説明

コンバインの排ワラ結束構造

【課題】 コンバインの排ワラ結束構造において、排ワラ搬送装置の搬送終端位置と結束装置に供給される排ワラの部分(位置)とが対応しなくなっても(排ワラの流れが不安定な状態になっても)、結束装置の結束不良を招き難いように構成する。
【解決手段】 排ワラ搬送装置9の搬送終端位置を搬送方向に沿って変更することにより排ワラ搬送装置9の搬送終端位置から結束装置7に供給される排ワラAの位置を稈長方向に変更して、排ワラAの結束位置を排ワラAの稈長方向に変更するように構成する。排ワラ搬送装置9の搬送終端位置を搬送方向に沿って所定長さだけ変更して、一時停止すると言う作動を繰り返すように操作する。株元揃え装置52が排ワラAの株元に位置するように位置を変更するように構成し、株元揃え装置52の位置を検出して結束装置7に対する排ワラAの稈長方向の位置を検出する排ワラ位置センサーを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自脱型のコンバインにおいて排ワラの結束構造に関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインでは、特許文献1に開示されているように、脱穀装置(特許文献1の図1の1)から出てきた横倒れ姿勢の排ワラを後方に搬送する排ワラ搬送装置(特許文献1の図1の4)を備えて、排ワラ搬送装置を斜め後方横方に延出しており、排ワラ搬送装置の搬送終端位置からの排ワラを所定量ずつ結束処理する結束装置(特許文献1の図1及び図2の20)を備えている。
排ワラ搬送装置において、ガイドレール(特許文献1の図1の3)の終端側のレール部分(特許文献1の図1の3a)を伸縮操作することによって、排ワラ搬送装置の搬送終端位置(レール部分(特許文献1の図1の3a)の後端部)を、搬送方向に沿って変更することができるのであり、排ワラ搬送装置の搬送終端位置から結束装置に供給される排ワラの位置を稈長方向に変更して、排ワラの結束位置を排ワラの稈長方向に変更することができる。
【0003】
特許文献1では、排ワラの株元位置を検出する一対の位置センサー(特許文献1の図1の7A,7B)を備えており、位置センサーの検出値に基づいて、排ワラ搬送装置の搬送終端位置を搬送方向に沿って変更することにより(ガイドレールの終端側のレール部分を伸縮操作することにより)、排ワラの長さに関係なく排ワラの所望の部分(位置)が結束装置に供給されるようにして、排ワラの所望の部分(位置)が結束処理されるように構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−172875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、位置センサーの検出値に基づいて排ワラ搬送装置の搬送終端位置を搬送方向に沿って変更する場合、例えば排ワラ搬送装置の搬送終端位置がこの位置であれば、排ワラのこの部分(位置)が結束装置に供給されると言うように、排ワラ搬送装置の搬送終端位置と結束装置に供給される排ワラの部分(位置)とが、対応する状態であることが必要である。
【0006】
しかしながら、コンバインでは穀稈の状態や刈取条件等により、排ワラの状態(長さや量等)が大きく変化するので、排ワラ搬送装置の搬送終端位置と結束装置に供給される排ワラの部分(位置)とが対応しなくなることがある。
具体的には、排ワラ搬送装置の搬送終端位置を搬送方向に変更しても、排ワラ搬送装置の搬送終端位置から結束装置に供給される排ワラの位置が稈長方向に変化しなかったり、排ワラ搬送装置の搬送終端位置から結束装置に供給される排ワラの位置が稈長方向に大きく変化したりと言うような、排ワラの流れが不安定な状態になることがある。
【0007】
前述のように、排ワラ搬送装置の搬送終端位置と結束装置に供給される排ワラの部分(位置)とが対応しなくなると(排ワラの流れが不安定な状態になると)、位置センサーの検出値に基づいて、排ワラ搬送装置の搬送終端位置を搬送方向に沿って変更しても、排ワラの所望の部分(位置)が結束装置に供給されず、結束装置に供給される排ワラの部分(位置)が所望の部分(位置)から排ワラの稈長方向に大きく外れてしまうことがあり、結束装置の結束不良を招くことがある。
【0008】
本発明はコンバインの排ワラ結束構造において、排ワラ搬送装置の搬送終端位置を搬送方向に沿って変更することにより、排ワラの所望の部分(位置)が結束装置に供給されるように構成する場合、排ワラ搬送装置の搬送終端位置と結束装置に供給される排ワラの部分(位置)とが対応しなくなっても(排ワラの流れが不安定な状態になっても)、結束装置の結束不良を招き難いように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、コンバインの排ワラ結束構造において次のように構成することにある。
脱穀装置から出てきた横倒れ姿勢の排ワラを後方に搬送する排ワラ搬送装置を斜め後方横方に延出し、排ワラ搬送装置の搬送終端位置からの排ワラを所定量ずつ結束処理する結束装置を備える。
排ワラ搬送装置の搬送終端位置を搬送方向に沿って変更することにより、排ワラ搬送装置の搬送終端位置から結束装置に供給される排ワラの位置を稈長方向に変更して、排ワラの結束位置を排ワラの稈長方向に変更する結束位置変更手段を備える。
結束装置の付近で排ワラの株元を揃える株元揃え装置と、株元揃え装置が排ワラの株元に位置するように株元揃え装置の位置を排ワラの稈長方向に沿って変更する位置変更手段とを備える。
株元揃え装置の位置を検出して結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置を検出する排ワラ位置センサーと、排ワラの稈長方向に沿って設定結束位置を設定する結束位置設定手段とを備える。
排ワラ位置センサーの検出値に基づいて排ワラが設定結束位置で結束処理されるように結束位置変更手段を作動させる制御手段を備え、排ワラ搬送装置の搬送終端位置を搬送方向に沿って所定長さだけ変更して、一時停止すると言う作動を繰り返すように、制御手段が結束位置変更手段を操作するように構成する。
【0010】
(作用)
本発明の第1特徴によると、排ワラ位置センサーの検出値に基づいて排ワラが設定結束位置で結束処理されるように、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って設定結束位置に対応する位置に変更される場合、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って設定結束位置に対応する位置に一度に変更されるのではなく、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って所定長さだけ変更されて一時停止すると言う作動を繰り返して、設定結束位置に対応する位置に到達する。
【0011】
本発明の第1特徴によると、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って所定長さだけ変更された際、排ワラ搬送装置の搬送終端位置と結束装置に供給される排ワラの部分(位置)とが対応しなくなっても(排ワラの流れが不安定な状態になっても)、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が一時停止して同じ位置に維持されるので、この間に排ワラの流れが安定な状態となり(排ワラ搬送装置の搬送終端位置が同じ位置に維持されていることによる)、排ワラ搬送装置の搬送終端位置と結束装置に供給される排ワラの部分(位置)とが対応する状態となる。
この後、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って所定長さだけ変更されて一時停止すると言う作動を繰り返し、最後に排ワラ搬送装置の搬送終端位置が設定結束位置に対応する位置に到達して、排ワラが設定結束位置で結束処理される。
【0012】
以上のように、本発明の第1特徴によると、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って設定結束位置に対応する位置に変更される場合、途中において排ワラの流れが不安定な状態になっても、排ワラの流れが安定な状態に戻されながら、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が設定結束位置に対応する位置に到達する。これにより、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が設定結束位置に対応する位置に到達した際において、排ワラの流れが不安定な状態になることが少なくなり、結束装置の結束不良が少なくなる。
【0013】
この場合、本発明の第1特徴によると、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って所定長さだけ変更される際において、所定長さは短いものなので、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って所定長さだけ変更された際に、排ワラ搬送装置の搬送終端位置と結束装置に供給される排ワラの部分(位置)とが対応しなくなっても(排ワラの流れが不安定な状態になっても)、この状態は小さなものとなる。これにより、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が設定結束位置に対応する位置に到達した際において、排ワラの流れが不安定な状態になることがさらに少なくなり、結束装置の結束不良がさらに少なくなる。
【0014】
本発明の第1特徴によると、結束装置の付近で排ワラの株元を揃える株元揃え装置(特許文献1の図2の24参照)を備えており、株元揃え装置により排ワラの株元が揃えられて、排ワラが結束処理される。
本発明の第1特徴によると、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って変更されて、排ワラ搬送装置の搬送終端位置から結束装置に供給される排ワラの位置が稈長方向に変化しても(排ワラの株元の位置が変化しても)、排ワラの株元に追従するように、位置変更手段により株元揃え装置の位置が排ワラの稈長方向に沿って変更されて、株元揃え装置により排ワラの株元が安定して揃えられる。
【0015】
この場合、排ワラの株元に追従するように株元揃え装置の位置が排ワラの稈長方向に沿って変更されるので、株元揃え装置の位置が排ワラの株元の位置であると判断することができるのであり、排ワラの株元の位置から結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置を把握することができる。
本発明の第1特徴によると、株元揃え装置の位置を検出する排ワラ位置センサーを備えて、排ワラ位置センサーの検出値により結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置を検出しているので、株元揃え装置及び位置変更手段を、結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置を検出する手段に兼用することができる。
【0016】
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、コンバインの排ワラ結束構造において、排ワラ搬送装置の搬送終端位置を搬送方向に沿って変更することにより、排ワラの所望の部分(位置)が結束装置に供給されるように構成する場合、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って所定長さだけ変更されて一時停止すると言う作動を繰り返して、設定結束位置に対応する位置に到達するように構成することにより、排ワラの流れが不安定な状態になることが少なくなり、結束装置の結束不良を少なくすることができて、結束装置の結束性能を向上させることができた。
【0017】
本発明の第1特徴によると、株元揃え装置、及び株元揃え装置が排ワラの株元に位置するように株元揃え装置の位置を排ワラの稈長方向に沿って変更する位置変更手段を備えた場合、株元揃え装置及び位置変更手段を、結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置を検出する手段に兼用することができて、構造の簡素化の面で有利なものとなった。
【0018】
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴のコンバインの排ワラ結束構造において次のように構成することにある。
株元揃え装置が排ワラの株元の位置から外れた後、位置変更手段が株元揃え装置の位置を排ワラの株元に向って変更すると、位置変更手段による株元揃え装置の位置の変更に基づいて、排ワラの株元が株元揃え装置に接近する方向に排ワラ搬送装置の搬送終端位置を搬送方向に沿って変更するように、結束位置変更手段を操作するように制御手段を構成する。
【0019】
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
例えば刈取作業を開始する前の最初の状態(刈取部や脱穀装置に穀稈が存在せず、排ワラ搬送装置に排ワラが存在しない状態)では、結束装置や株元揃え装置の位置に排ワラが存在しないので、株元揃え装置の位置が排ワラの株元の位置であるとは判断することができず、排ワラ位置センサーの検出値により結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置を検出することはできない。
【0020】
この状態において、刈取作業が開始され排ワラ搬送装置により排ワラが搬送されて株元揃え装置の位置に到達すると、株元揃え装置の位置が排ワラの株元に向って変更され始める。この後に株元揃え装置が排ワラの株元に到達すると、株元揃え装置の位置が排ワラの株元の位置であると判断することができるようになって、排ワラ位置センサーの検出値により結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置が検出される。
このように排ワラ位置センサーの検出値により結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置が検出されると、排ワラ位置センサーの検出値に基づいて排ワラが設定結束位置で結束処理されるように、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って変更される。
前述の状態であると、排ワラ搬送装置により排ワラが搬送されて株元揃え装置の位置に到達してから、排ワラ位置センサーの検出値により結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置が検出されるまで、少し時間を要することになる。
【0021】
本発明の第2特徴によると、排ワラ搬送装置により排ワラが搬送されて株元揃え装置の位置に到達して、株元揃え装置の位置が排ワラの株元に向って変更され始めると、排ワラの株元の位置が株元揃え装置の位置に対してどのような状態であるかを認識することができる。例えば、図2に示すような排ワラ搬送装置9及び株元揃え装置52の位置関係である場合、株元揃え装置52の位置が左側に変更され始めると、排ワラAの株元に対して株元揃え装置52の位置が右側であると判断できるのであり、株元揃え装置52の位置が右側に変更され始めると、排ワラAの株元に対して株元揃え装置52の位置が左側であると判断できる。
【0022】
これにより、本発明の第2特徴によると、前述のような株元揃え装置の位置の変更に基づいて、排ワラの株元が株元揃え装置に接近する方向に排ワラ搬送装置の搬送終端位置を搬送方向に沿って変更されると、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って変更される分だけ、株元揃え装置が排ワラの株元に早く到達するのであり、排ワラ位置センサーの検出値により結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置が検出されるまでの時間を短縮することができる。
【0023】
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、例えば刈取作業を開始する場合、排ワラ位置センサーの検出値により結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置が検出されるまでの時間を短縮することができて、排ワラ位置センサーの検出値に基づいて排ワラが設定結束位置で結束処理されるように、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って変更される状態を早く設定することができるようになって、応答性を高めることができた。
【0024】
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴のコンバインの排ワラ結束構造において次のように構成することにある。
株元揃え装置が排ワラの株元の位置から外れた後、株元揃え装置の位置が変更されて、株元揃え装置が排ワラの株元の位置に到達すると、排ワラ位置センサーの検出値に基づいて、株元揃え装置の位置が設定結束位置に対応する位置に変更されるように、位置変更手段を構成する。
【0025】
(作用)
本発明の第3特徴によると、本発明の第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[II]に記載のように、例えば刈取作業が開始されて、株元揃え装置の位置が排ワラの株元に向って変更され、排ワラの株元が株元揃え装置に接近する方向に排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って変更されて、株元揃え装置が排ワラの株元に到達し、排ワラ位置センサーの検出値により結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置が検出されたとする。
【0026】
この後、排ワラ位置センサーの検出値に基づいて排ワラが設定結束位置で結束処理されるように、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って変更されるのであり、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って変更されることにより、排ワラ搬送装置の搬送終端位置から結束装置に供給される排ワラの位置が稈長方向に変更されると、これに伴って排ワラの株元に追従するように株元揃え装置の位置が変更される。
この場合、前項[I]に記載のように、排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って所定長さだけ変更されて、一時停止すると言う作動が繰り返されるので、排ワラ搬送装置の搬送終端位置から結束装置に供給される排ワラの位置が稈長方向に変更される状態は、比較的遅いものとなっており、これに伴って株元揃え装置の位置の変更も比較的遅いものとなる。
【0027】
本発明の第3特徴によると、前述のように排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って変更されるのに加えて、株元揃え装置の位置が設定結束位置に対応する位置に変更される。
この場合、設定結束位置から排ワラの株元までの長さを事前に認識することができるので、設定結束位置に対応する排ワラの株元の位置が決まるのであり、設定結束位置に対応する排ワラの株元の位置が、設定結束位置に対応する位置と認識される。排ワラ搬送装置の搬送終端位置から結束装置に供給される排ワラの位置が稈長方向に変更される状態が無視されて、株元揃え装置の位置が設定結束位置に対応する位置に変更される。
【0028】
これにより、本発明の第3特徴によると、前述のように排ワラ搬送装置の搬送終端位置が搬送方向に沿って所定長さだけ変更されて、一時停止すると言う作動が繰り返されるのに対して、株元揃え装置の位置が設定結束位置に対応する位置に比較的早く変更されるような状態を得ることができる。特に株元揃え装置が排ワラの株元を稈長方向に沿って押すような状態になると、株元揃え装置により排ワラの結束位置を排ワラの稈長方向に変更することができるのであり、排ワラ搬送装置の搬送終端位置を搬送方向に沿って変更するだけの構成に比べて、排ワラが設定結束位置で結束処理される状態に早く到達することができるようになる。
【0029】
(発明の効果)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、本発明の第2特徴によって排ワラ位置センサーの検出値により結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置が検出された後、排ワラが設定結束位置で結束処理される状態に早く到達することができるようになって、応答性を高めることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
[1]
図1に示すように、右及び左のクローラ走行装置1で支持された機体の前部に刈取部2が昇降駆動自在に支持されて、機体の前部の右側に運転部3が備えられており、機体の後部の左側に脱穀装置4が備えられ、機体の後部の右側にグレンタンク5が備えられて、自脱型のコンバインが構成されている。
【0031】
図1及び図2に示すように、脱穀装置4の後部に排ワラカッター6が連結され、排ワラカッター6の後部に結束装置7が連結されて、結束装置7の左側に株元揃え装置52が備えられており、脱穀装置4の後部から排ワラカッター6及び結束装置7に亘って、係止搬送装置8及び挟持搬送装置9(排ワラ搬送装置に相当)が、斜め後方横方に延出されている。係止搬送装置8は複数の係止爪が下向きに配置されて、係止爪が排ワラAの穂先側に上側から接触して、排ワラカッター6及び結束装置7に向って押していくように回転駆動される。
【0032】
図3及び図6に示すように、挟持搬送装置9は、回転駆動される搬送チェーン9a、搬送チェーン9aの下側に沿って配置された始端側の第1レール9b、及び終端側の第2レール9c等を備えて構成されており、搬送チェーン9aと第1及び第2レール9b,9cとの間に排ワラAの株元側が挟持されて搬送される。
【0033】
これにより、図1,2,3に示すように、フィードチェーン11により排ワラAの株元側が挟持され横倒れ姿勢で脱穀装置4から出てくるのであり、排ワラAの穂先側が係止搬送装置8に受け渡され、排ワラAの株元側がフィードチェーン11から挟持搬送装置9に受け渡されて、排ワラAが係止搬送装置8及び挟持搬送装置9により横倒れ姿勢で後方に搬送される。
【0034】
[2]
次に、挟持搬送装置9について説明する。
図3及び図6に示すように、挟持搬送装置9の第2レール9cの後端部から排ワラAが落下して、係止搬送装置8及び挟持搬送装置9から離れるのであり、第2レール9cの後端部が挟持搬送装置9の搬送終端位置となる。挟持搬送装置9の第1レール9bが位置固定であるのに対して、挟持搬送装置9の第2レール9cが第1レール9bに沿って伸縮自在に構成されており、挟持搬送装置9の第2レール9cを伸縮操作することにより、挟持搬送装置9の搬送終端位置を搬送方向に沿って変更することができる。
【0035】
この場合、図2及び図3に示すように、挟持搬送装置9が斜め後方横方に延出されているので、挟持搬送装置9の第2レール9cを伸縮操作して、挟持搬送装置9の搬送終端位置を搬送方向に沿って変更することにより、挟持搬送装置9の搬送終端位置から結束装置7に供給される排ワラAの位置を稈長方向に変更することができ、排ワラAの結束位置を排ワラAの稈長方向に変更することができる。
【0036】
図2及び図3に示すように、挟持搬送装置9の第2レール9cを伸長操作して、挟持搬送装置9の搬送終端位置を後方に設定すると、挟持搬送装置9の搬送終端位置での排ワラAが右側(図2の紙面上方)に位置して、排ワラAの株元A1(図4参照)が結束装置7に接近した状態となり、排ワラAの結束位置は排ワラAの株元A1に近い位置となる。挟持搬送装置9の第2レール9cを収縮操作して、挟持搬送装置9の搬送終端位置を前方に設定すると、挟持搬送装置9の搬送終端位置での排ワラAが左側(図2の紙面下方)に位置して、排ワラAの株元A1が結束装置7から離間した状態となり、排ワラAの結束位置は排ワラAの株元A1から遠い位置となる(排ワラ搬送装置の搬送終端位置から結束装置に供給される排ワラの位置を稈長方向に変更して、排ワラの結束位置を排ワラの稈長方向に変更する状態に相当)。
【0037】
図2及び図3に示すように、排ワラカッター6の上部の横軸芯P1周りにカバー10が開閉操作自在に支持されている。これにより、カバー10を図3の実線に示す閉位置に操作すると、挟持搬送装置9の搬送終端位置からの排ワラAがカバー10の上面に沿って結束装置7に供給される。カバー10を図3の二点鎖線に示す開位置に操作し、挟持搬送装置9の第2レール9cを最収縮位置(図3の紙面左方)に収縮操作すると、挟持搬送装置9の搬送終端位置からの排ワラAが排ワラカッター6に供給され細断されて下方に放出される。
【0038】
[3]
次に、挟持搬送装置9の第2レール9cの伸縮操作の構造について説明する。
図6,7,8に示すように、機体の固定部に固定されたブラケット12,13にロッド14,15が上下スライド自在に支持され、後のロッド15の上部に断面U字状の支持ブラケット16が固定されている。挟持搬送装置9の第1レール9bの後部に二股状の支持部9dが固定され、支持部9dのL字状の切欠き部9hに支持ブラケット16の支持軸16aが挿入されて、支持ブラケット16の支持軸16a周りに挟持搬送装置9の第1レール9bの支持部9dが揺動自在に支持されている。挟持搬送装置9の第1レール9bの前部に案内ロッド9eが固定されて、挟持搬送装置9の第1レール9bの案内ロッド9eがロッド14に支持されている。
【0039】
図6,7,8に示すように、挟持搬送装置9の第1レール9bは横長の板材を逆U字状(図8参照)に折り曲げて構成されており、横長のアングル状の受け部材9fが挟持搬送装置9の第1レール9bの下部に固定されて、挟持搬送装置9の第1レール9b及び受け部材9fにより、挟持搬送装置9の第1レール9bがパイプ状に構成されている。挟持搬送装置9の第2レール9cが丸棒状に構成されて、挟持搬送装置9の第1レール9bに移動自在(伸縮自在)に挿入されており、挟持搬送装置9の第2レール9cの前部にローラー9gが回転自在に支持されている。ロッド14,15を上方側に付勢するバネ17が備えられており、バネ17により挟持搬送装置9の第1及び第2レール9b,9cが搬送チェーン9a側に付勢されている。
【0040】
図2に示すように、操作ボックス18がグレンタンク5の後側の下側で、排ワラカッター6の右側の前側部に固定されている。図6及び図9に示すように、操作ボックス18の内部において、操作ボックス18の支持軸18aに操作プーリー19が回転自在に支持されており、操作プーリー19にギヤ19aが固定されている。操作ボックス18の外部に電動モータ20(結束位置変更手段に相当)及び減速機構21が固定され、減速機構21のピニオンギヤ21aが操作ボックス18の内部に配置されており、電動モータ20が制御装置26(図15参照)(制御手段に相当)によって操作される。
【0041】
図6及び図9に示すように、操作ボックス18の支持軸18bに扇型ギヤ22が回転自在に支持されて、扇型ギヤ22が操作プーリー19のギヤ19a、電動モータ20及び減速機構21のピニオンギヤ21aに咬合しており、電動モータ20により減速機構21のピニオンギヤ21aが回転駆動されると、扇型ギヤ22が揺動駆動されて、操作プーリー19が回転駆動される。扇型ギヤ22に固定された操作アーム22aが操作ボックス18の外部に延出されて、操作ボックス18の外部に固定されたポテンショメータ23に接続されており、ポテンショメータ23の検出値が制御装置26(図15参照)に入力されている。
【0042】
図6及び図9に示すように、支持ブラケット16と操作ボックス18とに亘って2本のワイヤ24,25が接続されて、ワイヤ24,25のインナー24a,25aの一方が操作プーリー19に接続されて巻回されている。図6,7,8に示すように、支持ブラケット16の支持軸16aにプーリー27が回転自在に支持されており、ワイア24のインナー24aの他方がプーリー27に巻回されながら、挟持搬送装置9の第2レール9cの後端部に接続され、ワイア25のインナー25aの他方がプーリー27に巻回されながら、挟持搬送装置9の第2レール9cの前端部(ローラー9gの近傍)の接続されている。
【0043】
図6に示す状態は、電動モータ20及び減速機構21により操作プーリー19が図6の紙面時計方向に回転駆動された状態であり、ワイヤ24のインナー24aが引き操作されて、挟持搬送装置9の第2レール9cが最も収縮操作された状態である。図6に示す状態から、電動モータ20及び減速機構21により操作プーリー19が図6の紙面反時計方向に回転駆動されて、ワイヤ25のインナー25aが引き操作されると、挟持搬送装置9の第2レール9cが伸長操作される(図6の紙面右方)。この場合、ポテンショメータ23の検出値により、挟持搬送装置9の第2レール9cの位置が検出される。
【0044】
[4]
次に、結束装置7について説明する。
図2及び図3に示すように、挟持搬送装置9の搬送終端位置からの排ワラAがカバー10の上面に沿って結束装置7に供給され、結束装置7において排ワラAが所定量ずつ結束処理されて後方に排出されるのであり、縦長の伝動ケース28の左側の上下中間部に排ワラAを集める集束空間Sが形成されている。
【0045】
図3,4,5に示すように、伝動ケース28の下部に伝動ケース29が連結され、伝動ケース29が左方に延出されて集束空間Sの下側に位置している。排ワラAを集束空間Sに送り込むクランク式のパッカー30、結束紐B(図10及び図11参照)の中間部分を運ぶニードル31、集束空間Sに集められた排ワラAの集束圧を機械的に感知する感知ドア32、集束空間Sの底部を構成する平板状の支持板41及び丸棒材で構成された支持部材42が、伝動ケース29に備えられている。ロール状に巻かれた結束紐Bを支持する紐支持部43が、集束空間Sの下側に備えられている。
【0046】
図3,4,5に示すように、伝動ケース28の上部に伝動ケース33が連結され、伝動ケース33が左方に延出されて集束空間Sの上側に位置している。排ワラAをパッカー30の移動軌跡内に送り込むクランク式の補助パッカー34、集束空間Sの天井部を構成する紐案内板35、ノッタ・ビル方式に構成された結節ビル36及び紐ホルダ37、結節ビル36及び紐ホルダ37のギヤ部36a,37a(図10参照)に咬合して結節ビル36及び紐ホルダ37を駆動する1個の駆動ギヤ49、クランク式の放出アーム38が、伝動ケース33に備えられている。湾曲した板バネ状の分離バネ39及び支持バネ40が、集束空間Sの上側に片持ち状に支持されて斜め後方下方に延出されている。
【0047】
[5]
次に、結束装置7での結束処理の流れについて説明する。
図4及び図5に示すように、紐支持部43から出た結束紐Bがニードル31の先端部の支持孔を通り、集束空間Sの後側を通って上方に延出されており、結束紐Bの端部が紐ホルダ37に保持されている。挟持搬送装置9の搬送終端位置からの排ワラAが、補助パッカー34により後方に送り込まれ、パッカー30により集束空間Sに送り込まれて集められるのであり、集束空間Sの排ワラAが支持板41及び支持部材42により支持されながら感知ドア32を押圧する(集束圧)。
【0048】
この間、図4及び図5に示すように、分離バネ39は集束空間Sの排ワラAにより上方に押し上げられており、感知ドア32から後方に出て行こうとする集束空間Sの排ワラAが支持バネ40により止められる。感知ドア32が受ける集束圧が設定値未満であると、1回転クラッチ(図示せず)が停止状態であり、ニードル31が集束空間Sの下側の待機位置で停止し、放出アーム38が集束空間Sの上側の待機位置で停止しており、結節ビル36及び紐ホルダ37が待機状態で停止している。株元揃え装置52において、叩き板53により排ワラAの株元A1が叩かれて揃えられる。
【0049】
図4及び図5に示すように、集束空間Sに所定量の排ワラAが集められて、パッカー30による送り込みにより感知ドア32が受ける集束圧が設定値を越えると、感知ドア32が後方下方に移動して、1回転クラッチが起動可能状態となる。1回転クラッチが起動可能状態となった次のパッカー30による送り込みに同調して、1回転クラッチが起動状態となり、ニードル31が待機位置から上方に駆動され、駆動ギヤ49が回転駆動され始めて結節ビル36及び紐ホルダ37が駆動され始める。
【0050】
図4及び図5に示すように、ニードル31が待機位置から上方に駆動される際、パッカー30が排ワラAを前後に押し分けた空間を通過してニードル31が上方に移動し、図10及び図11に示すように、紐案内板35の開口部35aを通過して、結節ビル36及び紐ホルダ37の位置に達する。これにより結束紐Bの端部が紐ホルダ37に保持された状態で、ニードル31により結束紐Bの中間部分が運ばれて、結束紐Bが集束空間Sの排ワラAに下側及び前側から巻き付けられる。ニードル31の移動に同調して駆動ギヤ49により結節ビル36及び紐ホルダ37が駆動されて、結節ビル36による結束紐Bの結節、紐ホルダ37による結束紐Bの切断及び結束紐Bの端部の保持が行われる。
【0051】
図4及び図5に示すように、結節ビル36による結束紐Bの結節、紐ホルダ37による結束紐Bの切断及び結束紐Bの端部の保持が行われると、放出アーム38が集束空間Sの排ワラAを後方に押し出すのであり、集束空間Sの排ワラAの後方への移動に伴って、結束紐Bが結節ビル36から抜き出されながら結び目が形成され、集束空間Sの排ワラAが結束処理されて、結束処理された排ワラAが放出アーム38により後方に放出される。この場合、結束処理された排ワラAにより支持バネ40が上方に押し上げられるのであり、結束処理されていない排ワラAが結束処理された排ワラAに引きずられて後方に放出されようとしても、結束処理されていない排ワラAが分離バネ39により止められる。
【0052】
この後、ニードル31が下方に駆動されて図4及び図5に示す待機位置に移動して、1回転クラッチが停止状態となり、駆動ギヤ49により結節ビル36及び紐ホルダ37が停止し、ニードル31及び放出アーム38が図4及び図5に示す待機位置で停止して、感知ドア32が図5に示す位置に戻る。
これで1回の結束処理を終了するのであり、引き続き集束空間Sに所定量の排ワラAが集められて、パッカー30による送り込みにより感知ドア32が受ける集束圧が設定値を越えると、感知ドア32が後方下方に移動して、前述と同様な結束処理が行われる。
【0053】
[6]
次に、紐案内板35及び放出アーム38について説明する。
図10に示すように、伝動ケース33に支持フレーム44が備えられ、支持フレーム44に結節ビル36及び紐ホルダ37が支持されている。図10及び図13(a)に示すように、紐案内板35は、開口部35a、及び開口部35aの中間部付近の横側に上方に延出されたアーム部35bを備えて構成されており、紐案内板35のアーム部35bが支持フレーム44の前部の横軸芯P2周りに揺動自在に支持されている。
【0054】
図10及び図13(a)に示すように、支持フレーム44の後部の左側の横軸芯P3周りに、フック部材45が揺動自在に支持され、支持フレーム44の後部の右側の横軸芯P6周りに、保持部材46が揺動自在に支持されている。図10及び図13(a)に示す状態は作業状態を示しており、フック部材45を紐案内板35の後部の左側のピン35cに係合させて、紐案内板35を作業状態で固定しており、保持部材46を上方に退避させている。保持部材46と一体で揺動する保持アーム部46aが備えられ、保持アーム46aに長孔46bが開口されており、紐案内板35の後部の右側のピン35dに、保持アーム46aの長孔46bを係合させることにより、保持部材46を図13(a)に示す位置に保持している。
【0055】
結節ビル36及び紐ホルダ37、紐案内板35のメンテナンス作業を行う場合、図13(b)に示すように、フック部材45を紐案内板35のピン35cから外し、紐案内板35を横軸芯P2周りに図138b)の紙面時計方向に揺動させて、結節ビル36及び紐ホルダ37の付近を開放し、保持部材46を下方に揺動させて紐案内板35のピン35dに係合させる。これにより、紐案内板35を図13(b)に示す姿勢に保持しておくことができる。
【0056】
図10,11,12(a)(b)に示すように、板材を折り曲げて構成された受け部材48が紐案内板35に固定されており、紐案内板35の開口部35aの中間部に入り込んでいる。板材を折り曲げて構成された抑え部材47が、紐案内板35のアーム部35bに固定されて、紐案内板35の開口部35aの中間部に入り込んでいる。
【0057】
前項[5]に記載の結束処理が行われる場合において、図10及び図11に示すようにニードル31が紐案内板35の開口部35aの前端部(図11の紙面左端部)と抑え部材47との間を通過して、結節ビル36及び紐ホルダ37の位置に達するのであり、これに伴って結束紐Bの中間部分が、紐案内板35の開口部35aの前端部(図11の紙面左端部)と抑え部材47との間から抑え部材47を越えて、抑え部材47と受け部材48との間に入り込む。この状態において、集束空間Sの排ワラAにより結束紐Bの中間部分が紐案内板35の付近で上方に持ち上げられて、結節ビル36及び紐ホルダ37の位置から上方に外れようとすることがある。
【0058】
前述のような状態になっても、図10及び図11に示すように、結束紐Bの中間部分の持ち上がりが抑え部材47により抑えられて、結束紐Bの中間部分が結節ビル36及び紐ホルダ37の位置から上方に外れることがなく、結節ビル36による結束紐Bの結節、紐ホルダ37による結束紐Bの切断及び結束紐Bの端部の保持が確実に行われる。この場合に、紐案内板35の作業状態において、抑え部材47が結節ビル36に干渉しないように配置されており、結束紐Bが抑え部材47に押圧された際に結束紐Bが切れたりしないように、抑え部材47の外周部分にエッジ及びカエリが無いように加工されている。
【0059】
図4,5,14に示すように、放出アーム38を駆動する駆動アーム50が、駆動ギヤ49が回転駆動される横軸芯P4周りに同芯状に相対回転自在に支持され、駆動アーム50にウレタンゴム製の受け部50aが固定されている。駆動ギヤ49に駆動ピン49a及び止めピン49bが固定されており、駆動ギヤ49の止めピン49bにウレタンゴム製の緩衝部材51が外嵌されている。
【0060】
前項[5]に記載の結束処理が行われる場合において、図4,5,14に示すように、駆動ギヤ49により結節ビル36及び紐ホルダ37が駆動される際、駆動ギヤ49の駆動ピン49aが駆動アーム50の受け部50aに接当することにより、駆動アーム50が横軸芯P4周りに回転駆動されて、放出アーム38が駆動される。1回の結束処理を終了して駆動ギヤ49が図14に示す位置で停止した場合、駆動アーム50が慣性力により図14の紙面反時計方向に回転しても、駆動アーム50が駆動ギヤ49の止めピン49bに接当することにより、駆動アーム50の回転が止められる。
【0061】
この場合、図14に示すように、駆動アーム50の受け部50aがウレタンゴム製であること、及び緩衝部材51がウレタンゴム製であることにより、駆動ギヤ49の駆動ピン49aが駆動アーム50の受け部50aに接当する際の衝撃音が抑えられ、駆動アーム50が駆動ギヤ49の止めピン49bに接当する際の衝撃音が抑えられる。
【0062】
[7]
次に、株元揃え装置52について説明する。
図2,4,5に示すように、結束装置7の上部に左右に亘って支持フレーム54が固定され、機体の左側にサイドフレーム55が固定されており、支持フレーム54の中間部に固定された伝動ケース56とサイドフレーム55とに亘って、駆動軸57が回転自在に支持されている。サイドフレーム55に沿って配置された伝動チェーン(図示せず)を介して、排ワラカッター6の動力が駆動軸57の左側部に伝達されており、伝動ケース56の内部に配置された伝動チェーン58により、駆動軸57の動力が補助パッカー34に伝達されて、補助パッカー34が駆動される。
【0063】
図2及び図4に示すように、駆動ケース59が駆動軸57に沿って移動自在に外嵌されて、駆動ケース59に固定された支持アーム59aが前方に延出されており、支持アーム59aの縦軸芯P5周りに駆動アーム60が揺動自在に支持されて後方に延出され、駆動アーム60に叩き板53が固定されている。駆動軸57は断面六角形状に構成されて、駆動ケース59の内部に備えられたベベルギヤ59bが、駆動軸57と一体回転及び駆動軸57に沿って移動自在に駆動軸57に外嵌されている。駆動ケース59の内部に備えられたベベルギヤ59cがベベルギヤ59bに咬合しており、ベベルギヤ59cに連結されたクランクアーム59dが叩き板53に接続されている。
【0064】
これにより、図2及び図4に示すように、駆動軸57の動力が駆動ケース59のベベルギヤ59b,59cを介して駆動ケース59のクランクアーム59dに伝達され、駆動ケース59のクランクアーム59dが回転駆動されることにより、叩き板53が縦軸芯P5周りに揺動駆動されて、叩き板53により排ワラAの株元A1が叩かれて揃えられる。以上のように、駆動ケース59(ベベルギヤ59b,59c、クランクアーム59d)、駆動アーム60及び叩き板53等により株元揃え装置52が構成されている。
【0065】
図2及び図4に示すように、駆動ケース59の上部に固定されたアーム部59eにローラー59fが支持されて、ローラー59fが支持フレーム54の後面に当て付けられている。送りネジ61がサイドフレーム55から駆動軸57に沿って配置され、送りネジ61を回転駆動する電動モータ62(位置変更手段に相当)がサイドフレーム55に備えられており、駆動ケース59のアーム部59eの雌ネジ部に送りネジ61が挿入されている。制御装置26(図15参照)により電動モータ62が操作され、送りネジ61が正及び逆転駆動されることによって、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が駆動軸57(排ワラAの稈長方向)に沿って変更される。
【0066】
図2及び図4に示すように、駆動ケース59の支持アーム59aに支持アーム59gが固定され、支持アーム59gに右及び左のリミットスイッチ63R,63Lが固定されており、右及び左のリミットスイッチ63R,63Lの検出アーム63aが下方に延出されて、右及び左のリミットスイッチ63R,63Lの検出信号が制御装置26(図15参照)に入力されている。支持フレーム54にポテンショメータ64(排ワラ位置センサーに相当)が固定され、ポテンショメータ64の検出アーム64aが下方に延出されて駆動ケース59に接続されている。ポテンショメータ64の検出値が制御装置26(図15参照)に入力されており、ポテンショメータ64の検出値により、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が検出される。
【0067】
[8]
次に、挟持搬送装置9及び株元揃え装置52の制御の前半の流れについて、図16に基づいて説明する。
図15に示すように、ダイヤルスイッチ65(結束位置設定手段に相当)、第1手動スイッチ66及び第2手動スイッチ67が運転部3に備えられて、ダイヤルスイッチ65、第1及び第2手動スイッチ66,67の操作位置が制御装置26に入力されている。ダイヤルスイッチ65は5個の排ワラAの設定結束位置C1,C2,C3,C4,C5、第1手動位置D1及び第2手動位置D2に操作自在に構成されている。排ワラAの設定結束位置C1〜C5は結束装置7において排ワラAが結束処理される結束位置を意味しており、排ワラAの設定結束位置C1が排ワラAにおいて排ワラAの株元A1に最も近い位置であり、排ワラAの設定結束位置C5が排ワラAにおいて排ワラAの株元A1から最も遠い位置である。
【0068】
図15に示すように、第1及び第2手動スイッチ66,67は右及び左に押し操作自在なシーソー型式に構成されて、図15に示す中立位置に付勢されており、ダイヤルスイッチ65が第1手動位置D1に操作された状態で第1手動スイッチ66が機能し、ダイヤルスイッチ65が第2手動位置D2に操作された状態で第1及び第2手動スイッチ66,67が機能する。図5及び図15に示すように、伝動ケース56の前部の下部にリミットスイッチ型式の起動スイッチ68が固定され、起動スイッチ68の検出アーム68aが下方に延出されており、起動スイッチ68の検出信号が制御装置26に入力されている。
【0069】
図2,3,4に示すように、刈取作業を開始する前の最初の状態(刈取部2や脱穀装置4に穀稈が存在せず、挟持搬送装置9に排ワラAが存在しない状態)において、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)、及び挟持搬送装置9の第2レール9cが停止しており(ステップS1)、ダイヤルスイッチ65が排ワラAの設定結束位置C1〜C5に操作されると、排ワラAの設定結束位置C1〜C5に対応する位置に、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が変更される(ステップS2)。
【0070】
この場合、排ワラAの設定結束位置C1〜C5から排ワラAの株元A1までの長さが事前に認識されているので、排ワラAの設定結束位置C1〜C5が決まり、結束装置7の位置に排ワラAの設定結束位置C1〜C5を設定すれば、排ワラAの設定結束位置C1〜C5に対応する排ワラAの株元A1の位置が決まる。これにより、排ワラAの設定結束位置C1〜C5に対応する排ワラAの株元A1の位置が、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)にとって排ワラAの設定結束位置C1〜C5に対応する位置となる。
【0071】
この後に刈取作業が開始され、係止及び挟持搬送装置8,9により排ワラAが搬送されて、排ワラAが起動スイッチ68の検出アーム68aに接触すると(ステップS3)、設定時間の経過後に(ステップS4)、右及び左のリミットスイッチ63R,63Lの検出信号に基づいて(ステップS5)、以下のように株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が変更され、挟持搬送装置9の第2レール9cが伸縮操作される(ステップS7,S9)。
【0072】
図2に示すように、右及び左のリミットスイッチ63R,63Lの検出アーム63aが排ワラAに接触すると(ステップS5)、排ワラAの株元A1に対して株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が、右側(図2の紙面上方)であると判断される。これにより、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が左側(図2の紙面下方)に変更され始め(ステップS6)、挟持搬送装置9の第2レール9cが間欠的に伸長操作される(ステップS7)。
【0073】
この場合、ステップS7において挟持搬送装置9の第2レール9cが所定長さL1だけ伸長操作されて一時停止し、設定時間の間だけ一時停止してから、挟持搬送装置9の第2レール9cが所定長さL1だけ伸長操作されると言う作動が繰り返される。挟持搬送装置9の第2レール9cが間欠的に伸長操作されることによって、挟持搬送装置9の搬送終端位置が後方に設定され、挟持搬送装置9の搬送終端位置での排ワラAが右側(図2の紙面上方)に位置して、排ワラAの株元A1が結束装置7に接近していくのであり、排ワラAの株元A1が株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)に接近していく。
【0074】
図2に示すように、右及び左のリミットスイッチ63R,63Lの検出アーム63aが排ワラAに接触しないと(ステップS5)、排ワラAの株元A1に対して株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が、左側(図2の紙面下方)であると判断される。これにより、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が右側(図2の紙面上方)に変更され始め(ステップS8)、挟持搬送装置9の第2レール9cが間欠的に収縮操作される(ステップS9)。
【0075】
この場合、ステップS9において挟持搬送装置9の第2レール9cが所定長さL1だけ収縮操作されて一時停止し、設定時間の間だけ一時停止してから、挟持搬送装置9の第2レール9cが所定長さL1だけ収縮操作されると言う作動が繰り返される。挟持搬送装置9の第2レール9cが間欠的に収縮操作されることによって、挟持搬送装置9の搬送終端位置が前方に設定され、挟持搬送装置9の搬送終端位置での排ワラAが左側(図2の紙面下方)に位置して、排ワラAの株元A1が結束装置7から離間していくのであり、排ワラAの株元A1が株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)に接近していく。
【0076】
以上のステップS6〜S9の状態において、排ワラAの株元A1の位置に株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)が位置していないので、結束装置7に対する排ワラAの稈長方向の位置(排ワラAの株元A1)の位置は認識されていない。
図2に示すように、右のリミットスイッチ63Rの検出アーム63aが排ワラAに接触し、左のリミットスイッチ63Lの検出アーム63aが排ワラAに接触しない状態になると(ステップS5)、右及び左のリミットスイッチ63R,63Lの検出アーム63aの間に排ワラAの株元A1が位置する状態となり、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が、排ワラAの株元A1の位置であると判断される。
【0077】
前述のように、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が、排ワラAの株元A1の位置であると判断されると、ポテンショメータ64により株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が検出され(ステップS10)、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置から、結束装置7に対する排ワラAの稈長方向の位置(排ワラAの結束位置)が検出される(ステップS11)。
【0078】
[9]
次に、挟持搬送装置9及び株元揃え装置52の制御の後半の流れについて、図17に基づいて説明する。
前項[8]に記載のように、結束装置7に対する排ワラAの稈長方向の位置(排ワラAの結束位置)が検出されると(ステップS11)、結束装置7に対する排ワラAの稈長方向の位置(排ワラAの結束位置)と、排ワラAの設定結束位置C1〜C5との差D1が検出される(ステップS12)。
【0079】
設定時間の経過後において(ステップS13)、結束装置7に対する排ワラAの稈長方向の位置(排ワラAの結束位置)と排ワラAの設定結束位置C1〜C5との差D1が、設定値D2よりも大きい場合(ステップS14)、挟持搬送装置9の第2レール9cが所定長さL2だけ伸長操作(収縮操作)されて一時停止し、設定時間の間だけ一時停止するのであり、これ以後は挟持搬送装置9の第2レール9cが所定長さL3だけ伸長操作(収縮操作)されて一時停止し、設定時間の間だけ一時停止してから、挟持搬送装置9の第2レール9cが所定長さL3だけ伸長操作(収縮操作)されると言う作動が繰り返される(ステップS15)。この場合、前項[8]及びステップS7,S9の所定長さL1と所定長さL2,L3との関係は、L2>L1>L3と言う関係となっている。
【0080】
設定時間の経過後において(ステップS13)、結束装置7に対する排ワラAの稈長方向の位置(排ワラAの結束位置)と排ワラAの設定結束位置C1〜C5との差D1が、設定値D2よりも小さい場合(ステップS14)、挟持搬送装置9の第2レール9cが所定長さL1だけ伸長操作(収縮操作)されて一時停止し、設定時間の間だけ一時停止するのであり、これ以後は挟持搬送装置9の第2レール9cが所定長さL3だけ伸長操作(収縮操作)されて一時停止し、設定時間の間だけ一時停止してから、挟持搬送装置9の第2レール9cが所定長さL3だけ伸長操作(収縮操作)されると言う作動が繰り返される(ステップS16)。
【0081】
ステップS15,16において、挟持搬送装置9の第2レール9cが間欠的に伸縮操作されるのと同時に、排ワラAの設定結束位置C1〜C5に対応する位置に、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が変更される(ステップS17)。
この場合、挟持搬送装置9の第2レール9cが間欠的に伸縮操作されるのに対して、排ワラAの設定結束位置C1〜C5に対応する位置に、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が一気に変更される。これにより、挟持搬送装置9の第2レール9cが伸縮操作され、挟持搬送装置9の搬送終端位置から結束装置7に供給される排ワラAの位置が稈長方向に変更されて、挟持搬送装置9の搬送終端位置が設定結束位置C1〜C5に対応する位置に到達するまでに(排ワラAの結束位置が排ワラAの設定結束位置C1〜C5となるまでに)、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)が排ワラAの設定結束位置C1〜C5に対応する位置に到達するような状態が多くなる。
【0082】
ステップS11,S12において、排ワラAの設定結束位置C1〜C5に対して、結束装置7に対する排ワラAの稈長方向の位置(排ワラAの結束位置)が右側であると(排ワラAの設定結束位置C1〜C5よりも穂先側で結束処理が行われていると)、排ワラAの設定結束位置C1〜C5に対応する位置に、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が変更された場合、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)が結束装置7に接近する方向に移動することになるので、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)が排ワラAの株元A1を結束装置7に向って押すような状態になることがある。
【0083】
ステップS11,S12において、排ワラAの設定結束位置C1〜C5に対して、結束装置7に対する排ワラAの稈長方向の位置(排ワラAの結束位置)が左側であると(排ワラAの設定結束位置C1〜C5よりも株元側で結束処理が行われていると)、排ワラAの設定結束位置C1〜C5に対応する位置に、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が変更された場合、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)が結束装置7から離間する方向に移動することになるので、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)が排ワラAの株元A1から離れていこうとするような状態になることがある。
【0084】
ステップS15,16の操作が行われて、挟持搬送装置9の搬送終端位置が設定結束位置C1〜C5に対応する位置に到達すると(排ワラAの結束位置が排ワラAの設定結束位置C1〜C5になると)(ステップS18)、挟持搬送装置9の第2レール9cが停止する(ステップS19)。ステップS17において、排ワラAの設定結束位置C1〜C5に対応する位置に、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が変更されて、この位置で株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)が停止している。
【0085】
この後、右及び左のリミットスイッチ63R,63Lの検出アーム63aの間に排ワラAの株元A1が位置する状態から外れると(ステップS20)(右及び左のリミットスイッチ63R,63Lの検出アーム63aが排ワラAに接触する状態、又は右及び左のリミットスイッチ63R,63Lの検出アーム63aが排ワラAに接触しない状態)、ステップS5に移行して、ステップS5〜S19の操作が行われる。
【0086】
[10]
次に、ダイヤルスイッチ65の第1及び第2手動位置D1,D2について説明する。
図15に示すように、ダイヤルスイッチ65が第1手動位置D1に操作されると、以下のような操作が行われる。
図2に示すように右及び左のリミットスイッチ63R,63Lの検出信号に基づいて、右及び左のリミットスイッチ63R,63Lの検出アーム63aの間に排ワラAの株元A1が位置するように、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が変更される。この状態において、第1手動スイッチ66が伸長側に押し操作されると、挟持搬送装置9の第2レール9cが伸長操作され、第1手動スイッチ66が収縮側に押し操作されると、挟持搬送装置9の第2レール9cが収縮操作されるのであり、第1手動スイッチ66から手が離れて第1手動スイッチ66が中立位置に戻し操作されると、挟持搬送装置9の第2レール9cがその位置で停止する。
【0087】
図15に示すように、ダイヤルスイッチ65が第2手動位置D2に操作されると、以下のような操作が行われる。
第1手動位置D1と同様に、第1手動スイッチ66が伸長側に押し操作されると、挟持搬送装置9の第2レール9cが伸長操作され、第1手動スイッチ66が収縮側に押し操作されると、挟持搬送装置9の第2レール9cが収縮操作されるのであり、第1手動スイッチ66から手が離れて第1手動スイッチ66が中立位置に戻し操作されると、挟持搬送装置9の第2レール9cがその位置で停止する。
【0088】
図15に示すように、第2手動位置D2において、第2手動スイッチ67が株元側に押し操作されると、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が、排ワラAの株元A1から離間する方向に変更され、第2手動スイッチ67が穂先側に押し操作されると、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)の位置が、排ワラAの株元A1に接近する方向に変更されるのであり、第2手動スイッチ67から手が離れて第2手動スイッチ67が中立位置に戻し操作されると、株元揃え装置52(駆動ケース59及び叩き板53)がその位置で停止する。
【0089】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、及び後述する[発明の実施の第2別形態]の図17のステップS15,S16において、以下のように構成してもよい。
(1)ステップS15において挟持搬送装置9の第2レール9cが所定長さL2,L3だけ伸縮操作される際の伸縮速度を、ステップS16において挟持搬送装置9の第2レール9cが所定長さL1,L3だけ伸縮操作される際の伸縮速度よりも、高速になるように設定する。
(2)ステップS15において挟持搬送装置9の第2レール9cが一時停止する時間を、ステップS16において挟持搬送装置9の第2レール9cが一時停止する時間よりも、短いものに設定する。
【0090】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]の図16及び図17のステップS7,S9,S15,S16において以下のように構成してもよい。
(1)挟持搬送装置9の第2レール9cが伸長操作(排ワラAの株元A1が結束装置7に接近する方向)される際の所定長さを、挟持搬送装置9の第2レール9cが収縮操作(排ワラAの株元A1が結束装置7から離間する方向)される際の所定長さよりも、短いものに設定する。
(2)挟持搬送装置9の第2レール9cが伸長操作(排ワラAの株元A1が結束装置7に接近する方向)される際に一時停止する時間を、挟持搬送装置9の第2レール9cが収縮操作(排ワラAの株元A1が結束装置7から離間する方向)される際に一時停止する時間よりも、長いものに設定する。
【0091】
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]の図16及び図17のステップS7,S9,S15,S16において、挟持搬送装置9の第2レール9cが伸縮操作される際に一時停止する時間を、結束装置7で行われる1回の結束処理に要する時間と同じ長さに設定する。この場合、結束装置7において、1回転クラッチやニードル31、放出アーム38の動作を検出して、結束装置7で行われる1回の結束処理に要する時間を検出するように構成する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】係止搬送装置、挟持搬送装置、排ワラカッター、結束装置及び株元揃え装置の付近の平面図
【図3】挟持搬送装置、排ワラカッター及び結束装置の付近の左側面図
【図4】結束装置及び株元揃え装置の付近の背面図
【図5】結束装置の付近の左側面図
【図6】挟持搬送装置の第2レールの伸縮操作の構造を示す左側面図
【図7】挟持搬送装置の第1レールの後部の付近の縦断左側面図
【図8】挟持搬送装置の第1レールの後部の付近の縦断背面図
【図9】挟持搬送装置の第2レールを伸縮操作する操作ボックスの断面図
【図10】結節ビル及び紐ホルダ、紐案内板の付近の縦断左側面図
【図11】結節ビル及び紐ホルダ、紐案内板の付近の底面図
【図12】紐案内板に固定される抑え部材の左側面図(a)及び背面図(b)
【図13】作業状態での紐案内板の右側面図(a)及びメンテナンス作業を行う場合の紐案内板の右側面図(b)
【図14】結節ビル及び紐ホルダの駆動ギヤ、放出アームの駆動アームの付近の左側面図
【図15】ダイヤルスイッチ、第1及び第2手動スイッチの連係状態を示す図
【図16】挟持搬送装置及び株元揃え装置の制御の前半の流れを示す図
【図17】挟持搬送装置及び株元揃え装置の制御の後半の流れを示す図
【符号の説明】
【0093】
4 脱穀装置
7 結束装置
9 排ワラ搬送装置
20 結束位置変更手段
26 制御手段
52 株元揃え装置
62 位置変更手段
64 排ワラ位置センサー
65 結束位置設定手段
A 排ワラ
A1 排ワラの株元
C1〜C5 設定結束位置
D1 結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置と設定結束位置との差
L1,L2,L3 所定長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀装置から出てきた横倒れ姿勢の排ワラを後方に搬送する排ワラ搬送装置を斜め後方横方に延出し、前記排ワラ搬送装置の搬送終端位置からの排ワラを所定量ずつ結束処理する結束装置を備え、
前記排ワラ搬送装置の搬送終端位置を搬送方向に沿って変更することにより、前記排ワラ搬送装置の搬送終端位置から結束装置に供給される排ワラの位置を稈長方向に変更して、排ワラの結束位置を排ワラの稈長方向に変更する結束位置変更手段と、
前記結束装置の付近で排ワラの株元を揃える株元揃え装置と、
前記株元揃え装置が排ワラの株元に位置するように、前記株元揃え装置の位置を排ワラの稈長方向に沿って変更する位置変更手段とを備え、
前記株元揃え装置の位置を検出して結束装置に対する排ワラの稈長方向の位置を検出する排ワラ位置センサーと、排ワラの稈長方向に沿って設定結束位置を設定する結束位置設定手段とを備えて、
前記排ワラ位置センサーの検出値に基づいて排ワラが設定結束位置で結束処理されるように、前記結束位置変更手段を作動させる制御手段を備えると共に、
前記排ワラ搬送装置の搬送終端位置を搬送方向に沿って所定長さだけ変更して、一時停止すると言う作動を繰り返すように、前記制御手段が結束位置変更手段を操作するように構成してあるコンバインの排ワラ結束構造。
【請求項2】
前記株元揃え装置が排ワラの株元の位置から外れた後、前記位置変更手段が株元揃え装置の位置を排ワラの株元に向って変更すると、前記位置変更手段による株元揃え装置の位置の変更に基づいて、排ワラの株元が前記株元揃え装置に接近する方向に排ワラ搬送装置の搬送終端位置を搬送方向に沿って変更するように、前記結束位置変更手段を操作するように制御手段を構成してある請求項1に記載のコンバインの排ワラ結束構造。
【請求項3】
前記株元揃え装置が排ワラの株元の位置から外れた後、前記株元揃え装置の位置が変更されて、前記株元揃え装置が排ワラの株元の位置に到達すると、前記排ワラ位置センサーの検出値に基づいて、前記株元揃え装置の位置が設定結束位置に対応する位置に変更されるように、前記位置変更手段を構成してある請求項2に記載のコンバインの排ワラ結束構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−82021(P2009−82021A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253162(P2007−253162)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】