コンバイン
【課題】刈残しにムラが発生し難く、かつ、耐久性の向上を図りながら、切断した茎稈が詰まることを抑制して刈取り性能の向上を図れるコンバインを提供する。
【解決手段】副切断装置14が、走行機体2より走行機体横幅方向に間隔をあけて並ぶ状態で前方側に延出した3本の昇降フレームにて走行機体2に対して昇降自在に支持され、3本の昇降フレームのうち走行機体横幅方向の中央側に位置する中央側昇降フレーム13Aが、搬送装置11とその搬送装置11の下方に位置する車軸ケース25との間に位置して直線状に延びる直線状フレーム部分13aと、その直線状フレーム部分13aの先端部から車軸ケース25の前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分13bとを、単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成されている。
【解決手段】副切断装置14が、走行機体2より走行機体横幅方向に間隔をあけて並ぶ状態で前方側に延出した3本の昇降フレームにて走行機体2に対して昇降自在に支持され、3本の昇降フレームのうち走行機体横幅方向の中央側に位置する中央側昇降フレーム13Aが、搬送装置11とその搬送装置11の下方に位置する車軸ケース25との間に位置して直線状に延びる直線状フレーム部分13aと、その直線状フレーム部分13aの先端部から車軸ケース25の前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分13bとを、単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミッションケースから左右横側方に向けて車軸ケースが延出され、前記車軸ケースに支持される走行装置を備えた走行機体に、植立穀稈の穂先着粒部を刈り取る主切断装置及び刈り取った前記穂先着粒部を搬送する搬送装置を備えた刈取部が、昇降自在に支持され、前記主切断装置より低い位置で前記植立穀稈に作用する副切断装置が、前記走行機体に対して昇降自在に支持されているコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
前記主切断装置及び前記副切断装置を設けている理由は、植立穀稈の穂先側の着粒部のみを脱穀装置に投入するために主切断装置で着粒部を切断するとともに、着粒部より下方の茎稈部を脱穀装置へ投入しないために副切断装置で株元部分を切断して圃場面上に放出するためである。
そして、従来では、上記した主切断装置及び副切断装置は、夫々、刈取部に取り付けられていた(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−97079号公報(段落番号〔0021〕、図2−3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成では、主切断装置及び副切断装置は、夫々、刈取部に取り付けられていたから、主切断装置による刈り高さ調節を行う為に、刈取部を走行機体に対して上下動させると、その刈取部の上下動に伴って副切断装置が上下動することになる。その結果、植立穀稈の稈長の違いにかかわらず、主切断装置によって着粒部のみを切断することはできるものの、副切断装置は主切断装置との間の上下間隔を一定に維持しながら上下動するので、植立穀稈の稈長の違いにかかわらず、副切断装置は主切断装置の切断高さより一定間隔だけ低い部分を切断することになるから、圃場に残る刈り株は、長稈であれば長く、短稈であれば短く切断される等、刈残しにムラができるおそれがある。
【0005】
ところで、上記したような不利を解消するために、刈取部に対する副切断装置の相対高さを変更調整するアクチュエータを備えて、刈取部の対地高さを検出する検出センサや刈取部に対する副切断装置の相対高さを検出するセンサ等の検出情報に基づいて、副切断装置による刈高さが一定になるようにアクチュエータを制御する制御手段を備える構成とすることも考えられるが、このような構成では、副切断装置の高さ制御が主切断装置との相対位置の制御で行われるものであるため、実際の圃場面の凹凸状況などによっては、十分に茎稈を地面近くで切断し難い場合もある。つまり、この場合においても、刈残しにムラができるおそれがある。
【0006】
つまり、従来では、圃場の管理上、刈残しにムラができるおそれがあることから、刈取作業が不十分であるとの判断を受けることもあり、刈取作業の形態に改善の余地があった。
【0007】
本発明の目的は、副切断装置に対する支持構造に工夫を加えることによって刈残しのムラを無くすようにしながら、しかも、その為に導入された昇降フレームの形状に工夫を加えることによって、耐久性の向上を図り、さらに、切断した茎稈が詰まることを抑制して刈取り性能の向上を図れるコンバインを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るコンバインは、ミッションケースから左右横側方に向けて車軸ケースが延出され、前記車軸ケースに支持される走行装置を備えた走行機体に、植立穀稈の穂先着粒部を刈り取る主切断装置及び刈り取った前記穂先着粒部を搬送する搬送装置を備えた刈取部が、昇降自在に支持され、前記主切断装置より低い位置で前記植立穀稈に作用する副切断装置が、前記走行機体に対して昇降自在に支持されているものであって、その第1特徴構成は、前記副切断装置が、前記走行機体より走行機体横幅方向に間隔をあけて並ぶ状態で前方側に延出した複数本の昇降フレームにて前記走行機体に対して昇降自在に支持され、前記複数本の昇降フレームのうち走行機体横幅方向の中央側に位置する中央側昇降フレームが、前記搬送装置とその搬送装置の下方に位置する前記車軸ケースとの間に位置して直線状に延びる直線状フレーム部分と、その直線状フレーム部分の先端部から前記車軸ケースの前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分とを、単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成されている点にある。
【0009】
第1特徴構成によれば、副切断装置を主切断装置とは別個に走行機体に上下動自在に支持すべく、副切断装置が、走行機体より走行機体横幅方向に間隔をあけて並ぶ状態で前方側に延出した複数本の昇降フレームにて走行機体に対して昇降自在に支持されているから、主切断装置が刈取り高さを変更しても、副切断装置は圃面から一定高さを維持できるものとなる。
このことによって、主切断装置が穀稈の穂先部の高さに応じて刈高さを変更しても、刈株の高さを圃面から一定の高さに維持でき、刈残しのムラを無くすことができる。
【0010】
しかも、複数本の昇降フレームのうち走行機体横幅方向の中央側に位置する中央側昇降フレームが、搬送装置とその搬送装置の下方に位置する車軸ケースとの間に位置して直線状に延びる直線状フレーム部分と、その直線状フレーム部分の先端部から車軸ケースの前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分とを備えて構成される。
このことによって、車軸ケースの上方を迂回する高い位置に中央側上部フレーム部を配置しながら、車軸ケースの前方に位置する湾曲状フレーム部分を、直線状フレーム部分の先端部から車軸ケースの前方側で下向きに湾曲状に延出したので、搬送装置と、湾曲状フレーム部分と、副切断装置とで囲む領域に大きな空間を形成できるものとなる。
この空間の存在によって、副切断装置に近接する植立穀稈、及び、副切断装置によって切断された穀稈が抜け易くなり滞留することが少なくなる。
【0011】
ところで、例えば、複数の直線状のフレーム部分同士を屈曲させる状態で接続して中央側昇降フレームを構成するものでは、刈取作業中に副切断装置に作用する力に起因して発生する中央側昇降フレームの内部応力が直線状のフレーム部分の接続箇所に集中して破損し易いものとなる不利があるが、上記したように、中央側昇降フレームが、直線状フレーム部分とその直線状フレーム部分の先端部から湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分とを単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成されているから、中央側昇降フレームの内部応力が一部に集中することなく広い範囲に分散させることができ、応力の集中が要因となって短期間で破損することを回避できて耐久性の向上を図ることができる。
【0012】
従って、副切断装置に対する支持構造に工夫を加えることによって刈残しのムラを無くすようにしながら、しかも、その為に導入された昇降フレームの形状に工夫を加えることによって、耐久性の向上を図り、さらに、切断された穀稈が詰まることを抑制して刈取り性能の向上を図れるコンバインを提供することができた。
【0013】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記中央側昇降フレームが、 前記湾曲状フレーム部分の下端から前方側に延出される前向きフレーム部分を備えて構成されている点にある。
【0014】
第2特徴構成によれば、副切断装置の機体進行方向後方側において、前向きフレーム部分の上方側に空間を確保することができる。つまり、湾曲状フレーム部分と前向きフレーム部分と搬送装置との間に空間を確保することができ、切断された穀稈の十分な移動空間を形成できて、この部分での滞留詰まりを抑制でき、切断作業に対する影響も抑えることができる。
【0015】
従って、副切断装置の後方に十分な切断茎稈に対する排出移動用の空間を確保することができ、切断された穀稈の滞留詰まりを抑制して、切断作業の効率をより高いものにできる。
【0016】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記副切断装置を上向き付勢する付勢手段が、前記中央側昇降フレームにおける前記直線状フレーム部分に作用するように前記車軸ケースに設けられている点にある。
【0017】
第3特徴構成によれば、副切断装置を上向き付勢する付勢手段が設けられているから、大きな凸部が存在する場合には、副切断装置は上方に逃げ易くなり、副切断装置の地面との接触による損傷を回避することができる。
【0018】
又、付勢手段が、中央側昇降フレームにおける直線状フレーム部分に作用するように車軸ケースに設けられているから、機体側に付勢手段を支持するための特別な支持フレームを設けることなく、車軸ケースを利用して付勢手段を支持することができ、しかも、付勢手段を直線状フレーム部分における平坦な外面に広い接触面積を有する状態で接当作用するように設けることができる。その結果、例えば、湾曲状フレーム部分に作用する場合であれば、付勢手段の作用箇所が狭い接触面積で局所的に中央側昇降フレームに接当することにより、中央側昇降フレームが損傷するおそれがあるが、第3特徴構成によれば、このような不利がなく、中央側昇降フレームの損傷を少なくすることができる。
【0019】
従って、中央側昇降フレームの損傷を少なくしながらも、副切断装置の地面との接触による損傷を回避して副切断装置の保護を図ることができる。
【0020】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずかに加えて、前記副切断装置が、走行機体横幅方向に沿って往復駆動操作される可動刃を備えたバリカン型刈取装置にて構成され、前記副切断装置における走行機体横幅方向の略全幅に亘る状態で、且つ、前記可動刃と一体的に往復移動する状態で、前記副切断装置にて刈り取られた穀稈を機体横幅方向に移送させる穀稈横送り部材が、前記副切断装置に取り付けられている点にある。
【0021】
第4特徴構成によれば、バリカン型刈取装置にて構成される副切断装置における走行機体横幅方向の略全幅に亘る状態で、且つ、可動刃と一体的に往復移動する状態で、穀稈横送り部材が副切断装置に取り付けられているから、副切断装置によって刈り取られた穀稈を、可動刃と共に往復移動する穀稈横送り部材によって機体横幅方向に移送させることができる。
【0022】
従って、副切断装置によって刈り取られた穀稈が副切断装置の機体後方側に滞留することを抑制して、刈取り性能の一層の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】コンバインの全体平面図である。
【図3】副切断装置、連動機構、搭乗運転部、搬送機構を示す正面図である。
【図4】副切断装置、連動機構、搬送機構を示す平面図である。
【図5】左側昇降フレームと副切断装置の駆動構造を示す左側面図である。
【図6】中央側昇降フレームと、その中央側昇降フレームと走行機体との間に設けた付勢手段を示す左側面図である。
【図7】右側昇降フレームを示す右側面図である。
【図8】3本の昇降フレームと副切断装置を示す平面図である。
【図9】副切断装置の一部を示す平面図である。
【図10】副切断装置の縦断した左側面図である。
【図11】橇を示す斜視図である。
【図12】昇降フレーム用カバー体の横断平面図である。
【図13】副切断装置に対する偏芯駆動ユニットを示す縦断正面図である。
【図14】副切断装置に対する偏芯駆動ユニットを示す一部切り欠き側面図である。
【図15】連係機構を示す左側面図である。
【図16】連係機構を示す正面図である。
【図17】案内部材とガイド軸との係合状態を示す断面図である。
【図18】連係機構の作用説明図である。
【図19】連係機構が連係状態であるときのコンバインの全体側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1にはコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、走行装置としての左右一対のクローラ式走行装置1の駆動で走行する走行機体2の前部に、刈取対象穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取部としての刈取搬送装置3を左右向きの第1軸心X1周りに上下揺動可能に連結し、その刈取搬送装置3からの刈取対象穀稈に対して脱穀処理を施すとともに、この脱穀処理で得られた処理物に対して選別処理を施す脱穀装置4や、この脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5などを走行機体2に搭載し、走行機体2における穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を形成して、稲や麦などを刈取対象穀稈とした全稈投入型に構成されている。
【0025】
図1及び図2に示すように、刈取搬送装置3は、走行機体2の走行に伴って、その前部左右両端に装備されたデバイダ7が刈取対象穀稈と非刈取対象穀稈とを梳き分け、刈取搬送装置3の前部上方に配備された回転リール8が、左右のデバイダ7で梳き分けられた刈取対象穀稈を後方に向けて掻き込み、刈取搬送装置3の底部に装備されたバリカン形の主切断装置9が刈取対象穀稈の所定箇所を切断し、主切断装置9の後方に配備されたオーガ10が、主切断装置9による切断後の刈取対象穀稈を左右方向の所定箇所に寄せ集めるとともに、その所定箇所において後方に向けて送り出し、その所定箇所から脱穀装置4の前上部にわたる搬送装置としての搬送機構11が、オーガ10からの刈取対象穀稈を脱穀装置4に向けて搬送するように構成され、その搬送機構11と走行機体2とにわたって架設した油圧式のシリンダ12の作動で左右向き第1軸心X1周りに上下揺動し、その上下揺動で、刈取対象穀稈に対する主切断装置9の高さ位置を変更する刈り高さ調節を行えるようになっている。
【0026】
そして、刈取搬送装置3の下方側には、主切断装置9よりも低い位置で植立穀稈に作用するバリカン型の刈取装置からなる副切断装置14を、走行機体2に揺動自在に装備させた三本の昇降フレーム13A,13B,13Cに支持される状態で備えてある。
【0027】
次に、バリカン型の副切断装置14の支持構造について説明する。
図2〜図4に示すように、走行機体2の前端上面に左右向きの角パイプ製の横向きフレーム16を架設してある。横向きフレーム16は、ミッションケース24を挟んで左側に位置する左側フレーム部16Aとミッションケース24より右側に位置する右側フレーム部16Bとで分離して設けてあり、左側フレーム部16Aの両端近傍の二箇所と、右側フレーム部16Bの右側端との3箇所に軸受部17を備えている。
図6及び図7に示すように、軸受部17は右側及び左側フレーム部16A、16Bに取付られる脚部17Aと、その脚部17Aと一体形成されたボス部17Bとからなり、ボス部17Bにニードルベアリングを介して筒状軸18を揺動自在に装着してある。
【0028】
横向きフレーム16における軸受部17に対する取付部位に、板状の受ブラケット16aを取り付けてあり、この受ブラケット16aに対して軸受部17の脚部17Aをボルト15で締め付け固定し、軸受部17を横向きフレーム16に対して着脱自在に構成してある。
【0029】
3つの軸受部17の夫々における筒状軸18は、軸受部17のボス部17Bより第2軸芯X2に沿って横向きに突出し、その突出部分に昇降フレーム13A,13B,13Cを夫々連結固定してある。左右方向の3箇所で軸受部17に支持された中央側昇降フレーム13A、右側昇降フレーム13B、左側昇降フレーム13Cを機体前方に向けて延出し、夫々、角パイプ材にて構成される中央側昇降フレーム13A、右側昇降フレーム13B、左側昇降フレーム13Cを揺動可能に構成してある。
【0030】
3つの昇降フレーム13A,13B,13Cの内の走行機体幅方向の略中央に位置する中央側昇降フレーム13Aの構造について説明する。
中央側昇降フレーム13Aは、筒状軸18に一体連結され、刈取搬送装置3とその下方に位置する車軸ケース25との間に位置して、ボス部17Bから斜め下向きに直線状に延びる直線状フレーム部分13aと、その直線状フレーム部分13aの先端部から車軸ケース25の前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分13bとを備えて構成してある。
【0031】
つまり、図6に示すように、中央側昇降フレーム13Aは、搬送機構11とその搬送機構11の下方に位置する車軸ケース25との間に位置して直線状に延びる直線状フレーム部分13aと、その直線状フレーム部分13aの先端部から車軸ケース25の前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分13bとを、単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成してある。又、中央側昇降フレーム13Aは、湾曲状フレーム部分13bの下端から前方側に延出される前向きフレーム部分13cを備えており、前向きフレーム部分13cは、湾曲状フレーム部分13bの下端に溶接によって連結されている。
【0032】
説明を加えると、前記直線状フレーム部分13aと前記湾曲状フレーム部分13bとを、単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成され、直線状フレーム部分13aと湾曲状フレーム部分13bとは、屈曲するのではなく滑らかに湾曲する状態で連なっているのであり、例えば、副切断装置14が畦に接触して、機体後方側に向かう力が作用しても、内部応力が局所的に集中することがないので損傷し難いものになる。
【0033】
なお、直線状フレーム部分13aの上面には、受フレーム49が設けてあり、受フレーム49が搬送機構11の搬送ケース11Aの下面に当接することによって、副切断装置14とオーガ10の底板とが接触することを防止している。
【0034】
三本の昇降フレーム13A、13B、13Cのうちの走行機体横幅方向の右側に位置する右側昇降フレーム13Bは、右側の走行装置1の右側外方側箇所を機体前方に向かって延びる基端側フレーム部13dと、その基端側フレーム部分13dの先端から右側の走行装置1の前方側外方側箇所を機体横幅方向中央側に向かって延びる横向きフレーム部13e、その横向きフレーム部分13eの先端から機体前方に向かって延びる前後向きフレーム部13fとで構成してある。
【0035】
すなわち、図3、図7及び図8に示すように、右側昇降フレーム13Bを平面視でクランク状に屈曲させてあり、このように屈曲させることで、副切断装置14の走行機体横幅方向の右側端部が、走行機体2の前後方向視において右側の走行装置1の右側端部の位置と略同じ位置になり、畦際に沿って刈取作業するときに、副切断装置14が畦側の地面に接触することを回避し易いようにしている。
【0036】
尚、図5に示すように、三本の昇降フレーム13A、13B、13Cのうちの走行機体横幅方向の左側に位置する左側昇降フレーム13Cは、斜め下向きに直線状に延出される単一のフレーム部で構成してある。
【0037】
そして、副切断装置14を上向き付勢する付勢手段Aが、中央側昇降フレーム13Aにおける直線状フレーム部分13aに作用する状態で設けられている。
【0038】
図6に示すように、付勢手段Aは、圧縮コイルバネ19と、圧縮コイルバネ19の軸線位置に位置する支持ボルト軸20と、支持ボルト軸20の下端に螺合するホルダー21と、圧縮コイルバネ19の上下端を受け止める上下受ディスク22A、22Bとで構成してある。又、下受ディスク22Bを支持するアングル状の受フレーム23を走行機体2の上下向き姿勢の前端フレーム2Aから前方に向けて延出し、受フレーム23の前端部を、ミッションケース24から左右クローラ式走行装置1の駆動スプロケット1Aに向けて延出された車軸ケース25に支持させている。
【0039】
受フレーム23に下受ディスク22Bを載置し、下受ディスク22Bの軸芯位置に支持ボルト軸20の下端に外嵌したホルダー21を内嵌保持してある。ホルダー21を介して下受ディスク22Bに支持された支持ボルト軸20は、中央側昇降フレーム13Aに向けて上向きに延出され、延出上端位置に上受ディスク22Aを装着してある。
【0040】
中央側昇降フレーム13Aの下面には皿状の受止具26が装着してあり、受止具26には調節ボルト27が取り付けてある。調節ボルト27の下端ボルト頭27Aを、支持ボルト軸20の上端ボルト頭20Aに当接させて、中央側昇降フレーム13Aを前記した圧縮式コイルバネ19で押し上げ付勢してある。調節ボルト27を受止具26に対して上下方向に出退調節させることによって、上受ディスク22Aとの当接位置を調節し、圧縮式コイルバネ19の押し上げ付勢力を調節可能である。
尚、3つの軸受部17を横向きフレーム16より取り外すと、3つの昇降フレーム13A、13B、13C及び副切断装置14を含む全体を軸受部17と共に取外すことができ、又、再度、取り付けることも可能である。
【0041】
副切断装置14を駆動する偏芯駆動ユニットCは左側に位置する軸受部17に支持されており、駆動ロッド軸44、ベアリングブロック46、揺動駆動アーム47は左側昇降フレーム13Cに取り付けてある。
【0042】
次に、副切断装置14の構造について説明する。図5〜図10に示すように、副切断装置14は、機体横幅方向にわたって延びる連結フレーム15に背中合わせで取付固定されているアングル状の基台29と、基台29に装着された受け刃30と、受け刃30に支持されている可動刃31と、可動刃31を駆動するナイフバー32と、可動刃31を保持するナイフクリップ33とで構成されている。
【0043】
連結フレーム15の下向き面には橇48が後に張り出す状態で取り付けてあり、刈取り面の凹凸に副切断装置14が追従しやすくなるように構成してある。橇48は、連結フレーム15の横方向3箇所に設けてあり、各昇降フレーム13A、13B、13Cの下方に設けてある。
【0044】
図9及び図10に示すように、副切断装置14の可動刃31には、それに一体的に往復移動する状態で、刈り取った茎稈を機体横幅方向一方側へ送り出すための穀稈横送り部材34が取り付けられている。この穀稈横送り部材34は、機体横幅方向に長尺の板状体を後方側ほど上方に位置する斜め姿勢で可動刃31にボルトで連結してあり、可動刃31と一体的に往復移動する状態で設けてある。この穀稈横送り部材34には上部側に鋸歯状の送り作用部を形成してあり、往復移動することで刈り取った茎稈を機体横幅方向一方側へ送り出すことができるように構成されている。
【0045】
又、副切断装置14には、切断した茎稈が引っかかり堆積するのを防止するための種々の分草カバー体28を設けてある。
つまり、連結フレーム15の上方側の空間に茎稈が滞留するために設けられる連結フレーム用カバー体28Aと、切断された茎稈が前向きフレーム部分13cと湾曲状フレーム部分13bとの折れ曲がり箇所に引っ掛かり堆積することを防止する昇降フレーム用カバー体28Bとを設けてある。
【0046】
図9及び図10に示すように、連結フレーム用カバー体28Aは基台29に支持してあり、図6、図8、図9及び図12に示すように、昇降フレーム用カバー体28Bは、前向きフレーム部分13cの上部側前端側箇所と湾曲状フレーム部分13bの上部側箇所とにわたって斜め姿勢になり、且つ、断面形状が山形となる形態で、各フレーム部分13b、13cに固定する状態で設けられている。
【0047】
副切断装置14の可動刃31に対する伝動機構Eについて説明する。
図13に示すように、3個の軸受部17における左端に位置する軸受部17に支持された筒状軸18の内部空間に、左右一対の転がりベアリング35を内装してあり、左右の転がりベアリング35に亘って駆動軸36を支承してある。駆動軸36における筒状軸18より突出する片持ち端部36Aには、動力が伝達される入力スプロケット37を取り付けた回転ボス38が取付てあり、入力スプロケット37の取付位置より更に片持ち先端部分に偏芯駆動ユニットCを取り付けてある。
【0048】
偏芯駆動ユニットCは、駆動軸36に傾斜した状態で取付固定された回転コア部39と、回転コア部39に大ベアリング40を介して外嵌装着されている揺動ホルダー部41と、揺動ホルダー部41の上下両端軸41Aに小ベアリング42を介して装着されている駆動フォーク部43とからなっている。
【0049】
駆動軸36に取付られている回転コア部39は駆動軸36と一体回転するが傾斜状態にあるために、回転コア部39に大ベアリング40を介して外嵌されている揺動ホルダー部41は、矢印(a―b)で示すように、駆動軸36の回転軸芯に直交する軸芯周りで左右に揺動可能に駆動される。そして、この揺動ホルダー部41の上下両端軸に外嵌されている駆動フォーク部43も連動して左右に揺動可能に振れ作動する。このように、偏芯駆動ユニットCによって、駆動軸36の回転運動を駆動ロッド軸44の左右往復運動に変換する回転変換機構が構成されている。
【0050】
図2〜図5に示すように、駆動フォーク部43には前方下向き姿勢の駆動ロッド軸44が取付固定され、この駆動ロッド軸44を副切断装置14の近傍まで延出してある。左側昇降フレーム13Cの下端部から駆動ロッド軸44に向けて取付台45を延出してあり、取付台45の先端側に固定されたベアリングブロック46が駆動ロッド軸44の先端部を回転自在に支持している。
このような構成によって、駆動ロッド軸44は、駆動フォーク部43の左右揺動に連動して、駆動ロッド軸44自体の軸芯Z周りで揺動自在に構成されている。
【0051】
駆動ロッド軸44のベアリングブロック46より下方に突出する下端部に揺動駆動アーム47が取付固定され、この揺動駆動アーム47から延出したアーム連係部47Aが可動刃31に接続されている。
【0052】
以上のような構成によって、可動刃31は、偏芯駆動ユニットCの入力スプロケット37、駆動軸36、回転コア部39、揺動ホルダー部41、駆動フォーク部43、駆動ロッド軸44、揺動駆動アーム47、アーム連係部47Aを介して伝達された駆動力によって左右に往復駆動される。
従って、これらの部材によって副切断装置14に対する伝動機構Eが構成されており、この伝動機構Eは、左側昇降フレーム13Cに備えられている。
【0053】
刈取搬送装置3の昇降操作に連動して副切断装置14が昇降する連係状態と、刈取搬送装置3の昇降操作とは別に独立して副切断装置14が昇降自在である連係解除状態とに切換操作自在な連係手段としての連係機構Bを備えている。
【0054】
以下、連係機構Bについて説明する。
この連係機構Bは、図1、図3、図15及び図16に示すように、案内用の長孔50が形成された案内部材51を副切断装置14側に設け、長孔50に沿って移動自在に係合案内される被案内体としてのガイド軸52を刈取搬送装置3側に設ける状態で備えて構成され、且つ、ガイド軸52の長孔に沿う移動を牽制する連係用操作状態とガイド軸52の長孔50に沿う移動を許容する連係解除用操作状態とに切り換え自在な切換操作体53を案内部材51に備える状態で構成される。
【0055】
具体的には、図2〜図4に示すように、三つの昇降フレーム13A,13B,13Cのうちの中央側昇降フレーム13Aと搬送機構11の搬送ケース11Aとにわたり、連係機構Bを取り付けてあり、この連係機構Bは、上下方向に長尺の案内部材51を備えている。図6に示すように、案内部材51の下端部は、中央側昇降フレーム13Aに固定されたレバー支軸54に取り付けられている。
【0056】
図3に示すように、案内部材51は、上部側に位置する断面略コの字形の案内作用部51Aと、下部側に位置する角筒状の連結支持部51Bとを一体的に連結してあり、図15及び図16に示すように、案内作用部51Aは、中央の壁面部51aの両側に側板部51b、51bを備えた断面略コの字状のチャンネル材にて構成してあり、中央の壁面部51aに上下方向に沿う長孔50を形成してある。
【0057】
案内部材51の長孔50に先端部が摺動自在に係入した走行機体横向きの被案内体としてのガイド軸52が搬送ケース11Aの横側部に固定されている。このガイド軸52には、環状溝形の凹部55を備えた摺接案内体としての樹脂製のブッシュガイド56を外嵌装着してあり、ブッシュガイド56の凹部55に案内部材51の長孔50の内縁部が入り込み係合する状態でガイド軸52を係合案内するよう構成してある。
【0058】
案内部材51は、ガイド軸52の長孔50に沿う移動を規制する連係用操作状態とガイド軸52の長孔50に沿う移動を許容する連係解除用操作状態とに切り換え自在な切換操作体53を備えている。そして、切換操作体53が連係用操作状態に切り換えられると、ガイド軸52を長孔50における連係用設定位置Pにて刈取搬送装置3の上昇操作に伴う移動を切換操作体53が規制し、切換操作体53が連係用操作状態に切り換えられている状態において、ガイド軸52が連係用設定位置Pよりも刈取搬送装置3の上昇操作側に移動している状態から連係用設定位置Pに向けて移動することを許容するように、切換操作体53が後退変位自在並びに連係用操作状態に復帰付勢される状態で設けられている。
【0059】
説明を加えると、切換操作体53は、連係用操作状態と連係解除用操作状態とにわたり揺動自在に案内部材51に支持され、且つ、トグルバネ57により連係用操作状態及び連係解除用操作状態の夫々において弾性付勢力にて位置保持されるよう構成してある。
つまり、図15に示すように、切換操作体53は、棒材を概略Z字状に折り曲げて、上部側に手動操作部53aを備え、下部側にガイド軸52に作用する規制作用部53bを備え、手動操作部53aと規制作用部53bとの間を中継部53cにて連結してあり、手動操作部53aと中継部53cとの間に固定状態で設けたブラケット58を案内部材側の固定部59に機体横幅方向に沿う軸芯X3周りで揺動自在に枢支してある。ブラケット58は略L字形に屈曲してあり、このブラケット58の揺動側端部と案内部材51に形成したバネ受け部60との間にトグルバネ57を張設してある。
【0060】
切換操作体53は、手動操作によりデッドポイントを超えて図15の時計方向に揺動操作されると、連係用操作状態に切り換わり(図15の実線で示す状態)、トグルバネ57の弾性付勢力にてその連係用操作状態にて位置保持される(この状態が連係機構Bの連係状態に対応する)。又、手動操作によりデッドポイントを超えて図15の反時計方向に揺動操作されると、連係解除用操作状態に切り換わり(図15の仮想線で示す状態)、トグルバネ57の弾性付勢力にてその連係解除用操作状態にて位置保持される(この状態が連係機構Bの連係解除状態に対応する)。
【0061】
切換操作体53は、連係用操作状態において案内部材51の両側の側板部51b、51bに形成された貫通孔61、61に亘って貫通する状態で位置して、その貫通孔61の上側の端縁に接当して位置保持されるようになっており、その状態で下側に位置するガイド軸52の長孔50に沿う上方への移動を規制するようになっている。この状態では、副切断装置14が搬送ケース11Aに連動して昇降するように副切断装置14と刈取搬送装置3とを連結させる。
【0062】
切換操作体53を連係解除用操作状態に切り換えると、搬送ケース11Aが昇降操作されるに伴い、ガイド軸52が案内部材51の長孔50に沿って移動自在に案内される状態となり、副切断装置14が搬送ケース11Aの昇降操作とは関係なく独立して昇降自在となるように、副切断装置14と搬送ケース11Aとの連結を解除する。
【0063】
このような構成では、例えば、図18に示すように、ガイド軸52が連係用設定位置Pよりも上方側に位置している状態(図18の(b)で示す状態)において、誤って切換操作体53を連係用操作状態に切り換えた場合(図18の(c)で示す状態)であっても、刈取搬送装置3を下降させて、副切断装置14が接地してガイド軸52が連係用設定位置Pに戻るように案内部材51に対して相対移動すると、図18(d)に示すように、切換操作体53がガイド軸52にて押し操作されて弾性的に後退変位し、ガイド軸52が連係用設定位置Pに戻る。ガイド軸52が連係用設定位置Pに戻ったのちは、トグルバネ57の弾性付勢力により切換操作体53が連係用操作状態(図18の(e)で示す状態)に自動復帰することになる。
【0064】
前記案内部材51に、ガイド軸52における刈取搬送装置3の上昇操作に伴う移動の操作限界を規定する規制具62を設けてあり、規制具62の案内部材51に対する取り付け位置を長孔50の長手方向に沿って変更調整可能に構成してある。
すなわち、図15に示すように、頭付きピンからなる規制具62を案内部材51の両側の側板部51b、51bに形成された貫通孔63、63に亘って貫通する状態で設けてあり、しかも、図16に示すように、その貫通孔63を長孔50の長手方向に沿って間隔をあけて複数箇所(図に示す例では4箇所)に夫々形成してある。その複数箇所の貫通孔63のうちのいずれかに規制具62を付け替えることにより、規制具62の案内部材51に対する取り付け位置を長孔50の長手方向に沿って変更調整することができる。
【0065】
上記したように規制具62を備えることで、切換操作体53が連係解除用操作状態に切り換えられていても、刈取搬送装置3を設定高さ以上にまで上昇させると、ガイド軸52の長孔50内での移動が規制されて、ガイド軸52が案内部材51と連動して移動操作されることにより、刈取搬送装置3の上昇操作に連動して副切断装置14が上昇することになる。
【0066】
その結果、切換操作体53を連係解除用操作状態に切り換えて、主切断装置9にて植立穀稈の穂先部だけを刈り取るように上昇させ、且つ、副切断装置14を植立穀稈の株元を切断するように低い位置に設定した作業形態で刈取作業を行っているときに、畦際に近づいて旋回操作を行うような場合、切換操作体53を連係状態に切り換えなくても、刈取搬送装置3を大きく上昇させると、副切断装置14も連動して上昇させることができ、圃場面との接触を回避できる。
【0067】
そして、規制具62の案内部材51に対する取り付け位置を長孔50の長手方向に沿って変更調整することにより、規制具52が作用し始める刈取搬送装置3の対機体上昇位置を作業状況に応じて適切な位置に予め変更設定することができる。
【0068】
案内部材51の下端部には、レバー支軸54が嵌り合う状態で取り付けられる枢支ボス部64を上下方向に位置を異ならせて2箇所設けてあり、この枢支ボス部64を付け替えることで案内部材51の副切断装置14に対する相対位置を変更調整できるよう構成してある。
このように案内部材51の下端部の位置を変更することによっても、規制具52が作用し始める刈取搬送装置3の対機体上昇位置を変更設定することができる。
【0069】
又、案内部材51に形成される長孔50の下端部には、組み付け時においてブッシュガイド56を装着させるための嵌め込み用の大径部36aを形成しているが、刈取搬送装置3を最も下降させても、ガイド軸52は連係用設定位置Pより下方に移動することはなく、大径部50aにまで移動することはない。
【0070】
そして、刈取作業時には、図1に示すように、切換操作体53を連係解除用操作状態に切り換えることにより連係機構Bを連係解除状態に切り換える。又、畦越え走行時には、図19に示すように、切換操作体53を連係用操作状態に切り換えることにより連係機構Bを連係状態に切り換えることになる。
【0071】
刈取作業時には、連係機構Bは連係解除状態に切り換えられているから、副切断装置14は、地面に接地追従しながら昇降するが、主切断装置9の後方に主切断装置9の配置高さと略同じ配置高さに位置しており、刈取り作用を行なわない。
そして、畦越え走行時には、図19に示すように、畦との接触を避けるために、刈取搬送装置3を大きく上昇させて上昇非作業位置に上昇させることになるが、連係機構Bを連係状態に切換えておくと、刈取搬送装置3が上昇非作業位置に上昇操作されると、連係機構Bによる連係により副切断装置14が刈取搬送装置3によって上昇操作されるので、副切断装置14が畦に接触することを防止できる。
【0072】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、前記中央側昇降フレーム13Aが、 前記湾曲状フレーム部分13bの下端から前方側に延出される前向きフレーム部分13cを備えて構成されているものを例示したが、このような前向きフレーム部分13cを備えない構成としてもよい。この構成では、例えば、湾曲状フレーム部分13bの下端を下側に延長する等して、湾曲状フレーム部分13bの下端部に副切断装置14を装着することになる。
【0073】
(2)上記実施形態では、昇降フレーム13A、13B、13Cを構成するフレーム材として角パイプ材を用いるようにしたが、角パイプ材に限らず、丸パイプ材、丸棒材、アングル材、チャンネル材等、異なる形状のフレーム材を用いてもよい。
【0074】
(3)上記実施形態では、前記副切断装置14を上向き付勢する付勢手段Aが、前記中央側昇降フレーム13Aにおける前記直線状フレーム部分13aに作用するように前記車軸ケース25に設けられるものを例示したが、付勢手段Aが湾曲状フレーム部分13bに作用するものでもよく、又、このような付勢手段Aを備えない構成としてもよい。
【0075】
(4)上記実施形態では、左右側昇降フレーム13B、13Cが中央側昇降フレーム13Aと異なる形状にしたが、左右側昇降フレーム13B、13Cも中央側昇降フレーム13Aと同一の屈曲形状に形成してもよい。この場合には、一種類の昇降フレームを製作すればよい。
【0076】
(5)上記実施形態では、付勢手段Aとしてコイルバネを用いるものを例示したが、皿バネ等を用いる構成であってよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、稲、麦、大豆など各種の作物を収穫対象とするコンバインに利用できる。
【符号の説明】
【0078】
1 走行装置
2 走行機体
3 刈取部
9 主切断装置
11 搬送装置
13A,13B,13C 昇降フレーム
13A 中央側昇降フレーム
13a 直線状フレーム部分
13b 湾曲状フレーム部分
13c 前向きフレーム部分
14 副切断装置
24 ミッションケース
25 車軸ケース
31 可動刃
34 穀稈横送り部材
A 付勢手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミッションケースから左右横側方に向けて車軸ケースが延出され、前記車軸ケースに支持される走行装置を備えた走行機体に、植立穀稈の穂先着粒部を刈り取る主切断装置及び刈り取った前記穂先着粒部を搬送する搬送装置を備えた刈取部が、昇降自在に支持され、前記主切断装置より低い位置で前記植立穀稈に作用する副切断装置が、前記走行機体に対して昇降自在に支持されているコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
前記主切断装置及び前記副切断装置を設けている理由は、植立穀稈の穂先側の着粒部のみを脱穀装置に投入するために主切断装置で着粒部を切断するとともに、着粒部より下方の茎稈部を脱穀装置へ投入しないために副切断装置で株元部分を切断して圃場面上に放出するためである。
そして、従来では、上記した主切断装置及び副切断装置は、夫々、刈取部に取り付けられていた(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−97079号公報(段落番号〔0021〕、図2−3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成では、主切断装置及び副切断装置は、夫々、刈取部に取り付けられていたから、主切断装置による刈り高さ調節を行う為に、刈取部を走行機体に対して上下動させると、その刈取部の上下動に伴って副切断装置が上下動することになる。その結果、植立穀稈の稈長の違いにかかわらず、主切断装置によって着粒部のみを切断することはできるものの、副切断装置は主切断装置との間の上下間隔を一定に維持しながら上下動するので、植立穀稈の稈長の違いにかかわらず、副切断装置は主切断装置の切断高さより一定間隔だけ低い部分を切断することになるから、圃場に残る刈り株は、長稈であれば長く、短稈であれば短く切断される等、刈残しにムラができるおそれがある。
【0005】
ところで、上記したような不利を解消するために、刈取部に対する副切断装置の相対高さを変更調整するアクチュエータを備えて、刈取部の対地高さを検出する検出センサや刈取部に対する副切断装置の相対高さを検出するセンサ等の検出情報に基づいて、副切断装置による刈高さが一定になるようにアクチュエータを制御する制御手段を備える構成とすることも考えられるが、このような構成では、副切断装置の高さ制御が主切断装置との相対位置の制御で行われるものであるため、実際の圃場面の凹凸状況などによっては、十分に茎稈を地面近くで切断し難い場合もある。つまり、この場合においても、刈残しにムラができるおそれがある。
【0006】
つまり、従来では、圃場の管理上、刈残しにムラができるおそれがあることから、刈取作業が不十分であるとの判断を受けることもあり、刈取作業の形態に改善の余地があった。
【0007】
本発明の目的は、副切断装置に対する支持構造に工夫を加えることによって刈残しのムラを無くすようにしながら、しかも、その為に導入された昇降フレームの形状に工夫を加えることによって、耐久性の向上を図り、さらに、切断した茎稈が詰まることを抑制して刈取り性能の向上を図れるコンバインを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るコンバインは、ミッションケースから左右横側方に向けて車軸ケースが延出され、前記車軸ケースに支持される走行装置を備えた走行機体に、植立穀稈の穂先着粒部を刈り取る主切断装置及び刈り取った前記穂先着粒部を搬送する搬送装置を備えた刈取部が、昇降自在に支持され、前記主切断装置より低い位置で前記植立穀稈に作用する副切断装置が、前記走行機体に対して昇降自在に支持されているものであって、その第1特徴構成は、前記副切断装置が、前記走行機体より走行機体横幅方向に間隔をあけて並ぶ状態で前方側に延出した複数本の昇降フレームにて前記走行機体に対して昇降自在に支持され、前記複数本の昇降フレームのうち走行機体横幅方向の中央側に位置する中央側昇降フレームが、前記搬送装置とその搬送装置の下方に位置する前記車軸ケースとの間に位置して直線状に延びる直線状フレーム部分と、その直線状フレーム部分の先端部から前記車軸ケースの前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分とを、単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成されている点にある。
【0009】
第1特徴構成によれば、副切断装置を主切断装置とは別個に走行機体に上下動自在に支持すべく、副切断装置が、走行機体より走行機体横幅方向に間隔をあけて並ぶ状態で前方側に延出した複数本の昇降フレームにて走行機体に対して昇降自在に支持されているから、主切断装置が刈取り高さを変更しても、副切断装置は圃面から一定高さを維持できるものとなる。
このことによって、主切断装置が穀稈の穂先部の高さに応じて刈高さを変更しても、刈株の高さを圃面から一定の高さに維持でき、刈残しのムラを無くすことができる。
【0010】
しかも、複数本の昇降フレームのうち走行機体横幅方向の中央側に位置する中央側昇降フレームが、搬送装置とその搬送装置の下方に位置する車軸ケースとの間に位置して直線状に延びる直線状フレーム部分と、その直線状フレーム部分の先端部から車軸ケースの前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分とを備えて構成される。
このことによって、車軸ケースの上方を迂回する高い位置に中央側上部フレーム部を配置しながら、車軸ケースの前方に位置する湾曲状フレーム部分を、直線状フレーム部分の先端部から車軸ケースの前方側で下向きに湾曲状に延出したので、搬送装置と、湾曲状フレーム部分と、副切断装置とで囲む領域に大きな空間を形成できるものとなる。
この空間の存在によって、副切断装置に近接する植立穀稈、及び、副切断装置によって切断された穀稈が抜け易くなり滞留することが少なくなる。
【0011】
ところで、例えば、複数の直線状のフレーム部分同士を屈曲させる状態で接続して中央側昇降フレームを構成するものでは、刈取作業中に副切断装置に作用する力に起因して発生する中央側昇降フレームの内部応力が直線状のフレーム部分の接続箇所に集中して破損し易いものとなる不利があるが、上記したように、中央側昇降フレームが、直線状フレーム部分とその直線状フレーム部分の先端部から湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分とを単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成されているから、中央側昇降フレームの内部応力が一部に集中することなく広い範囲に分散させることができ、応力の集中が要因となって短期間で破損することを回避できて耐久性の向上を図ることができる。
【0012】
従って、副切断装置に対する支持構造に工夫を加えることによって刈残しのムラを無くすようにしながら、しかも、その為に導入された昇降フレームの形状に工夫を加えることによって、耐久性の向上を図り、さらに、切断された穀稈が詰まることを抑制して刈取り性能の向上を図れるコンバインを提供することができた。
【0013】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記中央側昇降フレームが、 前記湾曲状フレーム部分の下端から前方側に延出される前向きフレーム部分を備えて構成されている点にある。
【0014】
第2特徴構成によれば、副切断装置の機体進行方向後方側において、前向きフレーム部分の上方側に空間を確保することができる。つまり、湾曲状フレーム部分と前向きフレーム部分と搬送装置との間に空間を確保することができ、切断された穀稈の十分な移動空間を形成できて、この部分での滞留詰まりを抑制でき、切断作業に対する影響も抑えることができる。
【0015】
従って、副切断装置の後方に十分な切断茎稈に対する排出移動用の空間を確保することができ、切断された穀稈の滞留詰まりを抑制して、切断作業の効率をより高いものにできる。
【0016】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記副切断装置を上向き付勢する付勢手段が、前記中央側昇降フレームにおける前記直線状フレーム部分に作用するように前記車軸ケースに設けられている点にある。
【0017】
第3特徴構成によれば、副切断装置を上向き付勢する付勢手段が設けられているから、大きな凸部が存在する場合には、副切断装置は上方に逃げ易くなり、副切断装置の地面との接触による損傷を回避することができる。
【0018】
又、付勢手段が、中央側昇降フレームにおける直線状フレーム部分に作用するように車軸ケースに設けられているから、機体側に付勢手段を支持するための特別な支持フレームを設けることなく、車軸ケースを利用して付勢手段を支持することができ、しかも、付勢手段を直線状フレーム部分における平坦な外面に広い接触面積を有する状態で接当作用するように設けることができる。その結果、例えば、湾曲状フレーム部分に作用する場合であれば、付勢手段の作用箇所が狭い接触面積で局所的に中央側昇降フレームに接当することにより、中央側昇降フレームが損傷するおそれがあるが、第3特徴構成によれば、このような不利がなく、中央側昇降フレームの損傷を少なくすることができる。
【0019】
従って、中央側昇降フレームの損傷を少なくしながらも、副切断装置の地面との接触による損傷を回避して副切断装置の保護を図ることができる。
【0020】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずかに加えて、前記副切断装置が、走行機体横幅方向に沿って往復駆動操作される可動刃を備えたバリカン型刈取装置にて構成され、前記副切断装置における走行機体横幅方向の略全幅に亘る状態で、且つ、前記可動刃と一体的に往復移動する状態で、前記副切断装置にて刈り取られた穀稈を機体横幅方向に移送させる穀稈横送り部材が、前記副切断装置に取り付けられている点にある。
【0021】
第4特徴構成によれば、バリカン型刈取装置にて構成される副切断装置における走行機体横幅方向の略全幅に亘る状態で、且つ、可動刃と一体的に往復移動する状態で、穀稈横送り部材が副切断装置に取り付けられているから、副切断装置によって刈り取られた穀稈を、可動刃と共に往復移動する穀稈横送り部材によって機体横幅方向に移送させることができる。
【0022】
従って、副切断装置によって刈り取られた穀稈が副切断装置の機体後方側に滞留することを抑制して、刈取り性能の一層の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】コンバインの全体平面図である。
【図3】副切断装置、連動機構、搭乗運転部、搬送機構を示す正面図である。
【図4】副切断装置、連動機構、搬送機構を示す平面図である。
【図5】左側昇降フレームと副切断装置の駆動構造を示す左側面図である。
【図6】中央側昇降フレームと、その中央側昇降フレームと走行機体との間に設けた付勢手段を示す左側面図である。
【図7】右側昇降フレームを示す右側面図である。
【図8】3本の昇降フレームと副切断装置を示す平面図である。
【図9】副切断装置の一部を示す平面図である。
【図10】副切断装置の縦断した左側面図である。
【図11】橇を示す斜視図である。
【図12】昇降フレーム用カバー体の横断平面図である。
【図13】副切断装置に対する偏芯駆動ユニットを示す縦断正面図である。
【図14】副切断装置に対する偏芯駆動ユニットを示す一部切り欠き側面図である。
【図15】連係機構を示す左側面図である。
【図16】連係機構を示す正面図である。
【図17】案内部材とガイド軸との係合状態を示す断面図である。
【図18】連係機構の作用説明図である。
【図19】連係機構が連係状態であるときのコンバインの全体側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1にはコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、走行装置としての左右一対のクローラ式走行装置1の駆動で走行する走行機体2の前部に、刈取対象穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取部としての刈取搬送装置3を左右向きの第1軸心X1周りに上下揺動可能に連結し、その刈取搬送装置3からの刈取対象穀稈に対して脱穀処理を施すとともに、この脱穀処理で得られた処理物に対して選別処理を施す脱穀装置4や、この脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5などを走行機体2に搭載し、走行機体2における穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を形成して、稲や麦などを刈取対象穀稈とした全稈投入型に構成されている。
【0025】
図1及び図2に示すように、刈取搬送装置3は、走行機体2の走行に伴って、その前部左右両端に装備されたデバイダ7が刈取対象穀稈と非刈取対象穀稈とを梳き分け、刈取搬送装置3の前部上方に配備された回転リール8が、左右のデバイダ7で梳き分けられた刈取対象穀稈を後方に向けて掻き込み、刈取搬送装置3の底部に装備されたバリカン形の主切断装置9が刈取対象穀稈の所定箇所を切断し、主切断装置9の後方に配備されたオーガ10が、主切断装置9による切断後の刈取対象穀稈を左右方向の所定箇所に寄せ集めるとともに、その所定箇所において後方に向けて送り出し、その所定箇所から脱穀装置4の前上部にわたる搬送装置としての搬送機構11が、オーガ10からの刈取対象穀稈を脱穀装置4に向けて搬送するように構成され、その搬送機構11と走行機体2とにわたって架設した油圧式のシリンダ12の作動で左右向き第1軸心X1周りに上下揺動し、その上下揺動で、刈取対象穀稈に対する主切断装置9の高さ位置を変更する刈り高さ調節を行えるようになっている。
【0026】
そして、刈取搬送装置3の下方側には、主切断装置9よりも低い位置で植立穀稈に作用するバリカン型の刈取装置からなる副切断装置14を、走行機体2に揺動自在に装備させた三本の昇降フレーム13A,13B,13Cに支持される状態で備えてある。
【0027】
次に、バリカン型の副切断装置14の支持構造について説明する。
図2〜図4に示すように、走行機体2の前端上面に左右向きの角パイプ製の横向きフレーム16を架設してある。横向きフレーム16は、ミッションケース24を挟んで左側に位置する左側フレーム部16Aとミッションケース24より右側に位置する右側フレーム部16Bとで分離して設けてあり、左側フレーム部16Aの両端近傍の二箇所と、右側フレーム部16Bの右側端との3箇所に軸受部17を備えている。
図6及び図7に示すように、軸受部17は右側及び左側フレーム部16A、16Bに取付られる脚部17Aと、その脚部17Aと一体形成されたボス部17Bとからなり、ボス部17Bにニードルベアリングを介して筒状軸18を揺動自在に装着してある。
【0028】
横向きフレーム16における軸受部17に対する取付部位に、板状の受ブラケット16aを取り付けてあり、この受ブラケット16aに対して軸受部17の脚部17Aをボルト15で締め付け固定し、軸受部17を横向きフレーム16に対して着脱自在に構成してある。
【0029】
3つの軸受部17の夫々における筒状軸18は、軸受部17のボス部17Bより第2軸芯X2に沿って横向きに突出し、その突出部分に昇降フレーム13A,13B,13Cを夫々連結固定してある。左右方向の3箇所で軸受部17に支持された中央側昇降フレーム13A、右側昇降フレーム13B、左側昇降フレーム13Cを機体前方に向けて延出し、夫々、角パイプ材にて構成される中央側昇降フレーム13A、右側昇降フレーム13B、左側昇降フレーム13Cを揺動可能に構成してある。
【0030】
3つの昇降フレーム13A,13B,13Cの内の走行機体幅方向の略中央に位置する中央側昇降フレーム13Aの構造について説明する。
中央側昇降フレーム13Aは、筒状軸18に一体連結され、刈取搬送装置3とその下方に位置する車軸ケース25との間に位置して、ボス部17Bから斜め下向きに直線状に延びる直線状フレーム部分13aと、その直線状フレーム部分13aの先端部から車軸ケース25の前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分13bとを備えて構成してある。
【0031】
つまり、図6に示すように、中央側昇降フレーム13Aは、搬送機構11とその搬送機構11の下方に位置する車軸ケース25との間に位置して直線状に延びる直線状フレーム部分13aと、その直線状フレーム部分13aの先端部から車軸ケース25の前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分13bとを、単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成してある。又、中央側昇降フレーム13Aは、湾曲状フレーム部分13bの下端から前方側に延出される前向きフレーム部分13cを備えており、前向きフレーム部分13cは、湾曲状フレーム部分13bの下端に溶接によって連結されている。
【0032】
説明を加えると、前記直線状フレーム部分13aと前記湾曲状フレーム部分13bとを、単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成され、直線状フレーム部分13aと湾曲状フレーム部分13bとは、屈曲するのではなく滑らかに湾曲する状態で連なっているのであり、例えば、副切断装置14が畦に接触して、機体後方側に向かう力が作用しても、内部応力が局所的に集中することがないので損傷し難いものになる。
【0033】
なお、直線状フレーム部分13aの上面には、受フレーム49が設けてあり、受フレーム49が搬送機構11の搬送ケース11Aの下面に当接することによって、副切断装置14とオーガ10の底板とが接触することを防止している。
【0034】
三本の昇降フレーム13A、13B、13Cのうちの走行機体横幅方向の右側に位置する右側昇降フレーム13Bは、右側の走行装置1の右側外方側箇所を機体前方に向かって延びる基端側フレーム部13dと、その基端側フレーム部分13dの先端から右側の走行装置1の前方側外方側箇所を機体横幅方向中央側に向かって延びる横向きフレーム部13e、その横向きフレーム部分13eの先端から機体前方に向かって延びる前後向きフレーム部13fとで構成してある。
【0035】
すなわち、図3、図7及び図8に示すように、右側昇降フレーム13Bを平面視でクランク状に屈曲させてあり、このように屈曲させることで、副切断装置14の走行機体横幅方向の右側端部が、走行機体2の前後方向視において右側の走行装置1の右側端部の位置と略同じ位置になり、畦際に沿って刈取作業するときに、副切断装置14が畦側の地面に接触することを回避し易いようにしている。
【0036】
尚、図5に示すように、三本の昇降フレーム13A、13B、13Cのうちの走行機体横幅方向の左側に位置する左側昇降フレーム13Cは、斜め下向きに直線状に延出される単一のフレーム部で構成してある。
【0037】
そして、副切断装置14を上向き付勢する付勢手段Aが、中央側昇降フレーム13Aにおける直線状フレーム部分13aに作用する状態で設けられている。
【0038】
図6に示すように、付勢手段Aは、圧縮コイルバネ19と、圧縮コイルバネ19の軸線位置に位置する支持ボルト軸20と、支持ボルト軸20の下端に螺合するホルダー21と、圧縮コイルバネ19の上下端を受け止める上下受ディスク22A、22Bとで構成してある。又、下受ディスク22Bを支持するアングル状の受フレーム23を走行機体2の上下向き姿勢の前端フレーム2Aから前方に向けて延出し、受フレーム23の前端部を、ミッションケース24から左右クローラ式走行装置1の駆動スプロケット1Aに向けて延出された車軸ケース25に支持させている。
【0039】
受フレーム23に下受ディスク22Bを載置し、下受ディスク22Bの軸芯位置に支持ボルト軸20の下端に外嵌したホルダー21を内嵌保持してある。ホルダー21を介して下受ディスク22Bに支持された支持ボルト軸20は、中央側昇降フレーム13Aに向けて上向きに延出され、延出上端位置に上受ディスク22Aを装着してある。
【0040】
中央側昇降フレーム13Aの下面には皿状の受止具26が装着してあり、受止具26には調節ボルト27が取り付けてある。調節ボルト27の下端ボルト頭27Aを、支持ボルト軸20の上端ボルト頭20Aに当接させて、中央側昇降フレーム13Aを前記した圧縮式コイルバネ19で押し上げ付勢してある。調節ボルト27を受止具26に対して上下方向に出退調節させることによって、上受ディスク22Aとの当接位置を調節し、圧縮式コイルバネ19の押し上げ付勢力を調節可能である。
尚、3つの軸受部17を横向きフレーム16より取り外すと、3つの昇降フレーム13A、13B、13C及び副切断装置14を含む全体を軸受部17と共に取外すことができ、又、再度、取り付けることも可能である。
【0041】
副切断装置14を駆動する偏芯駆動ユニットCは左側に位置する軸受部17に支持されており、駆動ロッド軸44、ベアリングブロック46、揺動駆動アーム47は左側昇降フレーム13Cに取り付けてある。
【0042】
次に、副切断装置14の構造について説明する。図5〜図10に示すように、副切断装置14は、機体横幅方向にわたって延びる連結フレーム15に背中合わせで取付固定されているアングル状の基台29と、基台29に装着された受け刃30と、受け刃30に支持されている可動刃31と、可動刃31を駆動するナイフバー32と、可動刃31を保持するナイフクリップ33とで構成されている。
【0043】
連結フレーム15の下向き面には橇48が後に張り出す状態で取り付けてあり、刈取り面の凹凸に副切断装置14が追従しやすくなるように構成してある。橇48は、連結フレーム15の横方向3箇所に設けてあり、各昇降フレーム13A、13B、13Cの下方に設けてある。
【0044】
図9及び図10に示すように、副切断装置14の可動刃31には、それに一体的に往復移動する状態で、刈り取った茎稈を機体横幅方向一方側へ送り出すための穀稈横送り部材34が取り付けられている。この穀稈横送り部材34は、機体横幅方向に長尺の板状体を後方側ほど上方に位置する斜め姿勢で可動刃31にボルトで連結してあり、可動刃31と一体的に往復移動する状態で設けてある。この穀稈横送り部材34には上部側に鋸歯状の送り作用部を形成してあり、往復移動することで刈り取った茎稈を機体横幅方向一方側へ送り出すことができるように構成されている。
【0045】
又、副切断装置14には、切断した茎稈が引っかかり堆積するのを防止するための種々の分草カバー体28を設けてある。
つまり、連結フレーム15の上方側の空間に茎稈が滞留するために設けられる連結フレーム用カバー体28Aと、切断された茎稈が前向きフレーム部分13cと湾曲状フレーム部分13bとの折れ曲がり箇所に引っ掛かり堆積することを防止する昇降フレーム用カバー体28Bとを設けてある。
【0046】
図9及び図10に示すように、連結フレーム用カバー体28Aは基台29に支持してあり、図6、図8、図9及び図12に示すように、昇降フレーム用カバー体28Bは、前向きフレーム部分13cの上部側前端側箇所と湾曲状フレーム部分13bの上部側箇所とにわたって斜め姿勢になり、且つ、断面形状が山形となる形態で、各フレーム部分13b、13cに固定する状態で設けられている。
【0047】
副切断装置14の可動刃31に対する伝動機構Eについて説明する。
図13に示すように、3個の軸受部17における左端に位置する軸受部17に支持された筒状軸18の内部空間に、左右一対の転がりベアリング35を内装してあり、左右の転がりベアリング35に亘って駆動軸36を支承してある。駆動軸36における筒状軸18より突出する片持ち端部36Aには、動力が伝達される入力スプロケット37を取り付けた回転ボス38が取付てあり、入力スプロケット37の取付位置より更に片持ち先端部分に偏芯駆動ユニットCを取り付けてある。
【0048】
偏芯駆動ユニットCは、駆動軸36に傾斜した状態で取付固定された回転コア部39と、回転コア部39に大ベアリング40を介して外嵌装着されている揺動ホルダー部41と、揺動ホルダー部41の上下両端軸41Aに小ベアリング42を介して装着されている駆動フォーク部43とからなっている。
【0049】
駆動軸36に取付られている回転コア部39は駆動軸36と一体回転するが傾斜状態にあるために、回転コア部39に大ベアリング40を介して外嵌されている揺動ホルダー部41は、矢印(a―b)で示すように、駆動軸36の回転軸芯に直交する軸芯周りで左右に揺動可能に駆動される。そして、この揺動ホルダー部41の上下両端軸に外嵌されている駆動フォーク部43も連動して左右に揺動可能に振れ作動する。このように、偏芯駆動ユニットCによって、駆動軸36の回転運動を駆動ロッド軸44の左右往復運動に変換する回転変換機構が構成されている。
【0050】
図2〜図5に示すように、駆動フォーク部43には前方下向き姿勢の駆動ロッド軸44が取付固定され、この駆動ロッド軸44を副切断装置14の近傍まで延出してある。左側昇降フレーム13Cの下端部から駆動ロッド軸44に向けて取付台45を延出してあり、取付台45の先端側に固定されたベアリングブロック46が駆動ロッド軸44の先端部を回転自在に支持している。
このような構成によって、駆動ロッド軸44は、駆動フォーク部43の左右揺動に連動して、駆動ロッド軸44自体の軸芯Z周りで揺動自在に構成されている。
【0051】
駆動ロッド軸44のベアリングブロック46より下方に突出する下端部に揺動駆動アーム47が取付固定され、この揺動駆動アーム47から延出したアーム連係部47Aが可動刃31に接続されている。
【0052】
以上のような構成によって、可動刃31は、偏芯駆動ユニットCの入力スプロケット37、駆動軸36、回転コア部39、揺動ホルダー部41、駆動フォーク部43、駆動ロッド軸44、揺動駆動アーム47、アーム連係部47Aを介して伝達された駆動力によって左右に往復駆動される。
従って、これらの部材によって副切断装置14に対する伝動機構Eが構成されており、この伝動機構Eは、左側昇降フレーム13Cに備えられている。
【0053】
刈取搬送装置3の昇降操作に連動して副切断装置14が昇降する連係状態と、刈取搬送装置3の昇降操作とは別に独立して副切断装置14が昇降自在である連係解除状態とに切換操作自在な連係手段としての連係機構Bを備えている。
【0054】
以下、連係機構Bについて説明する。
この連係機構Bは、図1、図3、図15及び図16に示すように、案内用の長孔50が形成された案内部材51を副切断装置14側に設け、長孔50に沿って移動自在に係合案内される被案内体としてのガイド軸52を刈取搬送装置3側に設ける状態で備えて構成され、且つ、ガイド軸52の長孔に沿う移動を牽制する連係用操作状態とガイド軸52の長孔50に沿う移動を許容する連係解除用操作状態とに切り換え自在な切換操作体53を案内部材51に備える状態で構成される。
【0055】
具体的には、図2〜図4に示すように、三つの昇降フレーム13A,13B,13Cのうちの中央側昇降フレーム13Aと搬送機構11の搬送ケース11Aとにわたり、連係機構Bを取り付けてあり、この連係機構Bは、上下方向に長尺の案内部材51を備えている。図6に示すように、案内部材51の下端部は、中央側昇降フレーム13Aに固定されたレバー支軸54に取り付けられている。
【0056】
図3に示すように、案内部材51は、上部側に位置する断面略コの字形の案内作用部51Aと、下部側に位置する角筒状の連結支持部51Bとを一体的に連結してあり、図15及び図16に示すように、案内作用部51Aは、中央の壁面部51aの両側に側板部51b、51bを備えた断面略コの字状のチャンネル材にて構成してあり、中央の壁面部51aに上下方向に沿う長孔50を形成してある。
【0057】
案内部材51の長孔50に先端部が摺動自在に係入した走行機体横向きの被案内体としてのガイド軸52が搬送ケース11Aの横側部に固定されている。このガイド軸52には、環状溝形の凹部55を備えた摺接案内体としての樹脂製のブッシュガイド56を外嵌装着してあり、ブッシュガイド56の凹部55に案内部材51の長孔50の内縁部が入り込み係合する状態でガイド軸52を係合案内するよう構成してある。
【0058】
案内部材51は、ガイド軸52の長孔50に沿う移動を規制する連係用操作状態とガイド軸52の長孔50に沿う移動を許容する連係解除用操作状態とに切り換え自在な切換操作体53を備えている。そして、切換操作体53が連係用操作状態に切り換えられると、ガイド軸52を長孔50における連係用設定位置Pにて刈取搬送装置3の上昇操作に伴う移動を切換操作体53が規制し、切換操作体53が連係用操作状態に切り換えられている状態において、ガイド軸52が連係用設定位置Pよりも刈取搬送装置3の上昇操作側に移動している状態から連係用設定位置Pに向けて移動することを許容するように、切換操作体53が後退変位自在並びに連係用操作状態に復帰付勢される状態で設けられている。
【0059】
説明を加えると、切換操作体53は、連係用操作状態と連係解除用操作状態とにわたり揺動自在に案内部材51に支持され、且つ、トグルバネ57により連係用操作状態及び連係解除用操作状態の夫々において弾性付勢力にて位置保持されるよう構成してある。
つまり、図15に示すように、切換操作体53は、棒材を概略Z字状に折り曲げて、上部側に手動操作部53aを備え、下部側にガイド軸52に作用する規制作用部53bを備え、手動操作部53aと規制作用部53bとの間を中継部53cにて連結してあり、手動操作部53aと中継部53cとの間に固定状態で設けたブラケット58を案内部材側の固定部59に機体横幅方向に沿う軸芯X3周りで揺動自在に枢支してある。ブラケット58は略L字形に屈曲してあり、このブラケット58の揺動側端部と案内部材51に形成したバネ受け部60との間にトグルバネ57を張設してある。
【0060】
切換操作体53は、手動操作によりデッドポイントを超えて図15の時計方向に揺動操作されると、連係用操作状態に切り換わり(図15の実線で示す状態)、トグルバネ57の弾性付勢力にてその連係用操作状態にて位置保持される(この状態が連係機構Bの連係状態に対応する)。又、手動操作によりデッドポイントを超えて図15の反時計方向に揺動操作されると、連係解除用操作状態に切り換わり(図15の仮想線で示す状態)、トグルバネ57の弾性付勢力にてその連係解除用操作状態にて位置保持される(この状態が連係機構Bの連係解除状態に対応する)。
【0061】
切換操作体53は、連係用操作状態において案内部材51の両側の側板部51b、51bに形成された貫通孔61、61に亘って貫通する状態で位置して、その貫通孔61の上側の端縁に接当して位置保持されるようになっており、その状態で下側に位置するガイド軸52の長孔50に沿う上方への移動を規制するようになっている。この状態では、副切断装置14が搬送ケース11Aに連動して昇降するように副切断装置14と刈取搬送装置3とを連結させる。
【0062】
切換操作体53を連係解除用操作状態に切り換えると、搬送ケース11Aが昇降操作されるに伴い、ガイド軸52が案内部材51の長孔50に沿って移動自在に案内される状態となり、副切断装置14が搬送ケース11Aの昇降操作とは関係なく独立して昇降自在となるように、副切断装置14と搬送ケース11Aとの連結を解除する。
【0063】
このような構成では、例えば、図18に示すように、ガイド軸52が連係用設定位置Pよりも上方側に位置している状態(図18の(b)で示す状態)において、誤って切換操作体53を連係用操作状態に切り換えた場合(図18の(c)で示す状態)であっても、刈取搬送装置3を下降させて、副切断装置14が接地してガイド軸52が連係用設定位置Pに戻るように案内部材51に対して相対移動すると、図18(d)に示すように、切換操作体53がガイド軸52にて押し操作されて弾性的に後退変位し、ガイド軸52が連係用設定位置Pに戻る。ガイド軸52が連係用設定位置Pに戻ったのちは、トグルバネ57の弾性付勢力により切換操作体53が連係用操作状態(図18の(e)で示す状態)に自動復帰することになる。
【0064】
前記案内部材51に、ガイド軸52における刈取搬送装置3の上昇操作に伴う移動の操作限界を規定する規制具62を設けてあり、規制具62の案内部材51に対する取り付け位置を長孔50の長手方向に沿って変更調整可能に構成してある。
すなわち、図15に示すように、頭付きピンからなる規制具62を案内部材51の両側の側板部51b、51bに形成された貫通孔63、63に亘って貫通する状態で設けてあり、しかも、図16に示すように、その貫通孔63を長孔50の長手方向に沿って間隔をあけて複数箇所(図に示す例では4箇所)に夫々形成してある。その複数箇所の貫通孔63のうちのいずれかに規制具62を付け替えることにより、規制具62の案内部材51に対する取り付け位置を長孔50の長手方向に沿って変更調整することができる。
【0065】
上記したように規制具62を備えることで、切換操作体53が連係解除用操作状態に切り換えられていても、刈取搬送装置3を設定高さ以上にまで上昇させると、ガイド軸52の長孔50内での移動が規制されて、ガイド軸52が案内部材51と連動して移動操作されることにより、刈取搬送装置3の上昇操作に連動して副切断装置14が上昇することになる。
【0066】
その結果、切換操作体53を連係解除用操作状態に切り換えて、主切断装置9にて植立穀稈の穂先部だけを刈り取るように上昇させ、且つ、副切断装置14を植立穀稈の株元を切断するように低い位置に設定した作業形態で刈取作業を行っているときに、畦際に近づいて旋回操作を行うような場合、切換操作体53を連係状態に切り換えなくても、刈取搬送装置3を大きく上昇させると、副切断装置14も連動して上昇させることができ、圃場面との接触を回避できる。
【0067】
そして、規制具62の案内部材51に対する取り付け位置を長孔50の長手方向に沿って変更調整することにより、規制具52が作用し始める刈取搬送装置3の対機体上昇位置を作業状況に応じて適切な位置に予め変更設定することができる。
【0068】
案内部材51の下端部には、レバー支軸54が嵌り合う状態で取り付けられる枢支ボス部64を上下方向に位置を異ならせて2箇所設けてあり、この枢支ボス部64を付け替えることで案内部材51の副切断装置14に対する相対位置を変更調整できるよう構成してある。
このように案内部材51の下端部の位置を変更することによっても、規制具52が作用し始める刈取搬送装置3の対機体上昇位置を変更設定することができる。
【0069】
又、案内部材51に形成される長孔50の下端部には、組み付け時においてブッシュガイド56を装着させるための嵌め込み用の大径部36aを形成しているが、刈取搬送装置3を最も下降させても、ガイド軸52は連係用設定位置Pより下方に移動することはなく、大径部50aにまで移動することはない。
【0070】
そして、刈取作業時には、図1に示すように、切換操作体53を連係解除用操作状態に切り換えることにより連係機構Bを連係解除状態に切り換える。又、畦越え走行時には、図19に示すように、切換操作体53を連係用操作状態に切り換えることにより連係機構Bを連係状態に切り換えることになる。
【0071】
刈取作業時には、連係機構Bは連係解除状態に切り換えられているから、副切断装置14は、地面に接地追従しながら昇降するが、主切断装置9の後方に主切断装置9の配置高さと略同じ配置高さに位置しており、刈取り作用を行なわない。
そして、畦越え走行時には、図19に示すように、畦との接触を避けるために、刈取搬送装置3を大きく上昇させて上昇非作業位置に上昇させることになるが、連係機構Bを連係状態に切換えておくと、刈取搬送装置3が上昇非作業位置に上昇操作されると、連係機構Bによる連係により副切断装置14が刈取搬送装置3によって上昇操作されるので、副切断装置14が畦に接触することを防止できる。
【0072】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、前記中央側昇降フレーム13Aが、 前記湾曲状フレーム部分13bの下端から前方側に延出される前向きフレーム部分13cを備えて構成されているものを例示したが、このような前向きフレーム部分13cを備えない構成としてもよい。この構成では、例えば、湾曲状フレーム部分13bの下端を下側に延長する等して、湾曲状フレーム部分13bの下端部に副切断装置14を装着することになる。
【0073】
(2)上記実施形態では、昇降フレーム13A、13B、13Cを構成するフレーム材として角パイプ材を用いるようにしたが、角パイプ材に限らず、丸パイプ材、丸棒材、アングル材、チャンネル材等、異なる形状のフレーム材を用いてもよい。
【0074】
(3)上記実施形態では、前記副切断装置14を上向き付勢する付勢手段Aが、前記中央側昇降フレーム13Aにおける前記直線状フレーム部分13aに作用するように前記車軸ケース25に設けられるものを例示したが、付勢手段Aが湾曲状フレーム部分13bに作用するものでもよく、又、このような付勢手段Aを備えない構成としてもよい。
【0075】
(4)上記実施形態では、左右側昇降フレーム13B、13Cが中央側昇降フレーム13Aと異なる形状にしたが、左右側昇降フレーム13B、13Cも中央側昇降フレーム13Aと同一の屈曲形状に形成してもよい。この場合には、一種類の昇降フレームを製作すればよい。
【0076】
(5)上記実施形態では、付勢手段Aとしてコイルバネを用いるものを例示したが、皿バネ等を用いる構成であってよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、稲、麦、大豆など各種の作物を収穫対象とするコンバインに利用できる。
【符号の説明】
【0078】
1 走行装置
2 走行機体
3 刈取部
9 主切断装置
11 搬送装置
13A,13B,13C 昇降フレーム
13A 中央側昇降フレーム
13a 直線状フレーム部分
13b 湾曲状フレーム部分
13c 前向きフレーム部分
14 副切断装置
24 ミッションケース
25 車軸ケース
31 可動刃
34 穀稈横送り部材
A 付勢手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミッションケースから左右横側方に向けて車軸ケースが延出され、
前記車軸ケースに支持される走行装置を備えた走行機体に、植立穀稈の穂先着粒部を刈り取る主切断装置及び刈り取った前記穂先着粒部を搬送する搬送装置を備えた刈取部が、昇降自在に支持され、
前記主切断装置より低い位置で前記植立穀稈に作用する副切断装置が、前記走行機体に対して昇降自在に支持されているコンバインであって、
前記副切断装置が、前記走行機体より走行機体横幅方向に間隔をあけて並ぶ状態で前方側に延出した複数本の昇降フレームにて前記走行機体に対して昇降自在に支持され、
前記複数本の昇降フレームのうち走行機体横幅方向の中央側に位置する中央側昇降フレームが、前記搬送装置とその搬送装置の下方に位置する前記車軸ケースとの間に位置して直線状に延びる直線状フレーム部分と、その直線状フレーム部分の先端部から前記車軸ケースの前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分とを、単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成されているコンバイン。
【請求項2】
前記中央側昇降フレームが、 前記湾曲状フレーム部分の下端から前方側に延出される前向きフレーム部分を備えて構成されている請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記副切断装置を上向き付勢する付勢手段が、前記中央側昇降フレームにおける前記直線状フレーム部分に作用するように前記車軸ケースに設けられている請求項1又は2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記副切断装置が、走行機体横幅方向に沿って往復駆動操作される可動刃を備えたバリカン型刈取装置にて構成され、
前記副切断装置における走行機体横幅方向の略全幅に亘る状態で、且つ、前記可動刃と一体的に往復移動する状態で、前記副切断装置にて刈り取られた穀稈を機体横幅方向に移送させる穀稈横送り部材が、前記副切断装置に取り付けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項1】
ミッションケースから左右横側方に向けて車軸ケースが延出され、
前記車軸ケースに支持される走行装置を備えた走行機体に、植立穀稈の穂先着粒部を刈り取る主切断装置及び刈り取った前記穂先着粒部を搬送する搬送装置を備えた刈取部が、昇降自在に支持され、
前記主切断装置より低い位置で前記植立穀稈に作用する副切断装置が、前記走行機体に対して昇降自在に支持されているコンバインであって、
前記副切断装置が、前記走行機体より走行機体横幅方向に間隔をあけて並ぶ状態で前方側に延出した複数本の昇降フレームにて前記走行機体に対して昇降自在に支持され、
前記複数本の昇降フレームのうち走行機体横幅方向の中央側に位置する中央側昇降フレームが、前記搬送装置とその搬送装置の下方に位置する前記車軸ケースとの間に位置して直線状に延びる直線状フレーム部分と、その直線状フレーム部分の先端部から前記車軸ケースの前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分とを、単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成されているコンバイン。
【請求項2】
前記中央側昇降フレームが、 前記湾曲状フレーム部分の下端から前方側に延出される前向きフレーム部分を備えて構成されている請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記副切断装置を上向き付勢する付勢手段が、前記中央側昇降フレームにおける前記直線状フレーム部分に作用するように前記車軸ケースに設けられている請求項1又は2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記副切断装置が、走行機体横幅方向に沿って往復駆動操作される可動刃を備えたバリカン型刈取装置にて構成され、
前記副切断装置における走行機体横幅方向の略全幅に亘る状態で、且つ、前記可動刃と一体的に往復移動する状態で、前記副切断装置にて刈り取られた穀稈を機体横幅方向に移送させる穀稈横送り部材が、前記副切断装置に取り付けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−188747(P2011−188747A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54878(P2010−54878)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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