説明

コンテンツ送信装置及びコンテンツ受信装置

【課題】コンテンツ伝送に係る処理におけるユーザの利便性を向上させることができるコンテンツ送信装置及びコンテンツ受信装置の提供。
【解決手段】
本実施形態のコンテンツ送信装置は、コンテンツ受信装置に第1コンテンツを送信するコンテンツ送信手段と、コンテンツ送信手段によるコンテンツ送信を停止する停止手段と、停止手段によりコンテンツ送信が停止された場合、第1コンテンツを、コンテンツ受信装置に送信済みの第2コンテンツと未送信の第3コンテンツとに分割する生成手段と、第2コンテンツの後端と第3コンテンツの前端とを対応付ける連結情報を、第2コンテンツと第3コンテンツに対応付ける対応付け手段と、コンテンツ送信が停止された後、連結情報をコンテンツ受信装置に送信する連結情報送信手段と、コンテンツ受信装置が受信済みのコンテンツをコンテンツ受信装置において利用可能にするための通信を実行する通信手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、コンテンツ送信装置及びコンテンツ受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地デジ等の著作権保護されたコンテンツを、IPネットワークを介して接続された機器間でダビング(移動及びコピー)する際には、DTCP−IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)規格に沿ったコンテンツ保護技術が用いられる。
【0003】
ここで、DTCP−IPに則りコンテンツをダビングさせる場合、一般的にはTransaction Based Moveと呼ばれる方法によりコンテンツが伝送される。Transaction Based Moveにおいては、コンテンツの伝送中はコンテンツの利用権が送信側にあり、伝送が完了して受信側からcommitmentを実行することにより、受信側でのコンテンツ利用が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−231787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、コンテンツの伝送中にcommitmentを実行せずに中断した場合、受信側は受信したコンテンツを利用することができず、再度伝送する場合にはコンテンツの先頭からやり直すことになる。ここで、コンテンツのダビングにはコンテンツ再生時間と同程度の時間が必要となる場合があり、ユーザの利便性を損ねる恐れがある。このため、コンテンツの伝送に係る処理におけるユーザの利便性を向上できる技術が望まれる。
【0006】
そこで本発明の実施形態は、コンテンツ伝送に係る処理におけるユーザの利便性を向上させることができるコンテンツ送信装置及びコンテンツ受信装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本実施形態のコンテンツ送信装置は、受信装置に第1コンテンツを送信するコンテンツ送信手段と、コンテンツ送信手段によるコンテンツ送信を停止する停止手段と、停止手段によりコンテンツ送信が停止された場合、第1コンテンツを、受信装置に送信済みの第2コンテンツと未送信の第3コンテンツとに分割する生成手段と、第2コンテンツの後端と第3コンテンツの前端とを対応付ける連結情報を、第2コンテンツと第3コンテンツに対応付ける対応付け手段と、コンテンツ送信が停止された後、連結情報を受信装置に送信する連結情報送信手段と、受信装置が受信済みのコンテンツを受信装置において利用可能にするための通信を実行する通信手段とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態の送信装置及び受信装置の利用形態例及びシステム構成例を示す図。
【図2】実施形態の送信装置及び受信装置によるコンテンツ伝送シーケンス例を示す図。
【図3】実施形態の送信装置及び受信装置によるコンテンツ伝送シーケンス例を示す図。
【図4】実施形態の送信装置及び受信装置が管理する管理データベースのデータ構成例を示す図。
【図5】実施形態の送信装置よるコンテンツ送信に係る処理フロー例を示す図。
【図6】実施形態の送信装置よるコンテンツ分割に係る処理フロー例を示す図。
【図7】実施形態の受信装置よるコンテンツ受信に係る処理フロー例を示す図。
【図8】実施形態の受信装置よるコンテンツ結合に係る処理フロー例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0010】
図1(A)は、本実施形態に係る送信装置及び受信装置の利用形態例を示す図である。本実施形態において、送信装置10は例えばテレビ放送を受信して記録するテレビ装置として実現され、受信装置20は例えばIPネットワーク30を介して送信装置10と接続可能な通信端末として実現されるが、送信装置10及び受信装置20が実現される装置はこれに限らない。
【0011】
図1(B)は送信装置及び受信装置のシステム構成例を示す図である。送信装置10は、放送受信部11、制御部12、記録媒体13、分割部14、連結情報作成部15、管理データベース16、表示部17(図1(B)には不図示)を備える。
【0012】
ここで放送受信部11は、地上波デジタル放送番組等のコンテンツについての放送信号を受信する。そして放送受信部11は、受信した放送信号を所定形式の信号に復調して制御部12に出力する。
【0013】
制御部12は、送信装置10の各構成を制御する機能を有する。例えば制御部12は、放送受信部11から入力される、コンテンツの放送信号の録画処理を制御する。当該録画処理において制御部12は、例えばTS形式で放送受信部11から入力される信号を記録媒体13に出力して記録させる。そして制御部12は、記録したコンテンツのコピー可能回数に関する情報を、当該コンテンツに対応付けて管理データベース16に記録する。
【0014】
なおここでは記録媒体13が送信装置10内に搭載されているものとして説明しているが、記録媒体13はUSB等のデジタルインタフェースにより接続された外部記録装置の記録媒体であってもよい。
【0015】
また制御部12は、記録媒体13に記録されたコンテンツのIPネットワーク30を介したダビング(移動及びコピーを含む)を制御する。なお当該ダビングの制御については、分割部14、連結情報作成部15、管理データベース16の機能とともに図2乃至図6にて説明する。
【0016】
そして表示部17は、放送受信部11が受信した放送信号に基づいた映像や、記録部13に記録されたコンテンツのデータに応じた映像を表示する。
【0017】
次に受信装置20を説明する。受信装置20は、制御部21、記録媒体22、連結判別部23、管理データベース24、連結部25、表示部26(図1(B)には不図示)、タッチパネル27(図1(B)には不図示)等を備える。
【0018】
制御部21は、受信装置20の各構成を制御する。そして制御部21は、例えば送信装置10と通信する機能を有し、送信装置10から送信されるコンテンツのダビングを制御する。なお当該ダビング制御については、連結判別部23、管理データベース24、連結部25の機能と共に図2乃至図4、図7及び図8を参照して後述する。
【0019】
記録媒体22は、送信装置10から送信されたコンテンツのデータを格納する。そして表示部26は、記録媒体22に格納されたコンテンツのうち、利用可能状態となっているコンテンツのデータに対する再生処理が実行されると、当該コンテンツの映像を表示する。
【0020】
またタッチパネル27は表示部26を覆う感圧式や静電容量式等の操作入力部であり、ユーザからの各種操作入力を受け付ける。
【0021】
次に図2を参照して、送信装置10及び受信装置20によるコンテンツダビングに係る処理シーケンス例を説明する。
【0022】
まず制御部12及び制御部21は、当該コンテンツダビングを開始する場合、コンテンツ伝送の通信相手となる外部機器と通信してダビング初期処理を実行する(S201)。当該ダビング初期処理において制御部12及び制御部21は、DTCP−IPのTransaction Based Moveに従った手順で、ダビングの開始通知や暗号鍵の交換等を実行する。
【0023】
次に制御部12は、HTTPヘッダを送信した後(S202)、コンテンツデータの送信を開始する(S203)。なおここで制御部12は、送信対象のデータをダビング初期処理にて得られた暗号鍵で暗号化して送信する。
【0024】
ここで制御部21は、送信装置10から送信されるコンテンツデータを受信し、当該データの暗号化を暗号鍵により復号して記録媒体22に記録させる。なお記録媒体22はUSB等のデジタルインタフェースにより受信装置20に接続された外部記録装置の記録媒体であってもよい。
【0025】
そして制御部12は、ダビング処理の中断要求をうけると、ダビングの中断処理を実行する(S204)。なお、当該中断要求は、送信装置10がユーザからダビング中断操作を受けることにより発生してもよい。あるいは当該中断要求は、受信装置20のタッチパネル27がユーザからのダビング中断操作を受け、これに応じて制御部21が送信装置10に中断要求を送信するものであってもよい。
【0026】
ダビング中断処理において分割部14は、当該中断前にダビング対象となっていたコンテンツを例えばダビング中断処理が発生した時点で分割し、前半と後半の2つの分割コンテンツを生成する。なおこのとき分割部14は、ダビング対象コンテンツを例えばコピーし、当該ダビング対象コンテンツのコピー可能回数を1減算したのち、コピーにより得られたコンテンツを分割する。
【0027】
連結情報作成部15は、分割により生成された前半コンテンツと後半コンテンツの夫々に識別子と連結情報を付与し、コンテンツ識別子と連結情報とをコンテンツに対応付ける管理情報を生成し、管理データベースに記録する。なおここでは、前半コンテンツの識別子を「ID_A」、後半コンテンツの識別子を「ID_B」とする。
【0028】
また連結情報作成部15は、連結情報として、そのコンテンツの前にどのコンテンツが繋がるかを示す前端連結情報と、そのコンテンツの後にどのコンテンツが繋がるかを示す後端連結情報とを生成する。即ち連結情報作成部15は、分割により得られた前半コンテンツに対しては、当該コンテンツの後端に繋がるコンテンツを示す後端連結情報を生成する。一方、分割により得られた後半コンテンツに対しては、当該コンテンツの後端に繋がるコンテンツを示す後端連結情報が生成される。
【0029】
なお、前端連結情報は、例えば「(前に繋がるコンテンツのID)―(自コンテンツのID)」のラベル形式となり、後端連結情報は、例えば「(自コンテンツのID)―(後ろに繋がるコンテンツのID)」のラベル形式となる。このため、上記の前半コンテンツ(識別子:ID_A)の後端連結情報は「ID_A―ID_B」となり、上記の後半コンテンツ(識別子:ID_B)の前端連結情報は「ID_A―ID_B」となる。連結情報の詳細については図4を参照して後述する。
【0030】
制御部12は、ダビング中断処理によりコンテンツ分割及び分割されたコンテンツへの連結情報生成が完了すると、データの終わりを示すHTTP 0 chunkを送信し(S205)、連結情報を含むHTTP trailerを送信する(S206)。なおここで制御部12は、分割されたコンテンツのうち前半コンテンツが受信装置20に送信済みの場合、当該前半コンテンツの後端連結情報を含むHTTP trailerを送信し、後半コンテンツが送信済みの場合には当該後半コンテンツの前端連結情報を含むHTTP trailerを送信する。
【0031】
ここで受信装置の制御部21は、HTTP 0 chunk及びHTTP trailerを受信すると、Commitment要求を送信装置10に送信し、当該送信装置10とcommitment処理を実行する(S207)。当該commitment処理において制御部12は、送信済のコンテンツを削除する。一方制御部21は、Commitment処理により、それまでに受信したコンテンツデータを利用可能な状態に変更する。即ち、記録媒体22に記録されたコンテンツデータは、当該Commitment処理が完了するまでは利用不可能な状態である。
【0032】
ここで利用不可能な状態とは、例えばコンテンツのデータに対してファイル名やファイルサイズ等のメタデータが付与されておらず、データアクセス不可能な状態等を指す。そしてこの場合に制御部21は、commitment処理完了後にコンテンツのデータにメタデータを付与して利用可能な状態に変更する。
【0033】
なおS206において受信装置20が受信したHTTP trailerには連結情報が含まれる。そして制御部21は、commitmentにより利用可能状態となったコンテンツと当該連結情報とを対応付ける管理情報を管理データベース24に記録する。
【0034】
次に図3を参照して、送信装置10及び受信装置20によるダビング処理の再開について説明する。
【0035】
制御部12及び制御部21は、ダビングを再開する場合、S201と同様にダビング初期処理を実行する(S301)。次に制御部12は、ダビングによる送信対象のコンテンツに対応付けられている連結情報をHTTPヘッダに含めてHTTP Post requestやHTTP GET responseを送信する(S302)。続いて制御部12は、コンテンツのデータを暗号化して受信装置20に送信する(S303)。
【0036】
そして制御部12は、送信対象のコンテンツのデータを全て送信すると、HTTP 0 chunkを送信して残りデータがないことを通知し(S304)、空のHTTP Trailerを送信する(S305)。そして制御部12はcommitment処理を実行し(S305)、記録媒体13に記録されたコンテンツのうち送信済のコンテンツを削除する。
【0037】
受信装置20の制御部21は、commitment処理を実行してコンテンツを利用可能状態にすると(S305)、S302で受信したヘッダに含まれる連結情報と、図2のS206で受信した連結情報とに基づいてコンテンツ連結処理を実行する(S306)。具体的には、制御部21は、S302で受信した連結情報と一致する連結情報を管理データベース24から抽出し、一致した連結情報に対応付けられているコンテンツと、S306のcommitment処理により得られたコンテンツとを結合する。
【0038】
なお、図3のシーケンスは例えば図2のシーケンスの後に実行されるものであるが、当該図3のシーケンスは、必ずしも図2のシーケンスの後に実行されるとは限らない。例えば、図2のようにコンテンツ送信がダビング中断要求に応じて中断した場合以外にも、送信装置10が未分割のコンテンツの途中の位置からコンテンツを送信する場合、送信装置10及び受信装置20は図3のシーケンスに従ってコンテンツ送受信を実行する。なお、送信装置10が、コンテンツ中盤の途中の位置(コンテンツの先端と後端の間の何れかの位置)からダビングを開始する場合には、以下のシーケンスで処理が実行される。
【0039】
まず送信装置10は、自装置に対するユーザ操作又は受信装置20からの制御信号に応じて、コンテンツを途中の位置からダビングする要求を受けたと判断する。ここで送信装置10と受信装置20は、S301のダビング初期処理を実行する。
【0040】
そして送信装置10は、ダビング要求に応じた位置(上述の途中の位置)でコンテンツを分割し、前半コンテンツと後半コンテンツを生成する。そして送信装置10は前半コンテンツと後半コンテンツに夫々識別子と連結情報を付与する。なお当該分割と識別子及び連結情報の付与については、図2のS204で実行される分割、識別子及び連結情報付与と同様である。また、当該コンテンツ分割、識別子及び連結情報付与は、ダビング初期処理の前に実行されても良い。
【0041】
次に送信装置10は、後半コンテンツに付与された前端連結情報をHTTPヘッダに含めて送信し(S302)、後半コンテンツの送信を実行する(S303)。そして送信装置10及び受信装置20は、図3のS304乃至S307と同様の処理を実行する。
【0042】
次に図4を参照して、コンテンツ識別子、前端連結情報及び後端連結情報について説明する。
【0043】
図4(A)は、送信装置10の管理データベース16に格納される管理情報のデータ構成例を示す。
【0044】
前述の通り、連結情報には、そのコンテンツの前にどのコンテンツが繋がるかを示す前端連結情報と、そのコンテンツの後にどのコンテンツが繋がるかを示す後端連結情報とが含まれる。そして前端連結情報は、例えば「(前に繋がるコンテンツのID)―(自コンテンツのID)」のラベル形式となり、後端連結情報は、例えば「(自コンテンツのID)―(後ろに繋がるコンテンツのID)」のラベル形式となる。また、連結情報として何も記録されていない場合は「−」が記録される。
【0045】
ここで、ID0101には、前端及び後端連結情報が対応付けられていない。即ちID0101に対応付けられているコンテンツは分割されていない。
【0046】
また、分割により得られた前半コンテンツに対しては、当該コンテンツの後端に繋がるコンテンツを示す後端連結情報が、分割により得られた後半コンテンツに対しては、当該コンテンツの後端に繋がるコンテンツを示す後端連結情報が対応付けられる。ここで、ID0201には後端連結情報「ID0201−ID0202」が対応付けられており、ID0202には前端連結情報「ID0201−ID0202」が対応付けられている。即ち、ID0201及びID0202が対応付けられているコンテンツは、同一のコンテンツから分割されたコンテンツであり、ID0201が示すコンテンツが前半部分、ID0202が示すコンテンツが後半部分である。
【0047】
なお、ID0201のコンテンツが更に分割されて、当該分割により得られた前半部分のコンテンツをID0203、後半部分のコンテンツをID0204とすると、ID0203のコンテンツの前端連結情報は「−」であり後端連結情報は「ID0203−ID0204」となる。そしてID0204のコンテンツの前端連結情報は「ID0203−ID0204−ID0202」となる。
【0048】
この場合、ID0202の前端連結情報は「ID0201−ID0202」となっており、当該連結情報には既にコンテンツが存在しないID0201の識別子が含まれているが、コンテンツの結合処理の際には連結情報同士を比較して一致する場合に結合させるので、連結情報が示す識別子とコンテンツ識別子とが異なっていても問題はない。
【0049】
また、ID0302は分割されたコンテンツの後半部分のコンテンツに付与される識別子である。当該ID0301が示すコンテンツの前端には、前端連結情報「ID0301−ID0302」が示す別コンテンツの後端が連結される。
【0050】
ID0403が示すコンテンツは2度以上分割されたコンテンツであり、コンテンツ先頭や末端ではない途中部分のコンテンツである。そしてID0403が示すコンテンツの前端には、「ID0401−ID0402」が後端連結情報として対応付けられているコンテンツが連結される。ID0403が示すコンテンツの後端には、「ID0402−ID0403」が前端連結情報として対応付けられているコンテンツが連結される。
【0051】
図4(B)を用いて、コンテンツ分割処理に伴うコンテンツ識別子と連結情報の付与について説明する。
【0052】
まず、(B−1)に示すように、送信装置10の管理データベースに識別子ID0101のコンテンツが登録されている。
【0053】
そして当該ID0101のコンテンツのダビング処理を開始し、当該ダビングを途中で中断してコンテンツの送信を停止すると、送信装置10は、(B−2)に示すようにID0101のコンテンツのうち送信済みの部分と(識別子:ID0102)と未送信の部分(識別子:ID0103)に分割する。なお送信装置10は、ID0102のコンテンツと後端連結情報ID0102−ID0103とを対応付け、ID0103のコンテンツと前端連結情報ID0102−ID0103とを対応付ける。そして送信装置10は、送信済みのコンテンツID0102の連結情報を受信装置20に送信する。
【0054】
そしてcommitment処理が完了すると、送信装置10においてID0102のコンテンツは削除される。一方、受信装置20は、受信したコンテンツを利用可能な状態にするとともに、当該コンテンツにコンテンツ識別子ID0X01を付与する。そして受信装置20は、コンテンツ識別子ID0X01と後端連結情報ID0102−ID0103とをコンテンツに対応付けて管理データベースに登録する。
【0055】
次にID0103のコンテンツのダビング処理が再開されると、送信装置10は当該コンテンツの前端連結情報ID0102−ID0103を送信してからコンテンツを伝送する。そして再度ダビングが途中で中断されると、送信装置10は(B−3)のようにID0103のコンテンツを送信済みコンテンツ(識別子:ID0104)と未送信コンテンツ(識別子:ID0105)とに分割する。なお送信装置10は、ID0104のコンテンツに対して前端連結情報ID0102−ID0103と後端連結情報ID0104−ID0105とを対応付け、ID0105のコンテンツと前端連結情報ID0104−ID0105とを対応付ける。そして送信装置10は送信したコンテンツ(識別子:ID0104)の連結情報を受信装置20に送信する。
【0056】
そしてcommitment処理が完了すると、送信装置10においてID0104のコンテンツは削除される。一方、受信装置20は、受信したコンテンツを利用可能な状態にするとともに、当該コンテンツに対してコンテンツ識別子ID0X02を付与する。また受信装置20は、送信装置10から送信された前端連結情報ID0102−ID0103と後端連結情報ID0104−ID0105とをコンテンツ識別子ID0X03に対応付ける。
【0057】
また、上記と同様にしてID0105のコンテンツのダビングが再開すると、送信装置10は当該コンテンツの前端連結情報ID0104−ID0105を受信装置20に送信する。そして当該ダビングが完了すると、受信装置20は、コンテンツの連結を開始する。
【0058】
図4(C)は受信装置20によるコンテンツの連結処理例を示す図である。
【0059】
受信装置20は、前端連結情報と後端連結情報とが対応(一致)するコンテンツを結合させる。受信装置20は、(C−1)に示すように、ID0X01とID0X02の連結情報が対応(一致)している場合、これらの識別子が示すコンテンツを結合させてコンテンツID0X04を生成する。そして受信装置20は、ID0X01とID0X02の結合端に対応付けられていた連結情報を削除し、ID0X04のコンテンツには後端連結情報ID0104−ID0105を対応付ける。そして受信装置20は、(C−2)に示すように、ID0X04とID0X03の連結情報が対応している場合、これらの識別子が示すコンテンツを結合させてコンテンツID0X05を生成する。
【0060】
次に図5を参照して送信装置10によるコンテンツ送信に係る処理フローを説明する。まず制御部12は受信装置20とダビング初期処理を実行する(S501)。次に制御部12は、送信対象のコンテンツに前端連結情報が対応付けられている場合(S502のYes)、当該前端連結情報をHTTPヘッダに含めて送信する(S503)。そして制御部12は送信対象コンテンツの送信を開始する(S504)。なおS502において連結情報がない場合、制御部12は連結情報を送信することなくコンテンツ送信を開始する。
【0061】
コンテンツ送信中、ダビング中断を指示する要求を受けた場合(S505のYes)、送信装置10はコンテンツの分割処理を実行する(S506)。なお当該分割処理については図6を参照して後述する。次に制御部12はHTTP 0 chunkを送信し(S507)、送信済みコンテンツの後端連結情報をHTTP trailerに含めて送信する(S508)。そして制御部12は受信装置20とcommitment処理を実行し、記憶媒体13に格納された送信済みコンテンツを削除する(S509)。
【0062】
一方、S505において中断要求を受けなかった場合であって(S505のNo)、送信対象コンテンツの終端まで送信した場合(S510のYes)、制御部12は、HTTP 0 chunkを送信し(S511)、空のHTTP trailerに含めて送信する(S512)。そして制御部12はcommitment処理を実行して送信済みコンテンツを削除する(S513)。
【0063】
次に図6を参照して、送信装置10によるコンテンツ分割に係る処理フロー例を説明する。制御部12がダビング中断要求を受けてコンテンツの送信を停止すると、分割部14は送信対象コンテンツを送信済みのコンテンツと未送信のコンテンツとに分割する(S601)。そして制御部12は、送信済みコンテンツと未送信コンテンツに識別子を割り当てる(S602)。なお、ここでは例えば送信済みコンテンツの識別子をID_N、未送信コンテンツの識別子をID_Mとする。
【0064】
次に制御部12は、分割前の送信対象コンテンツに対応付けられていた前端連結情報をID_Nのコンテンツの前端連結情報として対応付け、当該分割前送信対象コンテンツの後端連結情報をID_Mのコンテンツの後端連結情報として対応付ける(S603)。そして連結情報作成部15は、ID_Nのコンテンツに後端連結情報ID_N−ID_Mを、ID_Mのコンテンツに前端連結情報ID_N−ID_Mを対応付ける(S604)。
【0065】
そして制御部12は、記録部13に記録されていた分割前の送信対象コンテンツを削除する(S605)。なお制御部12は、コンテンツを受信装置20に移動させる場合には当該送信対象コンテンツを削除するが、コピー可能回数が設定されているコンテンツを受信装置20にコピーする場合には当該コンテンツを削除しなくとも良い。
【0066】
この場合に送信装置10は、未分割の送信対象コンテンツについては当該コンテンツをコピーして、コピーにより生成されたコンテンツを分割する。あるいは送信装置10は、送信対象コンテンツのうち送信済みの部分をコピーして送信済みコンテンツを生成し、未送信の部分をコピーして未送信コンテンツを生成してもよい。いずれにせよ送信装置10は、未分割であった送信対象コンテンツを記録媒体13に残したまま分割コンテンツを生成する。そして送信装置10は、当該分割に応じて送信対象コンテンツのコピー可能回数を減算する。なお未分割の送信対象コンテンツのコピー可能回数が限界数に達していた場合には当該コンテンツは削除される。
【0067】
次に図7を参照して、受信装置20によるコンテンツ受信に係る処理フロー例を説明する。
【0068】
まず制御部21は、送信装置10とダビング初期処理を実行する(S701)。そして制御部21は、これから受信するコンテンツに新規の識別子を割り当てて、当該識別子を管理データベース24に記録する(S702)。続いて制御部21は、受信したヘッダに前端連結情報が含まれる場合(S703のYes)、当該前端連結情報をS602で記録した識別子に対応付ける(S704)。なおヘッダ内に前端連結情報が含まれない場合は(S703のNo)、S702で記録した識別子の前端及び後端連結情報にブランクを示す「−」を記録する(S704)。
【0069】
そして制御部21は、送信装置10から送信されたコンテンツのデータを受信すると(S706)、当該データを記録媒体22に記録する(S707)。制御部21は、当該データ受信及び記録を、HTTP 0 chunkを受信するまで継続する。そして制御部21は、HTTP 0 chunkを受信し(S708のYes)、続いて受信したHTTP trailerに後端連結情報が含まれると(S709のYes)、当該後端連結情報をS602で記録した識別子に対応付ける(S710)。そして制御部21はcommitmentを実行して、受信したコンテンツのデータを利用可能な状態に変更した後、当該コンテンツにS602で記録した識別子を対応付ける(S711)。そして連結部25はコンテンツの連結処理を実行する(S712)。
【0070】
図8は受信装置20によるコンテンツの連結(結合)に係る処理フロー例を示す図である。まず連結判別部23は、S611にてcommitmentされたコンテンツに前端連結情報が対応付けられているか否かを判別する(S801)。ここで前端連結情報が対応付けられている場合(S801のYes)、連結判別部23は、管理データベース24に登録された後端連結情報から、当該前端連結情報と一致する連結情報を抽出する(S802)。ここで、前端連結情報に一致する後端連結情報があった場合(S803のYes)、連結部25は、当該後端連結情報に対応付けられたコンテンツを前半、commitmentされたコンテンツを後半として、これらコンテンツを連結(結合)する(S804)。そして制御部21は、結合により生成されたコンテンツに新規識別子を付与する(S805)。そして制御部21は、commitmentされたコンテンツの前端連結情報を生成コンテンツの前端連結情報として対応付け、抽出された後端連結情報を生成コンテンツの後端連結情報として対応付けて管理データベース24に登録する(S806)。
【0071】
次に連結判別部23は、S611にてcommitmentされたコンテンツに後端連結情報が対応付けられているか否かを判別する(S807)。ここで後端連結情報が対応付けられている場合(S807のYes)、連結判別部23は、当該後端連結情報と一致する前端連結情報を管理データベース24から抽出する(S808)。ここで、当該後端連結情報に一致する前端連結情報があった場合(S809のYes)、連結部25は、当該前端連結情報に対応付けられたコンテンツを後半、commitmentされたコンテンツを前半として、これらコンテンツを連結(結合)する(S810)。そして制御部21は、結合により生成されたコンテンツに新規識別子を付与する(S811)。そして制御部21は、S808で抽出された前端連結情報を生成コンテンツの前端連結情報として対応付け、commitmentされたコンテンツの後端連結情報を生成コンテンツの後端連結情報として対応付けて、管理データベース24に登録する(S812)。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0073】
10…送信装置、11…放送受信部、12…制御部、13…記録媒体、14…分割部、15…連結情報作成部、16…管理データベース、17…表示部、20…受信装置、21…制御部、22…記録媒体、23…連結判別部、24…管理データベース、25…連結部、26…表示部、27…タッチパネル、30…IPネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ受信装置に第1コンテンツを送信するコンテンツ送信手段と、
前記コンテンツ送信手段によるコンテンツ送信を停止する停止手段と、
前記停止手段によりコンテンツ送信が停止された場合、前記第1コンテンツを、前記コンテンツ受信装置に送信済みの第2コンテンツと未送信の第3コンテンツとに分割する生成手段と、
前記第2コンテンツの後端と前記第3コンテンツの前端とを対応付ける連結情報を、前記第2コンテンツと前記第3コンテンツに対応付ける対応付け手段と、
前記コンテンツ送信が停止された後、前記連結情報を前記コンテンツ受信装置に送信する連結情報送信手段と、
前記コンテンツ受信装置が受信済みのコンテンツを前記コンテンツ受信装置において利用可能にするための通信を実行する通信手段と
を備えるコンテンツ送信装置。
【請求項2】
前記コンテンツ送信手段は、前記第1コンテンツの送信停止の後、前記コンテンツ受信装置に前記第3コンテンツを送信し、
前記連結情報送信手段は、前記第3コンテンツが前記コンテンツ受信装置に送信される場合、当該第3コンテンツに対応付けられた前記連結情報を送信する、請求項1記載のコンテンツ送信装置。
【請求項3】
前記コンテンツ送信手段は、前記第1コンテンツの途中の位置からコンテンツを送信し、
前記分割手段は、前記停止手段によりコンテンツ送信が停止された場合、前記第1コンテンツを、前記途中の位置の前の部分の第4コンテンツと、前記途中の位置よりも後の部分のうち送信済みの第5コンテンツと未送信の第6コンテンツとに分割し、
前記対応付け手段は、前記第4コンテンツの後端と前記第5コンテンツの前端とを対応付ける第2連結情報を前記第4コンテンツに対応付け、前記第5コンテンツの後端と前記第6コンテンツの前端とを対応付ける第3連結情報を前記第6コンテンツに対応付け、
前記連結情報送信手段は、前記第2及び第3連結情報を送信する、請求項1記載のコンテンツ送信装置。
【請求項4】
前記コンテンツ送信手段は、前記第1コンテンツの送信停止の後、前記コンテンツ受信装置に前記第4又は第6コンテンツを送信し、
前記連結情報送信手段は、前記コンテンツ送信手段により何れかの4コンテンツが前記コンテンツ受信装置に送信される場合、当該何れかのコンテンツに対応付けられた連結情報を送信する、請求項3記載のコンテンツ送信装置。
【請求項5】
前記停止手段は、前記コンテンツ送信装置に対するユーザ操作又は前記コンテンツ受信装置からの制御信号に応じて前記送信手段によるコンテンツ送信を停止する、請求項1記載のコンテンツ送信装置。
【請求項6】
前記送信手段は、前記コンテンツ送信装置に対するユーザ操作又は前記コンテンツ受信装置からの制御信号に応じて前記送信手段によるコンテンツ送信を開始する、請求項1記載のコンテンツ送信装置。
【請求項7】
コンテンツ送信装置から第1コンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、
前記コンテンツ送信装置からのコンテンツ送信が停止された場合に、前記第1コンテンツのうち受信済みの第2コンテンツの後端と未受信の第3コンテンツの前端とを対応付ける連結情報を受信する連結情報受信手段と、
受信された前記連結情報を前記第2コンテンツに対応付ける対応付け手段と、
前記第2コンテンツを前記自装置において利用可能にするための前記コンテンツ送信装置との通信を実行する通信手段と、
複数のコンテンツを連結させる連結手段と
を備え、
前記コンテンツ受信手段は、前記コンテンツ送信が停止された後、前記コンテンツ送信装置から前記第3コンテンツを受信し、
前記連結情報受信手段は、前記第3コンテンツが受信される場合に、当該第3コンテンツに対応付けられた前記連結情報を受信し、
前記連結手段は、前記連結情報に応じて前記第2コンテンツと第3コンテンツとを連結させる、コンテンツ受信装置。
【請求項8】
前記連結情報受信手段は、前記コンテンツ受信手段が前記第1コンテンツの一部の第4コンテンツの受信を開始する場合、当該第4コンテンツの前端に繋がるコンテンツを示す第2連結情報を受信し、当該第4コンテンツの受信が停止された場合、当該第4コンテンツの後端に繋がるコンテンツを示す第3連結情報を受信し、
前記対応付け手段は、前記第4コンテンツに前記第2及び第3連結情報を対応付け、
前記連結手段は、前記第4コンテンツのコンテンツ受信が停止した後に受信される第5コンテンツに対応付けられた連結情報に応じて、当該第5コンテンツを前記第4コンテンツの前端又は後端に連結させる、請求項7記載のコンテンツ受信装置。
【請求項9】
ユーザ操作に応じて、前記コンテンツ送信装置に対してコンテンツ送信の停止指示を送信する送信手段を更に備える、請求項7記載のコンテンツ受信装置。
【請求項10】
ユーザ操作に応じて、前記コンテンツ送信装置に対してコンテンツ送信の開始指示を送信する送信手段を更に備える、請求項7記載のコンテンツ受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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