コンバイン
【課題】
刈取収穫作業を行うコンバインにおいて、エンジンの高負荷時におけるエンジンの冷却効率の低下を防止する。
【解決手段】
刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態では、冷却ファン(12)を防塵ネット(16)の内側へ外気を吸気する正回転の所定の冷却基準回転速度で駆動し、刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の非駆動状態では、冷却ファン(12)を、前記冷却基準回転速度よりも低速の範囲内で、エンジン(E)の回転速度が高くなるほど増速して正回転駆動するコントローラ(35)を設ける。
刈取収穫作業を行うコンバインにおいて、エンジンの高負荷時におけるエンジンの冷却効率の低下を防止する。
【解決手段】
刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態では、冷却ファン(12)を防塵ネット(16)の内側へ外気を吸気する正回転の所定の冷却基準回転速度で駆動し、刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の非駆動状態では、冷却ファン(12)を、前記冷却基準回転速度よりも低速の範囲内で、エンジン(E)の回転速度が高くなるほど増速して正回転駆動するコントローラ(35)を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインにおいて、エンジンルーム内にはエンジンと、エンジンの出力を受けて回転し、防塵構造を通して外気を吸引しエンジンを冷却する冷却ファンと、エンジンの冷却水を循環するラジエータと、コンバインの油圧系統に供給するオイルが循環するオイルクーラと、防塵構造を通してエンジンルーム内の空気を外部へ放出する防塵ファンとを備え、コンバインの操作タイミング、例えば、刈取作業中において後進に合わせて冷却ファンを停止させると共に、駆動モータにより防塵ファンを作動させ、防塵構造に付着している塵埃を除去するものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−253212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記背景技術では、エンジンの出力を受けて冷却ファンを回転し、防塵構造を通して外気を吸引してエンジンを冷却し、コンバインの操作タイミングに合わせて冷却ファンを停止させると共に、駆動モータにより防塵ファンを作動させて、防塵構造に付着している塵埃を除去するものであるので、エンジンの高負荷時にはエンジンの出力回転速度が低下する為に冷却ファンの回転速度が低下し、エンジンの冷却効率が低下するという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、然る課題を解決するために次の技術的手段を講じた。
請求項1の発明は、走行装置(3)と、刈取搬送部(8)と、脱穀部(5)と、これらを駆動するエンジン(E)とを備え、前記エンジン(E)の外側方に防塵ネット(16)を配置し、該防塵ネット(16)とエンジン(E)の間にラジエータ(13)を配置し、該ラジエータ(13)とエンジン(E)の間に冷却ファンモータ(25)で駆動される冷却ファン(12)を配置し、前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態では、前記冷却ファン(12)を防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく所定の冷却基準回転速度で駆動し、刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の非駆動状態では、前記冷却ファン(12)を、防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく、前記冷却基準回転速度よりも低速の回転速度範囲内で、エンジン(E)の回転速度に応じて変速駆動するコントローラ(35)を設けたことを特徴とするコンバインとした。
【0007】
請求項2の発明は、前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態では、前記冷却ファン(12)を防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく所定の冷却基準回転速度で駆動する冷却モードを第一所定時間に亘って実行した後、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風する除塵モードを第二所定時間に亘って実行し、以後、該冷却モードと除塵モードとを交互に繰り返す構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとした。
【0008】
請求項3の発明は、前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態を検出してから所定時間の間、前記冷却ファン(12)を、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風するべく駆動する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンバインとした。
【0009】
請求項4の発明は、前記走行装置(3)の駆動速度を無段階に変速操作する変速レバー(30)を設け、前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)が駆動状態であり、且つ、変速レバー(30)が後進操作位置にあるときに、前記冷却ファン(12)を、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風するべく駆動する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のコンバインとした。
【0010】
請求項5の発明は、前記刈取搬送部(8)を非刈取作業高さまで上昇させると、該刈取搬送部(8)及びフィードチェン(38)の駆動が停止すると共に、前記冷却ファンモータ(25)が、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風するように駆動される構成としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンバインとした。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によると、刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態では、エンジン(E)の負荷が増大してこのエンジン(E)の出力回転速度が低下しても、冷却ファン(12)が防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく所定の冷却基準回転速度で駆動されるため、エンジン(E)の冷却効率を維持することができ、エンジン(E)の出力低下を少なくしてコンバインの刈取脱穀作業の能率を高めることができる。
【0012】
また、刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)を非駆動状態としたエンジン(E)の低速回転時には、冷却ファン(12)が、防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく、冷却基準回転速度よりも低速の回転速度範囲内で、エンジン(E)の回転速度に応じて変速駆動されるので、冷却ファンモータ(25)の消費電力を低減することができる。
【0013】
請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加え、コンバインによる刈取脱穀作業時には、冷却ファン(12)を防塵ネット(16)の内側へ外気を吸気するべく所定の冷却基準回転速度で駆動する冷却モードを第一所定時間に亘って実行した後、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風する除塵モードを第二所定時間に亘って実行し、以後、該冷却モードと除塵モードとを交互に繰り返すことで、刈取脱穀作業中に防塵ネット(16)に付着する塵埃を除去できるものでありながら、刈取脱穀負荷の増大によってエンジン(E)の回転速度が低下しても、冷却ファン(12)の回転速度を維持することができ、エンジン(E)の冷却効率の低下を防止することができる。
【0014】
請求項3の発明によると、上記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態を検出すると、所定時間、冷却ファン(12)を、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風するべく駆動するので、防塵ネット(16)に付着した塵埃を除去してから刈取収穫作業を再開することができ、エンジン(E)の冷却効率を更に高めることができる。
【0015】
請求項4の発明によると、上記請求項1又は請求項2又は請求項3記載の発明の効果に加えて、刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)が駆動状態で、変速レバー(30)後進操作状態にあるときには、冷却ファン(12)によって防塵ネット(16)の内側から外側に向けて送風し、防塵ネット(16)の外側面に付着している塵埃類を除去することができ、エンジン(E)のオーバーヒートを更に効果的に防止することができる。
【0016】
請求項5記載の発明によると、上記請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、刈取搬送部(8)を非作業高さに上昇させて、刈取搬送部(8)及び脱穀部(6)のフィードチェン(38)の駆動を停止したときには、冷却ファン(12)によって防塵ネット(16)の内側から外側に向けて送風するので、制御内容を簡単化しながら、刈取搬送部(8)や脱穀部(6)から発生する塵埃が少ない状態で防塵ネット(16)の外側面に付着した塵埃類を除去することができ、防塵ネット(16)の塵埃類を確実に除去し、エンジン(E)のオーバーヒートを更に効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】コンバインの側面図である。
【図2】コンバインの平面図である。
【図3】エンジン冷却構成の側面図である。
【図4】エンジン冷却構成の正面図である。
【図5】エンジン冷却構成の平面図である。
【図6】エンジン冷却構成の側面図である。
【図7】エンジン冷却構成の正面図である。
【図8】エンジン冷却構成の平面図である。
【図9】エンジン冷却構成の平面図である。
【図10】エンジン冷却構成の側面図である。
【図11】エンジン冷却構成の平面図である。
【図12】エンジン冷却構成の制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に示すこの発明の実施例について説明する。まず、図1及び図2に基づき本発明を備えたコンバインの全体構成について説明する。
コンバイン1の走行車体2の下方には、左右一対のクローラ走行装置3,3を配設し、走行車体2の右側部には前側部に操縦部4を、その後方にグレンタンク6を配設し、左側部に脱穀部5を配設し、脱穀部5及びグレンタンク6の後方に排稾処理装置7を配設している。操縦部4及び脱穀部5の前方には、植立穀稈を分草引起しながら刈り取り後方の脱穀部5に向けて搬送する刈取搬送部8を昇降自在に設けている。操縦部4の運転席10の下方後側部にエンジンルーム11を設け、エンジンルーム11内にエンジンEを配設している。
【0019】
図10及び図11に示す実施例について説明する。
エンジンEの進行方向右外側に冷却ファンモータ25で駆動する冷却ファン12を設け、冷却ファン12の右外側にラジエータ13を設け、ラジエータ13の外側にオイルクーラ13a及びインタクーラ(図示省略)を配設している。
【0020】
ラジエータ13の右側部からラジエータカバー14を右側方に延出し、ラジエータカバー14の右側部に外側枠体15を取り付け、外側枠体15に防塵ネット16を張設し、冷却風の塵埃を濾過するように構成している。
【0021】
冷却ファン12は防塵ネット16の外側から内側へ外気を吸気する正回転と、防塵ネット16の内側から外側へ送風してラジエータ13に付着した塵埃や防塵ネット16の外面に付着する塵埃を除去する逆回転で駆動可能であり、回転速度を任意に変更可能である。
【0022】
次に、図3乃至図5について説明する。
エンジンEの進行方向右外側に冷却ファンモータ25で駆動する冷却ファン12を設け、冷却ファン12の右外側にラジエータ13を設け、ラジエータ13の外側にオイルクーラ13a及びインタクーラ(図示省略)を配設している。
【0023】
ラジエータ13の右側部からラジエータカバー14を右側方に延出し、ラジエータカバー14の右側部に外側枠体15を取り付け、外側枠体15に防塵ネット16を張設し、冷却風の塵埃を濾過するように構成している。
【0024】
この外側枠体15には、防塵ネット16とラジエータ13との間に位置するように防塵ファン17,17を配設し、防塵ファンモータ18,18で防塵ファン17,17を駆動し、防塵ネット16に対して内側から外側へ風を送り除塵するようにしている。
【0025】
この実施例では、図3に示すように、側面視でラジエータ13の上下方向、前後方向の中央部に冷却ファン12を対向配置している。複数の防塵ファン17,17で構成し、側面視でラジエータ13外側面の上側後側部に一方の防塵ファン17を対向配置し、ラジエータ13外側面の下側前側部に他方の防塵ファン16を対向配置し、ラジエータ13の広い範囲に対向するようにし、広範囲の防塵ネット16に内側から外側へ向けて送風し、防塵ネット16の外側面に付着している塵埃類を除去するようにしている。
【0026】
次に、図6乃至図8に基づき他の実施例について説明する。
ラジエータ13の機体内側に冷却ファン12を設け、冷却ファンモータ25で駆動するように構成している。前記防塵ネット16とラジエータ13との間には防塵ファンモータ18により回転する防塵ファン17を1個配設している。そして、防塵ファン17及び冷却ファン12を、図6に示すように側面視で、ラジエータ13の上下方向及び前後方向中間部側方に対向配置している。
【0027】
そして、防塵ファン17の回転軸心を、図7に示すように、正面視でその外側部を斜め下方に向けて傾斜させ、且つ、図8に示すように平面視で、その外側部を斜め後側に向けて傾斜するように構成している。
【0028】
前記構成によると、防塵ファン17の回転軸心の外側部を斜め下方に傾斜し、且つ、斜め後側に傾斜するようにしたので、防塵ネット16の外側面の塵埃類を外側斜め下方で且つ斜め後方に傾斜する方向に吹き飛ばし、吹き飛ばされた塵埃類が防塵ネット16に再付着することを防止することができる。また、刈取搬送部8の右側部から舞い上がった塵埃類を防塵ネット16の下側部分で斜め後方へ吹き飛ばすことができ、走行風と相俟って塵埃を後方へ円滑に流すことができ除塵効果を高めることができる。
【0029】
また、防塵ファン17を側面視で、ラジエータ13の前後方向中間部で且つ下側部に対向配置すると、防塵ネット16の下側部に多く付着する塵埃類を効率的に吹き飛ばし、除塵効果を高めることができる。
【0030】
次に、冷却ファン12及び防塵ファン17の駆動制御構成について説明する。
図12に示すのはファン制御用コントローラのブロック図であり、コントローラ35の入力側には変速レバー30の操作量を検出する変速操作検出センサ30a、刈取・脱穀クラッチレバー31、刈取クラッチの接続状態を検出する刈取クラッチセンサ32、脱穀クラッチの接続状態を検出する脱穀クラッチセンサ33、ラジエータ13の水温を検出する水温センサ34を接続している。出力側には脱穀クラッチを入り切りする脱穀クラッチモータ36、刈取クラッチを入り切りする刈取クラッチモータ37、冷却ファン12を駆動する冷却ファンモータ25、防塵ファン17を駆動する防塵ファンモータ18、フィードチェン3838の駆動を断続するフィードチェン38クラッチモータ38を接続している。
【0031】
エンジンEの冷却ファン12をエンジン動力でなく冷却ファンモータ25により駆動するように構成している。また、コンバインには移動走行、刈取作業、籾排出作業などの各作業状態に応じてエンジンの出力を効率的に使用できるようにアクセルレバーを制御するコントローラ35を設けている。そして、移動走行時には前記無段変速装置調節用の変速レバー30の増減操作に応じてエンジンEの回転速度を自動的に増減調節し、また、刈取収穫作業や穀粒排出作業時にはエンジンEの回転数を定格回転数に保ち、また、走行停止時にはエンジンEの回転数を所定の低速回転数(例えば2000rpm)に保つようにしている。
【0032】
そして、所定の運転条件、例えば、刈取・脱穀クラッチレバー31のクラッチ入り操作により刈取クラッチモータ36及び脱穀クラッチモータ37が作動し、刈取搬送部8と脱穀部5が駆動状態となったことを、刈取クラッチセンサ32及び脱穀クラッチセンサ33が検出した場合には、コントローラの指令により冷却ファン12を所定の冷却基準回転数で正回転させてエンジンEの冷却効率を維持する。
【0033】
また、刈取・脱穀クラッチレバーの切り操作により刈取クラッチモータ36及び脱穀クラッチモータ37が作動し、刈取搬送部8と脱穀部5が非駆動状態となったことを、刈取クラッチセンサ32及び脱穀クラッチセンサ33が検出した場合には、冷却ファン12をエンジンEの回転数に同調し、前記冷却基準回転数よりも低速の回転速度で駆動するようにしている。
【0034】
前記構成によると、冷却ファン12をモータ駆動とすることにより、エンジンEに負荷がかかり回転数が低下した場合にも、冷却ファン12を所定の冷却基準回転速度で回転することができ、エンジンEの冷却効率を維持することができる。また、刈取・脱穀クラッチレバーが切りで、エンジンEに負荷がかかっていない低速回転のときには、冷却ファン12をエンジンEの低速回転速度に同調した低速回転速度で回転させることにより、冷却ファンモータ25の消費電力を低減することができる。
【0035】
次に、冷却ファン12及び防塵ファン17の駆動制御構成の他の実施例について説明する。
エンジンEの冷却ファン12をエンジン動力でなく冷却ファンモータ25により駆動し、防塵ファン17を防塵ファンモータ18で駆動するように構成している。そして、所定の運転条件に応じて冷却ファン12を正回転あるいは逆回転させ、冷却ファン12をエンジンEの冷却用としたり、防塵ネット16の塵埃除去するものである。
【0036】
例えば、刈取・脱穀クラッチレバーのクラッチ入り操作によって刈取クラッチセンサ32脱穀クラッチセンサ33がクラッチの接続状態を検出し、且つ、前記無段変速装置操作用の変速レバー30が前進操作状態を変速操作検出センサ30aが検出した場合には、コントローラの指令により、冷却ファン12を所定の冷却基準回転数で正回転させてエンジンEを冷却し、冷却効率を維持する。
【0037】
また、刈取・脱穀クラッチレバーの入りで、且つ、前記無段変速装置操作用の変速レバー30が後進操作状態を変速操作検出センサ30aが検出した場合には、コントローラの指令により、冷却ファン12を逆回転させ、防塵ネット16に内側から外側に向けて送風し、防塵ネット16の外側面に付着している塵埃類を除去する。
【0038】
前記構成によると、コンバインの作業時には冷却ファン12を正回転させてエンジンEの冷却効率を維持し、また、非作業時には冷却ファン12を逆回転させ防塵ネット16の外側面に付着している塵埃類を除去し、エンジンEのオーバーヒートを防止することができる。
【0039】
なお、冷却ファンモータ25で駆動する冷却ファン12と防塵ファンモータ18で駆動する防塵ファン17を併用する構成にあっては、刈取・脱穀クラッチレバーの入りで、且つ、無段変速装置操作用の変速レバー30が後進操作状態には、コントローラの指令により、冷却ファン12の回転を停止し、防塵ファン17を回転させる。
【0040】
次に、冷却ファン12及び防塵ファン17の駆動制御構成の他の実施例について説明する。
エンジンEの冷却ファン12をエンジン動力でなく冷却ファンモータ25により駆動し、防塵ファン17を防塵ファンモータ18で駆動するように構成する。
【0041】
そして、所定の運転条件、例えば、刈取・脱穀クラッチレバーのクラッチ切り操作によって刈取クラッチセンサ32脱穀クラッチセンサ33がクラッチの接続状態を検出しなくなった場合には、コントローラの指令により、冷却ファン12を連続して正回転し、防塵ネット16を経てラジエータ13に冷却風を送りラジエータ13を冷却する。
【0042】
また、刈取・脱穀クラッチレバーのクラッチ入り操作によって刈取クラッチセンサ32脱穀クラッチセンサ33がクラッチの接続状態を検出した場合には、コントローラの指令により、冷却ファン12を一定時間(第一所定時間)正回転させて防塵ネット16を経てラジエータ13に冷却風を送りラジエータ13を冷却する冷却モードを実行する。次いで、冷却ファン12を一定時間(第二所定時間)逆回転させ防塵ネット16の内側から外側に風を送り、防塵ネット16の外側に付着している塵埃類を除去する除塵モードを実行し、以後これを交互に繰り返すようにする。
【0043】
前記構成によると、刈取・脱穀クラッチの入り作業時にのみ冷却ファン12を所定時間毎に正回転、逆回転を繰り返し、防塵ネット16への塵埃類の付着を防止しながら作業をすることができる。また、コンバインの移動走行時の刈取・脱穀クラッチ切りの非作業状態時には、冷却ファン12を常時正回転をさせてラジエータ13を冷却し、冷却効率の低下を防止することができる。
【0044】
エンジンEの駆動時には冷却ファン12を所定時間毎に正回転と逆回転を繰り返す構成であると、防塵ネット16に塵埃類の付着しない非作業時の路上走行時にも冷却ファン12が正回転と逆回転とを繰り返すことになる。しかし、前記構成によると、防塵ネット16の外側面に塵埃類の付着する作業時にのみ、冷却ファン12が正回転と逆回転とを繰り返すこととなり、エンジンEの冷却効果の低下を防止しながら、防塵ネット16の塵埃類を確実に除去することができる。
【0045】
なお、冷却ファンモータ25で駆動する冷却ファン12と防塵ファンモータ18で駆動する防塵ファン17を併用する構成にあっては、冷却ファン12の前記逆回転制御に代えて、冷却ファン12の回転を停止し、防塵ファン17を回転させる。
【0046】
次に、冷却ファン12及び防塵ファン17の駆動制御の他の実施例について説明する。
刈取搬送部8が所定高さに上昇すると、脱穀部6のフィードチェン38の駆動を停止する刈取上昇時フィードチェン38停止機能を備えたコンバインにおいて、刈取・脱穀クラッチレバーの切り、及び(または)、刈取・脱穀クラッチレバーの入りで、且つ、前記刈取上昇時フィードチェン38停止機能が作動している状態でフィードチェン38が駆動している場合には、冷却ファン12を常時正回転しエンジンEを冷却する。
【0047】
また、刈取・脱穀クラッチレバーの入りで、且つ、前記刈取上昇時フィードチェン38停止機能が作動している状態でフィードチェン38が停止した場合に、冷却ファンモータ25を所定時間正回転してエンジンEを冷却し、次いで、所定時間逆回転し防塵ネット16の塵埃を除去するようにし、以後これを繰り返すようにする。
【0048】
エンジンEの駆動時に冷却ファンモータ25が正回転と逆回転とを繰り返す構成であると、防塵ネット16に塵埃類の付着しない路上走行時にも冷却ファンモータ25が正回転と逆回転とを繰り返すこととなる。しかし、前記構成によると、防塵ネット16の外側面に塵埃類の付着する刈取作業時にのみ、冷却ファンモータ25の正回転駆動と逆回転を繰り返すので、エンジンEの冷却効果の低下を防止しながら、防塵ネット16の塵埃類を確実に除去し、エンジンEのオーバーヒートを防止し、連続作業性能の向上を図ることができる。
【0049】
なお、冷却ファンモータ25で駆動する冷却ファン12と防塵ファンモータ18で駆動する防塵ファン17を併用する構成にあっては、冷却ファン12の前記所定時間の逆回転制御に代えて、冷却ファン12の回転を停止し、防塵ファン17を回転させる。
【0050】
また、前記制御において、冷却ファンモータ25の逆回転時間を調節設定する逆転駆動時間設定手段を設け、冷却ファンモータ25の逆転駆動時間を長短に調節変更するようにしてもよい。このように構成すると、刈取・脱穀クラッチレバーの入りで、且つ、刈取上昇時フィードチェン38停止機能が作動している状態でフィードチェン38が停止した場合において、冷却ファンモータ25を逆回転するにあたり、防塵ネット16の外側面に付着している塵埃類の多少に対応して冷却ファンモータ25の逆転駆動時間を長短に適正化し、エンジンEの冷却効率を高めながら防塵ネット16の塵埃類を確実に除去することができる。
【0051】
また、複数の防塵ファン17,…を配設し、ラジエータ13の水温を水温センサ34により検出し、コントローラ35の制御指令により、水温の低い場合には、単一の防塵ファン17を回転駆動し、水温の上昇検出に応じて2個の防塵ファン17,…を回転するようにしてもよい。このようにすると、防塵ファン17,…駆動用の防塵ファンモータ18、18の消費電力を節減しながら、防塵ネット16の塵埃類を効率的に除去し、エンジンEのオーバーヒートを確実に防止することができる。
【0052】
次に、図9に基づき他の実施例について説明する。
エンジンEのファン軸21にベアリング12aを介して冷却ファン12を設け、ファン軸21における冷却ファン12の外側にベアリング17aを介して防塵ファン17を設けている。これら冷却ファン12と防塵ファン17との間にファンクラッチ22を設け、クラッチ操作手段23を介してファンクラッチ22を入切操作し、冷却ファン12と防塵ファン17を択一的に駆動するように構成している。
【0053】
また、エンジンEの動力を静油圧式走行無段変速装置(図示省略)及びギヤ式の副変速装置(図示省略)を経由してクローラ走行装置3,3に伝達している。前記静油圧式無段変速装置のトラニオン軸を変速レバー30により操作可能に構成するとともに、トラニオン軸の変速位置を検出する主変速切換検出手段(図示省略)を設けている。
【0054】
そして、主変速切換検出手段が後進駆動を検出したときには、コントローラ(図示省略)から制御指令を出力し、前記クラッチ操作手段23作動用の駆動手段を介してファンクラッチ22を切換作動し、冷却ファン12の伝達を切り防塵ファン17を駆動し、防塵ネット16の外側面に付着している塵埃類を除去するようにしている。
【0055】
前記構成によると、コンバイン1の後進走行時の非作業時に防塵ファン17を駆動し、防塵ネット16の外側面に付着している塵埃類を除去し、エンジンEのオーバーヒートを防止することができ、連続作業性能の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0056】
2 走行装置
3 クローラ走行装置
4 操縦部
5 脱穀部
6 グレンタンク
8 刈取搬送部
12 冷却ファン
13 ラジエータ
16 防塵ネット
17 防塵ファン
18 防塵ファンモータ
21 ファン軸
22 ファンクラッチ
25 冷却ファンモータ
E エンジン
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインにおいて、エンジンルーム内にはエンジンと、エンジンの出力を受けて回転し、防塵構造を通して外気を吸引しエンジンを冷却する冷却ファンと、エンジンの冷却水を循環するラジエータと、コンバインの油圧系統に供給するオイルが循環するオイルクーラと、防塵構造を通してエンジンルーム内の空気を外部へ放出する防塵ファンとを備え、コンバインの操作タイミング、例えば、刈取作業中において後進に合わせて冷却ファンを停止させると共に、駆動モータにより防塵ファンを作動させ、防塵構造に付着している塵埃を除去するものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−253212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記背景技術では、エンジンの出力を受けて冷却ファンを回転し、防塵構造を通して外気を吸引してエンジンを冷却し、コンバインの操作タイミングに合わせて冷却ファンを停止させると共に、駆動モータにより防塵ファンを作動させて、防塵構造に付着している塵埃を除去するものであるので、エンジンの高負荷時にはエンジンの出力回転速度が低下する為に冷却ファンの回転速度が低下し、エンジンの冷却効率が低下するという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、然る課題を解決するために次の技術的手段を講じた。
請求項1の発明は、走行装置(3)と、刈取搬送部(8)と、脱穀部(5)と、これらを駆動するエンジン(E)とを備え、前記エンジン(E)の外側方に防塵ネット(16)を配置し、該防塵ネット(16)とエンジン(E)の間にラジエータ(13)を配置し、該ラジエータ(13)とエンジン(E)の間に冷却ファンモータ(25)で駆動される冷却ファン(12)を配置し、前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態では、前記冷却ファン(12)を防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく所定の冷却基準回転速度で駆動し、刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の非駆動状態では、前記冷却ファン(12)を、防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく、前記冷却基準回転速度よりも低速の回転速度範囲内で、エンジン(E)の回転速度に応じて変速駆動するコントローラ(35)を設けたことを特徴とするコンバインとした。
【0007】
請求項2の発明は、前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態では、前記冷却ファン(12)を防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく所定の冷却基準回転速度で駆動する冷却モードを第一所定時間に亘って実行した後、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風する除塵モードを第二所定時間に亘って実行し、以後、該冷却モードと除塵モードとを交互に繰り返す構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとした。
【0008】
請求項3の発明は、前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態を検出してから所定時間の間、前記冷却ファン(12)を、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風するべく駆動する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンバインとした。
【0009】
請求項4の発明は、前記走行装置(3)の駆動速度を無段階に変速操作する変速レバー(30)を設け、前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)が駆動状態であり、且つ、変速レバー(30)が後進操作位置にあるときに、前記冷却ファン(12)を、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風するべく駆動する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のコンバインとした。
【0010】
請求項5の発明は、前記刈取搬送部(8)を非刈取作業高さまで上昇させると、該刈取搬送部(8)及びフィードチェン(38)の駆動が停止すると共に、前記冷却ファンモータ(25)が、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風するように駆動される構成としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンバインとした。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によると、刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態では、エンジン(E)の負荷が増大してこのエンジン(E)の出力回転速度が低下しても、冷却ファン(12)が防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく所定の冷却基準回転速度で駆動されるため、エンジン(E)の冷却効率を維持することができ、エンジン(E)の出力低下を少なくしてコンバインの刈取脱穀作業の能率を高めることができる。
【0012】
また、刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)を非駆動状態としたエンジン(E)の低速回転時には、冷却ファン(12)が、防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく、冷却基準回転速度よりも低速の回転速度範囲内で、エンジン(E)の回転速度に応じて変速駆動されるので、冷却ファンモータ(25)の消費電力を低減することができる。
【0013】
請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加え、コンバインによる刈取脱穀作業時には、冷却ファン(12)を防塵ネット(16)の内側へ外気を吸気するべく所定の冷却基準回転速度で駆動する冷却モードを第一所定時間に亘って実行した後、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風する除塵モードを第二所定時間に亘って実行し、以後、該冷却モードと除塵モードとを交互に繰り返すことで、刈取脱穀作業中に防塵ネット(16)に付着する塵埃を除去できるものでありながら、刈取脱穀負荷の増大によってエンジン(E)の回転速度が低下しても、冷却ファン(12)の回転速度を維持することができ、エンジン(E)の冷却効率の低下を防止することができる。
【0014】
請求項3の発明によると、上記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態を検出すると、所定時間、冷却ファン(12)を、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風するべく駆動するので、防塵ネット(16)に付着した塵埃を除去してから刈取収穫作業を再開することができ、エンジン(E)の冷却効率を更に高めることができる。
【0015】
請求項4の発明によると、上記請求項1又は請求項2又は請求項3記載の発明の効果に加えて、刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)が駆動状態で、変速レバー(30)後進操作状態にあるときには、冷却ファン(12)によって防塵ネット(16)の内側から外側に向けて送風し、防塵ネット(16)の外側面に付着している塵埃類を除去することができ、エンジン(E)のオーバーヒートを更に効果的に防止することができる。
【0016】
請求項5記載の発明によると、上記請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、刈取搬送部(8)を非作業高さに上昇させて、刈取搬送部(8)及び脱穀部(6)のフィードチェン(38)の駆動を停止したときには、冷却ファン(12)によって防塵ネット(16)の内側から外側に向けて送風するので、制御内容を簡単化しながら、刈取搬送部(8)や脱穀部(6)から発生する塵埃が少ない状態で防塵ネット(16)の外側面に付着した塵埃類を除去することができ、防塵ネット(16)の塵埃類を確実に除去し、エンジン(E)のオーバーヒートを更に効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】コンバインの側面図である。
【図2】コンバインの平面図である。
【図3】エンジン冷却構成の側面図である。
【図4】エンジン冷却構成の正面図である。
【図5】エンジン冷却構成の平面図である。
【図6】エンジン冷却構成の側面図である。
【図7】エンジン冷却構成の正面図である。
【図8】エンジン冷却構成の平面図である。
【図9】エンジン冷却構成の平面図である。
【図10】エンジン冷却構成の側面図である。
【図11】エンジン冷却構成の平面図である。
【図12】エンジン冷却構成の制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に示すこの発明の実施例について説明する。まず、図1及び図2に基づき本発明を備えたコンバインの全体構成について説明する。
コンバイン1の走行車体2の下方には、左右一対のクローラ走行装置3,3を配設し、走行車体2の右側部には前側部に操縦部4を、その後方にグレンタンク6を配設し、左側部に脱穀部5を配設し、脱穀部5及びグレンタンク6の後方に排稾処理装置7を配設している。操縦部4及び脱穀部5の前方には、植立穀稈を分草引起しながら刈り取り後方の脱穀部5に向けて搬送する刈取搬送部8を昇降自在に設けている。操縦部4の運転席10の下方後側部にエンジンルーム11を設け、エンジンルーム11内にエンジンEを配設している。
【0019】
図10及び図11に示す実施例について説明する。
エンジンEの進行方向右外側に冷却ファンモータ25で駆動する冷却ファン12を設け、冷却ファン12の右外側にラジエータ13を設け、ラジエータ13の外側にオイルクーラ13a及びインタクーラ(図示省略)を配設している。
【0020】
ラジエータ13の右側部からラジエータカバー14を右側方に延出し、ラジエータカバー14の右側部に外側枠体15を取り付け、外側枠体15に防塵ネット16を張設し、冷却風の塵埃を濾過するように構成している。
【0021】
冷却ファン12は防塵ネット16の外側から内側へ外気を吸気する正回転と、防塵ネット16の内側から外側へ送風してラジエータ13に付着した塵埃や防塵ネット16の外面に付着する塵埃を除去する逆回転で駆動可能であり、回転速度を任意に変更可能である。
【0022】
次に、図3乃至図5について説明する。
エンジンEの進行方向右外側に冷却ファンモータ25で駆動する冷却ファン12を設け、冷却ファン12の右外側にラジエータ13を設け、ラジエータ13の外側にオイルクーラ13a及びインタクーラ(図示省略)を配設している。
【0023】
ラジエータ13の右側部からラジエータカバー14を右側方に延出し、ラジエータカバー14の右側部に外側枠体15を取り付け、外側枠体15に防塵ネット16を張設し、冷却風の塵埃を濾過するように構成している。
【0024】
この外側枠体15には、防塵ネット16とラジエータ13との間に位置するように防塵ファン17,17を配設し、防塵ファンモータ18,18で防塵ファン17,17を駆動し、防塵ネット16に対して内側から外側へ風を送り除塵するようにしている。
【0025】
この実施例では、図3に示すように、側面視でラジエータ13の上下方向、前後方向の中央部に冷却ファン12を対向配置している。複数の防塵ファン17,17で構成し、側面視でラジエータ13外側面の上側後側部に一方の防塵ファン17を対向配置し、ラジエータ13外側面の下側前側部に他方の防塵ファン16を対向配置し、ラジエータ13の広い範囲に対向するようにし、広範囲の防塵ネット16に内側から外側へ向けて送風し、防塵ネット16の外側面に付着している塵埃類を除去するようにしている。
【0026】
次に、図6乃至図8に基づき他の実施例について説明する。
ラジエータ13の機体内側に冷却ファン12を設け、冷却ファンモータ25で駆動するように構成している。前記防塵ネット16とラジエータ13との間には防塵ファンモータ18により回転する防塵ファン17を1個配設している。そして、防塵ファン17及び冷却ファン12を、図6に示すように側面視で、ラジエータ13の上下方向及び前後方向中間部側方に対向配置している。
【0027】
そして、防塵ファン17の回転軸心を、図7に示すように、正面視でその外側部を斜め下方に向けて傾斜させ、且つ、図8に示すように平面視で、その外側部を斜め後側に向けて傾斜するように構成している。
【0028】
前記構成によると、防塵ファン17の回転軸心の外側部を斜め下方に傾斜し、且つ、斜め後側に傾斜するようにしたので、防塵ネット16の外側面の塵埃類を外側斜め下方で且つ斜め後方に傾斜する方向に吹き飛ばし、吹き飛ばされた塵埃類が防塵ネット16に再付着することを防止することができる。また、刈取搬送部8の右側部から舞い上がった塵埃類を防塵ネット16の下側部分で斜め後方へ吹き飛ばすことができ、走行風と相俟って塵埃を後方へ円滑に流すことができ除塵効果を高めることができる。
【0029】
また、防塵ファン17を側面視で、ラジエータ13の前後方向中間部で且つ下側部に対向配置すると、防塵ネット16の下側部に多く付着する塵埃類を効率的に吹き飛ばし、除塵効果を高めることができる。
【0030】
次に、冷却ファン12及び防塵ファン17の駆動制御構成について説明する。
図12に示すのはファン制御用コントローラのブロック図であり、コントローラ35の入力側には変速レバー30の操作量を検出する変速操作検出センサ30a、刈取・脱穀クラッチレバー31、刈取クラッチの接続状態を検出する刈取クラッチセンサ32、脱穀クラッチの接続状態を検出する脱穀クラッチセンサ33、ラジエータ13の水温を検出する水温センサ34を接続している。出力側には脱穀クラッチを入り切りする脱穀クラッチモータ36、刈取クラッチを入り切りする刈取クラッチモータ37、冷却ファン12を駆動する冷却ファンモータ25、防塵ファン17を駆動する防塵ファンモータ18、フィードチェン3838の駆動を断続するフィードチェン38クラッチモータ38を接続している。
【0031】
エンジンEの冷却ファン12をエンジン動力でなく冷却ファンモータ25により駆動するように構成している。また、コンバインには移動走行、刈取作業、籾排出作業などの各作業状態に応じてエンジンの出力を効率的に使用できるようにアクセルレバーを制御するコントローラ35を設けている。そして、移動走行時には前記無段変速装置調節用の変速レバー30の増減操作に応じてエンジンEの回転速度を自動的に増減調節し、また、刈取収穫作業や穀粒排出作業時にはエンジンEの回転数を定格回転数に保ち、また、走行停止時にはエンジンEの回転数を所定の低速回転数(例えば2000rpm)に保つようにしている。
【0032】
そして、所定の運転条件、例えば、刈取・脱穀クラッチレバー31のクラッチ入り操作により刈取クラッチモータ36及び脱穀クラッチモータ37が作動し、刈取搬送部8と脱穀部5が駆動状態となったことを、刈取クラッチセンサ32及び脱穀クラッチセンサ33が検出した場合には、コントローラの指令により冷却ファン12を所定の冷却基準回転数で正回転させてエンジンEの冷却効率を維持する。
【0033】
また、刈取・脱穀クラッチレバーの切り操作により刈取クラッチモータ36及び脱穀クラッチモータ37が作動し、刈取搬送部8と脱穀部5が非駆動状態となったことを、刈取クラッチセンサ32及び脱穀クラッチセンサ33が検出した場合には、冷却ファン12をエンジンEの回転数に同調し、前記冷却基準回転数よりも低速の回転速度で駆動するようにしている。
【0034】
前記構成によると、冷却ファン12をモータ駆動とすることにより、エンジンEに負荷がかかり回転数が低下した場合にも、冷却ファン12を所定の冷却基準回転速度で回転することができ、エンジンEの冷却効率を維持することができる。また、刈取・脱穀クラッチレバーが切りで、エンジンEに負荷がかかっていない低速回転のときには、冷却ファン12をエンジンEの低速回転速度に同調した低速回転速度で回転させることにより、冷却ファンモータ25の消費電力を低減することができる。
【0035】
次に、冷却ファン12及び防塵ファン17の駆動制御構成の他の実施例について説明する。
エンジンEの冷却ファン12をエンジン動力でなく冷却ファンモータ25により駆動し、防塵ファン17を防塵ファンモータ18で駆動するように構成している。そして、所定の運転条件に応じて冷却ファン12を正回転あるいは逆回転させ、冷却ファン12をエンジンEの冷却用としたり、防塵ネット16の塵埃除去するものである。
【0036】
例えば、刈取・脱穀クラッチレバーのクラッチ入り操作によって刈取クラッチセンサ32脱穀クラッチセンサ33がクラッチの接続状態を検出し、且つ、前記無段変速装置操作用の変速レバー30が前進操作状態を変速操作検出センサ30aが検出した場合には、コントローラの指令により、冷却ファン12を所定の冷却基準回転数で正回転させてエンジンEを冷却し、冷却効率を維持する。
【0037】
また、刈取・脱穀クラッチレバーの入りで、且つ、前記無段変速装置操作用の変速レバー30が後進操作状態を変速操作検出センサ30aが検出した場合には、コントローラの指令により、冷却ファン12を逆回転させ、防塵ネット16に内側から外側に向けて送風し、防塵ネット16の外側面に付着している塵埃類を除去する。
【0038】
前記構成によると、コンバインの作業時には冷却ファン12を正回転させてエンジンEの冷却効率を維持し、また、非作業時には冷却ファン12を逆回転させ防塵ネット16の外側面に付着している塵埃類を除去し、エンジンEのオーバーヒートを防止することができる。
【0039】
なお、冷却ファンモータ25で駆動する冷却ファン12と防塵ファンモータ18で駆動する防塵ファン17を併用する構成にあっては、刈取・脱穀クラッチレバーの入りで、且つ、無段変速装置操作用の変速レバー30が後進操作状態には、コントローラの指令により、冷却ファン12の回転を停止し、防塵ファン17を回転させる。
【0040】
次に、冷却ファン12及び防塵ファン17の駆動制御構成の他の実施例について説明する。
エンジンEの冷却ファン12をエンジン動力でなく冷却ファンモータ25により駆動し、防塵ファン17を防塵ファンモータ18で駆動するように構成する。
【0041】
そして、所定の運転条件、例えば、刈取・脱穀クラッチレバーのクラッチ切り操作によって刈取クラッチセンサ32脱穀クラッチセンサ33がクラッチの接続状態を検出しなくなった場合には、コントローラの指令により、冷却ファン12を連続して正回転し、防塵ネット16を経てラジエータ13に冷却風を送りラジエータ13を冷却する。
【0042】
また、刈取・脱穀クラッチレバーのクラッチ入り操作によって刈取クラッチセンサ32脱穀クラッチセンサ33がクラッチの接続状態を検出した場合には、コントローラの指令により、冷却ファン12を一定時間(第一所定時間)正回転させて防塵ネット16を経てラジエータ13に冷却風を送りラジエータ13を冷却する冷却モードを実行する。次いで、冷却ファン12を一定時間(第二所定時間)逆回転させ防塵ネット16の内側から外側に風を送り、防塵ネット16の外側に付着している塵埃類を除去する除塵モードを実行し、以後これを交互に繰り返すようにする。
【0043】
前記構成によると、刈取・脱穀クラッチの入り作業時にのみ冷却ファン12を所定時間毎に正回転、逆回転を繰り返し、防塵ネット16への塵埃類の付着を防止しながら作業をすることができる。また、コンバインの移動走行時の刈取・脱穀クラッチ切りの非作業状態時には、冷却ファン12を常時正回転をさせてラジエータ13を冷却し、冷却効率の低下を防止することができる。
【0044】
エンジンEの駆動時には冷却ファン12を所定時間毎に正回転と逆回転を繰り返す構成であると、防塵ネット16に塵埃類の付着しない非作業時の路上走行時にも冷却ファン12が正回転と逆回転とを繰り返すことになる。しかし、前記構成によると、防塵ネット16の外側面に塵埃類の付着する作業時にのみ、冷却ファン12が正回転と逆回転とを繰り返すこととなり、エンジンEの冷却効果の低下を防止しながら、防塵ネット16の塵埃類を確実に除去することができる。
【0045】
なお、冷却ファンモータ25で駆動する冷却ファン12と防塵ファンモータ18で駆動する防塵ファン17を併用する構成にあっては、冷却ファン12の前記逆回転制御に代えて、冷却ファン12の回転を停止し、防塵ファン17を回転させる。
【0046】
次に、冷却ファン12及び防塵ファン17の駆動制御の他の実施例について説明する。
刈取搬送部8が所定高さに上昇すると、脱穀部6のフィードチェン38の駆動を停止する刈取上昇時フィードチェン38停止機能を備えたコンバインにおいて、刈取・脱穀クラッチレバーの切り、及び(または)、刈取・脱穀クラッチレバーの入りで、且つ、前記刈取上昇時フィードチェン38停止機能が作動している状態でフィードチェン38が駆動している場合には、冷却ファン12を常時正回転しエンジンEを冷却する。
【0047】
また、刈取・脱穀クラッチレバーの入りで、且つ、前記刈取上昇時フィードチェン38停止機能が作動している状態でフィードチェン38が停止した場合に、冷却ファンモータ25を所定時間正回転してエンジンEを冷却し、次いで、所定時間逆回転し防塵ネット16の塵埃を除去するようにし、以後これを繰り返すようにする。
【0048】
エンジンEの駆動時に冷却ファンモータ25が正回転と逆回転とを繰り返す構成であると、防塵ネット16に塵埃類の付着しない路上走行時にも冷却ファンモータ25が正回転と逆回転とを繰り返すこととなる。しかし、前記構成によると、防塵ネット16の外側面に塵埃類の付着する刈取作業時にのみ、冷却ファンモータ25の正回転駆動と逆回転を繰り返すので、エンジンEの冷却効果の低下を防止しながら、防塵ネット16の塵埃類を確実に除去し、エンジンEのオーバーヒートを防止し、連続作業性能の向上を図ることができる。
【0049】
なお、冷却ファンモータ25で駆動する冷却ファン12と防塵ファンモータ18で駆動する防塵ファン17を併用する構成にあっては、冷却ファン12の前記所定時間の逆回転制御に代えて、冷却ファン12の回転を停止し、防塵ファン17を回転させる。
【0050】
また、前記制御において、冷却ファンモータ25の逆回転時間を調節設定する逆転駆動時間設定手段を設け、冷却ファンモータ25の逆転駆動時間を長短に調節変更するようにしてもよい。このように構成すると、刈取・脱穀クラッチレバーの入りで、且つ、刈取上昇時フィードチェン38停止機能が作動している状態でフィードチェン38が停止した場合において、冷却ファンモータ25を逆回転するにあたり、防塵ネット16の外側面に付着している塵埃類の多少に対応して冷却ファンモータ25の逆転駆動時間を長短に適正化し、エンジンEの冷却効率を高めながら防塵ネット16の塵埃類を確実に除去することができる。
【0051】
また、複数の防塵ファン17,…を配設し、ラジエータ13の水温を水温センサ34により検出し、コントローラ35の制御指令により、水温の低い場合には、単一の防塵ファン17を回転駆動し、水温の上昇検出に応じて2個の防塵ファン17,…を回転するようにしてもよい。このようにすると、防塵ファン17,…駆動用の防塵ファンモータ18、18の消費電力を節減しながら、防塵ネット16の塵埃類を効率的に除去し、エンジンEのオーバーヒートを確実に防止することができる。
【0052】
次に、図9に基づき他の実施例について説明する。
エンジンEのファン軸21にベアリング12aを介して冷却ファン12を設け、ファン軸21における冷却ファン12の外側にベアリング17aを介して防塵ファン17を設けている。これら冷却ファン12と防塵ファン17との間にファンクラッチ22を設け、クラッチ操作手段23を介してファンクラッチ22を入切操作し、冷却ファン12と防塵ファン17を択一的に駆動するように構成している。
【0053】
また、エンジンEの動力を静油圧式走行無段変速装置(図示省略)及びギヤ式の副変速装置(図示省略)を経由してクローラ走行装置3,3に伝達している。前記静油圧式無段変速装置のトラニオン軸を変速レバー30により操作可能に構成するとともに、トラニオン軸の変速位置を検出する主変速切換検出手段(図示省略)を設けている。
【0054】
そして、主変速切換検出手段が後進駆動を検出したときには、コントローラ(図示省略)から制御指令を出力し、前記クラッチ操作手段23作動用の駆動手段を介してファンクラッチ22を切換作動し、冷却ファン12の伝達を切り防塵ファン17を駆動し、防塵ネット16の外側面に付着している塵埃類を除去するようにしている。
【0055】
前記構成によると、コンバイン1の後進走行時の非作業時に防塵ファン17を駆動し、防塵ネット16の外側面に付着している塵埃類を除去し、エンジンEのオーバーヒートを防止することができ、連続作業性能の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0056】
2 走行装置
3 クローラ走行装置
4 操縦部
5 脱穀部
6 グレンタンク
8 刈取搬送部
12 冷却ファン
13 ラジエータ
16 防塵ネット
17 防塵ファン
18 防塵ファンモータ
21 ファン軸
22 ファンクラッチ
25 冷却ファンモータ
E エンジン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(3)と、刈取搬送部(8)と、脱穀部(5)と、これらを駆動するエンジン(E)とを備え、前記エンジン(E)の外側方に防塵ネット(16)を配置し、該防塵ネット(16)とエンジン(E)の間にラジエータ(13)を配置し、該ラジエータ(13)とエンジン(E)の間に冷却ファンモータ(25)で駆動される冷却ファン(12)を配置し、前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態では、前記冷却ファン(12)を防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく所定の冷却基準回転速度で駆動し、刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の非駆動状態では、前記冷却ファン(12)を、防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく、前記冷却基準回転速度よりも低速の回転速度範囲内で、エンジン(E)の回転速度に応じて変速駆動するコントローラ(35)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態では、前記冷却ファン(12)を防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく所定の冷却基準回転速度で駆動する冷却モードを第一所定時間に亘って実行した後、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風する除塵モードを第二所定時間に亘って実行し、以後、該冷却モードと除塵モードとを交互に繰り返す構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態を検出してから所定時間の間、前記冷却ファン(12)を、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風するべく駆動する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記走行装置(3)の駆動速度を無段階に変速操作する変速レバー(30)を設け、前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)が駆動状態であり、且つ、変速レバー(30)が後進操作位置にあるときに、前記冷却ファン(12)を、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風するべく駆動する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のコンバイン。
【請求項5】
前記刈取搬送部(8)を非刈取作業高さまで上昇させると、該刈取搬送部(8)及びフィードチェン(38)の駆動が停止すると共に、前記冷却ファンモータ(25)が、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風するように駆動される構成としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項1】
走行装置(3)と、刈取搬送部(8)と、脱穀部(5)と、これらを駆動するエンジン(E)とを備え、前記エンジン(E)の外側方に防塵ネット(16)を配置し、該防塵ネット(16)とエンジン(E)の間にラジエータ(13)を配置し、該ラジエータ(13)とエンジン(E)の間に冷却ファンモータ(25)で駆動される冷却ファン(12)を配置し、前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態では、前記冷却ファン(12)を防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく所定の冷却基準回転速度で駆動し、刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の非駆動状態では、前記冷却ファン(12)を、防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく、前記冷却基準回転速度よりも低速の回転速度範囲内で、エンジン(E)の回転速度に応じて変速駆動するコントローラ(35)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態では、前記冷却ファン(12)を防塵ネット(16)の内側へ外気を吸入するべく所定の冷却基準回転速度で駆動する冷却モードを第一所定時間に亘って実行した後、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風する除塵モードを第二所定時間に亘って実行し、以後、該冷却モードと除塵モードとを交互に繰り返す構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)の駆動状態を検出してから所定時間の間、前記冷却ファン(12)を、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風するべく駆動する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記走行装置(3)の駆動速度を無段階に変速操作する変速レバー(30)を設け、前記刈取搬送部(8)及び脱穀部(5)が駆動状態であり、且つ、変速レバー(30)が後進操作位置にあるときに、前記冷却ファン(12)を、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風するべく駆動する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のコンバイン。
【請求項5】
前記刈取搬送部(8)を非刈取作業高さまで上昇させると、該刈取搬送部(8)及びフィードチェン(38)の駆動が停止すると共に、前記冷却ファンモータ(25)が、防塵ネット(16)の内側から外側へ送風するように駆動される構成としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−70669(P2012−70669A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218069(P2010−218069)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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