説明

コンバイン

【課題】コンバインで手扱ぎ作業を行う際の安全性を向上させること。
【解決手段】コンバイン1は、回転して脱穀する扱胴5Rを有する扱室5Iと、扱胴5Rの回転中心軸と交差する方向の一方に配置されて、刈取装置7が刈り取った穀稈を搬送するフィードチェン13と、穀稈にフィードチェン13へ向かう力を付与するとともに、刈取装置7側におけるフィードチェン13の端部13Tよりも刈取装置7側に一端部が延出する挟扼杵11と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインは、走行装置と、刈取装置と脱穀装置とを備えており、走行しながら刈取り及び脱穀を行う。コンバインは、刈取装置が刈り取った穀稈を、フィードチェンを用いて脱穀装置へ搬送する(例えば、特許文献1、2)。また、コンバインを停止させた状態で、作業者がフィードチェンを介して穀稈を脱穀装置に供給して脱穀を行う、いわゆる手扱ぎを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−57504号公報
【特許文献2】特開2005−73601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
手扱ぎ作業時においては、安全性を向上させることが求められている。本発明は、コンバインで手扱ぎ作業を行う際の安全性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、穀稈を脱穀する扱胴(5R)を有する扱室(5I)と、該扱室(5I)の一側に配置されて、刈取装置(7)で刈り取られた穀稈を引継いで搬送するフィードチェン(13)と、前記フィードチェン(13)側へ向けて付勢され、該フィードチェン(13)における前記刈取装置(7)側の端部よりも刈取装置(7)側に一端部が延出された挟扼杵(11)と、を備えたコンバイン(1)である。
【0006】
本発明において、前記刈取装置(7)で刈り取られた穀稈を前記フィードチェン(12)側へ搬送する引継ぎチェン(14)及び補助搬送チェン(15)を備え、前記フィードチェン(13)における前記刈取装置(7)側の一部と、前記引継ぎチェン(14)の前記穀稈の搬送方向下流側における一部とを対向させ、前記補助搬送チェン(15)における前記刈取装置(7)側の一部を前記引継ぎチェン(14)における前記搬送方向下流側の一部と側面視において重ね合わせ、かつ、前記補助搬送チェン(15)における前記搬送方向下流側の一部を前記フィードチェン(13)における前記刈取装置(7)側の一部と側面視において重ね合わせたことが好ましい。
【0007】
本発明において、前記引継ぎチェン(14)及び前記補助搬送チェン(15)を、駆動状態と非駆動状態とに切り替えるクラッチ(82)を有したことが好ましい。
【0008】
本発明において、前記刈取装置(7)は、エンジン(20)からの動力を機体の走行速度に応じて変速する変速装置(21)からの動力によって駆動され、前記扱胴(5I)は、前記エンジン(29)から前記変速装置(21)を介さずに伝達される動力で駆動され、前記引継ぎチェン(14)及び前記補助搬送チェン(15)は、前記刈取装置(7)側からの動力と、脱穀装置(5)側からの動力とのいずれか一方によって駆動される構成とし、前記クラッチ(82)を、前記脱穀装置(5)と前記引継ぎチェン(14)及び前記補助搬送チェン(15)との間の動力伝達経路に配置したことが好ましい。
【0009】
本発明において、前記脱穀装置(5)の外側に、前記クラッチ(82)を動作させるペダル(16P)を有し、該ペダル(16P)を下方に操作することによって、前記クラッチ(82)を接続する構成としたことが好ましい。
【0010】
本発明において、前記ペダル(16P)を機体外側部よりも内側に格納可能な構成としたことが好ましい。
【0011】
本発明において、前記ペダル(16P)を、前記引継ぎチェン(14)よりも搬送方向下流側に配置したことが好ましい。
【0012】
本発明において、前記ペダル(16P)を下方に操作することによって、前記引継ぎチェン(14)及び前記補助搬送チェン(15)における刈取装置(7)側の部位が上昇する構成としたことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、コンバインで手扱ぎ作業を行う際の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本実施形態に係る脱穀装置を備えたコンバインを示す側面図である。
【図2−1】図2−1は、本実施形態に係るコンバインの内部構造を示す図である。
【図2−2】図2−2は、本実施形態に係るコンバインの内部構造を示す図である。
【図3】図3は、本実施形態に係るコンバインの内部構造を示す平面図である。
【図4】図4は、本実施形態に係るコンバインが有するフィードチェン、引継ぎチェン及び補助搬送チェンを示す図である。
【図5】図5は、本実施形態に係るコンバインが有するフィードチェン、引継ぎチェン及び補助搬送チェンを示す図である。
【図6】図6は、本実施形態のコンバインの内部構造を示す図である。
【図7】図7は本実施形態に係るコンバインの動力伝達経路を示す模式図である。
【図8】図8は、クラッチを示す図である。
【図9】図9は、引継ぎチェン及び補助搬送チェンの動作機構を示す図である。
【図10】図10は、引継ぎチェン及び補助搬送チェンの動作機構を示す図である。
【図11】図11は、引継ぎチェンの速度とコンバインの走行速度との関係を示す図である。
【図12】図12は、手扱ぎ時における、引継ぎチェン及び補助搬送チェンの姿勢変化、駆動開始のタイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。以下において、下とは鉛直方向(重力が作用する方向)側であり、上とは鉛直方向反対側(重力が作用する方向とは反対方向)側である。また、図中の符号Aはコンバインの前を、符号Bは後を、Lは左を、Rは右を示す。
【0016】
図1に示すように、コンバイン1は、車体に刈取装置7が取り付けられている。車体には、機体フレーム2に走行装置3及び脱穀装置5等が取り付けられている。走行装置3は、コンバイン1に搭載される内燃機関等の動力発生源からの動力を、左右一対の履帯4に伝えてコンバイン1を走行させる。コンバイン1の前方側、すなわち、運転席6Sから操作装置6Cに向かう方向側に、刈取装置7が取り付けられている。以下において、左右はコンバイン1の前方に対しての左右である。すなわち、「右」とは、コンバイン1の前方に向かって右であり、「左」とは、コンバイン1の前方に向かって左である。
【0017】
脱穀装置5の側部、より具体的には右側部には、脱穀装置5が脱穀した穀粒を一時的に貯蔵するためのグレンタンク8が配置されている。グレンタンク8の後方側には、穀粒排出装置が設けられている。コンバイン1の後方側は、操作装置6Cから運転席6Sに向かう方向側である。穀粒排出装置は、筒体の内部に螺旋軸を有した装置である。前記螺旋軸は、自身が回転することによって、グレンタンク8内の穀粒を搬送し、グレンタンク8の外部へ排出させる。コンバイン1は、制御装置9を有する。制御装置9は、例えば、マイクロコンピュータである。制御装置9は、例えば、操作装置6Cからの入力にしたがって、内燃機関、走行装置3、脱穀装置5及び刈取装置7を制御する。
【0018】
図1、図2−1、図2−2に示す脱穀装置5は、刈取装置7が刈り取った穀稈から穀粒を切離し、藁等の夾雑物と穀粒とを分離する装置である。図2−1、図2−2、図3に示すように、脱穀装置5の扱胴5Rは、扱室5I内に格納される。扱胴5Rは、コンバイン1に搭載される動力発生源からの動力によって扱室5I内で回転する。扱胴5Rは、扱室5I内に搬送されてきた穀稈を回転しながら脱粒する。
【0019】
脱穀装置5は、選別部5Sを有している。選別部5Sは、扱胴5Rの下方に配置されており、扱胴5Rで脱粒された穀粒を含む被処理物から夾雑物を除去して、穀粒を回収する。被処理物とは、脱穀装置5の扱胴5Rが穀稈から脱粒したものである。脱穀装置5を通過し、穀粒が扱ぎ取られた穀稈(排藁)は、穀稈搬送装置10の後方側に配置された排藁搬送装置によって、コンバイン1の後方側に配置されている排藁切断装置へ搬送される。排藁切断装置は、排藁搬送装置投入された排藁を切断し、例えば、圃場に放出する。
【0020】
脱穀装置5へ穀稈を供給する穀稈搬送装置10は、図1に示すグレンタンク8が配置されている側とは反対側、すなわち、車体1Bの左側部に配置されている。穀稈搬送装置10は、挟扼杆11とフィードチェン13と、引継ぎチェン14と、補助搬送チェン15とを含む。穀稈搬送装置10は、刈取装置7が刈り取った穀稈を引継ぎチェン14と補助搬送チェン15とが挟扼杆11とフィードチェン13との間に送り込む。フィードチェン13は、扱胴5Rの回転中心軸Zと交差する方向、かつ扱室5Iの一側、より具体的には扱室5Iの左側部5CL(図3参照)に配置される。挟扼杆12は、押圧部材としてのコイルスプリング12によって、フィードチェン13側へ向けて付勢される。このような構造により、挟扼杵12は、穀稈にフィードチェン13へ向かう力を付与する。このため、挟扼杆11とフィードチェン13との間に送り込まれた穀稈は、挟扼杆11とフィードチェン13とに挟み込まれ、フィードチェン13によって脱穀装置5に搬送される。
【0021】
本実施形態において、図2−1、図2−2に示すように、挟扼杆11は、刈取装置7側におけるフィードチェン13の端部13Tよりも刈取装置7側に一端部11Tが延出する。一端部11Tは、刈取装置7側における挟扼杆11の端部である。このようにすることで、手扱ぎ時においては、挟扼杆11がフィードチェン13を覆うことになる。その結果、挟扼杆11とフィードチェン13との間に穀稈以外の異物が挟み込まれるおそれを極めて低くして、手扱ぎ時の安全性を極めて向上させることができる。
【0022】
コンバイン1は、走行中に刈取装置7が刈り取った穀稈を脱穀装置5で処理する方法の他、作業者が刈り取られた穀稈をフィードチェン13によって脱穀装置5へ供給して処理する方法もある。後者を手扱ぎという。手扱ぎ時において、コンバイン1は停止している。この状態で、作業者は、刈り取られた穀稈を引継ぎチェン14の上に乗せる。すると、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15は、穀稈をフィードチェン13側に搬送する。より具体的には、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15は、穀稈を挟扼杆11とフィードチェン13との間に移動させる。このようにすることで、作業者は、より確実に穀稈を脱穀装置5へ送り込むことができる。
【0023】
引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15は、姿勢変更部材42によって姿勢が変更される。コンバイン1の走行中に、刈取装置7が刈り取った穀稈を脱穀装置5で処理する場合、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15は、図2−2に示すDPの位置になる。すなわち、引継ぎチェン14の前側(刈取装置7側)は、補助搬送チェン15の後側(フィードチェン13側であり、穀稈の搬送方向下流側)よりも下に位置する。DPの位置を、走行時位置という。穀稈の搬送方向は、図2−1、図3の矢印Mで示す方向である。以下、必要に応じて穀稈搬送方向Mという。穀稈搬送方向Mは、図1から図3に示すコンバイン1の前Aから後Bに向かう方向であり、下流側は、コンバイン1の後B側である。
【0024】
手扱ぎ時において、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15は、図2−2に示すMPの位置になる。すなわち、引継ぎチェン14の前側(刈取装置7側)は、補助搬送チェン15の後側(フィードチェン13側であり、穀稈搬送方向Mの下流側)よりも上に位置する。MPの位置を、手扱ぎ時位置という。このように、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15における刈取装置7側の部位が上昇することで、手扱ぎ時において、作業者は、穀稈を挟扼杆11とフィードチェン13との間に供給する作業がしやすくなる。
【0025】
コンバイン1で手扱ぎを行う場合、作業者は、コンバイン1が静止した状態で、扱ぎ作業切替装置16が有するペダル16Pを踏み込む。すると、これらの位置が手扱ぎ位置MPに変更される。その後、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15が動作を開始する。このように、ペダル16Pが踏み込まれることにより、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15が動作を開始するので、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の無用な動作が回避されて、安全性が向上する。また、ペダル16Pの踏み込みを解除すれば、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の動作は停止するので、これらを緊急に停止させたい場合には、容易にこれらを停止させることができるので、安全性が向上する。引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15は、フィードチェン13と比較して全体の質量は小さい。このため、ペダル16Pの踏み込みを解除してから引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15が停止するまでの時間を短くすることができるので、安全性が向上する。また、上述したように、挟扼杆11は、刈取装置7側におけるフィードチェン13の端部13Tよりも刈取装置7側に一端部11Tが延出しているので、フィードチェン13への異物の巻き込みを回避することができる。このような作用、効果により、コンバイン1は、安全性がさらに向上する。さらに、作業者がペダル16Pを踏み込むことにより、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の動作に連動して両者の位置が手扱ぎ位置MPに変更されるので、作業性が向上する。
【0026】
次に、図4、図5を用いて、フィードチェン13、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の配置について説明する。引継ぎチェン14は、フィードチェン13に刈取装置7が刈り取った穀稈を引き継がせる。補助搬送チェン15は、引継ぎフィードチェン13とフィードチェン13との間に配置される。本実施形態において、フィードチェン13の刈取装置7側における一部と、引継ぎフィードチェン13の穀稈搬送方向Mの下流側における一部とが対向している。本実施形態において、フィードチェン13の刈取装置7側における一部はフィードチェン13の端部13Tであり、引継ぎチェン14の穀稈搬送方向Mの下流側における一部は、引継ぎチェン14の穀稈搬送方向Mの下流側における端部14Tである。
【0027】
本実施形態において、図4、図5に示すように、補助搬送チェン15の刈取装置7側における一部は、引継ぎチェン14の穀稈搬送方向Mの下流側における一部と側面視において重ね合わせられる。かつ、補助搬送チェン15の穀稈搬送方向Mの下流側における一部は、フィードチェン13の刈取装置7側における一部と側面視において重ね合わせられる。側面視とは、図2−1、図3に示すコンバイン1の車体1Bの左側方から見た状態をいう。すなわち、側面視とは、コンバイン1の前後方向(前Aから後Bに向かう方向)及び上下方向と直交する方向から見た状態をいう。図5に示すように、補助搬送チェン15は、引継ぎチェン14及びフィードチェン13との間に、所定の間隔を有して配置される。
【0028】
引継ぎチェン14とフィードチェン13との間には、両者が干渉しないように隙間を設ける。このため、引継ぎチェン14から送られる穀稈は、前記隙間に入り込むおそれがある。本実施形態では、引継ぎチェン14とフィードチェン13との間に補助搬送チェン15を配置する。補助搬送チェン15は、引継ぎチェン14とフィードチェン13との間の隙間に穀稈が入り込むおそれを低減する。その結果、引継ぎチェン14の端部14T側における回転体に穀稈が巻き付くおそれを低減できる。また、安全性も向上する。
【0029】
補助搬送チェン15は、引継ぎチェン14及びフィードチェン13よりも右側、すなわち図2−1、図3に示すコンバインの車体1B側に配置される。また、引継ぎチェン14とフィードチェン13とは略同一直線上に、好ましくは同一直線上に配置される。このような構造により、手扱ぎ時の安全性を向上させることができる。
【0030】
次に、図6を用いて、扱ぎ作業切替装置16及びペダル16Pの動作を説明する。扱ぎ作業切替装置16は、コンバイン1の車体1Bが有する機体フレーム2の左L側、すなわち、コンバイン1の車体1Bの左L側に取り付けられる。扱ぎ作業切替装置16は、棒状の第1アーム16Aと、同じく棒状の第2アーム16Bとがそれぞれの一端部でピン16Cによりピン結合されている。このような構造により、第1アーム16Aと第2アーム16Bとは、ピン16Cの中心軸Zbを中心として互いに回動することができる。
【0031】
第1アーム16Aの他端部は、機体フレーム2にピン結合されている。このような構造により、第1アーム16Aは、軸Zaを中心として回動することができる(図6の矢印DAで示す方向の力)。ペダル16Pは、第2アーム16Bの他端部に取り付けられている。第2アーム16Bは、ピン16Cの中心軸Zbを中心として回動するので、ペダル16Pもピン16Cの中心軸Zcを中心として回動する。中心軸Zcは、穀稈搬送方向M(図2−1、図3等参照)、すなわちコンバイン1の前後方向と略平行なので、ペダル16Pは、コンバイン1の前後方向に対して略直交する方向に張り出すことになる。
【0032】
第2アーム16Bと一端部と他端部との間及び第1アーム16Aの一端部と他端部との間は、第1コイルスプリング16Saが連結する。第1コイルスプリング16Saは、第2アーム16Bが第1アーム16Aに接近する力を付与する。このため、ペダル16Pは、作業者MOによって第2アーム16Bが第1アーム16Aから離れるような力(下向きの力であり、図6の矢印DAで示す方向の力)が付与されると、前記力に反発する力が発生する。
【0033】
扱ぎ作業切替装置16のペダル16Pは、扱室5I内に扱胴5Rを有する脱穀装置5の外側、より具体的には下方であって、車体1Bの左L側に配置される。また、図2−1、図3に示すように、ペダル16Pは、図2−1、図3に示すように、引継ぎチェン14よりも穀稈搬送方向Mの下流側、すなわち、コンバイン1の後B側に配置される。手扱ぎ作業時には、作業者MOは、引継ぎチェン14の上に穀稈を載せるので、作業者MOの足(例えば、右足)によるペダル16Pの操作がしやすくなる。
【0034】
扱ぎ作業切替装置16が車体1Bの左L側に取り付けられる。このようにすることで、手扱ぎ時において、作業者MOは、車体1Bの左L側に立ってフィードチェン13に対面して穀稈を供給する姿勢で、扱ぎ作業切替装置16のペダル16Pを容易に操作することができる。
【0035】
手扱ぎをしない場合、扱ぎ作業切替装置16、より具体的には、扱ぎ作業切替装置16の少なくともペダル16Pは、コンバイン1の内部、すなわち、コンバイン1が有する車体1Bの内部(車体内部)1Bに格納されている。このように、ペダル16Pを機体(車体1B)外側部よりも内側に格納可能な構成とすることで、また、コンバイン1の外への扱ぎ作業切替装置16の張り出しを最小限に抑制することができる。その結果、コンバイン1が走行しながら図2−1、図3に示す刈取装置7が刈り取った穀稈を脱穀装置5が脱穀する場合、扱ぎ作業切替装置16が作物等に干渉するおそれを低減できる。
【0036】
第1アーム16Aと車体1Bの機体フレーム2とは、第2コイルスプリング16Sbで連結されている。第2コイルスプリング16Sbは、第1アーム16Aと機体フレーム2とを互いに接近させる力を発生する。このようにすることで、扱ぎ作業切替装置16を車体内部1BIに格納したときには、第2コイルスプリング16Sbによって扱ぎ作業切替装置16が車体内部1BI側に引っ張られるので、確実に扱ぎ作業切替装置16を車体内部1BIに格納することができる。また、扱ぎ作業切替装置16を車体内部1BIから引き出したときには、第2コイルスプリング16Sbによって扱ぎ作業切替装置16が車体内部1BI側に引っ張られて車体1Bに固定されるので、扱ぎ作業切替装置16の姿勢が安定する。
【0037】
手扱ぎ作業時には、扱ぎ作業切替装置16の少なくともペダル16Pが車体内部1BIから引き出されて、脱穀装置5の外側、より具体的には、脱穀装置5の外側であって車体1Bの左側部に配置される。挟扼杆11、コイルスプリング12及びフィードチェン13を含む穀稈搬送装置10は、車体1Bの左側面に配置されている。また、手扱ぎ作業時には、作業者MOが扱ぎ作業切替装置16のペダル16Pを踏み込む必要がある。このため、扱ぎ作業切替装置16を車体1Bの左側部に配置することにより、作業者MOは、扱ぎ作業を容易に行うことができる。また、手扱ぎ作業時に、ペダル16Pが車体1Bから張り出すので、車体1Bの左側で扱ぎ作業を行う作業者MOは、ペダル16Pを操作しやすくなる。
【0038】
次に、図7、図8を用いて、コンバイン1の動力伝達経路を説明する。本実施形態において、コンバイン1の動力発生源は内燃機関(EG)20である。内燃機関20の種類は問わない。コンバイン1は、変速装置(変速比変更装置)としての静油圧式無段変速機(HST:Hydraulic Static Transmission、以下HSTともいう)21と、減速装置(GB)22とを備えている。変速比変更装置の種類は静油圧式無段変速機に限定されるものではない。内燃機関20の動力は、HST21に伝達された後、減速装置22によって減速され、トルクが増大されて、走行装置3へ伝達される。
【0039】
内燃機関20の出力軸20Sには、内燃機関第1出力プーリ20PAと、内燃機関第2出力プーリ20PBとが取り付けられている。HST21の入力軸21Sには、無段変速機入力プーリ21Pが取り付けられている。内燃機関第1出力プーリ20PAと無段変速機入力プーリ21Pとには、第1伝達ベルト20Bが掛け回されている。第1伝達ベルト20Bは無端のベルトである。このような構造により、内燃機関20が発生した動力は、HST21に伝達される。HST21からの出力は、減速装置22に入力される。
【0040】
減速装置22の出力軸25には、減速装置出力プーリ26が取り付けられている。減速装置22は、ドライブシャフト23L、23Rを有している。ドライブシャフト23L、23Rは、駆動輪24L、24Rをそれぞれ回転させる。駆動輪24L、24Rは、図1に示す走行装置3が有する一対の履帯4を駆動する。このように、内燃機関20が発生した動力は、HST21及び減速装置22を介して駆動輪24L、24Rへ伝達され、走行装置3の履帯4を駆動してコンバイン1を走行させる。
【0041】
減速装置22の出力軸25からは、図1、図2−1に示す刈取装置7を駆動するための動力が出力される。減速装置22の出力軸25に取り付けられている減速装置出力プーリ26と、刈取装置7へ動力を伝達するための刈取装置用プーリ27とには、第2伝達ベルト28が掛け回されている。第2伝達ベルト28は無端のベルトである。このような構造により、内燃機関20が発生した動力は、HST21と減速装置22と第2伝達ベルト28とを介して、刈取装置用プーリ27に伝達される。減速装置出力プーリ26と、刈取装置用プーリ27との間には、刈取装置駆動用クラッチ80が設けられている。刈取装置駆動用クラッチ80を係合(接続)させると、減速装置出力プーリ26と刈取装置用プーリ27との間で動力が伝達され、刈取装置駆動用クラッチ80を非係合(非接続)とすると、減速装置出力プーリ26と刈取装置用プーリ27との間における動力の伝達が遮断される。
【0042】
刈取装置用プーリ27は、第1伝達シャフト29を有する。第1伝達シャフト29には、第1傘歯車30と、穀稈搬送装置10へ動力を伝達するための出力プーリ44が取り付けられる。第1傘歯車30は、第2傘歯車31と噛み合っている。第2傘歯車31は、第2伝達シャフト32の一端部に連結されている。第2伝達シャフト32の他端には、第3傘歯車33が取り付けられている。第3傘歯車33は、第4傘歯車34と噛み合っている。第4傘歯車34は、刈取装置用出力シャフト35に取り付けられている。刈取装置用出力シャフト35は、刈取装置7を駆動する。このような構造により、刈取装置用プーリ27から入力された内燃機関20の動力は、第1伝達シャフト29、第1傘歯車30、第2傘歯車31、第2伝達シャフト32、第3傘歯車33、第4傘歯車34及び刈取装置用出力シャフト35に伝達されて、刈取装置7を駆動する。すなわち、刈取装置7は、エンジン20からの動力を機体(コンバイン1)の走行速度に応じて変速する変速装置としてのHST21からの動力によって駆動される。
【0043】
内燃機関第2出力プーリ20PBからは、脱穀装置5及び穀稈搬送装置10を駆動するための動力が出力される。より具体的には、内燃機関第2出力プーリ20PBからは、脱穀装置5の扱胴5R、穀稈搬送装置10が有するフィードチェン13、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15を駆動するための動力が出力される。このため、コンバイン1は、脱穀装置側動力伝達シャフト38を有する。脱穀装置側動力伝達シャフト38には、一端部側から順に、入力プーリ36と、第1出力プーリ39と、第2出力プーリ61とが取り付けられている。
【0044】
内燃機関第2出力プーリ20PBと入力プーリ36とには、第3伝達ベルト37が掛け回されている。第3伝達ベルト37は無端のベルトである。このような構造により、内燃機関20が発生した動力は、内燃機関第2出力プーリ20PBと第3伝達ベルト37と入力プーリ36とを介して、脱穀装置側動力伝達シャフト38に伝達される。
【0045】
内燃機関第2出力プーリ20PBと入力プーリ36との間には、脱穀装置用クラッチ81が設けられている。脱穀装置用クラッチ81を係合させると、内燃機関第2出力プーリ20PBと入力プーリ36との間で動力が伝達され、脱穀装置用クラッチ81を非係合とすると、内燃機関第2出力プーリ20PBと入力プーリ36との間における動力の伝達が遮断される。
【0046】
扱胴5Rは、第2出力プーリ61から伝達される動力で駆動される。このため、扱胴駆動用プーリ62と第2出力プーリ61とには、第4伝達ベルト63が掛け回されている。第4伝達ベルト63は無端のベルトである。扱胴駆動用プーリ62には、扱胴駆動シャフト64が取り付けられている。扱胴駆動シャフト64の他端部には、第5傘歯車65が取り付けられており、第5傘歯車65は、第6傘歯車66と噛み合っている。第6傘歯車66は、扱胴5Rに取り付けられている。このような構造により、脱穀装置側動力伝達シャフト38に伝達された内燃機関20の動力は、第2出力プーリ61、第4伝達ベルト63、扱胴駆動用プーリ62、扱胴駆動シャフト64、第5傘歯車65及び第6傘歯車66を介して扱胴5Rに伝達され、これを回転させる。このような構造により、扱胴5Rは、エンジン10からHST21を介さずに伝達される動力で駆動される。扱胴5Rは、コンバイン1の走行速度に関わらず一定の速度(回転速度)で駆動される。
【0047】
第1出力プーリ39からは、穀稈搬送装置10を駆動するための動力が取り出される。穀稈搬送装置10は、穀稈搬送装置用第1入力プーリ40と、穀稈搬送装置用第2入力プーリ43とから動力が伝達される。穀稈搬送装置用第1入力プーリ40は、内燃機関20からの動力が脱穀装置5側の動力伝達経路を通って伝達され、穀稈搬送装置用第2入力プーリ43は、HST21及び減速装置22を通過した内燃機関20からの動力が伝達される。穀稈搬送装置用第1入力プーリ40は、穀稈搬送装置用伝達シャフト41の一端部に取り付けられている。穀稈搬送装置用伝達シャフト41の他端部には、入力ギヤ47Iが取り付けられている。
【0048】
穀稈搬送装置用第2入力プーリ43は、第2ワンウェイクラッチ43Cを介して穀稈搬送装置用伝達シャフト41に取り付けられる。また、穀稈搬送装置用第1入力プーリ40は、第2ワンウェイクラッチ43Cを介して穀稈搬送装置用伝達シャフト41に取り付けられる。本実施形態において、第2ワンウェイクラッチ43Cは用いられなくてもよい。
【0049】
第1出力プーリ39と穀稈搬送装置用第1入力プーリ40とには、第5伝達ベルト67が掛け回されている。第5伝達ベルト67は無端のベルトである。第1出力プーリ39と穀稈搬送装置用第1入力プーリ40とには、穀稈搬送装置用クラッチ(クラッチ)82が設けられている。穀稈搬送装置用クラッチ82は、脱穀装置5と引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15との間の動力伝達経路に配置される。穀稈搬送装置用クラッチ82を係合させると、第1出力プーリ39と穀稈搬送装置用第1入力プーリ40との間で動力が伝達され、穀稈搬送装置用クラッチ82を非係合とすると、第1出力プーリ39と穀稈搬送装置用第1入力プーリ40との間における動力の伝達が遮断される。このようにして、穀稈搬送装置用クラッチ82は、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15を、駆動状態と非駆動状態とに切り替える。
【0050】
穀稈搬送装置用第2入力プーリ43と、第1伝達シャフト29に取り付けられている出力プーリ44とには、第6伝達ベルト68が掛け回されている。第6伝達ベルト68は無端のベルトである。出力プーリ44からの動力は、穀稈搬送装置用第2入力プーリ43及び第2ワンウェイクラッチ43Cを介して穀稈搬送装置用伝達シャフト41に伝達される。
【0051】
第5伝達ベルト67を介して第1出力プーリ39から穀稈搬送装置用第1入力プーリ40へ伝達された内燃機関20の動力は、第2ワンウェイクラッチ43C及び穀稈搬送装置用伝達シャフト41を介して入力ギヤ47Iに伝達される。また、第6伝達ベルト68を介して出力プーリ44から穀稈搬送装置用第2入力プーリ43へ伝達された内燃機関20の動力は、第2ワンウェイクラッチ43C及び穀稈搬送装置用伝達シャフト41を介して入力ギヤ47Iに伝達される。
【0052】
入力ギヤ47Iは、カウンタギヤ47Cと噛み合っている。カウンタギヤ47Cは、出力ギヤ47Oと噛み合っている。入力ギヤ47I、カウンタギヤ47C及び出力ギヤ47Oは、第1ギヤボックス45に格納されている。出力ギヤ47Oは、伝達シャフト50によって補助搬送チェン用スプロケット51と連結されている。補助搬送チェン用スプロケット51は、補助搬送チェン15と噛み合ってこれを駆動する。補助搬送チェン15は、補助搬送チェン用スプロケット51と、これに対向する位置にある補助搬送チェン用従動スプロケット52とに掛け回されている。
【0053】
補助搬送チェン用従動スプロケット52は、伝達シャフト52Sによって引継ぎチェン用スプロケット54と連結されている。引継ぎチェン用スプロケット54は、補助搬送チェン用スプロケット51、補助搬送チェン15及び補助搬送チェン用従動スプロケット52を介して内燃機関20の動力が伝達されて、駆動される。そして、引継ぎチェン用スプロケット54は、引継ぎチェン14と噛み合って、これを駆動する。引継ぎチェン14は、引継ぎチェン用スプロケット54と、これに対向する位置にある引継ぎチェン用従動スプロケット55とに掛け回されている。引継ぎチェン用スプロケット54と補助搬送チェン用従動スプロケット52とは、ピッチ円、モジュール及び歯数が同じなので、補助搬送チェン15及び引継ぎチェン14は同速で回転する。
【0054】
引継ぎチェン用従動スプロケット55は、支持シャフト55Sに取り付けられている。支持シャフト55Sと補助搬送チェン用従動スプロケット52に取り付けられている伝達シャフト52Sとは、姿勢変更部材42に支持されている。姿勢変更部材42が軸Zaの周りを揺動することにより、引継ぎチェン用従動スプロケット55、引継ぎチェン用スプロケット54及び補助搬送チェン用スプロケット51の姿勢が変化する。これにともなって、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の姿勢も変化する。
【0055】
脱穀装置側動力伝達シャフト38は、入力プーリ36が取り付けられている一端部とは反対側の他端部に、入力ギヤ48Iが取り付けられている。すなわち、内燃機関20の動力は、入力プーリ36及び脱穀装置側動力伝達シャフト38を介して入力ギヤ48Iへ伝達される。入力ギヤ48Iは、カウンタギヤ48Cと噛み合っている。カウンタギヤ48Cは、出力ギヤ48Oと噛み合っている。入力ギヤ48I、カウンタギヤ48C及び出力ギヤ48Oは、第2ギヤボックス46に格納されている。
【0056】
出力ギヤ48Oは、伝達シャフト58によってフィードチェン用スプロケット59と連結されている。フィードチェン用スプロケット59は、フィードチェン13と噛み合ってこれを駆動する。フィードチェン13は、補助搬送チェン用スプロケット51と、伝達シャフト58と直交する方向において、補助搬送チェン用スプロケット51の両側に配置される第1従動スプロケット56と、第2従動スプロケット60とに掛け回されている。
【0057】
次に、走行装置3、刈取装置7、脱穀装置5及び穀稈搬送装置10の駆動について説明する。コンバイン1が走行する場合、図1に示す制御装置9は、作業者が操作装置6Cに入力したコンバイン1を走行させる指令を操作装置6Cから取得する。そして、制御装置9は、前記指令に応じて内燃機関20が発生する動力を増減したり、HST20の変速比を変更したりして駆動輪24L、24Rを回転させ、走行装置3の履帯4を駆動してコンバイン1を走行させる。
【0058】
コンバイン1が走行しながら刈取装置7で穀物を刈り取る場合、刈取装置駆動用クラッチ80が係合して減速装置出力プーリ26と刈取装置用プーリ27との間で減速装置22から出力された動力が伝達される。その結果、上述したように、減速装置22から出力された動力は、第1伝達シャフト29から第2伝達シャフト32を経由して刈取装置用出力シャフト35に伝達して、図1、図2−1等に示す刈取装置7を駆動する。また、減速装置22から出力された動力は、第1伝達シャフト29から出力プーリ44、第6伝達ベルト68等を介して第1ギヤボックス45内の入力ギヤ47Iに伝達される。そして、減速装置22から出力された動力は、上述したように、補助搬送チェン用スプロケット51を回転させることにより、補助搬送チェン15及び引継ぎチェン14を駆動する。
【0059】
第2ワンウェイクラッチ43Cは、穀稈搬送装置用第2入力プーリ43が第1の方向に回転するときに係合し、第1の方向とは反対方向である第2の方向に回転するときに非係合となる。本実施形態において、第2ワンウェイクラッチ43Cは、穀稈搬送装置用第2入力プーリ43が、補助搬送チェン15の上側を穀稈搬送方向Mに向かって移動させるように回転(第1の方向に回転)するときに係合する。そして、第2ワンウェイクラッチ43Cは、穀稈搬送装置用第2入力プーリ43と穀稈搬送装置用伝達シャフト41との間で動力を伝達する。また、第2ワンウェイクラッチ43Cは、自身が静止、すなわち穀稈搬送装置用第2入力プーリ43が静止している状態で、かつ穀稈搬送装置用伝達シャフト41が補助搬送チェン15の上側を穀稈搬送方向Mに向かって移動させるように回転する場合は非係合となる。
【0060】
第2ワンウェイクラッチ43Cは、穀稈搬送装置用第2入力プーリ43が第1の方向に回転するときに係合し、第1の方向とは反対方向である第2の方向に回転するときに非係合となる。本実施形態において、第2ワンウェイクラッチ43Cは、穀稈搬送装置用第1入力プーリ40が、補助搬送チェン15の上側を穀稈搬送方向Mに向かって移動させるように回転(第1の方向に回転)するときに係合して、穀稈搬送装置用第1入力プーリ40と穀稈搬送装置用伝達シャフト41との間で動力を伝達する。
【0061】
手扱ぎ時において、刈取装置7側、すなわち、第1伝達シャフト29を介して刈取装置用プーリ27と連結される出力プーリ44からは、補助搬送チェン15及び引継ぎチェン14を駆動するための動力は伝達されないので、穀稈搬送装置用第2入力プーリ43は回転しない。手扱ぎ時においては、穀稈搬送装置用伝達シャフト41が補助搬送チェン15の上側を穀稈搬送方向Mに向かって移動させるように回転しているので、第2ワンウェイクラッチ43Cは非係合となる。したがって、手扱ぎ時には、穀稈搬送装置用第2入力プーリ43が回転しない状態であっても、穀稈搬送装置用伝達シャフト41は補助搬送チェン15及び引継ぎチェン14を駆動することができる。また、刈取装置7が駆動されている場合、穀稈搬送装置用第2入力プーリ43が補助搬送チェン15の上側を穀稈搬送方向Mに向かって移動させるように回転しているので、第2ワンウェイクラッチ43Cは係合される。したがって、刈取装置7が駆動している場合には、刈取装置7側から伝達される内燃機関20の動力によって、補助搬送チェン15及び引継ぎチェン14が駆動される。このように、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15は、刈取装置7側からの動力と、脱穀装置5側からの動力とのいずれか一方によって駆動される。
【0062】
コンバイン1は走行するが、刈取はしない場合、刈取装置駆動用クラッチ80が非係合となって減速装置出力プーリ26と刈取装置用プーリ27との間における動力の伝達が遮断される。このときには、補助搬送チェン15及び引継ぎチェン14も停止する。
【0063】
脱穀装置5が駆動する場合、脱穀装置用クラッチ81が係合して、内燃機関第2出力プーリ20PBと入力プーリ36との間で動力が伝達される。入力プーリ36に入力された内燃機関20の動力は、上述したように、脱穀装置側動力伝達シャフト38、第2出力プーリ61等を通って扱胴5Rに伝達され、これを回転させる。また、入力プーリ36に入力された内燃機関20の動力は、上述したように、脱穀装置側動力伝達シャフト38から第2ギヤボックス46内の入力ギヤ48Iを介してフィードチェン用スプロケット59に伝達された後、フィードチェン13を駆動する。
【0064】
コンバイン1の走行中に刈取装置駆動用クラッチ80及び脱穀装置用クラッチ81が係合すると、コンバイン1の走行中に刈取装置7が穀物を刈取り、穀稈搬送装置10は刈取装置7が刈り取った穀物の穀稈を脱穀装置5に搬送し、脱穀装置5は搬送された穀稈を脱穀する。コンバイン1が刈取り及び脱穀作業をする場合、制御装置9は、内燃機関20の回転速度を一定とし、コンバインの走行速度はHST21を制御して調整する。したがって、穀稈搬送装置10の速度、すなわち、補助搬送チェン15及び引継ぎチェン14の速度は、コンバイン1の走行速度に連動して変化する。一方、内燃機関20の回転速度は一定なので、脱穀装置5の扱胴5Rの回転速度は一定である。
【0065】
手扱ぎを行う場合、穀稈搬送装置用クラッチ82を係合させる。穀稈搬送装置用クラッチ82を係合させる場合、作業者は、ペダル16Pを下方に向かって操作、すなわち踏み込む(図7の矢印Fで示す方向)。すなわち、ペダル16Pが下方に向かって移動することによって、穀稈搬送装置用クラッチ82が係合する。そして、ペダル16Pが上方に向かって移動することによって、穀稈搬送装置用クラッチ82が非係合となる。手扱ぎ時において、コンバイン1は停止しているため、制御装置9は、減速装置22のドライブシャフト23L、23Rから内燃機関20の動力を出力させないようにHST21を制御する。この状態で、脱穀装置用クラッチ81が係合すると、内燃機関第2出力プーリ20PBと入力プーリ36との間で動力が伝達される。入力プーリ36から入力された内燃機関20の動力は、上述したように、扱胴5Rを回転させるとともに、フィードチェン13を駆動する。
【0066】
手扱ぎ時には、穀稈搬送装置用クラッチ82が係合されているので、第1出力プーリ39と穀稈搬送装置用第1入力プーリ40との間で動力が伝達される。すると、内燃機関20の動力は、穀稈搬送装置用第1入力プーリ40、第2ワンウェイクラッチ43C及び穀稈搬送装置用伝達シャフト41を介して第1ギヤボックス45の入力ギヤ47Iに入力され、補助搬送チェン用スプロケット51を回転させ、補助搬送チェン15及び引継ぎチェン14を駆動する。このようにして、手扱ぎ時において、内燃機関20は、穀稈搬送装置10と、脱穀装置5とを同時に駆動する。
【0067】
穀稈搬送装置用クラッチ82は、内燃機関20の動力伝達経路において、脱穀装置用クラッチ81よりも穀稈搬送装置10側に設けられる。脱穀装置用クラッチ81が係合していない場合、内燃機関20の動力を穀稈搬送装置10に伝達するための第1出力プーリ39に、内燃機関20の動力は伝達されない。このため、穀稈搬送装置用クラッチ82は、脱穀装置用クラッチ81が係合している場合のみ、穀稈搬送装置10に内燃機関20の動力を伝達することができる。その結果、手扱ぎ時においては、脱穀装置用クラッチ81を係合させない限り、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15は駆動されないので、安全性がさらに向上する。
【0068】
内燃機関20から第1出力プーリ39、穀稈搬送装置用第1入力プーリ40及び穀稈搬送装置用伝達シャフト41を経由する動力伝達経路は、変速比を変更する機構を有していない。同様に、内燃機関20から入力プーリ36を経由して扱胴5R及びフィードチェン用スプロケット59へ至る動力伝達経路も、変速比を変更する機構を有していない。このため、内燃機関20の回転速度が一定であれば、補助搬送チェン15、引継ぎチェン14及びフィードチェン13の速度も一定である。
【0069】
次に、扱ぎ作業切替装置16の構造について説明する。扱ぎ作業切替装置16は、ピン16Cの中心軸Zbを中心として第2アーム16Bが回動する。第2アーム16Bのピン16Cとは反対側の端部にペダル16Pが取り付けられている。第2アーム16Bは、ペダル16Pとピン16Cとの間に第1ワイヤ73を連結するための第1ワイヤ連結部71aを有している。第1ワイヤ連結部71aは、穀稈搬送装置用クラッチ82を操作するための第1ワイヤ73が連結されている。第1ワイヤ73は、第1ワイヤ連結部71aによって、扱ぎ作業切替装置16の第2アーム16Bと穀稈搬送装置用クラッチ82とを連結する。第1ワイヤ73は、途中にコイルスプリング72が設けられている。ペダル16Pを踏み込むと、第1ワイヤ73が引っ張られ(図7の矢印Lで示す方向)、コイルスプリング72も伸長して、穀稈搬送装置用クラッチ82を係合させる。コイルスプリング72が伸長することによって発生する弾性力を利用して、穀稈搬送装置用クラッチ82を係合させる。
【0070】
次に、穀稈搬送装置用クラッチ82の構造及び動作を説明する。図8に示すように、穀稈搬送装置用クラッチ82は、第1出力プーリ39と穀稈搬送装置用第1入力プーリ40とに掛け回された第5伝達ベルト67の張り具合を変更することにより、両者の間で動力を伝達又は遮断する。穀稈搬送装置用クラッチ82は、軸Zcを中心として揺動するアーム82Aと、軸Zcとは反対側の端部に回転できるように支持された張力調整ローラー82Rとを含む。アーム82Aは、張力調整ローラー82Rと軸Zcの間に第1ワイヤ73が連結されている。上述したように、第1ワイヤ73は、コイルスプリング72を介して扱ぎ作業切替装置16の第2アーム16Bに転結される。
【0071】
ペダル16Pを踏まない状態では、コイルスプリング72は自然長に縮んでいるとともに、第1ワイヤ73の張力も0になっている。このため、第5伝達ベルト67の張力も0になっている。したがって、第1出力プーリ39と穀稈搬送装置用第1入力プーリ40との間では、動力の伝達が遮断される(クラッチが非係合)。ペダル16Pを踏み込むと(図8の矢印Fで示す方向)、第1ワイヤ73に張力が発生して穀稈搬送装置用クラッチ82のアーム82Aが軸Zcを中心として揺動し、張力調整ローラー82Rが第5伝達ベルト67に押し付けられる。すると、第5伝達ベルト67が第1出力プーリ39と穀稈搬送装置用第1入力プーリ40との間で張られて、第5伝達ベルト67と第1出力プーリ39及び穀稈搬送装置用第1入力プーリ40との間に摩擦力が発生する。このような状態になると、第1出力プーリ39と穀稈搬送装置用第1入力プーリ40との間で第5伝達ベルト67が動力を伝達するようになる(クラッチの係合)。
【0072】
ペダル16Pを踏み込んでいくと、アーム82Aがそれ以上移動しなくなるが、このような状態になると、コイルスプリング72が伸長するので、ペダル16Pを最後まで踏むことができる。ペダル16Pが最後まで踏み込まれて、コイルスプリング72が一体の長さになると、第1ワイヤ73の張力は一定になるので、張力調整ローラー82Rが第5伝達ベルト67を押し付ける力も一定になる。また、扱ぎ作業切替装置16は、コイルスプリング72の弾性力を利用して張力調整ローラー82Rを第5伝達ベルト67に押し付けるので、作業者がペダル16Pを踏む力が緩んでも、コイルスプリング72の弾性力によって穀稈搬送装置用クラッチ82の係合が維持される。このため、手扱ぎ時においては、作業者がペダル16Pの操作負担を軽減できるので、その分穀稈を供給する作業に注意を払うことができ、安全性が向上する。
【0073】
穀稈搬送装置用クラッチ82の構造及び動作を説明したが、本実施形態においては、刈取装置駆動用クラッチ80及び脱穀装置用クラッチ81の構造及び動作も穀稈搬送装置用クラッチ82と同様である。上述したように、穀稈搬送装置用クラッチ82は、扱ぎ作業切替装置16のペダル16Pを作業者が操作することにより、作業者の力で動作するが、刈取装置駆動用クラッチ80及び脱穀装置用クラッチ81も作業者の力によって動作するようにしてもよい。また、穀稈搬送装置用クラッチ82、刈取装置駆動用クラッチ80及び脱穀装置用クラッチ81は、例えば、電動機又は油圧シリンダ等のアクチュエータで動作するようにしてもよい。この場合、作業者がクラッチ操作装置を介して入力したクラッチの操作指令を図1に示す制御装置9が取得する。そして、制御装置9は、クラッチの操作指令に基づきアクチュエータを駆動して、穀稈搬送装置用クラッチ82等を係合又は非係合とする。
【0074】
次に、図9を用いて、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の動作機構を説明する。上述したように、姿勢変更部材42は、引継ぎチェン用従動スプロケット55、引継ぎチェン用スプロケット54及び補助搬送チェン用スプロケット51を、軸受42Bb、42Ba、42Bcを介して支持している。姿勢変更部材42の一端部には、第2ワイヤ74を連結するためのワイヤ連結部材76が取り付けられている。
【0075】
姿勢変更部材42は、軸Zrを中心として揺動する。本実施形態において、軸Zrは、補助搬送チェン用スプロケット51の回転中心軸と一致している。姿勢変更部材42は、軸Zrの両側にそれぞれ延在している。ワイヤ連結部材76によって姿勢変更部材42の一端部に連結された第2ワイヤ74は、コイルスプリング75を介して、扱ぎ作業切替装置16の第2アーム16Bの第2ワイヤ連結部71bに連結される。
【0076】
手扱ぎ時に作業者がペダル16Pを踏み込むと(図9の矢印Fで示す方向)、第2ワイヤ74が引っ張られ(図7の矢印Lで示す方向)、コイルスプリング75も伸長して、姿勢変更部材42の一端部を引き下げる。すると、姿勢変更部材42は、軸Zrを中心として揺動し、ワイヤ連結部材76とは反対側、すなわち、引継ぎチェン用従動スプロケット55側が上昇する。これにともなって、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の姿勢も、引継ぎチェン用従動スプロケット55側が高くなり、補助搬送チェン用スプロケット51側が低くなる。このように、手扱ぎ時には、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の姿勢を、図2−1等に示す刈取装置7側が高くなるようにすることができる。
【0077】
また、図8、図9に示すように、扱ぎ作業切替装置16は、第2アーム16Bが、第1ワイヤ連結部71aと第2ワイヤ連結部71bとを有している。このため、ペダル16Pを踏み込むことにより、穀稈搬送装置用クラッチ82の係合と、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の姿勢変更とを同時に実現できる。さらに、扱ぎ作業切替装置16は、コイルスプリング75の弾性力を利用して姿勢変更部材42を揺動させるので、作業者がペダル16Pを踏む力が緩んでも、コイルスプリング75の弾性力によって、変更された引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の姿勢が維持される。このため、手扱ぎ時においては、作業者がペダル16Pの操作負担を軽減できるので、その分注意を払うことができ、安全性が向上する。
【0078】
次に、図11を用いて、引継ぎチェン14の速度とコンバイン1の走行速度との関係を説明する。図11のVsは、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の速度を示す。コンバイン1の走行中に刈取装置7が穀物を刈取り、脱穀装置5が脱穀する場合、引継ぎチェン14の速度Vsは、図11の直線Dのように、走行速度Vcとともに上昇する。このため、刈取装置7が穀物を刈り取る場合には、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15からフィードチェン13への穀稈の引継ぎが良好に行われる。手扱ぎ時における引継ぎチェン14の速度Vsmは、図11の直線MVで示すように一定である。このため、手扱ぎ時の安全性が向上する。
【0079】
脱穀装置5の扱胴5Rの回転速度とフィードチェン13、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の速度とは連動するので、脱穀能力を高くするために扱胴5Rの回転速度を高くすると、フィードチェン13、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の速度も高くなる。本実施形態では、手扱ぎ時において、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の速度は、フィードチェン13の速度よりも遅くする。このようにすることで、脱穀能力を高くしても引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の速度は大きく上昇しないので、手扱ぎ時の安全性が向上する。
【0080】
次に、図12を用いて、手扱ぎ時における、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の姿勢変化、駆動開始のタイミングを説明する。図12のPSは、扱ぎ作業切替装置16のペダル16Pの位置であり、Paは、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15が手扱ぎ時における姿勢、すなわち、刈取装置7側が高くなり、手扱ぎ時の姿勢に変更されたタイミングを示し、Pbは、穀稈搬送装置用クラッチ82が係合して引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15が駆動されるタイミングを示す。図12に示すように、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15が手扱ぎ時の姿勢に変更された後に、穀稈搬送装置用クラッチ82が係合して引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15が駆動されるようにすることが好ましい。このようにすれば、引継ぎチェン14及び補助搬送チェン15の移動中にこれらは駆動されないので、安全性が向上する。
【0081】
上記実施形態から、さらに、次の発明が把握される。この発明は、穀稈を脱穀する扱胴を有する扱室と、該扱室の一側に配置されて、刈取装置で刈り取られた穀稈を搬送するフィードチェンと、前記刈取装置で刈り取られた穀稈を前記フィードチェン側に搬送する引継ぎチェン及び補助搬送チェンを備え、前記フィードチェンにおける前記刈取装置側の一部と、前記引継ぎチェンにおける前記穀稈の搬送方向下流側の一部とを対向させ、前記補助搬送チェンにおける前記刈取装置側の一部を前記引継ぎチェンにおける前記搬送方向下流側の一部と側面視において重ね合わせ、かつ、前記補助搬送チェンにおける前記搬送方向下流側の一部を前記フィードチェンにおける前記刈取装置側の一部と側面視において重ね合わせ、前記引継ぎチェン及び補助搬送チェンを駆動状態と非駆動状態とに切り替えるクラッチを有することを特徴とするコンバインである。このコンバインは、引継ぎチェンとフィードチェンとの間に補助搬送チェンが配置される。このため、引継ぎチェンとフィードチェンとの間に穀稈が入り込んで引継ぎチェンの端部側における回転体に穀稈が巻き付くおそれを低減するとともに、上記クラッチを非駆動状態に切り替えることで安全性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 コンバイン
1B 車体
2 機体フレーム
3 走行装置
4 履帯
5 脱穀装置
5I 扱室
5R 扱胴
7 刈取装置
9 制御装置
10 穀稈搬送装置
11 挟扼杵
11T 一端部
13 フィードチェン
13T、14T 端部
14 引継ぎチェン
15 補助搬送チェン
16 扱ぎ作業切替装置
16P ペダル
20 内燃機関
21 静油圧式無段変速機(HST)
22 減速装置
41 穀稈搬送装置用伝達シャフト
42 姿勢変更部材
43C 第2ワンウェイクラッチ
51 補助搬送チェン用スプロケット
52 補助搬送チェン用従動スプロケット
54 引継ぎチェン用スプロケット
55 引継ぎチェン用従動スプロケット
56 第1従動従動スプロケット
59 フィードチェン用スプロケット
60第2従動スプロケット
80 刈取装置駆動用クラッチ
81 脱穀装置用クラッチ
82 穀稈搬送装置用クラッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀稈を脱穀する扱胴を有する扱室と、
該扱室の一側に配置されて、刈取装置で刈り取られた穀稈を引継いで搬送するフィードチェンと、
前記フィードチェン側へ向けて付勢され、該フィードチェンにおける前記刈取装置側の端部よりも刈取装置側に一端部が延出された挟扼杵と、
を備えたコンバイン。
【請求項2】
前記刈取装置で刈り取られた穀稈を前記フィードチェン側へ搬送する引継ぎチェン及び補助搬送チェンを備え、
前記フィードチェンにおける前記刈取装置側の一部と、前記引継ぎチェンの前記穀稈の搬送方向下流側における一部とを対向させ、
前記補助搬送チェンにおける前記刈取装置側の一部を前記引継ぎチェンにおける前記搬送方向下流側の一部と側面視において重ね合わせ、かつ、前記補助搬送チェンにおける前記搬送方向下流側の一部を前記フィードチェンにおける前記刈取装置側の一部と側面視において重ね合わせた請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記引継ぎチェン及び前記補助搬送チェンを、駆動状態と非駆動状態とに切り替えるクラッチを有した請求項2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記刈取装置は、エンジンからの動力を機体の走行速度に応じて変速する変速装置からの動力によって駆動され、
前記扱胴は、前記エンジンから前記変速装置を介さずに伝達される動力で駆動され、
前記引継ぎチェン及び前記補助搬送チェンは、前記刈取装置側からの動力と、脱穀装置側からの動力とのいずれか一方によって駆動される構成とし、
前記クラッチを、前記脱穀装置と前記引継ぎチェン及び前記補助搬送チェンとの間の動力伝達経路に配置した請求項3に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記脱穀装置の外側に、前記クラッチを動作させるペダルを有し、
該ペダルを下方に操作することによって、前記クラッチを接続する構成とした請求項3又は4に記載のコンバイン。
【請求項6】
前記ペダルを機体外側部よりも内側に格納可能な構成とした請求項5に記載のコンバイン。
【請求項7】
前記ペダルを、前記引継ぎチェンよりも搬送方向下流側に配置した請求項5又は6に記載のコンバイン。
【請求項8】
前記ペダルを下方に操作することによって、前記引継ぎチェン及び前記補助搬送チェンにおける刈取装置側の部位が上昇する構成とした請求項5から7のいずれか1項に記載のコンバイン。


【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−51884(P2013−51884A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189976(P2011−189976)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】