説明

コンバイン

【課題】操縦部から離れた場所からの操作が大変不便であり、特に、手扱ぎ穀稈を穀稈供給搬送装置に供給調節が面倒であるという課題がある。
【解決手段】刈取部4の側方から機体後部側方にかけて、未刈り穀稈を分草するナローガイド20を設ける。ナローガイド20は、張出位置と格納位置とに移動自在に構成し、ナローガイド20を張出位置と格納位置とに切替移動させる切替機構30にワイヤー等の一対の操作伝達手段40の一端を接続し、操作伝達手段40の他端をナローガイド操作部材41に接続し、該ナローガイド操作部材41を、脱穀装置3の扱胴42の上方を包囲する上部カバー43の前側上面に、前記操縦部7および前記穀稈供給搬送装置19側から操作しうるように配置したことを特徴とするコンバイン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、刈取部から機体後方の未刈り穀稈を分草するナローガイドを設け、該ナローガイドは、前側ナローガイドと後側ナローガイドとに分割して形成し、ナローガイドを張出位置と格納位置とに切替移動させる切替機構のナローガイド操作部材を、操縦部の側部パネルに設けた構成は公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−42650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例のナローガイド操作部材は操縦部に設けているので、操縦部から離れた場所からの操作が大変不便であるという課題がある。
特に、手扱ぎ穀稈を穀稈供給搬送装置に供給するとき、張出位置にあるナローガイドが邪魔になるが、穀稈供給搬送装置側からナローガイド操作部材を操作することができず、操縦部に戻ってナローガイドを格納しなければならず、面倒であった。
本願は、ナローガイドの遠隔操作をするためのナローガイド操作部材の取付位置を工夫し、操作性を向上させたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、機体フレーム1の下方に走行装置を設け、機体フレーム1の前方には刈取部4を設け、前記機体フレーム1の上方には刈取部4により刈り取った穀稈を穀稈供給搬送装置19により供給して脱穀する脱穀装置3を設け、該脱穀装置3の側方にグレンタンク5を設け、該グレンタンク5の前側に操縦部7を設け、前記刈取部4の側方から機体後部側方にかけて、未刈り穀稈を分草するナローガイド20を設け、該ナローガイド20は、前側ナローガイド21と後側ナローガイド22とに分割して形成し、前記前側ナローガイド21の前端部を前記刈取部4の分草装置8側に回動自在に取付け、前側ナローガイド21の後端と後側ナローガイド22の前端とを屈曲自在に連結してナローガイド20を張出位置と格納位置とに移動自在に構成し、ナローガイド20を張出位置と格納位置とに切替移動させる切替機構30にワイヤー等の一対の操作伝達手段40の一端を接続し、操作伝達手段40の他端をナローガイド操作部材41に接続し、該ナローガイド操作部材41を、脱穀装置3の扱胴42の上方を包囲する上部カバー43の前側上面に、前記操縦部7および前記穀稈供給搬送装置19側から操作しうるように配置したことを特徴とするコンバインとしたものであり、コンバインを前進させて、穀稈の刈取作業際に、未刈り穀稈は、ナローガイド20の前側ナローガイド21と後側ナローガイド22により案内される。
ナローガイド操作部材41は脱穀装置3の上部カバー43の上方前方に設けて、操縦部7と穀稈供給搬送装置19側の両作業位置から手が届く範囲に配置されているので、ナローガイド操作部材41はナローガイド20より離れた操縦部7のみならず穀稈供給搬送装置19側からの操作が可能になって、機体左側となる穀稈供給搬送装置19側からナローガイド20の位置切替操作をすることで、特に、手扱ぎ穀稈を穀稈供給搬送装置19に供給するとき、ナローガイド20を格納させて邪魔にならず、操作性および作業性を向上させる。
本発明は、前記前側ナローガイド21と後側ナローガイド22とを連結する屈曲部Kの後方に、前記ナローガイド操作部材41を配置したことを特徴とするコンバインとしたものであり、張出状態のとき最も外側に張り出すナローガイド20の屈曲部Kより後方にナローガイド操作部材41が配置されているので、穀稈供給搬送装置19側からのナローガイド操作部材41への接近を容易にして、穀稈供給搬送装置19側からのナローガイド操作部材41の操作を可能にして、操作性および作業性を向上させる。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、ナローガイド操作部材41は例えば操縦部7と穀稈供給搬送装置19側の両作業位置から届いて操作できるので、操作性および作業性を向上させることができる。
請求項2の発明では、上記請求項1記載の発明の効果に加え、ナローガイド20が張出状態のときでも穀稈供給搬送装置19側からのナローガイド操作部材41への接近ができて操作できるので、操作性および作業性をされに向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は該機体フレーム1の下方位置に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方位置に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取部、5はグレンタンク、6はグレンタンク5内の穀粒を排出する排出オーガ、7は操縦部である。
前記刈取部4は、最先端位置に分草装置8を左右に並設し、各分草装置8の後側に分草装置8が分草した穀稈を引起す引起装置9を設け、引起装置9の後方には刈刃10を設け、刈刃10の上方から後側には刈刃10によって刈り取った穀稈を搬送する穀稈搬送装置11を設ける。
穀稈搬送装置11の構成は任意であり、12は穀稈搬送装置11の一部を構成する掻き込み装置、13は同穀稈を後方に搬送する後側搬送装置、14は同扱深さ調節装置を兼用する株元搬送装置、15は刈取フレーム、16は支持フレーム、17は支持台である。
穀稈搬送装置11(後側搬送装置13、株元搬送装置14)の終端は、脱穀装置3に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置19の始端部に臨ませる。後側搬送装置13および株元搬送装置14は、刈取部4の後側で操縦部7の側方に位置させている。
【0007】
しかして、刈取部4の前記分草装置8の側方から脱穀装置3の後部側方にかけて未刈り穀稈を分草するナローガイド(未刈り穀稈分草装置)20を設ける。ナローガイド20は、棒状部材により形成し、前側ナローガイド21と後側ナローガイド22とに分割して形成する(図2)。
ナローガイド20は前後中間所定位置が、側方に張り出して未刈り穀稈を案内する張出位置と、格納位置とに位置切替自在に構成する。
即ち、前側ナローガイド21の後端と後側ナローガイド22の前端とを屈曲自在に連結してナローガイド20を張出位置と格納位置とに移動自在に構成する。
ナローガイド20の位置を切替える構成は任意であるが、一例を示すと、前側ナローガイド21の前端部は前記分草装置8を取付けた分草フレーム23に回動自在に取付け、前側ナローガイド21の後端と後側ナローガイド22の前端とを軸24により屈曲自在に取付け、この軸24の部分がナローガイド20の前後中間に設けた屈曲部Kとなる。後側ナローガイド22の後端は前記機体フレーム1の任意の固定部に前後移動自在に取付ける。
【0008】
前記ナローガイド20の前後中間の所定位置には、ナローガイド20を張出位置と格納位置とに切り替える切替機構30を設ける。切替機構30の構成は任意であるが、一例を示すと、前側ナローガイド21に先端アーム31の先端を軸32により回動自在に取付ける。先端アーム31の基部には基部アーム33の先端を回動自在に取付ける。基部アーム33の基部は回転軸34に固定し、回転軸34は前記機体フレーム1側に軸装する。
回転軸34にはアーム作動アーム37の中間部を固定し、作動アーム37の両端にはワイヤー等の一対の操作伝達手段40の一方の操作伝達手段40Aと操作伝達手段40の他方の操作伝達手段40Bの一端を夫々接続する。
操作伝達手段40(一方の操作伝達手段40Aと他方の操作伝達手段40B)の他端は、ナローガイド操作部材(操作レバー)41に接続する。
ナローガイド操作部材41は脱穀装置3の扱胴(図示省略)の上方を包囲する上部カバー43の上方前方に設け、操縦部7側と穀稈供給搬送装置19側の両作業位置から操作可能に構成する。
【0009】
そのため、ナローガイド操作部材41はナローガイド20より離れた操縦部7側のみならず穀稈供給搬送装置19側からの操作が可能になって、操作性および作業性を向上させる。
特に、手扱ぎ穀稈を穀稈供給搬送装置19に供給するとき、張出位置にあるナローガイド20が邪魔になるが、穀稈供給搬送装置19側からナローガイド操作部材41を操作してナローガイド20を格納できるので、操作性および作業性を向上させる。
また、上部カバー43の上面を操作パネルとして有効利用できる。
ナローガイド操作部材41の基部は、ステー44に横軸45により回動自在に取付け、横軸45より下方のナローガイド操作部材41には操作伝達手段40の一方の操作伝達手段40Aを接続し、横軸45より上方のナローガイド操作部材41には操作伝達手段40の他方の操作伝達手段40Bを接続して接続機構46を構成する。接続機構46はステー44を上部カバー43の下面に設けた取付部47に取付ける。
【0010】
前記上部カバー43は、取付軸48により脱穀装置3の固定部に対して回動自在に取付け、ナローガイド操作部材41および接続機構46は上部カバー43に上部カバー43と共に一体状に回動するように設ける。
この場合、上部カバー43を上方回動させたときであって、排出オーガ6のオーガ受けオーガ受け6Aの高さを低くして、排出オーガ6のオーガ排出口53の高さをローヘッド位置にしたとき、ナローガイド操作部材41は排出オーガ6の真下ではなく左右何れかの側方に位置するように構成する(図8)。
即ち、ナローガイド操作部材41を左側に傾倒操作したときには、ナローガイド操作部材41は排出オーガ6の左側に位置し、ナローガイド操作部材41を右側に傾倒操作したときに排出オーガ6の右側に位置して、何れの操作位置でも排出オーガ6の真下に位置するのを避けて、上部カバー43の上方回動および排出オーガ6の下降操作しても排出オーガ6とナローガイド操作部材41との干渉を防止する。
【0011】
前記ナローガイド操作部材41は、ナローガイド20の屈曲部Kより相対的に後方となるように配置する。
即ち、ナローガイド20は、平面視において、前側ナローガイド21と後側ナローガイド22との軸着部である屈曲部Kが、張出状態のとき最も外側に張り出すので、ナローガイド20の屈曲部Kを上部カバー43の前端より前方に位置させ、屈曲部Kより後方にナローガイド操作部材41を配置することで、穀稈供給搬送装置19側からのナローガイド操作部材41への接近を容易にして、穀稈供給搬送装置19側からのナローガイド操作部材41の操作および上部カバー43の開閉操作を可能にして、操作性および作業性を向上させている(図2,図11、図13、図15)。
【0012】
しかして、前記上部カバー43の前方には脱穀室の穀稈供給口(図示省略)等の上方を覆う防塵カバー60を設ける(図9)。防塵カバー60は前後方向の横板形状に形成する。防塵カバー60は、その後部を中心に前部が上方回動するように設けると共に、防塵カバー60の後方にナローガイド操作部材41を配置して、防塵カバー60が開閉何れの位置にあってもナローガイド操作部材41の操作可能に構成する(図9,図10)。
即ち、ナローガイド操作部材41は上部カバー43の前側部分に上方に起立するように設け、防塵カバー60を上方回動させて穀稈搬送装置11の終端側の上方を開放した状態でも、操縦部7側からナローガイド操作部材41を操作できるように、操縦部7と上部カバー43の前側上面との間に操作空間を形成する。
そのため、操縦部7の側方に防塵カバー60を設けても、ナローガイド操作部材41を操縦部7側および穀稈供給搬送装置19側の双方から操作可能になって、操作性および作業性を向上させる。
【0013】
前記脱穀室の前板49の前側部分には脱穀室の扱胴42に回転を伝達する扱胴駆動伝動機構50を設け、前記上部カバー43は扱胴駆動伝動機構50の上方を覆うように前方に延長させて前側延長部51を形成し、該前側延長部51にナローガイド操作部材41と接続機構46を設ける(図11,図12)。
そのため、扱胴駆動伝動機構50の上方空間を有効利用でき、また、扱胴駆動伝動機構50を前側延長部51で包囲するので、外観の見栄えを向上させて、デザイン性を向上させられる。
この場合、接続機構46のステー44はその向きを横板状にして上部カバー43に取付け、ナローガイド操作部材41は縦軸45A中心に左右縦軸回動して操作するように構成する。したがって、この実施例ではナローガイド操作部材41は防塵カバー60の下面(内面)下方に位置させる。
【0014】
防塵カバー60は上部カバー43の前側延長部51の前端の縦壁面に取り付けられており、防塵カバー60は上部カバー43と一体に上方回動し、ナローガイド操作部材41は防塵カバー60と共に上方移動する。
上部カバー43の前側延長部51にナローガイド操作部材41と接続機構46を設け、ナローガイド操作部材41は防塵カバー60に設けたガイド溝46Aより防塵カバー60の上方に突出させる(図13,図14)。
したがって、この実施例では、防塵カバー60が閉状態のときもナローガイド操作部材41を操縦部7側および穀稈供給搬送装置19側の両方から操作可能になり、操作性および作業性を向上させる。
なお、防塵カバー60は上部カバー43の前側延長部51の前端の縦壁面に取り付けられており、防塵カバー60は上部カバー43と一体に上方回動し、ナローガイド操作部材41は上部カバー43と一体に上方移動する。
【0015】
前記ナローガイド操作部材41は、脱穀室の前板49の前方に扱胴42へ回転を伝達する扱胴駆動伝動機構50の上方を包囲する上部カバー43の前側延長部51に設け、かつ、このナローガイド操作部材41の位置は平面視ナローガイド20の屈曲部Kより後方に配置する(図11、図13、図15)。
即ち、張出状態のとき最も外側に張り出すナローガイド20の屈曲部Kより後方にナローガイド操作部材41を配置することで、穀稈供給搬送装置19側からのナローガイド操作部材41への作業者の接近を容易にして、穀稈供給搬送装置19側からのナローガイド操作部材41の操作を可能にして、操作性および作業性を向上させている(図15,図16)。
また、接続機構46のステー44の向きを横板状にして上部カバー43の前側延長部51に取付け、接続機構46には縦軸45Aによりナローガイド操作部材41を左右回動自在に取付け、ナローガイド操作部材41の操作方向を左右方向に構成し(図11,図12)、ナローガイド操作部材41は操作方向を左右方向とし、かつ、ナローガイド20の張出方向および格納方向に操作方向を合わせる。
【0016】
(実施例の作用)
走行装置2により圃場を前進走行すると、刈取部4が穀稈を刈取り、刈り取られた穀稈は脱穀装置3により脱穀される。
この刈取脱穀作業は、通常、左回りに行われ、機体走行方向の右側が既刈地側となり、機体走行方向の左側は未刈地側となる。
刈取部4の分草装置8の側方から脱穀装置3の後部側方にかけての未刈地側には、分草装置8が分草した未刈り穀稈を引き続いて案内するナローガイド20を設けているので、刈り取り作業中は、ナローガイド20を張り出して未刈り穀稈を分草装置8に続いて案内する。
ナローガイド20は、棒状部材により形成し、前側ナローガイド21と後側ナローガイド22とに前後に分割して形成し、前側ナローガイド21の後端と後側ナローガイド22の前端との間に設けた屈曲部Kで屈曲させて、ナローガイド20を張出位置と格納位置とに切り替えるように構成しているので、路上走行等のナローガイド20が不要な場合には、ナローガイド20を格納する。
【0017】
ナローガイド20を張出位置と格納位置とに切り替える切替機構30は、例えば、前側ナローガイド21に先端アーム31の先端を軸32により回動自在に取付け、先端アーム31の基部には基部アーム33の先端を回動自在に取付け、基部アーム33の基部は回転軸34に固定し、回転軸34は前記機体フレーム1側に軸装し、回転軸34には作動アーム37の中間部を固定し、作動アーム37の両端にはワイヤー等の一対の操作伝達手段40の一方の操作伝達手段40Aと操作伝達手段40の他方の操作伝達手段40Bの一端を夫々接続し、操作伝達手段40の他端は、ナローガイド操作部材41に接続しているので、操作伝達手段40を操作することによりナローガイド20を張出位置と格納位置とに切替られる。
【0018】
このナローガイド操作部材41は脱穀装置3の扱胴42の上方を包囲する上部カバー43の上方前方に設けているので、ナローガイド操作部材41は操縦部7側からの操作に加えて操縦部7側より離れた穀稈供給搬送装置19側からの遠隔操作が可能になって、操作性および作業性を向上させる。
特に、手扱ぎ穀稈を穀稈供給搬送装置19に供給するとき、張出位置にあるナローガイド20が邪魔になるが、穀稈供給搬送装置19側からナローガイド操作部材41を操作してナローガイド20を格納できるので、操作性および作業性を向上させる。
また、上部カバー43の上面を操作パネルとして有効利用でき、別途、ナローガイド操作部材41を設ける部材を不要とする。
【0019】
ナローガイド操作部材41は、ナローガイド20の屈曲部Kより後方に位置するように上部カバー43に設けているので、ナローガイド20の張出状態のとき最も外側に張り出す屈曲部Kより後方にナローガイド操作部材41が位置して、穀稈供給搬送装置19側からのナローガイド操作部材41への接近を容易にして、穀稈供給搬送装置19側からのナローガイド操作部材41の操作を可能にして、操作性および作業性を向上させている。
ナローガイド操作部材41の基部は、ステー44に横軸45により回動自在に取付け、横軸45より下方のナローガイド操作部材41には操作伝達手段40の一方の操作伝達手段40Aを接続し、横軸45より上方のナローガイド操作部材41には操作伝達手段40の他方の操作伝達手段40Bを接続して接続機構46を構成し、接続機構46はステー44を上部カバー43の下面に設けた取付部47に取付けているので、ナローガイド操作部材41および接続機構46はアッシーとして上部カバー43に取り付けられ、取付が容易になる。
【0020】
また、上部カバー43の取付部47は上部カバー43の前側延長部51の前側下面に設け、取付部47付近の上部カバー43にガイド溝46Aを形成しているので、上部カバー43の前側の前後の狭いスペースにナローガイド操作部材41および接続機構46を設けることができ、上部カバー43の前側付近の空間を有効利用できる。
また、ナローガイド操作部材41および接続機構46は、ステー44に予め組み付け、このステー44を上部カバー43の取付部47に取付けるので、ナローガイド操作部材41および接続機構46の取付が容易になる。
しかして、上部カバー43は、取付軸48により脱穀装置3の固定部に対して回動自在に取付け、ナローガイド操作部材41および接続機構46は上部カバー43に上部カバー43と共に一体状に回動するように設けているので、上部カバー43を上方回動させると、ナローガイド操作部材41と接続機構46が上部カバー43と共に上方に移動するので、メンテナンス作業が容易になる。
【0021】
この場合、ナローガイド操作部材41および接続機構46は上部カバー43を上方回動させたとき、脱穀室上面(前板49)より上方に位置するように構成すると、上部カバー43を上方回動させたときのナローガイド操作部材41および接続機構46の周辺空間を広くすることができ、一層、メンテナンスが容易になり、また、ナローガイド操作部材41および接続機構46の組立・取付が容易になる。
この場合、上部カバー43を上方回動させたときであって、排出オーガ6のオーガ受けオーガ受け6Aの高さを低くして、排出オーガ6のオーガ排出口53の高さをローヘッド位置にしたとき、ナローガイド操作部材41は排出オーガ6の真下ではなく左右何れかの側方に位置するように構成しているので、ナローガイド操作部材41は排出オーガ6の下降に干渉せず、また、排出オーガ6が下降してもナローガイド操作部材41の操作は可能となる。
【0022】
しかして、上部カバー43の前方には脱穀室の穀稈供給口(図示省略)等を覆う防塵カバー60を設け、防塵カバー60は、該防塵カバー60の後部を中心に前部が上方回動するように設けると共に、防塵カバー60の後方にナローガイド操作部材41を配置しているので、防塵カバー60が開閉操作中であってもナローガイド操作部材41の操作可能になる。
即ち、ナローガイド操作部材41は上部カバー43の前側部分に上方に起立するように設けているので、防塵カバー60を上方回動させて穀稈搬送装置11の終端側の上方を開放した状態でも、操縦部7からナローガイド操作部材41を操作できるように、操縦部7と上部カバー43の前側上面との間に操作空間を形成しているから、操縦部7の側方に防塵カバー60を設けても、ナローガイド操作部材41を操縦部7側および穀稈供給搬送装置19側の双方から操作可能になって、操作性および作業性を向上させる。
【0023】
しかして、脱穀室の前板49の前側部分には脱穀室の扱胴42に回転を伝達する扱胴駆動伝動機構50を設け、前記上部カバー43は扱胴駆動伝動機構50の上方を包囲するように前方に延長させて形成し、この上部カバー43の前側延長部51にナローガイド操作部材41と接続機構46を設けているので、扱胴駆動伝動機構50の上方空間を有効利用でき、また、扱胴駆動伝動機構50を前側延長部51で覆うので、外観植の見栄えを向上させて、デザイン性を向上させられる。
上部カバー43の前側延長部51にナローガイド操作部材41と接続機構46を設け、ナローガイド操作部材41は防塵カバー60に設けたガイド溝46Aより防塵カバー60の上方に突出させているので、防塵カバー60が閉状態のときもナローガイド操作部材41を操縦部7および穀稈供給搬送装置19側の両方から操作可能になり、操作性および作業性を向上させる。
【0024】
しかして、脱穀室の扱胴42へ回転を伝達する扱胴駆動伝動機構50の上方を包囲する前側延長部51を上部カバー43の前側部分に延長させて設け、かつ、この前側延長部51にナローガイド操作部材41を平面視ナローガイド20の屈曲部Kより後方に位置するように設けているので、穀稈供給搬送装置19側からのナローガイド操作部材41への接近を容易にして、穀稈供給搬送装置19側からのナローガイド操作部材41の操作を可能にして、操作性および作業性を向上させている。
また、接続機構46のステー44は横板状に形成して上部カバー43の前側延長部51に取付け、接続機構46には縦軸45Aによりナローガイド操作部材41を左右回動自在に取付け、ナローガイド操作部材41の操作方向を左右方向に構成し、ナローガイド操作部材41は操作方向を左右方向とし、かつ、ナローガイド20の張出方向および格納方向に操作方向を合わせているので、ナローガイド20の張出および格納操作と、ナローガイド20の移動方向とを一致させられる。
【0025】
したがって、ナローガイド操作部材41の操作性および作業性を向上させる。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】コンバインの側面図(ナローガイド省略)。
【図2】同平面図。
【図3】刈取部付近の展開状態の平面図。
【図4】ナローガイドの切替機構付近の平面図。
【図5】刈取部の正面図。
【図6】上部カバーを上方回動させた状態の正面図。
【図7】ナローガイド操作部材付近の正面図。
【図8】排出オーガを下降させた状態図。
【図9】他の実施例のコンバインの側面図(ナローガイド省略)。
【図10】同コンバインの正面図。
【図11】他の実施例のコンバインの平面図。
【図12】同コンバインの正面図。
【図13】他の実施例のコンバインの平面図。
【図14】同コンバインの正面図。
【図15】コンバインのナローガイドと作業者の位置関係を示す平面図。
【図16】同コンバインの正面図。
【符号の説明】
【0027】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取部4、5…グレンタンク、6…排出オーガ、6A…オーガ受け6A、7…操縦部、8…分草装置、9…引起装置、10…刈刃、11…穀稈搬送装置、12…掻き込み装置、13…後側搬送装置、14…株元搬送装置、15…穂先搬送装置、19…穀稈供給搬送装置、20…ナローガイド、21…前側ナローガイド、22…後側ナローガイド、23…分草フレーム、24…軸、30…切替機構、31…先端アーム、32…軸、33…基部アーム、34…回転軸、37…作動アーム、40…操作伝達手段、40A…一方の操作伝達手段、40B…他方の操作伝達手段、41…ナローガイド操作部材、43…上部カバー、44…ステー、45…横軸、46…接続機構、46A…ガイド溝、47…取付部、48…取付軸、49…前板、42…扱胴、50…扱胴駆動伝動機構、51…前側延長部、52…固定側天板部、53…オーガ排出口、60…防塵カバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレーム(1)の下方に走行装置を設け、機体フレーム(1)の前方には刈取部(4)を設け、前記機体フレーム(1)の上方には刈取部(4)により刈り取った穀稈を穀稈供給搬送装置(19)により供給して脱穀する脱穀装置(3)を設け、該脱穀装置(3)の側方にグレンタンク(5)を設け、該グレンタンク(5)の前側に操縦部(7)を設け、前記刈取部(4)の側方から機体後部側方にかけて、未刈り穀稈を分草するナローガイド(20)を設け、該ナローガイド(20)は、前側ナローガイド(21)と後側ナローガイド(22)とに分割して形成し、前記前側ナローガイド(21)の前端部を前記刈取部(4)の分草装置(8)側に回動自在に取付け、前側ナローガイド(21)の後端と後側ナローガイド(22)の前端とを屈曲自在に連結してナローガイド(20)を張出位置と格納位置とに移動自在に構成し、ナローガイド(20)を張出位置と格納位置とに切替移動させる切替機構(30)にワイヤー等の一対の操作伝達手段(40)の一端を接続し、操作伝達手段(40)の他端をナローガイド操作部材(41)に接続し、該ナローガイド操作部材(41)を、脱穀装置(3)の扱胴(42)の上方を包囲する上部カバー(43)の前側上面に、前記操縦部(7)および前記穀稈供給搬送装置(19)側から操作しうるように配置したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記前側ナローガイド(21)と後側ナローガイド(22)とを連結する屈曲部(K)の後方に、前記ナローガイド操作部材(41)を配置したことを特徴とするコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−284821(P2009−284821A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140552(P2008−140552)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】