説明

コンバイン

【課題】扱胴終端部で切断した排稈を、確実に排出させて排稈口の詰まりを防ぎ、脱穀性能および作業性を向上させたコンバインを提供する。
【解決手段】刈取部7で刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部4の扱室121内であって、扱室121の前後方向に横架し、外周面に螺旋状に設けた複数の扱歯122a,122bを有する扱胴6を備え、扱胴6出口側の、扱胴6の終端部もしくは扱胴6後方の排稈出口部205に、扱歯122a,122bにより脱穀されるとともに搬送されてきた排稈を切断する、扱歯122bに対して逃げ角αを設けた切刃204,208,208´を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刈取部で刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部の扱室内であって、扱室の前後方向に横架し、外周面に螺旋状に設けた複数の扱歯を有する扱胴を備えるコンバインに関し、より詳細には、扱胴の出口側に、扱歯により脱穀されるとともに搬送されてきた排稈を切断する切刃を備えるコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインには、脱穀部後部の扱胴後端部であって、扱胴外周面から上方に向けてスクレーパを設置するとともに、排稈口の端部内側に起立面を備える藁受体をスクレーパに近接させて設け、扱胴で脱穀された穀稈を排稈として排稈口から排出する際、この排稈が起立面で受け止められた状態でスクレーパによって的確に掻き取り除去されるため、排稈による排稈口の詰まりを防ぐ(例えば、特許文献1)ものがある。
【0003】
【特許文献1】実開平6−81225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このようなコンバインでは、扱胴終端部の排稈が排稈口から排出される際、この排稈口に起立面を備える藁受体を有するため、処理の初期においては上記のような効果があるものの、処理が進むにつれて長さを有する排稈が藁受体の起立面に巻きつくなどして排稈口に滞留するおそれがあり、この滞留した排稈によって排稈口を詰まらせてしまうという問題があった。
そこで、この発明の目的は、扱胴終端部で切断した排稈を、確実に排出させて排稈口の詰まりを防ぎ、脱穀性能および作業性を向上させたコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、請求項1に記載の発明は、刈取部で刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部の扱室内であって、前記扱室の前後方向に横架し、外周面に螺旋状に設けた複数の扱歯を有する扱胴を備えるコンバインにおいて、前記扱胴の出口側に、前記扱歯により脱穀されるとともに搬送されてきた排稈を切断する切刃を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記切刃は、前記扱胴の終端部に備えるとともに、前記扱胴終端部の外周面上から前記扱胴の後方へ向けて設けた前部スクレーパの後端部に前記扱胴の軸芯方向へ向けて延設した後部スクレーパの、回転方向外側の側面部に設けることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記切刃は、前記扱胴後方の排稈出口部に備えることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記切刃は、前記扱歯に対して逃げ角を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、刈取部で刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部の扱室内であって、扱室の前後方向に横架し、外周面に螺旋状に設けた複数の扱歯を有する扱胴を備えるコンバインにおいて、扱胴の出口側に、扱歯により脱穀されるとともに搬送されてきた排稈を切断する切刃を備えるので、扱胴で脱穀された排稈を扱胴の出口側で切断して排稈の長さを短くすることにより、扱胴から排稈を確実に排出させるとともに、扱胴の出口側での排稈の詰まりを防ぐことができる。従って、脱穀性能および作業性を向上させたコンバインを提供することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、切刃は、前記扱胴の終端部に備えるとともに、扱胴終端部の外周面上から扱胴の後方へ向けて設けた前部スクレーパの後端部に扱胴の軸芯方向へ向けて延設した後部スクレーパの、回転方向外側の側面部に設けるので、扱胴によって扱胴終端部まで搬送された排稈を、扱胴終端部上で切断することにより、長さの短くなった排稈が、後壁と、出口ホイルケースとの間に挟まることがなく、扱胴終端部での詰まりを防いで、これら排稈を扱胴から円滑に排出させることができる。従って、脱穀性能および作業性を向上させたコンバインを提供することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、切刃は、扱胴後方の排稈出口部に備えるので、扱胴によって扱胴終端部まで搬送され、後壁と、出口ホイルケースとの間に入り込んだ排稈を排稈口樋または出口仕切で切断することにより、長さの短くなった排稈が、後壁と、出口ホイルケースとの間に挟まることがなく、扱胴終端部での詰まりを防いで、これら排稈を扱胴から円滑に排出させることができる。従って、脱穀性能および作業性を向上させたコンバインを提供することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、切刃は、扱歯に対して逃げ角を設けるので、切刃が排稈を、扱胴(扱歯)の回転方向から切断する際、切断の抵抗力を軽減でき、排稈を確実、かつ円滑に切断させることができる。従って、脱穀性能および作業性を向上させたコンバインを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1はこの発明の一例としての自脱型コンバインの右側面図、図2は図1のコンバインの左側面構成図、図3は穀稈搬送装置の側面図、図4は脱穀部および選別部の左側面模式図、図5はエンジンから排出オーガまでの動力伝達経路を示す模式図である。
【0014】
まず、符号1は左右一対の走行クローラ2を装設する左右一対のトラックフレーム、符号3は前記左右トラックフレーム1に架設する機台、符号4はフィードチェーン49を左側に張架し扱胴6及び処理胴126を内蔵している脱穀機である脱穀部、符号7は引起機構8及び刈刃9及び収穫物搬送手段10などを備える刈取部、符号13は排藁チェーン終端を臨ませる排藁処理部、符号15は脱穀部4からの籾を揚穀筒を介して搬入するグレンタンク、符号17はグレンタンク15の籾を機外に搬出する排出オーガ、符号19は運転操作ハンドル、符号20は運転席、符号21は運転席20下方に設けるエンジンであり、これらにより自脱型のコンバイン30が連続的に稲などの農作物を刈取って脱穀するように構成されている。
【0015】
機台3の後部にはグレンタンク15内の籾を外部へ排出するための排出オーガ17の縦オーガ23が立設されており、縦オーガ23を中心としてグレンタンク15が左右回動可能に設けられて、グレンタンク15の前側を外方に回転させて開放可能に構成されている。さらに、機台3後部には、脱穀部4に連続して穀稈搬送装置40が内設されている。
【0016】
刈り取られた穀稈は、収穫物搬送手段10にて後部へ搬送され、収穫物搬送手段10の上端から株元側が穀稈搬送装置のフィードチェーン49に受け継がれ、扱胴供給始端部を介して脱穀部4および選別部からなる脱穀装置内に穀稈が搬送される。そして、フィードチェーン49後端には排藁搬送チェーンを備える排藁搬送装置50が配設され、排藁搬送チェーン後部下方にはカッター,結束機等からなる排藁処理部が形成され、排藁を切断して藁片にした後、拡散しながら圃場に均一放出し、或いは切断せずに放出するようにしている。
【0017】
脱穀部4は、コンバイン30の進行方向左側に配置され、脱穀部4の右側には選別後の精粒を貯留するグレンタンク15が配設されている。そして、グレンタンク15の前方には運転席20が配設されている。つまり、運転席20は機体の進行方向右前方に配置されている。一方、グレンタンク15の後方には排出オーガ17の縦オーガ23が立設され、縦オーガ23を中心にして排出オーガ17及びグレンタンク15が側方へ回動可能とし、グレンタンク15を側方へ回動することにより機体内側に配置した駆動系や油圧系のメンテナンスを容易にしている。
【0018】
そして、グレンタンク15の底部には排出コンベアが前後方向に配設され、排出コンベア16の後部が縦オーガ23の下部に連通されるとともに、排出コンベア16後部から排出オーガ17に動力が伝達されて、排出オーガ17先端よりトラック等へグレンタンク15内の穀粒を排出できるようにしている。更に、脱穀部4の下方には、選別部130が配設され、脱穀部4から流下する穀粒や藁屑等から穀粒を選別し、精粒をグレンタンク15に搬送したり、藁屑等を機外に排出したりグレンタンク15に搬送するようにしている。
【0019】
図3には、穀稈搬送装置40付近の左側面図を示す。穀稈搬送装置40は、上述の脱穀部4において、刈り取った穀稈の一端(株元側)を挟扼しながら搬送するためのものであり、刈取部7で刈り取った穀稈を排藁搬送装置の排藁搬送チェーン51まで搬送するフィードチェーン49と、フィードチェーン49上方に配設され、搬送されている穀稈を挟扼する挟扼杆41と、挟扼杆41を本機側に対して弾性支持する複数の弾性支持体42等とから構成されている。
【0020】
この穀稈搬送装置40においては、対向配置される挟扼杆41とフィードチェーン49とによって、刈取部7で刈り取った穀稈の株元側を挟扼し、扱室内の扱胴6によって脱穀する構成となっており、この挟扼杆41とフィードチェーン49とが対向した部分を搬送経路としている。そして、脱穀部4にて脱粒された排藁は、フィードチェーン49の後端部(下流側端部)において、排藁搬送装置の排藁搬送チェーン51へと受け継がれ、この排藁搬送チェーン51によって排藁処理部13へと搬送される。
【0021】
挟扼杆41は、扱室カバー4aの機体進行方向左側端部においてステー43等によって固設される支持杆44と、支持杆44に複数の弾性支持体42を介して弾性支持されて設けられている。この挟扼杆41は、フィードチェーン49に沿うように左右平行状に一対の板状部材が配置された形状となっており、フィードチェーン49による搬送方向断面視逆U字状に形成されている。
【0022】
支持杆44は、中空の柱状部材であり、扱室カバー4a内左側において前後方向に長く、挟扼杆41と並列的に配置されるように形成されている。そして、この支持杆44の側面には一定間隔ごとに弾性支持体42がその上部が支持されるとともに配設され、これら弾性支持体42の下部に挟扼杆41が弾性支持されている。この弾性支持体42の下部は、挟扼杆41に連結ピンで枢支されており、弾性支持体42の上部は支持杆44よりも上方に延出されている。
【0023】
次に、脱穀部4について図4を用いて説明する。脱穀部4に形成された扱室121には、機体の前後方向に軸架された略円柱形状の扱胴6が設けられ、扱胴6の外周面には複数の扱歯122aが植設されている。そして、扱胴6の下部周辺を覆うように半円形状の受網123が着脱可能に周設されている。一方、フィードチェーン49により、穀桿の株元側が拘束されつつ、穀桿の先端側が扱胴6の下方に挿入されて穀稈が機体後方に搬送される。このとき、扱胴6の回転により脱粒が行われ、受網123から穀粒や藁屑等が漏下するようにしている。
【0024】
扱室121を被覆する扱室カバー121aの内周面には送塵弁124が左右幅方向に適宜間隔を開けて設けられ、上下方向の回動支点を中心に回動自在に枢支されている。そして、送塵弁124を回動操作することにより、穀稈が扱室121内を移動する時間を穀稈の品種や穀稈の状態に合わせて調整することを可能としている。
【0025】
そして、扱胴6の後部の側方(グレンタンク15側、本実施例では機体進行方向右側)から後方には、処理室125が形成され、処理室125内には略円柱形状に構成した送塵口処理胴126が扱胴6と平行となるように、扱胴6の後部の側方で前後方向に横架・軸支されている。また、扱胴6を覆って扱室121を形成する扱胴ケースの後部(右)側面、及び、送塵口処理胴126を覆って処理室125を形成する処理胴ケースの前部(左)側面には送塵口127が開口され、扱室121と処理室125が連通されている。そして、送塵口処理胴126の下部周辺を覆うように半円形状の処理胴網128が周設されている。こうして、扱胴6で処理できなかった枝梗付着粒等の未処理物は、送塵口127より処理室125内に搬送されて処理され、処理胴網128に設けられた孔(網目)を通過して処理物のみが漏下するようにしている。
【0026】
また、送塵口処理胴126の後端部の外周面には前後に長い板体より成る羽体126aが固設されている。羽体126aは、送塵口処理胴126と一体的に回転し、送塵口処理胴126により処理室125後方まで搬送されてきた藁屑は羽体126aの回転によって跳ね飛ばされ、送塵口処理胴126の下方に排出され、不図示のガイド板によって機体外部に案内される。
【0027】
処理胴網128の下方には、送塵搬送コンベア129が前後方向に軸架されている。送塵搬送コンベア129はスクリュー式のコンベアであり、送塵搬送コンベア129によって、処理胴網128に設けられた孔(網目)を通過して下方に落下してきた処理物は、機体前方(すなわち、送塵口処理胴126の搬送方向とは逆の方向)に向かって搬送されて、送塵搬送コンベア129前端に設けられた排塵口129aより選別部130に再投入される。
【0028】
そして、扱胴6の後方には出口仕切板152が配設され、出口仕切板152の下部であって扱胴受網123の延長線上後方には篩分装置120が配設されて、稈切れの防止が図られている。
【0029】
続いて、選別部130について説明する。選別部130においては、揺動選別装置131による揺動選別と唐箕132による風選別とが行われ、一番物と二番物と藁屑等に分別される。
【0030】
揺動選別装置131は機枠133内に収納される。揺動選別装置131の前端部は扱胴6の前端部の下方まで延出され、揺動選別装置131の後端部は送塵口処理胴126後端部の下方まで延出されるように揺動選別装置131の前後長さが定められている。そして、揺動選別装置131前下部には図示せぬ揺動軸が設けられるとともに、後部には揺動駆動機構134が設けられ、揺動駆動機構134によって揺動選別装置131が機枠133に対して揺動するように構成されている。なお、揺動駆動機構134の後下方には燃料タンク(不図示)が配置されている。
【0031】
揺動選別装置131の前部には流穀板135が設けられるとともに、流穀板135の後下方に搬送板136が設けられる。これら流穀板135および搬送板136は、板状の部材を波形に成形したものであり、受網123を通過した処理物(穀粒および藁屑等との混合物)は流穀板135および搬送板136上に落下し、揺動選別装置131の揺動により機体後方に搬送される。そして、搬送板136後部には、第二選別部である網状のグレンシーブ137が連設されるとともに、グレンシーブ137と搬送板136の上方、かつ流穀板135の後方には、第一選別部であるチャフシーブ138が被装されている。チャフシーブ138の後方には、ストローラック139が配設される。
【0032】
チャフシーブ138は複数のチャフフィンから構成され、投入される処理物の量に応じてチャフフィンの開度を調節することが可能としている。すなわち、チャフフィンの上下一側端部が揺動選別装置131に枢支されて、チャフシーブ138左右両側に設けられた揺動板に枢結され、また、他側端部がチャフシーブ138左右両側に設けられた摺動板に枢結されている。揺動板は揺動選別装置131と一体的に揺動され、また、摺動板には調節レバーが枢結されており、調節レバーに連結されたワイヤの弛緩又は牽引により摺動板が前後に摺動される。調節レバーは、ワイヤと反対側に設けられたバネによって各チャフフィンの傾斜角を小(寝かせる)とする方向に付勢されている。
【0033】
そして、摺動板の摺動によりチャフフィンの角度が変更され、チャフフィンの傾斜角を大(立てる)とさせるとき、チャフシーブ138の開度を大として穀粒の漏下量を増大させ、各チャフフィンの傾斜角を小(寝かせる)とさせるときチャフシーブ138の開度を小として穀粒の漏下量を減少させるように構成している。
【0034】
こうして、穀粒および細かい藁屑はチャフシーブ138を通過して下方に落下し、チャフシーブ138の開口よりも大きい藁屑等は後方に搬送される。このとき、チャフシーブ138とグレンシーブ137との間には唐箕132により選別部130の前方から後方への気流が発生しており、細かい藁屑の一部は後方に吹き飛ばされて穀粒と分離される。
【0035】
後壁152には排稈口樋152aが形成されており、後壁152は排稈口樋152aを囲む形状に形成されて、排稈口樋152aの下方にも後壁152が存在している。そして、後壁152の排稈口樋152aの下方に位置する部分に篩分装置120が取り付けられている。
【0036】
篩分装置120は側面視において扱胴6と横断流ファン140の間であって、送塵口処理胴126の側方、且つチャフシーブ138を備えた揺動選別装置131の上方に配設されている。そして、篩分装置120は扱胴6の下後端の直ぐ後方に配置されて、扱胴6下方の風路を抜けた選別風が、それよりも広い風路に出るところに位置している。
【0037】
また、揺動選別装置131の前流穀板135後部下方かつ後流穀板136前部下方に唐箕132が配置され、チャフシーブ138やグレンシーブ137に選別風を送風するようにしている。さらに、一番コンベア141と二番コンベア142との間にも副圧送ファンであるセカンドファン143が設けられて選別風を送風している。
【0038】
そして、揺動選別装置131の後端部近傍には横断流ファン140が全幅に横設され、唐箕132、セカンドファン143から供給される選別風の流れに乗ってきた塵埃や脱穀時に発生する塵埃等を、上下ファンケーシング201,202および舌部203によって覆われている横断流ファン140により吸引し、排出口200を介して機外へと排出するようにしている。なお、後述するが、上ファンケーシング201には、排出口200において選別風の風向を調節するための、本願発明の要部である方向板205が、1枚もしくは2枚以上複数枚であればそれぞれ略平行にして、選別風の風向に対して左右方向に傾設させて取付けられる。これにより通常は、選別風(排風)の流れに乗ってきた塵埃等は、この方向板205で一定方向に風向が変えられ、稈屑や粉塵を機体進行方向の右側である既刈地側などに排出させることができる。
【0039】
また、揺動選別装置131下方の前後途中位置には、左右方向に一番コンベア141と二番コンベア142とが横設される。一番コンベア141と二番コンベア142との位置関係は、一番コンベア141が唐箕132に近い側(機枠133の前部)、二番コンベア142が唐箕132から遠い側(機枠133の後部)となる。
【0040】
一番コンベア141の右端部にはその長手方向(搬送方向)が略上下方向となるように設けられた揚穀コンベア144が連結され、揚穀コンベア144の上端はグレンタンク15内と連通している。
【0041】
選別部130内に投入され、前流穀板135上に漏下された穀粒、枝梗付着粒、未熟穀粒および細かい藁屑等の混合物は、チャフシーブ138上に漏下される過程で唐箕132により発生する選別部130の前方から後方への気流により、細かい藁屑の一部が後方へ吹き飛ばされる。チャフシーブ138上に漏下した穀粒、枝梗付着粒、未熟穀粒および細かい藁屑等の混合物は、揺動選別装置131の揺動により、後方に搬送される、このとき、穀粒、未熟穀粒、枝梗付着粒および細かい藁屑等はチャフシーブ138の開口部より下方に落下し、大きい藁屑はチャフシーブ138後方まで搬送され、ストローラック139を経て機外に排出される。
【0042】
チャフシーブ138の開口部より下方に落下した穀粒、未熟穀粒、枝梗付着粒および細かい藁屑等は後流穀板136およびグレンシーブ137上に漏下される。このときにも唐箕132からの選別風により、細かい藁屑の一部は後方に吹き飛ばされて分離される。
【0043】
グレンシーブ137上に漏下された穀粒、未熟穀粒、枝梗付着粒および細かい藁屑等のうち、穀粒、未熟穀粒、細かい藁屑等はグレンシーブ137を通過して下方に落下する。このとき、重量が大きい穀粒(一番)は一番回収部146(流穀板145の後方に設けられた選別部130底面の窪みであり、一番コンベア141が収容されている)に回収され、一番コンベア141から揚穀コンベア144を経て、グレンタンク15に搬送される。
【0044】
一方、重量が小さい未熟穀粒や細かい藁屑の一部や穂切り粒や穀粒等が混じった未処理粒は、唐箕132からの選別風により後方に吹き飛ばされ、二番回収部147(一番回収部146の後方に設けられた選別部130底面の窪みであり、二番コンベア142が収容されている)に回収され、二番コンベア142から二番還元コンベア148を経て、枝梗処理胴149に搬送され、枝梗処理胴149により枝梗が除去された後、前流穀板135上(またはチャフシーブ138上)に再投入される。
【0045】
次に、脱穀部4の扱胴供給始端部161について説明する。扱胴供給始端部161は扱室121の入口側で、揺動選別装置131の前上方に形成されている。扱胴供給始端部161には、側面視において扱胴6下部に周設される受網123の前端から前方へ延設される供給案内板162や下面及び前面で穀稈を案内する上部案内板163が備えられるとともに、扱胴6の回転軸に動力を伝達するプーリ等が収納されている。
【0046】
供給案内板162は、機枠133に固定保持されている。供給案内板162は鉄板や弾性体等で構成されており、扱胴6の外周形状に合わせて左右方向に緩やかに湾曲されて、正面視樋状に形成されている。そして、側面断面視において、供給案内板162は前部が後下がりの傾斜部として穀粒等が後方の扱室121(脱穀部4)に流れやすくし、後部は受網123前部と連結するために扱胴6の外周面と略平行(同心円)に構成して、下端においては水平となるようにしている。
【0047】
上部案内板163は、フィードチェーン49により搬送される穀稈を扱胴6の下部へ導くようにして、穀稈が扱胴6の回転軸等に絡まることを防止している。また、上部案内板163は扱室121のフレームに固定されて、不安定にならないようにしている。
【0048】
このように供給案内板162と上部案内板163とで形成される扱胴供給始端部161の穀稈案内構造は、正面視において略「コ」字形状にフィードチェーン49側の側方を開口して形成され、フィードチェーン49等からなる穀稈搬送装置40によって機体後部へ搬送される穀稈を供給案内板162と上部案内板163の間に案内して滞りなく脱穀部4へ搬送できるようにしている。
【0049】
扱胴供給始端部161であって、フィードチェーン49と左右逆側(進行方向右側)の扱室121内側面には、飛散防止用ガイドとして送りガイドとリード板164とが設けられている。より詳しくは、扱胴供給始端部161の正面視「コ」字状開口の奥側(閉側)の扱室121内の前部には、板状部材で構成した送り込み用リード板164と、リード板164の側方位置で凸上に構成した送りガイドが設けられ、該送りガイドとリード板164は供給案内板162の後部上方であって、上部案内板163の外枠と受網123の外枠との間に形成される樋状の連結部上に設けられている。
【0050】
送りガイドは略三角錐状で上部案内板282と連結部の隅部に跨がり扱胴6側に膨出して設けられ、穀稈の穂先を扱胴6側に案内し、扱胴供給始端部280側へ逆流しないように案内している。そして更に、該送りガイドの扱室121内面上方に連続してリード板284が設けられ、受網123の上前方に配設されている。
【0051】
リード板164は、扱室121上部の内周面に配置された送塵弁124の傾斜に略合わせるように設けられており、リード板164の板面の延長方向が送塵弁124の板面に向けられている。こうして、扱胴6によって脱穀されるように穂先を扱室121内でフィードチェーン49と略直角方向になるようにリード板164により揃えるとともに、脱穀時に発生する藁屑等や脱粒された籾等を送塵弁124と平行に流れるよう案内している。そして、従来、扱胴供給始端部161側へ飛散していた稈屑等を扱室121内へ戻すことで、ロスの減少を図るようにしている。
【0052】
リード板164は、鉄板等の板状部材で構成されており、扱室121内の圧力によって変形しないように強度及び、耐磨耗性等を考慮して構成されている。そして、リード板164は、L字状に屈曲されて、扱室121の内周面に対して垂直に立設されている。リード板164の底面の固定部はボルト等で扱室121の内側面に締結されて、着脱可能に構成されている。このため、万一、リード板164が破損した場合等、容易に取り替え作業を行うことができ、メンテナンス性を向上できる。
【0053】
このように、脱穀部4の扱胴供給始端部161であって、フィードチェーン49と反対側の扱室121内側面にリード板164を配置することで、扱室121内の藁屑等が扱胴供給始端部161へ飛散することを防止して、送塵弁124側へ案内して扱室121の終端部側へ案内することができるのである。そして、従来、扱胴供給始端部161へ飛散していた穀粒等を回収することができ、ロスを減少することができるのである。
【0054】
ここで、エンジン21からグレンタンク15および排出オーガ17への駆動力伝達経路について、図5を用いて説明する。エンジン21の前方出力軸21aは、走行クローラ2を駆動するための走行用ミッションケースの入力軸と連結され、走行クローラ2へ駆動力を伝達する。一方、後方出力軸21bには、脱穀部4や選別部130へ駆動力を伝達するためのプーリ62と、グレンタンク15および排出オーガ17へ駆動力を伝達するためのプーリ63とが嵌設されている。
【0055】
プーリ62は、カウンターケース108から突出する入力軸108aに固設された入力プーリ109にVベルト110を介して連結され、カウンターケース108の入力軸108aにエンジン21の駆動力の一部が伝達されるようにしている。こうして、エンジン21からの動力をカウンターケース108を介して各処理系に伝達し、扱胴6や唐箕132、一番コンベア141、フィードチェーン49、刈取部7の搬送装置や刈刃9等を駆動可能としている。カウンターケース108は各処理系へ適正速度を分配可能とするものであり、エンジン21の左側方、且つ脱穀部4の前方に配設されている。
【0056】
また、グレンタンク15の底部前面はエンジン21の略後方に位置し、グレンタンク15の底部前壁面には駆動部となる駆動ケース64が配設されている。そして、駆動ケース入力軸65が駆動ケース64から機体前方へ突出し、駆動ケース入力軸65の前端にはプーリ66が嵌設される。
【0057】
後方出力軸21b後端に嵌設されたプーリ63と、駆動ケース入力軸65前端に嵌設されたプーリ66とにVベルト67が巻回され、エンジン21の駆動力の一部が駆動ケース64の入力軸65に伝達される。
【0058】
また、プーリ63とプーリ66の間には、Vベルト67のテンションプーリを兼ねるオーガクラッチ68が設けられ、駆動力を駆動ケース64より下流側へ伝達・遮断可能に構成される。
【0059】
駆動ケース64内には互いに噛合する平歯車69a・69bが収納されており、平歯車69aは駆動ケース64に軸支された前記入力軸65の後端に外嵌固定され、平歯車69bは排出コンベア16の前端に嵌設された回転軸であるコンベア駆動軸70に外嵌固定される。
【0060】
排出コンベア16の後端にはベベルギア71が嵌設され、縦オーガ23内のスクリュー式の縦送りコンベア72下端に嵌設されたベベルギア73と噛合している。一方、縦送りコンベア72上端にはベベルギア74が嵌設され、ベベルギア74と噛合するベベルギア75、チェーンやスプロケットを内設する中間ケース76、続いてベベルギア77・78を経て排出オーガ17内のスクリュー式の横送りコンベア79を回転駆動する。
【0061】
このように構成することにより、グレンタンク13に貯溜された穀物は排出コンベア16により後方に搬送され、グレンタンク13後方に位置する縦オーガ15aを経て、穀粒排出オーガ15先端から強制的に排出される。
【0062】
次に、扱胴の出口側に設けられた、排稈を切断する切刃の具体的構成を説明する。図6は扱胴後部の左側面図、図7は切刃を設けたスクレーパの設置を示す扱胴後端下部の左側面図、図8は切刃を設けたスクレーパの設置を示す扱胴後端下部の背面図である。
【0063】
まず、図6〜7に示すように、扱室121内であって、扱胴6の後方には、後壁152が設けられ、この後壁152には、前方の扱胴6に向かい、前部を扱胴6の外周方向に屈曲させた出口ホイルケース201が取付けられている。なお、出口ホイルケース201前部は扱胴6から離間しているため、出口ホイルケース201が扱胴6に接触することはない。
【0064】
また、扱胴6の終端部は、後壁152に向って出口ホイルケース201前部を覆うように外周部6aを有し、この外周部6aには扱胴6側方に向けて背面視略三角形状の扱歯122bが、後部を扱胴6の終端部から後方に突出させた突出板210を介してボルト締めなどにより取付けられる。なお、この扱歯122bは、扱胴6の外周部6aに複数枚設けることが好ましいが1枚のみ設けてもよく、さらには、扱胴6本体の外周面には、等間隔に複数の扱歯122aが溶接などにより取付けられている。なお、突出板210の後部を、扱胴6の終端部から後方に突出させた構成としているため、扱胴6で処理し、扱胴6の後端の出口ホイルケース201まで送られ、反動などにより扱胴6の前方向へ逆流しようとする排稈を、突出板210の後部に接触させることで、扱胴6への排稈の逆流を防止することができる。
【0065】
そして、例えば、図7〜8に示すように、扱胴6終端の外周部6a上であって、扱歯122b後方の突出板210上には、金属からなる板状の前部スクレーパ202が溶接などで取付けられるとともに、この前部スクレーパ202の後端は、扱胴6の軸芯方向に向け、突出板210の後部を貫通させた、金属からなる板状の後部スクレーパ203が延設される。そして、これら前部スクレーパ202および後部スクレーパ203は、出口ホイルケース201に接触しない位置に設けられている。また、前部スクレーパ202および後部スクレーパ203は、一体的に成形することができる。なお、これら前部スクレーパ202および後部スクレーパ203は、扱胴6の終端の外周部6aに複数枚設置することが好ましい。
【0066】
さらに、図8に示すように、この後部スクレーパ203の、回転方向外側の側面部には、扱歯122bに対して逃げ角αを有する切歯204が刻設される。なお、この逃げ角αは、特開平10−262443号などに示される、切歯204で排稈を切断する際の抵抗力を軽減可能とする周知の角度である。
【0067】
このような構成により、扱胴6の下方を脱穀されながら扱胴6の前部から後部へ移動してきた、長さを有する排稈が、扱胴6の後端部において、扱胴6と、側板200との間に差し込まれても、それら排稈を扱胴6の回転に伴い回転される後部スクレーパ203に設けられた切刃204で切断できるため、扱胴6の後端と、側板200との間に差し込まれた排稈による扱胴6の詰まりを防止できるとともに、排稈を扱胴6後方に向けて円滑に排出させることができる。
【0068】
また、上述のように排稈を切刃204で切断する際、切刃204は、扱歯122bに対して逃げ角αを設けるので、切刃204が排稈を、扱胴6(扱歯122b)の回転方向から切断する際、切断の抵抗力を軽減でき、排稈を確実、かつ円滑に切断させることができる。
【0069】
また、切刃を有するスクレーパは、扱胴の出口部に設けることもできる。図9は排稈口樋入口に位置する後壁下部に、切刃を備えるスクレーパを取付けた扱胴後端下部の背面模式図、図10は後壁下部に挟装した、切刃を備えるスクレーパの斜視図、図11は送塵口樋入口に位置する出口仕切に、切刃を備えるスクレーパを取付けた扱胴後端下部の背面模式図、図12は排稈口樋入口に位置する後壁下部および扱胴後端のそれぞれに切刃を備えるスクレーパを取付けた、扱胴後端下部周辺の背面模式図である。
【0070】
この場合、図9に示すように、スクレーパ207は、扱胴6の出口部205としての、後壁152下部の前面に設けられた排稈口樋152aの入口に位置する、後壁152下部の側方に、逃げ角αを有する切刃208が設けられた上下スクレーパ207a,207bが、切刃204´を扱胴6側に向けて取付けられる。
【0071】
この場合、例えば、図10に示すように、後壁152の後面に、ボルト締めなどにより取付けたステー207cの扱胴6側の取付面の上面および下面に、それぞれ上スクレーパ207aおよび下スクレーパ207bがボルト締めなどにより上下対象に取付けられる。そして、ステー207cは、扱歯122bの中心高さ近傍の位置に設置されるとともに、上スクレーパ207aは、扱歯122bの中心高さ近傍から扱歯122bの基端部に向け、下スクレーパ207bは、扱歯122bの中心高さ近傍から扱歯122bの先端部に向け、それぞれ設置される。
【0072】
このような構成にすることで、扱胴6下方を脱穀されながら扱胴6の前部から後部へ移動してきた長さを有する排稈が、扱胴6の後端であって、排稈口樋152a入口において、扱胴6の回転に伴い、後壁152に取付けられた、例えば、上スクレーパ207aで引っ掛けて確実に取り出されるとともに、上スクレーパ207aあるいは下スクレーパ207bの切刃208で短く切断される、または、下スクレーパ207bで引っ掛けて確実に取り出されるとともに、上スクレーパ207aあるいは下スクレーパ207bの切刃208で短く切断されるため、排稈が後壁152などに巻きついて排稈口樋152a入口などを塞ぐことなく、短く切断した排稈を排稈口樋152aから円滑に排出させることができる。なお、上述同様に切刃208は逃げ角αを有しているため、切刃208が排稈を、扱胴6(扱歯122b)の回転方向から切断する際、切断の抵抗力を軽減でき、排稈を確実、かつ円滑に切断させることができる。また、上下スクレーパ207a,207bは、ステー207cに着脱容易に取付けられているため、切刃208の刃こぼれなどによる交換作業を容易に行うことができる。
【0073】
なお、排稈口樋152aを備えていない扱室121では、切刃を備えるスクレーパを送塵口樋入口に位置する後壁に取付けることもできる。この場合、図11に示すように、扱胴6後方に設置される後壁152側部の前面には、送塵口樋209が設けられている。
【0074】
この送塵口樋209の入口に位置する後壁152には、逃げ角αを有する切刃208´を備える上下スクレーパ207a´,207b´が上述同様にしてステー207c´に取付けられる。このような構成により、上述同様の効果を得ることができる。
【0075】
なお、切刃208´は逃げ角αを有しているため、上述同様に切刃208´が排稈を、扱胴6(扱歯122b)の回転方向から切断する際、切断の抵抗力を軽減でき、排稈を確実、かつ円滑に切断させることができる。
【0076】
さらには、図12に示すように、この後壁152後面の、切刃208を備えるこれら上スクレーパ207aおよび下スクレーパ207bの設置に加えて、上述した、扱胴6終端における外周部6a上の前部スクレーパ202および切歯204を備える後部スクレーパ203を設置することで、排稈を切刃204で切断する際、切刃204は、扱歯122bに対して逃げ角αを設けるので、切刃204が排稈を、扱胴6(扱歯122b)の回転方向から切断する際、切断の抵抗力を軽減でき、排稈を確実、かつ円滑に切断させることができるとともに、上スクレーパ207aで引っ掛けて確実に取り出されるとともに、上スクレーパ207aあるいは下スクレーパ207bの切刃208で短く切断される、または、下スクレーパ207bで引っ掛けて確実に取り出されるとともに、上スクレーパ207aあるいは下スクレーパ207bの切刃208で短く切断されるため、排稈が後壁152などに巻きついて排稈口樋152a入口などを塞ぐことなく、短く切断した排稈を排稈口樋152aから円滑に排出させることができる、双方の相乗効果を得ることができる。
【0077】
以上詳述したように、この例のコンバイン1は、刈取部7で刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部4の扱室121内であって、扱室121の前後方向に横架し、外周面に螺旋状に設けた複数の扱歯122a,122bを有する扱胴6を備え、扱胴6出口側の、扱胴6の終端部もしくは扱胴6後方の排稈出口部205に、扱歯122a,122bにより脱穀されるとともに搬送されてきた排稈を切断する、扱歯122bに対して逃げ角αを設けた切刃204,208,208´を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一例としての自脱型コンバインの右側面図である。
【図2】自脱型コンバインの左側面構成図である。
【図3】穀稈搬送装置の側面図である。
【図4】脱穀部および選別部の左側面模式図である。
【図5】エンジンから排出オーガまでの動力伝達経路を示す模式図である。
【図6】扱胴後部の左側面図である。
【図7】切刃を設けたスクレーパの設置を示す扱胴後端下部の左側面図である。
【図8】切刃を設けたスクレーパの設置を示す扱胴後端下部の背面図である。
【図9】排稈口樋入口に位置する後壁下部に、切刃を備えるスクレーパを取付けた扱胴後端下部の背面模式図である。
【図10】後壁下部に挟装した、切刃を備えるスクレーパの斜視図である。
【図11】送塵口樋入口に位置する出口仕切に、切刃を備えるスクレーパを取付けた扱胴後端下部の背面模式図である。
【図12】排稈口樋入口に位置する後壁下部および扱胴後端のそれぞれに切刃を備えるスクレーパを取付けた、扱胴後端下部周辺の背面模式図である。
【符号の説明】
【0079】
6 扱胴
122a,122b 扱歯
152 後壁
152a 排稈口樋
201 出口ホイルケース
202 前部スクレーパ
203 後部スクレーパ
204,208,208´ 切刃
205 出口部
206 扱胴スクレーパ
207 スクレーパ
207a,207a´ 上スクレーパ
207b,207b´ 下スクレーパ
207c,207c´ ステー
209 送塵口樋
210 突出板
α 逃げ角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取部で刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部の扱室内であって、前記扱室の前後方向に横架し、外周面に螺旋状に設けた複数の扱歯を有する扱胴を備えるコンバインにおいて、
前記扱胴の出口側に、前記扱歯により脱穀されるとともに搬送されてきた排稈を切断する切刃を備えることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記切刃は、前記扱胴の終端部に備えるとともに、前記扱胴終端部の外周面上から前記扱胴の後方へ向けて設けた前部スクレーパの後端部に前記扱胴の軸芯方向へ向けて延設した後部スクレーパの、回転方向外側の側面部に設けることを特徴とする、請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記切刃は、前記扱胴後方の排稈出口部に備えることを特徴とする、請求項1に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記切刃は、前記扱歯に対して逃げ角を設けることを特徴とする、請求項1〜3に記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−115121(P2010−115121A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288617(P2008−288617)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】