コンバインの操縦部構造
【課題】コンバインの操縦部にスロットルレバー及び主変速レバーをコンパクトに配設する。
【解決手段】座席(3a)の左側方のサイド操作パネルフレーム(21)を、その前部を形成する前側フレーム(21a)が低く、その後部を形成する後側フレーム(21b)が高くなるように、該前側フレーム(21a)と後側フレーム(21b)とを段違い状に接合した構成とし、前側フレーム(21a)にエンジン回転数調節用のスロットルユニット(23)を取り付け、スロットルユニット(23)には、軸(23p)回りに回動自在に軸支されている第1スロットルギヤ(23a)と、第1スロットルギヤ(23a)に取り付けられていて軸(23p)回りに一体的に回動するスロットルレバー(23b)と、第1スロットルギヤ(23a)を正逆駆動するスロットル調節モータ(M1)を備える。
【解決手段】座席(3a)の左側方のサイド操作パネルフレーム(21)を、その前部を形成する前側フレーム(21a)が低く、その後部を形成する後側フレーム(21b)が高くなるように、該前側フレーム(21a)と後側フレーム(21b)とを段違い状に接合した構成とし、前側フレーム(21a)にエンジン回転数調節用のスロットルユニット(23)を取り付け、スロットルユニット(23)には、軸(23p)回りに回動自在に軸支されている第1スロットルギヤ(23a)と、第1スロットルギヤ(23a)に取り付けられていて軸(23p)回りに一体的に回動するスロットルレバー(23b)と、第1スロットルギヤ(23a)を正逆駆動するスロットル調節モータ(M1)を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインの操縦部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインにおいて、スロットルレバーを後側に制御モータを前側に配置し、スロットルワイヤを連結しているワイヤ回動アームを前側に配置し、スロットルレバーで回動する回動アームを後側に設け、回動アームとワイヤ回動アームとの間をスロットル連動リンク機構を介してそれぞれ平行状に揺動するように構成し、ワイヤ回動アームと制御モータとの間をギヤ機構でスロットル連動したものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−185237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術の前記発明は、スロットルレバーで回動させる回動アームを後側に設け、スロットルワイヤと連結しているワイヤ回動アームを前側に配置し、制御モータのギヤでワイヤ回動アームを正逆回転可能に構成し、回動アームとワイヤ回動アームとの間をスロットル連動リンク機構を介してそれぞれ平行状に揺動するように構成しているので、前後方向に長くなり、このような構成をコンバインのサイド操作パネルに配置すると、スロットルレバーの近傍に他の操作レバーが配置できないという不具合が発生する。
【0005】
そこで、本発明はこのような不具合を解決ししながら、サイド操作パネルのレバー配置構成を簡単化しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、操縦部(3)の座席(3a)の左側方にサイド操作パネルフレーム(21)を前後方向に沿わせて配設し、該サイド操作パネルフレーム(21)は、その前部を形成する前側フレーム(21a)が低く、その後部を形成する後側フレーム(21b)が高くなるように、該前側フレーム(21a)と後側フレーム(21b)とを段違い状に接合した構成とし、前記前側フレーム(21a)にエンジン回転数調節用のスロットルユニット(23)を取り付け、該スロットルユニット(23)には、軸(23p)回りに回動自在に軸支されている第1スロットルギヤ(23a)と、第1スロットルギヤ(23a)に取り付けられていて軸(23p)回りに一体的に回動するスロットルレバー(23b)と、前記第1スロットルギヤ(23a)を正逆駆動するスロットル調節モータ(M1)を備えたことを特徴とするコンバインの操縦部構造とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記軸(23p)と第1スロットルギヤ(23a)とスロットルレバー(23b)とスロットル調節モータ(M1)の前後側面及び左右側面をスロットルフレーム(23d)で覆い、該スロットルフレーム(23d)の後側板(23dd)を前記後側フレーム(21b)の前側板に接合してボルトで締結固定したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの操縦部構造とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記スロットルフレーム(23d)の右側板(23db)におけるスロットルレバー(23b)の軸(23p)の近傍の部位を前記前側フレーム(21a)にボルトで締結固定したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンバインの操縦部構造とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記スロットルユニット(23)におけるスロットルフレーム(23d)の左側板(23da)の左側方に搬送穀稈案内用のゴム板を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載のコンバインの操縦部構造とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記前側フレーム(21a)を正面視で逆凹状で下方を開口した構成とし、その左側部に前記スロットルフレーム(23d)を取り付け、前記前側フレーム(21a)の上側板に主変速レバー(11)を案内する変速溝(11a)を構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項記載のコンバインの操縦部構造とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によると、サイド操作パネルフレーム(21)の前側フレーム(21a)を低く、後側フレーム(21b)を高くなるように段違い状に構成し、前側フレーム(21a)にスロットルユニット(23)を取り付けることにより、スロットルユニット(23)をサイド操作パネルフレーム(21)にコンパクトに配設することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によると、請求項1記載の発明の効果に加えて、スロットルユニット(23)には軸(23p)、第1スロットルギヤ(23a)、スロットルレバー(23b)及びスロットル調節モータ(M1)の前後側面及び左右側面をスロットルフレーム(23d)により覆うように構成し、スロットルフレーム(23d)の後側板(23dd)を後側フレーム(21b)の前側板に接合しボルトで締結固定したので、前後方向に長いサイド操作パネルフレーム(21)の前後方向中間部を強固に構成することができ、スロットルレバー(23b)の操作フィーリングを高めることができる。
【0013】
請求項3記載の発明によると、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、前後方向に長いスロットルフレーム(23d)の右側板(23db)におけるスロットルレバー(23b)の軸(23p)の近傍の部位を前側フレーム(21a)にボルトで締結固定したので、スロットルフレーム(23d)の軸(23p)の軸方向の撓みをなくし、スロットルレバー(23b)を強固に支持することができる。
【0014】
請求項4記載の発明によると、請求項1または請求項2または請求項3記載の発明の効果に加えて、スロットルユニット(23)におけるスロットルフレーム(23d)の左側板(23da)の左側方に搬送穀稈案内用のゴム板を配置したので、スロットルフレーム(23d)の内側に設けられている第1スロットルギヤ(23a)とゴム板との接触を回避し、ゴム板の損傷を防止し耐久性を高めることができる。
【0015】
請求項5記載の発明によると、請求項1から請求項4のいずれか一項記載の発明の効果に加えて、前側フレーム(21a)を正面視で逆凹状で下方を開口した構成とし、その左側部にスロットルフレーム(23d)を取り付け、前側フレーム(21a)の上側板に主変速レバー(11)を案内する変速溝(11a)を構成したので、主変速レバー(11)の支持構成を簡単化し、スロットルレバー(23b)の近くに主変速レバー(11)を配置することができ操作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】コンバインの全体平面図。
【図3】操縦部の平面図。
【図4】操縦部の側面図。
【図5】操縦部の平面図。
【図6】操縦部の側面図。
【図7】操縦部の側面図。
【図8】操縦部の側面図。
【図9】操縦部の平面図。
【図10】操縦部及び走行ミッションケースの側面図。
【図11】操縦部の一部省略した正面図。
【図12】スロットルユニットの側面図、正面図。
【図13】スロットルユニットの側面図、正面図。
【図14】スロットルユニットの平面図。
【図15】クローラ走行装置の側面図。
【図16】クローラ走行装置の切断背面図。
【図17】クローラ走行装置の切断背面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明の実施例について説明する。まず、図1及び図2に基づき本発明を備えたコンバインの全体構成について説明する。
コンバインの走行車台1の下方には左右クローラ走行装置2,2を配設し、走行車台1の右側部には、前側部に座席付きの操縦部3を、操縦部3の後方下部にはエンジンを備えた原動部4を、原動部4の後方には穀粒収納用のグレンタンク5を配設している。走行車台1の左側部に脱穀部6を搭載し、走行車台1の前側部には刈取搬送部7を昇降自在に設け、脱穀部6及びグレンタンク5の後方に排稾処理装置8を設けている。また、グレンタンク5の後側部に排出オーガ(図示省略)を設け、グレンタンク5内の穀粒を外部に排出するようにしている。
【0018】
しかして、圃場の穀稈を刈取搬送部7の分草杆により穀稈条列毎に分草して穀稈引起し装置に案内し、次いで、穀稈引起し装置で穀稈を引起し、引き起こした穀稈を掻込搬送装置で後方へ掻き込み搬送し刈刃装置で刈り取る。刈取穀稈を中継ぎ搬送装置で左右方向中央部へ集送しながら中継ぎ搬送し、次いで、引継ぎ搬送装置を経て脱穀部6のフィードチエンへ引き継ぎ搬送する。次いで、脱穀部6で脱穀選別し、一番穀粒を一番揚穀機で揚穀し、グレンタンク5に貯溜する。
【0019】
また、コンバインは操縦部3の操縦席において主変速レバー11及び副変速レバー12を操作することにより、エンジンの動力をミッションケース内の油圧式無段変速装置及び副変速装置で変速し、左右クローラ走行装置2,2に伝達し任意の速度で走行する。
【0020】
また、コンバインはオペレータが操縦席において操向パワステレバー13を左右に傾動操作することにより、左右に旋回走行することができる。すなわち、操向パワステレバー13を旋回走行する方向に傾動操作すると、ミッションケース内の左右サイドクラッチ、左右ブレーキ装置が作動し、左右のクローラ走行装置2,2に速度差が与えられ走行方向の変更をすることができる。
【0021】
次に、図2乃至図6に基づきコンバインの操縦部3の操作構成について説明する。
操縦部3は、後側部に座席3aを設け、座席3aの前方にフロント操作パネル3bを、左側部にサイド操作パネル3cを設けている。フロント操作パネル3bの右側端部には操向パワステレバー13を、正面部にはモニタ表示器14を設けている。サイド操作パネル3cには、前側から後側にかけてスイッチ及びその入切を表示するスイッチパネル15、エンジンの燃料噴射量を調節するスロットルレバー16、無段変速装置変速用の主変速レバー11、副変速装置変速用の副変速レバー、刈取クラッチレバー32、脱穀クラッチレバー33を配設している。
【0022】
前記操向パワステレバー13は、機体の進行方向を操舵したり、あるいは、刈取搬送部7を昇降するもので、操向パワステレバー13を左右方向に回動すると、回動操作量に応じて左右サイドクラッチ装置あるいは左右ブレーキ装置を作動し走行方向が左右に修正される。また、操向パワステレバー13を前方に回動すると、刈取搬送部7が下降し、後方に回動すると上昇するように構成している。
【0023】
座席3aの左側方のサイド操作パネル3cの下方にはサイド操作パネルフレーム21を前後方向に沿わせて配設し、サイド操作パネルフレーム21の前側フレーム21aを低く、後側フレーム21bを高くなるように階段状(段違い状)に構成している。前側フレーム21aを正面視で下方を開放した逆凹状に構成し、その左側部にスロットルユニット23を取り付け、前側フレーム21aの上側板に主変速レバー11の操作溝11aを前後方向に沿うように構成している。
【0024】
前記スロットルユニット23は、図5及び図6に示すように、左右方向の軸23p回りに回動自在に軸支されている第1スロットルギヤ23aと、第1スロットルギヤ23aに一体的に取り付けられていて左右方向の軸23p回りに前後方向に回動するスロットルレバー23bと、第1スロットルギヤ23aと噛み合っている第2スロットルギヤ23cと、第2スロットルギヤ23cを正逆回転させるスロットル調節モータM1と、これらを支持しているスロットルフレーム23dと、で構成されていて、スロットルレバー23bにはスロットルケーブル52を連結している。
【0025】
スロットルユニット23の上方を前記サイド操作パネル3cの前側部で被覆し、サイド操作パネル3cに設けた前後方向の操作溝に沿ってスロットルレバー23aを前後方向に操作可能に構成している。
【0026】
しかして、スロットル調節モータM1が正逆回転し第2スロットルギヤ23cが前後方向に回動すると、後述のスロットルケーブル52が押し引きされガバナが調節され燃料噴射弁が開閉調節されエンジンの回転数を増減調節する構成である。
【0027】
また、前記スロットルフレーム23dを左側板23da、右側板23db、前側板23dc及び後側板23ddにより平面視で前後方向に長い長方形状に構成すると共に上側部及び下側部を開口し、後側フレーム21bの前側部の左右方向に沿った前側板21baと、スロットルフレーム23dの後側板23ddとを接合しボルト・ナットで固着している。
【0028】
前記構成によると、サイド操作パネルフレーム21の前側フレーム21aを低く、後側フレーム21bを高くなるように階段状に構成し、その前側フレーム21aにスロットルユニット23を配設することにより、スロットルユニット23をコンパクトに構成することができる。
【0029】
また、左右側板23da,23dbの前側部に左右方向の軸23p回りに回動自在に第1スロットルギヤ23a及びスロットルレバー23bを設け、第1スロットルギヤ23aと噛み合っている第2スロットルギヤ23cを左右側板23da,23dbの後側部に設けている。そして、スロットル調節モータM1を第2スロットルギヤ23cの後側上部に配設し、スロットル調節モータM1の上側端部と第1スロットルギヤ23aの上側端部を略同じ高さに設定し、スロットル調節モータM1の駆動軸部と第2スロットルギヤ23cとを嵌合連繋している。
【0030】
前記構成によると、前後方向に長いサイド操作パネルフレーム21における前後方向中間部に位置する後側フレーム21bの左右方向に沿った前側板21baと、スロットルフレーム23dの後側板23ddとを接合しボルト・ナットで固着したので、前後方向に長いサイドフレーム21を強固に構成することができる。
【0031】
また、後側フレーム21bの前部に左側方に突出するように中央フレーム38を取り付け、下方の走行車台1あるいは後述の走行ミッションケース39から中間ステー25を立ち上げ、その上端部で前記中央フレーム38の前側左部をボルト・ナットで固着している。従って、中間ステー25により前記スロットルユニット23の後側板23ddを中央フレーム38を介して間接的に支持し、スロットルユニット23を強固に支持することができる。
【0032】
従来構成は前側フレーム21aにスロットルユニット23を片持ち状で取り付けていた。従って、スロットルユニット23の軸23p支持用のボス部を左右方向に長く構成したり、がたをなくすために嵌合をきつくしたりし、軸23pをベアリングを介して軸支するためコスト高になっていた。しかし、前記構成によると、周辺に配置する中央フレーム38及び中間ステー25を利用してスロットルユニット23の後側部を支持することにより、スロットルユニット23のたわみを解消し簡単な構成で強固に支持することができる。
【0033】
また、スロットルユニット23のスロットルフレーム23dを左側板23da,右側板23db,前側板23dc,後側板23ddにより平面視で前後方向に長い長方形状に構成し、第1スロットルギヤ23aの前側部及び左側部を覆うように構成している。従って、スロットルユニット23の左側方に刈取搬送部7の搬送穀稈案内用のゴム板を配置しても、ゴム板と第1スロットルギヤ23aの接触を回避し、ゴム板の損傷を防止し耐久性を高めることができる。
【0034】
また、前側フレーム21aを正面視で下方を開放した逆凹状に構成し、その左側部のブラケット21abにスロットルユニット23の右側板23dbのブラケット23dbbをボルト・ナットで取り付け、スロットルユニット23の後側板23ddを後側フレーム21bの中央フレーム38の前側板に接合し、ボルト・ナットで取り付けている。
【0035】
また、前側フレーム21aの上側板に主変速レバー11の操作溝11aを前後方向に沿うように構成し、操作溝11aの全周を下方へ折り曲げてバーリングを施し、前側フレーム21aの上下方向のたわみに対して有効な剛性を持たせるようにしている。
【0036】
また、図4に示すように、前側フレーム21aの下方には走行車台1の前側部から側面視で逆U字状の主変速レバーフレーム27を取り付け、主変速レバーフレーム27の後側上部に主変速レバー11を左右方向の軸11b回りに回動自在に軸支している。主変速レバーフレーム27の下方に静油圧式の無段変速装置28を配設し、主変速レバー11により無段変速装置27のトラニオン軸を操作するように構成している。
【0037】
前記構成によると、前側フレーム21aの下方に配設している主変速レバーフレーム27に主変速レバー11を左右方向の軸11b回りに回動自在に軸支し、前側フレーム21aの上側板に主変速レバー11の操作溝11aを前後方向に沿うように構成しているので、主変速レバー11の組立て作業が容易となり、部品点数を少なくし軽量化を図ることができる。
【0038】
また、図7及び図11に示すように、後側フレーム21bを正面視で下方を開放した逆凹状に構成し、その上側板の前後方向中間部にクラッチ操作溝31を前後方向に沿わせて設け、その左右側板には刈取クラッチレバー32及び脱穀クラッチレバー33を左右に並列配置し、左右方向の軸32p回りに回動自在に軸支している。下方の走行車台1に設けているクラッチブラケット34にはテンションクラッチ型の刈取クラッチ装置35及び脱穀クラッチ装置36を設け、刈取クラッチロッド35a、脱穀クラッチロッド36aを介してクラッチを作動し、刈取ベルト伝動装置35b、脱穀ベルト伝動装置36bの伝動を入切するように構成している。
【0039】
前記構成によると、後側フレーム21bを正面視で下方を開放した逆凹状に構成し、その上側板の前後方向中間部にクラッチ操作溝31を前後方向に沿わせて設け、その左右側板には刈取クラッチレバー32及び脱穀クラッチレバー33を左右に並列配置し、左右方向の軸32p回りに回動自在に軸支したので、後側フレーム21bに刈取クラッチレバー32及び脱穀クラッチレバー33を直接支持することができ、後側フレーム21bにブラケットを介して取り付ける従来構成に比較し、構成を簡単化し、コストの低減を図ることができる。
【0040】
また、上側板に設けたクラッチ操作溝31を全周を下方へ折り曲げるバーリングを施し、強度のアップを図り、前後両端の下方折り曲げ部をストッパ31a,31bとして利用し、構成を簡単化しコストの低減を図っている。
【0041】
また、図9及び図10に示すように、サイド操作パネルフレーム21の後側フレーム21bの前側端部に中央フレーム38を左側方へ突出するように取り付けている。中央フレーム38は平面視コ字型で上方及び下方を開口した前後側板及び右側板で構成とし、その前側板38aを後側フレーム21bの前側板21baに前側から接合してボルト・ナットで固着し、左側板38bを後側フレーム21bの左側板よりも左側に突出させ、後側板38cの右側部を後側フレーム21bの下方を通して右側に突出するように構成し、サイド操作パネルフレーム21の前後方向中間部の剛性を高めている。
【0042】
また、中央フレーム38を走行ミッションケース39の上方に配設し、中央フレーム38の左側板38bと走行ミッションケース39から立ち上げた中間ステー25の上端部とをボルト・ナットで連結している。また、走行車台1の前側部から右側ステー40を立ち上げ、その上端部でサイド操作パネルフレーム21の後側フレーム21bの前側左側部を支持し、サイド操作パネルフレーム21の前後方向中間部の支持強度のアップを図っている。
【0043】
また、中央フレーム38の左側部に副変速レバー12を左右方向の軸12p回りに回動自在に軸支し、副変速レバー12の取付構成を簡単化し、副変速レバー12を上下方向に沿った短い副変速ロッド12bを介して、走行ミッションケース39内の副変速装置を変速するようにし、変速操作を確実化し操作フィーリングの向上を図っている。
【0044】
なお、スロットル調節モータM1はコントローラに接続されていて、例えば次のようなスロットル制御がなされる。
籾排出スイッチをオンしグレンタンクの籾排出作業時には、徐々にエンジンの回転数を上昇させ籾排出速度を上昇させ、定格回転数(例えば2800rpm)に設定する籾排出時回転数制御が実行される。また、脱穀クラッチ36が入り状態の脱穀作業時には、エンジンの負荷変動に応じてスロットルレバー23bを開閉調節し、エンジン回転数を定格回転数で回転させながら脱穀部6の扱胴が回転される脱穀作業時回転数制御が実行される。また、副変速装置が高速変速状態の路上走行時には、主変速レバー27の増減速操作に応じてエンジン回転数を増減調節し、走行停止時にはエンジン回転数を所定の低速回転数に低下させる走行時回転数制御が実行される。また、停車状態では駐車ブレーキを操作したり省エネ運転スイッチを操作しているときには、エンジン回転数をアイドリング回転数(例えば2000rpm)に低下させる停車時回転数制御が実行される。
【0045】
また、前記籾排出作業時回転数制御は、省エネ運転スイッチがオン状態、籾排出クラッチが切り状態または籾排出レバースイッチ入りの状態、エンジン回転数が所定の低速回転数(例えば500rpm)以上の場合に、作動可能としている。また、前記脱穀作業時回転数制御は、省エネ運転スイッチがオン、脱穀クラッチセンサがオン、籾排出クラッチが切り状態または籾排出レバースイッチ切り状態で、エンジン回転数が所定の低速回転数(例えば500rpm)以上の場合に、作動可能となるようにしている。また、前記走行時回転数制御は、省エネ運転スイッチがオン、脱穀クラッチセンサがオフ、籾排出クラッチが切り状態または籾排出レバースイッチが切りの状態で、エンジン回転数が所定の低速回転数(例えば500rpm)以上の場合に、作動可能としている。また、前記停車時回転数制御は、省エネ運転スイッチがオン、脱穀クラッチセンサがオフ、籾排出クラッチが切り状態または籾排出レバースイッチが切りの状態で、主変速レバー27が中立状態で、エンジン回転数が所定の低速回転数(例えば500rpm)以上の場合に、作動可能としている。
【0046】
また、前記籾排出作業時回転数制御は、省エネ運転スイッチをオンし、省エネ回転数設定ダイヤルでエンジン回転数を設定している場合には、エンジンの設定回転数に対して±50rpmになるようにコントローラからパルスで開閉出力し、スロットル調節モータM1を増減制御するようにしている。また、前記脱穀作業回転数制御は、省エネ運転スイッチをオンし、省エネ回転数設定ダイヤルでエンジン回転数を設定している場合には、エンジンの設定回転数に対して±50rpmになるように、また、ファジイ推論によりスロットルレバー23bの開閉時間を算出し、エンジン回転数が「設定回転数−50rpm」〜「設定回転数」になるように制御している。また、前記走行時回転数制御は、主変速レバー11の操作位置に応じてエンジン回転数を2000rpmから最高回転数になるようにスロットル調節モータM1を制御する。なお、後進の場合も前進と同様の制御を行ない、主変速レバー11が中立の停車状態では、エンジン回転数を2000rpmに低下させるように制御する。また、前記停車時回転数制御では、駐車ブレーキの駐車操作状態では、前記制御作動条件の成立時に駐車ブレーキぺダルスイッチがオフからオンに変化すると、スロットル調節モータM1を約2秒間回転数増加方向に駆動調節する。前記停車時回転数制御において、駐車ブレーキぺダルの駐車操後状態で再び駐車ブレーキぺダルを解除状態に戻す操作がなされると、エンジン回転数が2000rpmになるようにスロットル調節モータM1を回転数増加側に調節駆動する。また、省エネ運転スイッチの操作状態で、前記制御作動条件の成立時において、省エネ運転スイッチがオンからオフに変化すると、スイッチ調節モータM1を約2秒間増加方向に調節駆動する。また、省エネ運転スイッチをオフからオンに操作すると、スイッチ調節モータM1を約2秒間回転数減少方向に調節駆動する。
【0047】
次に、図12乃至図14に基づきスロットルユニット23の他の実施例について説明する。
スロットルユニット23は、左右方向の軸23h回りに回動自在に軸支されている第1スロットルギヤ23iと、左右方向の軸23h回りに回動自在に軸支されていて且つ第1スロットルギヤ23iと一体構成のスロットルレバー23jと、スロットル調節モータM1と、スロットル調節モータM1で駆動され小径の第1駆動ギヤ23kと、第1駆動ギヤ23kで駆動され且つ軸23m回りに回転する大径の第2駆動ギヤ23lと、スロットルギヤ23iと噛み合っていて軸23m回りに回転する調節ギヤ23nと、軸23mに軸支されていて第2駆動ギヤ23lを押圧支持するスリッパ57と、これらを支持するスロットルフレーム23rとで構成されている。
【0048】
そして、前記スロットルレバー23jに取り付けられているスロットルギヤ23iを小形の扇形に構成し、スロットルレバー23jとスロットルギヤ23iとをプレス加工により一体成型し、単一の小さな型材で製作可能とし、コストの低減を図っている。
【0049】
また、スロットルレバー23jと一体構成されているスロットルギヤ23iの両端部に幅広のストッパ部23ia,23ibを構成し、スロットルレバー23jを操作終端側に操作した際のストッパーとし、構成の簡単化を図っている。
【0050】
また、スロットルフレーム23rの上側中間部から取付ステー51を立設し、取付ステー51にスロットルケーブル52の一端を支持している。また、スロットルレバー23jの軸23hの近傍に左右方向に沿うように連結ピン54を取り付け、連結ピン54の一端側にスロットルケーブル52の一端を連結している。
【0051】
また、スロットルフレーム23rのスロットルレバー23jの近傍にスロットルセンサ55を取り付け、前記連結ピン54の他端側をスロットルセンサ55の検出アーム55aに連繋している。しかして、スロットルケーブル52のスロットルユニット23への組み付けが容易になり、スロットルレバー23jの操作検出を簡単に構成することができる。
【0052】
次に、スリッパ57の圧力調整構成について説明する。
スロットル調節モータM1で駆動され第1駆動ギヤ23kを経由して調節動力の伝達される大径の第2駆動ギヤ23lは軸23mに嵌合支持されていて、第2駆動ギヤ23lの左右両側には例えば合成樹脂材からなるスリッパ57の左右スリッパ57a,57bを軸23mにスプライン嵌合して設け、スロットル調節モータM1の駆動力が第2駆動ギヤ23lと左右スリッパ57a,57bの圧接力により軸23mを経由してスロットルレバー23jに伝達されるようにしている。
【0053】
そして、軸23mにはスプリング58を介装し、調節ナット59でスプリング58の張力を調節可能に構成し、スロットルレバー23jの操作力を簡単に調節できるように構成し、スロットルレバーの操作フィーリングの向上を図っている。
【0054】
次に、図15乃至図17に基づきクローラ走行装置2の他の実施例について説明する。
走行車台1の前側部に設けた走行ミッションケース39から左右走行駆動軸71,71を左右両側方に延出し、その左右端部に左右駆動スプロケット72,72を設けている。走行車台1の前後左右両側部から左右前側枠体73,73、左右後側枠体74,74を下方に延出し、前後方向に沿った左右クローラフレーム75L,75Rを支持している。
【0055】
左右クローラフレーム75L,75Rの後側部には左右アイドルローラー76,76を前後方向に調節自在に支架し、左右クローラフレーム75L,75Rには前後方向沿わせて左右第1前転輪77a、左右第2前転輪77b、複数の左右中間転輪78,78を軸架している。そして、これらの左右駆動スプロケット72,72、左右アイドルローラー76,76、左右第1前転輪77a,77a、左右第2前転輪77b,77b及び左右中間転輪78,…に、左右走行クローラ79,79を巻き掛けている。
【0056】
そして、左右クローラフレーム75,75の前後部には複数の支持体81,81を左右方向に沿うように取り付け、支持体81,81の左右両側端部に左右ガイド板80,80を取付ボルト・ナット82,…で取り付け、左右ガイド板80,80により左右走行クローラ79,79の内側空間部を左右両側から覆い、且つ、左右ガイド板80,80の外周縁部を走行クローラ79,79の内周面に接触するようにしている。
【0057】
湿田作業時には走行クローラ79,79の後側部のアイドルローラ76部で泥を持ち回り、未刈取穀稈側に泥の塊が落下し、次の刈取行程では刈取搬送部7に泥が詰まるという不具合が発生する。しかし、前記構成によると、左右ガイド板80,80により走行クローラ79,79への泥の侵入を抑制し、走行クローラ79,79の馬力ロスを少なくしながら刈取作業を円滑に行なうことができる。
【0058】
また、図15(A)に示すように、左右ガイド板80,80を前側ガイド板80a,80aと後側ガイド板80b,80bとに分割構成し、取付長孔80b,80bにより前後方向の長さを伸縮調節自在にボルト・ナットで取り付けるようにすると、走行クローラ79,79がテンション調節により伸縮しても、走行クローラ79,79の内周面に前側ガイド板80a,80aと後側ガイド板80b,80bの周縁部を確実に接触させながら泥の侵入を抑制することができる。
【0059】
また、図17に示すように、走行クローラ79,79の左右両側端部には左右両側に向けてリップ79a,79aを突出するように設け、且つ、リップ79a,79aをクローラの外周面側に傾斜状に伸びるように構成し、左右ガイド板80,80の内周面に接触させると、走行クローラ79,79への泥の侵入を効果的に抑制することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 走行車台
2 クローラ走行装置
3 操縦部
3a 座席
3c サイド操作パネル
5 グレンタンク
7 刈取搬送部
11 主変速レバー
11a 変速溝
21 サイド操作パネルフレーム
21a 前側フレーム
21b 後側フレーム
23 スロットルユニット
23a 第1スロットルギヤ
23b スロットルレバー
23d スロットルフレーム
23da 左側板
23db 右側板
23dd 後側板
23p 軸
M1 スロットル調節モータ
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインの操縦部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインにおいて、スロットルレバーを後側に制御モータを前側に配置し、スロットルワイヤを連結しているワイヤ回動アームを前側に配置し、スロットルレバーで回動する回動アームを後側に設け、回動アームとワイヤ回動アームとの間をスロットル連動リンク機構を介してそれぞれ平行状に揺動するように構成し、ワイヤ回動アームと制御モータとの間をギヤ機構でスロットル連動したものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−185237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術の前記発明は、スロットルレバーで回動させる回動アームを後側に設け、スロットルワイヤと連結しているワイヤ回動アームを前側に配置し、制御モータのギヤでワイヤ回動アームを正逆回転可能に構成し、回動アームとワイヤ回動アームとの間をスロットル連動リンク機構を介してそれぞれ平行状に揺動するように構成しているので、前後方向に長くなり、このような構成をコンバインのサイド操作パネルに配置すると、スロットルレバーの近傍に他の操作レバーが配置できないという不具合が発生する。
【0005】
そこで、本発明はこのような不具合を解決ししながら、サイド操作パネルのレバー配置構成を簡単化しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、操縦部(3)の座席(3a)の左側方にサイド操作パネルフレーム(21)を前後方向に沿わせて配設し、該サイド操作パネルフレーム(21)は、その前部を形成する前側フレーム(21a)が低く、その後部を形成する後側フレーム(21b)が高くなるように、該前側フレーム(21a)と後側フレーム(21b)とを段違い状に接合した構成とし、前記前側フレーム(21a)にエンジン回転数調節用のスロットルユニット(23)を取り付け、該スロットルユニット(23)には、軸(23p)回りに回動自在に軸支されている第1スロットルギヤ(23a)と、第1スロットルギヤ(23a)に取り付けられていて軸(23p)回りに一体的に回動するスロットルレバー(23b)と、前記第1スロットルギヤ(23a)を正逆駆動するスロットル調節モータ(M1)を備えたことを特徴とするコンバインの操縦部構造とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記軸(23p)と第1スロットルギヤ(23a)とスロットルレバー(23b)とスロットル調節モータ(M1)の前後側面及び左右側面をスロットルフレーム(23d)で覆い、該スロットルフレーム(23d)の後側板(23dd)を前記後側フレーム(21b)の前側板に接合してボルトで締結固定したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの操縦部構造とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記スロットルフレーム(23d)の右側板(23db)におけるスロットルレバー(23b)の軸(23p)の近傍の部位を前記前側フレーム(21a)にボルトで締結固定したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンバインの操縦部構造とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記スロットルユニット(23)におけるスロットルフレーム(23d)の左側板(23da)の左側方に搬送穀稈案内用のゴム板を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載のコンバインの操縦部構造とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記前側フレーム(21a)を正面視で逆凹状で下方を開口した構成とし、その左側部に前記スロットルフレーム(23d)を取り付け、前記前側フレーム(21a)の上側板に主変速レバー(11)を案内する変速溝(11a)を構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項記載のコンバインの操縦部構造とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によると、サイド操作パネルフレーム(21)の前側フレーム(21a)を低く、後側フレーム(21b)を高くなるように段違い状に構成し、前側フレーム(21a)にスロットルユニット(23)を取り付けることにより、スロットルユニット(23)をサイド操作パネルフレーム(21)にコンパクトに配設することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によると、請求項1記載の発明の効果に加えて、スロットルユニット(23)には軸(23p)、第1スロットルギヤ(23a)、スロットルレバー(23b)及びスロットル調節モータ(M1)の前後側面及び左右側面をスロットルフレーム(23d)により覆うように構成し、スロットルフレーム(23d)の後側板(23dd)を後側フレーム(21b)の前側板に接合しボルトで締結固定したので、前後方向に長いサイド操作パネルフレーム(21)の前後方向中間部を強固に構成することができ、スロットルレバー(23b)の操作フィーリングを高めることができる。
【0013】
請求項3記載の発明によると、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、前後方向に長いスロットルフレーム(23d)の右側板(23db)におけるスロットルレバー(23b)の軸(23p)の近傍の部位を前側フレーム(21a)にボルトで締結固定したので、スロットルフレーム(23d)の軸(23p)の軸方向の撓みをなくし、スロットルレバー(23b)を強固に支持することができる。
【0014】
請求項4記載の発明によると、請求項1または請求項2または請求項3記載の発明の効果に加えて、スロットルユニット(23)におけるスロットルフレーム(23d)の左側板(23da)の左側方に搬送穀稈案内用のゴム板を配置したので、スロットルフレーム(23d)の内側に設けられている第1スロットルギヤ(23a)とゴム板との接触を回避し、ゴム板の損傷を防止し耐久性を高めることができる。
【0015】
請求項5記載の発明によると、請求項1から請求項4のいずれか一項記載の発明の効果に加えて、前側フレーム(21a)を正面視で逆凹状で下方を開口した構成とし、その左側部にスロットルフレーム(23d)を取り付け、前側フレーム(21a)の上側板に主変速レバー(11)を案内する変速溝(11a)を構成したので、主変速レバー(11)の支持構成を簡単化し、スロットルレバー(23b)の近くに主変速レバー(11)を配置することができ操作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】コンバインの全体平面図。
【図3】操縦部の平面図。
【図4】操縦部の側面図。
【図5】操縦部の平面図。
【図6】操縦部の側面図。
【図7】操縦部の側面図。
【図8】操縦部の側面図。
【図9】操縦部の平面図。
【図10】操縦部及び走行ミッションケースの側面図。
【図11】操縦部の一部省略した正面図。
【図12】スロットルユニットの側面図、正面図。
【図13】スロットルユニットの側面図、正面図。
【図14】スロットルユニットの平面図。
【図15】クローラ走行装置の側面図。
【図16】クローラ走行装置の切断背面図。
【図17】クローラ走行装置の切断背面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明の実施例について説明する。まず、図1及び図2に基づき本発明を備えたコンバインの全体構成について説明する。
コンバインの走行車台1の下方には左右クローラ走行装置2,2を配設し、走行車台1の右側部には、前側部に座席付きの操縦部3を、操縦部3の後方下部にはエンジンを備えた原動部4を、原動部4の後方には穀粒収納用のグレンタンク5を配設している。走行車台1の左側部に脱穀部6を搭載し、走行車台1の前側部には刈取搬送部7を昇降自在に設け、脱穀部6及びグレンタンク5の後方に排稾処理装置8を設けている。また、グレンタンク5の後側部に排出オーガ(図示省略)を設け、グレンタンク5内の穀粒を外部に排出するようにしている。
【0018】
しかして、圃場の穀稈を刈取搬送部7の分草杆により穀稈条列毎に分草して穀稈引起し装置に案内し、次いで、穀稈引起し装置で穀稈を引起し、引き起こした穀稈を掻込搬送装置で後方へ掻き込み搬送し刈刃装置で刈り取る。刈取穀稈を中継ぎ搬送装置で左右方向中央部へ集送しながら中継ぎ搬送し、次いで、引継ぎ搬送装置を経て脱穀部6のフィードチエンへ引き継ぎ搬送する。次いで、脱穀部6で脱穀選別し、一番穀粒を一番揚穀機で揚穀し、グレンタンク5に貯溜する。
【0019】
また、コンバインは操縦部3の操縦席において主変速レバー11及び副変速レバー12を操作することにより、エンジンの動力をミッションケース内の油圧式無段変速装置及び副変速装置で変速し、左右クローラ走行装置2,2に伝達し任意の速度で走行する。
【0020】
また、コンバインはオペレータが操縦席において操向パワステレバー13を左右に傾動操作することにより、左右に旋回走行することができる。すなわち、操向パワステレバー13を旋回走行する方向に傾動操作すると、ミッションケース内の左右サイドクラッチ、左右ブレーキ装置が作動し、左右のクローラ走行装置2,2に速度差が与えられ走行方向の変更をすることができる。
【0021】
次に、図2乃至図6に基づきコンバインの操縦部3の操作構成について説明する。
操縦部3は、後側部に座席3aを設け、座席3aの前方にフロント操作パネル3bを、左側部にサイド操作パネル3cを設けている。フロント操作パネル3bの右側端部には操向パワステレバー13を、正面部にはモニタ表示器14を設けている。サイド操作パネル3cには、前側から後側にかけてスイッチ及びその入切を表示するスイッチパネル15、エンジンの燃料噴射量を調節するスロットルレバー16、無段変速装置変速用の主変速レバー11、副変速装置変速用の副変速レバー、刈取クラッチレバー32、脱穀クラッチレバー33を配設している。
【0022】
前記操向パワステレバー13は、機体の進行方向を操舵したり、あるいは、刈取搬送部7を昇降するもので、操向パワステレバー13を左右方向に回動すると、回動操作量に応じて左右サイドクラッチ装置あるいは左右ブレーキ装置を作動し走行方向が左右に修正される。また、操向パワステレバー13を前方に回動すると、刈取搬送部7が下降し、後方に回動すると上昇するように構成している。
【0023】
座席3aの左側方のサイド操作パネル3cの下方にはサイド操作パネルフレーム21を前後方向に沿わせて配設し、サイド操作パネルフレーム21の前側フレーム21aを低く、後側フレーム21bを高くなるように階段状(段違い状)に構成している。前側フレーム21aを正面視で下方を開放した逆凹状に構成し、その左側部にスロットルユニット23を取り付け、前側フレーム21aの上側板に主変速レバー11の操作溝11aを前後方向に沿うように構成している。
【0024】
前記スロットルユニット23は、図5及び図6に示すように、左右方向の軸23p回りに回動自在に軸支されている第1スロットルギヤ23aと、第1スロットルギヤ23aに一体的に取り付けられていて左右方向の軸23p回りに前後方向に回動するスロットルレバー23bと、第1スロットルギヤ23aと噛み合っている第2スロットルギヤ23cと、第2スロットルギヤ23cを正逆回転させるスロットル調節モータM1と、これらを支持しているスロットルフレーム23dと、で構成されていて、スロットルレバー23bにはスロットルケーブル52を連結している。
【0025】
スロットルユニット23の上方を前記サイド操作パネル3cの前側部で被覆し、サイド操作パネル3cに設けた前後方向の操作溝に沿ってスロットルレバー23aを前後方向に操作可能に構成している。
【0026】
しかして、スロットル調節モータM1が正逆回転し第2スロットルギヤ23cが前後方向に回動すると、後述のスロットルケーブル52が押し引きされガバナが調節され燃料噴射弁が開閉調節されエンジンの回転数を増減調節する構成である。
【0027】
また、前記スロットルフレーム23dを左側板23da、右側板23db、前側板23dc及び後側板23ddにより平面視で前後方向に長い長方形状に構成すると共に上側部及び下側部を開口し、後側フレーム21bの前側部の左右方向に沿った前側板21baと、スロットルフレーム23dの後側板23ddとを接合しボルト・ナットで固着している。
【0028】
前記構成によると、サイド操作パネルフレーム21の前側フレーム21aを低く、後側フレーム21bを高くなるように階段状に構成し、その前側フレーム21aにスロットルユニット23を配設することにより、スロットルユニット23をコンパクトに構成することができる。
【0029】
また、左右側板23da,23dbの前側部に左右方向の軸23p回りに回動自在に第1スロットルギヤ23a及びスロットルレバー23bを設け、第1スロットルギヤ23aと噛み合っている第2スロットルギヤ23cを左右側板23da,23dbの後側部に設けている。そして、スロットル調節モータM1を第2スロットルギヤ23cの後側上部に配設し、スロットル調節モータM1の上側端部と第1スロットルギヤ23aの上側端部を略同じ高さに設定し、スロットル調節モータM1の駆動軸部と第2スロットルギヤ23cとを嵌合連繋している。
【0030】
前記構成によると、前後方向に長いサイド操作パネルフレーム21における前後方向中間部に位置する後側フレーム21bの左右方向に沿った前側板21baと、スロットルフレーム23dの後側板23ddとを接合しボルト・ナットで固着したので、前後方向に長いサイドフレーム21を強固に構成することができる。
【0031】
また、後側フレーム21bの前部に左側方に突出するように中央フレーム38を取り付け、下方の走行車台1あるいは後述の走行ミッションケース39から中間ステー25を立ち上げ、その上端部で前記中央フレーム38の前側左部をボルト・ナットで固着している。従って、中間ステー25により前記スロットルユニット23の後側板23ddを中央フレーム38を介して間接的に支持し、スロットルユニット23を強固に支持することができる。
【0032】
従来構成は前側フレーム21aにスロットルユニット23を片持ち状で取り付けていた。従って、スロットルユニット23の軸23p支持用のボス部を左右方向に長く構成したり、がたをなくすために嵌合をきつくしたりし、軸23pをベアリングを介して軸支するためコスト高になっていた。しかし、前記構成によると、周辺に配置する中央フレーム38及び中間ステー25を利用してスロットルユニット23の後側部を支持することにより、スロットルユニット23のたわみを解消し簡単な構成で強固に支持することができる。
【0033】
また、スロットルユニット23のスロットルフレーム23dを左側板23da,右側板23db,前側板23dc,後側板23ddにより平面視で前後方向に長い長方形状に構成し、第1スロットルギヤ23aの前側部及び左側部を覆うように構成している。従って、スロットルユニット23の左側方に刈取搬送部7の搬送穀稈案内用のゴム板を配置しても、ゴム板と第1スロットルギヤ23aの接触を回避し、ゴム板の損傷を防止し耐久性を高めることができる。
【0034】
また、前側フレーム21aを正面視で下方を開放した逆凹状に構成し、その左側部のブラケット21abにスロットルユニット23の右側板23dbのブラケット23dbbをボルト・ナットで取り付け、スロットルユニット23の後側板23ddを後側フレーム21bの中央フレーム38の前側板に接合し、ボルト・ナットで取り付けている。
【0035】
また、前側フレーム21aの上側板に主変速レバー11の操作溝11aを前後方向に沿うように構成し、操作溝11aの全周を下方へ折り曲げてバーリングを施し、前側フレーム21aの上下方向のたわみに対して有効な剛性を持たせるようにしている。
【0036】
また、図4に示すように、前側フレーム21aの下方には走行車台1の前側部から側面視で逆U字状の主変速レバーフレーム27を取り付け、主変速レバーフレーム27の後側上部に主変速レバー11を左右方向の軸11b回りに回動自在に軸支している。主変速レバーフレーム27の下方に静油圧式の無段変速装置28を配設し、主変速レバー11により無段変速装置27のトラニオン軸を操作するように構成している。
【0037】
前記構成によると、前側フレーム21aの下方に配設している主変速レバーフレーム27に主変速レバー11を左右方向の軸11b回りに回動自在に軸支し、前側フレーム21aの上側板に主変速レバー11の操作溝11aを前後方向に沿うように構成しているので、主変速レバー11の組立て作業が容易となり、部品点数を少なくし軽量化を図ることができる。
【0038】
また、図7及び図11に示すように、後側フレーム21bを正面視で下方を開放した逆凹状に構成し、その上側板の前後方向中間部にクラッチ操作溝31を前後方向に沿わせて設け、その左右側板には刈取クラッチレバー32及び脱穀クラッチレバー33を左右に並列配置し、左右方向の軸32p回りに回動自在に軸支している。下方の走行車台1に設けているクラッチブラケット34にはテンションクラッチ型の刈取クラッチ装置35及び脱穀クラッチ装置36を設け、刈取クラッチロッド35a、脱穀クラッチロッド36aを介してクラッチを作動し、刈取ベルト伝動装置35b、脱穀ベルト伝動装置36bの伝動を入切するように構成している。
【0039】
前記構成によると、後側フレーム21bを正面視で下方を開放した逆凹状に構成し、その上側板の前後方向中間部にクラッチ操作溝31を前後方向に沿わせて設け、その左右側板には刈取クラッチレバー32及び脱穀クラッチレバー33を左右に並列配置し、左右方向の軸32p回りに回動自在に軸支したので、後側フレーム21bに刈取クラッチレバー32及び脱穀クラッチレバー33を直接支持することができ、後側フレーム21bにブラケットを介して取り付ける従来構成に比較し、構成を簡単化し、コストの低減を図ることができる。
【0040】
また、上側板に設けたクラッチ操作溝31を全周を下方へ折り曲げるバーリングを施し、強度のアップを図り、前後両端の下方折り曲げ部をストッパ31a,31bとして利用し、構成を簡単化しコストの低減を図っている。
【0041】
また、図9及び図10に示すように、サイド操作パネルフレーム21の後側フレーム21bの前側端部に中央フレーム38を左側方へ突出するように取り付けている。中央フレーム38は平面視コ字型で上方及び下方を開口した前後側板及び右側板で構成とし、その前側板38aを後側フレーム21bの前側板21baに前側から接合してボルト・ナットで固着し、左側板38bを後側フレーム21bの左側板よりも左側に突出させ、後側板38cの右側部を後側フレーム21bの下方を通して右側に突出するように構成し、サイド操作パネルフレーム21の前後方向中間部の剛性を高めている。
【0042】
また、中央フレーム38を走行ミッションケース39の上方に配設し、中央フレーム38の左側板38bと走行ミッションケース39から立ち上げた中間ステー25の上端部とをボルト・ナットで連結している。また、走行車台1の前側部から右側ステー40を立ち上げ、その上端部でサイド操作パネルフレーム21の後側フレーム21bの前側左側部を支持し、サイド操作パネルフレーム21の前後方向中間部の支持強度のアップを図っている。
【0043】
また、中央フレーム38の左側部に副変速レバー12を左右方向の軸12p回りに回動自在に軸支し、副変速レバー12の取付構成を簡単化し、副変速レバー12を上下方向に沿った短い副変速ロッド12bを介して、走行ミッションケース39内の副変速装置を変速するようにし、変速操作を確実化し操作フィーリングの向上を図っている。
【0044】
なお、スロットル調節モータM1はコントローラに接続されていて、例えば次のようなスロットル制御がなされる。
籾排出スイッチをオンしグレンタンクの籾排出作業時には、徐々にエンジンの回転数を上昇させ籾排出速度を上昇させ、定格回転数(例えば2800rpm)に設定する籾排出時回転数制御が実行される。また、脱穀クラッチ36が入り状態の脱穀作業時には、エンジンの負荷変動に応じてスロットルレバー23bを開閉調節し、エンジン回転数を定格回転数で回転させながら脱穀部6の扱胴が回転される脱穀作業時回転数制御が実行される。また、副変速装置が高速変速状態の路上走行時には、主変速レバー27の増減速操作に応じてエンジン回転数を増減調節し、走行停止時にはエンジン回転数を所定の低速回転数に低下させる走行時回転数制御が実行される。また、停車状態では駐車ブレーキを操作したり省エネ運転スイッチを操作しているときには、エンジン回転数をアイドリング回転数(例えば2000rpm)に低下させる停車時回転数制御が実行される。
【0045】
また、前記籾排出作業時回転数制御は、省エネ運転スイッチがオン状態、籾排出クラッチが切り状態または籾排出レバースイッチ入りの状態、エンジン回転数が所定の低速回転数(例えば500rpm)以上の場合に、作動可能としている。また、前記脱穀作業時回転数制御は、省エネ運転スイッチがオン、脱穀クラッチセンサがオン、籾排出クラッチが切り状態または籾排出レバースイッチ切り状態で、エンジン回転数が所定の低速回転数(例えば500rpm)以上の場合に、作動可能となるようにしている。また、前記走行時回転数制御は、省エネ運転スイッチがオン、脱穀クラッチセンサがオフ、籾排出クラッチが切り状態または籾排出レバースイッチが切りの状態で、エンジン回転数が所定の低速回転数(例えば500rpm)以上の場合に、作動可能としている。また、前記停車時回転数制御は、省エネ運転スイッチがオン、脱穀クラッチセンサがオフ、籾排出クラッチが切り状態または籾排出レバースイッチが切りの状態で、主変速レバー27が中立状態で、エンジン回転数が所定の低速回転数(例えば500rpm)以上の場合に、作動可能としている。
【0046】
また、前記籾排出作業時回転数制御は、省エネ運転スイッチをオンし、省エネ回転数設定ダイヤルでエンジン回転数を設定している場合には、エンジンの設定回転数に対して±50rpmになるようにコントローラからパルスで開閉出力し、スロットル調節モータM1を増減制御するようにしている。また、前記脱穀作業回転数制御は、省エネ運転スイッチをオンし、省エネ回転数設定ダイヤルでエンジン回転数を設定している場合には、エンジンの設定回転数に対して±50rpmになるように、また、ファジイ推論によりスロットルレバー23bの開閉時間を算出し、エンジン回転数が「設定回転数−50rpm」〜「設定回転数」になるように制御している。また、前記走行時回転数制御は、主変速レバー11の操作位置に応じてエンジン回転数を2000rpmから最高回転数になるようにスロットル調節モータM1を制御する。なお、後進の場合も前進と同様の制御を行ない、主変速レバー11が中立の停車状態では、エンジン回転数を2000rpmに低下させるように制御する。また、前記停車時回転数制御では、駐車ブレーキの駐車操作状態では、前記制御作動条件の成立時に駐車ブレーキぺダルスイッチがオフからオンに変化すると、スロットル調節モータM1を約2秒間回転数増加方向に駆動調節する。前記停車時回転数制御において、駐車ブレーキぺダルの駐車操後状態で再び駐車ブレーキぺダルを解除状態に戻す操作がなされると、エンジン回転数が2000rpmになるようにスロットル調節モータM1を回転数増加側に調節駆動する。また、省エネ運転スイッチの操作状態で、前記制御作動条件の成立時において、省エネ運転スイッチがオンからオフに変化すると、スイッチ調節モータM1を約2秒間増加方向に調節駆動する。また、省エネ運転スイッチをオフからオンに操作すると、スイッチ調節モータM1を約2秒間回転数減少方向に調節駆動する。
【0047】
次に、図12乃至図14に基づきスロットルユニット23の他の実施例について説明する。
スロットルユニット23は、左右方向の軸23h回りに回動自在に軸支されている第1スロットルギヤ23iと、左右方向の軸23h回りに回動自在に軸支されていて且つ第1スロットルギヤ23iと一体構成のスロットルレバー23jと、スロットル調節モータM1と、スロットル調節モータM1で駆動され小径の第1駆動ギヤ23kと、第1駆動ギヤ23kで駆動され且つ軸23m回りに回転する大径の第2駆動ギヤ23lと、スロットルギヤ23iと噛み合っていて軸23m回りに回転する調節ギヤ23nと、軸23mに軸支されていて第2駆動ギヤ23lを押圧支持するスリッパ57と、これらを支持するスロットルフレーム23rとで構成されている。
【0048】
そして、前記スロットルレバー23jに取り付けられているスロットルギヤ23iを小形の扇形に構成し、スロットルレバー23jとスロットルギヤ23iとをプレス加工により一体成型し、単一の小さな型材で製作可能とし、コストの低減を図っている。
【0049】
また、スロットルレバー23jと一体構成されているスロットルギヤ23iの両端部に幅広のストッパ部23ia,23ibを構成し、スロットルレバー23jを操作終端側に操作した際のストッパーとし、構成の簡単化を図っている。
【0050】
また、スロットルフレーム23rの上側中間部から取付ステー51を立設し、取付ステー51にスロットルケーブル52の一端を支持している。また、スロットルレバー23jの軸23hの近傍に左右方向に沿うように連結ピン54を取り付け、連結ピン54の一端側にスロットルケーブル52の一端を連結している。
【0051】
また、スロットルフレーム23rのスロットルレバー23jの近傍にスロットルセンサ55を取り付け、前記連結ピン54の他端側をスロットルセンサ55の検出アーム55aに連繋している。しかして、スロットルケーブル52のスロットルユニット23への組み付けが容易になり、スロットルレバー23jの操作検出を簡単に構成することができる。
【0052】
次に、スリッパ57の圧力調整構成について説明する。
スロットル調節モータM1で駆動され第1駆動ギヤ23kを経由して調節動力の伝達される大径の第2駆動ギヤ23lは軸23mに嵌合支持されていて、第2駆動ギヤ23lの左右両側には例えば合成樹脂材からなるスリッパ57の左右スリッパ57a,57bを軸23mにスプライン嵌合して設け、スロットル調節モータM1の駆動力が第2駆動ギヤ23lと左右スリッパ57a,57bの圧接力により軸23mを経由してスロットルレバー23jに伝達されるようにしている。
【0053】
そして、軸23mにはスプリング58を介装し、調節ナット59でスプリング58の張力を調節可能に構成し、スロットルレバー23jの操作力を簡単に調節できるように構成し、スロットルレバーの操作フィーリングの向上を図っている。
【0054】
次に、図15乃至図17に基づきクローラ走行装置2の他の実施例について説明する。
走行車台1の前側部に設けた走行ミッションケース39から左右走行駆動軸71,71を左右両側方に延出し、その左右端部に左右駆動スプロケット72,72を設けている。走行車台1の前後左右両側部から左右前側枠体73,73、左右後側枠体74,74を下方に延出し、前後方向に沿った左右クローラフレーム75L,75Rを支持している。
【0055】
左右クローラフレーム75L,75Rの後側部には左右アイドルローラー76,76を前後方向に調節自在に支架し、左右クローラフレーム75L,75Rには前後方向沿わせて左右第1前転輪77a、左右第2前転輪77b、複数の左右中間転輪78,78を軸架している。そして、これらの左右駆動スプロケット72,72、左右アイドルローラー76,76、左右第1前転輪77a,77a、左右第2前転輪77b,77b及び左右中間転輪78,…に、左右走行クローラ79,79を巻き掛けている。
【0056】
そして、左右クローラフレーム75,75の前後部には複数の支持体81,81を左右方向に沿うように取り付け、支持体81,81の左右両側端部に左右ガイド板80,80を取付ボルト・ナット82,…で取り付け、左右ガイド板80,80により左右走行クローラ79,79の内側空間部を左右両側から覆い、且つ、左右ガイド板80,80の外周縁部を走行クローラ79,79の内周面に接触するようにしている。
【0057】
湿田作業時には走行クローラ79,79の後側部のアイドルローラ76部で泥を持ち回り、未刈取穀稈側に泥の塊が落下し、次の刈取行程では刈取搬送部7に泥が詰まるという不具合が発生する。しかし、前記構成によると、左右ガイド板80,80により走行クローラ79,79への泥の侵入を抑制し、走行クローラ79,79の馬力ロスを少なくしながら刈取作業を円滑に行なうことができる。
【0058】
また、図15(A)に示すように、左右ガイド板80,80を前側ガイド板80a,80aと後側ガイド板80b,80bとに分割構成し、取付長孔80b,80bにより前後方向の長さを伸縮調節自在にボルト・ナットで取り付けるようにすると、走行クローラ79,79がテンション調節により伸縮しても、走行クローラ79,79の内周面に前側ガイド板80a,80aと後側ガイド板80b,80bの周縁部を確実に接触させながら泥の侵入を抑制することができる。
【0059】
また、図17に示すように、走行クローラ79,79の左右両側端部には左右両側に向けてリップ79a,79aを突出するように設け、且つ、リップ79a,79aをクローラの外周面側に傾斜状に伸びるように構成し、左右ガイド板80,80の内周面に接触させると、走行クローラ79,79への泥の侵入を効果的に抑制することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 走行車台
2 クローラ走行装置
3 操縦部
3a 座席
3c サイド操作パネル
5 グレンタンク
7 刈取搬送部
11 主変速レバー
11a 変速溝
21 サイド操作パネルフレーム
21a 前側フレーム
21b 後側フレーム
23 スロットルユニット
23a 第1スロットルギヤ
23b スロットルレバー
23d スロットルフレーム
23da 左側板
23db 右側板
23dd 後側板
23p 軸
M1 スロットル調節モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操縦部(3)の座席(3a)の左側方にサイド操作パネルフレーム(21)を前後方向に沿わせて配設し、該サイド操作パネルフレーム(21)は、その前部を形成する前側フレーム(21a)が低く、その後部を形成する後側フレーム(21b)が高くなるように、該前側フレーム(21a)と後側フレーム(21b)とを段違い状に接合した構成とし、前記前側フレーム(21a)にエンジン回転数調節用のスロットルユニット(23)を取り付け、該スロットルユニット(23)には、軸(23p)回りに回動自在に軸支されている第1スロットルギヤ(23a)と、第1スロットルギヤ(23a)に取り付けられていて軸(23p)回りに一体的に回動するスロットルレバー(23b)と、前記第1スロットルギヤ(23a)を正逆駆動するスロットル調節モータ(M1)を備えたことを特徴とするコンバインの操縦部構造。
【請求項2】
前記軸(23p)と第1スロットルギヤ(23a)とスロットルレバー(23b)とスロットル調節モータ(M1)の前後側面及び左右側面をスロットルフレーム(23d)で覆い、該スロットルフレーム(23d)の後側板(23dd)を前記後側フレーム(21b)の前側板に接合してボルトで締結固定したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの操縦部構造。
【請求項3】
前記スロットルフレーム(23d)の右側板(23db)におけるスロットルレバー(23b)の軸(23p)の近傍の部位を前記前側フレーム(21a)にボルトで締結固定したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンバインの操縦部構造。
【請求項4】
前記スロットルユニット(23)におけるスロットルフレーム(23d)の左側板(23da)の左側方に搬送穀稈案内用のゴム板を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載のコンバインの操縦部構造。
【請求項5】
前記前側フレーム(21a)を正面視で逆凹状で下方を開口した構成とし、その左側部に前記スロットルフレーム(23d)を取り付け、前記前側フレーム(21a)の上側板に主変速レバー(11)を案内する変速溝(11a)を構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項記載のコンバインの操縦部構造。
【請求項1】
操縦部(3)の座席(3a)の左側方にサイド操作パネルフレーム(21)を前後方向に沿わせて配設し、該サイド操作パネルフレーム(21)は、その前部を形成する前側フレーム(21a)が低く、その後部を形成する後側フレーム(21b)が高くなるように、該前側フレーム(21a)と後側フレーム(21b)とを段違い状に接合した構成とし、前記前側フレーム(21a)にエンジン回転数調節用のスロットルユニット(23)を取り付け、該スロットルユニット(23)には、軸(23p)回りに回動自在に軸支されている第1スロットルギヤ(23a)と、第1スロットルギヤ(23a)に取り付けられていて軸(23p)回りに一体的に回動するスロットルレバー(23b)と、前記第1スロットルギヤ(23a)を正逆駆動するスロットル調節モータ(M1)を備えたことを特徴とするコンバインの操縦部構造。
【請求項2】
前記軸(23p)と第1スロットルギヤ(23a)とスロットルレバー(23b)とスロットル調節モータ(M1)の前後側面及び左右側面をスロットルフレーム(23d)で覆い、該スロットルフレーム(23d)の後側板(23dd)を前記後側フレーム(21b)の前側板に接合してボルトで締結固定したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの操縦部構造。
【請求項3】
前記スロットルフレーム(23d)の右側板(23db)におけるスロットルレバー(23b)の軸(23p)の近傍の部位を前記前側フレーム(21a)にボルトで締結固定したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンバインの操縦部構造。
【請求項4】
前記スロットルユニット(23)におけるスロットルフレーム(23d)の左側板(23da)の左側方に搬送穀稈案内用のゴム板を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載のコンバインの操縦部構造。
【請求項5】
前記前側フレーム(21a)を正面視で逆凹状で下方を開口した構成とし、その左側部に前記スロットルフレーム(23d)を取り付け、前記前側フレーム(21a)の上側板に主変速レバー(11)を案内する変速溝(11a)を構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項記載のコンバインの操縦部構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−9632(P2013−9632A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144536(P2011−144536)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]