電制御システムを説明する。本実施形態に係る通電制御システム10は、給電状態監視装置2Bとコンセント装置5Bとを備える。
【0057】
給電状態監視装置2Bは、商用電源1及び分散電源3の両方から供給される電力を分電盤4に供給する系統連係運転を行う。
【0058】
一方、コンセント装置5Bは、商用電源1が停電したときに、給電状態監視装置2Bから上記実施形態1において用いた高調波信号等を取得せずに、商用電源1の停電を検出する。また、コンセント装置5Bは、商用電源1が復電したときに、上記と同様、給電状態監視装置2Bから高調波信号等を取得せずに、商用電源1の復電を検出する。
【0059】
図8を参照して、給電状態監視装置2Bの内部構成を説明する。上記実施形態1に係る給電状態監視装置2Aと同一の構成には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。給電状態監視装置2Bは、接続端子201,204,209と、開閉部203,206と、電力変換部205と、電源207と、制御部208と、運転切換部212とを備える。
【0060】
運転切換部212は、ユーザの操作によって、給電状態監視装置2Bが分電盤4に電力を供給するための各種運転モードを選択的に切り換えるためものである。各種運転モードには、例えば、商用電源1及び分散電源3の両方から供給される電力を分電盤4に供給する上記の系統連係運転、商用電源1からの電力のみを分電盤4に供給する商用電源運転、分散電源3からの電力のみを分電盤4に供給する分散電源運転、商用電源1の停電時に分散電源3の電力を分電盤4に自動的に供給する停電時運転等がある。
【0061】
本実施形態においては、これらの各種運転モードのうちの系統連係運転が、ユーザの操作によって選択されており、これに従って給電状態監視装置2Bの運転が行われる。また、ここでは分散電源3が蓄電池である場合を説明する。通常時(商用電源1が停電でない時)は、制御部208の制御のもと、開閉部203は開いた状態、開閉部206は閉じた状態とする。これにより、接続端子201を経て供給される商用電源1の電力は、開閉部203を通って、接続端子209及び電源207に供給される。一方、商用電源1の停電時は、制御部208の制御のもと、開閉部203は閉じた状態、開閉部206は開いた状態とする。
【0062】
ここで制御部208は、商用電源1の停電を検出したとき、すぐさま分散電源3の供給に切り換えず、一定の時間をおいて切り換えるものとする。つまり、商用電源1の停電時、分電盤4側への電力供給は、短時間は行わないものとする。これにより、コンセント装置5Bの制御部505は、商用電源1の停電を検出できる。なお、制御部208は、通常時に供給された電力を蓄電するキャパシタを備える。これにより、制御部208は、商用電源1の停電時、分電盤4側への電力供給を行わないとき、キャパシタに蓄電された電力によって動作でき、分散電源3の電力が制御部208に供給される前でも動作できる。
【0063】
また、制御部208は、商用電源1の復電を検出したとき、分散電源3の電力供給を停止し、商用電源1の電力供給に切り換える(通常時に戻す)。このとき、制御部208は、すぐさま商用電力1の電力供給には切り換えず、一定の時間をおいて切り換えるものとする。つまり、商用電源1の復電時においても、分電盤4側への電力供給は、短時間は行わないものとする。これにより、コンセント装置5Bの制御部505は、商用電源1の復電を検出できる。なお、分電盤4側への電力供給を行わないとき、制御部208は、上記停電時の動作と同様、キャパシタにより蓄電された電力によって動作でき、商用電源1の電力が制御部208に供給される前でも動作できる。
【0064】
図9を参照して、コンセント装置5Bの内部構成を説明する。上記実施形態1に係るコンセント装置5Aと同一の構成には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。コンセント装置5Bは、接続端子501と、電源502と、開閉部504と、制御部505と、設定部506と、プラグ差込口507とを備える。
【0065】
制御部505は、接続端子501を経て供給される電圧(外部からの電圧)が0(ゼロ)になったと判別した場合に商用電源1の停電を検出する。商用電源1の停電時、コンセント装置5Bには外部からの電力が供給されない。制御部505は、通常時(商用電源1が停電でない時)に電源502から供給された電力を蓄電するキャパシタを備える。これにより、制御部505は、外部からの電力が供給されないときでも、キャパシタに蓄電された電力によって動作できる。なお、制御部505は、商用電源1の停電の検出を確実なものとするため、制御部505は、外部からの電圧がゼロの状態が一定時間以上、連続的に検出された場合に、商用電源1の停電を検出しても良い。
【0066】
また、制御部505は、商用電源1の停電を検出した後、接続端子501を経て供給される分散電源3からの電圧(分散電源3の電力供給)を検出する。そしてさらに、制御部505は、その後、外部からの電圧がゼロになったと判別した場合に商用電源1の復電を検出する。なお、この場合、商用電源1が復電されたことを確実なものとするため、制御部505は、外部からの電圧がゼロの状態が一定時間以上、連続的に検出された場合に、商用電源1の復電を検出しても良い。
【0067】
このように構成されたコンセント装置5Bにより、商用電源1の停電及び復電を自身の装置において検出でき、ユーザの操作によって設定された条件と制御内容に従って、通電の制御を行うことができる。
【0068】
次に、図10を参照して、上記構成を有する通電制御システム10のコンセント装置5Bの動作を説明する。給電状態監視装置2Bは、各種運転モードのうちの停電時運転によって動作しているものとする。
【0069】
ユーザは、複数のコンセント装置5Bを、個別に、通電を制御する条件(停電)と、その条件を満たしたときの制御の内容(遮断)を予め設定する(ステップS1001)。例えば、ここでは、通電を制御する条件として停電を設定し、その制御内容として、通電を遮断するか否かの制御内容が設定される。
【0070】
制御部505は、分電盤4(分岐ブレーカ7)から接続端子501を経て供給された電力に係る電圧(外部からの電圧)がゼロになったか否かを判別する。制御部505は、電圧がゼロになったと判別した場合に商用電源1の停電を検出する。
【0071】
制御部505は、電圧がゼロになっていないと判別した場合(通常時)は、開閉部504を開いた状態としておく。このときプラグ差込口507にプラグが接続された電気機器8には通電がされる。
【0072】
一方、制御部505は、電圧がゼロになったと判別した場合は、商用電源1の停電を検出し(ステップS1002)、設定部506に設定(保持)された条件と制御内容に従って、開閉部504を閉じるか否かの制御を行う(ステップS1003)
【0073】
また、給電状態監視装置2Bにおいて、制御部208は、商用電源1の停電を検出したとき、すぐさま分散電源3の供給を行わず、一定の時間をおいて切り換えられる。そして、この時間が経過した後、制御部208は、分散電源3の電力を分電盤4に出力する制御を行う。
【0074】
これに伴い、コンセント装置5Bの接続端子501には、分散電源3の電力が供給される。制御部505によって開閉部504が閉じられた場合、プラグ差込口507に電気機器8のプラグが接続されていても電気機器8への通電はされない。一方、制御部505によって開閉部504が開かれた場合、分電盤4を経て供給される分散電源3の電力により、プラグ差込口507にプラグが接続された電気機器8には通電がされる。
【0075】
また、制御部505は、分散電源3の電力が供給された後(商用電源1の停電を検出した後)、再度、外部からの電圧がゼロになったか否かを判別する。制御部505は、再度、電圧がゼロになったと判別した場合に商用電源1の復電を検出する。
【0076】
分散電源3の電力が継続して供給されている場合、制御部505は、商用電源1の復電を検出しない。この場合は、設定部506に設定(保持)された上記の条件に従った通電制御を継続して行う。
【0077】
一方、給電状態監視装置2Bにおいて、制御部208は、商用電源1の復電を検出したとき、すぐさま商用電源1の供給に切り換えず、一定の時間をおいて切り換える。そして、この時間が経過した後、制御部208は、商用電源1の電力を分電盤4に出力する制御を行う。
【0078】
これに伴い、コンセント装置5Bの接続端子501には、分散電源3から商用電源1の電力供給に切り換えられる前に、一旦、外部からの電力が供給されなくなる。このとき制御部505は、商用電源1の復電を検出する(ステップS1004)。また、このとき制御部505は、設定部506に設定(保持)された上記の条件に従った通電制御を終了する(ステップS1005)。例えば、制御部505は、開閉部504を閉じていた場合、開閉部504を開く制御を行う。開閉部504が開かれることにより、プラグ差込口507にプラグが接続された電気機器8には商用電源1の電力によって通電がされる。
【0079】
以上、本実施形態2によれば、コンセント装置5Bが、商用電源1の停電及び復電を、自身の装置において検出でき、商用電源1が停電になった場合には、予め設定された条件(停電)と制御内容(遮断)に従ってコンセント装置5Bの通電を制御できる。
【0080】
(実施形態3)
図11乃至図14を用いて、本発明の実施形態3に係るコンセント装置、給電状態監視装置、及び通電制御システムを説明する。上記実施形態1及び2においては、商用電源1の電力に係る所定の変化として、電圧(電力自体)の変化がある場合(停電、復電)を例に説明したが、本実施形態3においては、商用電源1の電力に係る「電力料金」に変化がある場合を例に説明する。
【0081】
図11を参照して、本実施形態に係る通電制御システム10を説明する。通電制御システム10は、給電状態監視装置2Cとコンセント装置5Cとを備える。電力会社等によって、ある時間帯(例えば、AM10:00〜PM2:00)の電力の料金価格が他の時間帯よりも高く設定される等した場合、電力会社等が運用する料金情報配信装置20は、その時間帯(例えばAM10:00〜PM2:00)の一時間当たりの電力料金価格(例えば23.32円/kWh)を表す電力料金情報を、各家屋Hの給電状態監視装置2C(例えばスマートメータ等)に配信する。
【0082】
給電状態監視装置2Cは、料金情報配信装置20から配信された電力料金情報により表される時間帯の開始時間(AM10:00)が到来したとき(または、その直前)に、その電力料金情報により表される料金価格の電力供給が開始される旨を表す第1の料金データを、各コンセント装置5Cに送信する。
【0083】
一方、各コンセント装置5Cにおいては、通電を制御する条件(電力料金の価格)とその制御内容がユーザの操作によって設定される。各コンセント装置5Cは、給電状態監視装置2Cから送信された第1の料金データにより表される料金価格が、ユーザの操作によって予め設定された条件(電力料金の価格)を満たすか否かに従って、設定された制御内容に従った通電の制御を行う。
【0084】
また、給電状態監視装置2Cは、上記の電力料金情報により表される時間帯の終了時間(PM2:00)が到来したとき(または、その直後)に、その電力料金情報により表される料金価格の電力供給が終了した旨を表す第2の料金データを、各コンセント装置5Cに送信する。
【0085】
各コンセント装置5Cは、給電状態監視装置2Cからの第2の料金データを受信したことに従って、上記の制御内容に従った通電制御を終了する。
【0086】
図12を参照して、給電状態監視装置2Cの内部構成を説明する。上記実施形態1または2に係る給電状態監視装置2A,2Bと同一の構成には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。給電状態監視装置2Cは、接続端子201,210と、電源207と、制御部208と、電力料金情報受信部213と、タイマ214と、料金データ送信部215とを備える。
【0087】
電力料金情報受信部213は、上記の料金情報配信装置20から配信された電力料金情報を受信する。
【0088】
タイマ214は、電力料金情報により表される時間帯の開始時間(AM10:00)及び終了時間(PM2:00)が到来したか否かを、制御部208が判別するために用いられる。
【0089】
料金データ送信部215は、制御部208によって生成される上記の第1の料金データ及び第2の料金データを、有線または無線の通信線を介して、各コンセント装置5Cに送信する。
【0090】
このように構成された給電状態監視装置2Cにより、商用電源の電力に係る「電力料金」に変化がある場合に、その電力供給が開始されるタイミングと終了したタイミングとで、その料金価格を含むデータを各コンセント装置5Cに送信できる。
【0091】
図13を参照して、コンセント装置5Cの内部構成を説明する。上記実施形態1及び2に係るコンセント装置5A,5Bと同一の構成には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。コンセント装置5Cは、接続端子501と、電源502と、開閉部504と、制御部505と、設定部506と、プラグ差込口507と、料金データ受信部510とを備える。
【0092】
料金データ受信部510は、給電状態監視装置2Cから送信された上記の第1の料金データ及び第2の料金データを、有線または無線の通信線を介して受信する。
【0093】
このように構成されたコンセント装置5Cにより、商用電源の電力に係る「電力料金」に変化がある場合に、ユーザの操作によって設定された条件(料金価格)と制御内容に従って通電が制御される。
【0094】
次に、図14を参照して、上記構成を有する通電制御システム10の動作を説明する。
【0095】
ユーザは、複数のコンセント装置5Cを、個別に、通電を制御する条件と、その条件を満たしたときの制御の内容を予め設定する(ステップS1401)。例えば、ここでは、各コンセント装置5Cに、通電を制御する条件として、通電を許容する一時間当たりの電力料金(例えば、20円/kWh)を設定し、また、その条件を満たしたときの制御内容として、通電を遮断する制御内容が設定されたものとする。
【0096】
給電状態監視装置2Cにおいて、電力料金情報受信部213が、料金情報配信装置20から配信された料金情報を受信すると、制御部208は、電力料金の変化を検出する(ステップS1402)。
【0097】
制御部208は、タイマ214を用いて、電力料金情報により表される時間帯(AM10:00〜PM2:00)の開始時間(AM10:00)を検出する。制御部208は、料金情報により表される料金価格(例えば23.32円/kWh)の電力供給が開始される旨を表す第1の料金データを生成する(ステップS1403)。
【0098】
料金データ送信部215は、制御部208の制御のもと、制御部208によって生成された第1の料金データを各コンセント装置5Cに送信する(ステップS1404)。
【0099】
一方、各コンセント装置5Cにおいて、料金データ受信部510は、給電状態監視装置2Cから送信された第1の料金データを受信し、制御部505は、料金データ受信部510が受信した第1の料金データを取得する(ステップS1405)。制御部505は、第1の料金データにより表される料金価格が、ユーザの操作によって予め設定された条件を満たすか否かに従って、制御内容に従った通電の制御を行う(ステップS1406)。
【0100】
例えば、ユーザの操作によって設定された条件が20円/kWhと設定されており、制御部505が取得した第1の料金データにより表される料金価格が23.32円/kWhであったとき、制御部505は、設定された条件を満たしたと判別し、設定された制御内容に従って、開閉部504を閉じる制御を行う。開閉部504が閉じられた場合、接続端子501からプラグ差込口507に電力は供給されず、プラグ差込口507に電気機器8のプラグが接続されていても電気機器8への通電はされない。
【0101】
一方、ユーザの操作によって設定された条件が、30円/kWhと設定されていたとき、制御部505は、設定された条件を満たしていないと判別する。この場合、制御部505は、開閉部504を閉じる制御を行わない。つまり、この場合、開閉部504は、開かれた状態を維持し、プラグ差込口507にプラグが接続された電気機器8には通電がされる。
【0102】
また、給電状態監視装置2Cにおいて、制御部208は、タイマ214を用いて、電力料金情報により表される時間帯(AM10:00〜PM2:00)の終了時間(PM2:00)を検出する。終了時間(PM2:00)が検出されたとき(または、その直後に)、制御部208は、料金情報により表される料金価格(23.32円/kWh)の電力供給が終了した旨を表す第2の料金データを生成する(ステップS1407)。
【0103】
料金データ送信部215は、制御部208の制御のもと、制御部208によって生成された第2の料金データを各コンセント装置5Cに送信する(ステップS1408)。
【0104】
一方、各コンセント装置5Cにおいて、料金データ受信部510は、給電状態監視装置2Cから送信された第2の料金データを受信し、制御部505は、料金データ受信部510が受信した第2の料金データを取得する(ステップS1409)。制御部505は、この第2の料金データを取得したことに従って、設定された制御の内容に従って通電制御が行われている場合にはその通電制御を終了する(ステップS1410)。つまり、この場合、制御部505によって開閉部504が閉じられていた場合、制御部505は、開閉部504を開く制御を行う。開閉部504が開かれることにより、プラグ差込口507にプラグが接続された電気機器8には通電がされる。
【0105】
以上、本実施形態3によれば、商用電源1の電力に係る電力料金に変化がある場合でも、予め設定された条件(電力料金の価格)とその制御内容(遮断等)に従ってコンセント装置5Cの通電を制御できる。
【0106】
また、上記実施形態3において、電力料金の変化に基づいて通電を制御する制御の内容は、通電を許可する通電時間、電流量、電力積算量等の複数の内容を設定することも可能である。
【0107】
また、制御の内容として、上記条件(電力料金の価格)を全てのコンセント装置5Cが満たす場合に、分散電源3からの電力を利用するか否かを設定できるようにしても良い。これにより、全てのコンセント装置5Cにおいて、ユーザの操作によって設定された条件(電力料金の価格)が、第1の料金データにより表される料金価格よりも低かった場合に、分散電源3からの電力を利用する制御内容が設定されたコンセント装置5Cには、分散電源3からの電力が供給される。
【0108】
また、電力料金を所定の範囲に区分けし、区分けした範囲毎に電力料金のレベルを表した対応表をコンセント装置5Cのメモリ等に記録し、ユーザが電力料金(条件)の設定を行う際に、対応表により表される複数のレベルのいずれかのレベルを通電を制御する条件として設定しても良い。この場合、対応表は表示部(図示しない)の画面に表示される。これにより、電力量と料金との関係について知識が少ないユーザであっても、通電制御を行う条件の設定を簡単に行うことができる。
【0109】
また、給電状態監視装置2Cにおいて、上記の対応表をメモリ等に記録しても良い。この場合、給電状態監視装置2Cから各コンセント装置5Cに送信される各料金データに含まれる料金価格の情報を上記のレベルにより表すことができる。さらに、この場合、料金レベル毎に異なる所定の高調波を対応付け、料金レベルに対応付けられた高調波を表す高調波信号を料金情報として、上記実施形態1と同様に、電源線に重畳させて各コンセント装置5Cに送信しても良い。
【0110】
その他、本発明は、上記実施形態の説明及び図面により限定されるものではなく、上記実施形態及び図面に適宜変更等を加えることは可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 商用電源
2A,2B,2C 給電状態監視装置
3 分散電源
4 分電盤
5A,5B,5C コンセント装置
6 主幹ブレーカ
7 分岐ブレーカ
8 電気機器
10 通電制御システム
20 料金情報配信装置
201,204,210 接続端子
202 停電・復電検出部
203,206 開閉部
207 電源
208 制御部
209 高調波信号出力部
211 通信部
212 運転切換部
213 電力料金情報受信部
214 タイマ
215 料金データ送信部
501 接続端子
502 電源
503 高調波信号検出部
504 開閉部
505 制御部
506 設定部
507 プラグ差込口
508 電流検出部
509 通信部
510 料金データ受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電を制御する条件とその条件を満たす場合に行う制御の内容とを設定する操作を受け付け、受け付けた前記操作に基づいて前記条件と前記制御の内容とを設定する設定手段と、
商用電源の電力に係る変化の内容を表す第1の変化情報を取得する変化情報取得手段と、
前記変化情報取得手段が取得した前記第1の変化情報により表される前記変化の内容が、前記設定手段により設定された前記条件を満たすか否かに従って、前記制御の内容に従った通電の制御を行う通電制御手段と、を備えた、
ことを特徴とするコンセント装置。
【請求項2】
前記変化情報取得手段は、前記変化前の状態に戻ったことを表す第2の変化情報を取得し、
前記通電制御手段は、前記変化情報取得手段が前記第2の変化情報を取得したことに従って、前記制御の内容に従った通電の制御を終了する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンセント装置。
【請求項3】
商用電源の停電時に通電を制御する制御の内容を設定する操作を受け付け、受け付けた前記操作に基づいて前記制御の内容を設定する設定手段と、
前記商用電源の停電を検出する停電検出手段と、
前記停電検出手段により前記停電が検出されたことに従って、前記制御の内容に従った通電の制御を行う通電制御手段と、を備えた、
ことを特徴とするコンセント装置。
【請求項4】
前記停電検出手段により前記商用電源の停電が検出された後、前記商用電源の復電を検出する復電検出手段を備え、
前記通電制御手段は、前記復電検出手段により前記復電が検出されたことに従って、前記制御の内容に従った通電の制御を終了する、
ことを特徴とする請求項3に記載のコンセント装置。
【請求項5】
商用電源の電力に係る所定の変化を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記所定の変化に従って、前記変化の内容を表す第1の変化情報を生成する変化情報生成手段と、
前記変化情報生成手段により生成された前記第1の変化情報を送信する送信手段と、を備えた、
ことを特徴とする給電状態監視装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記所定の変化前の状態を検出し、
前記変化情報生成手段は、前記検出手段が前記所定の変化前の状態を検出したことに従って、前記変化前の状態に戻ったことを表す第2の変化情報を生成し、
前記送信手段は、前記変化情報生成手段により生成された前記第2の変化情報を送信する、
ことを特徴とする請求項5に記載の給電状態監視装置。
【請求項7】
商用電源の電力に係る所定の変化を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記所定の変化に従って、前記変化の内容を表す第1の変化情報を生成する変化情報生成手段と、前記変化情報生成手段により生成された前記第1の変化情報を送信する送信手段とを備えた給電状態監視装置と、
通電を制御する条件とその条件を満たす場合に行う制御の内容とを設定する操作を受け付け、受け付けた前記操作に基づいて前記条件と前記制御の内容とを設定する設定手段と、前記第1の変化情報を取得する変化情報取得手段と、前記変化情報取得手段が取得した前記第1の変化情報により表される前記変化の内容が、前記設定手段により設定された前記条件を満たすか否かに従って、前記制御の内容に従った通電の制御を行う通電制御手段とを備えたコンセント装置と、を備えた、
ことを特徴とする通電制御システム。
【請求項8】
商用電源及び分散電源から電力を供給する給電状態監視装置と、前記商用電源の停電時に通電を制御するコンセント装置とを備えた通電制御システムであって、
前記コンセント装置は、
前記商用電源の停電時に通電を制御する制御の内容を設定する操作を受け付け、受け付けた前記操作に基づいて前記制御の内容を設定する設定手段と、
前記商用電源の停電を検出する停電検出手段と、
前記停電検出手段により前記停電が検出されたことに従って、前記制御の内容に従った通電の制御を行う通電制御手段と、を備えた、
ことを特徴とする通電制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−235615(P2012−235615A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102501(P2011−102501)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】