コンバインの伝動装置
【課題】畦際での穀稈刈取を安全に行え、畦際刈取終了後の移動も余裕を持って安全に操作できるようにする。
【解決手段】踏込みによって走行装置(1)の動力伝動を断つ掻込ペダル(2)と、走行装置(1)の走行速度を変更する主変速レバー(3)と、該主変速レバー(3)を中立位置ないし中立位置付近に操作した状態でのみ掻込ペダル(2)の踏込みと戻りを許容するペダル操作牽制手段(A)と、掻込ペダル(2)の踏込み保持状態で主変速レバー(3)を変速操作することで刈取部(5)を駆動する連繋手段(B)を設ける。掻込ペダル(2)の踏込み保持状態において、主変速レバー(3)を前進側へのみ操作可能とするレバー操作牽制手段(C)を設ける。ペダル操作牽制手段(A)を、主変速レバー(3)が中立位置ないし中立位置付近に操作され且つ脱穀クラッチが入りとなった状態でのみ掻込ペダル(2)の踏込みと戻りを許容する構成とする。
【解決手段】踏込みによって走行装置(1)の動力伝動を断つ掻込ペダル(2)と、走行装置(1)の走行速度を変更する主変速レバー(3)と、該主変速レバー(3)を中立位置ないし中立位置付近に操作した状態でのみ掻込ペダル(2)の踏込みと戻りを許容するペダル操作牽制手段(A)と、掻込ペダル(2)の踏込み保持状態で主変速レバー(3)を変速操作することで刈取部(5)を駆動する連繋手段(B)を設ける。掻込ペダル(2)の踏込み保持状態において、主変速レバー(3)を前進側へのみ操作可能とするレバー操作牽制手段(C)を設ける。ペダル操作牽制手段(A)を、主変速レバー(3)が中立位置ないし中立位置付近に操作され且つ脱穀クラッチが入りとなった状態でのみ掻込ペダル(2)の踏込みと戻りを許容する構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、植立する穀稈を刈り取って脱穀し穀粒を収穫するコンバインの伝動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインは、圃場を走行しながら機体の前部に備えた刈取部で穀稈を株元から刈り取って後方へ送り、機体の中央部に設ける脱穀装置で脱穀して穀粒を収穫する。そして、畦際の穀稈を収穫するために、特開2005−46046号公報や特開2001−54314号公報に記載の如く、走行を停止させて刈取装置のみを駆動できるようにしている。
【0003】
特許文献1に記載のコンバインでは、操縦部の足元に設けた掻込ペダルを踏み込むと走行装置へ動力を伝動する副変速装置を中立位置に変更して走行を停止して、刈取部のみを駆動するようにしている。
【0004】
特許文献2に記載のコンバインでは、操縦部の足元に設けた掻込ペダルを踏み込むと走行装置へ動力を伝動するミッションケース内の左右サイドクラッチを切って動力伝動を断ち走行を停止して、刈取部のみを駆動するようにしている。
【特許文献1】特開2005−46046号公報
【特許文献2】特開2001−54314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1や特許文献2に記載のコンバインでは、操縦部の足元に設けた掻込ペダルを踏み込むと走行装置への動力伝動が断たれて急激なブレーキ作用が働き危険を感じることがある。また、踏み込んだ掻込ペダルを何気なく戻すと走行装置への動力伝動が復帰して機体が急に走行を開始するために、コンバインの刈取部が畦に衝突して破損したり、オペレータがびっくりして以後の操縦操作を誤ることがある。
【0006】
そこで、本発明では、畦際での穀稈刈取を安全に行え、畦際刈取終了後の移動も余裕を持って安全に操縦装置を操作できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上述の如き課題を解決するために、以下のような技術的手段を講じる。すなわち、請求項1記載の発明では、踏み込むことによって走行装置(1)への動力伝動を断つ掻込ペダル(2)と、走行装置(1)の走行速度を変更する主変速レバー(3)と、該主変速レバー(3)を中立位置ないし中立位置付近に操作した状態でのみ掻込ペダル(2)の踏み込みと戻りを許容するペダル操作牽制手段(A)と、前記掻込ペダル(2)の踏み込み保持状態で主変速レバー(3)を変速操作することによって刈取部(5)を駆動する連繋手段(B)を設けたことを特徴とするコンバインの伝動装置とした。
【0008】
この構成で、掻込ペダル2の踏込みや戻しによる走行装置1への動力断続が主変速レバー3を中立位置ないし中立位置付近に操作した状態でのみ可能になる。
また、請求項2記載の発明では、前記掻込ペダル(2)の踏み込み保持状態において、主変速レバー(3)を前進側へのみ操作可能とするレバー操作牽制手段(C)を設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの伝動装置とした。
【0009】
この構成で、掻込ペダル2を踏み込むと、主変速レバー3を前進側へ操作して走行装置1を駆動しないで刈取部4を駆動できる。また、この状態では、主変速レバー3を後進側へ操作できなくなる。
【0010】
さらに、請求項3記載の発明では、前記ペダル操作牽制手段(A)を、主変速レバー(3)が中立位置ないし中立位置付近に操作され且つ脱穀クラッチが入りとなった状態でのみ掻込ペダル(2)の踏み込みと戻りを許容する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの伝動装置とした。
【0011】
この構成で、脱穀装置が必ず駆動されている状態で掻込ペダル2を踏み込み、刈取部5を駆動して穀稈を刈り取ることが出来る。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によると、主変速レバー3を中立位置ないし中立位置付近に操作してからでないと掻込ペダル2を踏み込めないので、主変速レバー3を減速操作して走行速度を低下させ、停止ないし微速走行状態にした後に掻込ペダル2を踏み込んで走行装置1への動力伝動を断つことになるため、機体の急激な停止が少なくなる。また、主変速レバー3を中立位置ないし中立位置付近に操作しないと掻込ペダル2が戻らないので、従来のように掻込ペダル2を何気なく戻すことによって走行装置1への動力が急激に繋がって急発進するなどの危険性が少なくなる。
【0013】
また、請求項2記載の発明によると、畦際まで移動し主変速レバー3を減速操作して走行を停止した後に、掻込ペダル2を踏み込んで再び主変速レバー3を前進側へ操作して刈取部4を駆動することで畦際の穀稈を刈取でき、主変速レバー3のみの操作で畦際の穀稈刈り取りが出来て操作が簡素化される。
【0014】
さらに、請求項3記載の発明によると、掻込ペダル2を踏み込んだ状態では、脱穀装置が既に駆動されていることになり、刈取部5から移送されてくる刈取穀稈を脱穀装置へ供給して円滑に脱穀処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
本明細書では、左側及び右側とはコンバインが前進する方向に向いたときの方向を言う。
【0016】
図1に示すように、コンバインの車体10の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ11を有するクローラ走行装置1を配設し、車体10の前端側に分草杆12を備えた刈取部4が設けられている。刈取部4の後方には操縦席13を備えた運転台14があり、また車体10の上方には刈取部4から搬送されてくる穀桿を引き継いで搬送して脱穀・選別する脱穀装置(図示せず)が運転台14の左後方に設けられ、該脱穀装置で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク15が脱穀装置の右側に配置されている。グレンタンク15の後部にオーガ16を連接して、グレンタンク15内の穀粒をコンバインの外部に排出する構成としている。
【0017】
上記コンバインはオペレータが操縦席13に着座して左側に立設する主変速レバー3および副変速レバー17を操作し、エンジンの動力をトランスミッションケース9内の主変速機を介して変速し、左右の走行クローラ11,11に伝動して任意の速度で走行する。穀稈の収穫を行う場合には、脱穀レバー5を脱穀クラッチ入にして脱穀装置を駆動しながら走行する。
【0018】
また、操縦席13の前側に立設する操向レバー18を左右に傾倒操作することにより各種旋回走行をすることができる。すなわち、操向レバー18をコンバインを旋回させようとする方向に傾倒操作することにより、左右の走行クローラ11,11に速度差が与えられて走行方向の変更が行われる構成としている。
【0019】
運転台14の足元フロアー19上には、図2に示すように、駐車ブレーキペダル20及び掻込ペダル2をオペレータが足で踏み込むことによって作動するように設けている。駐車ブレーキペダル20は、トランスミッションケース9内のブレーキディスクを圧接して走行装置1の回転を停止維持する。さらに、掻込ペダル2は、トランスミッションケース9内の左右サイドクラッチを切り作動して走行装置1への動力伝動を切るもので、畦際の穀稈を刈り取る際に使用する。
【0020】
前記主変速レバー3は、トランスミッションケース9の入力軸に連結した油圧無段変速装置Hのトラニオン軸操作アームに、ロッド連動機構(連繋手段)Bを介して連繋し、この油圧無段変速装置Hの出力回転を変速するもので、操向装置1を前進、中立、後進に切り替えると共に走行速度を変速する。図3に示す如く、この主変速レバー3と掻込ペダル2は、後で詳述する連係機構21(ペダル操作牽制手段A)を介してワイヤー22,23でトランスミッションケース9の左右のサイドクラッチを同時操作するサイドクラッチアーム24と駐車ブレーキ操作アーム25に連結している。
【0021】
また、主変速レバー3は、脱穀クラッチに連係して前進側へ操作すると脱穀クラッチが入るようにすることもある。
図4から図7は、主変速レバー3と掻込ペダル2の連係機構21を示すもので、図4は主変速レバー3を前進側へ回動操作した状態で、図5は主変速レバー3が中立位置の状態で、図6は主変速レバー3を後進側へ回動操作した状態を示している。
【0022】
まず、主変速レバー3は枢支軸27で前後に回動する取付板28にボス42を介して取り付けて、取付板28と下部の枢支軸30に枢支した回動アーム31の一方とロッド29連結する。さらに、回動アーム31の他方とカム板34(レバー操作牽制手段C)をリンク33で連結する。カム板34は横軸36に遊嵌する。カム板34には、図7に示すカム面を形成する凹部35を設け、後述する掻込ペダル2のローラ39が落ち込んで掻込ペダル2の動きを規制するようにしている。凹部35は、ローラ39が入り込んだ状態で主変速レバー3を前進側へ操作できるよう逃げ部32を形成し、主変速レバー3を中立に近づけるとローラ39が抜け出し易い形状としている。
【0023】
また、掻込ペダル2は横軸36の上方に設ける別の横軸38へペダルアーム40を遊嵌し、掻込ペダル2を踏み込んでペダルアーム40を横軸38回りに回動させると、該ペダルアーム40の後端部に連結したワイヤー23を引いてサイドクラッチアーム24を回動して走行装置1への動力伝動を断つようになる。ペダルアーム40には前記カム板34の外周41に接近してローラ39を枢着している。
【0024】
枢支軸30と横軸36と横軸38は同一のフレーム(図示省略)へ平行に取り付けることで位置関係を正確に組み付けられるようにしている。
以上の連係機構21で、図4の主変速レバー3を前進側へ回動操作した状態や図6の主変速レバー3を後進側へ回動操作した状態では、ローラ39がカム板34の外周41に当たって掻込ペダル2を踏み込めないが、主変速レバー3を中立位置にした図5の状態では、掻込ペダル2を踏むと、ローラ39がカム板34の凹部35に落ち込んで、踏み込むことが出来る。このように、掻込ペダル2の踏込みが主変速レバー3を中立位置にした場合のみに可能になる。そして、掻込ペダル2を踏込み込んだ状態では、カム板34の凹部35の形状により主変速レバー3を前進側へのみ操作することが可能になる。
【0025】
掻込ペダル2を踏込み込んで主変速レバー3を前進側へ操作した状態では、左右のサイドクラッチが共に遮断されているために走行装置が駆動されることが無く、油圧無段変速装置Hの出力回転によってトランスミッション9の刈取出力軸9aが駆動し、コンバイン前部の刈取部4が駆動されるのである。
【0026】
図8から図11には、本発明の第二実施例として、掻込ペダル2の踏込み可能状態を主変速レバー3の操作位置との関連だけでなく、副変速レバー17と脱穀レバー5の操作位置とに関連付けた連係機構21を示している。副変速レバー17はトランスミッションケース9内で走行装置1への出力回転数を高・低に切換え、脱穀レバー5は既述のように脱穀装置の駆動を入切するものである。この連係機構21はコンバイン機体の高い位置に設けるので、走行装置1からの泥はねを受けることが無く、作動不良を起こすことが無い。
【0027】
運転台14の側部で、主変速レバー3と副変速レバー17と脱穀レバー5の枢支部近くに二つの枢支軸46,47を設け、下側の枢支軸46に掻込規制プレート48を固着し、上側の枢支軸47に、第一規制プレート52と副変速プレート53及び第二規制プレート54を枢着している。
【0028】
掻込規制プレート48は、枢支軸46の片方に伸びたアームに掻込ペダル2にワイヤー49で連結すると共にこのワイヤー49の引きに抗するばね57を取り付け、枢支軸46の他方に伸びたアームの先端にピン50を側方へ突出させている。従って、この掻込規制プレート48は掻込ペダル2の踏み込みによってワイヤー49が引かれピン50が上方へ移動することになる。
【0029】
上側の枢支軸47に枢着する第一規制プレート52には前記ピン50を落し込む凹部58を形成し、主変速レバー3の取付板28とリンク56で連結し主変速レバー3の変速操作に伴って回動し、主変速レバー3が中立位置で前記掻込規制プレート48のピン50が凹部58に入り込むのを許容して掻込ペダル2を踏み込むことが出来る。第一規制プレート52の凹部58には二箇所の突起部67,68を設けて、掻込ペダル2を踏み込んだ動力伝動切状態で主変速レバー3を前進側から中立或いは後進側から中立へ安易に操作するとピン50の凹部69に突起部67,68が係合して変速操作を阻止する。
【0030】
また、副変速プレート53は、その一端を副変速レバー17へアーム59とリンク60で連結し、他端をワイヤー61でトランスミッションケース9内の副変速クラッチに連結している。この副変速プレート53には前記ピン50が入り込んで上方へ回動するのを許容する凹部63,64が設けられた連動プレート62が一体的に取り付けられ、ピン50が凹部63,64に入って連動プレート62を上方へ回動することで高速或いは低速位置にある副変速レバー17を中立位置へ戻すことになる。すなわち、掻込ペダル2を踏み込むと、副変速レバー17が高速或いは低速位置にあっても強制的に中立位置へ戻されることになるのである。
【0031】
さらに、第二規制プレート54は、脱穀レバー5とリンク65で連結したL字状の部材で、脱穀クラッチ入にしていないと第二規制プレート54の外周66がピン50に当たって掻込規制プレート48が回動出来ない、すなわち、掻込ペダル2を踏み込めない。
【0032】
副変速プレート53と第二規制プレート54は、枢支軸47に勘合しているが、図12に示す如く、まず副変速プレート53のボス90を枢支軸47に外嵌し、次に第二規制プレート54のボス92をボス90に外嵌し、さらに連動プレート62のボス91をボス90に外嵌して良好に回動するようにしている。副変速プレート53と第二規制プレート54及び連動プレート62が枢支軸47を中心に回動することで、各部材を精度良く組み立て易い。
【0033】
以上によって、掻込ペダル2を踏み込めるのは、主変速レバー3を中立位置にして脱穀レバー5を脱穀クラッチ入りにしている条件の下のみであり、掻込ペダル2を踏み込むと副変速レバー17が強制的に中立位置になる。
【0034】
図13には、本発明の第三実施例が記載されている。
運転台14の側部上下に枢支軸81,82を設け、この枢支軸81,82に主変速レバー3と掻込ペダル2及び脱穀レバー5の連係機構21を設けている。
【0035】
下側の枢支軸82には掻込連動プレート74を枢支し、この掻込連動プレート74の一方アームに掻込ペダル2に連結するワイヤー76とばね77を連結し、掻込連動プレート74の他方アームにピン75を突設している。ばね77は掻込ペダル2を戻り方向へ付勢している。
【0036】
上側の枢支軸81には、変速規制板70と脱穀規制板83を枢支している。変速規制板70は主変速レバー3の取付板28とリンク71で連結し、主変速レバー3の前後進変速回動に伴って回動する。この変速規制板70の前記ピン75と対向する端面にはピン75が入り込む凹部73を形成し、主変速レバー3を中立位置にするとピン75が凹部73に入り込み可能で、入り込んだ状態でピン75或いは変速規制板70が移動可能な円弧状溝を形成している。すなわち、ピン75が一旦凹部73に入ると掻込ペダル2を踏み込むことが可能で、踏み込んだ状態で主変速レバー3を前進側へ回動することも可能である。
【0037】
また、脱穀規制板83は、脱穀レバー5のアーム79とリンク80,84で連結し、前記ピン75と対向する端面にはピン75が当たる端面を形成し、脱穀レバー5が脱穀クラッチを切っている状態ではピン75の動きを規制して掻込ペダル2を踏み込めない。
【0038】
すなわち、この実施例では、脱穀レバー5を脱穀クラッチ入にして主変速レバー3を中立位置にしている場合に掻込ペダル2を踏み込むことが可能になるのである。
図14、図15、図16には、本発明の第四実施例が記載されている。
【0039】
主変速レバー3の変速位置を検出する変速センサ85と掻込ペダル2の踏み込みを検出する掻込センサ86及び脱穀レバー5の脱穀クラッチ入を検出する脱穀センサ87を設け、各センサ85,86,87の電気信号がコントローラ94に入力し、コントローラ94からコントロールバルブ95を経て左右サイドクラッチを入・切するプッシュシリンダ96を作動させ、比例減圧弁98を経てディスククラッチ97を作動させる。
【0040】
プッシュシリンダ95とディスククラッチ95の作動条件は、変速センサ85が中立を検出し脱穀センサ87が脱穀クラッチ入を検出したとの条件で、掻込センサ86がオンするとプッシュシリンダ96とディスククラッチ97を作動して動力断にする。一旦動力断にすると、掻込センサ86がオフしても変速センサ85が中立を検出しない限りプッシュシリンダ96とディスククラッチ97を動力接続にはしない。
【0041】
なお、脱穀センサ87を設けずに、変速センサ85の中立検出のみで電磁左右サイドクラッチを制御することも出来るが、この場合には脱穀レバー5を脱穀クラッチ入りにしていることを確認して畦際穀稈の刈り取りをしなければ脱穀装置の手前で穀稈が詰ってしまうことになる。
【0042】
また、図15に示すように、前記電磁左右サイドクラッチの作動条件に合わせて掻込ペダル2の取付アーム40に固着の吸着片89を電磁石88で吸着して掻込ペダル2を踏み込み状態に保持するようにしても良い。主変速レバー3を中立位置にすると電磁石88を切り掻込ペダル2を戻すが、この場合は掻込ペダル2の戻りが走行可能状態に一致することになる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】コンバインの一部の平面図である。
【図3】コンバインの一部連動機構を示す説明図である。
【図4】要部を拡大して示す連動機構の説明図である。
【図5】要部を拡大して示す連動機構の説明図である。
【図6】要部を拡大して示す連動機構の説明図である。
【図7】一部品の拡大側面図である。
【図8】第二実施例の要部を拡大して示す側面図である。
【図9】第二実施例の要部を拡大して示す側面図である。
【図10】第二実施例の要部を拡大して示す側面図である。
【図11】第二実施例の要部を拡大して示す側面図である。
【図12】第二実施例の要部を拡大して示す正面図である。
【図13】第三実施例の要部を拡大して示す側面図および背面図である。
【図14】第四実施例の要部の側面図である。
【図15】第四実施例の要部の側面図である。
【図16】第四実施例の制御ブロック図である。
【符号の説明】
【0044】
1 走行装置
2 掻込ペダル
3 主変速レバー
4 刈取部
5 脱穀レバー
A ペダル操作牽制手段
B 連繋手段
C レバー操作牽制手段
【技術分野】
【0001】
この発明は、植立する穀稈を刈り取って脱穀し穀粒を収穫するコンバインの伝動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインは、圃場を走行しながら機体の前部に備えた刈取部で穀稈を株元から刈り取って後方へ送り、機体の中央部に設ける脱穀装置で脱穀して穀粒を収穫する。そして、畦際の穀稈を収穫するために、特開2005−46046号公報や特開2001−54314号公報に記載の如く、走行を停止させて刈取装置のみを駆動できるようにしている。
【0003】
特許文献1に記載のコンバインでは、操縦部の足元に設けた掻込ペダルを踏み込むと走行装置へ動力を伝動する副変速装置を中立位置に変更して走行を停止して、刈取部のみを駆動するようにしている。
【0004】
特許文献2に記載のコンバインでは、操縦部の足元に設けた掻込ペダルを踏み込むと走行装置へ動力を伝動するミッションケース内の左右サイドクラッチを切って動力伝動を断ち走行を停止して、刈取部のみを駆動するようにしている。
【特許文献1】特開2005−46046号公報
【特許文献2】特開2001−54314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1や特許文献2に記載のコンバインでは、操縦部の足元に設けた掻込ペダルを踏み込むと走行装置への動力伝動が断たれて急激なブレーキ作用が働き危険を感じることがある。また、踏み込んだ掻込ペダルを何気なく戻すと走行装置への動力伝動が復帰して機体が急に走行を開始するために、コンバインの刈取部が畦に衝突して破損したり、オペレータがびっくりして以後の操縦操作を誤ることがある。
【0006】
そこで、本発明では、畦際での穀稈刈取を安全に行え、畦際刈取終了後の移動も余裕を持って安全に操縦装置を操作できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上述の如き課題を解決するために、以下のような技術的手段を講じる。すなわち、請求項1記載の発明では、踏み込むことによって走行装置(1)への動力伝動を断つ掻込ペダル(2)と、走行装置(1)の走行速度を変更する主変速レバー(3)と、該主変速レバー(3)を中立位置ないし中立位置付近に操作した状態でのみ掻込ペダル(2)の踏み込みと戻りを許容するペダル操作牽制手段(A)と、前記掻込ペダル(2)の踏み込み保持状態で主変速レバー(3)を変速操作することによって刈取部(5)を駆動する連繋手段(B)を設けたことを特徴とするコンバインの伝動装置とした。
【0008】
この構成で、掻込ペダル2の踏込みや戻しによる走行装置1への動力断続が主変速レバー3を中立位置ないし中立位置付近に操作した状態でのみ可能になる。
また、請求項2記載の発明では、前記掻込ペダル(2)の踏み込み保持状態において、主変速レバー(3)を前進側へのみ操作可能とするレバー操作牽制手段(C)を設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの伝動装置とした。
【0009】
この構成で、掻込ペダル2を踏み込むと、主変速レバー3を前進側へ操作して走行装置1を駆動しないで刈取部4を駆動できる。また、この状態では、主変速レバー3を後進側へ操作できなくなる。
【0010】
さらに、請求項3記載の発明では、前記ペダル操作牽制手段(A)を、主変速レバー(3)が中立位置ないし中立位置付近に操作され且つ脱穀クラッチが入りとなった状態でのみ掻込ペダル(2)の踏み込みと戻りを許容する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの伝動装置とした。
【0011】
この構成で、脱穀装置が必ず駆動されている状態で掻込ペダル2を踏み込み、刈取部5を駆動して穀稈を刈り取ることが出来る。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によると、主変速レバー3を中立位置ないし中立位置付近に操作してからでないと掻込ペダル2を踏み込めないので、主変速レバー3を減速操作して走行速度を低下させ、停止ないし微速走行状態にした後に掻込ペダル2を踏み込んで走行装置1への動力伝動を断つことになるため、機体の急激な停止が少なくなる。また、主変速レバー3を中立位置ないし中立位置付近に操作しないと掻込ペダル2が戻らないので、従来のように掻込ペダル2を何気なく戻すことによって走行装置1への動力が急激に繋がって急発進するなどの危険性が少なくなる。
【0013】
また、請求項2記載の発明によると、畦際まで移動し主変速レバー3を減速操作して走行を停止した後に、掻込ペダル2を踏み込んで再び主変速レバー3を前進側へ操作して刈取部4を駆動することで畦際の穀稈を刈取でき、主変速レバー3のみの操作で畦際の穀稈刈り取りが出来て操作が簡素化される。
【0014】
さらに、請求項3記載の発明によると、掻込ペダル2を踏み込んだ状態では、脱穀装置が既に駆動されていることになり、刈取部5から移送されてくる刈取穀稈を脱穀装置へ供給して円滑に脱穀処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
本明細書では、左側及び右側とはコンバインが前進する方向に向いたときの方向を言う。
【0016】
図1に示すように、コンバインの車体10の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ11を有するクローラ走行装置1を配設し、車体10の前端側に分草杆12を備えた刈取部4が設けられている。刈取部4の後方には操縦席13を備えた運転台14があり、また車体10の上方には刈取部4から搬送されてくる穀桿を引き継いで搬送して脱穀・選別する脱穀装置(図示せず)が運転台14の左後方に設けられ、該脱穀装置で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク15が脱穀装置の右側に配置されている。グレンタンク15の後部にオーガ16を連接して、グレンタンク15内の穀粒をコンバインの外部に排出する構成としている。
【0017】
上記コンバインはオペレータが操縦席13に着座して左側に立設する主変速レバー3および副変速レバー17を操作し、エンジンの動力をトランスミッションケース9内の主変速機を介して変速し、左右の走行クローラ11,11に伝動して任意の速度で走行する。穀稈の収穫を行う場合には、脱穀レバー5を脱穀クラッチ入にして脱穀装置を駆動しながら走行する。
【0018】
また、操縦席13の前側に立設する操向レバー18を左右に傾倒操作することにより各種旋回走行をすることができる。すなわち、操向レバー18をコンバインを旋回させようとする方向に傾倒操作することにより、左右の走行クローラ11,11に速度差が与えられて走行方向の変更が行われる構成としている。
【0019】
運転台14の足元フロアー19上には、図2に示すように、駐車ブレーキペダル20及び掻込ペダル2をオペレータが足で踏み込むことによって作動するように設けている。駐車ブレーキペダル20は、トランスミッションケース9内のブレーキディスクを圧接して走行装置1の回転を停止維持する。さらに、掻込ペダル2は、トランスミッションケース9内の左右サイドクラッチを切り作動して走行装置1への動力伝動を切るもので、畦際の穀稈を刈り取る際に使用する。
【0020】
前記主変速レバー3は、トランスミッションケース9の入力軸に連結した油圧無段変速装置Hのトラニオン軸操作アームに、ロッド連動機構(連繋手段)Bを介して連繋し、この油圧無段変速装置Hの出力回転を変速するもので、操向装置1を前進、中立、後進に切り替えると共に走行速度を変速する。図3に示す如く、この主変速レバー3と掻込ペダル2は、後で詳述する連係機構21(ペダル操作牽制手段A)を介してワイヤー22,23でトランスミッションケース9の左右のサイドクラッチを同時操作するサイドクラッチアーム24と駐車ブレーキ操作アーム25に連結している。
【0021】
また、主変速レバー3は、脱穀クラッチに連係して前進側へ操作すると脱穀クラッチが入るようにすることもある。
図4から図7は、主変速レバー3と掻込ペダル2の連係機構21を示すもので、図4は主変速レバー3を前進側へ回動操作した状態で、図5は主変速レバー3が中立位置の状態で、図6は主変速レバー3を後進側へ回動操作した状態を示している。
【0022】
まず、主変速レバー3は枢支軸27で前後に回動する取付板28にボス42を介して取り付けて、取付板28と下部の枢支軸30に枢支した回動アーム31の一方とロッド29連結する。さらに、回動アーム31の他方とカム板34(レバー操作牽制手段C)をリンク33で連結する。カム板34は横軸36に遊嵌する。カム板34には、図7に示すカム面を形成する凹部35を設け、後述する掻込ペダル2のローラ39が落ち込んで掻込ペダル2の動きを規制するようにしている。凹部35は、ローラ39が入り込んだ状態で主変速レバー3を前進側へ操作できるよう逃げ部32を形成し、主変速レバー3を中立に近づけるとローラ39が抜け出し易い形状としている。
【0023】
また、掻込ペダル2は横軸36の上方に設ける別の横軸38へペダルアーム40を遊嵌し、掻込ペダル2を踏み込んでペダルアーム40を横軸38回りに回動させると、該ペダルアーム40の後端部に連結したワイヤー23を引いてサイドクラッチアーム24を回動して走行装置1への動力伝動を断つようになる。ペダルアーム40には前記カム板34の外周41に接近してローラ39を枢着している。
【0024】
枢支軸30と横軸36と横軸38は同一のフレーム(図示省略)へ平行に取り付けることで位置関係を正確に組み付けられるようにしている。
以上の連係機構21で、図4の主変速レバー3を前進側へ回動操作した状態や図6の主変速レバー3を後進側へ回動操作した状態では、ローラ39がカム板34の外周41に当たって掻込ペダル2を踏み込めないが、主変速レバー3を中立位置にした図5の状態では、掻込ペダル2を踏むと、ローラ39がカム板34の凹部35に落ち込んで、踏み込むことが出来る。このように、掻込ペダル2の踏込みが主変速レバー3を中立位置にした場合のみに可能になる。そして、掻込ペダル2を踏込み込んだ状態では、カム板34の凹部35の形状により主変速レバー3を前進側へのみ操作することが可能になる。
【0025】
掻込ペダル2を踏込み込んで主変速レバー3を前進側へ操作した状態では、左右のサイドクラッチが共に遮断されているために走行装置が駆動されることが無く、油圧無段変速装置Hの出力回転によってトランスミッション9の刈取出力軸9aが駆動し、コンバイン前部の刈取部4が駆動されるのである。
【0026】
図8から図11には、本発明の第二実施例として、掻込ペダル2の踏込み可能状態を主変速レバー3の操作位置との関連だけでなく、副変速レバー17と脱穀レバー5の操作位置とに関連付けた連係機構21を示している。副変速レバー17はトランスミッションケース9内で走行装置1への出力回転数を高・低に切換え、脱穀レバー5は既述のように脱穀装置の駆動を入切するものである。この連係機構21はコンバイン機体の高い位置に設けるので、走行装置1からの泥はねを受けることが無く、作動不良を起こすことが無い。
【0027】
運転台14の側部で、主変速レバー3と副変速レバー17と脱穀レバー5の枢支部近くに二つの枢支軸46,47を設け、下側の枢支軸46に掻込規制プレート48を固着し、上側の枢支軸47に、第一規制プレート52と副変速プレート53及び第二規制プレート54を枢着している。
【0028】
掻込規制プレート48は、枢支軸46の片方に伸びたアームに掻込ペダル2にワイヤー49で連結すると共にこのワイヤー49の引きに抗するばね57を取り付け、枢支軸46の他方に伸びたアームの先端にピン50を側方へ突出させている。従って、この掻込規制プレート48は掻込ペダル2の踏み込みによってワイヤー49が引かれピン50が上方へ移動することになる。
【0029】
上側の枢支軸47に枢着する第一規制プレート52には前記ピン50を落し込む凹部58を形成し、主変速レバー3の取付板28とリンク56で連結し主変速レバー3の変速操作に伴って回動し、主変速レバー3が中立位置で前記掻込規制プレート48のピン50が凹部58に入り込むのを許容して掻込ペダル2を踏み込むことが出来る。第一規制プレート52の凹部58には二箇所の突起部67,68を設けて、掻込ペダル2を踏み込んだ動力伝動切状態で主変速レバー3を前進側から中立或いは後進側から中立へ安易に操作するとピン50の凹部69に突起部67,68が係合して変速操作を阻止する。
【0030】
また、副変速プレート53は、その一端を副変速レバー17へアーム59とリンク60で連結し、他端をワイヤー61でトランスミッションケース9内の副変速クラッチに連結している。この副変速プレート53には前記ピン50が入り込んで上方へ回動するのを許容する凹部63,64が設けられた連動プレート62が一体的に取り付けられ、ピン50が凹部63,64に入って連動プレート62を上方へ回動することで高速或いは低速位置にある副変速レバー17を中立位置へ戻すことになる。すなわち、掻込ペダル2を踏み込むと、副変速レバー17が高速或いは低速位置にあっても強制的に中立位置へ戻されることになるのである。
【0031】
さらに、第二規制プレート54は、脱穀レバー5とリンク65で連結したL字状の部材で、脱穀クラッチ入にしていないと第二規制プレート54の外周66がピン50に当たって掻込規制プレート48が回動出来ない、すなわち、掻込ペダル2を踏み込めない。
【0032】
副変速プレート53と第二規制プレート54は、枢支軸47に勘合しているが、図12に示す如く、まず副変速プレート53のボス90を枢支軸47に外嵌し、次に第二規制プレート54のボス92をボス90に外嵌し、さらに連動プレート62のボス91をボス90に外嵌して良好に回動するようにしている。副変速プレート53と第二規制プレート54及び連動プレート62が枢支軸47を中心に回動することで、各部材を精度良く組み立て易い。
【0033】
以上によって、掻込ペダル2を踏み込めるのは、主変速レバー3を中立位置にして脱穀レバー5を脱穀クラッチ入りにしている条件の下のみであり、掻込ペダル2を踏み込むと副変速レバー17が強制的に中立位置になる。
【0034】
図13には、本発明の第三実施例が記載されている。
運転台14の側部上下に枢支軸81,82を設け、この枢支軸81,82に主変速レバー3と掻込ペダル2及び脱穀レバー5の連係機構21を設けている。
【0035】
下側の枢支軸82には掻込連動プレート74を枢支し、この掻込連動プレート74の一方アームに掻込ペダル2に連結するワイヤー76とばね77を連結し、掻込連動プレート74の他方アームにピン75を突設している。ばね77は掻込ペダル2を戻り方向へ付勢している。
【0036】
上側の枢支軸81には、変速規制板70と脱穀規制板83を枢支している。変速規制板70は主変速レバー3の取付板28とリンク71で連結し、主変速レバー3の前後進変速回動に伴って回動する。この変速規制板70の前記ピン75と対向する端面にはピン75が入り込む凹部73を形成し、主変速レバー3を中立位置にするとピン75が凹部73に入り込み可能で、入り込んだ状態でピン75或いは変速規制板70が移動可能な円弧状溝を形成している。すなわち、ピン75が一旦凹部73に入ると掻込ペダル2を踏み込むことが可能で、踏み込んだ状態で主変速レバー3を前進側へ回動することも可能である。
【0037】
また、脱穀規制板83は、脱穀レバー5のアーム79とリンク80,84で連結し、前記ピン75と対向する端面にはピン75が当たる端面を形成し、脱穀レバー5が脱穀クラッチを切っている状態ではピン75の動きを規制して掻込ペダル2を踏み込めない。
【0038】
すなわち、この実施例では、脱穀レバー5を脱穀クラッチ入にして主変速レバー3を中立位置にしている場合に掻込ペダル2を踏み込むことが可能になるのである。
図14、図15、図16には、本発明の第四実施例が記載されている。
【0039】
主変速レバー3の変速位置を検出する変速センサ85と掻込ペダル2の踏み込みを検出する掻込センサ86及び脱穀レバー5の脱穀クラッチ入を検出する脱穀センサ87を設け、各センサ85,86,87の電気信号がコントローラ94に入力し、コントローラ94からコントロールバルブ95を経て左右サイドクラッチを入・切するプッシュシリンダ96を作動させ、比例減圧弁98を経てディスククラッチ97を作動させる。
【0040】
プッシュシリンダ95とディスククラッチ95の作動条件は、変速センサ85が中立を検出し脱穀センサ87が脱穀クラッチ入を検出したとの条件で、掻込センサ86がオンするとプッシュシリンダ96とディスククラッチ97を作動して動力断にする。一旦動力断にすると、掻込センサ86がオフしても変速センサ85が中立を検出しない限りプッシュシリンダ96とディスククラッチ97を動力接続にはしない。
【0041】
なお、脱穀センサ87を設けずに、変速センサ85の中立検出のみで電磁左右サイドクラッチを制御することも出来るが、この場合には脱穀レバー5を脱穀クラッチ入りにしていることを確認して畦際穀稈の刈り取りをしなければ脱穀装置の手前で穀稈が詰ってしまうことになる。
【0042】
また、図15に示すように、前記電磁左右サイドクラッチの作動条件に合わせて掻込ペダル2の取付アーム40に固着の吸着片89を電磁石88で吸着して掻込ペダル2を踏み込み状態に保持するようにしても良い。主変速レバー3を中立位置にすると電磁石88を切り掻込ペダル2を戻すが、この場合は掻込ペダル2の戻りが走行可能状態に一致することになる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】コンバインの一部の平面図である。
【図3】コンバインの一部連動機構を示す説明図である。
【図4】要部を拡大して示す連動機構の説明図である。
【図5】要部を拡大して示す連動機構の説明図である。
【図6】要部を拡大して示す連動機構の説明図である。
【図7】一部品の拡大側面図である。
【図8】第二実施例の要部を拡大して示す側面図である。
【図9】第二実施例の要部を拡大して示す側面図である。
【図10】第二実施例の要部を拡大して示す側面図である。
【図11】第二実施例の要部を拡大して示す側面図である。
【図12】第二実施例の要部を拡大して示す正面図である。
【図13】第三実施例の要部を拡大して示す側面図および背面図である。
【図14】第四実施例の要部の側面図である。
【図15】第四実施例の要部の側面図である。
【図16】第四実施例の制御ブロック図である。
【符号の説明】
【0044】
1 走行装置
2 掻込ペダル
3 主変速レバー
4 刈取部
5 脱穀レバー
A ペダル操作牽制手段
B 連繋手段
C レバー操作牽制手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
踏み込むことによって走行装置(1)への動力伝動を断つ掻込ペダル(2)と、走行装置(1)の走行速度を変更する主変速レバー(3)と、該主変速レバー(3)を中立位置ないし中立位置付近に操作した状態でのみ掻込ペダル(2)の踏み込みと戻りを許容するペダル操作牽制手段(A)と、前記掻込ペダル(2)の踏み込み保持状態で主変速レバー(3)を変速操作することによって刈取部(5)を駆動する連繋手段(B)を設けたことを特徴とするコンバインの伝動装置。
【請求項2】
前記掻込ペダル(2)の踏み込み保持状態において、主変速レバー(3)を前進側へのみ操作可能とするレバー操作牽制手段(C)を設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの伝動装置。
【請求項3】
前記ペダル操作牽制手段(A)を、主変速レバー(3)が中立位置ないし中立位置付近に操作され且つ脱穀クラッチが入りとなった状態でのみ掻込ペダル(2)の踏み込みと戻りを許容する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの伝動装置。
【請求項1】
踏み込むことによって走行装置(1)への動力伝動を断つ掻込ペダル(2)と、走行装置(1)の走行速度を変更する主変速レバー(3)と、該主変速レバー(3)を中立位置ないし中立位置付近に操作した状態でのみ掻込ペダル(2)の踏み込みと戻りを許容するペダル操作牽制手段(A)と、前記掻込ペダル(2)の踏み込み保持状態で主変速レバー(3)を変速操作することによって刈取部(5)を駆動する連繋手段(B)を設けたことを特徴とするコンバインの伝動装置。
【請求項2】
前記掻込ペダル(2)の踏み込み保持状態において、主変速レバー(3)を前進側へのみ操作可能とするレバー操作牽制手段(C)を設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの伝動装置。
【請求項3】
前記ペダル操作牽制手段(A)を、主変速レバー(3)が中立位置ないし中立位置付近に操作され且つ脱穀クラッチが入りとなった状態でのみ掻込ペダル(2)の踏み込みと戻りを許容する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの伝動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−245584(P2008−245584A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−91749(P2007−91749)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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