説明

コンビネーションメータ

【課題】複数の指針の移動範囲が左右非対称であったり、指針の移動範囲が左右対称であってもその移動方向が異なっていたとしても、そのバリエーションに応じて個別にスイープ動作の設定を可能とすることにより、ドライバーに与える違和感を低減し、かつ、斬新な演出ができるコンビネーションメータを提供する。
【解決手段】設定器を用いて、複数の指針22毎にスイープ動作を行わせるか否かの設定操作が行われる。指針22の動作を制御するマイコンは、複数の指針22のうち設定器によりスイープ動作を行わせると設定された例えば中央の指針22のみにスイープ動作を行い、設定器によりスイープ動作を行わせないと設定された左右の指針22についてはスイープ動作を行わずに停止させたままにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンビネーションメータに係り、特に、移動範囲が左右非対称に配置された、又は、移動方向が異なる複数の指針と、所定のトリガで指針を零点から目標点まで移動させ、その後零点まで移動させるスイープ動作を行うスイープ動作手段と、を備えたコンビネーションメータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両のイグニッションオンやドアロック解除などをトリガにして、指針がスイープ動作を行う複数の指針を備えたコンビネーションメータが普及している(特許文献1〜4)。スイープ動作において、指針は、図6に示すように、零点P0から矢印X方向に回転して最大点Pmax(目標点)まで移動し、その後矢印Y方向に反転して零点P0に戻る。
【0003】
従来より、上述したコンビネーションメータ1においては、全ての指針22をスイープさせていた。このようなコンビネーションメータ1においては、図6に示すように指針22の移動範囲が左右対称であり、かつ、指針22の移動方向が同じであれば全ての指針22が同じ速度、同じ動きとなるため、見た目が良い印象を与えるが、図7に示すように指針22の移動範囲が左右非対称であったり、指針22の移動方向が異なっていると、ドライバーが違和感を感じる、という問題がある。
【0004】
そこで、複数の指針22間でスイープ動作の開始と終了とを合わせることで、見た目を揃えることも考えられるが、やはり指針22の移動範囲が左右対称でなかったり、移動方向が異なると違和感を感じてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許4175861号公報
【特許文献2】特開2004−177145号公報
【特許文献3】特許3284838号公報
【特許文献4】特開2007−316291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、複数の指針の移動範囲が左右非対称であったり、指針の移動範囲が左右対称であってもその移動方向が異なっていたとしても、そのバリエーション応じて個別にスイープ動作の設定を可能とすることにより、ドライバーに与える違和感を低減し、かつ、斬新な演出ができるコンビネーションメータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するための請求項1記載の発明は、移動範囲が左右非対称に配置された、又は、移動方向が異なる複数の指針と、所定のトリガで前記指針を零点から目標点まで移動させ、その後零点まで移動させるスイープ動作を行うスイープ動作手段と、を備えたコンビネーションメータにおいて、前記複数の指針毎に前記スイープ動作を行わせるか否かの設定操作が行われる第1操作手段をさらに備え、前記スイープ動作手段が、前記複数の指針のうち前記第1操作手段によりスイープ動作を行わせると設定された指針のみに前記スイープ動作を行い、前記第1操作手段によりスイープ動作を行わせないと設定された指針については前記スイープ動作を行わずに停止させたままにすることを特徴とするコンビネーションメータに存する。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記スイープ動作中の前記指針の照明パターンが複数種類記憶された記憶手段と、前記スイープ動作中の前記指針の照明パターンを前記記憶手段に記憶された複数の照明パターンのうちの1つに設定する操作が行われる第2操作手段と、を備え、前記スイープ動作手段が、前記スイープ動作を行わせると設定された指針について前記第2操作手段により設定された照明パターンで照明し、前記スイープ動作を行わせないと設定された指針について照明を消灯させることを特徴とする請求項1に記載のコンビネーションメータに存する。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記記憶手段には、前記スイープ動作中に前記指針を常時点灯するパターンと、前記スイープ動作中に前記指針を間欠点灯するパターンと、を含む複数の照明パターンが記憶されていることを特徴とする請求項2に記載のコンビネーションメータに存する。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記スイープ動作中の前記指針の回転速度の設定操作が行われる第3操作手段を備え、前記スイープ動作手段が、前記間欠点灯する照明パターンに設定されているとき、前記指針の回転速度に関わらず同じ位置で前記指針の照明がオンオフするように、設定された前記指針の回転速度に応じて間欠点灯のオンオフタイミングを調整することを特徴とする請求項3に記載のコンビネーションメータに存する。
【0011】
請求項5記載の発明は、前記スイープ動作中の前記指針の回転速度及び前記目標点の少なくとも1つの設定操作が行われる第3操作手段を備え、前記スイープ動作手段が、前記第3操作手段による設定操作に応じて前記指針を回転させることを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載のコンビネーションメータに存する。
【0012】
請求項6記載の発明は、前記スイープ動作を行わないように設定された指針について前記所定のトリガから指針が計測値を示すまでの起動待ち時間及び前記所定のトリガから前記指針が照明されるまでの点灯開始時間の少なくとも一方の設定操作が行われる第4操作手段と、前記スイープ動作手段が、前記第4操作手段の設定操作に応じて前記指針の照明、回転を制御することを特徴とする請求項1〜5何れか1項に記載のコンビネーションメータに存する。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、スイープ動作手段が、複数の指針のうち第1操作手段によりスイープ動作を行わせると設定された指針のみにスイープ動作を行い、第1操作手段によりスイープ動作を行わせないと設定された指針についてはスイープ動作を行わずに停止させたままにする。従って、複数の指針の移動範囲が左右非対称であったり、複数の指針の移動範囲が左右対称であってもその移動方向が異なっていたとしても、例えば複数の指針の1つだけスイープ動作させるなど、そのバリエーションに応じて個別にスイープ動作を行うか行わないか設定できるので、ドライバーに与える違和感を低減し、かつ、斬新な演出ができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、スイープ動作手段が、スイープ動作を行わせると設定された指針について第2操作手段により設定された照明パターンで指針を照明し、スイープ動作を行わせないと設定された指針について照明を消灯させるので、複数の照明パターンの中から好みのものを設定できる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、記憶手段には、スイープ動作中に指針を常時点灯するパターンと、スイープ動作中に指針を間欠点灯するパターンと、を含む複数の照明パターンが記憶されているので、間欠点灯するパターンを選択すると指針照明の残像を残すような斬新な演出が得られる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、指針の回転速度に関わらず同じ位置で指針の照明がオンオフするので、回転速度を第2操作手段の操作により設定できるようにしても、照明パターンの演出効果が変わることがない。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、スイープ動作における回転速度、目標点を設定できるので、スイープ動作演出のバリエーションを増やすことができる。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、起動待ち時間及び点灯開始時間を設定できるので、スイープ動作演出のバリエーションを増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のコンビネーションメータの正面図である。
【図2】図1に示すコンビネーションメータの電気構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すステッピングモータの部分分解斜視図である。
【図4】(a)〜(g)はイグニッションスイッチ、照明パターンA〜D、指針2の位置、文字板照明のタイムチャートである。
【図5】図2に示すマイコンの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】従来のコンビネーションメータにおける指針の動きを説明するための図である。
【図7】従来のコンビネーションメータにおける指針の動きを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明のコンビネーションメータの正面図である。図2は、図1に示すコンビネーションメータの電気構成を示すブロック図である。図3は、図2に示すステッピングモータの部分分解斜視図である。
【0021】
上記コンビネーションメータ1は、図1に示す複数の指針計器2と、図2に示すこれら指針計器2の動作を制御するマイクロコンピュータ(以下マイコンと略記)3と、各種データを格納する不揮発性のメモリであるEEPROM4と、を備えている。
【0022】
上記複数の指針計器2は各々、図1などに示すように、計測値を示す目盛りが設けられた文字板21と、これら文字板21上に設けられた指針22と、これら指針22を駆動するステッピングモータ23(図2、図3参照)と、を備えている。上記複数の指針22は、その移動範囲がコンビネーションメータ1の左右方向の中心線L1に対して左右非対称になるように設けられている。
【0023】
これら複数の指針22の少なくとも一つと、その一つを除いた残りと、は零点P0からの回転方向(=移動方向)が異なる。即ち、図1において、右側指針計器2の2つの指針22のうち下側は零点P0から反時計回りに回転するが、中央指針計器2の指針22と、左側指針計器2の指針22と、右側指針計器2の2つの指針22のうち上側と、は零点P0から時計回りに回転する。
【0024】
上記ステッピングモータ23は各々、図2に示すように、A相、B相励磁コイル23a、23bと、これらA相、B相励磁コイル23a、23bの励磁状態の変化に追従して回転するマグネットロータ23cと、マグネットロータ23cの駆動力を指針22に伝えるギア23d〜23f(ギア23e、23fについては図3参照)と、これらを収容するケース23g(図3参照)と、を備えている。
【0025】
図2に示すように、A相、B相励磁コイル23a、23bは、軸方向が90度で交差するようにケース23g内に収容されている。マグネットロータ23cは、円盤状に設けられ、その外周に沿ってN極S極が交互に2極づつ着磁されている。ギア23dは、マグネットロータ23cの回転軸に固定されている。
【0026】
ギア23eは、図3に示すように、指針22の回転軸に固定されている。ギア23fは、マグネットロータ23cに固定されたギア23dと、図3に示すように、指針22に固定されたギア23eと、の双方に噛み合うように設けられている。これにより、マグネットロータ23cが回転するとギア23d〜23fを介して指針22も回転する。
【0027】
また、上記ステッピングモータ23は、図3に示すように、マグネットロータ23cの回転に連動する被駆動部材としての片23hと、片23hと当接してステッピングモータ23の回転を機械的に停止させるストッパ23iと、を有している。片23hは、上述したギア23eに固定された円盤部23jに突設されている。ストッパ23iは、ケース23gに突設されている。上述した片23hとストッパ23iとが当接したときに指針22が文字板21に設けた目盛り上の零点P0(図1参照)を指示するように、指針22がステッピングモータ23の回転軸に打ち込まれている。
【0028】
上記マイコン3は、図2に示すように、電源IC5からの電源供給を受けて動作する。電源IC5は、車載バッテリBからマイコン3に対する供給電圧を生成する。また、上記マイコン3には、イグニッションスイッチIGがインタフェース(I/F)6を介して接続されている。また、上記マイコン3には、スイープ動作の各種設定操作が行われる設定器7が着脱可能に接続される。さらに、マイコン3には、表示器8が接続されている。
【0029】
上記マイコン3は、駆動回路31として機能し、ステッピングモータ23のA相励磁コイル23a、B相励磁コイル23bに対して駆動電圧を出力している。なお、本実施形態では、マイコン3を駆動回路31として機能させていたが、マイコン3とは別に駆動回路を設けても良い。また、上記マイコン3は、文字板21や指針22を照明する図示しない光源に接続され、これら光源のオンオフを制御する。
【0030】
次に、上述した構成のコンビネーションメータ1の動作について説明する。まず、スイープ動作設定モードについて説明する。例えばディーラーが設定器7をコンビネーションメータ1のマイコン3に接続して、設定器7の操作によりマイコン3をスイープ動作設定モードにする。マイコン3は、スイープ動作設定モードに移行すると例えば表示器8に「スイープ動作を行いますか?」などと表示させる。この表示に応じて設定器7を使ってスイープ動作を行わない旨を入力すると、マイコン3は、指針22のスイープ動作フラグF1をオフに設定する。
【0031】
これに対して、設定器7を使ってスイープ動作を行う旨を入力すると、マイコン3は、スイープ動作フラグF1をオンにして、次に、例えば表示器8に「個別設定を行いますか?」などと表示させる。この表示に応じて設定器7を使って個別設定を行わない旨を入力すると、マイコン3は個別設定フラグF2をオフにする。
【0032】
これに対して、設定器7を使って個別設定を行う旨を入力すると、マイコン3は、表示器8に「どの指針22をスイープ動作しますか?」などと表示させる。この表示に応じて設定器7を使ってスイープ動作させたい指針22の選択操作を行うと、マイコン3は、選択された指針22のスイープ動作を行うように設定し、選択されなかった指針22のスイープ動作を行わないように設定する。
【0033】
次に、マイコン3は、「スイープ動作中における指針22の照明パターン、回転速度、回転角度の何れかを設定しますか?」などと表示させる。この表示に応じて設定器7を使って照明パターンの設定が選択されると、マイコン3は、表示器8に図4(b)〜(e)に示すような照明パターンA〜Dを表示する。図4(b)に示す照明パターンAは、スイープ動作中に指針22を常時点灯するパターンであり、図4(c)〜図4(e)に示す照明パターンB〜Dは、スイープ動作中に指針22を間欠点灯するパターンであり複数種類ある。これら照明パターンA〜Dは、予め記憶手段としてのEEPROM4内に記憶されている。
【0034】
設定器7を用いて4つの照明パターンA〜Dのうちの1つに設定する操作を行うと、マイコン3は、スイープ動作を行うように設定された指針22(以下対象指針22と略記する)の照明パターンを設定操作されたものにする。また、設定器7を用いて回転速度の設定を選択すると、マイコン3は、表示器8に回転速度設定画面を表示する。この表示に応じて設定器7を用いて回転速度の設定操作を行うと、対象指針22の回転速度を設定操作された値にする。
【0035】
さらに、設定器7を用いて回転角度の設定を選択すると、マイコン3は、表示器8に回転角度設定画面を表示する。この表示に応じて設定器7を用いて回転角度の設定操作を行うと、対象指針22の回転角度を設定操作された値にする。この回転角度の設定が請求項中の目標点の設定に相当する。なお、上記設定器7により照明パターン、回転速度、回転角度の設定操作が行われなかった場合は、予め定めた基準のものに設定される。以上のことから明らかなように、設定器7が請求項中の第1〜第3操作手段に相当する。
【0036】
次に、通常時におけるコンビネーションメータ1の動作について図5を参照して説明する。イグニッションオンに応じてマイコン3は、動作を開始し、上述したスイープ動作フラグF1がオンしているか否かを判定する(ステップS1)。スイープ動作フラグF1がオフであれば(ステップS1でN)、マイコン3は、直ちに文字板21及び指針22の照明を点灯した後(ステップS12)、ステップS7に進む。
【0037】
これに対して、スイープ動作フラグF1がオンであれば(ステップS1でY)、マイコン3は、次に、上述した個別設定フラグF2がオンしているか否かを判定する(ステップS2)。個別設定フラグF2がオフであれば(ステップS2でN)、マイコン3は、全ての指針22の照明を点灯させた後(ステップS8)、全ての指針22をフルスケール、スイープ動作させる(ステップS9)。その後、マイコン3は、スイープ動作が終了するのを待って(ステップS10でY)、文字板21の照明を点灯した後(ステップS11)、ステップS7に進む。
【0038】
一方、個別設定フラグF2がオンであれば(ステップS2でY)、マイコン3は、スイープ動作設定モードでスイープ動作を行わせると設定された指針22である対象指針22の照明を点灯させ、スイープ動作を行わせないと設定された指針22(以下非対象指針22)の照明は消灯させたままにする(ステップS3)。その後、マイコン3は、スイープ動作手段として働き、対象指針22のスイープ動作を行い、非対象指針22についてはスイープ動作を行わずに停止させたままにする(ステップS4)。
【0039】
ステップS4においてマイコン3は、上記スイープ動作設定モードで設定された照明パターンで対象指針22を点灯させると共に、スイープ動作設定モードで設定された回転速度、回転角度で対象指針22を回転させる。間欠点灯する照明パターンB〜Dに選択されているとき、マイコン3は、指針22の回転速度に関わらず同じ位置で指針22の照明がオンオフするように、設定器7により設定された指針22の回転速度に応じて間欠点灯のオンオフタイミングを調整する。
【0040】
次に、マイコン3は、スイープ動作が終了するのを待って(ステップS5でY)、文字板21の照明点灯を行うと共に非対象指針22の照明を点灯する(ステップS6)。その後、マイコン3は、各指針22にセンサからの計測値を指示するように駆動する通常動作を開始して(ステップS7)、処理を終了する。上記通常動作においてマイコン3は、図示しないセンサの計測値を指示するように各指針22を駆動する。また、マイコン3は、通常動作中における指針22の照明周波数とスイープ動作中における指針22の照明周波数とを異ならせる。
【0041】
上述したコンビネーションメータ1によれば、マイコン3が、複数の指針22のうち設定器7によりスイープ動作を行わせると設定された指針22のみにスイープ動作を行い、設定器7によりスイープ動作を行わせないと設定された指針22についてはスイープ動作を行わずに停止させたままにする。従って、図1に示すように3つの指針22の移動範囲が左右非対称であり、その回転方向が異なる場合、例えば複数の指針22のうち中央の1つだけをスイープ動作させるなど、そのバリエーションに応じて個別にスイープ動作を行うか行わないか設定できるので、ドライバーに与える違和感を低減し、かつ、斬新な演出ができる。
【0042】
また、上述したコンビネーションメータ1によれば、マイコン3が、スイープ動作を行わせると設定された指針22について設定器7により設定された照明パターンで指針22を照明し、スイープ動作を行わせないと設定された指針22について照明を消灯させるので、複数の照明パターンA〜Dの中から好みのものを設定できる。
【0043】
また、上述したコンビネーションメータ1によれば、EEPROM4には、スイープ動作中に指針22を常時点灯する照明パターンAと、スイープ動作中に指針22を間欠点灯する照明パターンB〜Dと、が記憶されているので、間欠点灯する照明パターンB〜Dを選択すると指針照明の残像を残すような斬新な演出が得られる。
【0044】
また、上述したコンビネーションメータ1によれば、マイコン3が、間欠点灯する照明パターンB〜Dに選択されているとき、指針22の回転速度に関わらず同じ位置で指針22の照明がオンオフするように、設定された指針22の回転速度に応じて間欠点灯のオンオフタイミングが調整する。これにより、指針22の回転速度に関わらず同じ位置で指針22の照明がオンオフするので、回転速度を設定器7の操作により設定できるようにしても、各照明パターンB〜Dの演出効果が変わることがない。
【0045】
また、上述したコンビネーションメータ1によれば、設定器7を用いてスイープ動作における回転速度、回転角度を設定できるので、スイープ動作演出のバリエーションを増やすことができる。
【0046】
なお、上述した実施形態では、スイープ動作の有無、照明パターン、回転速度、回転角度を個別に設定していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、非対象指針22についてイグニッションオンから指針22が計測値を示すまでの起動待ち時間及びイグニッションオンから指針22が照明されるまでの点灯開始時間を設定できるようにしてもよい。
【0047】
この場合、スイープ動作設定モードにおいては、マイコン3は、設定器7を使って個別にスイープ動作を行う、行わないの設定が行われた後、表示器8に「起動待ち時間、点灯開始時間の設定を行いますか?」と表示する。この表示に応じて設定器7を用いて起動待ち時間を選択すると、マイコン3は、表示器8に起動待ち時間設定画面を表示する。この表示に応じて設定器7を用いて起動待ち時間の設定操作を行うと、非対象指針22の起動待ち時間を設定操作された値にする。また、設定器7を用いて点灯開始時間を選択すると、マイコン3は、表示器8に点灯開始時間設定画面を表示する。この表示に応じて設定器7を用いて点灯開始時間の設定操作を行うと、非対象指針22の点灯開始時間を設定操作された値にする。以上のことから明らかなように設定器7は請求項中の第4操作手段に相当する。
【0048】
そして、マイコン3は通常時において、設定された点灯開始時間が経過したらスイープ動作を行っていない指針22の照明を点灯し、起動待ち時間が経過したらスイープ動作を行っていない指針22を起動して計測値の表示を行わせる。これにより、非対象指針22について、対象指針22のスイープ動作が終了するのを待つことなく起動させたり、対象指針22のスイープ動作が終了するのを待って同時に起動させたり、また、複数の非対象指針22を同時に点灯させたり、予め定めた順番で点灯させたりできり、スイープ動作演出にのバリエーションを増やすことができる。
【0049】
また、上述した実施形態では、第1操作手段〜第4操作手段として設定器7を用いていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、車内に設けられたオド・トリップスイッチを流用してもよいし、車内に設けられた設定用のスイッチを用いてもよい。
【0050】
また、上述した実施形態では、所定のトリガをイグニッションオンにしていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、ドアロックの解除など他のトリガでもよい。
【0051】
また、上述した実施形態では、複数の指針22の移動範囲が左右非対称で、かつ、複数の指針22の回転方向も異なるコンビネーションメータ1を用いていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、複数の指針22の移動範囲が左右対称であっても、複数の指針22の回転方向が異なるコンビネーションメータ1に適用してもよい。
【0052】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 コンビネーションメータ
3 マイコン(スイープ動作手段)
4 EEPROM(記憶手段)
7 設定器(第1操作手段、第2操作手段、第3操作手段、第4操作手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動範囲が左右非対称に配置された、又は、移動方向が異なる複数の指針と、所定のトリガで前記指針を零点から目標点まで移動させ、その後零点まで移動させるスイープ動作を行うスイープ動作手段と、を備えたコンビネーションメータにおいて、
前記複数の指針毎に前記スイープ動作を行わせるか否かの設定操作が行われる第1操作手段をさらに備え、
前記スイープ動作手段が、前記複数の指針のうち前記第1操作手段によりスイープ動作を行わせると設定された指針のみに前記スイープ動作を行い、前記第1操作手段によりスイープ動作を行わせないと設定された指針については前記スイープ動作を行わずに停止させたままにする
ことを特徴とするコンビネーションメータ。
【請求項2】
前記スイープ動作中の前記指針の照明パターンが複数種類記憶された記憶手段と、
前記スイープ動作中の前記指針の照明パターンを前記記憶手段に記憶された複数の照明パターンのうちの1つに設定する操作が行われる第2操作手段と、を備え、
前記スイープ動作手段が、前記スイープ動作を行わせると設定された指針について前記第2操作手段により設定された照明パターンで照明し、前記スイープ動作を行わせないと設定された指針について照明を消灯させる
ことを特徴とする請求項1に記載のコンビネーションメータ。
【請求項3】
前記記憶手段には、前記スイープ動作中に前記指針を常時点灯するパターンと、前記スイープ動作中に前記指針を間欠点灯するパターンと、を含む複数の照明パターンが記憶されている
ことを特徴とする請求項2に記載のコンビネーションメータ。
【請求項4】
前記スイープ動作中の前記指針の回転速度の設定操作が行われる第3操作手段を備え、
前記スイープ動作手段が、前記間欠点灯する照明パターンに設定されているとき、前記指針の回転速度に関わらず同じ位置で前記指針の照明がオンオフするように、設定された前記指針の回転速度に応じて間欠点灯のオンオフタイミングを調整する
ことを特徴とする請求項3に記載のコンビネーションメータ。
【請求項5】
前記スイープ動作中の前記指針の回転速度及び前記目標点の少なくとも1つの設定操作が行われる第3操作手段を備え、
前記スイープ動作手段が、前記第3操作手段による設定操作に応じて前記指針を回転させる
ことを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載のコンビネーションメータ。
【請求項6】
前記スイープ動作を行わないように設定された指針について前記所定のトリガから指針が計測値を示すまでの起動待ち時間及び前記所定のトリガから前記指針が照明されるまでの点灯開始時間の少なくとも一方の設定操作が行われる第4操作手段と、
前記スイープ動作手段が、前記第4操作手段の設定操作に応じて前記指針の照明、回転を制御する
ことを特徴とする請求項1〜5何れか1項に記載のコンビネーションメータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−32935(P2013−32935A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168349(P2011−168349)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】