説明

シャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒およびこの組立方法

【課題】 本発明は、鏡筒部に形成した窓部から挿入したシャッタ装置が、シャッタ支持部に位置して抜け止めされるようにしたシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒およびこの組立方法を提供すること。
【解決手段】 鏡筒部29には、内部にシャッタ装置21を支持可能なシャッタ支持部29aが形成されると共に、シャッタ支持部29aにつながってシャッタ装置21を外部から挿入可能な溝状の窓部29dが形成され、この窓部29dから挿入してシャッタ支持部29aに位置したシャッタ装置21は、シャッタ支持部29aから抜け止めされるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒およびこの組立方法に係わり、デジタルスチールカメラ等に用いて好適なシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒およびこの組立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒を、特許文献1に基づいて説明すると、シャッタ装置が組み込まれた、例えばズームレンズ鏡筒は、図5に示すように、前部鏡筒1の前端部側には、平面ガラス2が固定されている。
そして、前部鏡筒1の内部には、ピント調整するための1群レンズ3が、移動枠4に取り付けられている。
前記1群レンズ3を取り付けた移動枠4は、ガイドバー10、11に支持されて1群レンズ3の光軸に対して平行移動可能になっている。
【0003】
また、シャッタ装置5は、ズーミングレンズからなる2群レンズ6直前に位置するように、移動枠7に固定されている。そして、2群レンズ6を取り付けた移動枠7は、シャッタ装置5と共に、1群レンズ3と同様にガイドバー10、11に支持されて2群レンズ6の光軸に対して平行移動可能になっている。
また、2群レンズ6の後方には、第3群レンズ8を取り付けた後部鏡筒9が配設されている。
【0004】
また、シャッタ装置5は、複数のシャッタ羽根(図示せず)を駆動させて、2群レンズ6を透過する光を遮蔽可能または光量調整可能なアクチュエータ(図示せず)が2群レンズ6側である後方側に突出して形成されている。
【特許文献1】特開2000−310803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したような従来のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒は、シャッタ装置5の外周部を後部鏡筒9内部に配設した一対のガイドバー10、11で支持していたので、外径が大きくなる問題があった。
また、シャッタ装置5を2群レンズ6の直前に配置すると共に、複数のシャッタ羽根を駆動するためのアクチュエータ(図示せず)が、2群レンズ側に突出形成されているために、2群レンズを薄くして薄型化を行おうとしても、シャッタ装置5から後方側に突出するアクチュエータが邪魔となって、シャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒を薄型化するのに障害となる問題があった。
本発明は前述のような課題を解決し、鏡筒部に形成した窓部から挿入したシャッタ装置が、シャッタ支持部に位置して抜け止めされるようにしたシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒およびこの組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の解決手段として本発明のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒は、複数のレンズを内部に収納した鏡筒部と、この鏡筒部の前面側に形成されて所定の口径の開口部を有する前面壁と、前記開口部から入射する光を遮蔽可能なシャッタ羽根を有するシャッタ装置とを備え、前記鏡筒部内には、前記シャッタ装置を支持可能なシャッタ支持部が形成され、前記鏡筒部には、内部の前記シャッタ支持部につながって前記シャッタ装置を挿入可能な溝状の窓部が形成され、この窓部から挿入して前記シャッタ支持部に位置した前記シャッタ装置は、前記シャッタ支持部から抜け止めされることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための第2の解決手段として前記シャッタ装置は、前記シャッタ羽根を支持する支持部材を有し、この支持部材には、外周側に内部が空洞状のアクチュエータ収納部が形成され、前記アクチュエータ収納部の空洞内部には、前記シャッタ羽根を駆動可能なアクチュエータが配設され、前記支持部材には、前記アクチュエータ収納部の内周側に凹状のレンズ嵌合部が形成され、前記窓部から挿入して前記シャッタ支持部に位置した前記シャッタ装置は、前記レンズ嵌合部に前記複数のレンズの内の1つを嵌合させることにより、前記シャッタ支持部から抜け止めされることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための第3の解決手段として、前記複数のレンズは、少なくとも1群、2群レンズからなり、前記前面壁の前記開口部を形成した部分に前記1群レンズを保持し、前記シャッター支持部は、所定寸法の隙間を介して前記前面壁と対向するレンズ支持壁との間に形成され、前記レンズ支持壁に支持した前記2群レンズが前記シャッタ装置の前記レンズ嵌合部に嵌合するようになっていることを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するための第4の解決手段として、前記2群レンズは、外周側に平坦状の鍔部と、この鍔部の内側に所定寸法の直径と高さで突出するレンズ部とを有し、このレンズ部を前記レンズ支持壁に形成したレンズ支持孔に嵌合支持すると、前記2群レンズの前記レンズ部が、前記レンズ支持孔から前記シャッタ支持部側に突出して前記レンズ嵌合部に嵌合することを特徴とする。
また、上記課題を解決するための第5の解決手段として、前記シャッタ装置の外周部には、前記シャッタ支持部に抜け止めした前記シャッタ装置の動きを規制するための規制部が形成され、前記シャッタ支持部を形成した部分の前記鏡筒部の内周面には、前記規制部が係合可能な係合部、または前記規制部に係合可能な係合部が形成されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための第6の解決手段として、前記規制部は、前記シャッタ装置の外周部の一部を凸状に突出させて形成され、前記係合部は、前記凸状の規制部が係合可能な凹状に形成され、前記シャッタ支持部に前記抜け止めした前記シャッタ装置は、前記規制部が前記係合部に係合して、回り止めが行われると共に、前記光軸と平行方向のガタ付きが規制されることを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するための第7の解決手段として本発明のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒の組立方法は、鏡筒部に形成した窓部から内部のシャッタ支持部にシャッタ装置を挿入後、前記シャッタ装置のシャッタ羽根が位置する部分に形成したレンズ嵌合部に、複数のレンズの内の1つを嵌合させることにより、前記シャッタ支持部から前記シャッタ装置が抜け止めされるようにしたことを特徴とする。
また、上記課題を解決するための第8の解決手段として、前記鏡筒部には、前面側に形成されて所定の口径の開口部を有する前面壁と、この前面壁に対し所定の隙間の前記シャッタ支持部を介して対向形成したレンズ支持壁とが形成され、前記前面壁の前記開口部を形成した部分に1群レンズを支持して、前記シャッタ支持部に前記シャッタ装置を挿入した後、前記レンズ支持壁に2群レンズを支持すると、前記2群レンズが前記シャッタ装置のレンズ嵌合部に嵌合して前記抜け止めされることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための第9の解決手段として、前記シャッタ装置には、規制部が形成され、前記窓部から前記シャッタ支持部に前記シャッタ装置を挿入すると、前記規制部が前記シャッタ支持部の内周面に形成した係合部に係合して前記シャッタ装置の動きが規制されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係わるレンズ鏡筒の鏡筒部内には、シャッタ装置を支持可能なシャッタ支持部が形成され、鏡筒部には、内部のシャッタ支持部につながってシャッタ装置を挿入可能な溝状の窓部が形成され、この窓部から挿入してシャッタ支持部に位置したシャッタ装置は、シャッタ支持部から抜け止めされるので、外部から振動等が加わったとしても、シャッタ支持部に挿入したシャッタ装置が抜け出すことがない。
また、シャッタ羽根を支持する支持部材には、アクチュエータ収納部の内周側にレンズ嵌合部が形成され、窓部から挿入してシャッタ支持部に位置したシャッタ装置は、レンズ嵌合部に複数のレンズの内の1つを嵌合させることにより、シャッタ支持部から抜け止めされるので、組立時に、レンズを組み込むことでシャッタ装置を抜け止めすることができ組立性に優れたシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒を提供できる。
また、複数のレンズは、少なくとも1群、2群レンズからなり、前面壁の開口部を形成した部分に1群レンズを保持し、シャッター支持部は、所定寸法の隙間を介して前面壁と対向するレンズ支持壁との間に形成され、レンズ支持壁に支持した2群レンズがシャッタ装置のレンズ嵌合部に嵌合するようになっているので、2群レンズでシャッタ装置を確実に抜け止めすることができる。
また、2群レンズは、シャッタ装置のレンズ嵌合部に嵌合させることで鏡筒部内に支持することができ、少なくとも2群レンズの外径寸法をシャッタ装置の外径寸法より小さくできる。そのために、レンズ鏡筒を小型にできる。
【0010】
また、2群レンズは、外周側に平坦状の鍔部と、この鍔部の内側に所定寸法の直径と高さで突出するレンズ部とを有し、このレンズ部をレンズ支持壁に形成したレンズ支持孔に嵌合支持すると、2群レンズのレンズ部が、レンズ支持孔からシャッタ支持部側に突出してシャッタ装置のレンズ嵌合部に嵌合するので、簡単な組立でシャッタ装置を確実にシャッタ支持部から抜け止めすることができる。
また、シャッタ装置の外周部には、シャッタ支持部に抜け止めしたシャッタ装置の動きを規制するための規制部が形成され、シャッタ支持部を形成した部分の前記鏡筒部の内周面には、規制部が係合可能な係合部、または規制部に係合可能な係合部が形成されているので、シャッタ支持部に挿入して2群レンズで抜け止めしたシャッタ装置を確実に回り止めすることができる。
また、規制部は、シャッタ装置の外周部の一部を凸状に突出させて形成され、係合部は、凸状の規制部が係合可能な凹状に形成され、シャッタ支持部に抜け止めしたシャッタ装置は、規制部が係合部に係合して、回り止めが行われると共に、光軸と平行方向のガタ付きが規制されるので、外部から振動等が加えられても、シャッタ装置の動きを規制して、正常なシャッタ動作を行うことができる。
【0011】
また、本発明の組立方法は、鏡筒部に形成した窓部から内部のシャッタ支持部にシャッタ装置を挿入後、シャッタ装置のシャッタ羽根が位置する部分に形成したレンズ嵌合部に、複数のレンズの内の1つを嵌合させることにより、シャッタ支持部からシャッタ装置が抜け止めされるようにしたので、簡単な組立でシャッタ装置をシャッタ支持部から抜け止めすることができる。
また、前面壁の開口部を形成した部分に1群レンズを支持して、シャッタ支持部にシャッタ装置を挿入した後、レンズ支持壁に2群レンズを支持すると、2群レンズがシャッタ装置のレンズ嵌合部に嵌合して抜け止めされるので、組立が容易である。
また、シャッタ装置には、規制部が形成され、窓部からシャッタ支持部にシャッタ装置を挿入すると、規制部がシャッタ支持部の内周面に形成した係合部に係合してシャッタ装置の動きが規制されるので、簡単な組立でシャッタ装置の動きを規制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に関するシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒およびこの組立方法を図1〜図3に基づいて説明する。図1は本発明のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒の分解斜視図であり、図2は図1の要部断面図であり、図3は本発明に係わる鏡筒部を説明する図である。
【0013】
まず、本発明のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒の1実施の形態を、図1〜図3に基づいて説明すると、シャッタ装置21は、外形が略円形状に形成されたトップカバー22を有し、このトップカバー22の略中央部の下面側には、シャッタ羽根23が配設されている。
前記シャッタ羽根23は、ベース部材24に載置されて、ベース部材24に形成した所定の口径からなる第1開口部24aを開閉可能になっている。
【0014】
前記ベース部材24のシャッタ羽根23を載置する部分の外周側には、図示下方側に凸状に突出して内部が空洞状のアクチュエータ収納部24bが形成され、このアクチュエータ収納部24bの空洞内部に、シャッタ羽根23を駆動して第1開口部24aを遮蔽可能なアクチュエータ(図示せず)が配設されている。
このアクチュエータは、図示を省略するが、例えば薄板状に巻回したコイルと、このコイルと対向する側に配設した薄板状のマグネットとが配設され、コイルに通電することにより発生する磁束が、マグネットの磁束に作用して、マグネットを取り付けたリンク部材がシーソー状に回動するようになっている。
【0015】
そして、リンク部材が回動すると、リンク部材の端部に形成した羽根支持部がシャッタ羽根23を操作して、シャッタ羽根23が第1開口部24aを開閉する方向に駆動するように構成されている。
また、ベース部材24には、図1、図2に示すように、外周部の一部である図示右側から外向きに突出して凸状の規制部24cが形成されている。
また、ベース部材24の下部には、ドーナッツ状のボトムカバー25が配設されて、アクチュエータ収納部24bの下部が遮蔽されている。
【0016】
前記シャッタ羽根23を載置した側のベース部材24の下面側で、アクチュエータ収納部24bの内周側には、所定の大きさで凹状のレンズ嵌合部26が形成され、このレンズ嵌合部26を形成した部分のベース部材24の中央部に第1開口部24aが形成されている。
また、アクチュエータ収納部24bからは、内部のアクチュエータに接続されて、アクチュエータを構成するコイルに通電するためのFPC(フレキシブル基板)27が外側に引き出しされている。
【0017】
このような構成のシャッタ装置21を内蔵可能なレンズ鏡筒28は、樹脂材料で形成されて、内部に後述する複数のレンズ31、32、33を収納する、形状が略円筒状の鏡筒部29と、この鏡筒部29の前面側(図示上方側)に形成されて第1開口部24aより口径が大きな第2開口部30aを有する前面壁30とが形成されている。
また、鏡筒部29内には、シャッタ装置21を支持可能なシャッタ支持部29aが形成され、このシャッタ支持部29aは、所定寸法の隙間を介して前面壁30と対向するレンズ支持壁29bとの間に形成されている。
そして、レンズ支持壁29bの中央部には、後述する2群レンズ32が嵌合して支持可能なレンズ支持孔29cが貫通形成されている。
【0018】
また、鏡筒部29には、内部のシャッタ支持部29aにつながる窓部29dが形成され、この窓部29dは、シャッタ装置21の厚さ寸法より若干広い溝状に形成されて、窓部29dからシャッタ装置21をシャッタ支持部29aに挿入可能になっている。
また、シャッタ支持部29aを形成した部分の鏡筒部29の内周面で、窓部29dと対向するシャッタ支持部29dの奥側には、シャッタ装置21の規制部24cが係合可能な凹状の係合部29eが形成されている。この係合部29eは、鏡筒部29の外周壁を貫通する孔で構成されている。
【0019】
また、前面壁30には、中央部にシャッタ装置21の第1開口部24aより口径が大きな第2開口部30aが形成され、この第2開口部30aを形成した部分の前面壁30の内面側には、円形状に彫り込みしてレンズ支持部30bが形成されている。
そして、前面壁30のレンズ支持部30bには、接眼レンズである1群レンズ31が圧入等で支持されている。
【0020】
また、鏡筒部29内部のレンズ支持壁29bのレンズ支持孔29cには、2群レンズ32が支持可能になっている。
前記2群レンズ32は、図1、図2に示すように、外周部側に平坦状の鍔部32aと、この鍔部32aの内側に所定寸法の直径と高さで突出させたレンズ部32bとが形成されている。
前記レンズ部32bをレンズ支持壁29bに形成したレンズ支持孔29cに圧入等により嵌合支持すると、レンズ部32bがレンズ支持孔29cから所定寸法シャッタ支持部29a側に突出する。
【0021】
そして、レンズ支持孔29cから所定寸法シャッタ支持部29a側に突出するレンズ部32bが、シャッタ支持部29aに位置するシャッタ装置21のレンズ嵌合部26に嵌合するようになっている。
このことにより、シャッタ支持部29aに位置するシャッタ装置21が、シャッタ支持部29aから抜け止めされるようになっている。
【0022】
また、2群レンズ32の図示下部には、3群レンズ33が配設され、この3群レンズ33は、外周部の段差状の位置決め部33aが2群レンズ32の鍔部32aの外周部に嵌合して位置決めさるようになっている。
また、3群レンズ33の図示下部には、ストッパ部材(図示せず)が配設されており、このストッパ部材によって、2群、3群レンズ32、33が鏡筒部29内部から抜け止めされている。
【0023】
また、図示を省略したストッパ部材の後方で、レンズ31、32、33のそれぞれ同一線上に位置合わせした光軸(図示せず)上に、CCDあるいはCMOS等からなる撮像素子(図示せず)を配設することにより、本発明のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒を用いたカメラ装置(図示せず)が構成されている。
【0024】
前述したような本発明のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒は、2群レンズ32がレンズ支持壁29bのレンズ支持孔29cに嵌合支持することができるので、2群、3群レンズ32、33の外径寸法をシャッタ装置の外径寸法と同じか、それより小さくすることができる。
そのために、鏡筒部29の外径寸法をシャッタ装置21の外径寸法に近い値まで小さくすることができる。
【0025】
また、レンズ支持孔29cに嵌合支持した2群レンズ32によって、シャッタ支持部29aに挿入して位置するシャッタ装置21を抜け止めすることができる。また、規制部24cによって、シャッタ支持部29aに位置するシャッタ装置21の回り止めが行われると共に、光軸方向へのガタ付きが規制されるようになっている。
そのために、本発明のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒を用いたカメラ(図示せず)を誤って机の上等に落下させたとしても、シャッタ装置21がシャッタ支持部29aから抜け出したり、回転したりするのを防止できる。
【0026】
また、シャッタ装置21のレンズ嵌合部26に、2群レンズ32のレンズ部32bを嵌合させているので、レンズ鏡筒28の図示高さ方向の寸法を小さくする薄型化が可能である。
また、本発明の実施の形態の説明では、シャッタ装置21の規制部24cを凸状に形成すると共に、係合部29eを凹状に形成して、規制部24cが係合部29eに係合することで説明したが、規制部24cを凹状に形成し、係合部29eを凸状に形成し、凹状の規制部24cに凸状の係合部29eを係合させるようにしたものでも良い。
即ち、鏡筒部29の内周面には、規制部24cが係合可能な係合部29e、または規制部24cに係合可能な係合部29eが形成されている。
【0027】
また、シャッタ装置21のレンズ嵌合部26に、2群レンズ32を嵌合させることで説明したが、2群レンズ32を1群レンズ31に近づけて配設し、2群レンズ32と3群レンズ33との間にシャッタ装置21を配設し、シャッタ装置21のレンズ嵌合部26に、3群レンズ33を嵌合させるようにしたものでも良い。
即ち、シャッタ装置21は、レンズ嵌合部26に複数のレンズ31、32、33の内の1つを嵌合させることにより、シャッタ支持部29aから抜け止めされるようにしたものでも良い。
【0028】
また、本発明のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒の組立方法を図面に基づいて説明すると、まずレンズ鏡筒28の前面壁30に形成したレンズ支持部30bに1群レンズ31を圧入等で支持する。
次ぎに、事前に組立しておいたシャッタ装置21を、鏡筒部29に形成した窓部29bから内部のシャッタ支持部29aに挿入する。
すると、シャッタ装置21の回り止め部24cが係合部29eに嵌合して、シャッタ装置21が回り止めされると共に、図示上下方向(光軸方向)のガタ付き防止を行うことができる。
【0029】
次ぎに、レンズ支持壁29bのレンズ支持孔29cに2群レンズ32のレンズ部32bを圧入等で嵌合支持すると、レンズ支持孔29cからレンズ部32bが所定寸法突出して、シャッタ装置21のレンズ嵌合部26に嵌合する。
このことにより、窓部29dから挿入してシャッタ支持部29aに位置したシャッタ装置21が、レンズ部32bによってシャッタ支持部29aから抜け止めされる。また、シャッタ装置21の規制部24cが係合部29eに係合して、シャッタ装置21の回り止めと、光軸方向へのガタ付き規制とが行われる。
次ぎに、レンズ支持壁29bに支持した2群レンズ32の鍔部32aの外周部に3群レンズ33の位置決め部33aを嵌合支持する。
【0030】
その後、鏡筒部29の内部に圧入したストッパ(図示せず)で、3群レンズ33を後方から押圧することにより、本発明のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒が組み立てられている。
このように組み立てられたレンズ鏡筒28は、シャッタ装置21及びそれぞれのレンズ31、32、33の動きが規制されているので、CCD等の撮像素子を搭載したカメラ装置(図示せず)に組み付けるのが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒の分解斜視図である。
【図2】図1の要部断面図である。
【図3】本発明に係わるレンズ鏡筒を説明する図面である。
【図4】従来のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒の要部断面図である。
【符号の説明】
【0032】
21 シャッタ装置
22 トップカバー
23 シャッタ羽根
24 ベース部材
24a 第1開口部
24b アクチュエータ収納部
25 ボトムカバー
26 レンズ嵌合部
27 FPC
28 レンズ鏡筒
29 鏡筒部
29a シャッタ支持部
29b レンズ支持壁
29c レンズ支持孔
29d 窓部
29e 係合部
30 前面壁
31 1群レンズ
32 2群レンズ
33 3群レンズ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズを内部に収納した鏡筒部と、この鏡筒部の前面側に形成されて所定の口径の開口部を有する前面壁と、前記開口部から入射する光を遮蔽可能なシャッタ羽根を有するシャッタ装置とを備え、前記鏡筒部には、内部に前記シャッタ装置を支持可能なシャッタ支持部が形成されると共に、前記シャッタ支持部につながって前記シャッタ装置を外部から挿入可能な溝状の窓部が形成され、この窓部から挿入して前記シャッタ支持部に位置した前記シャッタ装置は、前記シャッタ支持部から抜け止めされることを特徴とするシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒。
【請求項2】
前記シャッタ装置は、前記シャッタ羽根を支持する支持部材を有し、この支持部材には、外周側に内部が空洞状のアクチュエータ収納部が形成され、前記アクチュエータ収納部の空洞内部には、前記シャッタ羽根を駆動可能なアクチュエータが配設され、前記支持部材には、前記アクチュエータ収納部の内周側に凹状のレンズ嵌合部が形成され、前記窓部から挿入して前記シャッタ支持部に位置した前記シャッタ装置は、前記レンズ嵌合部に前記複数のレンズの内の1つを嵌合させることにより、前記シャッタ支持部から抜け止めされることを特徴とする請求項1記載のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒。
【請求項3】
前記複数のレンズは、少なくとも1群、2群レンズからなり、前記前面壁の前記開口部を形成した部分に前記1群レンズを保持し、前記シャッター支持部は、所定寸法の隙間を介して前記前面壁と対向するレンズ支持壁との間に形成され、前記レンズ支持壁に支持した前記2群レンズが前記シャッタ装置の前記レンズ嵌合部に嵌合するようになっていることを特徴とする請求項2記載のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒。
【請求項4】
前記2群レンズは、外周側に平坦状の鍔部と、この鍔部の内側に所定寸法の直径と高さで突出するレンズ部とを有し、このレンズ部を前記レンズ支持壁に形成したレンズ支持孔に嵌合支持すると、前記2群レンズの前記レンズ部が、前記レンズ支持孔から前記シャッタ支持部側に突出して前記レンズ嵌合部に嵌合することを特徴とする請求項3記載のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒。
【請求項5】
前記シャッタ装置の外周部には、前記シャッタ支持部に抜け止めした前記シャッタ装置の動きを規制するための規制部が形成され、前記シャッタ支持部を形成した部分の前記鏡筒部の内周面には、前記規制部が係合可能な係合部、または前記規制部に係合可能な係合部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒。
【請求項6】
前記規制部は、前記シャッタ装置の外周部の一部を凸状に突出させて形成され、前記係合部は、前記凸状の規制部が係合可能な凹状に形成され、前記シャッタ支持部に前記抜け止めした前記シャッタ装置は、前記規制部が前記係合部に係合して、回り止めが行われると共に、前記光軸と平行方向のガタ付きが規制されることを特徴とする請求項5記載のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒。
【請求項7】
鏡筒部に形成した窓部から内部のシャッタ支持部にシャッタ装置を挿入後、前記シャッタ装置のシャッタ羽根が位置する部分に形成したレンズ嵌合部に、複数のレンズの内の1つを嵌合させることにより、前記シャッタ支持部から前記シャッタ装置が抜け止めされるようにしたことを特徴とするシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒の組立方法。
【請求項8】
前記鏡筒部には、前面側に形成されて所定の口径の開口部を有する前面壁と、この前面壁に対し所定の隙間の前記シャッタ支持部を介して対向形成したレンズ支持壁とが形成され、前記前面壁の前記開口部を形成した部分に1群レンズを支持して、前記シャッタ支持部に前記シャッタ装置を挿入した後、前記レンズ支持壁に2群レンズを支持すると、前記2群レンズが前記シャッタ装置のレンズ嵌合部に嵌合して前記抜け止めされることを特徴とする請求項7記載のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒の組立方法。
【請求項9】
前記シャッタ装置には、規制部が形成され、前記窓部から前記シャッタ支持部に前記シャッタ装置を挿入すると、前記規制部が前記シャッタ支持部の内周面に形成した係合部に係合して前記シャッタ装置の動きが規制されることを特徴とする請求項7、または8記載のシャッタ装置を内蔵したレンズ鏡筒の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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